JP2649044B2 - 抄紙用ニードルフエルト及びその製造方法 - Google Patents

抄紙用ニードルフエルト及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、抄紙機のプレスパートおよび乾燥パート
に用いるニードルフエルトおよびその製造方法に関する
ものである。
(従来の技術) 抄紙用ニードルフエルトとして、基布の少なくとも片
面に繊維ウエブを重ねてニードリングにより一体化した
ものが知られており、織物製の乾燥布に比べて表面が平
滑であるため、高級紙用の抄紙乾燥用として使用度が高
まってきている。しかしながら、このようなニードルフ
エルトにおいては、これを抄紙機に掛入れた使用初期に
表面から突出している繊維が抜け出たり、摩擦で切れた
りして紙に付着し、そのためこの紙に印刷した際に色抜
け部が生じる等の問題があった。
このような問題を防止する手段として、ニードルフエ
ルトの表面から突出する繊維を毛焼きによって除去する
方法、ニードリングの針密度を大きくする方法、特開昭
58−23987号公報や特開昭59−106595号公報等に記載さ
れているように繊維ウエブ中、または繊維ウエブと基布
との間に低融点の繊維またはフイルムを混用してニード
リングを施したのち、得られたニードルフエルトを加熱
し、上記低融点の繊維またはフイルムを溶融して繊維相
互を接着する方法、およびニードルフエルトに樹脂加工
を施す方法等が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) 毛焼きをする方法は、表面に突出する繊維を完全に除
去することが困難であると共に、焼けた繊維が毛玉にな
ってニードルフエルト表面に残り、これが紙に付着する
という問題があった。また、ニードリングの針密度を増
大する方法は、抄紙用ニードルフエルトとして不可欠の
通気性や通水性を低下させ、かつ基布を損傷してその強
力を低下するという問題があった。また、低融点の繊維
やフイルムを混用して熱接着する方法は、これらの融点
が低く、接着箇所の耐熱性が劣るので、抄紙機に使用し
て高温にさらされた場合に接着箇所が離れるという問題
があった。更に、樹脂加工による方法は、従来使用して
いた合成樹脂エマルジョンその他のバインダが高濃度の
ものであったので、大量に付与した場合は、表面が粗硬
に、かつ凹凸が甚しくなり、高級紙用としての平滑性が
失なわれ、裏面側に少量付与した場合は、表面の繊維が
接着されず、使用初期における繊維の抜け出しの防止、
すなわち初期脱毛の防止という当初の目的を達成するこ
とができなかつた。
この発明は、初期脱毛の欠点が無く、しかも高級紙用
としての表面平滑性、抄紙機用としての通気性、耐熱性
等を保持した優れた抄紙用ニードルフエルトおよびその
製造方法を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) 第1発明は、合成繊維フィラメント糸からなる基布の
少なくとも表側に合成繊維ウエブを重ねてニードリング
により一体化した抄紙用フエルトにおいて、上記の基布
および繊維ウエブの繊維相互を接着するための合成樹脂
バインダが繊維間空隙を閉塞しない程度に、かつ裏面側
から表面側に向かって分布密度を漸減するように全層に
わたって含浸しており、表面が加熱プレスによって平滑
化されていることを特徴とする抄紙用ニードルフエルト
である。
また、第2発明は、上記第1発明の抄紙用ニードルフ
エルトを製造するための方法であり、合成繊維フィラメ
ント糸からなる基布の少なくとも表側に合成繊維ウエブ
を重ねてニードリングを施し、得られたニードルフエル
トに裏面側から合成樹脂バインダを塗布して表面まで浸
透させ、次いで乾燥し、キユアを施しながらニードルフ
エルトの表面に平滑な熱板を圧接することを特徴とす
る。
この発明で使用する合成樹脂バインダは、ポリアクリ
ル酸エステル、合成ゴムラテックス、ウレタン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリエステル樹脂等のエマルジョン型で
あって、固形分濃度2.5〜20%の比較的低濃度のものが
好ましい。また、上記合成樹脂バインダの塗布手段は、
水平に走行するニードルフエルトの下面(裏面)に接す
るタッチローラ方式が好ましい。なお、合成樹脂バイン
ダは、樹脂の種類により溶剤タイプを使用することがで
きる。
(作用) ニードリングによって得られたニードルフエルトに裏
面側から比較的低濃度の合成樹脂バインダを塗布する
と、この合成樹脂バインダがタッチローラ等の塗布圧力
およびニードルフエルトの毛細管作用によって表面層ま
で僅かな密度勾配をもって浸透する。したがって、この
ニードルフエルトを乾燥し、キユアすることにより、ニ
ードリング工程で作られた繊維の交絡点および基布と繊
維相互の接触点が薄い合成樹脂被膜で覆われて接合され
る。そして、上記のニードルフエルトの表面を平滑な熱
板で圧接摺動することにより、ニードルフエルトの表面
の浮き繊維が倒されて表面に圧着されると共に、上記表
面の凹凸がならされて平滑化される。ただし、合成樹脂
バインダの濃度が2.5%未満の場合は、淡過ぎて接着力
が不十分になり、反対に20%を超えた場合は、表面まで
バインダが浸透せず、表面の接着が不十分になると共
に、裏面側に接着剤が多量に付着して通気性が低下す
る。
(実施例) たて糸にポリエステルモノフィラメントの撚り糸(0.
24mm×2本×3本)を、またよこ糸にポリエステルモノ
フィラメントの単糸(0.5mm×1本)をそれぞれ用い、
2重織の基布を製織した。この基布に表面層としてナイ
ロンステープル(15デニール、3インチ)およびアクリ
ルステープル(10デニール、3インチ)の50/50の混合
繊維ウエブを550g/m2の目付量で重ね、表側から500ポイ
ント/cm2の針密度でニードリングを行ない、裏面層とし
て上記表面層と同じ混合繊維ウエブを130g/m2の目付量
で重ね、裏側から300ポイント/cm2の針密度でニードリ
ングを施した。得られたニードルフエルトを毛焼きする
ことなく第1図の装置で加工した。
第1図において、1は加熱ロールであり、蒸気その他
による加熱手段および駆動手段を備えており、表面温度
を80〜180℃に保つことができ、かつ時計方向に駆動さ
れる。この加熱ロール1とこれに対する水平距離を調節
できる被動ロール2に、上記のニードルフエルトAが巻
き掛けられる。ただし、このニードルフエルトAは、上
記のニードリング後に両端を仮り継ぎして無端状に形成
されており、上記の巻き掛けに際しては、表面層が内側
に向けられる。そして、加熱ロール1と被動ロール2と
の間に、被動ロール2からニードルフエルトAの進む方
向に沿ってタッチローラ式のバインダ塗布装置3および
上下1対の熱風乾燥装置4、4が順に設けられ、バイン
ダ塗布装置3の塗布ローラ3aの上面がニードルフエルト
Aの下面(裏面)に圧接される。
最初、塗布ローラ3aをニードルフエルトAから離した
状態でニードルフエルトAを緊張し、加熱ロール1を15
0℃に加熱し、かつ熱風乾燥装置4、4から温度140℃の
熱風を吹出し、ニードルフエルトAを4.0〜6.0m/分(平
均5.0m/分)の速度で2回転させてニードルフエルトA
のヒートセットを行なった。
次に、バインダ塗布装置3にアクリル酸エステル系の
エマルジョン型バインダ(固形分濃度4.5%)を供給
し、塗布ローラ3aをニードルフエルトAの下面に強く接
触させ、加熱ロール1の温度を100℃に下げ、熱風乾燥
装置4、4を上記ヒートセットの状態に保持してニード
ルフエルトAを1回転させ、このニードルフエルトAに
上記のエマルジョン型バインダを裏面側から塗布し、表
面まで浸透させた。続いて、プレキユアのために上記の
塗布ローラ3aをニードルフエルトAから離し、加熱ロー
ル1の温度を100℃に、また熱風温度を120℃にそれぞれ
設定変更し、ニードルフエルトAを2回転させた。更
に、ポストキユアのため、加熱ロール1の温度を140℃
に、また熱風温度を140℃にそれぞれ設定変更してニー
ドルフエルトAを乾燥完了まで回転させ、本発明の実施
例の抄紙用ニードルフエルトを得た。
一方、ニードリング後のニードルフエルトAに毛焼き
を施し、上記エマルジョン型バインダの固形分濃度を6.
5%に高くし、かつ加熱ロール1の加熱を省略すること
を除いて他は上記実施例と同様にして比較例の抄紙用ニ
ードルフエルトを得た。
上記の実施例および比較例の抄紙用ニードルフエルト
について通気度および初期脱毛量を測定した。その結果
を下記の表に示す。ただし、初期脱毛量は、第2図に示
すように、直径200mmのローラ5の周上2箇所にタッチ
バー6を固定し、このローラ5に抄紙用ニードルフエル
トの試料Aa(長さ300mm、幅70mm)を掛けてその一端を
固定し、他端にウエイトW(重量7kg)を吊り下げてロ
ーラ5を50m/分の速度で10分間回転させ、上記試料Aaの
試験前と試験後の重量から求めた。
この表で明かなように、通気度については実施例と比
較例に大差が無いのに対し、初期脱毛は、実施例が比較
例の半分以下に減少した。
なお、上記の実施例において、ヒートセツト、プレキ
ユアおよびポストキユアの諸条件は、ニードルフエルト
Aの繊維ウエブおよび合成樹脂バインダの種類によって
適当に変更できることはもちろんであり、加熱ロール1
の温度、熱風温度およびニードルフエルトAの回転回数
は、それぞれヒートセツト時が120〜160℃、120〜160℃
および3〜10回、プレキユア時が80〜120℃、120〜150
℃および2〜5回、ポストキユア時が130〜160℃、140
〜160℃および2〜8回が好ましい。
(発明の効果) 第1発明の抄紙用ニードルフエルトは、合成樹脂バイ
ンダが表面で比較的低密度に、裏面で比較的高密度にな
るようにい僅かな密度勾配をもって全層に含浸されてい
るので、全層の繊維相互が接着していて初期脱毛が著し
く減少すると共に、通気性がほとんど損なわれず、表面
の粗硬さがなくて柔軟であり、しかも表面が平滑化され
ているので、初期脱毛が一層減少し、高級紙の抄紙用と
して優れている。また、第2発明は、樹脂加工時の樹脂
濃度を従来よりも低くする一方、加熱ロールを使用して
プレスを行なうものであるから、上記第1発明のニード
ルフエルトが得られると共に、その製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に使用する加工装置の一例の側面図、
第2図は初期脱毛の試験装置の側面図である。 A:ニードルフエルト、1:加熱ロール、2:被動ロール、3:
バインダ塗布装置、4:熱風乾燥装置。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維フィラメント糸からなる基布の少
    なくとも表側に合成繊維ウェブを重ねてニードリングに
    より一体化した抄紙用フエルトにおいて、上記の基布お
    よび繊維ウエブの繊維相互を接着するための合成樹脂バ
    インダが繊維間空隙を閉塞しない程度に、かつ裏面側か
    ら表面側に向かって分布密度を漸減するように全層にわ
    たって含浸しており、表面が加熱プレスによって平滑化
    されていることを特徴とする抄紙用ニードルフエルト。
  2. 【請求項2】合成繊維フィラメント糸からなる基布の少
    なくとも表側に合成繊維ウエブを重ねてニードリングを
    施し、得られたニードルフエルトに裏面側から合成樹脂
    バインダを塗布して表面まで浸透させ、次いで乾燥し、
    キユアを施しながらニードルフエルト表面に平滑な熱板
    を圧接することを特徴とする抄紙用ニードルフエルトの
    製造方法。
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