JP2647514B2 - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JP2647514B2 JP26719089A JP26719089A JP2647514B2 JP 2647514 B2 JP2647514 B2 JP 2647514B2 JP 26719089 A JP26719089 A JP 26719089A JP 26719089 A JP26719089 A JP 26719089A JP 2647514 B2 JP2647514 B2 JP 2647514B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、耐熱性に優れたガスバリアー性多層構造体
に関するもので、とくにレトルト殺菌(高温スチーム)
が可能である事より、常温での流通が可能であり、かつ
長期保存出来るばかりでなく、内容物を別の容器に移し
かえる事なく、該容器のままで、ボイル加熱、電子レン
ジ加熱、及びグリルオーブン加熱(220〜240℃)が可能
な高ガスバリアー性を有する多層構造体、とくに容器に
関する。
B.従来の技術 樹脂性容器に内容物(食品)を入れ、冷凍流通後、食
品を別の容器に移しかえる事なく、ボイル加熱、電子レ
ンジ加熱、グリルオーブン加熱(220℃以下)が可能で
あるとのふれこみで各種樹脂容器が市販されている。し
かしながら、これらの容器の大半は結晶加熱化塑性樹脂
ポリエステ(C−PET)、ポリプロピレン、ポリ(4−
メチルペンテン)から構成されており、これをたとえば
現在家庭にあるグリルオーブン、オーブントースターに
適用した場合、温度が容器の耐熱温度以上となることよ
り、容器の変形等の問題が生じる事が多い。したがつ
て、これらの欠点を改善し、市場の要求を満たす、より
耐熱性の優れた容器の出現が強く望まれている。
ところで、汎用のポリスチレン(アタクチツク)層と
EVOH層を積層した多層構造体はよく知られている(特開
昭54−46281、同60−107337、同60−26072など)。しか
しながら、このような構成の多層構造体は、汎用のポリ
スチレンのもつ耐衝撃性とEVOHのもつガスバリアー性を
併せ有しているので、食品容器として広く使用されてい
るが、耐熱性が劣るため、電子レンジ、オーブンレンジ
などでの使用は不可能である。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、ガスバリアー性を有し、長期間食品の保存
が可能で、かつ電子レンジ、オーブンレンジの加熱操作
によつても変形が生じない多層構造体を提供するもので
ある。
D.課題を解決するための手段 前記課題は、EVOH(A)層と主としてシンジオタクチ
ツク構造を有するスチレン系重合体(以下S−PSと記す
ことがある)(B)層とを積層することによつて解決さ
れる。
本発明者らは、耐熱性およびガスバリアー性を併せ有
する構造体について鋭意検討した結果、数多く存在する
樹脂の中で、S−PSとEVOHを複合させた構造体が、その
特性および成形加工性において顕著に優れていることを
見い出した。
たとえばガスバリアー樹脂としてアクリロニトリル系
樹脂、塩化ビニリデン系樹脂をS−PSと複合した場合
は、オーブンレンジが高温(たとえば230℃程度)にな
つたとき、着色、臭気が激しく、使用に耐えないし、さ
らにまた耐熱性樹脂として液晶ポリマーを用いた場合
は、EVOHとの積層後、熱成形、延伸ブロー成形して容器
を得ることがむずかしく、また得られた成形品は亀裂が
生じやすい。ところが本発明のEVOHとS−PSからなる複
合系においては、このような着色、臭気などの問題を伴
なうことなく、目的、用途に応じた成形品を得ることが
可能となる。さらに成形加工時生じる多量のトリム、く
ずなどを再利用することは、コストの面で、この分野で
は必須の条件であるが、アクリロニトリル系樹脂、塩化
ビニリデン系樹脂などのガスバリアー性樹脂を使用した
多層構造体の場合は、その回収物の再利用は着色、臭
気、ゲル、ブツなどの発生が伴なうため不可能である。
ところが本発明の多層構造体の場合は、その回収物を再
利用してもこのような問題はみられない。回収物の再利
用が可能なことは、成形品を製造する場合のもつとも大
きな利点のひとつである。
本発明において、EVOH(A)とはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体けん化物であり、エチレン含有量20〜60モル
%、好適には25〜50モル%、酢酸ビニル成分のけん化度
90%以上、好適には95%以上のものが使用できる。エチ
レン含有量20モル%未満では溶融成形性が悪く、一方60
モル%以上ではバスバリアー性が不足する。またけん化
度が90%未満ではガスバリアー性および熱安定性が悪く
なる。また該EVOHには、本発明の目的が阻害されない範
囲で、他の共単量体[たとえばプロピレン、ブチレン、
不飽和カルボン酸またはそのエステル{(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチル)
など}、ビニルシラン化合物(ビニルトリメトキシシラ
ン、トリエトキシシランなど)、ビニルピロリドン(N
−ビニルピロリドンなど)]を共重合することもできる
し、さらに可塑剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、着色剤、フイラー、他の樹脂(ポリアミド、部分
けん化エチレン−酢酸ビニル共重合体など)をブレンド
することも自由である。また本発明に用いるEVOHの好適
なメルトインデツクス(MI)(190℃、2160g荷重下)は
0.1〜50g/10分、最適には0.5〜20g/10分である。
本発明において、(B)として用いる主としてシンジ
オタクチツク構造を有するスチレン系重合体(S−PS)
は、特開昭62−104818、同62−187708、同62−257948お
よび同63−77905に開示されているように、従来のアタ
クチツクポリススレンとはまつたく異なる、結晶化挙
動、耐熱特性を有する優れた新しい素材である。このス
チレン系重合体は、主としてシンジオタクチツク構造、
即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖で
あるフエニル基や置換フエニル基が交互に反対方向に位
置する新規な立体構造を有するものであり、そのタクテ
イシテイーは核磁気共鳴法(NMR法)により定量され
る。
NMRにより測定されるタクテイシテイーは、連続する
複数個の構造単位の存在割合、例えば2個の場合はダイ
アツド、3個の場合はトリアツド、5個の場合はペンタ
ツドによつて示すことができるが、本発明に言う主とし
て(S−PS)とは、総じてダイアツドで85%以上若しく
はペンタツドで35%以上のシンジオタクチツク構造を有
するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ
(ハロゲン化スチレン)、ポリ(アルコキシスチレ
ン)、ポリ(安息香酸エステルスチレン)およびこれら
の混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体を指
称する。なお、ここでポリ(アルキルスチレン)として
は、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレ
ン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシヤ
リープチルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化ス
チレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブ
ロモスチレン)などがある。また、ポリ(アルコキシス
チレン)、としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ
(エトキシスチレン)、スチレンとパラメチルスチレン
の共重合体などがある。
また、本発明に用いるスチレン系重合体は、分子量に
ついては特に制限はないが、重量平均分子量が10,000以
上のものが好ましく、とりわけ50,000〜3,000,000のも
のが好ましい。ここで重量平均分子量が10,000未満のも
のでは、延伸が充分にできない。さらに、分子量分布に
ついてはその広狭は制約がなく、様々なものを充当する
ことが可能である。
このような主としてシンジオタクチツク構造を有する
スチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中また
は溶媒の不存在下に、チタン化合物、及び水とトリアル
キルアルミニウム縮合生成物を触媒として、スチレン系
単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重
合することにより製造することができる(特開昭62−18
7708号公報)。
またこのS−PSには、本発明の目的が阻外されない範
囲で、他の熱可塑性樹脂、ゴム、無機充填材、着色剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤、結晶化促進剤など
をブレンドすることは自由である。
本発明の多層構造体は、(A)と(B)の共押出によ
つて構造されることが好ましいが、(A)と(B)のド
ライラミネート、(A)層または(B)層への(B)ま
たは(A)の押出ラミネート、(A)と(B)の共射
出、あるいは(A)層または(B)層への(B)または
(A)の溶液コーテイングなどによつても製造される。
また(A)層および/または(B)層は積層される前ま
たは後に延伸(一軸または二軸)される場合もあるし、
さらに延伸後に熱固定される場合もある。またこの際、
(A)層と(B)層の間に接着性樹脂(C)層を介在さ
せることが(A)層と(B)層を強固に接着せしめるこ
とができるので好ましい場合が多い。ここで接着性樹脂
(C)としては、(A)層と(B)層を強固に接着する
ものであれば、とくに限定されるものではないが、不飽
和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン酸など)
をオレフイン系重合体または共重合体[ポリエチレン
{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル
(メチルエステル、またはエチルエステル)共重合体な
ど]にグラフトしたもの、水素化スチレン−ブタジエン
共重合体の酸無水物(例無水マレイン酸)変性物、液状
ブタジエンの酸無水物変性物、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体の酸無水物変性物等のオレフイン、ジエ
ン系重合体の酸無水物変性物等が、好適に用いられる。
本発明の多層構造体の層構成としては、(A)層/
(B)層のほかに、(B)層/(A)層/(B)層、
(A)層/(B)層/(A)層/(B)層、(B)層/
(A)層/(B)層/(A)層/(B)層、あるいはこ
れらの(A)層/(B)層の少なくともひとつの層間に
(C)層を介在させたもの、などがあげられる。さらに
は本発明の多層構造体の回収物{(A)および(B)、
または(A)、(B)および(C)の樹脂組成物}(Re
g)を前記いずれかの層、とくに(B)層に配合する
か、また層間に(Reg)層として設けることもできる。
(Reg)を(B)層に配合する場合は、(B)層は
(A)、または(A)および(C)を含む樹脂組成物層
となる。(Reg)のブレンド比率{バージンの−S−PS
(B)と(Reg)の全量に対する比率}は通常5〜95重
量%程度である。
本発明においては(Reg)を用いても、目的とする性
能を有する多層構造体を得ることができることは大きな
利点の一つである。(Reg)を使用した層構成の代表的
なものとしては、(B)層/(Reg)層/(A)層/
(B)層、(B)層/(Reg)層/(A)層/(Reg)層
/(B)層、(Reg)層/(A)層/(B)層、あるい
はこれらの(A)層/(B)層の少なくともひとつの層
間に(C)層を介在させたものがあげられる。なお
(B)層/(Reg)層の層間、(A)層/(Reg)層の層
間に(C)層を介在させることは任意である。ここで
(Reg)層とは回収物をそのまま使用している層、ある
いはバージン(B)に回収物を配合した層であることを
意味している。また、前記層構成の外側(片側または両
側)にシーラント層を付加するか、あるいは他の熱可塑
性樹脂{ポリオレフイン(ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなど)、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
トなど}層を、外側(片側または両側)に付加するか、
または任意の層間に挿入することは本発明の目的を阻害
しない範囲で自由である。前記層構成のうち、(A)層
の両側に(B)層を設けたもの{(A)層/(B)層間
に(C)層を介在させたものは最良}が、ガスバリアー
性、耐熱性の点からもつとも好ましい。
本発明において多層構造体としては、フイルム、シー
ト、シートを真空および/または圧空成形により得られ
る塑性加工容器(カツプ)、パリソンなどの予備成形
体、パリソンをブロー成形して得られる容器(ボト
ル)、パイプ、パイプを切断して得たパリソンおよびそ
れをブロー成形して得られる容器(ボトル)、ダイレク
トブローにより得られる容器(ボトル)などがあげられ
る。またフイルムとしては蓋材、パウチなどが含まれ
る。以下にこのうちの本発明の代表的な態様について説
明する。
まず、本発明の多層構造体の態様のひとつである容器
について説明する。
容器の製造方法としては、EVOH(A)とS−PS(B)
を共押出ししてシートまたはパリソンを得、これを急冷
し、次いで90〜280℃、好適には100〜280℃に再加熱
し、カツプ状、またはボトル状に延伸成形する方法が一
般的である。また他の方法としては、ダイレクトブロー
成形、共射出成形、共射出ブロー成形する方法もある。
熱成形(真空および/または圧空成形など)あるいはブ
ロー成形する際の金型の温度を100〜250℃、好適には11
0〜230℃の高温にし、その金型内で1〜60秒、好適には
2〜20秒熱処理することにより容器の加熱時(オーブン
レンジ処理する時など)の寸法安定性が向上する。また
得られる成形品(容器)は温度が高く、柔軟なため、金
型より取り出す時、充分注意が必要であり、場合によつ
ては、低温度金型に再び投入するか、または前記高温度
金型内部に冷風を吹き込むことにより容器の形状のくず
れを防止することができる。このようにして得られた容
器は、ガスバリアー性、耐熱性のみならず落下強度が優
れている。
容器の構成としては、前記したとおりであるが、とく
に容器を製造する場合はトリミングによつて生じたスク
ラツプ(回収物)の再利用が重要である。回収物を再利
用することにより容器の透明性などには影響がでるが、
容器の性能には影響をほとんどおよぼさないばかりか、
臭気、着色、ゲルブツの発生もなく、しかも容器の機械
的強度、層間剥離強度が向上する場合もある。
回収物の再利用方法としては、たとえば回収物を粉砕
し、吸湿している場合は乾燥した後、それをそのまま回
収物(Reg)層として、あるいはS−PS(B)層に配合
する方法がある。この場合、Regの分散性、熱安定性を
向上させ、さらに容器成形時の異常をおさえるため、酸
化防止剤(ヒンダートフエノール系、ヒンダードアミン
系、ヒンダードリン系、あるいは金属せつけんなど)、
分散剤(接着性樹脂など)、相溶化剤を、さらには必要
に応じ着色剤などを一種または二種以上添加することが
好ましい場合がある。
また本発明の前記容器、とくに(A)層の両側に
(B)層および/または(Reg)層を有する容器におい
ては、(A)層は容器の内側寄り、または外側寄りに偏
在していることが、加熱時の発泡あるいは変形が少ない
ので好ましい。とくに外側寄りに偏在している場合はガ
スバリアー性、とくにレトルト処理後のガスバリアー性
が優れているので好ましい。
容器の厚みに関しては、容器胴部の全層厚みは好適に
は50〜4000μ、(A)層(複数層の場合はその合計)の
厚さは好適には2〜200μ、最適には2〜120μ、(B)
層(複数層の場合またはReg層を含む場合はその合計)
の厚さは好適には30〜3000μ、最適には50〜2000μ、
(C)層(複数層の場合はその合計)の厚さは好適には
2〜200μ、最適には5〜100μである。
このようにして得られた容器は240℃のオーブンレン
ジで30分間加熱した時の容器胴部(縦方向)の熱収縮率
は10%以下、好適には6%以下である。ここで、容器胴
部(縦方向)の収縮率とは、100×(加熱前の寸法−加
熱後の寸法)/加熱前の寸法、による値である。また該
容器を、レトルト殺菌と同じ条件(121℃、30分)で処
理し、さらに240℃のオーブンレンジで30分間加熱して
も、内部デラミネーシヨンによると思われる容器の変形
は認められない。
次に本発明の多層構造体の他の態様であるフイルムに
ついて述べる。フイルムの製造方法としては、(A)お
よび(B)さらに必要に応じ(C)を共押出しし、熱固
定する方法、あるいは共押出しした後、共延伸(一軸ま
たは二軸延伸)する方法、さらには共延伸後、熱固定す
る方法がある。とくに共延伸後、熱固定して得たフイル
ムは、耐熱テスト(230℃の空気中に30分放置)によつ
ても、フイルムのカール、局部的な凸凹の発生、フイル
ムの白化が極めて少なく、透明性、落下破袋性も極めて
優れている。また本発明のフイルムは、Regを使用しな
い場合、あるいは他に透明性を阻害するような添加剤
(充填剤)などを使用しない場合は、透明性に優れてい
るので、食品包装用フイルム、とくにレトルト食品包装
用フイルムとして有用である。共押出された原反シート
{代表的層構成は、(B)層/(C)層/(A)層/
(C)層/(B)層}をそのまま、あるいは90〜250
℃、面積倍率5〜80倍、好ましくは9〜80倍で二軸延伸
(逐次または同時延伸)し、次いで110〜250℃、好適に
は160〜240℃で、0.1〜60秒、好適には0.1〜20秒熱固定
し、さらに好ましくは引き続いて(A)の融点以下の温
度で、0.1〜60秒間再度熱固定することにより、前記し
たとおりの優れた、しかも耐候性、フイルム強度、ガス
バリアー性の優れたフイルムを得ることができる。
フイルムの構成としては、前記したとおりであるが、
Regを使用する場合は、Reg層中のEVOHの濃度が10%をこ
えると透明性を損なう恐れがあるので、透明性を重視す
るフイルム製品においてはEVOH濃度を出来るだけ下げる
ことが望ましい。この濃度を下げる方法としてはRegに
バージンのS−PSを配合する方法が最適である。
フイルムの厚みに関しては、全層厚さは好適には5〜
1000μ、最適には10〜500μ、(A)層(複数層の場合
はその合計)の厚さは好適には1〜500μ、最適には1
〜100μ、(B)層(複数層の場合またはReg層を含む場
合はその合計)の厚さは好適には10〜1000μ、最適には
10〜500μ、(C)層(複数層の場合はその合計)の厚
さは好適には1〜100μ、最適には5〜50μである。
本発明のフイルムの製法においては前記した共押出法
が最良であるが、その他の方法として未延伸(B)フイ
ルムまたは延伸(B)フイルムに(A)をドライラミネ
ートする方法、押出しラミネートする方法も採用できる
し、さらにまたラミネート後のフイルムを再度延伸する
こともできる。また延伸法として一軸延伸法も採用でき
る。
また本発明は多層構造体を得る場合は、S−PS(B)
層にEVOH(A)の溶液、たとえばEVOHの水−アルコール
(イソプロピルアルコールまたはn−プロピルアルコー
ル)の溶液を塗布する方法も採用できる。その場合、該
溶液中に接着性樹脂(たとえば特開昭60−144330、特表
昭60−501312に記載されているようなポリエステルアミ
ド)を配合することは自由である。
本発明の積層体において、S−PS層の結晶化度は30%
以上が好ましく、特に35%以上が好ましい。結晶化度が
30%未満であると、耐熱性が不充分である場合がある。
なお、この結晶化度を達成するには、、前記の延伸、ブ
ロー、圧空成形等の成形および熱処理により達成でき
る。
このようにして得られた本発明の多層構造体、とくに
前記した容器およびフイルムはガスバリアー性がきわめ
て優れ、かつ耐熱性が優れているため、食品容器、とく
にレトルト処理(120℃、30分)し、電子レンジおよび
オーブンレンジで処理するための容器としてきわめて有
用である。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
参考例1(主としてシンジオタクチツク構造を有するポ
リスチレンの製造) 反応容器に、反応溶媒としてトルエン2と触媒成分
としてテトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルア
ルミノキサンをアルミニウム原子として500ミリモル入
れ、55℃においてスチレン15を加え、4時間重合反応
を行つた。
反応終了後、生成物を塩酸とメタノールとの混合液で
洗浄して、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥するこ
とにより、スチレン系重合体(ポリスチレン)2.5kgを
得た。次に、この重合体を、メチルエチルケトンを溶媒
としてソツクスレー抽出し、抽出残分97重量%を得た。
この抽出残分の重量平均分子量は400,000であつた。ま
た、この重量体は13C−NMRによる分析(溶媒:1,2−ジク
ロロベンゼン)から、シンジオタクチツク構造に基因す
る145.35ppmに吸収が認められ、そのピーク面積から算
出したラセミペンタツドでのシンジオタクテイシテイー
は96%であつた。またこの重合体の融点は268℃であつ
た。
E.実施例 実施例1 EVOH(A)としてはエチレン含有量32モル%、けん化
度99.4%、MI1.3g/10分のものを、接着性樹脂(C)と
しては、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン(MA
n化SLDPE)を、またS−PS(B)としては参考例1で得
られたシンジオタクテイシテイーが96%、融点268℃の
ものを用い、3種5層共押出しシート製造設備でS−PS
(B)(外側)/(C)/EVOH(A)/(C)/S−PS
(B)(内側)のシートを得た。この時の厚み構成は35
0(外側)50/50/50/550(内側)(μ)であつた。
このシートを熱成形機にかけて270℃に加熱し、圧空
成形し、220℃金型で10sec間の熱処理を行なつた。得ら
れた容器の外側のS−PS層の結晶化度を示差熱走査熱量
計にて測定したところ、その結晶化度は42%であつた。
得られた絞り比0.5の容器の内容積100ml、240℃−30分
間のオーブン加熱後の熱収縮率は4%であつた。またこ
の容器を20℃−65%RHで調湿後のガスバリアー性をモコ
ン社製O2バリアー測定機にかけ測定した所、EVOH層の酸
素透過速度(PO2)は0.5cc・20μ/m2・day・atmと良好
であつた。
また、この容器及び240℃−30分間オーブン加熱した
あとの容器に水を入れ、上蓋をシールした後、5℃で1m
高さよりコンクリート床に落下させ、破袋テストを行な
つた。その結果、240℃熱処理容器は10回目で破壊した
が、実用的には十分な強度であつた。
実施例2〜4および比較例1〜3 表1に示した条件以外は、実施例1と同様の条件で容
器を得た。結果を表1に示す。
実施例5 EVOH(A)としては、エチレン含有量32モル%、けん
化度99.4%、MI1.3g/10分のものを、S−PS(B)とし
てはシンジオタクテイシイテイー96%、融点268℃のも
のを、また接着性樹脂(C)としては、無水マレイン酸
変性超低密度ポリエチレンを用いて3種5層共押出シー
ト成形機にて急冷シートを作成した。この時のシート構
成はS−PS(B)/(C)/EVOH(A)/(C)/S−PS
(B)であり、厚みは200/80/200/80/200であつた。こ
のシートを110℃でタテ方向に8倍、次に120℃でヨコ方
向に4倍延伸を行なつた。この延伸フイルムを230℃−1
0secで熱固定し、さらに160℃で10sec間再度熱固定し
た。得られたフイルムは透明性、外観とも良好であつ
た。このフイルムをモコン社製O2バリアー測定器にかけ
た所、20℃−65%RHで、0.3cc・20μ/m2・day・atmと非
常に良好なガスバリアー性を示した。また240℃−30分
間のオーブン加熱後の熱収縮テストを行なつた所、2%
と収縮性も低く、収縮後のフイルム面は局部的凸凹もな
く良好であつた。また透明性も極めて良好であつた。さ
らに該フイルムを2枚用いて袋(10×10cm)を作り、50
mlの水を入れて、5℃で落下テスト(1m高さよりコンク
リート床へ落下)した所、10回まで破袋しなかつた。
実施例6〜8および比較例4〜5 表2に示した条件以外は、実施例5と同様の条件でフ
イルムを得た。結果を表2に示す。
実施例9 EVOH(A)としては、エチレン含有量44モル%、けん
化度99.4%、MI5.5g/10分のものを、接着性樹脂(C)
としては、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン
を、またS−PS(B)としては、シンジオタクテイシテ
イーが96%、融点268℃のものを用い、3種5層共押出
しシート製造設備でS−PS(B)(外側)/(C)EVOH
(A)/(C)/S−PS(B)(外側)のシートを得た、
この時の厚み構成は、100(外側)/50/50/50/750(内
側)(μ)であつた。
このシートを熱成形機にかけて270℃に加熱し、圧空
成形し、220℃金型で10sec間の熱処理を行なつた。得ら
れた絞り比0.5の容器の240℃−30分間のオーブン加熱後
の熱収縮率は4%であつた。またこの容器を20℃−65%
RH調湿後のガスバリアー性をモコン社製O2バリアー測定
機にかけ、測定した所、EVOH層のPO2は1.5cc・20μ/m2
・day・atmと良好であつた。
また、該容器にサラダ油を入れ、アルミ製の蓋でシー
ルした後、121℃−30分間高温スチーム殺菌(レトル
ト)を行なつた。その後、20℃−65%RHで5日間放置
し、上蓋を開き、サラダ油を除いた後、空の状態で240
℃30分間オーブン加熱したが、デラミ変形もなく、外見
は良好であつた。また、加熱後のガスバリアー性(20℃
−65%RH)も1.5cc・20μ/m2・day・atmと良好であつ
た。
実施例10〜12 表3に示した条件以外は、実施例9と同様の条件で容
器を得た。結果を表3に示す。
実施例13 EVOH(A)としては、エチレン含有量44モル%、けん
化度99.4%、MI5.5g/10分のものを、またS−PS(B)
としては、シンジオタクテイシテイーが96%、融点268
℃のものを用い、共射出延伸ブロー成形機(日精ASB
製)にかけて、2種3層{(B)層/(A)層/(B)
層}急冷パリソンを得、ひきつづき該パリソンを140℃
に再加熱した後、圧空圧力15kgで延伸ブローし、さらに
240℃の金型で5秒間の熱固定を行ない内容積500mlの容
器を得た。得られた容器の240℃−30分のオーブン加熱
後の熱収縮率は2.5%と小さく、また、20℃−65%RH調
湿後のガスバリアー性、すなわちEVOH層のPO2は1.8cc・
20μ/m2・day・atmと良好であつた。
実施例14 実施例9において、シート製造設備の代りに3種5層
二軸延伸ブーロ成形機を用いて、多層ボトルの成形を行
なつた。この時の金型温度は80℃であつた。得られたボ
トルは透明性が良く、121℃−30分間レトルト殺菌を行
なつた後も、該容器の20℃−65%RH調湿下でのガスバリ
アー性(EVOH層のPO2)は1.7cc・20μ/m2・day・atmと
良好であつた。
G.発明の効果 本発明は、ガスバリアー性を有し、長期間食品の保存
が可能で、レトルト殺菌及び電子レンジ、オーブンレン
ジ加熱にも耐える多層構造体である。したがつて該多層
構造体からなる容器はレトルト殺菌後、内容物(食品)
が入つたままの状態で、電子レンジ、オーブンレンジ加
熱に供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 亨明 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石 油化学株式会社内 (72)発明者 舟木 圭介 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石 油化学株式会社内 (72)発明者 住友 孝司 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石 油化学株式会社内 審査官 増田 亮子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜60モル%、けん化度90
    %以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(A)
    層と、主としてシンジオタクチツク構造を有するスチレ
    ン系重合体(B)層を有する多層構造体。
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