JP2647440B2 - 重合体積層物 - Google Patents

重合体積層物

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JP2647440B2 JP63153582A JP15358288A JP2647440B2 JP 2647440 B2 JP2647440 B2 JP 2647440B2 JP 63153582 A JP63153582 A JP 63153582A JP 15358288 A JP15358288 A JP 15358288A JP 2647440 B2 JP2647440 B2 JP 2647440B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、二層以上の重合体が積層された重合体積
層物に関する重合体積層物に関する。
〔従来の技術とその課題〕
重合体積層物とは、重合体のフイルムまたはシート
(以下単にフイルムと云う)を積層せしめてなるラミネ
ートであって、包装材料、フレキシブル回路基板、フレ
キシブル回路基板、フレキシブル回路基板用カバーフィ
ルム、電線被覆材料、保護フィルム、断熱材、保護フィ
ルム・断熱材、磁気テープ・フロッピディスク等のベー
スフィルム、太陽電池用基板、太陽電池用基板、コンデ
ンサー、センサー、絶縁材料等広く用いられている。
これらの重合体積層物は、これを加工する場合および
上記したごとき種々の用途に使用するために、その重合
体の層間の寸法差が適当な範囲(5%以内好ましくは1
%以内)にあり、かつ平坦であるかまたはそれに近い状
態であることが好ましい。一般に、加工に際しまたは使
用に際し、重合体積層物が「平坦に近い状態」とは、実
用上、カールの曲率半径が10cm以上にある状態と考えて
よい。
重合体積層物は、ベースフィルム上に重合体をドライ
ラミネート、押し出しラミネート等の方法でラミネート
する方法;ベースフィルム用重合体と他の重合体を共押
し出しする方法;ベースフィルム上に溶媒に溶かした重
合体を塗布し、乾燥する方法等によって製造される。し
かしながら、通常の重合体積層物はその重合体の層間の
熱膨張率の相違、熱履歴の相違等に起因して製造工程に
おいて、層間の寸法差は上記適当とされる範囲外となっ
ており、層間のかかる寸法差に起因するカールの対策に
当業者に苦慮している。
たとえば、重合体が溶解している溶液を重合体薄膜上
に塗布、乾燥して製造した重合体積層物は、熱膨張率・
熱収縮率の差や乾燥収縮率により、カールしたものとな
ることが多く、積層、張り合わせ等実用上不都合であ
る。
従って、このカールを消去してなる重合体積層物は、
産業上非常に有用なものとなる。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、 (1)二層以上の重合体が積層され、かつカールしてい
る重合体積層物を、その幅方向に対して0〜80度の角度
で設けられた、曲率半径が0.001以上1.00mm未満の第一
のバーの曲面上に、カールしている外側を内側をして緊
張状態で長手方向に滑らせる工程と、前記幅方向に対し
て0〜−80度の角度で設けられた、曲率半径が0.001以
上1.00mm未満のバーの曲面上に、カールしている外側を
内側にして前記積層物を緊張状態で長手方向に滑らせる
工程とを、そのいずれかまたは共に一回以上実施するこ
とにより得られ、かつ、前記各工程において、バーに導
入される積層物が属する平面とバーから誘出される積層
物とがなす折り返し角度を20度から179度とし、前記各
工程において緊張状態が積層物にかかる張力を200〜200
0g/cm以上として、カールしている重合体積層物の一部
に収縮塑性変形を、他の一部に延伸塑性変形を起こさ
せ、それらの組み合わせにより該カールの曲率半径を10
cm以上とすることにより得られることを特徴とする重合
体積層物、及び (2)最終工程を終了したあと、前記積層物を該重合体
のガラス転移温度より10℃以上低い温度で10分以上養生
して得られれた上記の(1)項に記載の重合体積層物で
ある。また、 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、対象とする重合体積層物は重合体フ
ィルム上に他の重合体フイルムを積層して得ることがで
きる。この重合体の種類は特に限定されないが、これを
非制限的に例示すれば、芳香族または脂肪族ポリアミ
ド、芳香族または脂肪族ポリイミド、ポリエーテルスル
ホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレンま
たはこれらの共重合体等である。
重合体積層物の製造方法としてたとえばベースフィル
ム状に上に重合をドライラミネート、押出しラミネート
等の方法でラミネートする方法;ベースフィルム用重合
体と他の重合体を共押し出しする方法;またはベースフ
ィルム上に溶媒に溶かした重合体を塗布し、乾燥する方
法等により製造されるが、特に限定されるものではな
い。また、重合体積層物の膜厚は、通常1〜1000μmで
あり、好ましくは1〜200μmである。また、積層物を
構成する個々のフイルム層の厚みは、0.5〜500μm程
度、好ましくは0.5〜100μm程度である。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。通常、
重合体積層物は、その長手方向および幅方向ともに、熱
膨張率・熱収縮率の差や、乾燥工程を経た場合には乾燥
収縮のために第1図に示すようにカールが生じている場
合が多い。
カールのない重合体積層物は、すなわちカールを矯正
した重合体積層物であって、基本的には、以下の方法に
よって得ることができる。すなわち、重合体積層物をバ
ーの曲面上でカールしている外側を内側にして連続的に
滑らせる。該重合体積層物はバーの曲面上では外側の重
合体が延伸され、逆に内側の重合体は収縮され、その結
果としてカールの曲率半径を所望の範囲、すなわち、10
cm以上とせしめるものである。本発明の一つの大きな特
徴は、このように、重合体積層物の一部を「収縮組成変
形」せしめてカールを矯正せしめる点にある。この点に
関しては、後に詳述する記載を参照されたい。上記に関
してより具体的には、たとえば、重合体積層物をその幅
方向に対して0〜80度の角度(ライン角度)で設けられ
たバーの曲面上に、カールしている外側を内側にして緊
張状態で長手方向に滑らせる工程、前記積層物の幅方向
に対して0〜−80度の角度(ライン角度)で設けられた
バーの曲面上に、カールしている外側を内側にして前記
積層物を緊張状態で長手方向に滑らせる工程を、任意の
順序で各工程を一回以上実施することで重合体積層物の
カールを矯正することができる。尚、本発明に云うライ
ン角度とは進行している重合体の二つの面のうち、バー
に直接触れていない面から見た角度であり、反時計方向
を正の角度、時計方向を負の角度とする。また、該積層
物のカールが実質的に長手方向のみの場合には、一回の
工程を行うことでカールの矯正は達成される。ここでラ
イン角度が80度を越えると、走行が不安定となり、ま
た、より長いバーを使用することが必要となるので、そ
の直線性の精度を±1mm以内に収めることが困難となる
ため、実質上±80度以内であることが好ましい。
また、上記の最終工程のあとに、後に示す温度の雰囲
気で10分程度以上養生する工程を実施することも好まし
い態様である。
本発明の原理的な技術思想は、たとえば第2図に示す
ように特定の曲率半径を持った曲面aを有するバーbの
曲面a上を、カールしている積層物Aが、該カールして
いる外側の重合体dを内側にして、該バーの円周に沿っ
て張力をかけられながら移動する際、重合体cを延伸さ
せ、かつ、重合体d「収縮」させることによって重合体
dと重合体cの長さをほぼ等しくせしめて、積層物のカ
ールを取り除くと云うものである。このように、本発明
の大きな特徴とするところは、特に重合体積層物の一部
を「収縮塑性変形」させることによりカールを矯正する
点にある。けだし、通常の重合体の塑性加工の分野にお
いては、一軸延伸や二軸延伸操作等のごとく、樹脂を
「延伸塑性変形」させることはごくありふれた操作であ
るところ、重合体の積層物の一部を「収縮塑性変形」せ
しめてカールを矯正するのは、本発明者らによりはじめ
て見出された新規な操作と云うべきだからである。かか
る操作を実施することにより、カールをきわめて効果的
に矯正することができることは、まさに当業者に到底予
想もつかない驚くべき知見と云わねばならない。
また、この技術思想を実施するにあたり、第一工程と
第二工程に分けて行うことが好ましいのであるが、これ
は第3図により例示される。第一工程では、積層物Aが
その進行方向に対してたとえば45度に置かれた第一のバ
ー11を通過すると、そのバーに対して直角にカールが矯
正される。さらに、第二工程では、その積層物Aがその
進行方向に対してたとえば、−45度に置かれた第二のバ
ー12を通過すると、そのバーに対して直角にカールが矯
正される。このようにして積層物Aが第一のバー11およ
び第二のバー12の両方のバーを通過することにより積層
物の全平面方向のカールが矯正される。このカールの減
少程度は積層物Aがバーの上を進行方向に滑る時の張
力、速度、回数および第2図に示される積層物Aにかか
る張力、積層物Aがバーを境に折り返される時の折り返
し角度等を制御することによって調整することができ
る。
また、第一のバーと第二のバーの積層物の幅方向に対
する角度の絶対値は等しくなくともよい。これは第4図
に例示される。この例では、第一工程で積層物Aがその
幅方向に対して20度に置かれた第一のバー21を通過する
と、そのバーに直角な方向にカールが減少する。さらに
第二工程では、その積層物Aがその幅方向に対して−70
度に置かれた第二のバー22を通過するとそのバーに直角
な方向にカールが減少する。このようにして積層物Aが
第一のバー21および第二のバー22の両方のバーを通過す
ることにより、積層物の全平面方向のカールが減少する
のである。
また重合体積層物のカールに方向性があり、幅方向
(TD方向)と長尺方向(MD方向)で差があるときは、第
一のバーと第二のバーのなす角度が90度であるとは限ら
ない。たとえば重合体フィルム上に他の重合体をキャス
トしたときに大きく張力がかかった場合、MD方向のカー
ルはTD方向のそれに比べて大きくなる。このような重合
体積層物をカールのない積層物とするには、第5図にお
いて第一のバー31の積層物Aの幅方向に対する角度をた
とえば20度とし、第二のバー32の積層物の幅方向に対す
る角度をたとえば−20度とする。このようなライン角度
とすると、TD方向に比べてMD方向のカールの矯正が大き
くなり、MD方向とTD方向のカールが等しく、かつ小さい
重合体積層物を製造することができる。この場合のカー
ルの減少程度は積層物Aがバーの上を進行方向に滑る時
の張力、速度、回数および第2図に示される積層物にか
かる張力、積層物Aがバーを境に折り返される時の折り
返し角度を制御することにより調整することができる。
さらに、必要に応じて上記のカールの矯正の後、この積
層物を重合体のガラス転移温度より10℃以上低い温度で
養生することが好ましいが、これはバーの通過で生じた
重合体の延伸塑性変形、収縮塑性変形以外の一時的な小
さな変形が残存しているため、それを養生により除去す
ることである。このようにして重合体積層物のカールを
矯正することができるのである。尚、塑性変形を伴うカ
ールの矯正においても重合体積層物の接着物性、フィル
ム物性等の品質低下は実質的に発生しない。
本発明の理解を容易にするため、添付図面を参照して
本発明をさらに具体的に説明する。第6図は第一のバー
および第二のバーとして第8図に示すような断面がコー
ナーに曲線を持った長方形のガラス板等を用いてバーに
直接接していない重合体を延伸塑性変形させ、またバー
に直接接している重合体を収縮塑性変形させてカールの
矯正を実施している状況の一例を示す模式図である。
ロール41に巻取られていた重合体積層物45は矢印の方
向に移動し、この積層物の幅方向に対して0〜80度の角
度α(ライン角度)で設置された第一のバー42(第6
図では積層物の幅方向に対するαが45度になるように
設置されている)のコーナー(コーナー部分の曲率半径
が0.001mm以上1mm未満)にカールしている外側の重合体
が接しながら、折り返し角度、たとえば60度(すなわ
ち、第一のバー42に供給される積層物が属する平面とバ
ー42から誘出される積層物が属する平面とが60度の角度
をなしている状態)で折り返されている。第一のバー42
からの積層物は矢印の方向に移動し、この積層物の幅方
向に対して0〜−80度の角度α(ライン角度)で設置
された第二のバー43(第6図では積層物の幅方向に対す
るαが−45度になるように設置されている)のコーナ
ー(コーナー部分の曲率半径が0.001mm以上25mm未満)
にカールしている外側の重合体が接しながら、折り返し
角度、たとえば60度(すなわち、第二のバー43に供給さ
れる積層物が属する平面とバー43から誘出される積層物
が属する平面とが60度の角度をなしている状態)で折り
返され、さらに矢印の方向に移動し、ロール44に巻取ら
れる。なお、ライン角度はバーが接していない重合体側
から見た角度である。
本発明において用いられるバーの材質は、ガラス、セ
ラミックス、金属、合成樹脂等の耐摩擦性および剛性の
高い材料、特に好ましくはジルコニアセラミックス等の
強靭なセラミックスである。その断面(すなわち、バー
の長さ方向に垂直な断面)は、第7図(a)〜(i)に
示すような形状であるが、コーナーの曲率半径が後述す
る範囲であれば任意の形状を有してよい。また、積層物
がバーと接触する回数は1回に限らず複数回でもよい。
積層物がバーと接触するコーナーの曲率半径は、0.001m
m以上25mm未満であり、好ましくは0.1mm以上1mm未満で
ある。ここで、重合体積層物がバーに接触するコーナー
の曲率半径が25mm以上にもなると、バーに沿って長尺状
の積層物が張力を保って移動する際、収縮塑性変形がほ
とんど起こらず、十分に平坦な積層物が得られない。逆
に、0.001mmより小さい曲率半径の場合には、バーに沿
って積層物が移動する際に、積層物に傷がついたり、切
断される恐れがあり好ましくない。
また、バーと積層物とが接触するコーナーは、幅およ
び/または高さ方向に±1mm以内の精度で直線性をもつ
ことが好ましい。上記の直線性とは、積層物とバーとが
接触するコーナーが上下方向および/または前後方向に
も上記精度で直線性を持っていることである。さらに通
常のカールの矯正時には、積層物の張力によりバーは積
層物の流れ方向にわずかに変形する傾向を有するが、こ
の変形量も±1mm以内であることが好ましい。
また、第9図に例示されるように、バーは回転するも
のであってもよい。すなわち、バーの頂部の溝受け52中
に曲率半径1mm未満の回転可能のまたは回転する接触部5
1が設けられている。接触部の回転は積層物の流れに応
じて自然回転せしめてもよいし、外部から制御しながら
回転させてもよい。たとえばピアノ線状の断面が精度の
よい円形の線の両端を引っ張りながら、緊張状態で外部
駆動により溝受けのなかで回転させながら積層物と接触
させるのである。該回転はその周速度が積層物の通過速
度、もしくはそれ以下で静止状態に近い範囲で選びう
る。また第10図に示すようにバーのコーナーに接近し、
並行して設けられるガイドロール62、64によりバーの通
過直前および/または通過直後の積層物をカールしてい
る内側の層の側から圧迫することもできる。またこのガ
イドロールを回転制御することや、ガイドとバーの間の
距離を調整できるようにしてもよい。
また、バーは付属する振動付加手段によって、50Hz以
上の振動数、0.001mm以上1mm以下の振幅をもって振動さ
せることも好ましい態様である。この振動の方向は積層
物に対して任意の方向とされる。バーの振動は、バーの
基底部その他の適当位置に適当個数の振動子が固着、ま
たは接触させられることにより与えられる。すなわち、
バーの材質によりバーの片側か両側またはその他の位置
に電磁線輪が設けられることによりバーは振動させられ
る。
本発明において“折り返し角度”とは、前記のよう
に、バーに導入される長尺状の重合体積層物の属する面
と、バーに接触し誘出されて移動していく積層物の属す
る面とが形成する角度を意味する。その角度は特に限定
はないが、好ましくは20〜179度程度である。一般に20
度より小さい場合には、バーの上を積層物が移動する際
の摩擦抵抗および曲げ剛性による抵抗が大きいこと、お
よび装置の立体配置上の問題があり、スムースな積層物
の移動が困難であり、179度より大きい場合には、積層
物がバーに接触する距離が小さく、積層物が受ける変形
応力が非常に小さくなり、目的とする積層物のカールの
矯正が困難となる。
また、積層物と第一のバーおよび第二のバーの曲面と
の接触は緊張状態を維持しながら行う。そのような緊張
状態の維持は、長尺状の重合体積層物に張力をかけるそ
れ自身公知の装置により行うことができる。適当な張力
範囲は積層物のカールの程度、各重合体の材料および厚
み、そしてバーの曲率半径などにより変化するが、通常
は重合体積層物の幅1cmあたり50grより大きく、好まし
くは200〜2000grの範囲から選ばれる。積層物にかかる
張力が50gr/cm未満では、積層物の曲げ剛性のためバー
の上を積層物が移動する際、積層物がバーの曲面に沿っ
て移動する長さが極端に短く、その結果積層物がバーの
上で描く曲面の曲率半径が大きくなり、本発明の効果が
発現し難く、また2000gr/cmを越えると張力によりすべ
ての重合体層が延伸塑性変形を起こして仕舞うためカー
ルの矯正に悪影響を与える。なお、張力は巻取りロール
を駆動する装置、たとえば電動モーターのトルクを増減
することによって与えられ、もしくは、巻取りロールの
前に引取りロールを設け、この駆動トルクを制御するこ
とによって与えられる。
本発明において、長尺状の重合体積層物をバーの曲面
上を移動させる速度には特に制限はないが、実用上好ま
しくは0.2〜10m/分である。
本発明のカールの矯正は、最もガラス転移温度の低い
重合体のガラス転移温度以下の温度にて実施することが
好ましいが、高温でカールの矯正を行うと積層物を室温
に戻した場合にその温度変化によりカールが再度発生す
ることが多いため、好ましい温度範囲は10〜50℃程度で
あり、このようにして本発明方法を実施した場合は、そ
の後の温度変化によるカールの再発生は無視できる程度
となる。
なお、本発明の第一および第二のバーへの積層物の移
動において、その手段について特に限定するものではな
く、積層物が進行ラインをはずれた場合に、そのライン
を修正するためのコントローラーは種々の方法から適宜
選択利用できる。
また、本発明で所望により養生を行う場合には、最も
ガラス転移温度の低い重合体のガラス転移温度より10℃
以上低い温度で10分程度以上行うことが好ましい。
本発明のカールの矯正方法によれば、長尺状の重合体
積層物に発生するカールが実質的に解消される。また、
本発明は、例えば以上のようなカール矯正方法により得
られるところの、二層以上の重合体が積層され、かつカ
ールしている重合体積層物の少なくとも一部に収縮塑性
変形を起こさせ、該カールの曲率半径を10cm以上とせし
めた重合体積層物である。
なお、本発明は、二層構造の重合体積層物に限らず、
三層以上最大十層程度の重合体積層物にも同様に適用で
きることは言うまでもない。
〔産業上の利用可能性〕
本発明の方法に従えば、カールしている重合体積層物
は容易に矯正することが可能である。
また、本発明で得られた、カールの矯正された重合体
積層物は、絶縁材料、フレキシブルプリント配線板用カ
バーレイ、包装材料等に使用することができ、カールの
矯正していないものに比べて非常に取扱が容易であると
云う作用効果を奏し、その産業上の利用可能性を極めて
大きいと云わざるを得ないのである。
〔実施例〕
つぎに実施例を示して、本発明の好ましい実施の態様
の一例をさらに説明する。
実施例 1 撹拌機、還流冷却機、および窒素導入管を備えた容器
に1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン1
4.6g(0.05モル)とN,N−ジメチルアセトアミド92.1gを
挿入し、室温で窒素雰囲気下に3,3′,4,4′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g(0.05モル)を
溶液温度の上昇に注意しながら4分割して加え、室温で
約20時間撹拌した。こうして得られたポリアミド酸の対
数粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶媒、濃度0.5g/10
0ml溶媒、35℃で測定)は、1.23dl/gであった。このポ
リアミド酸溶液をN,N−ジメチルアセトアミドで19%ま
で希釈して、回転粘度10,000cpsに調整した。
こうして得られたアミド酸溶液を市販のポリイミドフ
ィルム“アピカル”(鐘淵化学社製)25μm上に均一に
流延塗布し、100℃、200℃、300℃でそれぞれ10分加熱
乾燥して二層のポリイミドからなる重合体積層物を得
た。この積層物の厚さは35μmであった。また、この積
層物を24cm×24cmの正方形のフィルムとしてカールの状
態を調べたところ、長手方向、幅方向とも“アピカル”
を外側とするカールが生じており、そのカールの曲率半
径はそれぞれ1.5cmであった。
このようにして得られた重合体積層物の幅を24cmにス
リッターでスリットし、巻取りロールに巻きとった。そ
の後、重合体積層物を移動してガラス製の第一のバー
(第6図参照、重合体積層物の幅方向に対して45度すな
わちα=45度の角度(ライン角度)をもって固定され
ており、断面は幅が20mmで長さが100mmの長方形をして
いる)のコーナー(コーナー部分の曲率半径が0.3mm)
にアピカルフィルム側が接しながら、折り返し角度80度
で折り返した。この後、第二のバー(第6図参照、重合
体積層物の幅方向に対して−45度すなわちα=−45度
の角度(ライン角度)をもって固定されており、断面は
幅が20mmで長さが100mmの長方形をしている)のコーナ
ー(コーナー部分の曲率半径が0.3mm)にアピカルフィ
ルム側が接しながら、折り返し角度80度で折り返した。
このとき長尺状の重合体積層物には24kg(すなわち1.0k
g/cm)の張力をかけながら重合体積層物を移動させた。
これらの操作は室温下で行い、重合体積層物の移動速度
は1.0m/分であった。以上の操作を2回繰り返して行っ
た。その後、巻き取って重合体積層物を100℃の乾燥器
にいれ、10分間養生し、その後冷却した。
以上の操作で得られた重合体積層物を24cm×24cmの正
方形のフィルムとした場合、目視によりカールの状態を
調べたが、ほとんどカールは存在しなかった。
なお、カールの矯正操作をする前の重合来積層物を、
P−クロロフェノール:フェノール=9:1の溶液に浸漬
してポリイミドフィルム(以下PI−Aと略称する)を除
去し乾燥して、アピカルフィルムのみとし、PI−Aを除
去する前後の寸法を測定すると0.3%伸びていた。一
方、カール矯正操作を施した重合体積層物を同様にして
PI−Aを除去して調べると、アピカルフィルムの伸びは
0.1%となっていることがわかった。このことから、本
発明のカール矯正方法を実施することにより、アピカル
フィルムは、0.3%−0.1%=0.2%の収縮塑性変形を受
けていることが確認された。
同様にして、PI−Aフィルムについて同様の測定を行
ったところ、PI−Aフィルムはカール矯正前は0.6%縮
んでおり、これが矯正後は、0.2%の縮みになってい
た。すなわち、PI−Aフィルムはカール矯正操作によ
り、0.6%−0.2%=0.4%の延伸塑性変形をうけている
ことが明らかになった。
実施例 2 市販の重合体積層物であるカプトンF(東レ・デュポ
ン社製、ポリイミドフィルム25μm上にポリテトラフル
オロエチレン12.5μmが形成されている)を24cm×24cm
の正方形のフィルムとしてカールの状態を調べたとこ
ろ、長手方向、幅方向ともポリイミドを外側とするカー
ルが生じており、そのカールの曲率半径は1cmであっ
た。このカプトンF(幅240mm)をガラス製の第一のバ
ー(第6図参照、重合体積層物の幅方向に対して45度す
なわちα=40度の角度(ライン角度)をもって固定さ
れており、断面は幅が20mmで長さが100mmの長方形をし
ている)のコーナー(コーナー部分の曲率半径が0.2m
m)にポリイミド側が接しながら、折り返し角度100度で
折り返した。この後第二のバー(第6図参照、重合体積
層物の幅方向に対して−45度すなわちα=−50度の角
度(ライン角度)をもって固定されており、断面は幅が
20mmで長さが100mmの長方形をしている)のコーナー
(コーナー部分の曲率半径が0.2mm)にポリイミド側が
接しながら、折り返し角度100度で折り返した。このと
き長尺状の重合体積層物には19.2kg(すなわち0.8kg/c
m)の張力をかけながら重合体積層物を移動させた。こ
れらの操作は室温下で行い、重合体積層物の移動速度は
1.0m/分であった。以上の操作を2回繰り返して行っ
た。
以上の操作で得られた重合体積層物を24cm×24cmの正
方形のフィルムとした場合、カールの状況を調べたとこ
ろ、幅方向、長手方向ともカールの曲率半径はそれぞれ
16cmであり、平坦といってもさしつかえないカール状態
であった。
ここで、実施例1と同様にして、カール矯正前後の重
合体積層物の各層の延伸・収縮の度合いを調べた。ポリ
イミドフィルムの延びは矯正前は0.4%が0.1%に減少し
ており、0.3%の収縮塑性変形を受けていた。一方、ポ
リテトラフルオロエチレンの収縮は、0.6%から0.2%に
減少しており0.4%の延伸塑性変形を受けていることが
確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、重合体積層物がカールしている状態を示す斜
視図であり、第2図は、折り返し角度を示す模式図であ
り、第3図〜第6図は本発明を実施する場合における重
合体積層物とバーとの関係を示す模式図であり、第7図
は、バーの形状を示す断面図であり、第8図は、バーと
重合体積層物との接触状態を示す断面図であり、第9図
は、回転しうるバーを示す斜視図であり、第10図は、ガ
イドロールを示す模式図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二層以上の重合体が積層され、かつカール
    している重合体積層物を、その幅方向に対して0〜80度
    の角度で設けられた、曲率半径が0.001以上1.00mm未満
    の第一のバーの曲面上に、カールしている外側を内側を
    内側にして緊張状態で長手方向に滑らせる工程と、前記
    幅方向に対して0〜−80度の角度で設けられた、曲率半
    径が0.001以上1.00mm未満のバーの曲面上に、カールし
    ている外側を内側にして前記積層物を緊張状態で長手方
    向に滑らせる工程おを、そのいずれかまたは共に一回以
    上実施することにより得られ、かつ、前記各工程におい
    て、バーに導入される積層物が属する平面とバーから誘
    出される積層物とがなす折り返し角度を20度から179度
    とし、前記各工程において緊張状態が積層物にかかる張
    力を200〜2000g/cm以上として、カールしている重合体
    積層物の一部に収縮塑性変形を、他の一部に延伸塑性変
    形を起こさせ、それらの組み合わせにより該カールの曲
    率半径を10cm以上とすることにより得られることを特徴
    とする重合体積層物。
  2. 【請求項2】最終工程を終了したあと、前記積層物を該
    重合体のガラス転移温度より10℃以上低い温度で10分以
    上養生して得られた請求項1記載の重合体積層物。
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