JP2645138B2 - 高強度アルミニウム合金の溶接方法 - Google Patents

高強度アルミニウム合金の溶接方法

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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、Al−Mg系合金、Al−Zn−Mg系合金あるいは
Al−Mg−Si系合金などの高強度アルミニウム合金の溶接
に用いられる高強度アルミニウム合金の溶接方法に関す
る。
(従来の技術) アルミニウム系材料は、その軽量なことから航空機、
宇宙関連機器など多くの分野で活用さている。ところ
で、これら航空機、宇宙関連機器などの製品は、アルミ
ニウム材を溶接により接合し所定の形状に形成するよう
にしているが、この場合、特に精密度を要求される部品
の溶接には、低入熱化、低歪が期待できる電子ビーム溶
接法が使用されている。ところが、このような電子ビー
ム溶接は真空チャンバー内での施行に限定されるため、
製品の大型化にともない真空排気に多大の時間を要する
など作業能率が悪く、生産性の面で問題があった。
一方、最近になって高密度エネルギービームを発生す
るプロセスとしてレーザビームを用いたレーザ溶接法が
急速に発達しつつある。そこで、アルミニウム系材料の
溶接にもレーザ溶接法の適用が望まれている。
ところが、一般にアルミニウム系材料は、アルミニウ
ム純金属のまま使用すると、その強度が極めて低いため
強度を要求される真空容器や圧力容器などへの適用は不
可能である。そこで、アルミニウムに各種の合金元素を
添加して強度を向上させた高強度アルミニウム合金が使
用されている。具体的には、アルミニウムに対してマグ
ネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)などを添加した高強度アル
ミニウム合金としてAl−Mg系合金、Al−Zn−Mg系合金、
Al−Mg−Si系合金などが実用化されている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、このような高強度アルミニウム合金による
と、添加される合金元素MgおよびZnの沸点は、それぞれ
1107℃、907℃であり、基材であるアルミニウム(Al)
の沸点2467℃に対して著しく低い。このため、Al−Mg系
合金、Al−Zn−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金などの高強
度アルミニウム合金に対してレーザ溶接を試みると、合
金中の沸点の低いMg、Znの元素がレーザビームの照射に
より選択的に蒸発する。この結果、溶接ビード上に著し
い凹凸が生じるなど外観不良を生じるだけでなく、溶接
金属中から放出しきれなかった金属蒸気により丸形のブ
ローホールや長円形のウォームホールなどの気孔が残存
し、溶接部分の品質低下を招くおそれがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、溶接ビー
ドの外観不良を防止できるとともに、気孔の残存を皆無
にして高品質の気密溶接が得られる高強度アルミニウム
合金の溶接方法を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、Al−Mg系合金、Al−Zn−Mg系合金あるいは
Al−Mg−Si系合金などの高強度アルミニウム合金からな
る溶接対象部材相互の突き合わせ溶接部などの溶接部分
に純アルミニウムまたはAl−Mn系合金などのインサート
部材を挿入し、該インサート部材に対してレーザビーム
を照射してレーザ溶接を行うようになっている。
(作用) レーザビームの照射によりインサート材を優先的に溶
融することで、溶接金属中の低沸点元素の成分濃度が十
分に抑えられ、溶接進行中の低沸点元素の選択的な蒸発
が抑制されるので、溶接ビード上に生じる凹凸を除去で
きるとともに、金属蒸気が原因する気孔の残存を皆無に
でき、高品質の気密溶接が達成できる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面にしたがい説明する。
第1図において1、2は溶接対象部材で、ここではAl
−Mg系合金からなる高強度アルミニウム合金が用いてい
る。そして、これら溶接対象部材1、2の突き合わせ溶
接部分に溶接継手としてインサート材3を挿入する。こ
こでのインサート材3は工業用純アルミニウムを用いて
いる。
この状態からインサート材3に対してレーザビーム4
を照射する。この場合、レーザビーム4は発振器5より
ウンドウ6を介して放出され、集光レンズ7により必要
なパワー密度に絞られ、インサート材3に照射される。
ここでのレーザはCO2レーザで、出力4Kw程度のものを用
いている。また、これと同時にガス導入口8よりアルゴ
ンガスなどの不活性ガスをシールドガスとして導入す
る。このシールドガスはレーザ溶接中に集光レンズ7の
下面が金属蒸気により汚染されるのを防止する役割も兼
ねている。
そして、このようにレーザビーム4を照射しながら図
示しない移動テーブルにより溶接対象部材1、2全体を
移動させ、インサート材3を有する溶接部分に対して連
続的な溶接作業を実行する。ここでの移動テーブルの移
動速度は、1000mm/minとしている。
しかして、このようなレーザ溶接が実行された溶接対
象部材1、2の溶接部は第2図に示すようになり、溶接
金属部9は表外観、裏外観ともに凹凸が存在せず、滑ら
かで良好な状態が得られ、また、溶接金属部9内部のブ
ローホールやウォームホールなどの気孔の残存も皆無に
でき、健全な溶接部が得られた。これは、レーザビーム
4の照射によりインサート材3が優先的に溶融すること
により溶接金属部9中の低沸点元素の成分濃度が十分に
抑えられ、溶接進行中の低沸点元素の選択的な蒸発が抑
制されるためである。ちなみに、溶接金属部9の元素分
析を行ったところ、Mg含有量は溶接対象部材1、2の25
%程度に低減されていた。
また、溶接継手効率については溶接対象部材1、2よ
りやや低い値を呈するが従来の溶接法と比較して実用上
差し支えないレベルであった。このように溶接継手効率
など機械的性質の決定的低下に至らなかったのは、TI
G、MIGなど従来の溶接法に比べて、熱影響部を少なくで
き、継手全体に及ぼすダメージを抑制できたためと考え
られる。
一方、本実施例の溶接方法を気密容器作成に適用した
ところ次の結果が得られた。第3図は気密容器として、
核磁気共鳴を利用した医療用機器に用いられる超電導マ
グネットの液体窒素容器に適用した例であり、円筒状容
器本体101に対する上下蓋102、103の溶接に上述した接
合方法が用いられている。このような気密容器によると
ヘリウムを用いたリークテストにおいて、10-10Torr・l
/sec以下の漏洩量を呈し、十分な機密性を有しているこ
とが確認された。
なお、この実施例では、インサート材3として工業用
純アルミニウムを用いたが、この他に各種のアルミニウ
ム合金も考えられる。ところが、例えば、Al−Cu系合金
の場合は、溶接部に割れが生じるなどの問題を発生した
が、Al−Mn系合金をインサート材として用いると、溶接
ビード外観、気孔の発生率、割れの発生率、気密性など
の総合判定で良好な結果が得られた。しかも、Al−Mn系
合金の場合は、上述の工業用純アルミニウムをインサー
ト材とするよりも、高い継手効率が得られることも判明
した。
しかして、上述の実施例のように溶接対象部材として
Al−Mg系合金からなる高強度アルミニウム合金を用いた
場合に、インサート材を用いない場合、インサート材と
してAl−Cu系合金を用いた場合、インサート材として純
アルミニウムまたはAl−Mn系合金を用いた場合の溶接ビ
ード外観、気孔の発生率、割れの発生率、気密性などの
総合判定をまとめると、第4図のA1、A2、A3、A4に示す
結果が得られた。この場合、インサート材を全く使用し
ないレーザ溶接では、低沸点元素の選択的な蒸発に基づ
くビード外観不良、気孔の発生があり総合判定は不良と
なり、インサート材としてAl−Cu系合金を用いたレーザ
溶接でも溶接部に割れが生じるなどにより総合判定では
不良となった。しかし、インサート材として純アルミニ
ウムまたはAl−Mn系合金を用いたレーザ溶接では、溶接
ビード外観、気孔の発生率、割れの発生率、気密性など
の総合判定で全て良好の結果が得られた。
一方、上述の実施例では、溶接対象部材としてAl−Mg
系合金からなる高強度アルミニウム合金を用いた場合を
述べたが、この他にAl−Zn−Mg系合金についてもの可能
である。この場合、インサート材としてAl−Mn系合金を
用い、レーザ出力を5Kw、加工速度を1500mm/minとして
レーザ溶接を行った結果、溶接ビード外観は良好で、気
孔もなく、十分の気密性、溶接継手効率を有する溶接部
が得られた。また、気密容器作成に適用しても上述と同
様な効果が得られた。さらに、Al−Mg−Si系合金を用い
た場合も純アルミニウムまたはAl−Mn系合金などのイン
サート部材を用いることにより、上述と同様な効果が得
られた。
ちなみに、これらAl−Zn−Mg系合金あるいはAl−Mg−
Si系合金を溶接対象部材として用いた場合に、インサー
ト材を用いない場合、インサート材としてAl−Cu系合金
を用いた場合、インサート材として純アルミニウムまた
はAl−Mn系合金を用いた場合の溶接ビード外観、気孔の
発生率、割れの発生率、気密性などの総合判定をまとめ
ると、第4図のB1、B2、B3、B4およびC1、C2、C3、C4に
示す結果が得られた。この場合、インサート材を全く使
用しないレーザ溶接では、上述したと同様に総合判定は
不良となり、インサート材としてAl−Cu系合金を用いた
レーザ溶接でも溶接部に割れが生じるなどにより総合判
定では不良となるが、純アルミニウムまたはAl−Mn系合
金をインサート材として用いたレーザ溶接では、溶接ビ
ード外観、気孔の発生率、割れの発生率、気密性などの
総合判定で全て良好の結果が得られた。
[発明の効果] 本発明は、Al−Mg系合金、Al−Zn−Mg系合金あるいは
Al−Mg−Si系合金などの高強度アルミニウム合金からな
る溶接対象部材の溶接部分に純アルミニウムまたはAl−
Mn系合金などのインサート部材を挿入し、該インサート
部材に対してレーザビームを照射してレーザ溶接を行う
ようにしたので、レーザビームの照射によりインサート
材が優先的に溶融するようになり、溶接金属中の低沸点
元素の成分濃度が十分に抑えられ、溶接進行中の低沸点
元素の選択的な蒸発が抑制され、溶接ビード上に生じる
凹凸を除去でき、溶接ビードの外観不良を防止できると
ともに、金属蒸気が原因する気孔の残存を皆無にでき、
高品質の気密溶接が達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を説明するための概略的構成
図、第2図は同実施例により得られた溶接状態を説明す
るための図、第3図は同実施例を気密容器作成に適用す
る例を説明するための図、第4図は同実施例により得ら
れた結果を説明するための図である。 1、2……溶接対象部材、3……インサート材、4……
レーザビーム、5……発振器、7……集光レンズ、9…
…溶接金属。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al−Mg系合金、Al−Zn−Mg系合金あるいは
    Al−Mg−Si系合金の高強度アルミニウム合金からなる溶
    接対象部材相互の溶接部分に純アルミニウムまたはAl−
    Mn系合金からなるインサート部材を挿入し、該インサー
    ト部材に対してレーザビームを照射することによりレー
    ザ溶接を行うことを特徴とする高強度アルミニウム合金
    の溶接方法。
  2. 【請求項2】Al−Mg系合金、Al−Zn−Mg系合金あるいは
    Al−Mg−Si系合金の高強度アルミニウム合金からなる溶
    接対象部材相互の突き合わせ溶接部分に純アルミニウム
    またはAl−Mn系合金からなるインサート部材を挿入し、
    該インサート部材に対してレーザビームを照射すること
    によりレーザ溶接を行うことを特徴とする高強度アルミ
    ニウム合金の溶接方法。
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