JP2642636B2 - プローブユニットの駆動機構およびその駆動方法 - Google Patents

プローブユニットの駆動機構およびその駆動方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (A) 産業上の利用分野 本発明は、試料と探触針とを近接させた状態で相対的
に走査し、探触針と試料との間に作用する物理量(例え
ば、トンネル電流、原子間力、光量)を検出し、この検
出信号に基づいて、主に試料の表面情報を得る走査型プ
ローブ顕微鏡に用いられるプローブユニットの駆動機構
およびその駆動方法に関する。
(B) 従来技術 以下に、走査型プローブ顕微鏡の従来技術の一例とし
て、探触針と試料の間に生じるトンネル電流を検出する
走査型トンネル顕微鏡について述べる。
走査型トンネル顕微鏡は、試料の観察面の各種物性、
例えば原子オーダの凹凸や仕事関数分布を測定すること
ができ、かつ試料表面を損傷しない等、他の形式の顕微
鏡に比べて極めて優れた特性を有している。
一般に、走査型トンネル顕微鏡は、走査型トンネルユ
ニット、制御ユニット、画像処理表示ユニットの3部か
ら構成されている。
このうち、試料表面を走査する走査型トンネルユニッ
トの基本構成は、例えばIBMのRoherによって発表されて
いる(Rev.Sci.Instrum.Vol.57 No.2,p.221,'68)。こ
の公知の走査型トンネルユニットは、試料を搭載する試
料台と、これを保持し移動させる試料微動用アクチュエ
ータと、試料表面を走査する探触針と、探触針を保持
し、かつ3次元的に駆動走査する走査用アクチュエータ
とから構成されている。この走査用アクチュエータは、
数オングストロームの精度で制御されなければならない
ため、通常はPZTなどの圧電素子を複数個組合わせて形
成されている。IBMのRoherらはこのような考え方にもと
づく真空用走査型トンネル顕微鏡の発明を有している
(USP4343993号)。
上記公知の技術は、真空容器内で試料を観察するもの
であるが、原子オーダでの試料の表面の観察要求は、こ
れに留まるものではなく、大気中もしくは液体中でも観
察することができるようになると、更に多くの有用な情
報を得ることができると期待されている。
一方、大気中での測定は、浮遊する水蒸気が、試料測
定時に試料表面に付着することが考えられる。探触針を
用いた測定において、この水蒸気が試料表面に付着する
と探触針部を吸着し、試料と探触針部との間に働く検出
すべき物理量(例えば、トンネル電流、原子間力、光
量)とは異なる物理量を検出するという不具合を生じ
る。この不具合を解消するための装置として、液体中に
試料を載置し、この状態の試料に探触針を接近させ測定
を行う装置が提案されている。
この液体中で観察できる走査型トンネルユニットに関
しては、カリフォルニア大学のHansma等により公表され
ている(Science,Vo1.232,P.211,'86)。この公表され
た装置は、装置全体を支承するベースと、測定部を支え
るポストと、支持ロックと、測定用液体を収容する容器
と、試料を載せた試料台を試料支持ばねを介して上下方
向に微動させるマイクロメータと、探触針を保持し、か
つ3次元的に駆動する走査アクチュエータを固定したz
粗動棒とから構成されている。この装置では、試料がほ
ぼ水平に保持され、これに対して探触針が垂直に、即
ち、鉛直方向に位置しているため、試料および探触針先
端を共に測定用液体中に浸潰して、測定することができ
る。また、ベースと、ポストと、支持ブロックとの相互
位置関係は、測定用液体を収容した容器が走査アクチュ
エータ下に位置できるように広い空間を確保している。
(C) 発明が解決しようとする問題点 上記のようなHansma等の装置は、走査型トンネル顕微
鏡の測定領域を液体中にまで広げたという点で画期的な
ものであるが、実用装置してみた場合に次のような問題
点がある。
1)従来の走査型プローブ顕微鏡では、試料および探触
針の交換に関して考慮されてなく、例えば、マイクロメ
ータを用いて試料と探触針との間に最大25mm程度の空間
ができるだけで、これでは試料および探触針を交換する
ための十分な空間が確保できているとは言えず、試料並
びに探触針の交換が非常に不便である。
2)また、走査型プローブ顕微鏡は、試料と探触針とを
ほぼ接触させた状態で試料の測定を行うものであるが、
試料と探触針とが接触するというよりむしろ衝突する
と、両者もしくは片方に致命的な損傷を与える。この結
果、原子オーダで試料を測定する装置であることを考え
れば、精度の良い測定が不可能となる。
3)走査型プローブ顕微鏡においては、Z軸方向に最も
高い精度が要求されている。しかし、この装置では、試
料の探触針への接近に、マイクロメータと走査アクチュ
エータとのZ軸駆動機能を用いているが、前者の位置分
解能は1μm以下であり、試料と探触針とを接近させる
のが大変難しい。このために、このZ軸方向の精度が出
し難い。
本発明は、以上のような問題点を解決するために案出
されたものであり、その目的は、Z方向に試料や探触針
を大きく退避させて、試料と探触針との間にこれらを交
換するために必要十分な空間を確保でき、且つ、試料と
探触針との衝突による損傷を回避しつつ、高精度に両者
の接近を行うことが可能なプローブユニットの駆動機構
および駆動方法を提供することである。
(D) 問題点を解決するための手段 この発明に係わるプローブユニットの駆動機構は、第
1の支持手段に支持された試料と対向する位置に探触針
を第2の支持手段により位置させ、この探触針と前記試
料との間に働く物理量を検出するプローブユニットにお
いて、前記試料と探触針との間で物理量が検出可能な領
域まで前記試料と探触針との相対的なZ方向の距離を微
動変化させるように前記第1の支持手段と第2の支持手
段との少なくとも一方をオングストローム単位で移動さ
せる第1の移動手段と、少なくとも前記試料と探触針と
が接触しない範囲で前記試料と探触針との相対的なZ方
向の距離を微動変化させるように前記第1の支持手段と
第2の支持手段との少なくとも一方をミクロン単位で移
動させる第2の移動手段と、前記試料と探触針との少な
くとも一方を互いに衝突することがなく交換可能な範囲
で前記試料と探触針との相対的なZ方向の距離を粗動変
化させるように前記第1の支持手段と第2の支持手段と
の少なくとも一方を移動させる第3の移動手段と、を具
備することを特徴とする。
また、この発明に係わるプローブユニットの駆動方法
は、試料と対向する位置に探触針を設け、前記試料と前
記探触針との間に働く物理量を検出する駆動方法であっ
て、前記試料と前記探触針との間で物理量が検出可能な
領域まで前記試料と前記探触針との相対的な距離を前記
試料の鉛直方向(Z方向)にオングストローム単位で微
動変化させる工程と、少なくとも前記試料や前記探触針
が接触しない範囲で前記試料と前記探触針との相対的な
距離を前記試料の鉛直方向にミクロン単位で微動変化さ
せる工程と、少なくとも前記試料や前記探触針を交換可
能な範囲で前記試料と前記探触針との相対的な距離を前
記試料の鉛直方向に粗動変化させる工程と、を少なくと
も含むことを特徴としている。
(E) 作用 試料及び探触針がすでにセットされている状態から、
これらを交換し、そして、再び観察を行うことについて
の作用を説明する。
第3の移動手段により試料(もしくは探触針)を鉛直
な方向(Z軸方向)に沿って移動させて、試料と探触針
とを離間させ、試料と探触針との間に広い空間を確保し
て探触針並びに/もしくは試料の交換をする。次に、第
3の移動手段を駆動して試料(もしくは探触針)をZ軸
方向に沿って移動させて、試料と探触針とをある程度接
近させる。
そして、第2の移動手段を駆動して試料(もしくは探
触針)をZ軸方向に沿ってミクロン単位で移動させて、
試料と探触針とが接触しない範囲でさらに接近させる。
次に、第1の移動手段を駆動して試料(もしくは探触
針)をZ軸方向に沿ってオングストローム単位で移動さ
せて、探触針と試料との間に物理量を働かせる。
このような操作の後に、所望の物理量(例えば、トン
ネル電流、原子間力、光量)に基づく測定を行い試料画
像信号を検出し、これに画像処理を加え、試料の観察像
(測定像)を得る。
(F) 実施例 次に、第1図ないし第4図を参照して、本発明の一実
施例に係わるプローブユニットの駆動機構を説明する。
第1図中、符号10は、装置全体をこれの重心を低くし
て安定に支承するベースを示す。このベース10には、垂
直に伸びたポスト12の下端部が圧入固定されている。こ
のポスト12の上端部には操作部ベース14の基部が、図示
しないねじにより固定されている。このベース14の、水
平に伸びた自由端部には走査アクチュエータ16が取着さ
れている。この走査アクチュエータ16の中央部には、下
方に突出するようにして探触針42用のホルダー18が固定
されている。また、前記ポスト12の、ベース10と操作部
ベース14との間にはzクランプ20が配設されている。こ
のzクランプ20には垂直貫通孔が形成され、この孔の中
を前記ポスト12が貫通することにより、zクランプ20
は、ポスト12に沿って上下動可能になっている。このz
クランプ20には粗動ハンドル22が回転可能に設けられて
おり、このハンドルに軸支されたピニオン(図示せず)
と、このピニオンに歯合するようにポスト12に形成され
たラック(図示せず)とにより、ハンドル22の回動によ
り、zクランプ20は上下方向(z方向)に粗動される。
このzクランプ20には、またzクランプ20とポスト12と
の間のロック機構を備えたクランプハンドル24が設けら
れており、このハンドル24の回動により、zクランプ20
はポスト12の任意の位置に固定される。
前記zクランプには、z微動マイクロステージ28を介
して、L字状のブロック26が固定され、このブロック26
の水平部上にはx微動マイクロステージ30並びにy微動
マイクロステージ32が、互いにその移動軸(z軸並びに
y軸)が直交するようにして順次積層されている。これ
らz微動マイクロステージ28,x微動マイクロステージ30
並びにy微動マイクロステージ32で、試料を探触針42に
対して軸方向並びに面方向に移動するように微動させる
3軸直交型マイクロステージを構成している。前記y微
動マイクロステージ32上には、z超微動ステージ34が設
けられ、かくしてこのz超微動ステージは3軸直交型マ
イクロステージにより、支承されている。このz超微動
のステージ34上には、前記走査アクチュエータ16と対面
するようにして、中に測定用液体40が入れられ、上端が
開口した試料用容器38が固定されている。
上記機構においては、z粗動操作部がzクランプ20を
中心として構成されているため、この操作が容易である
と共に、構造剛性が大きい。また、zクランプ20をいっ
ぱいに下げると、走査アクチュエータ16と試料用容器38
との間に広い空間が確保されるので、探触針42および試
料の交換作業を容易に行うことができる。そして、前記
3個の微動マイクロステージ28,30,32により、試料用容
器38は3次元方向(x,y,z方向)に高精度で移動可能に
なっている。従って、容器38内に収容された試料の希望
する観測領域を探触針42の直下に3次元的に移動させる
ことが容易であり、かつ試料の表面と探触針の先端との
間隔を数μmまで接近させる操作を、試料の表面および
探触針42の先端を損傷させることなく、実施することが
できる。
次に、前記z超微動ステージ34を第2A図並びに第2B図
を参照して説明する。
第2A図中、符号50はy微動マイクロステージ32の上面
に固定され、上面が平滑なベースを示し、この両端近く
には、垂直に1対の側板52a,52bが、下端で固定されて
いる。これら側板52a,52bは互いに対面するようにして
平行に設けられ、これらの間には、2枚の板ばね54a,54
bが互いに所定間隔を有して平行に配設されている。こ
れら板ばね54a,54bは、両端が側板52a,52bに挟み込まれ
ることにより水平に維持されて、側板に固定されて、平
行ばね系を形成している。上方の(第1の)板ばね54a
の中央部上には板状の第1のばね押え56が、またこの第
1のばね押え56と対応するようにして、板ばね54a,54b
間に第2のばね押え58が、それぞれ設けられている。前
記下方の(第2の)板ばね54bの下面中央部には第1の
テーパ板60が固定されている。このテーパ板60は板ばね
54aに固定されている上面が水平になっており、下面に
テーパが形成されている。この第1のテーパ板60の下方
には第2のテーパ板64が設けられている。この第2のテ
ーパ板64は下面が水平で、上面に前記第1のテーパ板60
のテーパと同角度で逆方向のテーパが形成されている。
これら第1並びに第2のテーパ板60,64間、および第2
のテーパ板64とベース50との間には、夫々平面ニードル
ベアリング62a,62bが介在されており、かくして、第2
のテーパ板64は第1のテーパ板60並びにベース50に対し
てx方向に移動可能になっている。前記一方の側板52a
には、差動マイクロメータ36が、その先端チップ36aが
第2のテーパ板64の端面と当接するようにして、固定さ
れている。かくして、第2のテーパ板64は、板ばね54a,
54bにより、第1のテーパ板60を介して、差動マイクロ
メータ36方向への力を受けるが、その移動が先端チップ
36aによって阻止されている。このようなz超微動ステ
ージ34においては、第1並びに第2のテーパ板60,64の
テーパ面の平面度並びに傾斜角を精度良く仕上げる必要
があり、加工精度に僅かの低下があった時にヨーイング
(第2のテーパ板64をx方向に移動させた時に、これが
移動面内で進行方向に対して直交する方向(y方向)に
首を振る現象)が発生する恐れがある。
この装置においては、これを防止するための手段が講
じられている。これの第2B図を参照して説明する。
この第2B図は第1のテーパ板60並びに平面ニードルベ
アリング62aより上の部材を除去した平面図である。ベ
ース50上にはテーパ板64の進行方向に沿って延出し、互
いに平行に配設された1対のガイド63a,63bが固定され
ている。そして、これらガイド63a,63bと第2のテーパ
板64の両側面との間にはガイドベアリング65a,65bが介
装されている。かくして、差動マイクロメータ36によ
り、第2のテーパ板64が移動された時に、このテーパ板
は、カイドベアリング65a,65bにより、その両側面が摺
接して案内され、上記ヨーイングが防止される。
前記第1のばね押え56上には、容器台66を介して、試
料用容器38が着脱自在に支承されている。この容器38内
には、試料68を測定用液体40中に浸潰するようにして試
料ホルダー70が設けられている。
上記構成のz超微動ステージ34において、差動マイク
ロメータ36を回動操作すると、この先端チップ36aが第
2のテーパ板64を矢印方向に水平に押し、この結果、第
2のテーパ板64は、これの水平方向の移動を、そのテー
パ比に比例縮小して第1のテーパ板60を上方(z方向)
に押す。この時、第1のテーパ板60は、板ばね54a,54b
の付勢力に抗して、ばね押え56,58を上方に押し上げ
る。かくして、試料68は、これの容器38と共に、水平状
態を保って上方に、テーパ板と同一の変位量だけ押し上
げられる。
上記差動マイクロメータ36として、差動距離が、通常
動で4mm、差動で0.3mm、その読み取り精度が、通常動で
2μm、差動で0.1μmのものを使用し、またテーパ板
として、テーパ比が10分の1のものを使用した場合に
は、z超微動ステージ34のz方向差動範囲は、通常動で
400μm、差動で30μmとなり、その操作精度は通常動
で2000オングストローム、差動で100オングストローム
と、極めて高精度になる。また、差動マイクロメータ36
を回動して第1のテーパ板60を押し上げる時に、2枚の
ばね54a、54bに生じる反力は、差動マイクロメータ36の
送りねじの遊びに起因するバックラッシュを押える機能
を果たす。
前述のように、z微動マイクロステージ28と、x微動
マイクロステージ30とy微動マイクロステージ32との3
者の組合わせによる3次元操作により、探触針42と試料
68との間隔を、数μmまで狭くすることができるので、
これをさらにトンネル領域である50オングストローム程
度まで小さくすることは、上記機能を有するz超微動ス
テージ34を使用すれば極めて、容易となる。このことを
実際の測定操作に従って以下に説明する。
探触針42との間に所定の電圧(0.1V〜10V)を印加し
た状態で、差動マイクロメータ36を回動操作して、試料
68を押し上げて探触針42に接近させていくと、やがてト
ンネル電流が流れるか流れないかという境界状態に至
る。ここで走査アクチュエータ16のz軸を変位させて、
探触針42を下方向に試料68に接近するように、微動させ
ると、探触針42と試料68との間隔はトンネル領域に入
り、トンネル電流が流れるようになる。次に、探触針42
をx,y方向に微動させると共に、トンネル電流が一定と
なるようにz方向にも微動させる。即ち、走査アクチュ
エータ16を3次元駆動する。この結果、トンネル電流を
一定にするためのz軸駆動電圧を信号として、3次元像
が得られる。
このような走査は、試料68が測定用液体に浸潰された
状態でおこなうので、波体中の測定となっている。しか
し、上記装置は、大気中もしくは真空中等、他の外部環
境条件のもとでも使用できる。
上記第2A図に示したような構成のz超微動ステージ34
を用いることにより、試料68を高精度で容易に探触針42
に接近させることができ、操作ミスによる試料68と探触
針42との衝突による損傷も有効に回避できる。また、2
枚の平行に配設された板ばね54a,54bから構成されるば
ね振動系は、Hansma等に用いたコイルばねによる支持に
比べて極めて高い剛性を有し、構造共振周波数も高く、
特性の良い走査型トンネルユニットが得られる。
次に、第3図並びに第4図を参照して、上記3次元型
の走査アクチュエータ16を詳細に説明する。
図中、符号80は立方体状の中心電極を示し、この左右
(x−x′方向)にはx軸駆動用圧電素子82a,82bを介
してx軸電極84a,84bが対象に接続されている。また、
中央電極の前後(y−y′方向)には、y軸駆動用圧電
素子82d,82eを介してy軸電極84d,84eが接続されてい
る。そして、これらx軸並びにy軸電極84a,84b,84d,94
eの端面には、x軸並びにy軸絶縁板86a,86b,86d,86eが
夫々取着されている。これら電極と圧電素子とは、電極
を圧電素子よりもデイメンションを大きく設定し、電極
の一側面に凹所を形成し、この凹所に圧電素子の一部を
はめ込み、導電性接着剤で取着されている。電極と絶縁
板とは、電極の他側面に凹所を形成し、絶縁板の一側面
に凸所を形成し、両者を係合し、絶縁性接着剤により取
着されている。第3図に示すように、中央電極80の下方
(z′方向)には、z軸駆動用圧電素子82c,z軸電極84c
並びに絶縁板86cが、順次前記と同様にして、接続され
ている。このz軸絶縁板86cの下面には、前記探触針ホ
ルダー18が取着されている。このホルダー18は、z軸絶
縁板86cの下面中央部に形成された矩形の凸部に勘合
し、絶縁性接着剤により取着される開口部が上部に形成
された筒状の基部90を有する。この基部90の下端部内周
面には雌ねじが形成され、この雌ねじには、筒状の本体
92の上端に突設された小径の第1の突出部の外周面に形
成された雄ねじが螺合し、かくして基部90に対して本体
92が取外し可能に装着されている。この本体92の垂直貫
通孔には、探触針42の基部が挿入され、導電性接着剤と
止めねじとにより固定されている。本体92の下端に形成
された小径の第2の突出部の外周面には、前記第1の突
出部の雄ねじとは逆方向に切られた雄ねじが形成され、
この雄ねじには保護キャップ94の上部が螺着されてい
る。この保護キャップ94は合成樹脂等により形成され、
筒状をなして、探触針42をほこり等から保護する。前述
したように、本体92の両突出部に形成された雄ねじは、
互いに逆ねじになっているので、保護キャップ94を本体
92から外すように回動すると、その摩擦力で本体92は一
層しっかりと、基部90に固定するようになる。
上記構成の走査アクチュエータ16において、両x軸駆
動用圧電素子82a,82bとして、圧電定数が同じで分極方
向がx軸に沿って互いに逆であるもの(例えば、一方の
圧電素子82aとして分極方向がx方向のものを、そして
他方の圧電素子82bとして分極方向がx方向のもの)を
使用した場合には、一方のx軸電極84aと、中央電極80
と、他方のx軸電極84bとに、夫々、例えば80V,100V,12
0Vの電圧を印加すると、一方のx軸駆動用の圧電素子は
縮み、他方は伸びる。この時の圧電素子の変位量の絶対
値は等しくなるので、中央電極80はx方向に電位差に対
応した距離だけ変位する。従って、圧電定数が6オング
ストローム/Vの圧電素子を使用すると、上記電圧の印加
により生じる中央電極80のx方向の変位量は120オング
ストロームとなる。一方分極方向が同じx軸駆動用圧電
素子82a,82bを使用し、一方のx軸電極に120V、中央電
極80に100V、そして他方のx軸電極84bに120Vの電圧を
それぞれ印加すると、一方の圧電素子は縮み、他方は伸
び、その変位量の絶対値は等しくなって、中央電極80は
x方向に変位する。この時の変位量は、圧電定数が6オ
ングストローム/Vの圧電素子を使用すると、120オング
ストロームとなる。このような圧電素子の変位は、y軸
駆動用圧電素子82d、82eに関しても同じである。即ち、
使用する圧電素子は、印加する電圧を考慮することによ
り、それぞれの軸に関して、分極方向を同じに配しても
良いし、また逆に配しても良い。このような電圧の印加
によって中央電極80、かくして探触針42をx,y方向に微
動走査することが可能である。
z軸方向に関しては、z軸駆動用圧電素子82cの分極
方向と同一の電位もしくは逆方向の電位を中央電極80と
z軸電極84cとの間に印加すると、圧電素子の圧電定数
が正であれば、前者の場合は伸び、後者の場合には縮
む。
ここで圧電定数が3オングストローム/Vの圧電素子を
使用し、印加電圧を1mVの精度で制御すると、0.003オン
グストロームの精度でz軸電極84cの伸縮を制御でき
る。かくしてこれに接続された探触針42のz方向の変位
を制御することができる。
上記構成の走査アクチュエータ16は、走査部ベース14
(第1図)の自由端に形成された矩形の開口内に水平に
支持されている。即ち、矩形の開口の内側面に、前記絶
縁板86a,86b,86d,86eが接着剤によって強固に取着され
ている。このような走査部は、前述したような試料移動
部とは独立してポスト12(第1図)に固定されているの
で、試料68の3次元移動操作に際して、探触針42の絶対
位置の変位が生じず、かつ構造剛性も大きい。
前記探触針42は、直径が1mm程度で長さが5〜20mmの
タングステン棒の先端を電界研磨、機械研磨あるいはイ
オンビームミリング等により、半径が100nm程度に尖ら
せて形成されている。真空中や大気中での走査型トンネ
ル顕微鏡の操作においては、探触針42の材料としてはタ
ングステンで充分であるが、液体中の操作においては、
探触針42の先端を流れるトンネル電流の影響により、液
体の腐触性が増幅されるので、必要に応じて金、白金、
インジュム等の耐腐触性貴金属材料が用いられる。一
方、これら貴金属材料は、タングステンに比べて軟化温
度が低く、剛性も小さいため、先端を尖鋭に加工したタ
ングステン棒に、上記耐腐触性の貴金属をメッキ、真空
蒸着、イオンプレーテング等により薄膜被覆させたもの
が探触針42として好ましい。
上記実施例においては、走査アクチュエータ16とし
て、x−y方向走査用に十字状に各2個の圧電素子を配
置し、z方向走査用に1個の圧電素子を配置したものを
使用したが、これに限られることはなく、種々の3次元
アクチュエータが使用できる。例えば、3本の棒状の圧
電素子を一端部で互いに接続し、他端部を夫々、x,y,z
方向に延出させたUSP4343993号に開示されたアクチュエ
ータ、後述する積層型圧電アクチュエータ、円筒型圧電
型アクチュエータ及び第5図に示すアクチュエータが使
用できる。この第5図に示すものは、電極100,100aと圧
電素子102とを交互にマトリックス状に組んでなるxy軸
駆動部104と、このxy駆動部104の中央に位置する電極10
0aにz軸駆動用圧電素子102aを介してz軸電極100bを接
続してなり、探触針用ホルダーを支持するz軸駆動部10
6とにより構成されている。操作に際しては、xy駆動部1
04の中央に位置する電極と、周囲に位置する電極との間
に電圧を印加することにより、x,y方向の走査が、また
電極100a,100b間に電圧を印加することにより、z方向
の走査が可能となっている。
上記実施例においては、z超微動ステージ34の操作部
材として差動マイクロメータ36を使用したが、これに限
られることはなく、例えば、積層型圧電アクチュエータ
等が使用できる。以下に、積層型圧電アクチュエータを
使用した場合を第6図を参照して説明する。
この例で、操作部材以外は、第2A図に示すものと同じ
なので、これと同一符号を付し、説明を省略する。図
中、符号110は一方の側板52aに形成されたねじ孔に螺入
された調節ねじを示す。この調節ねじ110の一端面は外
部に露出しており、外部からこの調節ねじ110が手動に
より調節可能となっている。この調節ねじ110の他端面
には、積層型圧電アクチュエータ112が、その一端で同
軸的に接着固定されている。このアクチュエータ112の
他端面には圧電アクチュエータ用チップ112aが接着固定
されている。このチップ112aは、前記調節ねじ110によ
り、第2のテーパ板64の端面と当接するように、設定さ
れている。
上記構成の操作部材において、積層型圧電アクチュエ
ータ112に所定の電圧を印加すると、この印加電圧に応
じて、アクチュエータ112は伸長し、その先端に固定さ
れたチップ112aが第1のテーパ板64を押す。この結果、
第2A図で説明したのと同様にして試料が上方に移動す
る。このような積層型圧電アクチュエータとしては、市
販されている、長さが4.5〜18mmの小型のものが採用さ
れ得る。このようなアクチュエータは、最大変位量が3
〜15μm程度である。また、その変位量精度は100オン
グストローム程度にまで上げることができる。従って、
テーパ板60,64としてテーパ比が5分の1のものを採用
すると、z方向の最大変位量が0.3〜3μm、精度が20
オングストロームの高精度超微動ステージが得られる。
このような積層型アクチュエータとしては、通常のもの
の他に比較的少数の圧電素子を積層してなる第1の積層
部と、比較的多数の圧電素子を積層してなる第2の積層
部とを積層してなる2段積層型圧電アクチュエータを用
いることもできる。このようなアクチュエータは第1の
積層部と第2の積層部とで、伸縮度を変え、第1の積層
部で、高精度の少変位を得、第2の積層部で大変位を得
るようになっている。
前記z超微動ステージは、上記構成に限定されること
はなく、例えば第7図に示すようなものも使用され得
る。
第7図に示す例にて、第2A図に示すものと実質的に同
じ箇所は、同じ符号を付して説明を省略する。この例
は、2段積層型圧電アクチュエータ120を、ベース50上
に固定して使用している。このアクチュエータ120は、
少変位の第1の積層部120bと、大変位の第2の積層部12
0cとにより構成されている。第2の積層部120cはベース
50に接着剤により固定されており、また第1の積層部12
0bの上端には先端チップ120aが設けられている。この先
端チップ120aと第2の板ばね54との間には被駆動板122
が介在されている。この被駆動板122の上面は、第2の
板ばね122に取着され、また下面には、先端チップ120a
が当接している。このようなアクチュエータ120に所定
の電圧を印加すると、チップ120aは上方(z方向)に変
位し、被駆動板122を同方向に、板ばね54a,54bの付勢力
に抗して、変位させる。この結果、第1のばね押え56が
上方に変位され、この上に設けられている試料用容器
を、中の試料と共に上方に変位し、試料を探触針に接近
させる。この時に、前記実施例と同様に、2枚の板ばね
54a,54bは、これの反力により先端チップ120aを介して
圧電アクチュエータ120に下方の力を付与し、圧電アク
チュエータ120のヒステリシス誤差を小さくすることが
できる。尚、この圧電アクチュエータ120は、圧電素子
が1段になっている通常の形式のものでも良い。また、
圧電アクチュエータは1個に限らず、複数個並列に配設
して使用しても良い。
(G) 発明の効果 この発明のプローブユニットの駆動機構およびその駆
動方法は、Z方向に沿って試料や探触針を大きく退避さ
せて、試料と探触針との間にこれらを交換するために必
要十分な空間を確保できると共に、試料と探触針との衝
突による損傷を回避しつつ高精度に両者の接近を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図はこの発明の一実施例に係わるプロ
ーブユニットを示し、第1図は全体の斜視図、第2A図は
z超微動ステージの断面図、第2B図は同ステージの要部
を示す平面図、第3図は走査アクチュエータと探触針ホ
ルダーとを示す断面図、並びに第4図は走査アクチュエ
ータを示す平面図;第5図は走査アクチュエータの変形
例を示す斜視図;そして第6図並びに第7図はz超微動
ステージのそれぞれ異なる変形例を示す断面図である。 14……操作部ベース、16……走査アクチュエータ、26…
…ブロック、28……z微動マイクロステージ、30……x
微動マイクロステージ、32……y微動マイクロステー
ジ、34……z超微動ステージ、38……試料用容器、42…
…探触針。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−233304(JP,A) 特開 昭63−153404(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の支持手段に支持された試料と対向す
    る位置に探触針を第2の支持手段により位置させ、この
    探触針と前記試料との間に働く物理量を検出するプロー
    ブユニットにおいて、 前記試料と探触針との間で物理量が検出可能な領域まで
    前記試料と探触針との相対的なZ方向の距離を微動変化
    させるように前記第1の支持手段と第2の支持手段との
    少なくとも一方をオングストローム単位で移動させる第
    1の移動手段と、 少なくとも前記試料と探触針とが接触しない範囲で前記
    試料と探触針との相対的なZ方向の距離を微動変化させ
    るように前記第1の支持手段と第2の支持手段との少な
    くとも一方をミクロン単位で移動させる第2の移動手段
    と、 前記試料と探触針との少なくとも一方を互いに衝突する
    ことがなく交換可能な範囲で前記試料と探触針との相対
    的なZ方向の距離を粗動変化させるように前記第1の支
    持手段と第2の支持手段との少なくとも一方を移動させ
    る第3の移動手段と、 を具備することを特徴とするプローブユニットの駆動機
    構。
  2. 【請求項2】試料と対向する位置に探触針を設け、前記
    試料と前記探触針との間に働く物理量を検出する駆動方
    法であって、 前記試料と前記探触針との間で物理量が検出可能な領域
    まで前記試料と前記探触針との相対的なZ方向の距離を
    オングストローム単位で微動変化させる工程と、 少なくとも前記試料や前記探触針が接触しない範囲で前
    記試料と前記探触針との相対的なZ方向の距離をミクロ
    ン単位で微動変化させる工程と、 少なくとも前記試料や前記探触針を交換可能な範囲で前
    記試料と前記探触針との相対的なZ方向の距離を粗動変
    化させる工程と、 を少なくとも含むことを特徴とするプローブユニットの
    駆動方法。
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