JP2642134B2 - マイトマイシン誘導体 - Google Patents

マイトマイシン誘導体

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JP2642134B2 JP63097833A JP9783388A JP2642134B2 JP 2642134 B2 JP2642134 B2 JP 2642134B2 JP 63097833 A JP63097833 A JP 63097833A JP 9783388 A JP9783388 A JP 9783388A JP 2642134 B2 JP2642134 B2 JP 2642134B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は抗菌活性、抗腫瘍活性を有する新規なマイト
マイシン誘導体に関する。
従来の技術 マイトマイシン類は抗菌活性、抗腫瘍活性を有する抗
生物質として一般に知られている。天然界からは主とし
てマイトマイシンCが得られ、微量成分としてマイトマ
イシンA、マイトマイシンBおよびポルフィロマイシン
(以上は、メルクインディクス第10版に記載されてい
る)が得られている。さらに微量の成分としてはマイト
マイシンDおよびE(特開昭54−122797号公報)、マイ
トマイシンFおよびJ(特開昭55−45322号公報)、マ
イトマイシンG、HおよびK(特開昭55−118396号公
報)なども知られている。以上の天然界から得られるマ
イトマイシンの構造を第1表に示す。
上記のマイトマイシン類の中にはすぐれた抗腫瘍活性
を有するものが含まれているが、同時に白血球の減少等
の副作用も強い。こうした背景から活性の増強あるいは
毒性の軽減を目的として多くの誘導体が合成されてきて
いる。それらの中にはマイトマイシンの7位のアミノ基
が、硫黄原子を含む置換基で修飾されている誘導体もあ
り、例えば7位にメルカプトエチルアミノ基の置換した
マイトマイシンCおよびポリフィロマイシン,7位に3−
チアゾリノ,チオモルホリノおよび4−メルカプトアニ
リノ基の置換したマイトマイシンC(GB 2106096 A;特
開昭57−188590号公報)、7位のアミノ基に2−(置換
ジチオ)エチル基が置換したマイトマイシン類(EP 011
6208 A1;特開昭59−104386号公報;同59−175493号公
報;GB 2140799 A;特開昭59−205382号公報)7−N,7′
−N′−ジチオジエチレンジマイトマイシンCのような
対象ジスルフィド型のマイトマイシン誘導体(EP 01162
08 A1;特開昭59−104386号公報;同59−175493号公
報)、さらには7位のアミノ基にアシルチオエチル基等
が置換したマイトマイシン類(特開昭62−67085号公報;
EP 197099 A1)などが知られている。
これらのなかでさらに本発明と関係の深いものとして
は、7位にスルフィド基を含む誘導体が知られている。
特開昭57−188590号公報およびJ.Med.Chem.,26,16(198
3)には7位の置換基として低級アルキルチオ低級アル
キルアミノ基が開示されており、具体的化合物として7
−N−〔2−(エチルチオ)エチル〕マイトマイシンC
(以下、化合物Aという)および同置換基を有するポリ
フィロマイシンが例示されている。また特開昭59−1486
号公報には7−N−〔2−(ベンジルチオ)エチル〕マ
イトマイシンCが開示されている。
発明が解決しようとする課題 マイトマイシンCは癌に対するすぐれた化学療法剤と
して知られている化合物であり、今日、日本を含め数多
くの国々において広く臨床的に使用されている。しかし
ながらマイトマイシンCは無視できない副作用(例えば
骨髄毒性)も持っている。したがって抗腫瘍活性がより
強い薬剤、あるいは毒性が軽減された薬剤の開発が望ま
れている。本発明者らはそのような薬剤の開発を目的と
してマイトマイシンの化学修飾の研究を重ね、すぐれた
性質を有する一群のマイトマイシン誘導体を見出し本発
明を完成させることができた。本発明化合物は比較的関
連性があると考えられる前述の誘導体と較べてもきわめ
て特徴のあるものである。
課題を解決するための手段 本発明のすぐれた抗腫瘍活性を有するマイトマイシン
誘導体は次の式(I)で表される。
式(I) 〔式中、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜8のアル
キル,置換フェニル,糖より1位の水酸基を除いた残
基,チオール基を有するアミノ酸よりチオール基を除い
た残基または式(1)からR−Sを除いた基を表わし、
Xは炭素数2〜8のポリメチレンまたはフェニレンを表
わし、YおよびZは水素またはメチルを表わしはαま
たはβ結合を表わす。但し、同時にRがメチル,Xがエチ
レン,Yがメチル,Zが水素またはメチルでがβ結合であ
る化合物を除く〕 以下、式(I)で表わされる化合物を化合物(I)と
いう。他の式番号の化合物についても同様である。
式(I)のRの定義中、炭素数1〜8のアルキルは直
鎖状もしくは分枝状の例えばメチル,エチル,n−プロピ
ル,i−プロピル,n−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n
−ヘプチル,n−オクチル等を包含し、置換基としてはヒ
ドロキシル、低級アルコキシ,例えばメトキシ,エトキ
シ等、低級アルカノイルオキシ,例えばアセトキシ,プ
ロピオニルオキシ等、ベンゾイルオキシ、アミノ、低級
アルキルアミノ,例えばメチルアミノ,エチルアミノ,
ジメチルアミノ,ジエチルアミノ等、低級アルカノイル
アミノ,例えばアセトアミド,プロパンアミド等、ベン
ズアミド、カルボキシルおよびその塩,例えばナトリウ
ム塩,カリウム塩およびトリエチルアミン等の有機塩基
付加塩、低級アルコキシカルボニル,例えばメトキシカ
ルボニル,エトキシカルボニル等、カルバモイル、低級
アルキルカルバモイル,例えばN−メチルカルバモイル
等、低級アルキルチオ、例えばメチルチオ,エチルチオ
等、低級アルカノイルチオ,例えばアセチルチオ,プロ
ピオニルチオ等およびベンゾイルチオ等の置換基が挙げ
られる。
Rの定義中、置換フェニルにおける置換基としては、
メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,t
−ブチル等の炭素数1〜4の低級アルキル、ヒドロキ
シ、メトキシ,エトキシ等の低級アルコキシ、アミノ、
アセトアミド,プロパンアミド等の低級アルカノイルア
ミノ、ニトロおよびフッ素,塩素,臭素等のハロゲン等
を包含し、具体的化合物としては3−アミノフェニル,4
−アミノフェニル,3,4−ジアミノフェニル,2−アセトア
ミドフェニル,3−アセトアミドフェニル,4−アセトアミ
ドフェニル,4−アセトアミド−3−アミノフェニル,3−
アセトアミド−4−アミノフェニル,4−ニトロフェニ
ル,2−メトキシフェニル,3−メトキシフェニル,4−メト
キシフェニル,4−エトキシフェニル,4−メチルフェニ
ル,4−エチルフェニル,2−クロロフェニル,4−クロロフ
ェニル,2−ブロモフェニル,4−ブロモフェニル,4−フル
オロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロ
フェニル、3,4−ジクロロフェニル,2,4,5−トリクロロ
フェニル,2,3,5,6−テトラフルオロフェニル,4−ヒドロ
キシフェニル,3,4−ジヒドロキシフェニル等が挙げられ
る。
Rの定義中、糖より1位の水酸基を除いた残基として
は5炭糖および6炭糖の基、例えばα−D−グルコシ
ル,β−D−グルコシル,α−D−ガラクトシル,β−
D−ガラクトシル,α−D−マンノシル,β−D−マン
ノシル,α−L−フコシル,β−L−フコシル,α−D
−キシロシル,β−D−キシロシル等が包含される。
Rの定義中、チオールを有するアミノ酸としては、L,
D,DLのいずれであってもよく、またこれらアミノ酸のカ
ルボキシル基はメチル,エチル等の低級アルキルエステ
ルとして保護されていてもよく、またアミノ基はホルミ
ル,アセチル等の低級アルカノイル基で保護されていて
もよい。また、該カルボキシル基は塩を形成していても
よく、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩
および例えばトリエチルアミン,ピリジン等の有機アミ
ン塩を包含する。
チオールを含むアミノ酸としては、システイン,ホモ
システインおよびペニシラミン等が包含され、具体的S
−イル基の例としてはL−システイン−S−イル,D−シ
ステイン−S−イル,L−ホモシステイン−S−イル,D−
ホモシステイン−S−イル,L−ペニシラミン−S−イ
ル,D−ペニシラミン−S−イル,N−アセチル−L−シス
テイン−S−イル,N−アセチル−D−システイン−S−
イル,N−アセチル−L−ペニシラミン−S−イル,N−ア
セチル−D−ペニシラミン−S−イル等が挙げられる。
またXと定義において、フェニレンはo−フェニレ
ン、m−フェニレンおよびp−フェニレンを包含する。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
化合物(I)は7位にアルコキシ,アシルオキシまた
はジ低級アルキルアミノメチレンイミノ基を持つマイト
マイシン誘導体と式(II) R−S−X−NH2 (II) (式中、RおよびXは前記と同義である) で表わされる化合物(II)とを反応させて合成すること
ができる。
原料として用いられるマイトマイシン誘導体がアシル
オキシ基をもつマイトマイシン類の場合は特開昭56−73
085号公報に、ジ低級アルキルアミノメチレンイミノ基
をもつマイトマイシン類の場合は特開昭59−1486号公報
にそれぞれアミン類との反応が記載されている。
しかしながら、アルコキシ基を持つマイトマイシン、
特に7−メトキシマイトマイシン類が原料としては好適
に用いられる。7−メトキシマイトマイシン類とアルキ
ルアミン類との反応はJ.Antibiot.,189(1968)等に記
載されている。
7−メトキシマイトマイシン類の例としてはマイトマ
イシンAおよびマイトマイシンB等が挙げられる。
化合物(II)は遊離あるいは塩として用いることがで
きる。塩としては通常塩酸塩が使用されるが、臭化水素
酸塩や硫酸塩でもよく、また酢酸塩、p−トルエンスル
ホン酸塩等の有機酸塩であってもよい。これらの塩類を
原料とする場合には、当量もしくは過剰の塩基を共存さ
せることが望ましく、その適当な例としてはトリエチル
アミン,ピリジン等の第三級アミン類,アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の重炭酸塩あるいは炭酸塩等が挙
げられる。また化合物(II)を遊離の形で用いる場合に
も、上記したと同様の塩基の併用が好ましい場合があ
る。
本反応に用いられる溶媒としてはメタノール,エタノ
ール,イソプロパノール,クロロホルム,塩化メチレ
ン,アセトニトリル,テトラヒドロフラン,メチレング
リコールジメチルエーテル,ジメチルホルムアミド,ジ
メチルスルホキシド,水等があり、これらは単独もしく
は混合して用いられる。反応の温度および時間は通常0
℃から30℃の範囲で数時間から1日以内で十分である。
化合物(I)において、Rが低級アルカノイルチオま
たはベンゾイルチオで置換したアルキル基である化合物
の場合は、Rとしてヒドロキシが置換したアルキル基を
有する化合物(I)とR′−COSH(式中、R′は低級ア
ルキルまたはフェニルを表わす)で表わされるチオカル
ボン酸とを、不活性溶媒中でトリフェニルホスフィンお
よびアゾジカルボン酸ジアルキルの共存下で反応させ
る、いわゆる光延反応〔Synthesis,1(1981)等〕で合
成することもできる。
本反応に用いられる溶媒はジエチルエーテル,テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系溶媒,ベンゼン,塩化メチ
レン,ヘキサメチルホスフォラストリアミド等の無水溶
媒で、これらは単独でも混合しても用いられる。
反応温度、反応時間は通常は−20〜30℃の範囲で数分
から1時間位でよい。
トリフェニルホスフィン,アゾジカボン酸ジアルキル
およびチオカルボン酸はそれぞれ1〜3当量が用いられ
る。アゾジカルボン酸ジアルキルの種類は光延反応に使
用できるものであればさしつかえないが、通常はジエチ
ルエステルもしくはジイソプロピルエステルが使われ
る。
また化合物(I)において、Rが式(I)からR−S
を除いた基で表わされる対称スルフィド型マイトマイシ
ン二量体類〔化合物(I−1)〕は、前記したマイトマ
イシン誘導体とアミンとして前記した化合物(II)に代
えて式(III) SX−NH2 (III) (式中、Xは前記と同義である) で表わされる対称アミノスルフィドを用い、前記したと
同様の方法で合成することもできる。
なお、化合物(III)は原料のマイトマイシン誘導体
に対して通常1/2当量以下使用することが好ましい。
上記各製造法における目的化合物は有機合成化学で常
用される単離精製法、例えば、過、有機溶媒,例えば
酢酸エチル,塩化メチレン,クロロホルム等による抽
出、乾燥、濃縮、再結晶および各種クロマトグラフィー
等によって行うことができる。
以上の方法によって得られる化合物(I)の具体例を
第2表および第3表に示す。
次に本発明に含まれる化合物のうちいくつかの化合物
を例にとり、試験例により抗菌活性および抗腫瘍性につ
いて説明する。
試験例1 抗菌活性: 試験化合物の各種細菌類に対する抗菌活性について、
寒天希釈法によりpH7.0で測定した結果を、最小生育阻
止濃度(MIC;μg/ml)として第4表に示した。表中、細
菌名を次の記号で表わす。
SF:ストレプトコッカス・フェカリス (Streptococcus faecalis)ATCC 10541; SA:スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus)ATCC 6538P; PV:プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)ATCC
6897; KP:クレブシェラ・ニューモニアエ(Klebsiella pneumo
niae)ATCC 10031 試験例2 抗腫瘍活性: 試験化合物のサルコーマ180固型腫瘍に対する抗腫瘍
活性(ED50)と急性毒性(LD50)および末梢白血球数に
対する影響(WBC400/ED50)を第5表に示した。
試験は以下の方法により行った。
(1) サルコーマ180固型腫瘍に対する効果 5×106個のサルコーマ180細胞をddyマウスの腹腔内
に移植し、7日目の腹水から細胞を採取し、滅菌生理食
塩水で1回洗浄後、滅菌生理食塩水で5×107個/mlの細
胞浮遊液を作製した。この0.1mlを体重20±2gのddy雄性
マウスの右腋窩部皮下に移植した。試験化合物は、生理
食塩水またはツイーン80含有生理食塩水に溶解し、腫瘍
移植後24時間目に1群5匹のマウス腹腔内に0.1〜0.2ml
を投与した。試験化合物の抗腫瘍活性の測定は、移植後
7日目に腫瘍の長径(a)と短径(b)を測定し、腫瘍
体積に相当するa×b2/2の値を求めた。対照群(C)に
対する試験化合物投与群(T)の体積比(T/C)によっ
て抗腫瘍効果をあらわした。
(2) ED50の求め方 サルコーマ180固型腫瘍体積を非投与対照群の腫瘍体
積の50%に低下させる投与量をED50とした。縦軸に通常
目盛でT/C、横軸に対数目盛で投与量を表したグラフ
に、各投与量におけるT/Cをプロットし、投与量とT/Cの
関係を最小二乗法により直線としてもとめた。得られた
直線の回帰式より、T/Cが0.5を示す投与量を計算した。
(3) 急性毒性 LD50は1群5匹のddyマウスに試験化合物を1回腹腔
内に投与し、投与後14日間の生死を観察し、各投与群の
死亡率より、ベーレンス・ケルバー法に従いLD50を算出
した。
(4) 末梢白血球数に対する影響 5×106個のサルコーマ180細胞を1群5匹の体重20±
2gのddy雄性マウスの右腋窩部皮下に移植し、24時間後
に試験化合物を腹腔内に投与した。試験化合物投与後4
日目に担癌マウスの眼窩静脈叢より血液を0.02ml採取
し、9.98mlのセルキットセブン液に分散させた。サポニ
ン液を1滴加え赤血球を溶解させた後、ミクロセルカウ
ンターで白血球数を測定した縦軸に通常目盛で末梢白血
球数を、横軸に対数目盛で投与量を示したグラフに各投
与量における白血球数をプロットし、投与量と末梢白血
球数の関係を求め、末梢白血球数4000/mm3(正常マウス
における末梢白血球数のほぼ1/2の数を与える投与量をW
BC4000とした。
試験例1および2に見られるように、化合物(I)は
優れた抗菌活性および抗腫瘍活性を有している。
第5表に記載した化学療法係数(CI値)は、その値が
高いほど毒性の発現を抑制して抗腫瘍効果を上げるため
の薬物の投与量域が拡がることを意味する。このことは
臨床的に使用する場合、投与量の安全域が広く、抗腫瘍
剤としてより優れているといえる。このような観点から
第5表に見られるように、化合物1および2は化合物A
に比べてCI値が高く、優れた性質の化合物であるという
ことができる。
化合物(I)はそのままあるいは各種の投与形態で用
いることができる。例えば化合物(I)を注射剤として
用いる場合には、希釈剤としてこの分野で常用されてい
るもの、例えば生理食塩水、ブドウ糖注射液、乳糖注射
液、マンニット注射液等に溶解するか、日本薬局方に基
づいて凍結乾燥した注射剤や塩化ナトリウムと混合した
粉末注射剤としてもよい。また、ポリエチレン、グリコ
ール、HCO−60(界面活性剤;日光ケミカル社製)等の
補助剤、エタノールおよび/またはリポソーム、サイク
ロデキストリン等の担体を含んでいてもよい。これらの
注射剤は例えば静脈内投与に供せられるが、筋肉内投
与、動脈内投与、腹腔内投与、胸腔内投与等も可能であ
る。
また化合物(I)と適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、
滑沢剤等を常法により混合成型して錠剤、粒剤、粉剤、
シロップ剤等とすることによる経口剤として用いること
もできる。さらには化合物(I)と常用される担体とを
常法により混合成型して坐剤として直腸投与も可能であ
る。
投与量は投与方法、化合物(I)の種類、年齢、症状
等により異なるが、一般的には人を含む哺乳動物に対
し、1日あたり化合物(I)として0.06〜5mg/kgが適当
である。また、投与スケジュールも症状や投与量によっ
て変えることができるが、たとえば週3回あるいは3週
間に1回などの間歇投与も可能である。
以下に、実施例および参考例を示す。
各化合物の物理化学的データは次の機器類によって測
定した。1 H−NMR:日本電子PS−100(100MHz)、日本電子FX−100
(100MHz)、ブルーカーAM−400(400MHz) MS:日立M−80B(EIあるいはSI−MS法) 実施例1 7−N−(3−メチルチオプロピル)マイトマイシンC
(化合物1) マイトマイシンA 200mgを2mlのメタノールに溶解
し、3−メチルチオプロピルアミン200μを加え、室
温で1日撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホル
ム:メタノール=95:5)に付し青所バンド画分を集め
た。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣を少量のアセト
ンに溶解し、n−ヘキサンを加えて粉末化し、溶媒を減
圧下留去した。この粉末を更に減圧下乾燥することによ
り濃紫色粉末として243mg(定量的)の化合物1を得
た。
化合物1の物理化学的性質を第8表に示す。
実施例2〜18 実施例1と同様の方法で得られる実施例2〜18の化合
物を第6表に、またその物理化学的性質を第8表に示
す。
実施例19 7−N−{2−〔(2−アセチルチオエチル)チオ〕エ
チル}マイトマイシンC(化合物16) トリフェニルホスフィン792mgとアゾジカルボン酸ジ
イソプロル595μを7.5mlの無水テトラヒドロフランに
溶解し、窒素雰囲気下氷水で冷却しながら30分間撹拌し
た。この溶液に実施例3で得られる化合物3 529mgと
チオ酢酸216μとを含む10mlのテトラヒドロフラン溶
液を加え、更に2分間氷冷撹拌を続けた。反応液に酢酸
エチルを加え飽和重曹水で洗浄した後、芒硝で乾燥し
た。溶媒を減圧下留去した残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液;クロロホルム:アセトン:メ
タノール=70:25:5)に対し、青色バンド画分を集め
た。溶媒を減圧下留去し、462mg(77%)の化合物16を
得た。化合物16の物理化学的性質は第8表に示す。
実施例20 7−N−7′−N′−チオジエチレンジマイトマイシン
C(化合物6) マイトマイシンA 296mgを5mlのメタノールに溶解
し、2,2′−チオビスエチルアミン二塩酸塩83mgおよび
0.5mlのトリエチルアミンを加え、室温で11時間撹拌し
た。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=
85:15)に付し青色バンド画分を集めた。溶媒を減圧下
留去し得られた残渣を少量のアセトンに溶解し、n−ヘ
キサンを加えて粉末化し、溶媒を減圧下留去した。この
粉末を更に減圧下乾燥する事により濃紫色粉末として24
9mg(78%)の化合物6を得た。
化合物6の物理化学的性質を第8表に示す。
実施例21〜30 実施例20と同様の方法で得られる実施例21〜30の化合
物を第7表に、またその物理化学的性質を第8表に示
す。
発明の効果 本発明によれば、化合物(I)は優れた抗菌、抗腫瘍
活性を有しており、抗腫瘍剤として利用され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 冨士 美香

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 〔式中、Rは置換もしくは非置換の炭素数1〜8のアル
    キル,置換フェニル,5炭糖または6炭糖より1位の水酸
    基を除いた残基,チオール基を有するアミノ酸よりチオ
    ール基を除いた残基または式(I)からR−Sを除いた
    基を表わし、Xは炭素数2〜8のポリメチレンまたはフ
    ェニレンを表わし、YおよびZは水素またはメチルを表
    わしはαまたはβ結合を表わす。但し、同時にRがエ
    チル,Xがエチレン,Yがメチル,Zが水素またはメチルで
    がβ結合である化合物を除く〕で表わされるマイトマイ
    シン誘導体。
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