JP2640725B2 - 地上式lngタンクのタンク構造 - Google Patents
地上式lngタンクのタンク構造Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地上式LNGタンクの
タンク構造に関し、特に屋根構造とナックルプレート構
造を改善したもの、屋根構造を改善したものに関する。
タンク構造に関し、特に屋根構造とナックルプレート構
造を改善したもの、屋根構造を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LNG(液化天然ガス)を貯蔵す
るLNGタンクとして、地下式LNGタンクと、地上式
LNGとが実用化されている。図7に示すように、地下
式LNGタンク50は、コンクリート構造体51の内側
に保冷材52(合板と発泡ウレタン等)を介してステン
レス薄板のメンブレン槽53を設け、常温用鋼製の部分
球面状の耐圧殻としての屋根55と、アルミニウム製の
サスペンションデッキ56と、グラスウール等の保冷材
57とからなる屋根構造54を設けたものである。
るLNGタンクとして、地下式LNGタンクと、地上式
LNGとが実用化されている。図7に示すように、地下
式LNGタンク50は、コンクリート構造体51の内側
に保冷材52(合板と発泡ウレタン等)を介してステン
レス薄板のメンブレン槽53を設け、常温用鋼製の部分
球面状の耐圧殻としての屋根55と、アルミニウム製の
サスペンションデッキ56と、グラスウール等の保冷材
57とからなる屋根構造54を設けたものである。
【0003】地上式LNGタンクとしては、金属2重殼
式LNGタンクと、PC外槽方式LNGタンクと、ピッ
トイン方式LNGタンクの3種類ある。尚、PCとは、
プレストレスコンクリートのことである。例えば、前記
PC外槽方式LNGタンクについて説明すると、図8に
示すように、PC方式LNGタンク60は、低温用鋼製
の耐圧殻としての内槽61と、常温用鋼製の外槽62
と、内槽61と外槽62間の保冷材63(パーライトと
窒素ガス)と、非常時の液漏れ防止用バリアとしてのプ
レストレスコンクリート構造体64とを備えたものであ
る。前記内槽61は、内槽底板61aと、内槽側板61
bと、この内槽側板61bの上端に接合された厚板状の
ナックルプレート61cと、このナックルプレート61
cの上端に接合された部分球面状の内槽屋根61dとか
らなり、内槽61は9%Ni鋼等の低温用鋼製で、板材
に側部スチフナ、屋根骨を溶接接合した構造である。
尚、これらのLNGタンクの設計の為の指針として、
「高圧ガス設備等耐震設計指針」(KHK E 012
−1983)(高圧ガス保安協会)が発行されている。
式LNGタンクと、PC外槽方式LNGタンクと、ピッ
トイン方式LNGタンクの3種類ある。尚、PCとは、
プレストレスコンクリートのことである。例えば、前記
PC外槽方式LNGタンクについて説明すると、図8に
示すように、PC方式LNGタンク60は、低温用鋼製
の耐圧殻としての内槽61と、常温用鋼製の外槽62
と、内槽61と外槽62間の保冷材63(パーライトと
窒素ガス)と、非常時の液漏れ防止用バリアとしてのプ
レストレスコンクリート構造体64とを備えたものであ
る。前記内槽61は、内槽底板61aと、内槽側板61
bと、この内槽側板61bの上端に接合された厚板状の
ナックルプレート61cと、このナックルプレート61
cの上端に接合された部分球面状の内槽屋根61dとか
らなり、内槽61は9%Ni鋼等の低温用鋼製で、板材
に側部スチフナ、屋根骨を溶接接合した構造である。
尚、これらのLNGタンクの設計の為の指針として、
「高圧ガス設備等耐震設計指針」(KHK E 012
−1983)(高圧ガス保安協会)が発行されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の地上式LNGタ
ンクにおいて、内槽屋根を低温用鋼で構成していたの
で、その材料費及び製作費が非常に高価になること、内
槽用屋根骨(低温用鋼製型鋼)の入手可能サイズが限定
され、納期が長くなること、等の問題がある。一方、低
温用鋼製のナックルプレートは、タンク内径70〜80
mの場合に40〜50mm程度厚さの板材となり、その
材料費及び溶接施工費用等が非常に高価になる。
ンクにおいて、内槽屋根を低温用鋼で構成していたの
で、その材料費及び製作費が非常に高価になること、内
槽用屋根骨(低温用鋼製型鋼)の入手可能サイズが限定
され、納期が長くなること、等の問題がある。一方、低
温用鋼製のナックルプレートは、タンク内径70〜80
mの場合に40〜50mm程度厚さの板材となり、その
材料費及び溶接施工費用等が非常に高価になる。
【0005】本発明の目的は、屋根構造及びナックルプ
レートの材料費と製作費を大幅に低減できる地上式LN
Gタンクのタンク構造、屋根構造の材料費と製作費を大
幅に低減できる地上式LNGタンクのタンク構造、を提
供することである。
レートの材料費と製作費を大幅に低減できる地上式LN
Gタンクのタンク構造、屋根構造の材料費と製作費を大
幅に低減できる地上式LNGタンクのタンク構造、を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の地上式LNG
タンクのタンク構造は、低温用鋼製の円筒状の内槽側板
と、この内槽側板の外側に保冷材を挟んで配設された円
筒状の外槽とを備えた地上式LNGタンクにおいて、前
記内槽側板の上端に接合された常温用鋼製の耐圧殼とし
てのナックルプレートと、前記ナックルプレートの上端
に接合された常温用鋼製の耐圧殼としての屋根であって
内槽の上側を塞ぐ屋根と、前記屋根の下端側環状部分と
ナックルプレートの下側に保冷材充填空間を空けて配設
された低温用鋼製のリング状の防波板であって、外周端
が内槽側板に接合された防波板と、前記防波板とその上
側の耐圧殼との間の前記保冷材充填空間に充填された保
冷材と、前記屋根の内側において防波板の上端開口部を
非ガス密状に塞ぐように設けられ、屋根に支持されたア
ルミニウム製のサスペンションデッキと、前記屋根とサ
スペンションデッキ間に設けられた保冷材とを備えたも
のである。
タンクのタンク構造は、低温用鋼製の円筒状の内槽側板
と、この内槽側板の外側に保冷材を挟んで配設された円
筒状の外槽とを備えた地上式LNGタンクにおいて、前
記内槽側板の上端に接合された常温用鋼製の耐圧殼とし
てのナックルプレートと、前記ナックルプレートの上端
に接合された常温用鋼製の耐圧殼としての屋根であって
内槽の上側を塞ぐ屋根と、前記屋根の下端側環状部分と
ナックルプレートの下側に保冷材充填空間を空けて配設
された低温用鋼製のリング状の防波板であって、外周端
が内槽側板に接合された防波板と、前記防波板とその上
側の耐圧殼との間の前記保冷材充填空間に充填された保
冷材と、前記屋根の内側において防波板の上端開口部を
非ガス密状に塞ぐように設けられ、屋根に支持されたア
ルミニウム製のサスペンションデッキと、前記屋根とサ
スペンションデッキ間に設けられた保冷材とを備えたも
のである。
【0007】請求項2の地上式LNGタンクのタンク構
造は、請求項1の発明において、内槽側板と外槽間の保
冷材の上側を塞ぐリング状のガスシール板であって、内
周端が内槽側板の上端近傍部に固着されたガスシール板
を設けたものである。
造は、請求項1の発明において、内槽側板と外槽間の保
冷材の上側を塞ぐリング状のガスシール板であって、内
周端が内槽側板の上端近傍部に固着されたガスシール板
を設けたものである。
【0008】請求項3の地上式LNGタンクのタンク構
造は、低温用鋼製の円筒状の内槽側板と、この内槽側板
の外側に保冷材を挟んで配設された円筒状の外槽とを備
えた地上式LNGタンクにおいて、前記内槽側板の上端
に接合された低温用鋼製の耐圧殼としてのナックルプレ
ートと、前記ナックルプレートの上端に接合された常温
用鋼製の耐圧殻としての屋根であって内槽の上側を塞ぐ
屋根と、外周端がナックルプレートの下端近傍部に接合
されてタンク内側へ所定幅延びた低温用鋼製のリング状
の防波板であって、屋根の下端側環状部分及びナックル
プレートとの間に半径方向向き縦断面が略三角形状の保
冷材充填空間を空けて配設された低温用鋼製のリング状
の防波板と、前記防波板とその上側の耐圧殻との間の前
記保冷材充填空間に充填された保冷材と、前記屋根の内
側において防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐよう
に設けられ、屋根に支持されたアルミニウム製のサスペ
ンションデッキと、前記屋根とサスペンションデッキ間
に設けられた保冷材とを備えたものである。
造は、低温用鋼製の円筒状の内槽側板と、この内槽側板
の外側に保冷材を挟んで配設された円筒状の外槽とを備
えた地上式LNGタンクにおいて、前記内槽側板の上端
に接合された低温用鋼製の耐圧殼としてのナックルプレ
ートと、前記ナックルプレートの上端に接合された常温
用鋼製の耐圧殻としての屋根であって内槽の上側を塞ぐ
屋根と、外周端がナックルプレートの下端近傍部に接合
されてタンク内側へ所定幅延びた低温用鋼製のリング状
の防波板であって、屋根の下端側環状部分及びナックル
プレートとの間に半径方向向き縦断面が略三角形状の保
冷材充填空間を空けて配設された低温用鋼製のリング状
の防波板と、前記防波板とその上側の耐圧殻との間の前
記保冷材充填空間に充填された保冷材と、前記屋根の内
側において防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐよう
に設けられ、屋根に支持されたアルミニウム製のサスペ
ンションデッキと、前記屋根とサスペンションデッキ間
に設けられた保冷材とを備えたものである。
【0009】請求項4の地上式LNGタンクのタンク構
造は、請求項3の発明において、前記内槽側板と外槽間
の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシール板であっ
て、内周端がナックルプレートに接合されたガスシール
板を設けたものである。請求項5の地上式LNGタンク
のタンク構造は、請求項2又は請求項4の発明におい
て、前記ガスシール板は、弾性変形可能な薄い金属板で
構成され、ガスシール板の外周端が外槽に固着されたも
のである。請求項6の地上式LNGタンクのタンク構造
は、請求項2又は請求項4の発明において、前記ガスシ
ール板は、弾性変形可能な合成樹脂板で構成され、ガス
シール板の外周端が外槽に固着されたものである。
造は、請求項3の発明において、前記内槽側板と外槽間
の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシール板であっ
て、内周端がナックルプレートに接合されたガスシール
板を設けたものである。請求項5の地上式LNGタンク
のタンク構造は、請求項2又は請求項4の発明におい
て、前記ガスシール板は、弾性変形可能な薄い金属板で
構成され、ガスシール板の外周端が外槽に固着されたも
のである。請求項6の地上式LNGタンクのタンク構造
は、請求項2又は請求項4の発明において、前記ガスシ
ール板は、弾性変形可能な合成樹脂板で構成され、ガス
シール板の外周端が外槽に固着されたものである。
【0010】
【発明の作用】請求項1の地上式LNGタンクのタンク
構造においては、タンクの上部の耐圧殻が、常温用鋼製
のナックルプレート及び屋根で構成されている。前記屋
根の下端側環状部分とナックルプレートの下側に保冷材
充填空間を空けて低温用鋼製のリング状の防波板を設
け、その外周端を内槽側板に接合してあるため、地震発
生時にLNGの液面に波が発生したとき、防波板が波を
受ける。前記保冷材充填空間に保冷材を充填したので、
防波板の上側の常温用鋼製の耐圧殻を常温状態に保持で
きる。
構造においては、タンクの上部の耐圧殻が、常温用鋼製
のナックルプレート及び屋根で構成されている。前記屋
根の下端側環状部分とナックルプレートの下側に保冷材
充填空間を空けて低温用鋼製のリング状の防波板を設
け、その外周端を内槽側板に接合してあるため、地震発
生時にLNGの液面に波が発生したとき、防波板が波を
受ける。前記保冷材充填空間に保冷材を充填したので、
防波板の上側の常温用鋼製の耐圧殻を常温状態に保持で
きる。
【0011】屋根の内側において防波板の上端開口部を
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成することができる。
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成することができる。
【0012】請求項2の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項1と同様の作用を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端を内槽側板の上
端近傍部に固着したので、内槽側板と外槽間の保冷材装
着空間のガスをシールできる。
造においては、請求項1と同様の作用を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端を内槽側板の上
端近傍部に固着したので、内槽側板と外槽間の保冷材装
着空間のガスをシールできる。
【0013】請求項3の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、内槽側板の上端に接合された低温用鋼製
の耐圧殼としてのナックルプレートを設けるため、従来
の地上式LNGタンクと同様に、タンク内液面をナック
ルプレート近くの高い位置に設定できる。このナックル
プレートの上端に接合された常温用鋼製の耐圧殻として
の屋根が設けられている。前記屋根の下端側環状部分及
びナックルプレートとの間に半径方向縦断面が略三角形
状の保冷材充填空間を空けて低温用鋼製のリング状の防
波板を設け、この防波板の外周端をナックルプレートに
接合したので、地震発生時にLNGの液面に波が発生し
たとき、防波板が波を受ける。前記保冷材充填空間に保
冷材を充填したので、防波板の上側の常温用鋼製の耐圧
殻を常温状態に保持できる。
造においては、内槽側板の上端に接合された低温用鋼製
の耐圧殼としてのナックルプレートを設けるため、従来
の地上式LNGタンクと同様に、タンク内液面をナック
ルプレート近くの高い位置に設定できる。このナックル
プレートの上端に接合された常温用鋼製の耐圧殻として
の屋根が設けられている。前記屋根の下端側環状部分及
びナックルプレートとの間に半径方向縦断面が略三角形
状の保冷材充填空間を空けて低温用鋼製のリング状の防
波板を設け、この防波板の外周端をナックルプレートに
接合したので、地震発生時にLNGの液面に波が発生し
たとき、防波板が波を受ける。前記保冷材充填空間に保
冷材を充填したので、防波板の上側の常温用鋼製の耐圧
殻を常温状態に保持できる。
【0014】屋根の内側において防波板の上端開口部を
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成することができる。
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成することができる。
【0015】請求項4の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項3と同様の作用を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端をナックルプレ
ートに接合したので、内槽側板と外槽間の保冷材装着空
間のガスをシールできる。
造においては、請求項3と同様の作用を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端をナックルプレ
ートに接合したので、内槽側板と外槽間の保冷材装着空
間のガスをシールできる。
【0016】請求項5の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項2又は請求項4と同様の作用を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な薄い金属
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に固着したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
造においては、請求項2又は請求項4と同様の作用を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な薄い金属
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に固着したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
【0017】請求項6の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項2又は請求項4と同様の作用を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な合成樹脂
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に固着したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
造においては、請求項2又は請求項4と同様の作用を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な合成樹脂
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に固着したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
【0018】
【発明の効果】請求項1の地上式LNGタンクのタンク
構造においては、タンクの上部の耐圧殻が、常温用鋼製
のナックルプレートと屋根で構成されているため、タン
クの上部の耐圧殻の材料費と製作費とを大幅に低減でき
る。そして、屋根を常温用鋼で構成するため、屋根骨材
として使用できる型鋼の種類が増え、短期に入手しやす
くなる。前記屋根の下端側環状部分とナックルプレート
の下側に保冷材充填空間を空けて低温用鋼製のリング状
の防波板を設け、その外周端を内槽側板に接合してある
ため、地震発生時にLNGの液面に波が発生しても、低
温用鋼製の防波板で波を受けて、LNGが常温用鋼製の
ナックルプレートに接触するのを防止することができ
る。前記保冷材充填空間に保冷材を充填したので、防波
板の上側の常温用鋼製の耐圧殻を常温状態に保持でき
る。
構造においては、タンクの上部の耐圧殻が、常温用鋼製
のナックルプレートと屋根で構成されているため、タン
クの上部の耐圧殻の材料費と製作費とを大幅に低減でき
る。そして、屋根を常温用鋼で構成するため、屋根骨材
として使用できる型鋼の種類が増え、短期に入手しやす
くなる。前記屋根の下端側環状部分とナックルプレート
の下側に保冷材充填空間を空けて低温用鋼製のリング状
の防波板を設け、その外周端を内槽側板に接合してある
ため、地震発生時にLNGの液面に波が発生しても、低
温用鋼製の防波板で波を受けて、LNGが常温用鋼製の
ナックルプレートに接触するのを防止することができ
る。前記保冷材充填空間に保冷材を充填したので、防波
板の上側の常温用鋼製の耐圧殻を常温状態に保持でき
る。
【0019】屋根の内側において防波板の上端開口部を
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成することができる。そして、アルミニウム製のサ
スペンションデッキは、軽量であるから屋根に作用する
荷重を低く抑えることができ、非耐圧殻のサスペンショ
ンデッキであるから製作コスト的にも有利である。
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成することができる。そして、アルミニウム製のサ
スペンションデッキは、軽量であるから屋根に作用する
荷重を低く抑えることができ、非耐圧殻のサスペンショ
ンデッキであるから製作コスト的にも有利である。
【0020】請求項2の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項1と同様の効果を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端を内槽側板の上
端近傍部に接合したので、内槽側板と外槽間の保冷材装
着空間のガスをシールできる。
造においては、請求項1と同様の効果を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端を内槽側板の上
端近傍部に接合したので、内槽側板と外槽間の保冷材装
着空間のガスをシールできる。
【0021】請求項3の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、内槽側板の上端に接合された低温用鋼製
の耐圧殼としてのナックルプレートを設けるため、従来
の地上式LNGタンクと同様に、タンク内液面をナック
ルプレート近くの高い位置に設定できる。このナックル
プレートの上端に接合された常温用鋼製の耐圧殻として
の屋根を設けるため、この屋根の耐圧殼の材料費と製作
費とを大幅に低減できる。前記屋根の下端側環状部分及
びナックルプレートとの間に半径方向縦断面が略三角形
状の保冷材充填空間を空けて低温用鋼製のリング状の防
波板を設け、この防波板の外周端をナックルプレートの
下端近傍部に接合したので、地震発生時にLNGの液面
に波が発生しても、低温用鋼製の防波板で波を受けて、
LNGが常温用鋼製の屋根に接触するのを防止すること
ができる。保冷材充填空間に保冷材を充填したので、防
波板の上側の常温用鋼製の耐圧殻を常温状態に保持でき
る。
造においては、内槽側板の上端に接合された低温用鋼製
の耐圧殼としてのナックルプレートを設けるため、従来
の地上式LNGタンクと同様に、タンク内液面をナック
ルプレート近くの高い位置に設定できる。このナックル
プレートの上端に接合された常温用鋼製の耐圧殻として
の屋根を設けるため、この屋根の耐圧殼の材料費と製作
費とを大幅に低減できる。前記屋根の下端側環状部分及
びナックルプレートとの間に半径方向縦断面が略三角形
状の保冷材充填空間を空けて低温用鋼製のリング状の防
波板を設け、この防波板の外周端をナックルプレートの
下端近傍部に接合したので、地震発生時にLNGの液面
に波が発生しても、低温用鋼製の防波板で波を受けて、
LNGが常温用鋼製の屋根に接触するのを防止すること
ができる。保冷材充填空間に保冷材を充填したので、防
波板の上側の常温用鋼製の耐圧殻を常温状態に保持でき
る。
【0022】屋根の内側において防波板の上端開口部を
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成してそれらの製作コストを低く抑えることができ
る。そして、アルミニウム製のサスペンションデッキ
は、軽量であるから屋根に作用する荷重を低く抑えるこ
とができ、非耐圧殻のサスペンションデッキであるから
製作コスト的にも有利である。
非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペンショ
ンデッキを設け、このサスペンションデッキを屋根に支
持し、屋根とサスペンションデッキ間に保冷材を設けた
ので、この保冷材を介して常温用鋼製の耐圧殻である屋
根を常温状態に保持できる。しかも、サスペンションデ
ッキにより、防波板の上端開口部を非ガス密状に塞ぐた
め、防波板とサスペンションデッキとを、非耐圧殻とし
て構成してそれらの製作コストを低く抑えることができ
る。そして、アルミニウム製のサスペンションデッキ
は、軽量であるから屋根に作用する荷重を低く抑えるこ
とができ、非耐圧殻のサスペンションデッキであるから
製作コスト的にも有利である。
【0023】請求項4の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項3と同様の効果を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端をナックルプレ
ートに接合したので、内槽側板と外槽間の保冷材装着空
間のガスをシールできる。
造においては、請求項3と同様の効果を奏するが、内槽
側板と外槽間の保冷材の上側を塞ぐリング状のガスシー
ル板を設け、このガスシール板の内周端をナックルプレ
ートに接合したので、内槽側板と外槽間の保冷材装着空
間のガスをシールできる。
【0024】請求項5の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項2又は請求項4と同様の効果を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な薄い金属
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に接合したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
造においては、請求項2又は請求項4と同様の効果を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な薄い金属
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に接合したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
【0025】請求項6の地上式LNGタンクのタンク構
造においては、請求項2又は請求項4と同様の効果を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な合成樹脂
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に固着したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
造においては、請求項2又は請求項4と同様の効果を奏
するが、前記ガスシール板を、弾性変形可能な合成樹脂
板で構成し、ガスシール板の外周端を外槽に固着したの
で、内槽側板が熱収縮する際には、ガスシール板は弾性
変形して追従する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1に示すように、地上式LNGタンク
1は、LNG(液化天然ガス)を貯留する為のものであ
り、この地上式LNGタンク1は、LNGを貯留する内
槽2と、この内槽2の外側に配設された外槽3と、内槽
2と外槽3間に充填された保冷材4と、外槽3の外側に
密着状に配設されたコンクリート構造体5と、屋根構造
体6と、その他の図示外の付属設備等で構成されてい
る。内槽2は、低温用鋼材である9%Ni鋼の板材とス
チフナ材とで構成される耐圧殻であるが、この内槽2
は、円形の内槽底板2aと、この内槽底板2aの外周端
から立ち上がる円筒状の内槽側板2bとで構成されてい
る。
つつ説明する。図1に示すように、地上式LNGタンク
1は、LNG(液化天然ガス)を貯留する為のものであ
り、この地上式LNGタンク1は、LNGを貯留する内
槽2と、この内槽2の外側に配設された外槽3と、内槽
2と外槽3間に充填された保冷材4と、外槽3の外側に
密着状に配設されたコンクリート構造体5と、屋根構造
体6と、その他の図示外の付属設備等で構成されてい
る。内槽2は、低温用鋼材である9%Ni鋼の板材とス
チフナ材とで構成される耐圧殻であるが、この内槽2
は、円形の内槽底板2aと、この内槽底板2aの外周端
から立ち上がる円筒状の内槽側板2bとで構成されてい
る。
【0027】外槽3は、常温用鋼材の板材とスチフナ材
とで構成され、この外槽3は、円形の外槽底板3aと、
この外槽底板3aの外周端から立ち上がる円筒状の外槽
側板3bとで構成されている。保冷材4は、底部保冷材
4aと、側部保冷材4bとからなり、底部保冷材4a
は、発泡コンクリート又は発泡ガラス等で構成され、側
部保冷材4bは、パーライトで構成されているが、この
側部保冷材4bを充填する保冷材充填空間には、窒素ガ
スも充填されている。コンクリート構造体5は、プレス
トレスコンクリートで構成され、液漏れ時の防液バリア
として機能するものであり、このコンクリート構造体5
は、地表面の近傍位置に埋設状に設けられる底部構造5
aと、この底部構造5aから一体に立ち上がる円筒状の
側壁構造5bとで構成されている。
とで構成され、この外槽3は、円形の外槽底板3aと、
この外槽底板3aの外周端から立ち上がる円筒状の外槽
側板3bとで構成されている。保冷材4は、底部保冷材
4aと、側部保冷材4bとからなり、底部保冷材4a
は、発泡コンクリート又は発泡ガラス等で構成され、側
部保冷材4bは、パーライトで構成されているが、この
側部保冷材4bを充填する保冷材充填空間には、窒素ガ
スも充填されている。コンクリート構造体5は、プレス
トレスコンクリートで構成され、液漏れ時の防液バリア
として機能するものであり、このコンクリート構造体5
は、地表面の近傍位置に埋設状に設けられる底部構造5
aと、この底部構造5aから一体に立ち上がる円筒状の
側壁構造5bとで構成されている。
【0028】屋根構造6は、内槽側板3bの上端に溶接
接合されたリング状のナックルプレート7と、このナッ
クルプレート7の上端に溶接接合された部分球面状の屋
根8と、屋根8の下端側環状部分とナックルプレート7
の下側に保冷材充填空間を空けて配設された防波板9
と、サスペンションデッキ10と、保冷材11と、保冷
材12等からなる。前記ナックルプレート7と屋根8と
は、常温用鋼材で構成される耐圧殻であり、外気に露出
状に配設される。屋根8は、常温用鋼製の板材を屋根骨
で補強した構造であり、前記ナックルプレート7は、タ
ンク内径に応じた板厚(例えば、40〜60mm程度)
の板材で構成されている。尚、ナックルプレート7は、
アルミキルド鋼やボイラー用鋼で構成することが望まし
い。前記防波板9は、低温用鋼である9%Ni鋼製の所
定の板厚のリング状の板材にスチフナ材を溶接接合して
構成され、その外周端は、内槽側板2bの上端部分の内
面に溶接接合され、また、内周端は自由端であり、この
防波板9は、保冷材11を支持する機能と、地震発生時
にLNGの液面に波が発生したときにその波を受け止め
る機能とを達成する為のものである。
接合されたリング状のナックルプレート7と、このナッ
クルプレート7の上端に溶接接合された部分球面状の屋
根8と、屋根8の下端側環状部分とナックルプレート7
の下側に保冷材充填空間を空けて配設された防波板9
と、サスペンションデッキ10と、保冷材11と、保冷
材12等からなる。前記ナックルプレート7と屋根8と
は、常温用鋼材で構成される耐圧殻であり、外気に露出
状に配設される。屋根8は、常温用鋼製の板材を屋根骨
で補強した構造であり、前記ナックルプレート7は、タ
ンク内径に応じた板厚(例えば、40〜60mm程度)
の板材で構成されている。尚、ナックルプレート7は、
アルミキルド鋼やボイラー用鋼で構成することが望まし
い。前記防波板9は、低温用鋼である9%Ni鋼製の所
定の板厚のリング状の板材にスチフナ材を溶接接合して
構成され、その外周端は、内槽側板2bの上端部分の内
面に溶接接合され、また、内周端は自由端であり、この
防波板9は、保冷材11を支持する機能と、地震発生時
にLNGの液面に波が発生したときにその波を受け止め
る機能とを達成する為のものである。
【0029】前記サスペンションデッキ10は、保冷材
12を支持する為のもので、軽量化の為にアルミニウム
材料で構成されているが、このサスペンションデッキ1
0は、多数の板材を溶接接合した円形板状のデッキ板部
10aと複数の吊り部材10bとからなり、デッキ板部
10aには、剛性確保の為の複数の波形部10cが所定
間隔おきに形成されており、デッキ板部10aは、防波
板9の上端の開口をリング状隙間13をもって非ガス密
状に塞ぐ状態に配設され、複数の吊り部材10bの上端
は、屋根8に接合されている。
12を支持する為のもので、軽量化の為にアルミニウム
材料で構成されているが、このサスペンションデッキ1
0は、多数の板材を溶接接合した円形板状のデッキ板部
10aと複数の吊り部材10bとからなり、デッキ板部
10aには、剛性確保の為の複数の波形部10cが所定
間隔おきに形成されており、デッキ板部10aは、防波
板9の上端の開口をリング状隙間13をもって非ガス密
状に塞ぐ状態に配設され、複数の吊り部材10bの上端
は、屋根8に接合されている。
【0030】前記防波板9とその上方の耐圧殻間には、
所定の厚さの保冷材充填空間が形成され、この保冷材充
填空間の円筒状の内周面には、細かなメッシュの複数枚
の金網14が設けられ、この保冷材充填空間にパーライ
トからなる保冷材11が充填されている。前記サスペン
ションデッキ10と屋根8の間には、グラスウールから
なる保冷材12が、十分な厚さで充填されている。更
に、図2、図3に示すように、内槽側板2bと外槽側板
3b間の保冷材4の上端を塞ぐガスシール板15であっ
て、常温用鋼製の薄い板厚の弾性変形可能なリング状の
ガスシール板15が設けられており、このガスシール板
15の内周端は、内槽側板2bの上端近傍部の外面に溶
接接合され、また、ガスシール板15の外周端は、外槽
側板3bの上端部の外面に溶接接合されている。
所定の厚さの保冷材充填空間が形成され、この保冷材充
填空間の円筒状の内周面には、細かなメッシュの複数枚
の金網14が設けられ、この保冷材充填空間にパーライ
トからなる保冷材11が充填されている。前記サスペン
ションデッキ10と屋根8の間には、グラスウールから
なる保冷材12が、十分な厚さで充填されている。更
に、図2、図3に示すように、内槽側板2bと外槽側板
3b間の保冷材4の上端を塞ぐガスシール板15であっ
て、常温用鋼製の薄い板厚の弾性変形可能なリング状の
ガスシール板15が設けられており、このガスシール板
15の内周端は、内槽側板2bの上端近傍部の外面に溶
接接合され、また、ガスシール板15の外周端は、外槽
側板3bの上端部の外面に溶接接合されている。
【0031】以上説明した地上式LNGタンク1の作用
について説明する。LNGタンク1の上部の耐圧殻が、
外気に露出する常温用鋼製のナックルプレート7と屋根
8で構成されているため、LNGタンク1の上部の耐圧
殻の材料費と製作費とを大幅に低減できる。そして、屋
根8を常温用鋼で構成するため、屋根骨として使用でき
る型鋼の種類が増え、短期に入手しやすくなる。屋根8
の下端側環状部分とナックルプレート7の下側に保冷材
充填空間を空けて9%Ni鋼製のリング状の防波板9を
設け、その外周端を内槽側板2bに接合してあるため、
地震発生時にLNGの液面に波が発生しても、9%Ni
鋼製の防波板9で波を受けて、LNGが常温用鋼製のナ
ックルプレート7に接触するのを防止することができ
る。この防波板9とその上側の耐圧殻との間に保冷材1
1を設けたので、防波板9の上側の常温用鋼製の耐圧殻
を常温状態に保持できる。
について説明する。LNGタンク1の上部の耐圧殻が、
外気に露出する常温用鋼製のナックルプレート7と屋根
8で構成されているため、LNGタンク1の上部の耐圧
殻の材料費と製作費とを大幅に低減できる。そして、屋
根8を常温用鋼で構成するため、屋根骨として使用でき
る型鋼の種類が増え、短期に入手しやすくなる。屋根8
の下端側環状部分とナックルプレート7の下側に保冷材
充填空間を空けて9%Ni鋼製のリング状の防波板9を
設け、その外周端を内槽側板2bに接合してあるため、
地震発生時にLNGの液面に波が発生しても、9%Ni
鋼製の防波板9で波を受けて、LNGが常温用鋼製のナ
ックルプレート7に接触するのを防止することができ
る。この防波板9とその上側の耐圧殻との間に保冷材1
1を設けたので、防波板9の上側の常温用鋼製の耐圧殻
を常温状態に保持できる。
【0032】屋根8の内側において防波板9の上端開口
部を非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペン
ションデッキ10を設け、このサスペンションデッキ1
0を屋根8に支持し、屋根8とサスペンションデッキ1
0間に保冷材12を設けたので、この保冷材12を介し
て常温用鋼製の耐圧殻である屋根8を常温状態に保持で
きる。しかも、サスペンションデッキ10により、防波
板9の上端開口部を非ガス密状に塞ぐため、防波板9と
サスペンションデッキ10とを、非耐圧殻として構成
し、それらの製作コストを低く抑えることができる。そ
して、アルミニウム製のサスペンションデッキ10は、
軽量であるから屋根8に作用する荷重を低く抑えること
ができ、非耐圧殻のサスペンションデッキ10であるか
ら製作コスト的にも有利である。内槽側板2bと外槽側
板3b間の保冷材4の上側を塞ぐリング状の弾性変形可
能なガスシール板15を設け、このガスシール板15の
内周端を内槽側板2bの上端近傍部に接合したので、内
槽側板2bと外槽側板3b間の保冷材装着空間のガスを
シールできる。
部を非ガス密状に塞ぐようにアルミニウム製のサスペン
ションデッキ10を設け、このサスペンションデッキ1
0を屋根8に支持し、屋根8とサスペンションデッキ1
0間に保冷材12を設けたので、この保冷材12を介し
て常温用鋼製の耐圧殻である屋根8を常温状態に保持で
きる。しかも、サスペンションデッキ10により、防波
板9の上端開口部を非ガス密状に塞ぐため、防波板9と
サスペンションデッキ10とを、非耐圧殻として構成
し、それらの製作コストを低く抑えることができる。そ
して、アルミニウム製のサスペンションデッキ10は、
軽量であるから屋根8に作用する荷重を低く抑えること
ができ、非耐圧殻のサスペンションデッキ10であるか
ら製作コスト的にも有利である。内槽側板2bと外槽側
板3b間の保冷材4の上側を塞ぐリング状の弾性変形可
能なガスシール板15を設け、このガスシール板15の
内周端を内槽側板2bの上端近傍部に接合したので、内
槽側板2bと外槽側板3b間の保冷材装着空間のガスを
シールできる。
【0033】次に、前記実施例を部分的に変更した別実
施例について説明する。 1〕 図4に示すように、前記ガスシール板15の代わ
りに、合成樹脂製の弾性変形可能なリング状ガスシール
板15Aが設けられ、このガスシール板15Aの内周端
が内槽側板2bの上端部分の外面にボルト等でガス密状
に固着され、そのガスシール板15Aの外周端が外槽側
板3bの上端部の内面又は外面にボルト等でガス密状に
固着されている。前記合成樹脂は合成ゴムを含むもので
ある。
施例について説明する。 1〕 図4に示すように、前記ガスシール板15の代わ
りに、合成樹脂製の弾性変形可能なリング状ガスシール
板15Aが設けられ、このガスシール板15Aの内周端
が内槽側板2bの上端部分の外面にボルト等でガス密状
に固着され、そのガスシール板15Aの外周端が外槽側
板3bの上端部の内面又は外面にボルト等でガス密状に
固着されている。前記合成樹脂は合成ゴムを含むもので
ある。
【0034】2〕 図5に示すように、前記ガスシール
板15の代わりに、常温用鋼製のやや板厚の大きなリン
グ状のガスシール板15Bが設けられ、その内周端が内
槽側板2bの上端部の外面に溶接接合され、また、ガス
シール板15Bの外周端が、外槽側板3bの上端部分の
外側に形成されたリング状の水収容部16に挿入され、
水収容部16に水を貯留することで、水封構造によりガ
ス密に構成してある。
板15の代わりに、常温用鋼製のやや板厚の大きなリン
グ状のガスシール板15Bが設けられ、その内周端が内
槽側板2bの上端部の外面に溶接接合され、また、ガス
シール板15Bの外周端が、外槽側板3bの上端部分の
外側に形成されたリング状の水収容部16に挿入され、
水収容部16に水を貯留することで、水封構造によりガ
ス密に構成してある。
【0035】3〕 図6に示すように、この地上式LN
Gタンク1Aは、タンクの構造自体は、前記実施例のL
NGタンク1とほぼ同様であるので異なる構成について
のみ説明する。ナックルプレート7Aは、低温用鋼であ
る9%Ni鋼で構成され、また、タンク内側へ所定幅の
びたリング状の低温用鋼である9%Ni鋼製の防波板9
が、屋根8の下端側環状部分及びナックルプレート7A
との間に半径方向向き縦断面が略三角形状の保冷材充填
空間を空けて配設され、その外周端がナックルプレート
7Aの下端近傍部に溶接接合され、保冷材充填空間には
保冷材11が充填されている。また、保冷材4がナック
ルプレート7Aのレベルまで高く設けられ、常温用鋼材
の薄板製の弾性変形可能なリング状のガスシール板15
Cの内周端がナックルプレート7Aに溶接接合され、ガ
スシール板15Cの外周端が外槽側板3bの上端部に溶
接接合され、また、外槽側板3bの上端が内槽側板2b
の上端とほぼ同レベルに設定され、LNGの液面からナ
ックルプレート7Aまでの高さが前記実施例の場合より
も短縮されている。この地上式LNGタンク1Aにおい
ては、ナックルプレート7Aが9%Ni鋼製であるた
め、タンク最大内径が9%Ni鋼の最大板厚の制約を受
けるけれども、耐圧殻としての屋根8を常温用鋼製と
し、アルミニウム製のサスペンションデッキ10を設け
てあるため、これらの構成に関しては前記実施例と同様
の作用・効果が得られる。また、保冷材11をグラスウ
ールで構成してもよい。
Gタンク1Aは、タンクの構造自体は、前記実施例のL
NGタンク1とほぼ同様であるので異なる構成について
のみ説明する。ナックルプレート7Aは、低温用鋼であ
る9%Ni鋼で構成され、また、タンク内側へ所定幅の
びたリング状の低温用鋼である9%Ni鋼製の防波板9
が、屋根8の下端側環状部分及びナックルプレート7A
との間に半径方向向き縦断面が略三角形状の保冷材充填
空間を空けて配設され、その外周端がナックルプレート
7Aの下端近傍部に溶接接合され、保冷材充填空間には
保冷材11が充填されている。また、保冷材4がナック
ルプレート7Aのレベルまで高く設けられ、常温用鋼材
の薄板製の弾性変形可能なリング状のガスシール板15
Cの内周端がナックルプレート7Aに溶接接合され、ガ
スシール板15Cの外周端が外槽側板3bの上端部に溶
接接合され、また、外槽側板3bの上端が内槽側板2b
の上端とほぼ同レベルに設定され、LNGの液面からナ
ックルプレート7Aまでの高さが前記実施例の場合より
も短縮されている。この地上式LNGタンク1Aにおい
ては、ナックルプレート7Aが9%Ni鋼製であるた
め、タンク最大内径が9%Ni鋼の最大板厚の制約を受
けるけれども、耐圧殻としての屋根8を常温用鋼製と
し、アルミニウム製のサスペンションデッキ10を設け
てあるため、これらの構成に関しては前記実施例と同様
の作用・効果が得られる。また、保冷材11をグラスウ
ールで構成してもよい。
【0036】4〕 本発明は、前記実施例のようなLN
Gタンク以外に、コンクリート構造体5を具備しない金
属2重殻構造のLNGタンク、或いは、外槽3が省略さ
れコンクリート構造体5の内面に金属や合成樹脂製のガ
スシール部材を装着した構造のLNGタンク、或いは、
地面から掘り下げたピットに設置する型式の種々の地上
式LNGタンク、等の種々の地上式LNGタンクにも適
用できるものである。
Gタンク以外に、コンクリート構造体5を具備しない金
属2重殻構造のLNGタンク、或いは、外槽3が省略さ
れコンクリート構造体5の内面に金属や合成樹脂製のガ
スシール部材を装着した構造のLNGタンク、或いは、
地面から掘り下げたピットに設置する型式の種々の地上
式LNGタンク、等の種々の地上式LNGタンクにも適
用できるものである。
【図1】本発明の実施例に係る地上式LNGタンクの縦
断面図である。
断面図である。
【図2】図1のLNGタンクの要部拡大断面図である。
【図3】図1のLNGタンクのガスシール板とその近傍
部の拡大断面図である。
部の拡大断面図である。
【図4】別実施例に係る図3相当図である。
【図5】別実施例に係る図3相当図である。
【図6】別実施例に係る地上式LNGタンクの図2相当
図である。
図である。
【図7】従来技術に係る地下式LNGタンクの概略断面
図である。
図である。
【図8】従来技術に係る地上式LNGタンクの概略断面
図である。
図である。
1 地上式LNGタンク 2 内槽 2b 内槽側板 3 外槽 3b 外槽側板 4 保冷材 7,7A ナックルプレート 8 屋根 9 防波板 10 アルミニウム製のサスペンションデッキ 11 保冷材 12 保冷材 15,15A,15B,15C ガスシール板
Claims (6)
- 【請求項1】 低温用鋼製の円筒状の内槽側板と、この
内槽側板の外側に保冷材を挟んで配設された円筒状の外
槽とを備えた地上式LNGタンクにおいて、前記内槽側
板の上端に接合された常温用鋼製の耐圧殼としてのナッ
クルプレートと、 前記ナックルプレートの上端に接合された常温用鋼製の
耐圧殻としての屋根であって、内槽の上側を塞ぐ屋根
と、 前記屋根の下端側環状部分とナックルプレートの下側に
保冷材充填空間を空けて配設された低温用鋼製のリング
状の防波板であって、外周端が内槽側板に接合された防
波板と、 前記防波板と、その上側の耐圧殼との間の前記保冷材充
填空間に充填された保冷材と、 前記屋根の内側において防波板の上端開口部を非ガス密
状に塞ぐように設けられ、屋根に支持されたアルミニウ
ム製のサスペンションデッキと、 前記屋根とサスペンションデッキ間に設けられた保冷材
と、 を備えたことを特徴とする地上式LNGタンクのタンク
構造。 - 【請求項2】 前記内槽側板と外槽間の保冷材の上側を
塞ぐリング状のガスシール板であって、内周端が内槽側
板の上端近傍部に固着されたガスシール板を設けたこと
を特徴とする請求項1に記載の地上式LNGタンクのタ
ンク構造。 - 【請求項3】 低温用鋼製の円筒状の内槽側板と、この
内槽側板の外側に保冷材を挟んで配設された円筒状の外
槽とを備えた地上式LNGタンクにおいて、前記内槽側
板の上端に接合された低温用鋼製の耐圧殼としてのナッ
クルプレートと、 前記ナックルプレートの上端に接合された常温用鋼製の
耐圧殻としての屋根であって、内槽の上側を塞ぐ屋根
と、外周端がナックルプレートの下端近傍部に接合されてタ
ンク内側へ所定幅延びた低温用鋼製のリング状の防波板
であって、屋根の下端側環状部分及びナックルプレート
との間に半径方向向き縦断面が略三角形状の保冷材充填
空間を空けて配設された低温用鋼製のリング状の防波板
と、 前記防波板と、その上側の耐圧殼との間の前記保冷材充
填空間に充填された保冷材と、 前記屋根の内側において防波板の上端開口部を非ガス密
状に塞ぐように設けられ、屋根に支持されたアルミニウ
ム製のサスペンションデッキと、 前記屋根とサスペンションデッキ間に設けられた保冷材
と、 を備えたことを特徴とする地上式LNGタンクのタンク
構造。 - 【請求項4】 前記内槽側板と外槽間の保冷材の上側を
塞ぐリング状のガスシール板であって、内周端がナック
ルプレートに接合されたガスシール板を設けたことを特
徴とする請求項3に記載の地上式LNGタンクのタンク
構造。 - 【請求項5】 前記ガスシール板は、弾性変形可能な薄
い金属板で構成され、ガスシール板の外周端が外槽に固
着されたことを特徴とする請求項2又は請求項4に記載
の地上式LNGタンクのタンク構造。 - 【請求項6】 前記ガスシール板は、弾性変形可能な合
成樹脂板で構成され、ガスシール板の外周端が外槽に固
着されたことを特徴とする請求項2又は請求項4に記載
の地上式LNGタンクのタンク構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28910194A JP2640725B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 地上式lngタンクのタンク構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28910194A JP2640725B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 地上式lngタンクのタンク構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08121696A JPH08121696A (ja) | 1996-05-17 |
JP2640725B2 true JP2640725B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=17738811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28910194A Expired - Lifetime JP2640725B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | 地上式lngタンクのタンク構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2640725B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-27 JP JP28910194A patent/JP2640725B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08121696A (ja) | 1996-05-17 |
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