JP2638102B2 - エアゾール組成物 - Google Patents

エアゾール組成物

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崇志 東塚
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エアゾール組成物に関し、更に詳しくは含
フッ素化合物を含有するエアゾール組成物に関する。
[従来の技術] パーフルオロポリエーテルのような含フッ素化合物を
基油とする潤滑剤は、通常、グリース状で市販されてお
り、細部に供給することが困難であった。
[発明の目的] 本発明の目的は、含フッ素化合物を含有する、細部へ
の供給が容易である高浸透性及び高耐久性の潤滑剤を提
供することにある。
[発明の構成] 本発明の要旨は、(A)パーフルオロポリエーテル及
び(B)噴射剤から成るエアゾール組成物に存する。本
発明のエアゾール組成物は、要すれば、(C)テトラフ
ルオロエチレンから基本的に成る重合体及び(D)含フ
ッ素希釈剤のいずれか一方又は両方を含有してもよい。
パーフルオロポリエーテル(A)は、例えば式: −(CF2CF2CF2O)j−、 −(CFXCF2O)k−又は −(CFXCF2O)l−(CF2O)m− [上記式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル
基、j及びkはそれぞれ2〜200の数を、l及びmは2
≦l+m≦200を満たす数を表す。]で示される構造を
有する。
パーフルオロポリエーテル(A)を例示すれば、以下
のとおりである: CF3CF2CF2−O−(CF2CF2CF2O)20−CF2CF3 [上記式中、k、l及びmは前記と同意義である。]。
パーフルオロポリエーテル(A)が、 −(CFXCF2O)l−(CF2O)m−で示される構造を有す
る場合に、繰返単位−CFXCF2O−及び繰返単位−CF2O−
の配列は上記式のとおりに限定されるものではなく、例
えば、これら繰返単位はランダムに配列しててもよい。
噴射剤(B)は、例えば、ジクロロジフルオロメタ
ン、テトラフルオロメタン、クロロジフルオロメタンな
どのフロンガス噴射剤があることが好ましい。また、加
圧空気及び加圧不活性ガス(例えば、窒素ガス)も噴射
剤として使用可能である。
要すれば含まれるテトラフルオロエチレンから基本的
に成る重合体(C)は、テトラフルオロエチレンのホモ
ポリマーであってよく、あるいはテトラフルオロエチレ
ンと他のモノマー、例えば、パーフルオロビニルエーテ
ル、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレンなどとの共重合体であってテトラフルオロエチレ
ンを50モル%以上含むものであってもよい。重合体
(C)は粉末または含フッ素希釈剤(D)などを分散媒
とするディスパージョンなどのいずれの形態のものでも
よい。なお、希釈剤(D)は、エアゾール組成物の圧力
や成分(A)及び(C)の濃度を調整するのに有効であ
る。
要すれば含まれる含フッ素希釈剤(D)は、例えば、
トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロジフルオ
ロエタン、ジクロロジフルオロエタンなどであるが、フ
ッ素を含まない希釈剤、例えば、エタノール又はイソプ
ロピルアルコールを含んでもよい。
成分(A)及び(B)から成るエアゾール組成物にお
いて、パーフルオロポリエーテル(A)の含量は組成物
全体に対して好ましくは0.07〜90重量%、より好ましく
は2〜50重量%、噴射剤(B)の含量は好ましくは10〜
99.93重量%、より好ましくは50〜98重量%である。
成分(A)、(B)及び(C)からなる組成物におい
て、パーフルオロポリエーテル(A)の含量は、組成物
全量に対して好ましくは0.07〜89.97重量%、より好ま
しくは2〜50重量%、噴射剤(B)の含量は好ましくは
10〜99.9重量%、より好ましくは35〜97重量%、重合体
(C)の含量は好ましく0.03〜25重量%、より好ましく
は1〜15重量%である。
成分(A)、(B)及び(D)からなる組成物におい
て、パーフルオロポリエーテル(A)の含量は、組成物
全量に対して好ましくは0.07〜89.07重量%、より好ま
しくは2〜50重量%、噴射剤(B)の含量は好ましくは
10〜99重量%、より好ましくは15〜93重量%、含フッ素
希釈剤(D)の含量は好ましくは0.93〜89.93重量%、
より好ましくは5〜83重量%である。
成分(A)、(B)、(C)及び(D)からなる組成
物において、パーフルオロポリエーテル(A)の含量
は、組成物全量に対して好ましくは0.07〜89.04重量
%、より好ましくは2〜50重量%、噴射剤(B)の含量
は好ましくは10〜98.97重量%、より好ましくは15〜92
重量%、重合体(C)の含量は好ましくは0.03〜25重量
%、より好ましくは1〜15重量%、含フッ素希釈剤
(D)の含量は好ましくは0.93〜89.9重量%、より好ま
しくは5〜82重量%である。
本発明の組成物は、上記以外の成分を含んでもよい。
例えば、浸透性向上の為に界面活性剤、防食性向上の為
に防錆剤、又は油滑性向上の為に極圧添加剤を含んでも
よい。
成分(A)及び(B)から成る本発明のエアゾール組
成物は、例えば、パーフルオロポリエーテル(A)に噴
射剤(B)を加えることによって製造できる。
成分(A)、(B)及び(C)から成る本発明のエア
ゾール組成物及び成分(A)、(B)及び(D)から成
る本発明のエアゾール組成物は、例えば、パーフルオロ
ポリエーテル(A)と重合体(C)の混合物に又はパー
フルオロポリエーテル(A)と含フッ素希釈剤(D)の
混合物に噴射剤(B)を加えることによって製造でき
る。
成分(A)、(B)、(C)及び(D)から成る本発
明のエアゾール組成物は、例えば、以下のようにして製
造できる。パーフルオロポリエーテル(A)と重合体
(C)から成るグリースに含フッ素希釈剤(D)を加え
て溶液又は混合液を調製した後に、噴射剤(B)を加
え、エアゾール組成物とする。あるいは、パーフルオロ
ポリエーテル(A)と粉末状又はディスパージョン状の
重合体(C)と含フッ素希釈剤(D)から成る混合液を
調製した後に、噴射剤(B)を加えて、エアゾール組成
物とする。
[発明の効果] 本発明のエアゾール組成物は、不燃性であり、低い表
面張力のため大きな浸透性を有し、優れた潤滑性及び優
れた耐久性を有する。
本発明のエアゾール組成物は、 耐熱性潤滑剤として使用でき、例えば、電気炉、ヒー
ターの外部等の高温にさらされる細かい摺動部の潤滑に
使用でき、 防錆潤滑剤として使用でき、例えば、厳しい環境にさ
らたれる部分、例えば、化学プラントの外側のネジ部、
雨水に接することが多い摺動部の外部潤滑において、外
部から吹き付けることによって使用でき、 離型剤として使用でき、例えば、ゴム又は樹脂等の離
型、特に高温を要するフッ素ゴム等の離型において、金
型に吹き付けることによって使用でき、 その他、耐久性が要求される、従来の潤滑剤による塗
布の困難な場所の潤滑に使用できる。
[発明の好ましい態様] 以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1 式: F(CF2CF2CF2O)nCF2CF3 [式中、nの平均値は27である。] で示されるパーフルオロポリエーテル油(デムナムS−
65、ダイキン工業株式会社製)20g及び低分子量ポリテ
トラフルオロエチレン(ルブロンL5、ダイキン工業株式
会社製)10gにトリクロロトリフルオロエタン(ダイフ
ロンS3、ダイキン工業株式会社製)120gを加え、高速ミ
キサーで充分に混合した後、スプレー缶に入れ、さらに
ジクロロシフルオロメタン(ダイフロン12、ダイキン工
業株式会社製)50gを加えて密封し、エアゾール組成物
を得た。
15cm離れたガラス板上にこの組成物を噴霧したとこ
ろ、均一なグリース膜を形成することが確認された。
実施例2 パーフルオロポリエーテル油(デムナムS−65)10g
及びポリテトラフルオロエチレンの6%トリクロロトリ
フルオロエタンディスパージョン(ルブロンLD−1、ダ
イキン工業株式会社製)50gに、トルクロロトリフルオ
ロエタン100gを加えて充分に混合した後、ジクロロジフ
ルオロメタン40gを加え、スプレー缶に充填し、エアゾ
ール組成物を得た。
実施例1と同様のテストに付したところ、良好なグリ
ース膜を形成することが確認された。
実施例3 パーフルオロポリエーテル(デムナムS−65)65重量
%及び低分子量ポリテトラフルオロエチレン35重量%か
ら成るパーフルオログリース(デムナグリースL−65、
ダイキン工業株式会社製)30gに、トリクロロトリフル
オロエタン120gを加え充分に混合した後、更にジクロロ
ジフ7ルオロメタン40gを加えてスプレー缶に充填し、
エアゾール組成物を得た。
実施例1と同様のテストに付したところ、良好なグリ
ース膜を形成することが確認された。
実施例4 パーフルオロポリエーテル油(デムナムS−65)30g
にトリクロロトリフルオロエタン130gを加えて充分に混
合した後、ジクロロジフルオロメタン40gを加え、スプ
レー缶に密封し、エアゾール組成物を得た。
このエアゾール組成物は、霧化性が良好であり、20cm
離れた鋼板に噴霧したところ、均一なオイル膜を形成す
ることが確認された。
実施例5 式: F(CF2CF2CF2O)nCF2CF3 [式中、nの平均値は16である。] で示されるパーフルオロポリエーテル油(デムナムS−
20、ダイキン工業株式会社製)90gに、低分子量テトラ
フルオロエチレン(ルブロンL5)20g加えて充分に混合
した後、ジクロロジフルオロメタン90gを加え、スプレ
ー缶に密封し、エアゾール組成物を得た。
実施例1と同様のテストに付したところ、均一なグリ
ース膜を形成するとが確認された。
実施例6 パーフルオロポリエーテル油(デムナムS−65)100g
にジクロロジフルオロメタン100gを加え、スプレー缶に
密封し、エアゾール組成物を得た。
このエアゾール組成物は、霧化性が良好であり、20cm
離れた鋼板に噴霧したところ、均一なオイル膜を形成す
ることが確認された。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10M 105/54 C10M 105/54 107/38 107/38 C10N 50:04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)パーフルオロポリエーテル、及び (B)噴射剤 から成るエアゾール組成物。
  2. 【請求項2】(A)パーフルオロポリエーテル、 (B)噴射剤、及び (C)テトラフルオロエチレンから基本的に成る重合体 から成るエアゾール組成物。
  3. 【請求項3】(A)パーフルオロポリエーテル、 (B)噴射剤、及び (D)含フッ素希釈剤 から成るエアゾール組成物。
  4. 【請求項4】(A)パーフルオロポリエーテル、 (B)噴射剤、 (C)テトラフルオロエチレンから基本的に成る重合
    体、及び (D)含フッ素希釈剤 から成るエアゾール組成物。
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