JP2637702B2

JP2637702B2 - 冷蔵庫の圧力平衡装置

Info

Publication number: JP2637702B2
Application number: JP6285118A
Authority: JP
Inventors: 湘ウク金; 石房
Original assignee: Sansei Denshi Co Ltd
Current assignee: Sansei Denshi Co Ltd
Priority date: 1993-11-30
Filing date: 1994-11-18
Publication date: 1997-08-06
Anticipated expiration: 2012-08-06
Also published as: JPH07190602A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫の圧力平衡装置
に関し、特に、冷蔵庫の庫内の圧力が庫外の圧力より低
い時、除霜水を排水する排水管に形成されたリザーバ管
を通じて庫外空気が庫内に流入するように成して、冷蔵
庫内と庫外の圧力を平衡に維持せしめることにより、冷
蔵庫のドアを容易に開けられるように成す冷蔵庫の圧力
平衡装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷蔵庫は、図４に図示したよう
に、冷蔵庫本体を形成するキャビネット１と、キャビネ
ットの一側に回動可能にヒンジ結合された冷蔵庫ドア２
とを含み、冷蔵庫ドア２にはキャビネットとの密着のた
めに、マグネット（図示せず）を有するガスケット３が
取り付けられている。

【０００３】このような冷蔵庫のドアを閉めた直後、蒸
発器（図示せず）に隣接して設置された冷却ファンが作
動して、庫内の空気を蒸発器側に流入させ、そこで熱交
換を成す。熱交換された空気は低温となるので、空気の
圧力が比較的低くなり、冷蔵庫の内部が仮真空（pseudo
vacuum ）状態になる。これに従って、冷蔵庫内部と外
部の圧力の差が生ずるようになるので、ドアを開けるた
めには、この圧力差に相当するだけ更に多くの力を必要
とするという問題点があった。

【０００４】また、従来の冷蔵庫には、蒸発器に付着し
た霜が溶けた水（除霜水）を外部に排水させるため、一
端が冷蔵庫の内部と連通し、他端が冷蔵庫の外部と連通
する排水管４が設置されている。即ち、排水管４の一端
は蒸発器（図示せず）の周囲まで延設され、他端は冷蔵
庫の機械室５に設置される蒸発皿６まで延設しており、
これによって除霜水が、排水管４を通じて蒸発皿６に集
められ、そこで、蒸発されるようにしている。更に、排
水管４の中間には、Ｕ型管７を設置して、常に一定量の
除霜水が貯水されるように成すことにより、冷蔵庫外部
の高温空気が冷蔵庫の内部に流入しないように成すと同
時に、冷蔵庫内部の冷気が冷蔵庫の外部に流出しないよ
うにしている。このような形態のＵ型管を採用している
従来例が、実開昭６２−６０８８３号公報及び特開昭６
２−５９３６９号公報に示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された従来の冷蔵庫では、Ｕ型管７に貯水され
る一定量の除霜水によって、冷蔵庫内部と外部の空気の
流動が遮断されるので、冷蔵庫を開閉する時発生する冷
蔵庫内部と外部の圧力の差が解消されない。従って、ド
アを開けるためには、この圧力差に相当するだけの力を
加えなければならないという問題点があった。

【０００６】本発明は、前記のような問題点を解決する
ためになされたものであって、本発明の目的は、庫内の
冷気圧が庫外の空気圧より低くなった場合、例えば、冷
蔵庫を開閉した直後に冷蔵庫の内部と外部の圧力を均衡
させることによって、冷蔵庫のドアを容易に開放するこ
とができるように成す冷蔵庫の圧力平衡装置を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明に基づく冷蔵庫の圧力平衡装置は、一端は
庫内空気と連通し、他端は庫外空気と連通されるように
成し、その間に除霜水を貯水するリザーバ管を含み、リ
ザーバ管は、庫内冷気圧が庫外空気圧より小さい時に
は、庫外空気が庫内に流入するように成し、一方、庫内
冷気圧と庫外空気圧が同一である時には、庫内外の空気
が流動できないように成す。

【０００８】また、圧力平衡装置は、リザーバ管の両端
を連結するバイパス管を含むようにするとよい。バイパ
ス管の一端の庫内空気流動部は、貯水された水の最高水
位よりも高い位置に設置され、バイパス管の他端の庫外
空気流動部は、庫内冷気圧が庫外空気圧と同一である時
は、貯水された水の水位よりも低い位置になり、一方、
庫内冷気圧が庫外空気圧より低い時は、貯水された水の
水位よりも高い位置となる位置に設置される。

【０００９】さらに、前記圧力平衡装置は、リザーバ管
の庫内空気流動部の貯水された水の最高水位よりも高い
位置に庫外空気流入口を設け、この流入口を開閉する開
閉部材を含むようにしてもよい。この場合、前記庫外空
気流入口は、庫内冷気圧が庫外空気圧と同一である時
は、前記開閉部材によって閉鎖され、庫内冷気圧が庫外
空気圧より低い時は、前記開閉部材によって開放され
る。

【００１０】

【作用】本発明の圧力平衡装置によれば、冷蔵庫の庫内
冷気圧と庫外空気圧が同一である時は、バイパス管の庫
外空気流動部が貯水された水で満されており、または、
庫内空気流動部の庫外空気流動口が閉鎖されているの
で、庫内外の空気の流動は遮断される。

【００１１】一方、庫内冷気圧が庫外空気圧より低い時
は、リザーバ管内の庫内側の水位が上昇して、圧力平衡
装置の庫外空気流動部が水面の上に露出されるようにな
り、または、庫内空気流動部の庫外空気流動口が開放す
るので、庫内外の空気が相互に流動することができるよ
うになる。従って、庫外空気が庫内に流入して、冷蔵庫
の内部及び外部の圧力が平衡を成すようになる。

【００１２】

【実施例】図１は、本発明に基づく冷蔵庫の圧力平衡装
置の設置状態を示した図面である。また、図２は、本発
明に基づく圧力平衡装置の第１実施例を示した拡大断面
図である。

【００１３】本発明に基づく冷蔵庫の圧力平衡装置は、
冷蔵庫内において発生した除霜水を外部に排出させるた
めに、冷蔵庫の内部と連通する第１排水管１０と、冷蔵
庫の外部と連通する第２排水管２０と、第１排水管１０
と第２排水管２０を連結して、常に一定量の除霜水を貯
水することによって、外部の空気が庫内に流入されない
ように成すと同時に庫内の冷気が外部に流出されないよ
うに成すリザーバ管３０と、リザーバ管の両端に接続さ
れたバイパス管４０とから構成される。なお、参照符号
１はキャビネット、参照符号２は冷蔵庫ドア、参照符号
３はガスケットを示す。

【００１４】第１排水管１０は、冷蔵庫の内部に設置さ
れ、その上端が蒸発器（図示せず）が設置された冷却室
に接続されており、蒸発器の周囲の霜が溶けた水、すな
わち、除霜水の流動を案内する。

【００１５】第２排水管２０は、冷蔵庫の外部に配設さ
れた機械室５に位置され、第１排水管１０を通過した除
霜水を外部に排出するように案内する。第２排水管２０
を経た除霜水は、冷蔵庫の底部の蒸発皿６に集められ、
圧縮器の熱によって蒸発され除去される。

【００１６】リザーバ管３０は、機械室５内に位置さ
れ、第１排水管１０と第２排水管２０を接続させ、常に
一定量の除霜水が貯水されるべくＵ型に形成される。こ
のようにリザーバ管に常に一定量の除霜水が貯水されて
いるので、外部の空気が冷蔵庫の内部に流入することは
なく、また、冷蔵庫の内部の冷気が外部に漏出すること
もない。なお、リザーバ管はこのような役割を遂行する
ことができるものであれば、その形状が必ずしもＵ型に
限定されるものではない。また、リザーバ管３０は必ず
しも庫外に配置する必要はなく、庫内の壁に設置しても
よい。

【００１７】バイパス管４０は、図２に図示したよう
に、リザーバ管３０の一側３１と他側３２を連通するよ
うに形成される。リザーバ管３０の一側３１と連通する
バイパス管４０の一部すなわち庫外空気流動部４１は、
リザーバ管３０の一側３１に形成される除霜水の正常状
態水位線Ｘと庫内冷気圧が庫外空気圧より低くなった場
合、特に、冷蔵庫のドアを開閉した直後の水位線Ｙとの
間に位置している。リザーバ管３０の他側３２と連通さ
れるバイパス管４０の他端部すなわち庫外空気流動部４
２は、リザーバ管３０の他側３２に形成される除霜水の
正常状態水位線ＸＸ及び庫内冷気圧が庫外空気圧より低
くなった場合、特に、冷蔵庫のドアを開閉した直後の水
位線ＹＹより上に位置している。

【００１８】本明細書において正常状態とは、冷蔵庫の
ドアが閉められている通常的な状態を意味しており、こ
の状態においては、庫内と庫外との圧力差は生じておら
ず、従って、リザーバ管３０に貯水された除霜水の水位
は、図２のＸとＸＸになる。即ち、正常状態において、
除霜水の水位はリザーバ管３０の一側３１と他側３２に
おいて同一である。

【００１９】一方、本明細書において、庫内冷気圧が庫
外空気より低い場合は、例えば、冷蔵庫のドアを開閉し
た直後に冷蔵庫の内部と外部の圧力差が生ずる状態を言
うものである。冷蔵庫ドアが急に閉められると同時に、
蒸発器に隣接したフアンが稼動して庫内の空気を蒸発器
側に引き寄せるので、庫内の圧力が庫外の圧力より低く
なる。しかも、蒸発器を通過して空気の温度が下がる
と、庫内の圧力も低くなる。従って、リザーバ管３０に
貯水された除霜水の水位は、図２のＹとＹＹになる。即
ち、冷蔵庫内部と連通する第１排水管１０の圧力が、冷
蔵庫の外部と連通する第２排水管２０の圧力より低くな
るために、この圧力差によって、冷蔵庫のドアを開閉し
た直後の除霜水の水位はリザーバ管３０の一側３１にお
いては、正常状態の水位Ｘより低いＹに位置し、リザー
バ管３０の他側３２においては正常状態の水位ＸＸより
高いＹＹに位置するようになる。

【００２０】図３は、本発明に基づく圧力平衡装置の第
２実施例を示した拡大側面図である。第２実施例によれ
ば、圧力平衡装置は冷蔵庫の内部に連通して除霜水を排
水させる第１排水管１０と、冷蔵庫の外部に連通した第
２排水管２０と、第１及び第２排水管を連結するリザー
バ管１３０とからなる。

【００２１】第１排水管１０と連結するリザーバ管１３
０の一側１３４には、外部と連通するように庫外空気流
入口１３２が形成されており、庫外空気流入口１３２の
周囲には、開閉部材１４０を支持するフランジ部１３３
が形成されている。

【００２２】開閉部材１４０は、リザーバ管１３０に貯
水された除霜水の水面の上昇によって浮遊上昇して、庫
外空気流入口１３２を開閉するように形成される。本実
施例において開閉部材１４０は、第１排水管１０と連結
されるリザーバ管１３０の内壁に沿って上下移動する。
開閉部材１４０は、第１排水管１０と連結されるリザー
バ管１３０の庫外空気流動口１３２の内径より小さい外
径を有するステム部１４１と、ステム部１４１と一体に
形成され、庫外空気流入口１３２を開閉するために庫外
空気流入口１３２より大きい直径を有するヘッド部１４
２とから成る。ヘッド部１４２の下部面はフランジ部１
３３の上部面に密着されるように成し、庫内及び庫外の
圧力が同一である時は、これらの間を通じて庫外空気が
流入しないようになっている。さらに、庫外空気の流入
を導くグルーブ１４３を、ステム部１４１に長さ方向に
形成する。

【００２３】このように構成することによって、冷蔵庫
内部の圧力が外部の圧力より低い場合には、庫内空気流
動部１３４の除霜水の水位の上昇に伴って、開閉部材１
４０が上昇して、庫外空気流入口１３２が開放される。
庫外空気流入口１３２が開放された状態においては、グ
ルーブ１４３に沿って外部の空気が流入するので、庫内
空気流動部１３４内の除霜水の水位が下降するととも
に、開閉部材１４０が下降して庫外空気流入口１３２が
閉鎖される。

【００２４】このように構成された本発明に基づく冷蔵
庫の圧力平衡装置の作用を以下に説明する。

【００２５】先ず、第１実施例において、蒸発器が収容
された蒸発室からの除霜水は、第１排水管１０に沿って
流れリザーバ管３０に貯水される。リザーバ管３０に一
定量の除霜水が貯水されると、除霜水はリザーバ管３０
から溢れて、第２排水管２０を通じて外部、即ち、蒸発
皿６に集められ、そこで蒸発される。

【００２６】リザーバ管３０に除霜水が貯水されて正常
状態に成すようになり、この状態において除霜水の水位
はＸとＸＸである。即ち、第２排水管２０と連結された
リザーバ管３０の一側３１における除霜水の水位Ｘと第
１排水管１０と連結されたリザーバ管３０の他側３２に
おける除霜水の水位ＸＸは、同一水位になる。

【００２７】この状態、即ち、正常状態において冷蔵庫
のドアを開けてから閉めると、冷蔵庫内部の圧力が外部
より低くなり、これに伴う第１排水管１０と第２排水管
２０の圧力差のために、リザーバ管３０の一側３１内の
水がバイパス管４０を通じてリザーバ管３０の他側３２
に流入する。従って、リザーバ管３０の他側３２の除霜
水の水位は相対的に高くなってＹＹになり、リザーバ管
３０の一側３１の水位は相対的に低くなってＹになる。
従って、除霜水により満されていたバイパス管４０の一
側通路４１が開放され、第２排水管２０を通じてリザー
バ管３０の一側３１上部にあった外部の空気がバイパス
管４０から第１排水管１０を経て冷蔵庫内部に流入し、
これによって、冷蔵庫内部及び外部の圧力が平衡状態を
維持するようになる。このようにバイパス管４０を通じ
て、外部の空気が流入して冷蔵庫の内部と外部の圧力が
平衡になるに伴って、リザーバ管の他側３２の除霜水の
水位ＹＹは漸次下がってＸＸになり、リザーバ管の一側
３１の除霜水の水位Ｙは漸次上ってＸになり、正常状態
に戻る。

【００２８】また、第２実施例によれば、リザーバ管１
３０に除霜水が一定量貯水された状態において（この
時、庫外空気流入口１３２は、開閉部材１４０によって
閉鎖された状態である）、冷蔵庫のドアを開けてから閉
めると、冷蔵庫内部の圧力が低くなって、第１排水管１
０側の水位が相対的に高くなり、これに伴って開閉部材
１４０が浮遊上昇して庫外空気流入口１３２を開放す
る。庫外空気流入口１３２が開放されると、外部の空気
がステム部１４１のグルーブ１４３を経て庫内に流入す
るので、冷蔵庫の内部及び外部の圧力が平衡状態に復帰
するとともに、庫内空気流動部１３４内の水位が下降す
る。これに伴って開閉部材１４０も下降して、庫外空気
流入口１３２が閉鎖される。

【００２９】その後、除霜水が発生しても、開閉部材１
４０のステム部１４１とリザーバ管１３０との間の隙間
を通じて円滑にリザーバ管１３０に流れる。また、リザ
ーバ管１３０には一定量の除霜水が貯水されるので、庫
内の冷気の外部への漏出を防止することができるととも
に外部の空気が冷蔵庫内部に流入するのを防止すること
ができる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づく冷
蔵庫の圧力平衡装置は、第１実施例によれば、除霜水を
貯水して排水させるリザーバ管の一側と他側を連通する
バイパス管を設けて、冷蔵庫のドアを開閉した直後にバ
イパス管を通じて外部の空気を庫内に流入させることに
より冷蔵庫の内部と外部の圧力を平衡になすようにし、
また、第２実施例によれば、除霜水を貯水して排水させ
るリザーバ管に庫外空気流入口を形成し、除霜水の水位
変化に伴って上昇または下降して庫外空気流入口を開閉
する開閉部材を設け、これによって冷蔵庫の内部及び外
部の圧力を平衡に成すようにしている。

【００３１】このように冷蔵庫のドアが閉められた状態
において、冷蔵庫内外の圧力平衡が成されるので、冷蔵
庫のドアを容易に開放することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づく圧力平衡装置を設けた冷蔵庫の
一部切取り側面図である。

【図２】本発明に基づく圧力平衡装置の第１実施例を示
した拡大断面図である。

【図３】本発明に基づく圧力平衡装置の第２実施例を示
した拡大断面図である。

【図４】従来の排水管を設けた冷蔵庫の一部切取り側面
図である。

【符号の説明】

１０第１排水管２０第２排水管３０，１３０リザーバ管４０バイパス管１３２庫外空気流入口１４０開閉部材Ｘ，ＸＸ正常状態の除霜水の水位線Ｙ，ＹＹ冷蔵庫ドアを開閉した直後の除霜水の水位線

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】除霜水を貯水するリザーバ管の一端が庫
内空気と連通し、他端が庫外空気と連通する冷蔵庫にお
いて、当該リザーバ管を、庫内空気が庫外空気の圧力より低い
場合に庫外空気が庫内に流入し、庫内空気が庫外空気の
圧力より低くない場合に庫内空気が庫外に流出しない構
造としたことを特徴とする圧力平衡装置。
【請求項２】請求項１記載の冷蔵庫において、前記リザーバ管を、庫内空気が庫外空気の圧力より低い
場合に貯水水位より低くなる部分であって、庫内空気が
庫外空気の圧力より低くない場合に貯水水位より高くな
る部分と常に貯水と接することのない部分とをバイパス
管で連通する構造としたことを特徴とする圧力平衡装
置。
【請求項３】請求項１記載の冷蔵庫において、前記リザーバ管を、貯水された水の最高水位より高い位
置に庫外空気流入口を設け、さらに当該庫外空気流入口
を開閉する開閉部材を備える構造としたことを特徴とす
る圧力平衡装置。