JP2636878B2 - チャック装置 - Google Patents

チャック装置

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JP2636878B2
JP2636878B2 JP63096258A JP9625888A JP2636878B2 JP 2636878 B2 JP2636878 B2 JP 2636878B2 JP 63096258 A JP63096258 A JP 63096258A JP 9625888 A JP9625888 A JP 9625888A JP 2636878 B2 JP2636878 B2 JP 2636878B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、非磁性体から成る円環状工作物のチャッ
ク装置に関するものである。
〔従来の技術〕
円環状工作物の外径面あるいは内径面を研削加工する
場合、その工作物をチャック装置で支持して回転させる
必要がある。
上記のような円環状工作物のチャック装置として、主
軸と共に回転するバッキング部材に電磁力を付与し、そ
の電磁力によって工作物を吸着するようにしたマグネッ
ト方式のチャック装置があるが、この場合、工作物は磁
性体で形成されたものでなければならず、工作物が非磁
性体である場合に用いることができない。
非磁性体から成る円環状工作物のチャック装置の従来
技術として、第7図に示したものがある。このチャック
装置は、主軸30と共に回転するバッキング部材31の前側
に挾持部材32を対向配置し、この挾持部材32とその背部
に設けた支持部材33との間に複数のボール34を配置して
挾持部材32を回動自在に支持し、上記支持部材33の背部
に設けたスプリング35の弾力により挾持部材32をバッキ
ング部材31に向けて移動して工作物支持シュー36上に載
置された工作物Wをバッキング部材31とで両側から挾持
するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記のチャック装置においては、ボール34
と挾持部材32およびボール34と支持部材33の相互間に作
用する摩擦力が挾持部材32の回転抵抗として作用するた
め、挾持部材32の回転抵抗が大きい。このため、工作物
Wと挾持部材32および工作物Wとバッキング部材31の相
互間においてすべりが生じ、バッキング部材31の回転を
工作物Wに確実に伝達することができず、挾持部材32お
よびバッキング部材31の挾持面やボール34が摩耗し易い
不都合がある。
また、機械的な押し付け力で工作物を挾持するため、
故障し易く、しかも構造が複雑であるという不都合があ
る。
そこで、この発明は上記の不都合を解消し、工作物を
確実に挾持することができると共に、工作物挾持面の摩
耗の少ないきわめて簡単な構成のチャック装置を提供す
ることを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明のチャック装
置においては、主軸と共に回転するバッキング部材のま
わりに磁気回路を形成し、その磁気回路を形成する構成
部材に上記主軸の軸心と直交する平坦な磁性面を設け、
前記バッキング部材とで非磁性体工作物を両側から挾持
する磁性クランパに、上記磁性面に対して所要の間隔を
おいて対向する磁束誘導部を形成した構成としてある。
〔作用〕
上記の構成から成るチャック装置は、磁気回路を形成
する構成部材の電磁力によって磁性体クランパの磁束誘
導部を吸着し、そのクランパとバッキング部材とで工作
物を挾持する。その挾持状態において、上記バッキング
部材を回転し、工作物およびクランパを共に回転させ
る。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を第1図乃至第6図に基づい
て説明する。
第1図および第2図は、この発明に係るチャック装置
の第1の実施例を示す。主軸ケース1に回転自在に支持
された主軸2は、反磁性体から形成されている。この主
軸2の先端には継手軸3が接続され、さらにその先端に
円形のバッキング部材4が接続されている。継手軸3お
よびバッキング部材4のそれぞれは強磁性体によって形
成されている。
上記継手軸3の外側には、チャックコイル5が、継手
軸3に同芯に設けられ、そのチャックコイル5を保持す
るコイル保持部材12の両側に一対の磁気遮蔽板6が重ね
合わされている。
チャックコイル5は、シュー支持板7によって支持さ
れ、そのシュー支持板7の前記バッキング部材4の下方
から前方に位置する先端部の上面に、非磁性体から成る
円環状工作物Wを回転自在に支持する一対のシュー8が
設けられ、そのシュー8およびシュー支持板7は強磁性
体によって形成される。
上記シュー8上に載置された工作物Wは、前記バッキ
ング部材4と、そのバッキング部材4の先端に形成され
た平坦な磁性面21に磁力結合される磁性体クランパ9に
よって挾持される。このクランパ9には、工作物Wの内
側に挿入される円軸状の磁束誘導部10が設けられてい
る。磁束誘導部10の軸方向の長さは、工作物Wの軸方向
長さより短かくなり、上記工作物Wをバッキング部材4
とで挾持する状態において、バッキング部材4の磁性面
4aと磁束誘導部10の表面間にスキマδが形成される。
また、シュー8によって支持された工作物Wの側方に
は、上記工作物Wの外径面を研削する砥石11が設けら
れ、その砥石11は工作物Wの半径方向に移動自在に支持
されている。
第1の実施例で示すチャック装置は上記の構造から成
り、非磁性体から成る円環状工作物Wの挾持に際して
は、シュー8上に上記工作物Wを載置し、その工作物W
の内側にクランパ9の磁束誘導部10を挿入し、上記クラ
ンパ9の工作物挾持面およびバッキング部材4の工作物
挾持面を工作物Wの両端面に衝合させた状態でチャック
コイル5に通電する。
上記通電によって、第1図の矢印で示すような磁束の
流れが生じ、クランパ9はバッキング部材4に吸着さ
れ、そのクランパ9とバッキング部材4とで工作物Wが
挾持される。このため、主軸2を回転させることによ
り、工作物Wが共に回転し、その工作物Wの外径面に一
方向に回転させた砥石11を接触させることにより、工作
物Wを研削するすることができる。
第3図および第4図は、この発明に係るチャック装置
の第2の実施例を示す。この実施例においては、チャッ
クコイル5を保持するコイル保持部材12を強磁性材料で
形成し、そのコイル保持部材12の先端部にバッキング部
材4を覆う円筒部13を形成し、この円筒部13の内面に反
磁性体から成る板体14を取付けてある。
また、上記円筒部13に、工作物Wを支持するシュー8
および砥石11の一部が挿入される窓15を設けてある。
さらに、バッキング部材4とで工作物Wを挾持するク
ランパ9の外径を上記円筒部13の外径と略同径としてあ
る。
上記実施例においては、シュー8に支持された工作物
Wをバッキング部材4とクランパ9とで挾む状態でチャ
ックコイル5に通電すると、第3図に示す矢印方向の磁
束の流れが生じるため、バッキング部材4の先端の平坦
な磁性面4aと円筒部13の先端に形成された平坦な磁性面
21とがクランパ9を吸着することになる。このためクラ
ンパ9を吸着する力が強く、工作物Wを強固に挾持する
ことができる。
第5図および第6図は、この発明に係るチャック装置
の第3の実施例を示す。この実施例は、工作物Wの内径
加工時に用いるチャック装置であり、チャックコイル5
を保持するコイル保持部材12の先端部に円筒部13′を設
け、その円筒部13′の先端面とチャックコイル5の側面
間に反磁性体から成る筒体16を円筒部13′に同芯に組み
込んで上記円筒部13′を外径筒部17と内径筒部18に分離
してある。
また、上記円筒部13′の先端面に半径方向のシュー取
付溝19を形成し、その取付溝19にシュー8を嵌合してコ
イル保持部材12にねじ止めしてある。
さらに、磁性クランパ9を環状とし、クランパ9の片
面中央部に工作物Wが嵌合する凹部20を設け、その凹部
20のまわりを磁束誘導部10′としてある。この磁束誘導
部10′は、バッキング部材4とクランパ9とで工作Wを
挾持する状態においてコイル保持部材12の円筒部13′の
先端に形成された平坦な磁性面21との間にすきま δが形成される。
上記の実施例においては、バッキング部材4とクラン
パ9とで工作物Wを挾む状態でチャックコイル5に通電
することにより、第5図の矢印方向に示す磁束の流れが
生じ、バッキング部材とクランパ9とで工作物Wを挾持
することができる。
また、上記のような構成にすると、バッキング部材4
をセラミックス等の非磁性体で形成することができるた
め、主軸2の剛性を高めることができると共に、チャッ
クコイル5による主軸の熱変位を押えることができる。
〔発明の効果〕 以上のように、この発明によれば、主軸と共に回転す
るバッキング部材のまわりに磁気回路を形成し、その磁
気回路を形成する構成部材の磁性面に磁性体クランパを
吸着させるようにしたので、非磁性体から成る円環状の
工作物をバッキング部材とクランパとで確実に、しかも
強固に挾持することができると共に、上記クランパはバ
ッキング部材に吸着された状態でそのバッキング部材と
共に回転するため、工作物とバッキング部材および工作
物とクランパとの間においてすべりが生じるおそれがな
く、工作物を挾持する部材の挾持面が摩耗するという不
都合の発生がない。
また、構成がきわめて簡単であると共に、従来からあ
るマグネット方式の磁性体吸着用チャック装置を少し改
良することによって非磁性体の挾持用チャック装置とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係るチャック装置の第1の実施例
を示す縦断正面図、第2図は第1図のII−II線に沿った
断面図、第3図は同上のチャック装置の第2の実施例を
示す縦断正面図、第4図は第3図のIV−IV線に沿った断
面図、第5図は同上チャック装置の第3の実施例を示す
縦断正面図、第6図は第5図のVI−VI線に沿った断面
図、第7図は従来のチャック装置を示す縦断正面図であ
る。 2……主軸、4……バッキング部材、 9……磁性クランパ、 10、10′……磁束誘導部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主軸と共に回転するバッキング部材のまわ
    りに磁気回路を形成し、その磁気回路を形成する構成部
    材に上記主軸の軸心と直交する平坦な磁性面を設け、前
    記バッキング部材とで非磁性体工作物を両側から挾持す
    る磁性体クランパに、上記磁性面に対して所要の間隔を
    おいて対向する磁束誘導部を形成したチャック装置。
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JPS5426954Y2 (ja) * 1974-12-17 1979-09-04
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