JP2635110B2 - 電気ひげそり装置用の内刃体及び電気ひげそり装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は電気ひげそり装置用の内刃体及び電気ひげそ
り装置に関し、さらに詳しくは、電気ひげそり装置用の
複数個の内刃が１枚の板状のホルダに個々に回転可能に
取付けられている電気ひげそり装置用の内刃体及び前記
内刃体が取外し自在に取付けられている電気ひげそり装
置に関する。

（従来技術） 現在汎用されている電気ひげそり装置の１つとして、
１対の外刃と内刃とから成るユニットが複数個、特に２
〜３個設けられているシェーバヘッドを有するものがあ
る。

かかる電気ひげそり装置においては、一般的にモータ
で駆動される複数の回転軸（以下、駆動ポールと称する
ことがある）の先端部の夫々と各内刃底面に設けられて
いる基台の軸穴とを係合させ、外刃内部で内刃を回転さ
せることによって外刃と内刃とのせん断力でひげを切断
している。

ところで、この様な電気ひげそり装置では、従来、使
用後の掃除或いは内刃の交換等の際に、内刃を個々にシ
ェーバヘッドに取付け及び取外す必要がある。

また、この様な電気ひげそり装置に用いられる内刃
は、全内刃が同時に交換されることが多いため、交換用
の内刃は複数個の内刃が１組になって販売されている。

（発明が解決しようとする課題） この様に、内刃を個々にシェーバヘッドに取付け及び
取外しを行うことは、頻繁に掃除を行う必要がある電気
ひげそり装置においては、掃除等の操作が煩雑になるこ
とから掃除回数が減少し、内刃の切れ味が低下し易い。

また、内刃は皮膚から分泌される油脂分が付着し易
く、特に念入りに掃除を行う必要があるため、掃除中に
内刃を紛失し易い。

この様に複数個の内刃の１個でも紛失した場合には、
他の内刃の切れ味が低下していないのにもかかわらず、
全内刃を同時に交換することを要する。内刃と外刃とに
よって生じるせん断力をユニット間でほぼ等しくせんと
するためである。

しかも、内刃の交換の際にも、複数個の交換用の内刃
を同様に紛失し易い。

さらに、電気ひげそり装置の製造においても、内刃を
個々に取付けなければならず、組立操作が煩雑となり、
その製造コストも高くなる。

そこで、本発明の目的は、前述の内刃及び電気ひげそ
り装置の有する欠点を解消し、使用後のシェーバヘッド
内の掃除或いは内刃の交換等の際に、その操作が容易で
且つ内刃を紛失するおそれのない電気ひげそり装置用の
内刃体及び電気ひげそり装置を提供することにある。

（課題を解決する手段） 本発明者等は、前記目的を達成するには、内刃を集合
状態で取扱うことができるものが有効ではないかと考え
検討した結果、本発明に到達した。

すなわち、本発明は、１対の外刃と内刃とから成るユ
ニットを複数個有する電気ひげそり装置のシェーバヘッ
ドに装着される内刃体であって、下記〔Ｉ〕のホルダに
設けられている複数個の内刃取付部の夫々に、下記〔I
I〕の内刃基台部が嵌入され、複数個の内刃が個々に軸
線を中心として回転可能に且つ軸方向に一定範囲で移動
可能に規制されて前記ホルダに取付けられていることを
特徴とする電気ひげそり装置用の内刃体である。

〔Ｉ〕ホルダ １枚の板状体であって、その表裏面方向に開口する内
刃取付部が複数個所定の配列で設けられている。

〔II〕内刃基台部 外周辺に沿って多数の切刃が形成されている刃体を固
定する基台であって、前記刃体が固定されている面と反
対側の面には、電気ひげそり装置本体側の回転軸先端部
が嵌入可能な軸穴を有する。

また、本発明は、１対の外刃と内刃とから成るユニッ
トを複数個有する電気ひげそり装置のシェーバヘッドに
おいて、該シェーバヘッドに前記内刃体が取外し自在に
取付けられていることを特徴とする電気ひげそり装置で
ある。

かかる内刃体において、ホルダの内刃取付部の内面が
円筒状であって、その上端部及び下端部の夫々の内壁に
沿ってつばが設けられており、且つ内刃基台部の軸穴側
の面に設けられている円形つばが前記内刃取付部の内壁
と上端部及び下端部のつばによって囲まれている空間内
に押入されているものは、内刃が安定して回転でき且つ
回転中に外れることがなく好適である。

さらに、前記内刃体において、内刃をホルダの内刃取
付部に容易に取付けることができるものとしては、内刃
取付部の上端部のつばが、弾力性を有する爪状体であり
且つ内刃基台部の円形つばが爪状体の弾力性に抗して押
入可能であるものが特に好適であり、剃ったひげが内刃
体から容易に排出され易いものとしては、基台部の円形
つばが内刃取付部内壁面から遊離しているもの、及び／
または内刃取付部の下端部のつばが爪状体であるものが
特に好適である。

また、この様な内刃体が取付けられている電気ひげそ
り装置において、複数個の外刃が１枚のホルダに固着さ
れ且つ前記ホルダが内刃体と重複して取外し自在にシェ
ーバヘッドに取付けられているものは、外刃も集合状態
で取扱うことできるため、シェーバヘッドの掃除、内刃
及び／または外刃の交換、さらには部品の組立を容易に
行うことができ、その際に内刃及び／または外刃の紛失
も防止でき好適である。

（発明の作用） 本発明の内刃体によれば、複数個の内刃を集合状態で
取扱うことができるため、その取扱いが容易で且つ取扱
い中に内刃の紛失を未然に防止することができる。

しかも、ホルダに取付けられている内刃は、その軸方
向に一定範囲で移動できるため、内刃と外刃とによるせ
ん断力の調整及び剃ったひげの排出等を容易に行うこと
ができる。

また、本発明の電気ひげそり装置によれば、使用後の
内刃の掃除或いは内刃の交換等の操作が容易で且つ掃除
等の際に内刃の紛失を防止することができる。

さらに、電気ひげそり装置の組立工程においても、複
数の内刃を同時にシェーバヘッドに取付けることができ
るため、組立操作を簡略化することもできる。

（実施例） 本発明について図面を用いてさらに詳細に説明する。

第１図は、本発明の内刃体を構成するホルダの正面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ面の拡大断面図、第３図は
本発明の内刃体を構成する内刃の側面図及び正面図、第
４図は本発明の電気ひげそり装置の構成を分解して示し
た斜視図、第５図は外刃を固着するホルダの正面及び拡
大断面図を夫々示す。

第１〜３図において、３は内刃、５はホルダ、10は内
刃取付部、11は内刃取付部の上端部の内壁に沿って用い
られているつば、12は内刃取付部の下端部の内壁の沿っ
て設けられているつば、20は内刃の基台部、21は基台部
20に設けられている円形つば、22は内刃３を回転させる
駆動ポール（図示せず）と係合する軸穴を夫々示す。

本発明の内刃体は、複数個の内刃が１枚の板状のホル
ダに取付けられており、前記内刃の夫々が個々に回転可
能で且つその軸方向に移動可能のものである。

すなわち、第１〜２図に示す如く、ホルダに設けられ
ている複数個の内刃取付部10の夫々に、第３図に示す内
刃基台部20が嵌入され、複数個の内刃３が軸線を中心と
して回転可能に且つ軸方向に一定範囲で移動あのうに規
制されて前記ホルダに取付られているものである。

ここで、第１〜２図に示すホルダ５は、１枚の板状体
であって、その表裏面方向に開口する内刃取付部10が複
数個所定の配列で設けられているものであり、第３図に
示す内刃基台部20は、外周辺に沿って多数の切片が形成
されている刃体（内刃）を固定する基台であって、前記
刃体が固定されている面と反対側の面には、電気ひげそ
り装置本体側の駆動ポールの先端部が嵌入可能な軸穴22
を有するものである。

この様な構成の内刃体は、個々に取付けられている内
刃はモータで駆動されている複数の駆動ポールの夫々と
基台部の軸穴22で係合し回転することができる。

また、内刃が内刃取付部10に保持されている状態を維
持しつつ一定範囲で移動できるめ、剃ったひげが取付部
に留ることなく排出される。

しかも、一般的に、駆動ポールはその軸方向に移動で
きる様に構成されているため、内刃と外刃とのせん断力
を適正な値に調整することができる。

かかる内刃体としては、第１〜２図に示す如くホルダ
の内刃取付部10を円筒状として第３図に示す様に円形つ
ばを有する内刃基台部20を押入したものが、内刃が安定
して回転でき且つ回転中に外れることがなく好適であ
る。

第１〜２図に示す円筒状の内刃取付部10は、内面が円
筒状であって、その上端部及び下端部の夫々の内壁に沿
ってつば11、12が設けられているものであり、第３図に
示す円形つばを有する基台部20は、軸穴22が設けられて
いる面に円形つば21が設けられているものである。

この様な内刃取付部10の内壁と上端部及び下端部のつ
ば11、12とで囲まれている空間内に基台部20の円形つば
21を押入することによって、内刃３は安定に回転するこ
とができ且つ回転中に外れることがない。

また円形つば21は、内刃取付部10の上端部のつば11と
下端部のつば12との間を移動することができ、移動距離
は内刃３の底面と円形つば21の上面との間隔によって調
整することができる。

かかる円形つば21の押入を容易にするには、内刃取付
部10の上端部のつば11を、弾力性を有する爪状体とし、
円形つば21が爪状体の弾力性に抗して押入できるものと
することが好適である。

さらに、円形つば21が内刃取付部10の内壁面から遊離
していること、及び／または内刃取付部10の下端部のつ
ば12が爪状体であることが、円形つば21がつば11とつば
12との間で移動可能であることと相俟って、剃ったひげ
の内刃取付部10からの排出を容易にすることができる。

この様な本発明の内刃体を電気ひげそり装置に取付け
て使用後の内刃の掃除、内刃の交換、組立等を容易に行
うためには、電気ひげそり装置のシェーバヘッドに内刃
体を取外し自在に取付けることによって達成できる。

内刃体をシェーバヘッドに取外し自在に取付けるに
は、第１図に示す如く、ホルダ５の中心部にあるネジ７
によって内刃体をシェーバヘッドに取付け、ネジ７を緩
めることによって内刃体をシェーバヘッドから取外すこ
とができる。

かかる電気ひげそり装置において、内刃と１対になっ
て使用される外刃についても、複数個の外刃が１枚のホ
ルダに固着され、前記ホルダが内刃体と重複して取外し
自在にシェーバヘッドに取付けられてるものが、使用後
の掃除を一層容易にすることができ、外刃の紛失も未然
に防止することができる。

ここで、「固着」とは、外刃がひげそり中に実質的に
静止していることを意味し、複数個の外刃を集合状態で
シェーバヘッドに取付け及び取外しができる限り、外刃
をホルダに取付け及び取外し可能にしてもよい。

かかる電気ひげそり装置について第４図に示す。

第４図において、１はシェーバヘッド、２は外刃、４
は外刃ホルダ、３は内刃、５は内刃用ホルダ、７はシェ
ーバヘッド１にホルダ４、５を取付けるネジ、６はシェ
ーバのハウジング、８は内刃３を回転させる駆動ポール
（図示せず）が突出する孔を夫々に示す。

ここで、シェーバヘッド１に２枚の板状のホルダ４、
５が取外し自在に重複して取り付けられており、シェー
バヘッド１側のホルダ４には、複数個の外刃（２、２、
２）が固着されている。

かかるホルダ４としては、第５図に示すものが好まし
い。第５図（Ｉ）はホルダ４の正面図であり、第５図
（II）は第５図（Ｉ）のＢ−Ｂ面での拡大断面図を夫々
に示す。第５図において、40は外刃の外周辺が押入され
る溝、41は溝40の外周辺に設けられているつば、30はシ
ェーバヘッドへの係合孔を夫々示す。

第５図に示すホルダ４において、溝40に外刃が押入さ
れ、溝40とつば41とによって外刃が固着される。

この場合においても、つば41を弾力性を有する爪状体
とすることによって外刃の押入を容易とすることができ
る。

また、ホルダ４と１対になって用いられるホルダ５に
は、複数個の内刃（３、３、３）の夫々が対応する外刃
２の位置に回転可能に取付けられている。

なお、内刃３は任意のタイプのものを使用することが
でき、従来から汎用されているものを使用できる。

かかるホルダ２およびホルダ５は、ホルダ５の中心部
にあるネジ７によって、シェーバヘッド１に取付けら
れ、ネジ７を緩めることによって両者をシェーバヘッド
１から取外すことができる。

第４図において、シェーバヘッド１はシェーバのハウ
ジング６の刃受け台９にヒンジ31を介して枢着されてお
り、内刃３の夫々は孔８から突出している駆動ポール
（図示せず）と内刃３の係合部22で係合する。

かかるシェーバヘッド１は、刃受け台９に離脱可能に
嵌着させてもよい。

なお、図面においては、三連式電気ひげそり装置に用
いる内刃体について示したが、二連式電気ひげそり装置
に用いる内刃体にも本発明を適用することができる。

（発明の効果） 本発明の内刃体よれば、内刃体の掃除等を容易に行う
ことができ、掃除の頻度を多くすることができるため、
内刃の切れ味を保つことができ、内刃の交換も容易に行
うことができる。しかも内刃の掃除、交換等の際に内刃
の紛失を防止することができる。

また、本発明の電気ひげそり装置によれば、使用後の
掃除、及びその後の組立も容易に行うことができる。

さらに、電気ひげそり装置の組立工程において、省力
化することもでき、製品のコストを低下することも可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の内刃体を構成するホルダの正面図、
第２図は第１図のＡ−Ａ面の拡大断面図、第３図は本発
明の内刃体を構成する内刃の側面図及び正面図、第４図
は本発明の電気ひげそり装置の構成を分解して示した斜
視図、第５図は外刃を固着するホルダの正面及び拡大断
面図を夫々示す。 図において、３は内刃、５はホルダ、10は内刃取付部、
11は内刃取付部の上端部の内壁に沿って用いられている
つば、12は内刃取付部の下端部の内壁の沿って設けられ
ているつば、20は内刃底面の基台、21は基台20の底部に
設けられている円形つば、22ば内刃３を回転させる駆動
ポール（図示せず）と係合する係合部を夫々示す。

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１対の外刃と内刃とから成るユニットを複
   数個有する電気ひげそり装置のシェーバヘッドに装着さ
   れる内刃体であって、下記〔Ｉ〕のホルダに設けられて
   いる複数個の内刃取付部の夫々に、下記〔II〕の内刃基
   台部が嵌入され、複数個の内刃が個々に軸線を中心とし
   て回転可能に且つ軸方向に一定範囲で移動可能に規制さ
   れて前記ホルダに取付けられていることを特徴とする電
   気ひげそり装置用の内刃体。 〔Ｉ〕ホルダ １枚の板状体であって、その表裏面方向に開口する内刃
   取付部が複数個所定の配列で設けられている。 〔II〕内刃基台部 外周辺に沿って多数の切刃が形成されている刃体を固定
   する基台であって、前記刃体が固定されている面と反対
   側の面には、電気ひげそり装置本体側の回転軸先端部が
   嵌入可能な軸穴を有する。
2. 【請求項２】ホルダの内刃取付部の内面が円筒状であっ
   て、その上端部及び下端部の夫々の内壁に沿ってつばが
   設けられており、且つ内刃基台部の軸穴側の面に設けら
   れている円形つばが前記内刃取付部の内壁と上端部及び
   下端部のつばによって囲まれている空間内に押入されて
   いる請求項第１項記載の電気ひげそり装置用の内刃体。
3. 【請求項３】内刃取付部の上端部のつばが、弾力性を有
   する爪状体であり且つ内刃基台部の円形つばが爪状体の
   弾力性に抗して押入可能である請求項第２項記載の電気
   ひげそり装置用の内刃体。
4. 【請求項４】内刃基台部の円形つばが内刃取付部の内壁
   面から遊離している請求項第２項記載の電気ひげそり装
   置用の内刃体。
5. 【請求項５】内刃取付部の下端部のつばが爪状体である
   請求項第２項記載の電気ひげそり装置用の内刃体。
6. 【請求項６】１対の外刃と内刃とから成るユニットを複
   数個有する電気ひげそり装置のシェーバヘッドにおい
   て、該シェーバヘッドに請求項第１項記載の内刃体が取
   外し自在に取付けられていることを特徴とする電気ひげ
   そり装置。
7. 【請求項７】複数個の外刃が１枚のホルダに固着され、
   前記ホルダが請求項第１項記載の内刃体と重複して取外
   し自在にシェーバヘッドに取付けられている請求項第６
   項記載の電気ひげそり装置。