JP2633658B2 - 負荷時電圧調整器 - Google Patents

負荷時電圧調整器

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tap
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野〕 本発明は調整変圧器と直列変圧器および負荷時タップ
切換器を組合せて成る電力用の負荷時電圧調整器に関す
る。
(従来の技術) 一般に負荷時電圧調整器は、第6図に示すように一次
巻線1とタップ巻線2が鉄心(図示せず)に巻装されて
成る調整変圧器TR1と、励磁巻線3と直列巻線4が他の
鉄心(図示せず)に巻装されて成る直列変圧器TR2と、
セレクタ5・ダイバータ6・副切換器7から成る負荷時
タップ切換器(以下「LTC」と称する)をタンク8に収
納し構成される。
そして電源(又は負荷)がu端子ブッシング9とυ端
子用ブッシング10間に接続され、負荷(又は電源)がυ
端子ブッシング10とU短使用ブッシング11間に接続され
使用される。
電圧調整はLTCの切換により、タップ巻線2の有効タ
ップ数や極性を切換え、励磁巻線3への印加電圧を変
え、直列巻線4に発生する電圧の大きさとその向きを調
整することによって行われる。
第6図は説明を容易にするため、単相器について記述
したが、これら三組を組合せて三相器を構成する場合も
ある。
第6図からわかるように一次巻線1と直列巻線4は外
部回路に接続されるが、タップ巻線2、励磁巻線3およ
びLTCはタンク8に入ったままである。これら外部に出
ていない部分については、電位をとるため励磁巻線3と
LTCのダイバータ6の接続点Eを着脱可能な接地装置12
により、タンク8の内部で接地させている。
(発明が解決しようとする課題) 近年、電力用の変電機器についても、その劣化状態お
よび異常の有無を事前に調査し、事故発生の防止を計る
予防保全の考えが盛となり、その調査を容易にできる機
器構造が望まれるようになった。又事故が発生した場合
には、異常の有無を測定して調査するが、それが容易に
可能である機器構造であることが望ましい。
しかし、前述の従来方式では、タップ巻線2、励磁巻
線3およびLTCは一部も外部に出ていないため、これら
についての電気的特性を測定することができない欠点が
ある。従って、これらの異常の有無を検証するには、タ
ンク8内の油を抜き、ハンドホールから接地装置12を取
外したり、マンホールからタンク8内に作業者が入って
部品の取外しや試験用リード線の取付けを行う等大掛な
作業が必要となる問題があった。
本発明の目的とするところは、タンク内の油を抜き、
ハンドホールやマンホールをあけることなく、外部から
容易に試験が可能になる負荷時電圧調整器を提供するこ
とにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明の負荷時電圧調整器は、タップ巻線、励磁巻線
およびLTCで外部に出ていない部分の一部すなわち励磁
巻線とLTCのダイバータの接続点を2本のブッシングを
使い、タンクの外部に引出し、そのブッシング頭部に着
脱可能な接続リードで互を接続すると共に接地する構造
としたことである。
(作用) 本発明において、電気的特性を測定する場合には、こ
の着脱可能な接続リードを取外し、ブッシング頭部に試
験用リード線を取付けて行う。外部に出ているブッシン
グに試験用リード線を取付けることは容易な作業であ
り、絶縁抵抗、巻線抵抗および巻数比など電気的特性を
油入りの状態で測定でき内部異常など容易に診断するこ
とができる。
(実 施 例) 以下、本発明を第1図に示す一実施例にもとづき説明
するが、第1図と第6図は同一部分については同符号を
付してあり、電圧調整の基本的作用は両者とも同じであ
る。異なる部分は、第6図では励磁巻線3の一端とLTC
のダイバータ6で接続点Eで接続していたが、第1図で
は励磁巻線3の一端は試験用ブッシング13Aに、LTCのダ
イバータ6は試験用ブッシング13Bに、各々接続されて
いる。そしてタンク8の外部にて着脱可能な接続リード
14にて、両試験用ブッシング13A,13Bを接続し、それを
接続点Eとし、さらに着脱可能な接地リード15にて、タ
ンク8の外側に取付けられた接地装置16に接続されてい
る。
このように接続点Eと接地する場所がタンク内からタ
ンク外に変更になってもその電圧調整の作用には影響は
ない。電気的特性を測定する場合には、接続リード14と
接地リード15を取外し、試験用ブッシング13A,13Bの頭
部に測定用リードを取付けて行う。
次に本発明による負荷時電圧調整器の電気的な特性測
定の方法を説明する。第2図はタップ巻線2、励磁巻線
3およびLTC(セレクタ5・ダイバータ6・副切換器
7)の対地絶縁抵抗と対地誘電体損失用tanδとを測定
する場合を示し、試験用ブッシング13A,13Bを一括して
測定装置17にて測定する。
LTCのセレクタ5にタップT0以外のタップT1,T2などに
接続する位置におけば、タップ巻線2も含めて測定で
き、LTCのセレクタ5にタップT0に接続し、副切換器7
を切換途中のオープンの位置(P0がP1,P2のいづれにも
接続されない状態)に固定した状態で測定すれば、タッ
プ巻線2も含めない条件で測定することができる。
第3図はタップ巻線2と励磁巻線3の巻線抵抗を測定
する場合を示し、試験用ブッシング13A,13Bの間に直流
電源18を接続して測定する。またLTCのセレクタ5をタ
ップT0以外のタップに接続する位置におけば、タップ巻
線2と励磁巻線3の直列合成抵抗が測定でき、LTCのセ
レクタ5をタップT0に接続する位置におけば、励磁巻線
3だけの抵抗が測定できる。
第4図と第5図に二個の巻線間の巻数比を測定する場
合を示す。第4図では直列変圧器TR2の巻数比を測定す
る場合であり、LTCのセレクタ5をタップT0に接続する
位置におき、直列巻線4から交流電源19を印加し、励磁
巻線3の誘起電圧を試験用ブッシング13A,13B間に取付
けられた電圧計20で測定する。
第5図では調整変圧器TR1の巻線比を測定する場合で
あり、直列巻線4は短絡し、LTCのセレクタ5をタップT
0以外に接続する位置におき、一次巻線1から交流電源1
9を印加し、タップ巻線2の誘起電圧を試験用ブッシン
グ13A,13B間に取付けられた電圧計20で測定する。
従来方式では、これらの電気的特性を測定するには、
タンク内の油を抜いたり入れたりするので送油ポンプな
どの注油装置が必要であり、抜いた油を入れる貯油タン
クも必要となり、これらの作業には、作業員が多数必要
となるばかりでなく、長い時間がかかり、事故時のよう
な緊急の場合には、大変な作業となる欠点があった。従
って通常の保守点検では外部から容易に測定できる範囲
だけに限定され、タップ巻線2、励磁巻線3およびLTC
については検証できないままになっていたので、異常の
雨雨や劣化診断など事前調査は完全にはできなかった。
しかし本発明によれば、油を抜く必要もなく、しかも
使用状態である油入りのまま測定できるので、通常の保
守点検でも容易に、実施でき、費用消減および省力化に
非常に有効であり、実用上優れた効果を得られる。一
方、試験用ブッシング13A,13Bについては、その電流容
量は励磁巻線3のそれと同じだか、その電圧階級につい
ては、第2図から第5図までの測定時に印加される電圧
に耐えればよいので、接続リード14と接地リード15とも
に、小形な物でよく、それらの価格は、ほとんど問題に
ならない。そして通常の運転時には接地リード15にて接
地されているので電圧の発生がなく危険になることはな
い。
第3図に示す巻線抵抗の測定に関しては、この負荷時
電圧調整器を温度試験を実施する場合、従来の第6図で
は不可能であったタップ巻線2と励磁巻線3の温度上昇
試験が次に示す抵抗法で可能となる。
すなわち、巻線の温度上昇試験は温度試験の直前と直
後における巻線抵抗を測定し、抵抗の温度係数を使って
測定抵抗値から巻線の温度上昇を求める。励磁巻線3の
温度上昇については、LTCのセレクタ5をタップT0に接
続する位置における励磁巻線3だけの抵抗から求める。
タップ巻線2の温度上昇については、LTCのセレクタ5
をタップT0以外のタップに接続する位置における励磁巻
線3とタップ巻線2の直列合成抵抗値から前述の励磁巻
線3の抵抗値を差引いてタップ巻線2の抵抗値を知り、
タップ巻線2の温度上昇を求める。
このように本発明によれば、従来方式で不可能であっ
たことも可能となり、この巻線温度試験を実施するだけ
の目的で本発明を採用しても効果が得られるので、製造
工場などにおける試験時のみ試験用ブッシグ13A,13Bを
取付けて試験を実施し、通常の運転時には試験用ブッシ
ング13A,13Bを取外して第6図と同じ構造にして使用す
ることも可能である。
なお他の実施例として負荷器電圧調整器に限らず、負
荷時位相調整器および普通の変圧器でタップ巻線と励磁
巻線を必要とする間接切換方式のものなら同様に適用で
きる。そしてタンク8内に油以外のもの例えばガスを封
入するガス絶縁変圧器などについても同様に適用できる
ことは言う迄もない。
〔発明の効果〕
以上の様に本発明によれば、内臓されていて外部回路
に接続されないタップ巻線、励磁巻線およびLTCについ
ての電気的な特性測定を、油の出し入れなどの大掛な作
業なしで外部から容易に実施でき、内部診断が可能とな
る負荷時電圧調整器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の負荷時電圧調整器の一実施例を示す回
路構成図、第2図は本発明の絶縁抵抗などの測定時の回
路構成図、第3図は本発明の巻線抵抗の測定時の回路構
成図、第4図と第5図は本発明の巻数比の測定を実施す
る場合の回路構成図、第6図は従来の負荷時電圧調整器
を示す回路構成図である。 1……一次巻線、2……タップ巻線 3……励磁巻線、4……直列巻線 5,6,7……LTCのセレクタ、ダイバータ、副切換器 8……タンク 9,10,11……u,υ,U端子の各ブッシング 12,16……接地装置 13A,13B……試験用ブッシング 14……接続リード、15……接地リード 17……測定装置、18,19……試験用電源 20……電圧計、TR1……調整変圧器 TR2……直列変圧器 LTC……負荷時タップ切換器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次巻線とタップ巻線とこれらの巻線を巻
    装した鉄心とから成る調整変圧器と、励磁巻線と直列巻
    線とこれらの巻線を巻装した鉄心とから成る直列変圧器
    および負荷時タップ切換器をタンクに収納した負荷時電
    圧調整器において、前記励磁巻線の片方端子は前記タッ
    プ巻線に接続し残りの端子は試験用ブッシングAに接続
    され、前記負荷時タップ切換器のセレクタ側を前記タッ
    プ巻線に接続しダイバータ側は試験用ブッシングBに接
    続され、そして前記試験用ブッシングA,Bの頭部を接続
    すると共に接地する着脱可能な接続リードを備えたこと
    を特徴とする負荷時電圧調整器。
JP28562888A 1988-11-14 1988-11-14 負荷時電圧調整器 Expired - Lifetime JP2633658B2 (ja)

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