JP2633498B2 - X線による溶接検査方法及び溶接検査装置並びにその検査装置を用いた溶接装置 - Google Patents

X線による溶接検査方法及び溶接検査装置並びにその検査装置を用いた溶接装置

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JP2633498B2
JP2633498B2 JP5390695A JP5390695A JP2633498B2 JP 2633498 B2 JP2633498 B2 JP 2633498B2 JP 5390695 A JP5390695 A JP 5390695A JP 5390695 A JP5390695 A JP 5390695A JP 2633498 B2 JP2633498 B2 JP 2633498B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検査対象物に形成され
た溶接部にX線を透過させてその透過X線により溶接部
を検査する方法及び検査装置、並びにその検査装置を組
み込んだ溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の溶接部の検査方法の
一例として、例えば特開平5―142204号公報等に
示されるように、電磁誘導により起電力を発生させる検
査コイルを設け、この検査コイルに印加される印加電源
周波数の変化と、磁場中にある検査対象物による誘導起
電力の変化とを比較して検査対象物の欠陥の大きさや位
置等を検査する方法が知られている。
【0003】このように検査対象物を破壊せずに溶接部
を検査する方法はいわゆる非破壊検査と呼ばれ、上記の
如き渦電流探傷検査方法の外に各種の方法が知られてい
るが、その中の1つとして、検査対象物にX線を照射し
てその透過画像をX線フィルムや蛍光板等に現し、この
透過画像から検査対象物の良否を判定するようにするX
線透過検査法がある。
【0004】このX線透過検査方法では、検査対象物を
透過したX線の透過量が大きいときには、蛍光板等での
反応度が大きくて画像濃度が明るくなる一方、X線透過
量が小さいときには、蛍光板等での反応度が小さくて画
像濃度が暗くなることを利用し、対象物内部の空洞や異
物等の不良を検査するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のも
のでは、溶接部における空洞や異物の部分のみによる溶
接不良部分しか検査できず、溶接部の大きさや形状が適
正範囲で溶接自体が良好に行われているか否かを判定検
査することはできないとされていた。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、溶接部を透過した透過X
線の検出方法を変えることにより、X線透過方法を用い
て溶接部の溶接が良好に行われたかどうかを正確に判定
できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的の達成のた
め、本発明では、検査対象物の溶接部にX線を照射して
透過させたとき、その溶接部において溶接熱により組織
変化を生じた溶融部と組織変化を生じない母材との境界
面でX線が散乱等の相互作用を受けてX線透過量が減衰
される現象を見出だし、この現象による上記組織境界面
の透過画像を検出し、その組織境界面の画像の濃度や形
状寸法等に基づいて溶接部の良否を検査することとし
た。
【0008】すなわち、請求項1〜3の発明はX線によ
る溶接検査方法であり、請求項1の発明では、検査対象
物の溶接部にX線を照射して得られるX線透過画像か
ら、溶接部において溶接時の溶接熱により組織変化を生
じた溶融部と組織変化を生じない母材との組織境界面の
透過画像を検出し、上記組織境界面の透過画像の少なく
とも濃度及び形状に基づいて溶接部を検査することを特
徴とするものである。
【0009】請求項2の発明では、上記溶接部は、複数
の板材同士をスポット溶接するスポット溶接部とする。
【0010】請求項3の発明では、上記スポット溶接部
に対しX線をスポット溶接部における上記組織境界面と
略直角な方向から照射する。
【0011】一方、請求項4〜10の発明はX線による
溶接検査装置であり、請求項4の発明では、X線を検査
対象物の溶接部に照射するX線照射手段と、このX線照
射手段からのX線が溶接部を透過した透過X線を受けて
溶接部の透過画像を現す画像生成手段と、この画像生成
手段により得られた透過画像から、溶接時の溶接熱によ
り組織変化を生じた溶融部と組織変化を生じない母材と
の組織境界面の透過画像を検出する境界面検出手段と、
この境界面検出手段による組織境界面の透過画像の少な
くとも濃度及び形状に基づいて溶接部を検査する検査手
段とを備えたことを特徴としている。
【0012】請求項5の発明では、上記画像生成手段
は、X線により反応して透過画像を現すフィルム又は蛍
光板とし、このフィルム又は蛍光板に現れた透過画像を
撮影するテレビカメラを設ける。
【0013】そして、境界面検出手段は、上記テレビカ
メラで撮影された透過画像に対し例えば明るさについて
2値化する等の処理をし、この処理された処理画像から
組織境界面の画像を検出するように構成されているもの
とする。
【0014】請求項6の発明では、上記請求項5の溶接
検査装置において、検査手段は、境界面検出手段による
処理画像の濃度や形状寸法等のデータを、予め設定され
ている基準値と比較して、溶接部の良否を検査するよう
に構成されているものとする。
【0015】請求項7の発明では、請求項3、4又は5
の溶接検査装置において、溶接部は、複数の板材同士を
スポット溶接するスポット溶接部とする。
【0016】また、請求項8の発明では、同様に、溶接
部は、2つの溶接対象同士をプロジェクション溶接する
プロジェクション溶接部とする。
【0017】さらに、請求項9の発明では、溶接部は、
2つの溶接対象同士をスタッド溶接するスタッド溶接部
とする。
【0018】請求項10の発明では、複数のスポット溶
接部を自動検査するために、複数のスポット溶接部を有
する検査対象物を支持する支持台と、この支持台上の検
査対象物にX線を照射するX線照射手段と、上記支持台
に対し上記X線照射手段と反対側にかつX線照射手段に
対応して配設され、X線照射手段からのX線が検査対象
物を透過した透過X線を受けてX線透過画像を得る画像
生成手段と、上記支持台とX線照射手段及び画像生成手
段との一方を他方に対し、X線照射手段からのX線が検
査対象物の所定の区画範囲毎に順次透過されて画像生成
手段で区画範囲毎のX線透過画像が得られるように相対
移動させる走査手段と、この走査手段の作動により画像
生成手段で得られた検査対象物の区画範囲毎の複数の透
過画像をそれぞれ順次撮影するテレビカメラと、このテ
レビカメラで撮影された各透過画像を処理して、検査対
象物の溶接時の溶接熱により組織変化を生じた溶融部と
組織変化を生じない母材との組織境界面の透過画像を検
出する境界面検出手段と、この境界面検出手段により処
理された処理画像の各々の濃度や形状寸法等のデータを
それぞれ予め設定されている同基準値と比較して、各ス
ポット溶接部の良否を判別する検査手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0019】請求項11の発明は、上記請求項4のX線
による溶接検査装置を用いた溶接装置であって、該溶接
検査装置と、検査対象物を溶接して溶接部を形成する溶
接手段と、上記溶接検査装置により検査された溶接部の
検査結果に基づいて上記溶接手段による溶接条件を設定
する溶接条件設定手段とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0020】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、検査
対象物の溶接部にX線が照射されてその透過画像が得ら
れ、この透過画像から、溶接時の溶接熱により組織変化
を生じた溶融部と組織変化を生じない母材との組織境界
面の透過画像が検出される。すなわち、溶接部にX線が
照射されたとき、そのX線は溶接部の溶融部と母材との
組織境界面で散乱等の相互作用を受け、この相互作用に
よってX線透過量が減衰され、この透過量の減衰により
上記組織境界面の透過画像が得られる。そして、この組
織境界面の透過画像を検出してその少なくとも濃度及び
形状に基づいて溶接部が検査される。
【0021】また、請求項4の発明では、X線照射手段
からX線が検査対象物の溶接部に照射されると、このX
線は溶接部を透過して透過X線となり、この透過X線を
画像生成手段が受けて溶接部の透過画像が得られる。そ
して、境界面検出手段では、上記画像生成手段による透
過画像から、上記と同様にして、溶接部に溶接熱により
組織変化を生じた溶融部と組織変化を生じない母材との
組織境界面の透過画像が検出され、検査手段で上記境界
面検出手段による組織境界面の透過画像の少なくとも濃
度及び形状に基づいて溶接部が検査される。従って、こ
れら請求項1又は4の発明では、X線により検査対象物
の溶接部の大きさや形状を検出して、その溶接部の溶接
が良好に行われたかどうかを正確に判定することができ
る。
【0022】請求項2又は7の発明では、複数の板材同
士をスポット溶接するスポット溶接部の良否を正確に検
査することができる。
【0023】請求項3の発明では、X線がスポット溶接
部に対し組織境界面と略直角な方向から照射されるの
で、その組織境界面でのX線の散乱等の作用量が大きく
なり、組織境界面の画像が明確になってそれを容易に検
出することができる。
【0024】請求項5の発明では、検査対象物の溶接部
を透過したX線は画像生成手段としてのフィルム又は蛍
光板で捕らえられてそれに透過画像が現され、このフィ
ルム又は蛍光板に現れた透過画像がテレビカメラにより
撮影される。このテレビカメラで撮影された透過画像は
境界面検出手段で画像処理され、この処理画像から組織
境界面の画像が検出される。よって、透過X線による透
過画像を生成する画像生成手段、及び組織境界面の画像
を検出するための検出手段を具体化でき、しかもその検
出を容易に正確に行うことができる。
【0025】請求項6の発明では、検査手段において、
境界面検出手段により2値化された2値化画像の数値デ
ータが、予め設定されている組織境界面の画像の濃度及
び形状寸法の基準値と比較され、この比較結果を基に溶
接部の良否が検査される。従って、溶接部の組織境界面
からその良否を検査するための検査手段を具体化して、
その検査を容易に正確に行うことができる。
【0026】請求項8の発明では、2つの溶接対象同士
をプロジェクション溶接するプロジェクション溶接部の
良否を正確に検査することができる。
【0027】請求項9の発明では、2つの溶接対象同士
をスタッド溶接するスタッド溶接部の良否を正確に検査
することができる。
【0028】請求項10の発明では、検査対象物のスポ
ット溶接部を検査する場合、その検査対象物は支持台に
支持され、この支持台上の検査対象物の最初の区画範囲
にX線照射手段からX線が照射される。このX線は検査
対象物を透過して透過X線となり、この透過X線は支持
台に対しX線照射手段と反対側にある画像生成手段に受
けられて、該画像生成手段にX線透過画像が現れる。次
いで、走査手段により上記支持台とX線照射手段及び画
像生成手段との一方が他方に対し相対移動された後、検
査対象物の次の区画範囲にX線が照射されて、その透過
画像が画像生成手段に現れる。このようにしてX線照射
手段からのX線が検査対象物の所定の区画範囲毎に順次
透過され、上記画像生成手段に上記区画範囲毎のX線透
過画像が順に得られ、これら複数の透過画像はそれぞれ
順次テレビカメラにより撮影される。さらに、このテレ
ビカメラによる各撮影画像は、境界面検出手段で明るさ
について2値化処理等の処理が行われ、検査対象物の各
スポット溶接部において溶接時の溶接熱により組織変化
を生じた溶融部と組織変化を生じない母材との組織境界
面の画像が検出される。そして、検査手段では、上記境
界面検出手段により処理された処理画像の各々の濃度や
形状寸法等のデータがそれぞれ予め設定されている同基
準値と比較され、各スポット溶接部の良否が判別され
る。従って、検査対象物における複数のスポット溶接部
を区画範囲毎に分けてそれぞれ順に自動的に検査するこ
とができる。
【0029】請求項11の発明では、請求項4の溶接検
査装置により溶接部が検査されると、その溶接検査装置
により検査された溶接部の検査結果に基づいて溶接手段
による溶接条件が溶接条件設定手段において設定され
る。従って、溶接検査装置を組み込んだ溶接装置が得ら
れ、溶接部の良否の検査結果を溶接手段の溶接条件にフ
ィードバックして、溶接条件を適正状態に保つことがで
き、溶接不良を低減して溶接部の品質を向上させること
ができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図4は本発明の実施例に係るX線による溶接検査
装置の全体構成を示し、この検査装置は、例えばパネル
材(板材)同士を複数の箇所でスポット溶接して自動車
の車体部品としてのシュラウドメンバを製造する際に、
そのシュラウドメンバを検査対象物41としてその各ス
ポット溶接部44の溶接状態の良否を自動的に検査する
ものである。
【0031】図4において、1は箱状の基台で、その上
面には水平方向の一方に長い矩形フレーム状の支持台2
が長さ方向に移動可能に取付支持され、この支持台2の
長さ方向の両端部にはそれぞれワーク支持部3,3が相
対するワーク支持部3,3との間で検査対象物41を所
定の姿勢で支持するように設けられている。
【0032】また、上記支持台2を検査対象物41と共
に長さ方向に移動させるモータ等のアクチュエータ5が
設けられ、このアクチュエータ5は、走査機構シーケン
サ6のシーケンサ信号に応じてアクチュエータ5を作動
制御する走査機構コントローラ6に接続されており、こ
れらアクチュエータ5、走査機構シーケンサ6及び走査
機構コントローラ7により支持台2を移動させる走査装
置8が構成されている。そして、この走査装置8により
支持台2を、後述する基台1上面の蛍光板13及び該蛍
光板13の真上に位置するX線管10に対し、X線管1
0からのX線が検査対象物41を例えば長さ方向に複数
に区画した区画範囲毎に順次透過されて蛍光板13上に
区画範囲毎のX線透過画像が得られるように相対移動さ
せる。
【0033】上記支持台2の上方には基台1の略真上位
置に支持台2上の検査対象物41にX線を照射するX線
照射手段としてのX線管10が配設されている。このX
線管10にはX線発生ユニット11の出力が接続されて
おり、X線発生ユニット11の作動によりX線管10か
ら下方に向かうX線を発生させてそれを支持台2上の検
査対象物41に照射するようにしている。
【0034】上記基台1の上面は開口され、その開口に
は画像生成手段としての蛍光板13が配置されている。
すなわち、この蛍光板13は上記支持台2に対しX線管
10と反対側たる下側にX線管10に上下に対応して配
設されており、この蛍光板13において、上記X線管1
0から検査対象物41に照射されたX線を直接、又は検
査対象物41を透過した透過X線としてそれぞれ受けて
検査対象物41のX線透過画像を現すようにしている。
【0035】上記基台1内部には、テレビカメラ15が
そのレンズ部(図示せず)を上方つまり基台1上面の上
記蛍光板13に向けて収容固定されており、このテレビ
カメラ15において、上記走査装置8の作動により基台
1上面の蛍光板13で検査対象物41の区画範囲毎に順
に得られた複数の透過画像をそれぞれ順次撮影して電気
信号に変換するようにしている。
【0036】上記テレビカメラ15の出力は画像演算装
置17を経てパソコン19に接続されている。この画像
演算装置17は、テレビカメラ15による撮影画像を処
理して、図1に示す各スポット溶接部44のナゲット4
5の径等を判別し易くするもので、テレビカメラ15で
撮影された各透過画像に対し例えば明るさについて2値
化する等の処理をする。そして、この画像演算装置17
と、パソコン19における一部の信号処理機能とで境界
面検出手段が構成されており、この境界面検出手段によ
り、検査対象物41の各スポット溶接部44において溶
接時の溶接熱により組織変化を生じた溶融部としてのナ
ゲット45と組織変化を生じない母材46との組織境界
面47の画像を検出する。
【0037】ここで、上記各スポット溶接部44の組織
境界面47によるX線透過画像について図1及び図2に
より説明する。上記各スポット溶接部44では、図3に
拡大詳示するように、重合された2枚のパネル材42,
42が各々の裏面にてナゲット45で接合され、各パネ
ル材42の表面にはナゲット45の中心から周縁近傍に
かけて溶接時の加圧力により凹陥部49が形成され、そ
の凹陥部49の周囲は盛り上がっており、この盛上り部
50尖端での検査対象物41の厚さt1は例えばt1=
3.1mmとされ、凹陥部49底部での同厚さt2は例
えばt2=2.67mmとされている。
【0038】また、溶接部44のナゲット45は各パネ
ル材42においてその表面側から裏面側に向かって径が
大きくなるように円錐台形状とされている。つまり、こ
のナゲット45と母材46との組織境界面47は各パネ
ル材42の表面側から裏面側に向かって径が大きくなる
ように逆テーパ状に広がっている。
【0039】そして、図1又は図2に示すように、斯か
るスポット溶接部44にX線が照射されたとき、そのX
線は溶接部44の溶融部としてのナゲット45と母材4
6との組織境界面47で散乱等の相互作用を受け、この
相互作用によってX線透過量が減衰される。この組織境
界面47によって透過量を減衰された透過X線の強度
は、減衰を受けていない他の透過X線よりも弱くなるの
で、その透過X線を蛍光板13で受けると、その部分は
蛍光板13上に蛍光の明るさが低くて暗い部分となって
現れる。よって、この暗い部分から上記組織境界面47
の透過画像を検出することができる。
【0040】すなわち、一般に、吸収体(ここでは2枚
のパネル材42,42からなる検査対象物41)を強度
0 のX線が透過するとき、透過X線の強度Iは次式
で表される。
【0041】I=I0 ・B・e−μt … ここで、tは吸収体の厚さである。μは吸収係数であっ
て、吸収体の密度(鋼板では7.89g/cm3 )、厚
さt及びX線の強度(電圧kV)により変化し、以下の
式により算出される。
【0042】μ=τ+σT +σCS+σCA … τは光電吸収係数、σT はトムソン散乱係数、σCSはコ
ンプトン散乱係数の光量子の散乱部分(散乱X線)、σ
CAはコンプトン散乱係数の反跳電子吸収部分である。例
えば100kVの電圧のX線が鋼板に入射されたときの
吸収係数μの値は、 μ=0.372(cm2 /g)×密度=2.9(1/c
m) となる。
【0043】また、Bは再生係数で、以下の式により
算出される。
【0044】B=(I+IS )/I … IS は2次X線の強さの総和で、 IS =I/(τ+σT ) で得られる。
【0045】したがって、X線の電圧が100kVであ
るとき、 IS =I/(0.206+0.028)×9.8=0.
43×I B=(1+0.43)I/I=1.43 となる。
【0046】そして、上記実施例の構成において、2枚
のパネル材42,42を重ねた検査対象物41全体の厚
さtがt=t1(=3.1mm)のときと、t=t2
(=2.67mm)であるときとの各々についてのX線
透過量の比Aは以下の式から求められる。
【0047】 A=(I0 ・B・e−μt1)/(I0 ・B・e−μt2) =1.135 … よって、上記厚さt1,t2の差、換言すればナゲット
45の凹陥部49の底部とその周囲の盛上り部50との
厚さ部分の差はX線透過画像には現れず、その透過画像
に現れているものは組織境界面47によるものである。
【0048】より具体的には、図2(a)に示す如く、
X線をパネル材42,42の表面と直交方向から上記組
織境界面47と略平行となるように照射したとき、その
X線透過画像は図2(b)に示されるようになり、溶接
時の溶接熱により組織変化を生じたナゲット45(溶融
部)と組織変化を生じない母材46との組織境界面47
の画像は同心状に重なったリング状に現れる。
【0049】一方、図1(a)に示すように、X線をパ
ネル材42,42の表面と所定角度θ(例えばθ=30
°)だけ傾斜した方向から上記組織境界面47と略直角
となるように照射したとき(具体的には組織境界面47
のうち、図1(a)の上部左側部分及び下部右側部分が
略直角方向となる)、そのX線透過画像は図1(b)に
示されるようになり、溶接時の溶接熱により組織変化を
生じた溶融部としてのナゲット45と組織変化を生じな
い母材46との組織境界面47の画像は斜めのリング状
に現れる。そして、このようにX線をスポット溶接部4
4に対し組織境界面47と略直角な方向から照射するこ
とで、X線を組織境界面47と略平行に照射したとき
(図2(a)の状態)と比べ、その組織境界面47での
X線の散乱等の作用量が大きくなり、組織境界面47を
容易に検出することができる。
【0050】上記の如く、上記画像演算装置17の出力
信号はパソコン19に入力され、このパソコン19にお
ける他の信号処理機能で検査手段が構成されており、こ
の検査手段で、上記画像演算装置17により2値化処理
等の処理をされた処理画像の各々の濃度や形状寸法等の
データをそれぞれ予め設定されている同データの基準値
と比較して、各スポット溶接部44の良否を判別するよ
うになされている。尚、上記パソコン19は、上記X線
発生ユニット11及び走査装置8の走査機構シーケンサ
6にそれぞれ制御信号を出力して、X線の発生動作及び
走査装置8の作動を制御する信号処理機能をも有する。
【0051】次に、上記実施例の作動について説明す
る。まず、検査しようとするスポット溶接後の検査対象
物41(シュラウドメンバ)を支持台2上のワーク支持
部3,3間に支持し、支持台2を移動方向の始端側位置
に移動させて検査対象物41の最初の区画範囲をX線管
10の真下位置(基台1上面における蛍光板13の真上
位置)に位置付けた後、この支持台2上の検査対象物4
1に上方のX線管10からX線を照射する。このX線は
基本的に支持台2上の上記検査対象物41における最初
の区画範囲を透過した後に基台1上面の蛍光板13に入
射する。このため、蛍光板13においてX線の入射した
部分が発光し、その発光部分は入射X線強度の大きいほ
ど明るくなり、このことで蛍光板13にスポット溶接部
44を含む検査対象物41のX線透過画像が得られる。
【0052】さらに、上記蛍光板13上のX線透過画像
はテレビカメラ15により撮影され、そのテレビカメラ
15から画像信号が出力されて画像演算装置17に入力
される。この画像演算装置17においては、テレビカメ
ラ15により撮影されたX線透過画像がその明るさにつ
いて明暗の2種類に2値化される等の画像処理をされ、
この画像演算装置17の検出結果は信号としてパソコン
19に入力される。そして、このパソコン19におい
て、画像演算装置17による処理画像から検査対象物4
1の各スポット溶接部44において溶接時の溶接熱によ
り組織変化を生じた溶融部としてのナゲット45と組織
変化を生じない母材46との組織境界面47の画像が検
出されるとともに、画像演算装置17による処理画像の
各々の濃度や形状寸法等のデータが、それぞれ予め先に
設定されている基準値と比較されて、各スポット溶接部
44の良否が判別される。以上で、検査対象物41にお
ける最初の区画範囲における各スポット溶接部44が検
査される。
【0053】よって、こうして組織境界面47のX線透
過画像から各スポット溶接部44のナゲット45の形状
や大きさを検出して、その基準値との比較によってスポ
ット溶接部44の良否を判定することができる。
【0054】以上のようにして検査対象物41の最初の
区画範囲の各スポット溶接部44の良否を判定した後、
アクチュエータ5の作動により支持台2を移動させて検
査対象物41の次の区画範囲をX線管10の真下位置に
位置付け、その後、その検査対象物41の該区画範囲に
上記と同様にしてX線を照射し、その透過画像を蛍光板
13上に得てテレビカメラ15で撮影し、その画像を処
理して各溶接部44の組織境界面47を検出し、しかる
後に組織境界面47から溶接部44の良否を判定する。
以後、支持台2を移動方向の終端側位置まで移動させな
がら、上記と同様にして検査対象物41の各区画範囲に
おける溶接部44を順に判定する。こうすることで、検
査対象物41における複数のスポット溶接部44をそれ
ぞれ順に自動的に検査することができる。
【0055】この実施例では、検査対象物41の各区画
範囲におけるスポット溶接部44を透過したX線により
蛍光板13上にX線透過画像を出現させ、このX線透過
画像をテレビカメラ15により撮影して、その撮影画像
を画像演算装置17で処理し、この処理画像から組織境
界面47の画像の濃度や形状寸法等を検出するので、検
査対象物41の各スポット溶接部44における組織境界
面47の画像を具体的にかつ容易に検出することができ
る。
【0056】また、パソコン19において、上記画像演
算装置17にて処理された処理画像の濃度や形状寸法等
のデータを、予め設定されている同データの基準値と比
較し、この比較結果を基にスポット溶接部44の良否を
検査するので、溶接部44の検査を具体的にかつ容易に
正確に行うことができる。
【0057】尚、本発明者は、図5及び図6に示すよう
に、同じ板厚の2枚のパネル材42,42を5つの打点
位置A〜Eで各打点位置A〜Eの溶接条件を異ならせて
スポット溶接した試験片を2つ作製し、その一方につい
ては上記のようにしてX線透過画像(非破壊検査)によ
り各スポット溶接部を検査した。また、他方の試験片に
ついては破壊(破壊検査)して各スポット溶接部44の
検査を行って、そのナゲット径を実測した。尚、試験片
の作製条件を表1に示す。試験片における各パネル材4
2の材質はみがき鋼板(SPC1−N)及び亜鉛めっき
鋼板の2種類である。
【0058】
【表1】
【0059】この試験によれば、本発明の方法による検
査結果は破壊検査と同等の結果が得られ、十分な実用性
を有することが判った。
【0060】(他の実施例)上記実施例では、走査装置
8による支持台2の移動によって検査対象物41を区画
範囲毎に移動させ、その区画範囲毎の各スポット溶接部
44を順に検査するようにしているが、本発明は、1つ
のスポット溶接部44を検査する場合にも適用すること
ができるのは勿論である。すなわち、検査対象物41の
スポット溶接部44にX線管10からのX線を照射して
得られる蛍光板13上のX線透過画像から、スポット溶
接部44において溶接時の溶接熱により組織変化を生じ
たナゲット45と組織変化を生じない母材46との組織
境界面47の透過画像を検出し、この組織境界面47の
透過画像の少なくとも濃度及び形状に基づいてスポット
溶接部44の良否を判定すればよい。
【0061】また、上記実施例では、透過X線によるX
線透過画像を現出するための画像生成手段を蛍光板13
としているが、その他、上記のような連続的な検査には
向かないが必要に応じて、X線に感光するX線用フィル
ムを使用することもできる。
【0062】また、上記実施例は検査対象物41がスポ
ット溶接部44を有する場合の例であるが、その他の溶
接方法によって溶接された溶接部についても、上記と同
様にして検査対象物における溶融部と母材との間の組織
境界面を検出することで、その溶接の良否を検査するこ
とができる。
【0063】例えば、図7はプロジェクション溶接の場
合を、また図8はスタッド溶接の場合をそれぞれ示して
いる。上記プロジェクション溶接は、例えば2つの溶接
対象の一方としてのナット53を他方としてのパネル材
54の表面に溶接するもので、上記ナット53の下面隅
角部には突起53a,53a,…が形成されている。そ
して、ナット53をパネル材54表面の溶接箇所にナッ
ト53の各突起53aがパネル材54に接した状態で載
置し、ナット53の上面から一方の電極21を、またパ
ネル材54の下面から他方の電極22をそれぞれ押し当
てて両電極21,22間でナット53及びパネル材54
を挟持し、その状態で両電極21,22間に電流を流す
ことにより、その電流でナット53の突起53a,53
a,…を溶融させてパネル材54の表面に溶着させるよ
うになっている。
【0064】一方、スタッド溶接は、2つの溶接対象の
一方としてのボルト55(スタッドボルト)の頭部55
aを他方としてのパネル材54の表面に溶接するもので
ある。そして、ボルト55を、スパークシールド24内
の電極を兼ねるチャック25によりねじ部55bにて頭
部55aがチャック25から出るように掴んで、パネル
材54表面の溶接箇所にボルト55の頭部55aがパネ
ル材54から離れた状態で支持し(図8(a))、スパ
ークシールド24をパネル材54表面に当接させた状態
でチャック25と共にボルト55を下降させて頭部55
aをパネル材54表面に当接させた(図8(b))後
に、チャック25をパネル材54との間に、予め蓄えて
いる電荷による電圧を印加しながら上昇させてボルト5
5とパネル材54との間に低電流のパイロットアークを
発生させ(図8(c))、その後、全ての電荷を放電さ
せてボルト55の頭部55aとそれに対向するパネル材
54表面とを溶融させた状態で(図8(d))、チャッ
ク25を下降させてボルト55の頭部55aをパネル材
54に押し付ける(図8(e))ことにより、ボルト5
5の頭部55aを溶融させてパネル材54の表面に溶着
させる。
【0065】これらプロジェクション溶接やスタッド溶
接の場合でも、上記実施例と同様にしてX線透過画像か
ら各溶接部における溶融部と母材との間の組織境界面を
検出すればよく、その溶接の良否を正確に検査できる。
【0066】また、上記実施例で説明した溶接検査装置
を溶接装置に組み込み、溶接検査装置の検査データをフ
ィードバックしながら溶接の際の溶接条件を制御するよ
うにしてもよい。
【0067】その一例を例示すると、図9はスポット溶
接装置の全体構成を示し、26は複数枚のパネル材(図
示せず)を挟んでスポット溶接する溶接手段としてのス
ポット溶接機で、その通電制御システムが周知のものと
は異なる。すなわち、この溶接機26は周知構造のもの
で、例えば上下に間隔をあけて対向配置された1対の電
極27,28を有し、上側電極27はアッパアーム29
の先端部に、また下側電極28はロアアーム30の先端
部にそれぞれ固定されている。上記両アーム29,30
の中間部同士は揺動軸31によりそれぞれ揺動可能に連
結支持され、両アーム29,30の後端部(先端部と反
対側)間にはエアシリンダ32が架設されており、この
シリンダ32の伸縮作動によりアーム29,30を揺動
させて上下電極27,28を同士を互いに接離させ、両
電極27,28の間隔を変える。そして、シリンダ32
の収縮作動により両電極27,28の間隔を拡げてお
き、両電極27,28間に溶接しようとするパネル材を
重ね合わせて配置しておき、シリンダ32の伸長作動に
より上下電極27,28を接近させ、両電極27,28
により両パネル材を所定の加圧力で加圧するとともに、
その加圧状態で後述の電源36から電極27,28間に
電流を流すようになっている。
【0068】そして、上記両電極27,28はトランス
34及び制御装置35を介して電源36に接続されてい
る。さらに、制御装置35は溶接条件設定装置37に接
続されており、この溶接条件設定装置37により溶接機
26によるスポット溶接の溶接条件を設定し、制御装置
35において、上記設定された溶接条件となるように電
極27,28によるパネル材の加圧状態で電極27,2
8間に通電するとともに、両パネル同士が抵抗溶接され
るように電極27,28間に流れる電流の大きさ及び通
電時間を制御する。そして、この溶接条件設定装置37
には上記実施例の溶接検査装置で示したパソコン19が
接続されており、溶接条件設定装置37において、溶接
検査装置のパソコン19にて検査されたスポット溶接部
44の検査結果に基づいて上記制御装置35によるスポ
ット溶接部44の溶接条件を設定するようにしている。
【0069】このように溶接機26に溶接検査装置を組
み込めば、溶接機26で溶接した溶接部44の良否を検
査して、その検査結果をリアルタイムで溶接機26の溶
接条件にフィードバックさせ、溶接条件を適正状態に安
定して保つことができ、溶接不良を低減して溶接部44
の品質を向上させることができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は4の
発明によると、検査対象物の溶接部にX線を照射して得
られるX線透過画像から、溶接部において溶接時の溶接
熱により組織変化を生じた溶融部と組織変化を生じない
母材との組織境界面の透過画像を検出し、この組織境界
面の透過画像の少なくとも濃度及び形状に基づいて溶接
部を検査するようにしたことにより、X線により検査対
象物の溶接部の大きさや形状を検出して、その溶接部の
良否の検査を正確に行うことができる。
【0071】請求項2又は7の発明によると、溶接部は
スポット溶接部としたことで、複数の板材同士をスポッ
ト溶接するスポット溶接部の検査を正確に行うことがで
きる。
【0072】請求項3の発明では、X線をスポット溶接
部に対し組織境界面と略直角な方向から照射することに
より、組織境界面でのX線の散乱等の作用量を大きくで
き、組織境界面の検出の容易化を図ることができる。
【0073】請求項5の発明によると、X線により反応
して透過画像を現すフィルム又は蛍光板と、このフィル
ム又は蛍光板に現れた透過画像を撮影するテレビカメラ
とを設け、このテレビカメラで撮影された透過画像を画
像処理し、その処理画像から組織境界面を検査するよう
にしたことにより、透過X線による透過画像を生成する
画像生成手段、及び組織境界面の画像を検出するための
検出手段を具体化して、組織境界面の画像の検出の容易
化を図ることができる。
【0074】請求項6の発明によると、さらに、上記画
像演算手段による処理画像の濃度や形状寸法等のデータ
を、予め設定されている同データの基準値と比較して、
溶接部の良否を検査するようにしたことにより、溶接部
の組織境界面からその良否を検査するための検査手段を
具体化でき、その検査の容易化を図ることができる。
【0075】請求項8の発明によると、溶接部は、2つ
の溶接対象同士をプロジェクション溶接するプロジェク
ション溶接部としたことにより、プロジェクション溶接
部の検査の容易化を図ることができる。
【0076】請求項9の発明によると、溶接部は、2つ
の溶接対象同士をスタッド溶接するスタッド溶接部とし
たことにより、スタッド溶接部の検査の容易化を図るこ
とができる。
【0077】請求項10の発明によると、複数のスポッ
ト溶接部を有する検査対象物を支持台に支持し、この支
持台上の検査対象物にX線を照射して該X線が検査対象
物を透過した透過X線により画像生成手段でX線透過画
像を生成しながら、支持台とX線照射手段及び画像生成
手段との一方を他方に対し、X線照射手段からのX線が
検査対象物の所定の区画範囲毎に順次透過されて画像生
成手段が区画範囲毎のX線透過画像を得るように相対移
動させ、この画像生成手段で得られる複数の透過画像を
それぞれ順次テレビカメラで撮影し、このテレビカメラ
で撮影された各透過画像を処理して、検査対象物の各ス
ポット溶接部において溶接時の溶接熱により組織変化を
生じた溶融部と組織変化を生じない母材との組織境界面
の画像を検出するとともに、上記処理された画像の各々
のデータをそれぞれ予め設定されている基準値と比較し
て、各スポット溶接部の良否を判別するようにしたこと
により、検査対象物に複数のスポット溶接部があっても
それらを順に自動的に検査でき、複数のスポット溶接部
の検査の自動化を図ることができる。
【0078】請求項11の発明によると、請求項4の溶
接検査装置により検査された溶接部の検査結果に基づ
き、溶接手段の溶接条件を設定するようにしたことで、
X線透過による溶接検査装置を組み込んだ溶接装置を得
ることができ、溶接部の検査結果のフィードバックによ
り溶接条件を適正状態に保って、溶接部の品質の向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において検査対象物のスポット
溶接部に対し対象物表面の斜め方向からX線を照射した
ときの溶接部のX線透過画像を溶接部と対比して示す図
である。
【図2】本発明の実施例において検査対象物のスポット
溶接部に対象物表面と直交する方向からX線を照射した
ときの図1相当図である。
【図3】スポット溶接部の拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る溶接検査装置の全体構成
を示す図である。
【図5】スポット溶接部を検査するための試験片の平面
図である。
【図6】スポット溶接部を検査するための試験片の側面
図である。
【図7】プロジェクション溶接の原理を示す図である。
【図8】スタッド溶接の原理を示す行程図である。
【図9】溶接検査装置を組み込んだスポット溶接装置の
例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
2 支持台 8 走査装置(走査手段) 10 X線管(X線照射手段) 13 蛍光板(画像生成手段) 15 テレビカメラ 17 画像演算装置(境界面検出手段) 19 パソコン(境界面検出手段及び検査手段) 26 スポット溶接機(溶接手段) 35 制御装置 37 溶接条件設定装置(溶接条件設定手段) 41 検査対象物 42 パネル材(板材) 44 スポット溶接部 45 ナゲット(溶融部) 46 母材 47 組織境界面 53 ナット(溶接対象) 54 パネル材(溶接対象) 55 ボルト(溶接対象)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象物の溶接部にX線を照射して得
    られるX線透過画像から、溶接部において溶接時の溶接
    熱により組織変化を生じた溶融部と組織変化を生じない
    母材との組織境界面の透過画像を検出し、 上記組織境界面の透過画像の少なくとも濃度及び形状に
    基づいて溶接部を検査することを特徴とするX線による
    溶接検査方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線による溶接検査方法
    において、 溶接部は、複数の板材同士をスポット溶接するスポット
    溶接部であることを特徴とするX線による溶接検査方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のX線による溶接検査方法
    において、 X線をスポット溶接部に対し組織境界面と略直角な方向
    から照射することを特徴とするX線による溶接検査方
    法。
  4. 【請求項4】 X線を検査対象物の溶接部に照射するX
    線照射手段と、 上記X線照射手段からのX線が溶接部を透過した透過X
    線を受けて溶接部の透過画像を現す画像生成手段と、 上記画像生成手段により得られた透過画像から、溶接部
    において溶接時の溶接熱により組織変化を生じた溶融部
    と組織変化を生じない母材との組織境界面の透過画像を
    検出する境界面検出手段と、 上記境界面検出手段による組織境界面の透過画像の少な
    くとも濃度及び形状に基づいて溶接部を検査する検査手
    段とを備えていることを特徴とするX線による溶接検査
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のX線による溶接検査装置
    において、 画像生成手段は、X線により反応して透過画像を現すフ
    ィルム又は蛍光板からなり、 上記フィルム又は蛍光板に現れた透過画像を撮影するテ
    レビカメラが設けられ、 境界面検出手段は、上記テレビカメラで撮影された透過
    画像を処理して、該処理画像から組織境界面を検出する
    ように構成されていることを特徴とするX線による溶接
    検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のX線による溶接検査装置
    において、 検査手段は、境界面検出手段により処理された処理画像
    の濃度や形状寸法等のデータを、予め設定されている基
    準値と比較して、溶接部の良否を検査するように構成さ
    れていることを特徴とするX線による溶接検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項3、4又は5記載のX線による溶
    接検査装置において、 溶接部は、複数の板材同士をスポット溶接するスポット
    溶接部であることを特徴とするX線による溶接検査装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項3、4又は5記載のX線による溶
    接検査装置において、 溶接部は、2つの溶接対象同士をプロジェクション溶接
    するプロジェクション溶接部であることを特徴とするX
    線による溶接検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項3、4又は5記載のX線による溶
    接検査装置において、 溶接部は、2つの溶接対象同士をスタッド溶接するスタ
    ッド溶接部であることを特徴とするX線による溶接検査
    装置。
  10. 【請求項10】 複数のスポット溶接部を有する検査対
    象物を支持する支持台と、 上記支持台上の検査対象物にX線を照射するX線照射手
    段と、 上記支持台に対し上記X線照射手段と反対側にかつX線
    照射手段に対応して配設され、X線照射手段からのX線
    が検査対象物を透過した透過X線を受けてX線透過画像
    を得る画像生成手段と、 上記支持台とX線照射手段及び画像生成手段との一方を
    他方に対し、X線照射手段からのX線が検査対象物の所
    定の区画範囲毎に順次透過されて画像生成手段で区画範
    囲毎のX線透過画像が得られるように相対移動させる走
    査手段と、 上記走査手段の作動により画像生成手段で得られた検査
    対象物の区画範囲毎の複数の透過画像をそれぞれ順次撮
    影するテレビカメラと、 上記テレビカメラで撮影された各透過画像を処理して、
    検査対象物の各スポット溶接部において溶接時の溶接熱
    により組織変化を生じた溶融部と組織変化を生じない母
    材との組織境界面の画像を検出する境界面検出手段と、 上記境界面検出手段により処理された処理画像の各々の
    濃度や形状寸法等のデータをそれぞれ予め設定されてい
    る基準値と比較して、各スポット溶接部の良否を判別す
    る検査手段とを備えたことを特徴とするX線による溶接
    検査装置。
  11. 【請求項11】 請求項4記載のX線による溶接検査装
    置と、 検査対象物を溶接して溶接部を形成する溶接手段と、 上記溶接検査装置により検査された溶接部の検査結果に
    基づいて上記溶接手段による溶接条件を設定する溶接条
    件設定手段とを備えたことを特徴とする溶接装置。
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