JP2633409B2 - 作業車の姿勢制御構造 - Google Patents

作業車の姿勢制御構造

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JP2633409B2 JP10997891A JP10997891A JP2633409B2 JP 2633409 B2 JP2633409 B2 JP 2633409B2 JP 10997891 A JP10997891 A JP 10997891A JP 10997891 A JP10997891 A JP 10997891A JP 2633409 B2 JP2633409 B2 JP 2633409B2
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hydraulic
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竜児 越智
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Kubota Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば乗用型田植機や農
用トラクタのように、機体に対する対地作業装置の姿勢
を変更操作する油圧シリンダと、地面に対して対地作業
装置が所定姿勢を維持するように油圧シリンダを伸縮操
作する姿勢制御手段とを備えた作業車の姿勢制御構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】以上のような作業車の一例として、苗植
付装置(対地作業装置に相当)を油圧シリンダにより昇
降操作(姿勢制御操作に相当)自在に、機体に連結して
いる乗用型田植機があり、この乗用型田植機では田面
(地面に相当)から苗植付装置が設定高さ(所定姿勢に
相当)を維持するように、油圧シリンダを伸縮駆動する
昇降制御手段(姿勢制御手段に相当)を備えている。こ
の場合、苗植付装置側及び機体側の細かい振動を吸収す
るために、油圧シリンダと苗植付装置との間にバネを設
けているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような乗用型田
植機では1組のエンジンにて走行用、苗植付装置用及び
前述の油圧シリンダの油圧ポンプ用の全ての動力をまか
なっている。従って、乗用型田植機が走行する圃場の深
さや泥の硬さ等により走行系に掛かる負荷が大きく変動
してエンジンの回転数が変動すると、油圧ポンプの回転
数、つまり、油圧ポンプの吐出量も変動する。このよう
に油圧ポンプの吐出量が変動すると、この油圧ポンプか
らの作動油にて伸縮する油圧シリンダが鋭敏に伸縮し過
ぎたり、油圧シリンダの伸縮開始が遅れ気味になったり
する場合が生じてしまう。
【0004】前述のバネはこのような油圧シリンダの伸
縮状態の変化を吸収する機能も持ってはいるが、一定の
バネ定数を持つバネだけでは油圧シリンダの伸縮状態の
大きな変化を完全には吸収できない場合があり、この油
圧シリンダによる苗植付装置の昇降制御が不安定なもの
となってしまう。本発明は油圧ポンプの吐出量の変動に
特に関係なく、油圧シリンダによる作業装置の姿勢変更
操作が極力安定して行われるように構成することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな作業車の姿勢制御構造において、次のように構成す
ることにある。つまり、バネと減衰作用が強弱に変更自
在なダンパーとを、姿勢変更用の油圧シリンダと対地作
業装置との間に並列に設けると共に、油圧シリンダ用の
油圧ポンプの吐出量を検出するセンサーを設けて、この
センサーの検出に基づき吐出量大のときにはダンパーの
減衰作用を弱める側に操作し、吐出量小のときにはダン
パーの減衰作用を強める側に操作する操作手段を備えて
いる。
【0006】
【作用】前述のように減衰作用を備えたダンパーはショ
ック吸収用のバネと一緒に並列使用されることが多く、
ショックを吸収したバネの振動を抑える減衰作用、つま
り、油圧シリンダに対する対地作業装置側の変位に抵抗
を与える作用を持っている。
【0007】従って、油圧ポンプが吐出量大のときには
油圧シリンダが鋭敏に伸縮し過ぎる場合があるので、こ
の場合にはダンパーの減衰作用が弱められる。つまり、
バネだけが油圧シリンダと対地作業装置の間に介在して
いるような状態になる。これにより、油圧シリンダが鋭
敏に伸縮しても、この動作がバネ及びダンパーに吸収さ
れて対地作業装置側に伝わらず、この対地作業装置の鋭
敏な姿勢変化が抑えられるのである。逆に、油圧ポンプ
が吐出量小のときには油圧シリンダの伸縮開始が遅れ気
味になる場合があるので、この場合にはダンパーの減衰
作用が強められる。つまり、油圧シリンダと対地作業装
置との間に何も介在させずに、互いに直接に連結してい
るような状態になる。これにより、油圧シリンダの伸縮
開始が遅れ気味になっても、油圧シリンダの伸縮開始と
略同時に対地作業装置の姿勢変更操作が開始されるので
ある。
【0008】
【発明の効果】以上のように、油圧ポンプの吐出量の変
動に伴い油圧シリンダの伸縮状態が変化しても、この変
化をバネ及びダンパーにより吸収して一定の状態に近い
状態で対地作業装置の姿勢変更操作が行えるようになっ
た。これにより、油圧ポンプの吐出量の変動に関係なく
対地作業装置の姿勢変更操作が安定して行えるようにな
り、対地作業装置の姿勢変更操作の精度向上を図ること
ができた。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。作業車の一例に乗用型田植機があり、図2に示す
ようにリンク機構2を介して苗植付装置1(対地作業装
置に相当)が昇降自在に、機体の後部に連結されてい
る。この苗植付装置1は植付ミッションケース3に備え
られた苗載置用の苗のせ台4、回転駆動式の植付ケース
5、この植付ケース5の両端に備えられて苗のせ台4か
ら苗を交互に取り出して田面G(地面に相当)に植え付
けて行く一対の植付アーム6、及び接地フロート21等
により構成されている。
【0010】図1及び図2に示すように、機体側に単動
型の油圧シリンダ7が取り付けられており、エンジン1
8にて駆動される油圧ポンプ19からの作動油が、3位
置切換式の制御弁14を介して油圧シリンダ7に供給さ
れている。そして、この油圧シリンダ7の先端とリンク
機構2とが、後述するダンパー8及びコイル型式のバネ
9を介して連結されている。植付ミッションケース3の
前部には、田面Gに接地追従して行く上下揺動式の接地
センサー10、及び、植付ミッションケース3に対する
接地センサー10の角度を検出するポテンショメータ1
1が設置されている。
【0011】以上の構造により、機体前部の操縦パネル
(図示せず)に設けられている操作レバー12を植付位
置に操作しておくと、接地センサー10のポテンショメ
ータ11からの信号に基づいて、苗植付装置1が田面G
から設定高さを維持するように、制御装置13により制
御弁14が切換操作され油圧シリンダ7が伸縮操作され
て、苗植付装置1の昇降制御(姿勢制御手段に相当)が
行われる。そして、操作レバー12を上昇位置U、中立
位置N及び下降位置Dに操作することにより、苗植付装
置1の強制的な昇降操作が行えるのであり、この状態に
おいては昇降制御は停止操作されている。
【0012】次に、油圧シリンダ7の先端に取り付けら
れるダンパー8及びバネ9について説明する。図1に示
すように、ダンパー8は内装されるピストン(図示せ
ず)の両側に一対に油室(図示せず)を形成して構成さ
れており、この両油室を接続する油路15に可変絞り弁
16が設けられている。これにより、ダンパー8が伸縮
すると一方の油室から他方の油室又は逆方向に作動油が
油路15を通り流入するので、この作動油の流れに対し
可変絞り弁16により抵抗を与えてダンパー8の伸縮及
び振動を抑えるのである(ダンパー8の減衰作用に相
当)。
【0013】そして、油圧シリンダ7の先端とリンク機
構2とに亘りダンパー8が架設連結されており、このダ
ンパー8の外側にバネ9が嵌め付けられている。これに
よって、ダンパー8及びバネ9が並列の状態で油圧シリ
ンダ7の先端とリンク機構2とに亘り取り付けられるこ
とになる。この場合、ダンパー8における可変絞り弁1
6の絞り開度は、アクチュエータ17(操作手段に相
当)により任意の開度に設定変更可能に構成されてい
る。又、エンジン18の回転数を検出する回転数センサ
ー20(油圧ポンプ19の吐出量を検出するセンサーに
相当)が設けられており、この回転数センサー20から
の検出値が制御装置13に入力される。
【0014】以上の構造により、操作レバー12を植付
位置に操作して苗植付装置1の昇降制御が行われている
間においては、回転数センサー20からの検出値に基づ
きエンジン18の回転数が所定値より高くなった場合
(油圧ポンプ19の吐出量大に相当)には、アクチュエ
ータ17により可変絞り弁16の絞り開度が開側(ダン
パー8の減衰作用を弱める側に相当)に自動的に操作さ
れるのである。逆に、エンジン18の回転数が所定値よ
り低くなった場合(油圧ポンプ19の吐出量小に相当)
には、アクチュエータ17によって可変絞り弁16の絞
り開度が閉側(ダンパー8の減衰作用を強める側に相
当)に自動的に操作されるのである。
【0015】〔別実施例〕前述の実施例においてはエン
ジン18の回転数(油圧ポンプ19の回転数)を油圧ポ
ンプ19の吐出量としているが、図1において油圧シリ
ンダ7と制御弁14との間に流量センサーを設けて、こ
の流量センサーの検出値に基づきダンパー8の減衰作用
の変更操作を行ってもよい。前述の実施例においては、
苗植付装置1の昇降制御に対してダンパー8を設けた
が、苗植付装置1をリンク機構2に対して左右にローリ
ング操作自在に取り付けると共に、このローリング操作
用として複動型の油圧シリンダ及び本発明のダンパー8
を設けてもよい。さらに、乗用型田植機ばかりでなく、
ロータリ耕耘装置(対地作業装置に相当)を備えた農用
トラクタにおいて、このロータリ耕耘装置の昇降制御又
はローリング制御に対して本発明を適用してもよい。
【0016】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降操作用の油圧シリンダ、ダンパー及びバネ
関係の概略回路図
【図2】乗用型田植機の全体側面図
【符号の説明】
1 対地作業装置 7 油圧シリンダ 8 ダンパー 9 バネ 17 操作手段 19 油圧ポンプ 20 センサー G 地面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体に対する対地作業装置(1)の姿勢
    を変更操作する油圧シリンダ(7)を備えて、地面
    (G)に対し前記対地作業装置(1)が所定姿勢を維持
    するように、前記油圧シリンダ(7)に油圧ポンプ(1
    9)からの作動油を給排操作して油圧シリンダ(7)を
    伸縮操作する姿勢制御手段を備えた作業車の姿勢制御構
    造であって、バネ(9)と減衰作用が強弱に変更自在な
    ダンパー(8)とを、前記油圧シリンダ(7)と対地作
    業装置(1)との間に並列に設けると共に、前記油圧ポ
    ンプ(19)の吐出量を検出するセンサー(20)を設
    けて、このセンサー(20)の検出に基づき吐出量大の
    ときには前記ダンパー(8)の減衰作用を弱める側に操
    作し、吐出量小のときには前記ダンパー(8)の減衰作
    用を強める側に操作する操作手段(17)を備えている
    作業車の姿勢制御構造。
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