JP2633352B2 - 構造物の制振方法およびその装置 - Google Patents

構造物の制振方法およびその装置

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JP2633352B2 JP11832289A JP11832289A JP2633352B2 JP 2633352 B2 JP2633352 B2 JP 2633352B2 JP 11832289 A JP11832289 A JP 11832289A JP 11832289 A JP11832289 A JP 11832289A JP 2633352 B2 JP2633352 B2 JP 2633352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、高層構造物の風,地震による振動を、傾
斜角を与えた容器内の物体の運動により、任意の周期・
方向に亘って能動的に抑止する方法およびその装置に関
する。
〔従来の技術〕
構造物に風荷重,地震荷重などが作用すると構造物に
は揺れを生じる。地震のように作用時間が比較的短い揺
れは、それ程問題にならないが、風のように長時間持続
する場合には、構造耐力上の問題とは別に居住性の検討
が必要になる。居住性を高めるためには、揺れの振動を
小さくすればよいので、そのために各種の防振・制振装
置が開発されている。その一例を挙げると、液体の慣性
力と粘性力を利用した、いわゆるTuned Liquid Damper
(TLD)の有効性が認められ、各方面での実用化が試み
られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のTLDによる制振機構は、構造物内に固定して設
置された液体容器自体が、揺れることによって生じるス
ロッシング効果を利用したものである。すなわち、この
制振機構は、容器の大きさと液体の深さとで決まる固有
周期をもっており、あらかじめ設定された特定の固有周
期をもつ振動系を構造物に付加し、付加振動系に構造物
の振動エネルギーを取り込んで、このエネルギーを減衰
機構によって消費し、その結果として構造物の振動を低
減するものである。したがって、構造物が付加振動系の
固有周期と同一周期の振動をしたときに限って、制振効
果が得られるようになっている。
ところが、構造物の振動性状は入力の性質に左右され
て変化するだけでなく、構造物の固有周期自体について
も振動のレベル(変形の大きさ)によって変化するとさ
れているので、効果的な制振を行うためには、付加振動
系の固有周期が任意に変化し得るものであることが望ま
しい。
しかし、上記のように、従来の制振機構は、あらかじ
め設定された特定の周期に対して、制振効果が得られる
にすぎないから、受動的な制御だけしかできないという
欠点がある。
この発明は、上記のような欠点を除去して、任意の周
期・方向の振動に対して能動的な振動制御ができる方法
およびその装置を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、構造物の制振方法の発明
においては、液体または粉粒体が収容された容器を、構
造物内に少なくとも一方向に正逆傾斜可能に設置し、こ
の容器に対して、風または地震により生じた構造物の振
動の性状に応じて振動方向とその反対方向とに交互に反
復する下向き傾斜角を与え、容器内の収容物体の流動に
より生じた慣性力および粘性力または摩擦力と、収容物
体が上下移動に際して与えられた位置エネルギーとによ
って、構造物の振動を抑止する構成としてある。
また、構造物の制振装置の発明においては、構造物内
に配置され、液体または粉粒体が収容された容器と、こ
の容器を少なくとも一個所で上下動自在に支持する傾斜
角制御装置と、風または地震により生じた構造物の振動
状況を検出するセンサーと、センサーの検出信号を入力
して計算機へ発信する振動計測装置と、振動計測装置の
出力信号を受けて構造物の振動状況に対応する容器の傾
斜方向と大きさおよびその反復周期とを判定し、制御指
令を発信する計算機と、計算機から入力された制御指令
を制御信号に変換する制御信号発生器とを備え、制御信
号発生器からの制御信号に基づいて前記容器の傾斜角制
御装置が作動する構成としてある。
〔実施例〕
第1図ないし第5図は、一方向の振動に対する制御機
構と、その作動状態の推移とを示したものである。
水、その他の液体1が収容された容器2の下面を、構
造物の床面21に取り付けた躯動脚3a,3bにより容器2の
長さ方向の2個所で支持してある。この躯動脚3a,3b
は、油圧または空圧シリンダによって構成され、伸縮自
在のロッド4a,4bが上下動するようになっている。
上記の容器2は、平常時においては第1図に示すよう
に水平に支持されているが、風または地震による外力が
構造物に加えられて、構造物が図示矢印方向(躯動脚3
a,3bを結ぶ直線と同一方向)の振動Aを始めたとき、第
2図に示すように一方の躯動脚3aを伸長し、他方の躯動
脚3bを縮小して、容器2に対して振動Aの方向に沿って
下向きの傾斜角を与える。これにより容器2内の液体1
は、容器2の傾斜方向に流動するから、容器2の底面に
は、これと逆方向の反力Bが生じる。
次いで、上記と反対に一方の躯動脚3aを縮小し、他方
の躯動脚3bを伸長すると、その過程で構造物の振動Aの
方向は第3図に示すように逆方向となるが、容器2内の
液体1は、容器2内での移動を持続しようとするために
容器2の側面に衝突する運動を起こし、容器2に対して
振動方向と反対方向の力(慣性力)Fを与える。
構造物の振動方向が逆方向になった時点で、第4図に
示すように、容器2の傾斜方向を第2図と反対方向に変
え、容器2内の液体1の流動方向を逆方向にする。
このようにして、第5図に示すように、容器2に対し
て第2図の場合と同一角度の傾斜角を反対方向に与える
と、構造物の振動Aの方向、液体1の流動方向、容器2
底面の反力Bの方向のすべてが、第2図の場合には逆の
方向となる。
上記のサイクルを繰り返すことにより、液体1の流動
による慣性力Fが構造物の振動Aの方向と逆向きに働く
ため、これが制振力として作用して構造物の振動を抑止
する。
容器2の反復傾斜周期を構造物の振動周期等の性状に
応じて適切に制御することにより、液体1の流動周期を
調整して構造物の振動周期と一致させることができる。
上記の容器2内の液体1の流動による振動制御には、
液体1の慣性力だけでなく、構造物の振動エネルギーが
液体1の運動エネルギーによって置換され、これを液体
1の粘性抵抗によって減衰させる力が関与している。
また、容器2内の液体1は、容器2の傾斜に伴って、
上下方向に移動する際に位置エネルギーが与えられるか
ら、このエネルギーによっても振動抑止力が生じる。
上記の位置エネルギーによる振動抑止力を、第6図に
よって説明する。同図(a)において物体5が傾斜した
容器2の底面2aを転がり落ちて移動するとき、物体5の
質量をm、容器2の傾斜角度をθとすると、物体5と容
器底面2aとの間には、底面2aの法線方向にm g cosθの
力が作用するから、容器2に対してはm g cosθの水平
分力であるm g cosθsinθが水平力として作用する。
物体5が転がり落ちながら同図(b)に示すように、
容器2の側壁面2bに衝突する直前の速度vは、物体5の
転落始点と側壁面2bとの間の水平距離をlとすると、 であるから、物体5に与えられた位置エネルギーが運動
エネルギーに変換されて、1/2mV2=m g l tanθにな
る。
物体5が同図(c)に示すように、容器側壁面2bに衝
突すると、その運動エネルギーの一部は、熱,音などに
変換されるが、運動量保存の法則から、F・t=m・v
の力が側壁面2bに対して垂直方向に発生する(Fは力の
大きさ、tは転落継続時間)。したがって、容器2に対
してはFの水平分力であるF・cosθが振動抑止力とし
て作用することになる。
上記の容器2においては、2個所に設けた躯動脚によ
って一方向の傾斜角制御を行うようにしてあるが、一方
向の制御を行う場合は、第7図に示すように、容器2の
1個所だけを躯動脚3aにより支持し、他の1個所は一定
の長さをもつ固定脚6に代えてもよい。
容器2の形状については、長方形,円形,楕円形など
のほか、ドーナツ形のチューブ状に成形したものを使用
することができる。
これらの容器の傾斜角は、躯動脚を2以上の個所に設
けることによって、多方向の制御を行うことができる。
第8図および第9図は、楕円形またはドーナツ形の容器
(全体形状の図示は省略)2について、全方向の傾斜制
御ができるようにした例である。第8図は、容器2の傾
斜角を3個所に離間して設けた躯動脚3a,3b,3cによって
制御する場合を示し、第9図は第8図の3個所のうちの
1個所を固定脚6に代え、他の2個所の躯動脚3b,3cに
よって制御する場合を示したものである。
なお、容器2に収容する物体については、液体に限ら
ず、容器2に傾斜角を与えることによって移動するもの
であればよく、たとえば、砂,鉄粉その外の鉱物粒子等
の粒体,粉体を収容してもよい。このような粉粒体を用
いた場合は、粉粒体相互間の摩擦抵抗が構造物の振動エ
ネルギーを減衰させる力として作用することになる。
次に、この発明の振動制御方法を実施するに必要な装
置について説明する。
第10図は、この発明の振動制御装置を高層構造物に用
いた場合を示す全体構成図である。
構造物20の屋上階に、液体または粉粒体1を収容した
容器2が、容器2の長さ方向の2個所に配置した上下動
自在の傾斜角制御装置(前述の躯動脚)3a,3bによって
支持されている。また、この構造物20内には振動検出セ
ンサー10が設置されている。
構造物20に地震荷重による外力P、または風荷重によ
る外力Qが作用して、これによる構造物20の動きを振動
検出センサー10が検出すると、その信号は振動計測装置
11を介して計算機12に発信される。計算機12は振動計測
装置11から入力された計測記録(振動の方向および周期
等)からこれに対応する適切な容器2の傾斜方向と大き
さおよびその反復周期とを判定し、制御信号発生器13に
制御指令を発信する。制御信号発生器13は計算機12から
入力された制御指令を制御信号に変換し、この信号を傾
斜角制御装置3a,3bに発信する。これにより傾斜角制御
装置3a,3bが振動状況に応じて交互に上下動して、容器
2の傾斜角を制御する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明の構造物の制振方法お
よびその装置によれば、液体または粉粒体が収容された
容器に傾斜角を与えて、収容物体の流動方向を構造物の
振動方向とその反対方向とに交互に変化させるように構
成しているから、容器の傾斜方向とその反復周期とを適
当に調整することにより、収容物体の流動周期を構造物
の振動周期に一致させることが可能となり、任意の周期
・方向に亘って能動的な制振効果が得られる。また、こ
の発明によれば、容器内に収容された物体の慣性力およ
び粘性力または摩擦力による振動抑止力だけでなく、収
容物体が上下移動する際に与えられた位置エネルギーに
よる振動抑止力も作用するから、従来のものよりも効率
の高い制振効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は、この発明の振動制御機構の作動
状態を示す説明図、第6図は物体が傾斜した容器の底面
を転がり落ちるときの力と容器との関係を示す説明図、
第7図ないし第9図は、それぞれ容器とその傾斜角制御
機構との実施例を示す斜視図、第10図はこの発明の振動
制御装置を示す全体構成図である。 図中、1は液体または粉粒体、2は容器、3a,3bは躯動
脚(傾斜角制御装置)、10は振動検出センサー、11は振
動計測装置、12は計算機、13は制御信号発生器、20は構
造物である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体または粉粒体が収容された容器を、構
    造物内に少なくとも一方向に正逆傾斜可能に設置し、こ
    の容器に対して、風または地震により生じた構造物の振
    動の性状に応じて振動方向とその反対方向とに交互に反
    復する下向き傾斜角を与え、容器内の収容物体の流動に
    より生じた慣性力および粘性力または摩擦力と、収容物
    体が上下移動に際して与えられた位置エネルギーとによ
    って、構造物の振動を抑止することを特徴とする構造物
    の制振方法。
  2. 【請求項2】構造物内に配置され、液体または粉粒体が
    収容された容器と、この容器を少なくとも一個所で上下
    動自在に支持する傾斜角制御装置と、風または地震によ
    り生じた構造物の振動状況を検出するセンサーと、セン
    サーの検出信号を入力して計算機へ発信する振動計測装
    置と、振動計測装置の出力信号を受けて構造物の振動状
    況に対応する容器の傾斜方向と大きさおよびその反復周
    期とを判定し、制御指令を発信する計算機と、計算機か
    ら入力された制御指令を制御信号に変換する制御信号発
    生器とを備え、制御信号発生器からの制御信号に基づい
    て前記容器の傾斜角制御装置が作動する構成としたこと
    を特徴とする構造物の制振装置。
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