JP2633256B2 - 遮断器の引外し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は遮断器のマイクロプロセッサをベースとする
引外し装置に関するものである。

（従来の技術および発明が解決しようとする問題点） 遮断器、更に具体的にいえば引外し装置の満足できる
動作はマイクロプロセッサ・プログラムの正しい実行に
依存する。貧弱な実行は、プログラムの満足な実行に影
響を及ぼす行われた妨害すなわちまき散らされた妨害の
結果であるかもしれない。本発明は、情報処理の周期的
な実行とくに相電流および中性点電流の周期的なデジタ
ル化をマイクロプロセッサが常に制御するという確信を
基にしている。この周期的な実行は、処理チャネルの任
意の点、とくに周期的な制御パルスを発生するマイクロ
プロセッサのレベル、またはデジタル化のレベル、もし
くはデジタル化された信号のマイクロプロセッサへの入
力においてピックアップできる。

本発明の目的はプログラムの実行を自己監視すること
のできる引外し装置を得ることである。

（問題点を解決するための手段および作用） 本発明の引外し装置は、 遮断器により保護される導体を流れる電流に比例する
アナログ信号を発生する電流センサと、 前記信号を整流し、前記電流の最大値を表すアナログ
信号を発生する整流回路と、 前記アナログ信号を受ける入力端子と、対応する標本
化され、デジタル化された信号を出力する出力端子とを
有するアナログ−デジタル変換器と、 長い遅延時間の引外し機能と短い遅延時間の引外し機
能の少なくとも１つを行うためにデジタル化された信号
を受け、予め設定されたしきい値をこえた時に遮断器引
外し命令を発生する、マイクロプロセッサをベースとす
るデジタル処理装置と、 マイクロプロセッサにより制御されるデジタル化率検
出器を有し、マイクロプロセッサの動作を監視する装置
と、 前記引外し命令により作動させられる遮断器引外し手
段と、 を備え、前記引外し命令はデジタル化された信号の値に
応じて遅延させられ、前記マイクロプロセッサはデジタ
ル化を周期的に行い、前記検出器は、デジタル化が行わ
れなかった場合にはまずマイクロプロセッサ再初期化信
号を発生し、次に、デジタル化が引続いて行われなけれ
ば遮断器引外し命令を発生することを特徴とする。

一般にウォッチドッグと呼ばれる監視装置が周期的な
サイクル時間を監視し、マイクロプロセッサにより予め
設定されている周期をそのサイクル時間がこえるかどう
かを調べる。障害の場合には、マイクロプロセッサの動
作の中断または厄介な一時的な停止を解消するマイクロ
プロセッサ再初期化信号を監視装置が発生する。この再
初期化に続いて周期的な実行が再開されると、引外し装
置は、特別な介入または指示なしにそれの正常な動作を
再開する。一方、周期的なサイクルが中断されたままで
あれば、監視装置は警報と遮断器引外し信号の少なくと
も１つを発生する。

監視装置は、マイクロプロセッサからの各パルスごと
に順次充電され、かつ周期的に放電されるコンデンサを
有するから有利である。コンデンサ放電パルスが生じな
いか、遅れて発生されたとするとコンデンサは充電を続
け、その過充電は、しきい値回路、たとえば、予め定め
られているしきい値をこえた時に信号を発生する演算増
幅器により容易に検出できる。第１の段階でマイクロプ
ロセッサ再初期化信号を発生することにより、プログラ
ムの一時的な乱れによる厄介な引外しが避けられる。一
般にマイクロプロセッサまたは監視されている処理チャ
ネルの障害により周期的な実行が再開されないと、警報
または引外しのみが生ずる。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。

以下、フランス特許出願第8503159号の優先権を主張
している米国特許出願第827,438号明細書に記載されて
いる種類の引外し装置について本発明を説明する。しか
し、本発明は、マイクロプロセッサにより制御されるプ
ログラムを用いる他の引外し装置に使用できることが明
らかである。

第１図において、負荷（図示せず）に電力を供給する
３本の導体R,S,Tを有する配電系統が、開放位置におい
て回路を開くことができる遮断器10を有する。この遮断
器10の機構12が有極リレー14により制御される。この有
極リレー14は、過負荷または短絡の場合に遮断器10を引
外す。遮断器10の主接点とともに動作する補助接点16が
それらの主接点の位置を指示する。各導体R,S,Tには変
流器18が組合わされる。この変流器18が関連する導体を
流れる電流に比例する信号を発生する。その信号は全波
整流ブリッジ20へ与えられる。３個の整流ブリッジ20の
出力端子が、抵抗22と、ツエナーダイオード24と、ダイ
オード26とを含む回路に直列接続されて、抵抗22の端子
へ、導体R,S,Tを流れる電流の最大値に比例する電圧信
号を与え、ツエナーダイオード24の端子に電子回路への
電源電圧を与える。この電圧信号は増幅器28の入力端子
へ与えられる。この増幅器28の出力端子はアナログ−デ
ジタル変換器30へ接続される。このアナログ−デジタル
変換器30の出力端子はマイクロプロセッサ32の入力端子
／出力端子１へ接続される。マイクロプロセッサ32の出
力端子２が有極リレー14へ接続され、入力端子３がクロ
ック34から信号を受け、入力端子４がキーボード36へ接
続され、入力端子６がROM38へ接続され、入力端子／出
力端子５が不揮発性メモリ（NOVRAM）40へ接続され、出
力端子７が表示器42へ接続され、入力端子８が補助接点
16へ接続される。

第１図に示す引外し装置は、導体R,S,Tの回路に過負
荷すなわち障害が生じた時に、保護機能とくに長時間引
外しおよび短時間引外しを行う。導体R,S,Tを流れる電
流の最大値を表すデジタル信号がマイクロプロセッサ32
の入力端子１へ与えられて、記憶装置に格納されている
しきい値と比較され、それらのしきい値よりデジタル信
号が大きいかどうかを検出して、もしデジタル信号の方
が大きいと遅延された引外し動作信号または瞬時引外し
動作信号を発生する。それらの信号は有極リレー14へ与
えられて遮断器10を開かせる。引外し装置はもちろん他
の機能、とくに地絡保護引外しすなわち瞬時引外しも行
うことができる。

本発明に従って、監視装置66はマイクロプロセッサ32
の出力端子10と入力端子９へ接続される。監視装置66の
出力端子CG1はオアゲート46の入力端子へ接続され、そ
のオアゲート46の出力端子は有極リレー14へ接続され、
オアゲート46の別の入力端子はマイクロプロセッサ32の
出力端子２へ接続される。監視装置66はパルスCG3（第
３図）をマイクロプロセッサ32の出力端子10から受け
る。情報処理の周期的な実行を決定するそれらのパルス
の周期は、1.84ミリ秒であるが、他の任意の周期を使用
できることが明らかである。

次に第２図を用いて説明する。監視装置66はトランジ
スタ48を有する。このトランジスタ48のベースは、マイ
クロプロセッサ32から周期的パルスを受ける入力端子CG
3へ接続される。トランジスタ48のコレクタとエミッタ
はコンデンサ50の異なる端子へそれぞれ接続される。コ
ンデンサ50とトランジスタ48のコレクタの接続点54は抵
抗52を介して電源へ接続されるとともに、演算増幅器5
6,60の正入力端子と、演算増幅器58の負入力端子へ接続
される。演算増幅器56,58,60の他の入力端子は分圧ブリ
ッジ62へ接続される。この分圧ブリッジは電源へ接続さ
れる。演算増幅器56の出力端子は監視装置66の端子CG1
へ接続される。この監視装置66の端子CG1はオアゲート4
6へ接続される。演算増幅器58,60の出力端子はトランジ
スタ64のベースへ接続される。このトランジスタ64は簡
単なインバータである。トランジスタ64のコレクタに生
じた信号CG2がマイクロプロセッサ32の入力端子９へ接
続される。

本発明の監視装置66の動作を第３〜８図を参照して説
明する。

正常な動作においては、マイクロプロセッサ32は1.84
ミリ秒ごとに周期的にデジタル化し、短い接続時間のパ
ルス（第３図）を監視装置66の入力端子CG3へ与える。
この入力端子CG3へパルスが与えられないとトランジス
タ48は非導通状態となり、コンデンサ50は抵抗52を通じ
て順次充電される。パルスが監視装置66の入力端子CG3
へ与えられると、トランジスタ48は直ちに導通状態とな
ってコンデンサ50を短絡するからそのコンデンサは迅速
に放電する。コンデンサ50の充電と放電が第４図のカー
ブで示されている。この充電は予め設定されているピー
ク値を決してこえないことが容易にわかる。そのピーク
値は演算増幅器56,58,60のしきい値より低く、演算増幅
器56,60の出力端子CG1は低い値０に保たれる。そうする
と信号CG2が一定の高いレベルに保たれる。それらの動
作条件においては監視装置66は介入しない。

監視装置66の入力端子CG3へパルスが与えられない
か、遅れて与えられると、コンデンサ50は充電を続け、
それの端子間電圧は第６図に示すように上昇する。たと
えば3.5ミリ秒後に演算増幅器60のしきい値V60を最初に
こえる。そうすると演算増幅器60の出力は高い値へ切換
えられてトランジスタ64を導通状態にし、信号CG2を高
い値から低い値へ切換える（第８図の時刻t1を見よ）。
マイクロプロセッサ32の入力端子へ与えられたこの変化
は何の作用も及ぼさず、演算増幅器58のしきい値V58を
こえた時の時刻t2に明らかに変化させるだけである。こ
のオーバーショートにより演算増幅器58の出力が低い値
へ切換えられるからトランジスタ64は非導通状態にさ
れ、信号CG2が高い値に切換えられ、そのためにマイク
ロプロセッサ32の入力端子９へ再初期化信号が与えられ
る。マイクロプロセッサ32のこの再初期化により周期的
サイクルが再び行なわれ、周期的パルスがコンデンサ50
を零リセットしたとすると、第３〜５図を参照して説明
したようにして正常なサイクルが再開される。動作の中
断と周期的情報処理実行の中断が速く過ぎる。一方、マ
イクロプロセッサの再初期設定命令がなくなると、周期
的パルスが無いことが続くからコンデンサ50は充電を続
ける。時刻t3に演算増幅器56のしきい値V56をこえる
と、監視装置66の出力端子における信号CG1が高い値に
切換えられ、オアゲート46を介して有極リレー14へ与え
られるから、その有極リレー14は遮断器10を引外す。

マイクロプロセッサ32の周期的サイクルの再初期化命
令すなわち復帰命令は、多くの場合に遮断器10の不当な
引外しを避ける。マイクロプロセッサ32を再初期設定し
ようというこの試みは引外し命令を数マイクロ秒だけ当
然遅らせることになるが、この短い遅れ時間は引外し動
作に何ら影響を及ぼさない。監視装置66の電子回路は本
発明の要旨を逸脱することなしに種々のやり方でもちろ
ん構成でき、かついくつかの連続する再初期化信号を有
する。

【図面の簡単な説明】 第１図は自己監視装置を有する本発明の引外し装置のブ
ロック図、第２図は第１図に示す自己監視装置の電気回
路図、第３〜５図は正常な動作におけるコンデンサ充電
の周期的パルスの変化と、監視装置の出力レベルの変化
を時間的に示すグラフ、第６〜８図は周期的な実効に障
害が生じた時のコンデンサの充電の変化と監視装置の出
力レベルの変化を示すグラフである。 10……遮断器、14……有極リレー、18……変流器、20…
…整流ブリッジ、32……マイクロプロセッサ、66……監
視装置。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遮断機により保護される導体を流れる電流
   に比例するアナログ信号を発生する電流センサと、 前記アナログ信号を整流する整流手段と、 前記整流手段の出力をデジタル信号に変換するアナログ
   −デジタル変換器と、 前記アナログ−デジタル変換器の出力を受け、周期的な
   デジタル処理を表わす周期信号を出力するとともに、前
   記アナログ−デジタル変換器の出力が所定のしきい値を
   超えているときに、長い遅延時間の引外し機能と短い遅
   延時間の引外し機能の少なくとも１つを行うための第１
   の遮断器引外し命令を発生する、マイクロプロセッサを
   ベースとするデジタル処理装置と、 前記周期信号を検出する手段、前記周期信号が第１の所
   定期間、検出されない場合に前記マイクロプロセッサに
   再初期化命令を発生する手段、および前記第１の所定期
   間より長い第２の所定期間、前記周期信号が検出されな
   い場合に第２の遮断器引外し命令を発生する手段を含み
   前記マイクロプロセッサを監視する監視手段と、 前記第１または第２の遮断器引外し命令により作動する
   遮断器引外し手段と、 を備えていることを特徴とする遮断器の引外し装置。
2. 【請求項２】前記監視手段は、コンデンサと、このコン
   デンサを充電する手段と、前記周期信号に基づいて前記
   コンデンサを放電する手段と、前記コンデンサの電圧が
   第１のしきい値を超えたときに前記再初期化命令を発生
   し更に前記コンデンサの電圧が第２のしきい値を超えた
   ときに前記第２の遮断器引外し命令を発生する手段とを
   備えていることを特徴とする請求項１記載の遮断器の引
   外し装置。
3. 【請求項３】前記放電する手段は、前記周期信号の発生
   に基づいて前記コンデンサを周期的に放電する半導体装
   置を備えていることを特徴とする請求項２記載の遮断器
   の引外し装置。
4. 【請求項４】前記監視手段は、前記コンデンサの電圧が
   前記第１および第２のしきい値を各々超えたときに前記
   再初期化命令および前記第２の遮断器引外し命令を各々
   発生する演算増幅器を備えていることを特徴とする請求
   項２または３記載の遮断器の引外し装置。