JP2630469B2 - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents
車両用ブレーキ制御装置Info
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- JP2630469B2 JP2630469B2 JP19321189A JP19321189A JP2630469B2 JP 2630469 B2 JP2630469 B2 JP 2630469B2 JP 19321189 A JP19321189 A JP 19321189A JP 19321189 A JP19321189 A JP 19321189A JP 2630469 B2 JP2630469 B2 JP 2630469B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両用ブレーキ制御装置に関するものであ
り、特に、路面の摩擦係数の大小にかかわらず、常に効
率良く制動を行うことのできる車両用ブレーキ制御装置
に関するものである。
り、特に、路面の摩擦係数の大小にかかわらず、常に効
率良く制動を行うことのできる車両用ブレーキ制御装置
に関するものである。
(従来の技術) 自動車、自動二輪車等(以下、車両という)のブレー
キ制御に関する技術分野においては、車輪と路面とのス
リップ率が所定の割合以上とならないようにブレーキを
制御する車両用ブレーキ制御装置(いわゆるロック防止
装置)が提案されている。この車両用ブレーキ制御装置
は、車両の各種パラメータを用いてブレーキを制御する
ものであり、特公昭59-20505号公報、特開昭57-142538
号公報、同58-33561号公報、同58-131569号公報等に記
載されている。
キ制御に関する技術分野においては、車輪と路面とのス
リップ率が所定の割合以上とならないようにブレーキを
制御する車両用ブレーキ制御装置(いわゆるロック防止
装置)が提案されている。この車両用ブレーキ制御装置
は、車両の各種パラメータを用いてブレーキを制御する
ものであり、特公昭59-20505号公報、特開昭57-142538
号公報、同58-33561号公報、同58-131569号公報等に記
載されている。
また、このような車両用ブレーキ制御装置において
は、車輪速度の変化から車輪の加減速度を算出すると共
に、車輪のスリップ率を推定し、それらの値が所定の条
件を満たしたとき、ブレーキ装置の制動力を減少させる
ようにしたものも提案されている。
は、車輪速度の変化から車輪の加減速度を算出すると共
に、車輪のスリップ率を推定し、それらの値が所定の条
件を満たしたとき、ブレーキ装置の制動力を減少させる
ようにしたものも提案されている。
以下に、このような車両用ブレーキ制御装置を簡単に
説明する。
説明する。
前述のように、車両用ブレーキ制御装置は、車輪と路
面とのスリップ率が所定の割合以上とならないようにブ
レーキを制御するものである。
面とのスリップ率が所定の割合以上とならないようにブ
レーキを制御するものである。
ここで、スリップ率λは、次式であらわされる。
λ=(V−Vw)/V …(1) ここで、Vは絶対車速(車体の実際の速度)、Vwは車輪
速度(車輪の実際の速度) 絶対車速Vの検出は、レーザー・ドップラ式速度検出
装置の装備、車速検出用車輪(自動二輪車の場合におい
ては第3輪)の装着等により、比較的正確に検出するこ
とができるが、これらはコスト、サイズ、重量等の面か
ら車両搭載には適当でない。
速度(車輪の実際の速度) 絶対車速Vの検出は、レーザー・ドップラ式速度検出
装置の装備、車速検出用車輪(自動二輪車の場合におい
ては第3輪)の装着等により、比較的正確に検出するこ
とができるが、これらはコスト、サイズ、重量等の面か
ら車両搭載には適当でない。
前記車輪速度Vwは、例えばホイールシャフトに設けら
れた有突起円盤の、突起検出時間間隔を検出することに
より簡単に検出できるので、絶対車速Vをどの程度正確
に推定できるかが、当該車両用ブレーキ制御装置の性能
を決定する重要なファクターとなる。
れた有突起円盤の、突起検出時間間隔を検出することに
より簡単に検出できるので、絶対車速Vをどの程度正確
に推定できるかが、当該車両用ブレーキ制御装置の性能
を決定する重要なファクターとなる。
第5図及び第6図は車両用ブレーキ制御装置の一例の
制御用論理回路図である。第6図は第5図の符号201で
示されるブロックの詳細を示している。
制御用論理回路図である。第6図は第5図の符号201で
示されるブロックの詳細を示している。
第5図及び第6図において、カットバルブ、インレッ
トバルブ及びアウトレットバルブは、それぞれ当該車両
のブレーキ制御用油圧回路に設けられているものであ
り、カットバルブはブレーキペダル又はブレーキレバー
によるブレーキ操作を解除する(無効とする)油圧制御
バルブ、インレットバルブ及びアウトレットバルブはブ
レーキディスクを挟持するキャリパの油圧(以下、キャ
リパ圧という)を制御するための油圧制御バルブであ
る。
トバルブ及びアウトレットバルブは、それぞれ当該車両
のブレーキ制御用油圧回路に設けられているものであ
り、カットバルブはブレーキペダル又はブレーキレバー
によるブレーキ操作を解除する(無効とする)油圧制御
バルブ、インレットバルブ及びアウトレットバルブはブ
レーキディスクを挟持するキャリパの油圧(以下、キャ
リパ圧という)を制御するための油圧制御バルブであ
る。
詳しく言えば、この例においては、インレットバルブ
及びアウトレットバルブは、常時“閉”及び“開”であ
り、インレットバルブ及びアウトレットバルブへの通電
によりキャリパ圧は減少、インレットバルブ及びアウト
レットバルブへの通電解除によりキャリパ圧は増加、そ
してアウトレットバルブのみへの通電によりキャリパ圧
を維持するように構成されている。このインレットバル
ブ及び/あるいはアウトレットバルブへの通電前には、
カットバルブへ通電し、前記インレットバルブ及び/あ
るいはアウトレットバルブの動作によるキャリパ圧の変
化が、ブレーキペダル及び/あるいはブレーキレバーの
操作力に影響を与えないように構成されている。
及びアウトレットバルブは、常時“閉”及び“開”であ
り、インレットバルブ及びアウトレットバルブへの通電
によりキャリパ圧は減少、インレットバルブ及びアウト
レットバルブへの通電解除によりキャリパ圧は増加、そ
してアウトレットバルブのみへの通電によりキャリパ圧
を維持するように構成されている。このインレットバル
ブ及び/あるいはアウトレットバルブへの通電前には、
カットバルブへ通電し、前記インレットバルブ及び/あ
るいはアウトレットバルブの動作によるキャリパ圧の変
化が、ブレーキペダル及び/あるいはブレーキレバーの
操作力に影響を与えないように構成されている。
また、λ1、λ2及びλ3は当該車両の車輪と路面と
の間のスリップ率であり、λ1<λ2<λ3の関係にあ
る。ω1及びω2は車輪の加速度、−ω1及び−ω2は
車輪の減速度であり、それぞれω2>ω1>0>−ω1
>−ω2の関係にある。
の間のスリップ率であり、λ1<λ2<λ3の関係にあ
る。ω1及びω2は車輪の加速度、−ω1及び−ω2は
車輪の減速度であり、それぞれω2>ω1>0>−ω1
>−ω2の関係にある。
Vuは第1車両速度であり、例えば30[km/h]、Vsは第
2車両速度であり、例えば10[km/h]である。
2車両速度であり、例えば10[km/h]である。
またタイマ202は、アンドゲート203の出力信号がなく
なってから例えば0.5[sec]間出力を発生するように構
成されている。
なってから例えば0.5[sec]間出力を発生するように構
成されている。
なお、この第5図及び第6図においては、−ω1及び
−ω2で示されたパラメータについては、減速度がそれ
ぞれ設定された数値以下となった場合に“0"から“1"と
なり、それ以外のパラメータについては、それぞれ設定
された数値以上となった場合に“0"から“1"となるもの
とする。
−ω2で示されたパラメータについては、減速度がそれ
ぞれ設定された数値以下となった場合に“0"から“1"と
なり、それ以外のパラメータについては、それぞれ設定
された数値以上となった場合に“0"から“1"となるもの
とする。
スリップ率に関しては、第7図に関して後述するよう
に、車輪速度Vwが、推定車速Vrにスリップ率λ1、λ2
及びλ3を乗じた値を推定車速Vrから減じた値以下とな
ったときに、それぞれλ1、λ2及びλ3で示される信
号線上に出力が生じる。
に、車輪速度Vwが、推定車速Vrにスリップ率λ1、λ2
及びλ3を乗じた値を推定車速Vrから減じた値以下とな
ったときに、それぞれλ1、λ2及びλ3で示される信
号線上に出力が生じる。
また、第5図及び第6図に示された各論理回路の機能
は、マイクロコンピュータによっても実現されることが
できる。
は、マイクロコンピュータによっても実現されることが
できる。
第7図は第5図及び第6図に示された車両用ブレーキ
制御装置の動作例を示すタイムチャートである。第7図
において、第5図及び第6図と同一の符号は、同一又は
同等部分を示している。またVは絶対車速(実際の車体
速度)、Vrは推定車速(車体の推定速度)、Vwは車輪速
度(車輪の実際の速度)であり、Wwは車輪速度Vwの微分
値、すなわち加速度を示している。
制御装置の動作例を示すタイムチャートである。第7図
において、第5図及び第6図と同一の符号は、同一又は
同等部分を示している。またVは絶対車速(実際の車体
速度)、Vrは推定車速(車体の推定速度)、Vwは車輪速
度(車輪の実際の速度)であり、Wwは車輪速度Vwの微分
値、すなわち加速度を示している。
前記推定車速Vrは、第7図に示されるように、車輪速
度Vwの値がピークに達した時点から所定の傾斜を有する
直線で示される。つまり、当該車両用ブレーキ制御装置
によるブレーキング動作1サイクル毎に推定車速Vrの更
新を行い、該推定車速Vrを絶対車速Vに近い値としてい
る。
度Vwの値がピークに達した時点から所定の傾斜を有する
直線で示される。つまり、当該車両用ブレーキ制御装置
によるブレーキング動作1サイクル毎に推定車速Vrの更
新を行い、該推定車速Vrを絶対車速Vに近い値としてい
る。
また、前記推定車速Vrを示す破線と平行に示されたλ
1、λ2及びλ3のデータは、実際には推定車速Vrにそ
れぞれλ1、λ2及びλ3を乗じた値を示している。
1、λ2及びλ3のデータは、実際には推定車速Vrにそ
れぞれλ1、λ2及びλ3を乗じた値を示している。
前述のように、第5図及び第6図に示されたλ1、λ
2及びλ3の信号線上には、車輪速度Vwが、推定車速Vr
にスリップ率λ1、λ2及びλ3を乗じた値を推定車速
Vrから減じた値以下となったときに、それぞれ出力が発
生する。
2及びλ3の信号線上には、車輪速度Vwが、推定車速Vr
にスリップ率λ1、λ2及びλ3を乗じた値を推定車速
Vrから減じた値以下となったときに、それぞれ出力が発
生する。
換言すれば、車輪速度Vwを示す曲線は、推定車速Vrに
対しては、そのままスリップ率を示す曲線となるから、
このスリップ率(以下、推定スリップ率という)が所定
スリップ率(λ1、λ2及びλ3)以上となったとき
に、第5図及び第6図に示されたλ1、λ2及びλ3の
信号線上に、出力が生じる(第7図参照)。
対しては、そのままスリップ率を示す曲線となるから、
このスリップ率(以下、推定スリップ率という)が所定
スリップ率(λ1、λ2及びλ3)以上となったとき
に、第5図及び第6図に示されたλ1、λ2及びλ3の
信号線上に、出力が生じる(第7図参照)。
つまり、第7図において、車輪速度Vwがλ1、λ2及
びλ3で示される実線と交差するのは、推定スリップ率
がλ1、λ2及びλ3と一致することを意味している。
同様に、車輪速度Vwがλ1、λ2及びλ3で示される実
線を下回り、また上回るのは、推定スリップ率がλ1、
λ2及びλ3を上回り、下回ることを意味する。
びλ3で示される実線と交差するのは、推定スリップ率
がλ1、λ2及びλ3と一致することを意味している。
同様に、車輪速度Vwがλ1、λ2及びλ3で示される実
線を下回り、また上回るのは、推定スリップ率がλ1、
λ2及びλ3を上回り、下回ることを意味する。
この第7図及び第5図に示されるように、従来の車両
用ブレーキ制御装置においては、絶対車速Vよりも大き
な減速度を有する推定車速Vrを設定し、車輪の減速度、
スリップ率等のパラメータが所定の条件を満たした場合
に、キャリパ圧を減少させ、制動力を低下させるように
構成されている。
用ブレーキ制御装置においては、絶対車速Vよりも大き
な減速度を有する推定車速Vrを設定し、車輪の減速度、
スリップ率等のパラメータが所定の条件を満たした場合
に、キャリパ圧を減少させ、制動力を低下させるように
構成されている。
この結果、推定車速Vrが絶対車速Vからあまり大きく
ずれることなく、また、車輪速度Vwが絶対車速Vより余
り小さくならないように、すなわち車輪と路面とのスリ
ップ率があまり大きくならないように、当該車両のブレ
ーキが制御される。
ずれることなく、また、車輪速度Vwが絶対車速Vより余
り小さくならないように、すなわち車輪と路面とのスリ
ップ率があまり大きくならないように、当該車両のブレ
ーキが制御される。
第8図は第5図に示された論理回路図の他の例であ
る。第8図において、第5図と同一の符号は同一又は同
等部分をあらわしている。
る。第8図において、第5図と同一の符号は同一又は同
等部分をあらわしている。
この第8図の車両用ブレーキ制御装置においても、前
述したブレーキ制御装置と同様に、スリップ率があまり
大きくならないようにブレーキが制御される。
述したブレーキ制御装置と同様に、スリップ率があまり
大きくならないようにブレーキが制御される。
(発明が解決しようとする課題) 第9図は所定条件下でのタイヤ及び路面のスリップ率
λと、タイヤ横方向(タイヤの転がり方向と垂直な方
向)の摩擦係数との関係を示すグラフである。
λと、タイヤ横方向(タイヤの転がり方向と垂直な方
向)の摩擦係数との関係を示すグラフである。
第9図より明らかなように、タイヤ横方向の摩擦係数
は、スリップ率λが大きくなるほど小さくなる。また、
スリップ率λが同じ場合には、アイスバーンのような低
摩擦係数の路面(以下、低μ路という)においては、乾
燥したアスファルト路面のような高摩擦係数の路面(以
下、高μ路という)に比較して、タイヤ横方向の摩擦係
数は小さくなる。
は、スリップ率λが大きくなるほど小さくなる。また、
スリップ率λが同じ場合には、アイスバーンのような低
摩擦係数の路面(以下、低μ路という)においては、乾
燥したアスファルト路面のような高摩擦係数の路面(以
下、高μ路という)に比較して、タイヤ横方向の摩擦係
数は小さくなる。
ここで、車両の制動力は、タイヤの転がり方向の摩擦
係数により決定されるが、該摩擦係数は、スリップ率λ
が増加してもあまり減少しないので、制動距離を短くす
るためには、スリップ率λがあまり小さくならないよう
に(例えば50[%]程度ぐらいまで)、ブレーキ制御が
行われる必要がある。
係数により決定されるが、該摩擦係数は、スリップ率λ
が増加してもあまり減少しないので、制動距離を短くす
るためには、スリップ率λがあまり小さくならないよう
に(例えば50[%]程度ぐらいまで)、ブレーキ制御が
行われる必要がある。
ところが、タイヤ横方向の摩擦係数は、所定値(例え
ば0.2)以上であることが望ましく、このためには、図
示された例においては、低μ路ではスリップ率λは約25
[%]以下に、また高μ路ではスリップ率λは約50
[%]以下に設定される必要がある。
ば0.2)以上であることが望ましく、このためには、図
示された例においては、低μ路ではスリップ率λは約25
[%]以下に、また高μ路ではスリップ率λは約50
[%]以下に設定される必要がある。
したがって、低μ路でのタイヤ横方向の摩擦係数を確
保するためには、常時スリップ率λを約25[%]以下に
設定する必要があるが、この場合、高μ路においてもス
リップ率が約25[%]になるので、高μ路におけるブレ
ーキング性能が低下してしまう。
保するためには、常時スリップ率λを約25[%]以下に
設定する必要があるが、この場合、高μ路においてもス
リップ率が約25[%]になるので、高μ路におけるブレ
ーキング性能が低下してしまう。
本発明は、前述の問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的は、低μ路でのタイヤ横方向の摩擦
係数を低下させることなく、かつ高μ路での制動も効率
良く行うことのできる車両用ブレーキ制御装置を提供す
ることにある。
のであり、その目的は、低μ路でのタイヤ横方向の摩擦
係数を低下させることなく、かつ高μ路での制動も効率
良く行うことのできる車両用ブレーキ制御装置を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段及び作用) 前記の問題点を解決するために、本発明は、車体の実
際の減速度Gが、路面の摩擦係数に応じて変化する点に
着眼して創作された。
際の減速度Gが、路面の摩擦係数に応じて変化する点に
着眼して創作された。
すなわち、車輪の推定スリップ率が所定スリップ率以
上となったときに、制動装置の制動力を弱めるように構
成された車両用ブレーキ制御装置において、車体の実際
の減速度を検出し、該減速度が小さい場合(すなわち、
路面の摩擦係数が小さい場合)には、前記所定スリップ
率の値を減少させるようにした点に特徴がある。
上となったときに、制動装置の制動力を弱めるように構
成された車両用ブレーキ制御装置において、車体の実際
の減速度を検出し、該減速度が小さい場合(すなわち、
路面の摩擦係数が小さい場合)には、前記所定スリップ
率の値を減少させるようにした点に特徴がある。
これにより、減速度が小さい場合に、車輪の推定スリ
ップ率が所定スリップ率以上となるときは、制動力を弱
めるために出力されるべき制御信号の発生タイミングが
速くなり、逆に、車輪の推定スリップ率が所定スリップ
率を下回るときは、前記制御信号の出力停止タイミング
が遅くなる。
ップ率が所定スリップ率以上となるときは、制動力を弱
めるために出力されるべき制御信号の発生タイミングが
速くなり、逆に、車輪の推定スリップ率が所定スリップ
率を下回るときは、前記制御信号の出力停止タイミング
が遅くなる。
また、車輪の推定スリップ率が所定スリップ率以上と
なったときに、制動装置の制動力を弱め、車輪の推定ス
リップ率が所定スリップ率以上となり、かつ車輪の加速
度が所定加速度以上となったときに、制動装置の制動力
を強めるように構成された車両用ブレーキ制御装置にお
いて、車体の実際の減速度を検出し、該減速度が小さい
場合には、前記所定スリップ率の値を減少させ、また車
輪の加速度が所定加速度以上の場合には、車体の減速度
にかかわらず、前記所定スリップ率の値を元の値に戻す
ようにした点にも特徴がある。
なったときに、制動装置の制動力を弱め、車輪の推定ス
リップ率が所定スリップ率以上となり、かつ車輪の加速
度が所定加速度以上となったときに、制動装置の制動力
を強めるように構成された車両用ブレーキ制御装置にお
いて、車体の実際の減速度を検出し、該減速度が小さい
場合には、前記所定スリップ率の値を減少させ、また車
輪の加速度が所定加速度以上の場合には、車体の減速度
にかかわらず、前記所定スリップ率の値を元の値に戻す
ようにした点にも特徴がある。
これにより、減速度が小さく、かつ車輪の加速度が所
定加速度以上となっていない場合に、車輪の推定スリッ
プ率が所定スリップ率以上となるときは、制動力を弱め
るために出力されるべき制御信号の発生タイミングが速
くなり、逆に、車輪の推定スリップ率が所定スリップ率
を下回るときは、前記制御信号の出力停止タイミングが
遅くなる。
定加速度以上となっていない場合に、車輪の推定スリッ
プ率が所定スリップ率以上となるときは、制動力を弱め
るために出力されるべき制御信号の発生タイミングが速
くなり、逆に、車輪の推定スリップ率が所定スリップ率
を下回るときは、前記制御信号の出力停止タイミングが
遅くなる。
また、この車両用ブレーキ制御装置においては、車輪
の推定スリップ率が所定スリップ率以上であり、かつ車
輪の加速度が所定加速度以上である場合には、制動装置
の制動力が強められる。この場合、車輪の推定スリップ
率が所定スリップ率を下回った時点で、制動力の増大が
停止されるが、車輪の加速度が所定加速度以上となって
いるときには前記所定スリップ率の値は減少されないの
で、制動力の増大停止が遅延されることがない。
の推定スリップ率が所定スリップ率以上であり、かつ車
輪の加速度が所定加速度以上である場合には、制動装置
の制動力が強められる。この場合、車輪の推定スリップ
率が所定スリップ率を下回った時点で、制動力の増大が
停止されるが、車輪の加速度が所定加速度以上となって
いるときには前記所定スリップ率の値は減少されないの
で、制動力の増大停止が遅延されることがない。
(実施例) 以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
第2図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。同図に示された車両(自動二輪車)は、ブレーキ
レバー51の操作によりフロントホイールの右側に設けら
れたブレーキディスクが作動され、ブレーキペダル61の
操作によりフロントホイールの左側に設けられたブレー
キディスク、及びリヤホイールに設けられたブレーキデ
ィスクが作動されるように構成されているが、本発明は
特にこれのみに限定されることはなく、ブレーキペダル
により、リヤホイールに設けられたブレーキディスクの
みが作動されるように構成されていても良い。
ある。同図に示された車両(自動二輪車)は、ブレーキ
レバー51の操作によりフロントホイールの右側に設けら
れたブレーキディスクが作動され、ブレーキペダル61の
操作によりフロントホイールの左側に設けられたブレー
キディスク、及びリヤホイールに設けられたブレーキデ
ィスクが作動されるように構成されているが、本発明は
特にこれのみに限定されることはなく、ブレーキペダル
により、リヤホイールに設けられたブレーキディスクの
みが作動されるように構成されていても良い。
第2図において、ブレーキレバー51は、フロントマス
ターシリンダ52のピストンに接続されている。このピス
トンの動作による油圧は、油圧回路97により、カットバ
ルブ53及びモジュレータ54を介して、右側フロントブレ
ーキキャリパ56に伝達されるように構成されている。前
記カットバルブ53は、ソレノイド53Aの付勢により、当
該車両用ブレーキ制御装置の動作時に、ブレーキレバー
51の操作による油圧が右側フロントブレーキキャリパ56
に伝達されないように構成されている。
ターシリンダ52のピストンに接続されている。このピス
トンの動作による油圧は、油圧回路97により、カットバ
ルブ53及びモジュレータ54を介して、右側フロントブレ
ーキキャリパ56に伝達されるように構成されている。前
記カットバルブ53は、ソレノイド53Aの付勢により、当
該車両用ブレーキ制御装置の動作時に、ブレーキレバー
51の操作による油圧が右側フロントブレーキキャリパ56
に伝達されないように構成されている。
ブレーキペダル61は、リヤマスターシリンダ62のピス
トンに接続されている。このピストンの動作による油圧
は、油圧回路98により、プレッシャコントロールバルブ
(PCV、定比リリーフ弁)77、カットバルブ63及びモジ
ュレータ64を介して、リヤブレーキキャリパ66に伝達さ
れ、かつカットバルブ73及びモジュレータ74を介して、
左側フロントブレーキキャリパ76に伝達されるように構
成されている。
トンに接続されている。このピストンの動作による油圧
は、油圧回路98により、プレッシャコントロールバルブ
(PCV、定比リリーフ弁)77、カットバルブ63及びモジ
ュレータ64を介して、リヤブレーキキャリパ66に伝達さ
れ、かつカットバルブ73及びモジュレータ74を介して、
左側フロントブレーキキャリパ76に伝達されるように構
成されている。
前記プレッシャコントロールバルブ77は、リヤブレー
キキャリパ66及び左側フロントブレーキキャリパ76にか
かる油圧を制御するものであり、詳しくは、油圧回路98
の油圧が、プレッシャコントロールバルブ77の設定圧力
以上になると、リヤ側にかかる油圧の増加割合が減少さ
れ、フロント側に配分される。
キキャリパ66及び左側フロントブレーキキャリパ76にか
かる油圧を制御するものであり、詳しくは、油圧回路98
の油圧が、プレッシャコントロールバルブ77の設定圧力
以上になると、リヤ側にかかる油圧の増加割合が減少さ
れ、フロント側に配分される。
前記カットバルブ63及び73は、カットバルブ53と同様
に、ソレノイド63A及び73Aの付勢により、当該車両用ブ
レーキ制御装置の動作時に、ブレーキペダル61の操作に
よる油圧が、リヤブレーキキャリパ66及び左側フロント
ブレーキキャリパ76に伝達されないように構成されてい
る。
に、ソレノイド63A及び73Aの付勢により、当該車両用ブ
レーキ制御装置の動作時に、ブレーキペダル61の操作に
よる油圧が、リヤブレーキキャリパ66及び左側フロント
ブレーキキャリパ76に伝達されないように構成されてい
る。
符号99A、99B、99C、99D及び99Eは、それぞれ油圧ラ
インであり、これらは、前記モジュレータ54、64及び74
の動作を制御する油圧回路、すなわち当該車両用ブレー
キ制御装置の、ブレーキ系統制御用油圧回路を構成して
いる。
インであり、これらは、前記モジュレータ54、64及び74
の動作を制御する油圧回路、すなわち当該車両用ブレー
キ制御装置の、ブレーキ系統制御用油圧回路を構成して
いる。
オイルポンプ91は、モータ9の駆動力により、リザー
バ93よりオイルを吸引し、該オイルを、油圧ライン99A
を介して、インレットバルブ81及び83の入力口に供給す
る。
バ93よりオイルを吸引し、該オイルを、油圧ライン99A
を介して、インレットバルブ81及び83の入力口に供給す
る。
前記インレットバルブ81の出力口は、油圧ライン99B
を介して、モジュレータ64の制御口及びアウトレットバ
ルブ82の入力口に接続されている。同様に、前記インレ
ットバルブ83の出力口は、油圧ライン99Cを介して、モ
ジュレータ74及び54の制御口並びにアウトレットバルブ
84の入力口に接続されている。
を介して、モジュレータ64の制御口及びアウトレットバ
ルブ82の入力口に接続されている。同様に、前記インレ
ットバルブ83の出力口は、油圧ライン99Cを介して、モ
ジュレータ74及び54の制御口並びにアウトレットバルブ
84の入力口に接続されている。
前記アウトレットバルブ82及び84の出力口は、それぞ
れ油圧ライン99D及び99Eを介して、前記リザーバ93に接
続されている。
れ油圧ライン99D及び99Eを介して、前記リザーバ93に接
続されている。
前記インレットバルブ81及び83は常時閉、前記アウト
レットバルブ82及び84は常時開の2ウェイバルブであ
り、それぞれ、ソレノイド81A、83A、82A及び84Aの付勢
により、開及び閉に切換えられる。
レットバルブ82及び84は常時開の2ウェイバルブであ
り、それぞれ、ソレノイド81A、83A、82A及び84Aの付勢
により、開及び閉に切換えられる。
また、前記モジュレータ54、64及び74は、その制御口
の油圧が高くなると、該モジュレータ54、64及び74内部
の、油圧回路97及び98と連通された油室の容積が大きく
なるように構成されている。つまり、前記モジュレータ
54、64及び74は、その制御口の油圧が高くなると、それ
ぞれ右側フロントブレーキキャリパ56、リヤブレーキキ
ャリパ66及び左側フロントブレーキキャリパ76に供給さ
れる油圧を低下させるように構成されている。
の油圧が高くなると、該モジュレータ54、64及び74内部
の、油圧回路97及び98と連通された油室の容積が大きく
なるように構成されている。つまり、前記モジュレータ
54、64及び74は、その制御口の油圧が高くなると、それ
ぞれ右側フロントブレーキキャリパ56、リヤブレーキキ
ャリパ66及び左側フロントブレーキキャリパ76に供給さ
れる油圧を低下させるように構成されている。
前記油圧ライン99Aには、アキュムレータ92が設けら
れている。このアキュムレータ92は、当該車両用ブレー
キ制御装置の少なくとも1動作分の油圧を蓄圧するよう
に構成されている。
れている。このアキュムレータ92は、当該車両用ブレー
キ制御装置の少なくとも1動作分の油圧を蓄圧するよう
に構成されている。
また、前記油圧ライン99Aには、圧力検出装置2が設
けられている。この圧力検出装置2は、油圧ライン99A
の油圧が所定圧力以上である場合にはオフ、所定圧力未
満である場合にはオンとなるような接点を備えている。
すなわち、アキュムレータ92に蓄圧された油圧力が、当
該車両用ブレーキ制御装置の動作により消費された場合
には、前記圧力検出装置2の接点がオンとなるが、この
結果、後述するマイクロコンピュータ21によりモータ9
が駆動され、オイルポンプ91の動作により前記アキュム
レータ92に所定の油圧力が蓄圧される。
けられている。この圧力検出装置2は、油圧ライン99A
の油圧が所定圧力以上である場合にはオフ、所定圧力未
満である場合にはオンとなるような接点を備えている。
すなわち、アキュムレータ92に蓄圧された油圧力が、当
該車両用ブレーキ制御装置の動作により消費された場合
には、前記圧力検出装置2の接点がオンとなるが、この
結果、後述するマイクロコンピュータ21によりモータ9
が駆動され、オイルポンプ91の動作により前記アキュム
レータ92に所定の油圧力が蓄圧される。
符号3は、当該車両の電子制御装置である。この電子
制御装置3は、図示されるように、マイクロコンピュー
タ21と、前記ソレノイド53A、63A、73A、81A、82A、83A
及び84Aを駆動するソレノイド制御回路31と、前記モー
タ9を駆動するモータ駆動回路8と、前記圧力検出装置
2及びGセンサ100の出力信号をA/D変換するA/D変換器3
4とを備えている。前記Gセンサ100は車体の実際の減速
度を検出するものである。
制御装置3は、図示されるように、マイクロコンピュー
タ21と、前記ソレノイド53A、63A、73A、81A、82A、83A
及び84Aを駆動するソレノイド制御回路31と、前記モー
タ9を駆動するモータ駆動回路8と、前記圧力検出装置
2及びGセンサ100の出力信号をA/D変換するA/D変換器3
4とを備えている。前記Gセンサ100は車体の実際の減速
度を検出するものである。
前記マイクロコンピュータ21は、CPU22、ROM23、RAM2
4、入出力インターフェース25及びそれらを接続する共
通バス26を備えている。
4、入出力インターフェース25及びそれらを接続する共
通バス26を備えている。
前記モータ駆動回路8、ソレノイド制御回路31及びA/
D変換器34は、前記入出力インターフェース25に接続さ
れている。
D変換器34は、前記入出力インターフェース25に接続さ
れている。
突起付ディスク55は、円盤状ディスクの外周に等間隔
に突起が形成されたものであり、フロントホイールに取
り付けられている。前記突起は、フロントホイールセン
サ33により検出される。
に突起が形成されたものであり、フロントホイールに取
り付けられている。前記突起は、フロントホイールセン
サ33により検出される。
同様に突起付ディスク65も、円盤状ディスクの外周に
等間隔に突起が形成されたものであり、これはリヤホイ
ールに取り付けられている。この突起は、リヤホイール
センサ32により検出される。
等間隔に突起が形成されたものであり、これはリヤホイ
ールに取り付けられている。この突起は、リヤホイール
センサ32により検出される。
このリヤホイールセンサ32及びフロントホイールセン
サ33も、前記入出力インターフェース25に接続されてい
る。
サ33も、前記入出力インターフェース25に接続されてい
る。
第3図は本発明が適用される車両の一例の側面図であ
る。
る。
第3図において、当該車両(自動二輪車)には、図示
される位置に電子制御装置3、並びにリヤホイールセン
サ32及びフロントホイールセンサ33が配置されている。
される位置に電子制御装置3、並びにリヤホイールセン
サ32及びフロントホイールセンサ33が配置されている。
符号96は、第2図に示されたオイルポンプ91、アキュ
ムレータ92、圧力検出装置2、カットバルブ63、モジュ
レータ64、インレットバルブ81、アウトレットバルブ82
等により構成された油圧制御ユニットである。
ムレータ92、圧力検出装置2、カットバルブ63、モジュ
レータ64、インレットバルブ81、アウトレットバルブ82
等により構成された油圧制御ユニットである。
前記電子制御装置3及び油圧制御ユニット96間は、リ
ード線(図示せず)で接続されている。前記電子制御装
置3の下面には、Gセンサ100が取り付けられている。
このGセンサ100は、電子制御装置3の下面以外の適宜
の場所に取り付けられても良い。
ード線(図示せず)で接続されている。前記電子制御装
置3の下面には、Gセンサ100が取り付けられている。
このGセンサ100は、電子制御装置3の下面以外の適宜
の場所に取り付けられても良い。
第1図は本発明の一実施例の機能ブロック図である。
第1図において、制御手段120は、第5図及び第6図
に示された制御用論理回路を示している。また第1図に
おいて、“他の制御信号”と示されているのは、第5図
及び第6図に示された各パラメータのうち、λ1、λ2
及びλ3を除いたものを示している。
に示された制御用論理回路を示している。また第1図に
おいて、“他の制御信号”と示されているのは、第5図
及び第6図に示された各パラメータのうち、λ1、λ2
及びλ3を除いたものを示している。
さて、前述したように、第5図及び第6図では、λ
1、λ2及びλ3で示されたパラメータについては、推
定スリップ率が、それぞれλ1、λ2及びλ3以上とな
った場合に、それぞれλ1、λ2及びλ3で示される信
号線上に出力が発生するものとした。
1、λ2及びλ3で示されたパラメータについては、推
定スリップ率が、それぞれλ1、λ2及びλ3以上とな
った場合に、それぞれλ1、λ2及びλ3で示される信
号線上に出力が発生するものとした。
これに対して、この実施例では、λ1、λ2及びλ3
がそれぞれ2種設定されていて、Gセンサ100の出力信
号に応じて、それらが選択される。詳しく言えば、Gセ
ンサ100により検出される車体の減速度が所定値以上で
ある場合には、第2λ1メモリ102、第2λ2メモリ104
及び第2λ3メモリ106が選択されて、それぞれ第2λ
1、第2λ2及び第2λ3が、比較手段114〜116に入力
される。
がそれぞれ2種設定されていて、Gセンサ100の出力信
号に応じて、それらが選択される。詳しく言えば、Gセ
ンサ100により検出される車体の減速度が所定値以上で
ある場合には、第2λ1メモリ102、第2λ2メモリ104
及び第2λ3メモリ106が選択されて、それぞれ第2λ
1、第2λ2及び第2λ3が、比較手段114〜116に入力
される。
また、前記Gセンサ100により検出される車体の減速
度が所定値未満である場合には、切換手段111、112及び
113が付勢されて、第1λ1メモリ101、第1λ2メモリ
103及び第1λ3メモリ105が選択されて、それぞれ第1
λ1、第1λ2及び第1λ3が、比較手段114〜116に入
力される。
度が所定値未満である場合には、切換手段111、112及び
113が付勢されて、第1λ1メモリ101、第1λ2メモリ
103及び第1λ3メモリ105が選択されて、それぞれ第1
λ1、第1λ2及び第1λ3が、比較手段114〜116に入
力される。
前記第1λ1メモリ101、第1λ2メモリ103及び第1
λ3メモリ105に記憶された第1λ1、第1λ2及び第
1λ3は、それぞれ前記第2λ1メモリ102、第2λ2
メモリ104及び第2λ3メモリ106に記憶された第2λ
1、第2λ2及び第2λ3よりも小さい値が設定されて
いる。
λ3メモリ105に記憶された第1λ1、第1λ2及び第
1λ3は、それぞれ前記第2λ1メモリ102、第2λ2
メモリ104及び第2λ3メモリ106に記憶された第2λ
1、第2λ2及び第2λ3よりも小さい値が設定されて
いる。
すなわち、この実施例では、第4図に示されるよう
に、車体の減速度が所定値g未満である場合には、λ
1、λ2及びλ3は、小さい方の値(第1λ1、第1λ
2及び第1λ3)が選択され、車体の減速度が所定値g
以上である場合には、λ1、λ2及びλ3は、大きい方
の値(第2λ1、第2λ2及び第2λ3)が選択され
る。なお、第4図において、Yで示された領域は、理想
的なスリップ率範囲を示している。
に、車体の減速度が所定値g未満である場合には、λ
1、λ2及びλ3は、小さい方の値(第1λ1、第1λ
2及び第1λ3)が選択され、車体の減速度が所定値g
以上である場合には、λ1、λ2及びλ3は、大きい方
の値(第2λ1、第2λ2及び第2λ3)が選択され
る。なお、第4図において、Yで示された領域は、理想
的なスリップ率範囲を示している。
比較手段114〜116は、第1λ1〜第1λ3、又は第2
λ1〜第2λ3と、推定スリップ率とを比較し、推定ス
リップ率の方が大きな値である場合に、制御手段120に
出力を発生する。
λ1〜第2λ3と、推定スリップ率とを比較し、推定ス
リップ率の方が大きな値である場合に、制御手段120に
出力を発生する。
したがって、制御手段120が、第5図及び第6図に示
されたような回路であるとすると、第7図のλ1、λ2
及びλ3で示される実線が、車体の減速度に応じて上下
することになる。
されたような回路であるとすると、第7図のλ1、λ2
及びλ3で示される実線が、車体の減速度に応じて上下
することになる。
つまり、仮に第7図に示されたλ1、λ2及びλ3で
示される実線が、第2λ1、第2λ2及び第2λ3であ
るものとすると、車体の減速度が小さくなった場合に
は、同図のλ1、λ2及びλ3で示される実線が上昇し
て、推定車速Vrに近付く。
示される実線が、第2λ1、第2λ2及び第2λ3であ
るものとすると、車体の減速度が小さくなった場合に
は、同図のλ1、λ2及びλ3で示される実線が上昇し
て、推定車速Vrに近付く。
この場合、車輪速度Vwが減少する場合は、該車輪速度
Vwがλ1で示される実線と交差するタイミング、すなわ
ち推定スリップ率がλ1に一致するタイミング(符号
J、L、P及びS)が早まって、キャリパ圧の減少する
タイミングが早くなる(符号j、l、p及びs)。すな
わち、制動力が弱まるタイミングが早くなる。同様に、
車輪速度Vwがλ2で示される実線と交差するタイミング
(符号M)も早まり、制動力が弱まるタイミングが早く
なる(符号m)。
Vwがλ1で示される実線と交差するタイミング、すなわ
ち推定スリップ率がλ1に一致するタイミング(符号
J、L、P及びS)が早まって、キャリパ圧の減少する
タイミングが早くなる(符号j、l、p及びs)。すな
わち、制動力が弱まるタイミングが早くなる。同様に、
車輪速度Vwがλ2で示される実線と交差するタイミング
(符号M)も早まり、制動力が弱まるタイミングが早く
なる(符号m)。
逆に、車輪速度Vwが増加するときは、該車輪速度Vwが
λ1で示される実線と交差するタイミング(符号K)が
遅くなって、キャリパ圧の増加するタイミングが遅くな
る(符号k)。すなわち、制動力が強くなるタイミング
が遅くなる。同様に、車輪速度Vwがλ3で示される実線
と交差するタイミング(符号O)も遅くなって、キャリ
パ圧が減少から圧力保持に至るタイミングが遅延され
(符号o)、この結果、制動力の減少時間が長くなる。
λ1で示される実線と交差するタイミング(符号K)が
遅くなって、キャリパ圧の増加するタイミングが遅くな
る(符号k)。すなわち、制動力が強くなるタイミング
が遅くなる。同様に、車輪速度Vwがλ3で示される実線
と交差するタイミング(符号O)も遅くなって、キャリ
パ圧が減少から圧力保持に至るタイミングが遅延され
(符号o)、この結果、制動力の減少時間が長くなる。
ここで、Gセンサ100により検出される車体の減速度
Gは、路面の摩擦係数と相関関係がある。すなわち、ア
イスバーンのような低μ路においては、制動距離が長く
なるので車体の減速度Gは小さく、逆に、乾燥したアス
ファルト路面のような高μ路においては制動距離が短く
なるので車体の減速度Gは大きくなる。
Gは、路面の摩擦係数と相関関係がある。すなわち、ア
イスバーンのような低μ路においては、制動距離が長く
なるので車体の減速度Gは小さく、逆に、乾燥したアス
ファルト路面のような高μ路においては制動距離が短く
なるので車体の減速度Gは大きくなる。
したがって、この実施例では、低μ路においては、制
動力が全体的に弱まり、路面と車輪とのスリップ率が小
さく抑えられ、逆に高μ路においては、制動力が強くな
って、スリップ率が大きくなる。
動力が全体的に弱まり、路面と車輪とのスリップ率が小
さく抑えられ、逆に高μ路においては、制動力が強くな
って、スリップ率が大きくなる。
ところで、第5図より明らかなように、車輪の加速度
が+ω2以上となり、かつ推定スリップ率がλ2以上と
なった(第7図の車輪速度Vwがλ2で示される実線を下
回った)場合には、インレットバルブ及びアウトレット
バルブには、制御信号が出力されない。すなわち、第7
図の符号Xで示されるタイミングで、キャリパ圧が上昇
を始める。つまり、この実施例では、車輪の加速度が大
きい場合で、かつスリップ率も大きい場合には、車速の
急激な上昇を防止するために、制動を行うように構成さ
れている。
が+ω2以上となり、かつ推定スリップ率がλ2以上と
なった(第7図の車輪速度Vwがλ2で示される実線を下
回った)場合には、インレットバルブ及びアウトレット
バルブには、制御信号が出力されない。すなわち、第7
図の符号Xで示されるタイミングで、キャリパ圧が上昇
を始める。つまり、この実施例では、車輪の加速度が大
きい場合で、かつスリップ率も大きい場合には、車速の
急激な上昇を防止するために、制動を行うように構成さ
れている。
その制動後、推定スリップ率がλ2に一致した場合
(符号Q)には、キャリパ圧が、その時の圧力に維持さ
れる(符号q)ことになるが、車体の減速度が小さい場
合には、λ2の値が減少されて車輪速度Vwがλ2で示さ
れる実線を交差するタイミングが遅くなり、制動力が逆
に強くなってしまう。
(符号Q)には、キャリパ圧が、その時の圧力に維持さ
れる(符号q)ことになるが、車体の減速度が小さい場
合には、λ2の値が減少されて車輪速度Vwがλ2で示さ
れる実線を交差するタイミングが遅くなり、制動力が逆
に強くなってしまう。
したがって、このような場合、すなわち、車輪の加速
度が所定値(+ω2)を超えた場合には、車両の減速度
にかかわらず、スリップ率(λ1、λ2及びλ3)とし
て、大きい方の値(第2λ1、第2λ2及び第2λ3)
を選択するようにすると良い。
度が所定値(+ω2)を超えた場合には、車両の減速度
にかかわらず、スリップ率(λ1、λ2及びλ3)とし
て、大きい方の値(第2λ1、第2λ2及び第2λ3)
を選択するようにすると良い。
さて、前述の各説明においては、車体の減速度Gが小
さい場合に、スリップ率λ1、λ2及びλ3の値を小さ
く設定するものとしたが、路面の摩擦係数が小さい場合
にスリップ率λ1、λ2及びλ3の値を小さく設定す
る、ということもできる。
さい場合に、スリップ率λ1、λ2及びλ3の値を小さ
く設定するものとしたが、路面の摩擦係数が小さい場合
にスリップ率λ1、λ2及びλ3の値を小さく設定す
る、ということもできる。
また、逆に、車体の減速度Gが大きい場合、又は路面
の摩擦係数が大きい場合にスリップ率λ1、λ2及びλ
3の値を大きく設定する、ということもできる。
の摩擦係数が大きい場合にスリップ率λ1、λ2及びλ
3の値を大きく設定する、ということもできる。
また、前述の説明においては、スリップ率λ1〜λ3
は2種設定されるものとしたが、減速度Gに応じて3種
以上設定されても良い。
は2種設定されるものとしたが、減速度Gに応じて3種
以上設定されても良い。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次
のような効果が達成される。
のような効果が達成される。
(1)請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置によれ
ば、減速度が小さい場合に、車輪の推定スリップ率が所
定スリップ率以上となるときは、制動力を弱めるために
出力されるべき制御信号の発生タイミングが速くなり、
逆に、車輪の推定スリップ率が所定スリップ率を下回る
ときは、前記制御信号の出力停止タイミングが遅くな
る。
ば、減速度が小さい場合に、車輪の推定スリップ率が所
定スリップ率以上となるときは、制動力を弱めるために
出力されるべき制御信号の発生タイミングが速くなり、
逆に、車輪の推定スリップ率が所定スリップ率を下回る
ときは、前記制御信号の出力停止タイミングが遅くな
る。
車体の減速度と路面の摩擦係数とには相関関係がある
から、路面の摩擦係数が小さい場合には、制動装置の制
動力が抑えられる。つまり、路面の摩擦係数が大きい場
合には、スリップ率が大きく設定され、路面の摩擦係数
が小さい場合には、スリップ率が小さく抑えられる。
から、路面の摩擦係数が小さい場合には、制動装置の制
動力が抑えられる。つまり、路面の摩擦係数が大きい場
合には、スリップ率が大きく設定され、路面の摩擦係数
が小さい場合には、スリップ率が小さく抑えられる。
すなわち、タイヤ横方向の摩擦係数が、路面状況にか
かわらず常にほぼ一定に保たれる(第9図参照)ので、
低μ路においてもタイヤ横方向の摩擦係数を確保でき、
また高μ路での制動も効率良く行われることができる。
かわらず常にほぼ一定に保たれる(第9図参照)ので、
低μ路においてもタイヤ横方向の摩擦係数を確保でき、
また高μ路での制動も効率良く行われることができる。
(2)請求項2記載の車両用ブレーキ制御装置によれ
ば、請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置と同様に、
低μ路においてもタイヤ横方向の摩擦係数を確保でき、
また高μ路での制動も効率良く行われることができる。
ば、請求項1記載の車両用ブレーキ制御装置と同様に、
低μ路においてもタイヤ横方向の摩擦係数を確保でき、
また高μ路での制動も効率良く行われることができる。
また、この車両用ブレーキ制御装置においては、車輪
の推定スリップ率が所定スリップ率以上であり、かつ車
輪の加速度が所定加速度以上である場合には、車速の急
激な上昇を防止するために、制動装置による制動力が強
められる。したがって、制動力が強められた後、車輪の
推定スリップ率が所定スリップ率を下回った時点で、制
動力の増大が停止されるが、この場合は、低μ路であっ
ても前記所定スリップ率の値は減少されないので、制動
力の増大停止が遅延されて行われることがない。
の推定スリップ率が所定スリップ率以上であり、かつ車
輪の加速度が所定加速度以上である場合には、車速の急
激な上昇を防止するために、制動装置による制動力が強
められる。したがって、制動力が強められた後、車輪の
推定スリップ率が所定スリップ率を下回った時点で、制
動力の増大が停止されるが、この場合は、低μ路であっ
ても前記所定スリップ率の値は減少されないので、制動
力の増大停止が遅延されて行われることがない。
第1図は本発明の一実施例の機能ブロック図である。 第2図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。 第3図は本発明が適用される車両の一例の側面図であ
る。 第4図はλ1〜λ3と車両の減速度Gとの関係を示す図
である。 第5図及び第6図は車両用ブレーキ制御装置の一例の制
御用論理回路図である。 第7図は第5図及び第6図に示された車両用ブレーキ制
御装置の動作例を示すタイムチャートである。 第8図は第5図に示された論理回路図の他の例である。 第9図はタイヤ及び路面のスリップ率λと、タイヤ横方
向(タイヤの転がり方向と垂直な方向)の摩擦係数との
関係を示すグラフである。 21……マイクロコンピュータ、31……ソレノイド制御回
路、53,63,73……カットバルブ、81,83……インレット
バルブ、82,84……アウトレットバルブ、100……Gセン
サ、101……第1λ1メモリ、102……第2λ1メモリ、
103……第1λ2メモリ、104……第2λ2メモリ、105
……第1λ3メモリ、106……第2λ3メモリ、111,11
2,113……切換手段、114,115,116……比較手段、120…
…制御手段
る。 第3図は本発明が適用される車両の一例の側面図であ
る。 第4図はλ1〜λ3と車両の減速度Gとの関係を示す図
である。 第5図及び第6図は車両用ブレーキ制御装置の一例の制
御用論理回路図である。 第7図は第5図及び第6図に示された車両用ブレーキ制
御装置の動作例を示すタイムチャートである。 第8図は第5図に示された論理回路図の他の例である。 第9図はタイヤ及び路面のスリップ率λと、タイヤ横方
向(タイヤの転がり方向と垂直な方向)の摩擦係数との
関係を示すグラフである。 21……マイクロコンピュータ、31……ソレノイド制御回
路、53,63,73……カットバルブ、81,83……インレット
バルブ、82,84……アウトレットバルブ、100……Gセン
サ、101……第1λ1メモリ、102……第2λ1メモリ、
103……第1λ2メモリ、104……第2λ2メモリ、105
……第1λ3メモリ、106……第2λ3メモリ、111,11
2,113……切換手段、114,115,116……比較手段、120…
…制御手段
Claims (1)
- 【請求項1】車輪速度の変化から車輪のスリップ率を推
定する手段と、 車輪速度の変化から車輪の加速度を算出する手段と、 車輪の推定スリップ率が所定スリップ率以上となったと
きに、制動装置の制動力を弱くし、車輪の推定スリップ
率が所定スリップ率以上となり、かつ車輪の加速度が所
定加速度以上となったときに、制動装置の制動力を強く
する制動力制御手段とを備えた車両用ブレーキ制御装置
において、 車体の減速度を検出するセンサをさらに備え、 前記制動力制御手段は、車体の減速度が小さいときは、
前記所定スリップ率の値を減少させ、車輪の加速度が所
定加速度以上であるときには、車体の減速度にかかわら
ず、前記所定スリップ率の値を元の値に戻すことを特徴
とする車両用ブレーキ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19321189A JP2630469B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | 車両用ブレーキ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19321189A JP2630469B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | 車両用ブレーキ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0357758A JPH0357758A (ja) | 1991-03-13 |
JP2630469B2 true JP2630469B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=16304152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19321189A Expired - Fee Related JP2630469B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-07-26 | 車両用ブレーキ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2630469B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6403971B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2018-10-10 | ヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン株式会社 | 車両用ブレーキ制御装置 |
-
1989
- 1989-07-26 JP JP19321189A patent/JP2630469B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0357758A (ja) | 1991-03-13 |
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