JP2630135B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2630135B2
JP2630135B2 JP3264509A JP26450991A JP2630135B2 JP 2630135 B2 JP2630135 B2 JP 2630135B2 JP 3264509 A JP3264509 A JP 3264509A JP 26450991 A JP26450991 A JP 26450991A JP 2630135 B2 JP2630135 B2 JP 2630135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は各種摩擦要素(クラッチ、
ブレーキ)の選択的油圧作動により所定変速段を選択
し、作動する摩擦要素の切り換えにより他の変速段への
変速が可能である。
【0003】従って、変速の種類によっては、本願出願
人が昭和63年3月に発行した「NISSAN RE4F02A型オー
トマチックトランスアクスル整備要領書」における自動
変速機の2→3変速に見られる如く、或る摩擦要素(ハ
イクラッチ)を締結すると同時に他の摩擦要素(バンド
ブレーキ)を解放する摩擦要素の掛け換えが必要であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、締結すべき
摩擦要素は解放すべき摩擦要素に較べ、この締結をリタ
ーンスプリングのばね力や摺動抵抗に抗して行うため作
動遅れを生じ易く、特に摩擦要素の掛け換えにより行う
変速に際しこの作動遅れは変速性能の悪化を伴う。本発
明は、変速開始当初の設定期間中、締結すべき摩擦要素
に、そのロスストローク終了を早めるために予め定めた
プリチャージ圧をステップ状にかけておき、これにより
上記の作動遅れの問題を解消することを目的とする。
【0005】ところでこの場合、プリチャージ圧が高す
ぎると、締結側要素のすべり結合力が強すぎて、これと
開放側要素の未開放とによる両摩擦要素の同時締結で、
変速機がインターロック傾向となり、所謂変速機出力ト
ルクの大きな引き込み(減速感)を生じて、更なる変速
性能の悪化さえ生ずる。逆にプリチャージ圧が低すぎる
と、上記締結側要素の作動遅れに関する問題解決が十分
でなくなったり、開放側要素の開放時に、両摩擦要素の
同時開放によるエンジンの空吹けを生じて、この場合も
変速性能が悪化する。本発明はこの観点から、上記のプ
リチャージ圧を適切な値に学習制御するようにしたもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明に
よる変速制御装置は図1に概念を示す如く、或る摩擦要
素を締結圧で結合すると同時に他の摩擦要素を締結圧の
排除で解放する摩擦要素の掛け換えにより変速を行うよ
うにした自動変速機において、前記変速の指令から予め
設定したプリチャージ期間において前記或る摩擦要素の
締結圧を設定プリチャージ圧までステップ状に上昇させ
ておくプリチャージ手段と、この設定プリチャージ圧に
よる前記或る摩擦要素の滑り結合と前記他の摩擦要素の
未解放とによる両摩擦要素の同時結合に伴って低下する
変速機出力トルクの、前記プリチャージ期間中における
最低値を検出するトルク検出手段と、該プリチャージ期
間中における変速機出力トルクの最低値が所定値になる
よう前記設定プリチャージ圧を変更する設定プリチャー
ジ圧修正手段とを設け、更に、前記或る摩擦要素の締結
圧を、前記プリチャージ期間経過後の設定期間中、前記
変速の進行が可能となるよう前記設定プリチャージ圧よ
りも高く設定した棚圧に向けて一定勾配で上昇させ、該
設定期間の経過時から変速終了判断までの期間中前記棚
圧に保持し、該変速終了判断時にライン圧まで上昇させ
る変速進行圧設定手段を設けて構成したものである。
【0007】
【作用】自動変速機は或る摩擦要素を締結すると同時に
他の摩擦要素を解放する摩擦要素の掛け換えにより対応
する変速を行う。
【0008】ところで、この変速に当りプリチャージ手
段が、上記変速の指令から予め設定したプリチャージ期
間において上記或る摩擦要素の締結圧を設定プリチャー
ジ圧までステップ状に上昇させておくため、その作動遅
れを少なくすることができ、摩擦要素の掛け換えにより
行う変速といえども変速性能の悪化を生ずることがな
い。そしてトルク検出手段は、上記設定プリチャージ圧
による状記或る摩擦要素の滑り結合と前記他の摩擦要素
の未解放とによる両摩擦要素の同時結合に伴って低下す
る変速機出力トルクの、前記プリチャージ期間中におけ
る最低値を検出し、設定プリチャージ圧修正手段は、該
プリチャージ期間中における変速機出力トルクの最低値
が所定値になるよう上記設定プリチャージ圧を変更す
る。よって、上記の設定プリチャージ圧が過不足のない
適正値に学習制御されることとなり、上記の作用効果を
確実に達成することができる。なお、上記のプリチャー
ジ以後は変速進行圧設定手段が、上記或る摩擦要素の締
結圧を、プリチャージ期間経過後の設定期間中、前記変
速の進行が可能となるよう設定プリチャージ圧よりも高
く設定した棚圧に向けて一定勾配で上昇させ、該設定期
間の経過時から変速終了判断までの期間中は上記棚圧に
保持し、該変速終了判断時にライン圧まで上昇させるこ
とから、所定通りに変速を進行させることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は本発明装置により変速制御する自動変
速機の歯車伝動列と、これに係る摩擦要素の締結論理表
を示す。
【0010】入出力軸I,O間に同軸に3個の第1,第
2,第3遊星歯車組G1, G2, G3を配列し、これらは夫々
第1,第2,第3サンギヤ、第1,第2,第3リングギ
ヤ、及び第1,第2,第3キャリアよりなる単純遊星歯
車組とする。第1サンギヤを入力軸Iに結合し、第2及
び第3サンギヤをロークラッチL/Cで入力軸に結合可
能にすると共に第2キャリアをハイクラッチH/Cで入
力軸に結合可能とする。第1キャリア及び第2リングギ
ヤを一体結合してセカンドブレーキ2/Bで固定可能と
し、第1リングギヤを3速/5速/後退バンドブレーキ
35R/Bで固定可能とする。又、第2キャリアは更に第
3リングギヤに一体結合してローリバースブレーキLR
/Bで固定可能にすると共に、ローワンウェイクラッチ
L/OWCで入力軸Iと反対方向に回転止めする。
【0011】かかる歯車伝動列は、同じく図2に示す摩
擦要素の締結(○印で示す)、解放(無印)の組合せに
より前進第1速乃至第5速及び後退の変速段を選択する
ことができ、図2には更に、これら締結、解放を得るた
めに圧力を供給すべき各摩擦要素の室を○印により合わ
せ示した。なお、図2の論理表において△印は変速段の
選択には関与しないが、後述の目的のために締結する摩
擦要素及び圧力を供給する室を示す。
【0012】図3は、図2に示す歯車伝動列のための変
速制御油圧回路で、これにより図2の締結論理を達成す
る。10はマニュアル弁を示し、この弁は運転者が希望す
る走行形態に応じ図示の前進自動変速レンジ(Dレン
ジ)や、第1速エンジンブレーキレンジ(Iレンジ)や
停車レンジ(Nレンジ)や、後退レンジ(Rレンジ)に
手動操作するものとする。なお、マニュアル弁10はその
他にも駐車レンジ(Pレンジ)や、第2速エンジンブレ
ーキレンジ(IIレンジ)を有するが、これらについては
本発明と関係ないため省略する。
【0013】マニュアル弁10は、圧力源11で調圧され回
路12に出力されたライン圧PL を、選択レンジに応じD
レンジではポート10Dに、Iレンジではポート10D,10
Iに、Rレンジではポート10Rに出力するものとする
が、Nレンジではライン圧回路12をどのポートにも通じ
ず、全てのポートをドレンするものとする。
【0014】13, 14, 15は夫々第1,第2,第3デュー
ティソレノイド弁、16はソレノイド切換弁を示し、これ
ら弁13〜16には回路17により一定のパイロット圧を供給
する。このパイロット圧は、パイロット弁18がラインP
L を一定値に減圧して作り出す。
【0015】デューティソレノイド弁13〜15には更に、
マニュアル弁ポート10Dに通じた前進圧回路19を接続
し、この回路19は更にロークラッチL/Cの締結室LC
Aに通じさせる。
【0016】デューティソレノイド弁13, 14, 15は夫々
デューティ0%で室13a, 14a, 15a内へのパイロット圧
を全てドレンされて回路20, 21, 22をドレンする図示位
置を保ち、デューティを100 %に向け増大されるにつれ
て室13a, 14a, 15a 内がパイロット圧と同じ値になるま
で圧力上昇し、回路20, 21, 22内の圧力を前進圧回路19
のライン圧と同じ値になるまで圧力上昇させる。
【0017】ソレノイド切換弁16はON時回路17のパイロ
ット圧を切換弁23, 24に供給してこれら弁を図中右行さ
せ、OFF 時切換弁23, 24を図示位置にするものとする。
切換弁23は図示位置で回路20を回路25に通じ、右行時回
路20を回路26に通じるものとする。又、切換弁24は図示
位置でセカンドブレーキ2/Bを回路25に、ハイクラッ
チH/Cをドレンポート24a に夫々通じ、右行時セカン
ドブレーキ2/Bをドレンポート24a に、ハイクラッチ
H/Cをシャトル弁27の出力ポートに夫々通じるものと
する。
【0018】シャトル弁27の一方の入力ポートは回路26
に接続し、この回路26はロークラッチL/Cの解放室L
CR及び切換弁28を介しバンドブレーキ35R/Bの5
速、後退締結室5RAにも通じさせる。シャトル弁27の
他方の入力ポートは回路22に接続し、この回路22及び回
路25をシャトル弁29を経てバンドブレーキ35R/Bの2
速、4速解放室24Rに通じさせ、該バンドブレーキの3
速、後退締結室3RAに回路21を接続する。
【0019】マニュアル弁10のポート10IはIレンジ減
圧弁30を経てローリバースブレーキLR/Bの1速締結
室1Aに接続する。また、マニュアル弁10のポート10R
は回路31によりローリバースブレーキLR/Bの後退締
結室RAに接続すると共に、切換弁28を介しバンドブレ
ーキ35R/Bの5速、後退締結室5RAに接続する。
【0020】弁13〜16は、図4のコントローラ40により
後述の如くに制御し、この目的のためコントローラ40に
は変速機入力回転数Ni を検出する入力回転センサ41か
らの信号と、変速機出力回転数No を検出する出力回転
センサ42からの信号と、エンジンスロットル開度THを
検出するスロットルセンサ43からの信号と、変速機出力
トルクT0 を検出する出力トルクセンサ44からの信号を
入力する。コントローラ40はこれら入力情報を基に弁13
〜16を以下の如くに制御して自動変速機の変速制御を実
行すると共に、図5〜8の制御プログラムにより2→3
変速時に本発明が狙いとする変速制御を可能にする。
【0021】次に上記実施例の作用を、先ず一般的な変
速制御から説明する。マニュアル弁10のNレンジでは、
回路12のライン圧PL はどのポート10D, 10I, 10Rに
も出力されず、全ポートがドレンされている。このた
め、全ての摩擦要素が非作動(解放)にされ、自動変速
機は入出力軸I,O間で動力伝達を行わず、停車状態を
保つ。
【0022】(第1速)前進走行を希望してマニュアル
弁10をDレンジにすると、ポート10Dに回路12のライン
圧PL が出力される。このライン圧はポート10Dから回
路19を経てロークラッチL/Cの締結室LCAに至り、
このクラッチを締結する。一方、第1速を選択すべき走
行状態であれば、図4のコントローラ40がデューティソ
レノイド弁13, 14, 15 をそれぞれデューティ0%に
し、ソレノイド切換弁16をOFF する。よって、回路20,
21, 22が無圧状態となり、切換弁23, 24が図示位置にさ
れるため、ロークラッチL/Cの解放室LCR、セカン
ドブレーキ2/B、ハイクラッチH/C及びバンドブレ
ーキ35R/Bの全室3RA,5RA,24Rがドレンされ
る。従って、自動変速機はロークラッチL/Cのみが締
結されることとなり、第1速を選択することができる。
【0023】なお、図2の歯車伝動列では、この第1速
時、ローワンウェイクラッチL/OWCの存在によって
エンジンブレーキが得られない。第1速でエンジンブレ
ーキが必要なら、運転者はマニュアル弁10をIレンジに
してポート10Dだけでなくポート10Iからもライン圧を
出力させる。この時、ポート10Iからのライン圧が減圧
弁30を経てローリバースブレーキLR/Bの室1Aに至
り(図2の表中△印参照)、このブレーキを追加作動さ
せ、第1速でのエンジンブレーキを可能にする。
【0024】(第2速)Dレンジ第1速状態において、
第2速を選択すべき運転状態になると、コントローラ40
は第1デューティソレノイド弁13のデューティを漸増さ
せることにより、回路20に圧力を生じさせると共にこの
圧力を徐々に上昇させる。この圧力は切換弁23, 24を経
てセカンドブレーキ2/Bに至り、これを徐々に締結さ
せ、第2速へのアップシフト変速をショックなしに行う
ことができる。
【0025】ところで、セカンドブレーキの締結圧はシ
ャトル弁29を経てバンドブレーキ35R/Bの解放室24R
に至り(図2の表中△印参照)、リターンスプリングと
の共働により該バンドブレーキの締結を禁ずる。このた
め、デューティソレノイド弁14が制御系の故障により回
路21内に圧力を生じさせることがあっても、バンドブレ
ーキ35R/Bが締結されることはなく、自動変速機のイ
ンターロックによる走行不能を回避することができる。
【0026】(第3速)第2速状態で、第3速を選択す
べき運転状態になると、コントローラ40は第1デューテ
ィソレノイド弁13のデューティを減少させて回路20(セ
カンドブレーキ2/B)の圧力を低下させると共に、第
2デューティソレノイド弁14のデューティを漸増させて
回路21(バンドブレーキ35R/Bの室3RA)に圧力を
生じさせ、図5〜8につき後述する態様で徐々に上昇さ
せる。これにより、セカンドブレーキ2/Bが解放さ
れ、バンドブレーキ35R/Bが締結される摩擦要素の掛
け換えにより第3速へのアップシフト変速を行うことが
できる。
【0027】この変速中、解放されるセカンドブレーキ
2/Bの締結圧と締結されるバンドブレーキ35R/Bの
締結圧とを夫々デューティソレノイド弁13, 14で個別に
制御することから、図5につき後述する如き運転状態に
応じて自由に、セカンドブレーキ2/Bの解放タイミン
グ及びバンドブレーキ35R/Bの締結タイミングを夫々
丁度良いタイミングにすることができる。
【0028】(第4速)第3速選択状態で第4速を選択
すべき運転状態になると、コントローラ40はソレノイド
切換弁16をONして切換弁23, 24を夫々回路17からのパイ
ロット圧により図中右行位置に切り換え、同時に第2デ
ューティソレノイド弁14のデューティを漸減させて回路
21の圧力(バンドブレーキ35R/Bの締結室3RA内に
おける圧力)を低下させると共に、第3デューティソレ
ノイド弁15のデューティを漸増させて回路22の圧力(シ
ャトル弁27, 切換弁24を経てハイクラッチH/Cに至る
締結圧)を徐々に上昇させる。これにより、バンドブレ
ーキ35R/Bが解放され、ハイクラッチH/Cが締結さ
れる摩擦要素の掛け換えにより第4速へのアップシフト
変速を行うことができる。
【0029】この変速中も、解放されるバンドブレーキ
35R/Bの室35Aにおける締結圧と、締結されるハイク
ラッチH/Cの締結圧とを夫々デューティソレノイド弁
14,15で個別に制御することが出来るのは言うまでもな
い。
【0030】なお、回路22のハイクラッチ締結圧はシャ
トル弁29を経てバンドブレーキ35R/Bの解放室24Rに
至り(図2の表中△印参照)、リターンスプリングとの
共働により該バンドブレーキの締結を禁ずる。このた
め、デューティソレノイド弁14が制御系の故障により回
路21内に圧力を生じさせることがあっても、バンドブレ
ーキ35R/Bが締結されることはなく、自動変速機のイ
ンターロックを防止することができる。
【0031】(第5速)第4速選択状態で第5速を選択
すべき運転状態になると、コントローラ40は第3デュー
ティソレノイド弁15のデューティを減少させて回路22の
圧力を低下させると共に、第1デューティソレノイド弁
13のデューティを増大させて回路20の圧力を上昇させ
る。回路22の圧力低下はハイクラッチH/Cを解放させ
ようとするが、代わりに回路20の圧力が切換弁23、シャ
トル弁27、回路26及び切換弁24を経てハイクラッチH/
Cに至り、ハイクラッチH/Cを締結し続ける。回路26
に至った圧力は同時に、ロークラッチL/Cの解放室L
CRに至り、この室の受圧面積が室LCAの受圧面積よ
り大きいことによってロークラッチL/Cを解放させ
る。回路26の圧力は更に切換弁28を経てバンドブレーキ
35R/Bの締結室5RAに至り、該ブレーキの解放室24
Rが回路22の圧力低下でドレンされることから、バンド
ブレーキ35R/Bを締結させる。これにより自動変速機
は第5速へのアップシフト変速を行うことができる。
【0032】5→4ダウンシフト変速、4→3ダウンシ
フト変速、3→2ダウンシフト変速、2→1ダウンシフ
ト変速についても、デューティソレノイド弁13, 14, 15
及びソレノイド切換弁16の対応する制御により所定通り
に得られる。
【0033】(後退)後退を希望して運転者がマニュア
ル弁10をRレンジにすると、回路12のライン圧PL がポ
ート10Rにより回路31に出力され、他のポートは全てド
レンとなる。又、コントローラ40は基本的にはデューテ
ィソレノイド弁13, 14, 15のデューティを0%にして回
路20, 21, 22を無圧状態にし、ソレノイド切換弁16をOF
F して切換弁23, 24を図示位置にしている。
【0034】回路31の圧力は一方で、ローリバースブレ
ーキLR/Bの締結室RAに至ってこのブレーキを締結
し、他方で切換弁28を経てバンドブレーキ35R/Bの締
結室5RAに至り、このバンドブレーキを締結する。よ
って、自動変速機は後退を選択することができる。
【0035】なお、アクセルペダル急踏み込み時等のよ
うにバンドブレーキ35R/Bのブレーキ容量を大きくし
たい場合、コントローラ40は第2デューティソレノイド
弁14のデューティを上昇させて回路21に圧力を生じさせ
る(図2の表中△印参照)。この圧力は室3RAに至っ
てバンドブレーキ35R/Bの締結力を強め、そのブレー
キ容量を要求通りに高めることができる。
【0036】次に、コントローラ40が図5〜図8の制御
プログラムにより行う本発明が狙いとする変速制御につ
いて説明する。
【0037】図5は、定時割り込みにより実行されるメ
インルーチンで、先ずステップ51においてスロットル開
度TH及び出力回転数No を読み込み、次にステップ52
においてNo から車速Vを演算する。次のステップ53に
おいては、TH及びVから現在の走行状態に最も好適な
変速段Gnew を予定のマップに基ずき決定する。そし
て、ステップ54においてこの好適変速段が現在選択中の
変速段Gold と違うか否かにより変速すべきか否かを判
定する。変速する必要がなければ、制御をステップ51に
戻して上記のループを繰り返し、変速の要否を判定し続
ける。
【0038】ステップ54で変速すべきと判定する時は、
ステップ55で本発明の対策を行う2→3変速か否かをチ
ェックし、2→3変速以外ならステップ56で、前述した
ように通常の変速を行う。
【0039】2→3変速なら、制御をステップ57に進め
てタイマtをリセットし、2→3変速指令からの経過時
間を計測する。この経過時間tは、図9の2→3変速動
作タイムチャートにより説明すると、変速指令瞬時t0
からの時間を表す。ついで、ステップ58において変速フ
ェーズを判定するが、このルーチンは図6の如きものと
する。
【0040】即ち、先ずステップ71において、変速機出
力回転数No、及び変速機入力回転数Ni と変速後ギヤ
比γ(この場合第3速のギヤ比)との乗算値間における
差△Nを
【数1】△N=No −Ni ×γ ‥‥‥‥(1) により求める。この△Nは、当該変速に当たって締結す
る摩擦要素(この場合ブレーキ35R/B)のスリップ
量、つまり変速の進行度合を表す。次のステップ72で
は、上記回転差△Nの絶対値が微少設定値△Ns 未満か
否かにより、変速終了か否かをチェックし、終了してい
なければ、ステップ73で前記のタイマ計測時間tが図9
に示す予め定めたプリチャージ時間t1 未満か否かをチ
ェックし、t<t1 なら、ステップ74で変速フェーズを
プリチャージフェーズとする。t≧t1 のプリチャージ
フェーズ終了なら、ステップ75で図9にt2 で示すトル
クフェーズ時間中か否かを、t<t1 +t2 か否かによ
りチェックし、そうであればステップ76で変速フェーズ
をトルクフェーズとし、そうでなければステップ77で変
速フェーズを同じく図9に示すイナーシャフェーズとす
る。そして、ステップ72で変速終了と判別する時ステッ
プ78で、このことを表すように変速フェーズをエンドフ
ェーズとする。
【0041】図5の次のステップ59では、上述のように
して判定した変速フェーズがエンドフェーズか、それ以
外かをチェックする。エンドフェーズに至るまでは、ス
テップ60及び61を経てステップ59に戻るループの繰り返
しにより、当該変速時に締結すべきブレーキ35R/Bの
締結圧PONを図9に示すように上昇制御すると共に、解
放すべきブレーキ2/Bの締結圧POFF (以下、解放圧
と言う)を同じく図9に示すように低下制御する。
【0042】ステップ61の解放圧制御ルーチンは、2→
3変速作用につき前記した通常通りに解放圧POFF の制
御を行ってこれを図9の如くに低下させるが、ステップ
60の締結圧制御ルーチンは前記本発明の目的に照らして
図7に示す如きものとし、これにより締結圧PONを図9
に示す如くに上昇させる。
【0043】図7においては、ステップ81〜83でプリチ
ャージフェーズか、トルクフェーズか、イナーシャフェ
ーズか、エンドフェーズかをチェックする。プリチャー
ジフェーズならステップ84で締結圧PONを、ブレーキ35
R/Bのロスストローク終了を早めるために予め設定し
てあるプリチャージ圧PP までステップ状に上昇させ
る。なお、このプリチャージ圧PP は後述の学習制御に
より修正されるものとする。次いで、ステップ85,86に
おいてプリチャージフェーズ中における変速機出力トル
クTO の最低値TOPを更新し続け図9の如くに求める。
【0044】次のトルクフェーズ中は、ステップ87にお
いて締結圧を所定の速度で例えば図9に示す如くに上昇
させ、更にイナーシャフェーズ中はステップ88で締結圧
を図9に例示する所定の棚圧となす。
【0045】図5のステップ59でエンドフェーズと判別
する場合は、ステップ62において締結圧PONを図9に示
すように最高値であるライン圧PL にし、又ステップ63
で現在の変速機出力トルクTO を図9に示す如くにエン
ドフェーズ出力トルクTOEとし、その後ステップ64でプ
リチャージ圧PP を学習制御する。
【0046】ステップ64の学習制御は図8に示す如きも
ので、ステップ91において前記プリチャージフェーズ中
における変速機出力トルクの最低値(プリチャージによ
る引き込みトルク)TOPがエンドフェーズ中の変速機出
力トルクTOE未満か否かをチェックし、ステップ92にお
いて引き込みトルクがエンドフェーズトルクより大きい
か、もしくは両者が等しいかをチェックする。
【0047】プリチャージ圧PP が高過ぎると、これに
よるブレーキ35R/Bの滑り結合力が強過ぎて、当該ブ
レーキの結合と、解放圧POFF で決まるブレーキ2/B
の未開放とによる両ブレーキの同時結合に起因し、図9
に2点鎖線で示すように、トルクの引き込みが大きく減
速感を生じてプリチャージ圧をかけない場合よりも変速
性能が悪化し、又低過ぎるとブレーキ35R/Bが滑り結
合不足となって本発明の目的を十分に達成できない。そ
こで、プリチャージ圧が高過ぎてTOP<TOEになるよう
ならステップ93において、プリチャージ圧を△PP だけ
低下させ、逆にプリチャージ圧が低過ぎてTOP>TOE
なるようならステップ94において、プリチャージ圧を△
P だけ高くする。そして、TOP=TOEならステップ92
からそのまま制御を図5のメインルーチンに戻すことで
プリチャージ圧を変更しない。
【0048】以上の締結圧制御によれば、図9に示す通
りにブレーキ35R/Bの締結圧PONを、変速指令瞬時か
ら予め定めた期間中において予定のプリチャージ圧PP
までステップ状に上昇させるため、当該変速に当りブレ
ーキ2/Bの解放と引き換えに締結すべきブレーキ35R
/Bを作動遅れ無しに締結することができ、摩擦要素の
掛け換えにより行う変速といえども変速性能の悪化を生
ずることがない。また、プリチャージ圧を、引き込みト
ルクTOPが変速終了時のトルクTOEに一致するよう学習
制御するから、前記のプリチャージが過不足なく行われ
ることとなり、上記の作用効果を確実に達成することが
出来る。
【0049】なお、上述の例ではプリチャージ圧を、引
き込みトルクが所定値になるよう学習制御したが、引き
込みトルクは車両の加速度変化をもたらすことから、図
4における前後Gセンサ45で検出した前後加速度Gが生
じないようプリチャージ圧を学習制御してもよいことは
言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】かくして本発明変速制御装置は、変速の
ため摩擦要素の掛け代えを行うに当たり、解放される摩
擦要素(図示例ではブレーキ2/B)と引換えに締結す
べき別の摩擦要素(図示例ではブレーキ35R/B)の締
結圧PONを、変速指令瞬時から予め定めた期間中におい
て、予定のプリチャージ圧PP までステップ状に上昇さ
せる構成にしたから、後者の摩擦要素の作動遅れをなく
して、これに伴う変速性能の悪化を防止することができ
る。また、上記のプリチャージ圧PP を、引き込みトル
クTOPが所定値(図示例では変速終了時のトルクTOE
に一致するよう学習制御するから、前記のプリチャージ
が過不足なく行われることとなり、上記の作用効果を確
実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明変速制御装置の概念図である。
【図2】本発明装置により変速制御する自動変速機の歯
車伝動列を例示するスケルトン図及びその摩擦要素締結
論理表である。
【図3】同伝動列の変速制御油圧回路を示す回路図であ
る。
【図4】同油圧回路の電子制御系を示すブロック図であ
る。
【図5】同電子制御系のコントローラが実行する制御プ
ログラムのメインルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】同プログラムにおけるサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図7】同プログラムにおけるサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図8】同プログラムにおけるサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図9】図5〜8の制御による変速動作タイムチャート
である。
【符号の説明】
I 入力軸 O 出力軸 G1 第1遊星歯車組 G2 第2遊星歯車組 G3 第3遊星歯車組 L/C ロークラッチ H/C ハイクラッチ 35R/B バンドブレーキ 2/B セカンドブレーキ LR/B ローリバースブレーキ L/OWC ローワンウェイクラッチ 10 マニュアル弁 11 圧力源 13 第1デューティソレノイド弁 14 第2デューティソレノイド弁 15 第3デューティソレノイド弁 16 ソレノイド切換弁 18 パイロット弁 23 切換弁 24 切換弁 28 切換弁 30 Iレンジ減圧弁 40 コントローラ 41 入力回転センサ 42 出力回転センサ 43 スロットルセンサ 44 出力トルクセンサ 45 前後Gセンサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 或る摩擦要素を締結圧で結合すると同時
    に他の摩擦要素を締結圧の排除で解放する摩擦要素の掛
    け換えにより変速を行うようにした自動変速機におい
    て、 前記変速の指令から予め設定したプリチャージ期間にお
    いて前記或る摩擦要素の締結圧を設定プリチャージ圧ま
    でステップ状に上昇させておくプリチャージ手段と、 この設定プリチャージ圧による前記或る摩擦要素の滑り
    結合と前記他の摩擦要素の未解放とによる両摩擦要素の
    同時結合に伴って低下する変速機出力トルクの、前記プ
    リチャージ期間中における最低値を検出するトルク検出
    手段と、 該プリチャージ期間中における変速機出力トルクの最低
    値が所定値になるよう前記設定プリチャージ圧を変更す
    る設定プリチャージ圧修正手段とを設け、 更に、前記或る摩擦要素の締結圧を、前記プリチャージ
    期間経過後の設定期間中、前記変速の進行が可能となる
    よう前記設定プリチャージ圧よりも高く設定した棚圧に
    向けて一定勾配で上昇させ、該設定期間の経過時から変
    速終了判断までの期間中前記棚圧に保持し、該変速終了
    判断時にライン圧まで上昇させる変速進行圧設定手段を
    設けて構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御
    装置。
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