JP2630115B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP2630115B2
JP2630115B2 JP3157188A JP15718891A JP2630115B2 JP 2630115 B2 JP2630115 B2 JP 2630115B2 JP 3157188 A JP3157188 A JP 3157188A JP 15718891 A JP15718891 A JP 15718891A JP 2630115 B2 JP2630115 B2 JP 2630115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、演奏者の唇の状態によ
って楽音の変化する自然楽器のシミュレートに用いて好
適な楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自然楽器の発音メカニズムを電気的にシ
ミュレートし、自然楽器の楽音を合成する方法が知られ
ている。特に、クラリネット等の管楽器の最も基本的な
モデルとしては、リードの弾性特性をシミュレートした
非線形増幅素子と、共鳴管をシミュレートした双方向伝
送回路とを接続した閉ループ構造のモデルが知られてい
る。このモデルでは、非線形増幅素子から信号が出力さ
れると、この信号は後退波信号が加算された後、進行波
信号として双方向伝送回路に入力される。次に、この進
行波信号は双方向伝送回路の終端部で反射され、双方向
伝送回路を逆方向に伝搬される。しかる後に反射波信号
は進行波信号に加算され、非線形増幅素子(励振回路)
に帰還される。このように、非線形増幅素子と双方向伝
送回路とからなる閉ループ回路によって、管楽器におけ
る空気圧力波の伝播が忠実にシミュレートされる。
【0003】また、実際の管楽器には、音高操作用の
孔、いわゆるトーンホールが設けられているものもある
が、このトーンホールをも含めて管楽器をシミュレート
したモデルも知られている。このモデルでは、トーンホ
ールに対応し、各双方向伝送回路間に信号散乱ジャンク
ション(以下、ジャンクションと略す)と呼ばれる信号処
理回路が介挿される。そして、各ジャンクションによ
り、隣接する双方向伝送回路からの各入力信号に対し係
数乗算等の演算処理が行われ、演算結果が隣接する双方
向伝送回路に供給される。この演算処理における乗算係
数等は当該トーンホールの開閉状態に対応し切り換えら
れる。
【0004】この場合、非線形増幅素子に帰還される信
号は、各ジャンクションにおいて折り返された成分の総
和となる。しかも、上述したように、各ジャンクション
における演算用の乗算係数は当該トーンホールの開閉状
態に対応して切り換えるので、結局、非線形増幅素子か
ら双方向伝送回路側を見た場合の伝送量周波数特性はト
ーンホールの開閉状態に対応して切り換えられる。この
伝送量周波数特性は、非線形増幅素子の出力信号が開放
状態のトーンホールに対応したジャンクションにおいて
折り返されて非線形増幅素子に帰還されるまでの遅延時
間に対応した周波数(1次)、およびそのほぼ整数倍の各
周波数(高次)に共振周波数を有する多峰性の特性とな
る。なお、この種の技術は、例えば特開昭63−401
99号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の技術
においては、主に木管楽器をシミュレートすることを主
眼としていたため、演奏者の唇の開き具合、押し付け具
合、あるいは緊張のさせ具合(口の廻りの筋肉の張り具
合)等のパラメータに基づいた楽音を発生させる機能を
有しておらず、このような唇の緊張状態を検出し得る構
成も具備していなかった。したがって、上述の技術にお
いては、唇の緊張度によって楽音が決定されるリップリ
ード楽器、つまり金管楽器をシミュレートすることがき
わめて困難であった。本発明は上述した事情に鑑みてな
されたものであり、リップリードの状態、例えば唇の緊
張度に基づいて金管楽器の楽音を忠実にシミュレートす
ることができる楽音合成装置を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の構成にあっては、演奏者の息圧を検出
する息圧測定手段と、前記息圧に対応した息圧信号と帰
還信号とを演算し、演算結果を圧力信号として出力する
演算手段と、前記圧力信号を入力し励信信号を出力する
励振手段と、前記励振信号を入力として、少なくとも所
定時間の遅延を施こして前記演算手段に前記帰還信号を
与える信号伝送手段と、演奏者の唇の開口面積を検出す
る開口面積測定手段とを有する楽音合成装置であって、
前記励振手段は、前記検出された開口面積に応じて前記
励振信号を制御することを特徴としている。また、請求
項2に記載の構成にあっては、演奏者の息圧を示す息圧
を検出する息圧測定手段と、前記息圧に対応した息圧信
号と帰還信号とを演算し、演算結果を圧力信号として出
力する演算手段と、前記圧力信号を入力し励信信号を出
力する励振手段と、前記励振信号を入力として、少なく
とも所定時間の遅延を施こして前記演算手段に前記帰還
信号を与える信号伝送手段と、演奏者の唇が押圧される
マウスピースと、前記マウスピースに対する前記唇の各
々独立した2つの状態を検出する第1および第2の検出
手段と、前記第1および第2の検出手段の検出結果を入
力し、前記励振手段の励振特性を制御する信号を出力す
る励振特性制御手段とを有する楽音合成装置であって、
前記励振手段は、前記検出された開口面積に応じて前記
励振信号を制御することを特徴としている。
【0007】
【作用】請求項1に記載の構成にあっては、信号伝送手
段、演算手段および励振手段を圧力進行波信号および圧
力反射波信号が循環することにより、管楽器における圧
力波の伝搬がシミュレートされる。ここで、演奏者が吹
奏圧を変化させると演奏者の唇の開口面積が変化する。
この開口面積の変化が開口面積測定手段によって測定さ
れると、励振手段によって圧力進行波信号(励振信号)
の大きさが制御され、これによって実際の金管楽器にお
ける演奏者の唇の変化に対する圧力波の変化がシミュレ
ートされる。また、請求項2に記載の構成にあっては、
請求項1と同様に信号伝送手段、演算手段および励振手
段を圧力進行波信号および圧力反射波信号が循環するこ
とにより、管楽器における圧力波の伝搬がシミュレート
される。ここで、例えば演奏者がマウスピースに対する
唇の押圧力および唇の緊張度といった各々独立した2つ
の状態を変化させると、押圧力および緊張度の変化が押
圧力測定手段を介して測定され、その2つの測定結果か
ら、励振特性を制御する信号を決定し、この信号に基づ
いて励振手段を制御するようにしたので、より自然楽器
にちかい制御が可能となる。
【0008】
【実施例】次に本発明の一実施例の電子金管楽器を図面
を参照し説明する。A.実施例の前提理論 金管楽器の物理モデル 本実施例の電子金管楽器は、金管楽器の発音機構をシミ
ュレートするものである。そこで、実際の金管楽器の物
理モデルを図2(イ)、(ロ)を参照し説明する。な
お、図2(イ)、(ロ)に示す物理モデルは、マッキン
タイヤーらによる木管楽器のモデル(M.E. Mcintyre,
R.T. Schumacher, J.Woodhouse “On theoscillations
of musical instruments", J.Acoust.Soc.Am.74(5),No
vember 1983 0001-4966/83/111325-21$00.88 Copyright
1983 Acoustic Society of America)におけるリード
の動作に代えて、金管楽器(リップリード楽器)におけ
る唇の動作を適用したものである。
【0009】図2(イ)において20は金管楽器の共鳴
管、21は共鳴管21に挿入されたマウスピースであ
る。3は演奏者の唇であり、マウスピース21に押し当
てられている。演奏者がマウスピース21に息を吹き込
むと、唇3の直下部分の圧力が変化し、唇3の非線形特
性により流量fが発生する。この流量fによる圧力変化
は、この瞬間における圧力後退波R1が加算され圧力進
行波F1となって共鳴管20の終端部20eに向かって
伝搬される。次に、圧力進行波F1は共鳴管20の各部
で反射されつつ伝搬され、時間の経過とともに進行波F
2、F3に変化する。
【0010】次に、圧力進行波F3は終端部20eで反
射され反射波R2として唇3に向って伝搬する。この反
射波R2も共鳴管20の各部で反射されつつ伝搬され、
時間の経過とともに反射波R3、R4に変化し、唇3の直
下に帰還される。この反射波R4と、この瞬間における
進行波F4との加算結果が、唇3の直下部分における圧
力qとなる。また、口腔内部の空気圧(吹奏圧)pとマ
ウスピース1内部の空気圧(反射波Rに基づく圧力)q
との差が大きい程、大きな流入速度が得られる。
【0011】また、図2(ロ)に同図(イ)におけるA
−A'断面図を示す。図において網目を付した部分の面
積が開口面積Sである。ここで、フレッチャーの論文
(N.H.Fletcher, “Air flow and sound generation in
musical wind instruments", Ann.Rev.Fluid Mech. 19
79. 11:123-46 Copyright 1979 by Annual Reviews In
c. All right reserved)によれば、木管楽器のリード
と金管楽器のリード(リップリード)との最大の相異点
は、吹奏圧を増やした際、前者はリードを閉じるのに対
して、後者はリードを開くことにある。すなわち、吹奏
圧pとマウスピース内部の空気圧qとの差をΔqとする
と(Δq=q−p)、開口面積SはS(Δq)なる関数
として表現することができる。以下、関数S(Δq)を
スリット関数という。
【0012】ここで、スリット関数S(Δq)は、概ね
図3(イ)あるいは(ロ)に示すような特性を有する。
すなわち、演奏者がマウスピース21に息を吹き込む
と、吹奏圧pが空気圧qよりも大となることによって圧
力差Δqが負値となる。この場合、圧力差Δqが小とな
るにつれて唇3が徐々に広がってゆき、ある程度広がっ
たところで飽和する。逆に、演奏者が息を吸い込んだ場
合には、圧力差Δqは正値となり、圧力差Δqが大とな
るにつれて唇3が閉じてゆき、同様の飽和特性を呈す
る。
【0013】ここで、グレアム(Graham)の法則によれ
ば、p≧qの場合において、単位面積を単位時間に流れ
る流量(空気速度v)は、次式(A1)で表わされる。 v={2(p−q)/ρ)1/2 ≡L(Δq) ……(A1) ただし、ρは空気密度である。また、体積流量fは、空
気速度vに開口面積Sを乗じたものに等しい。
【0014】スリット関数とアンブシュアとの関係 スリット関数S(Δq)は圧力差Δqのみによって一律
に決定するものではなく、唇3の構え(アンブシュア)
によっても種々異なる。ここで、アンブシュアはアパチ
ュア(唇の開き具合)と、ストレイン(唇の緊張度)と
の二種類に大別することができる。以下、アパチュアお
よびストレインの各々の変化に対するスリット関数S
(Δq)の変化を説明する。
【0015】(i)アパチュアに対するスリット関数S(Δ
q)の変化 アパチュアとは、息を吹き込まないときの開口面積Sで
あり、Δq=0とした場合のスリット関数S(Δq)に
等しい。図3(イ)は、ストレインを一定とし、アパチ
ュアを変化させた場合のスリット関数S(Δq)の特性
の変化を示している。図において曲線A1,A2およびA
3は、順次アパチュアを大とした場合のスリット関数S
(Δq)の特性である。図から明らかなように、各曲線
A1〜A3の形状は近似しており、同じ曲線を順次右方向
にシフトしたものに略等しい。ここで、図3(イ)にお
ける各曲線A1〜A3は、図4に示す関数δ(ap)を用
いて近似することができる。ここで、変数apはアパチ
ュアである。図4の関係を式で表現すると、次式(A2)の
通りとなる。
【0016】
【数1】 ただし、x=Δq/st+δ(ap)である。式(A2)を
δについて解くと、
【0017】
【数2】 となる。ただし、式(A3)右辺の±の符号は、0<ap<
1のときは“+”、1<ap<2のときは“−”とな
る。式(A3)に示すδ(ap)は、図4から明らかなよう
に、 ap→0 のとき δ→+∞、 ap=1 のとき 0、 ……(A4) ap→2 のとき δ→−∞ となる単調減少関数である。すなわち、アパチュアap
を大きくする場合は、δを小さくすればよいことが判
る。なお、関数δ(ap)は式(A3)に基づいて与えられ
るが、例えば下式(A5)および(A6)に示すように一次式あ
るいは三次式等によって近似してもよい。 δ(ap)≒−m(ap−1) ……(A5) δ(ap)≒−m(ap−1)3 ……(A6) ただし、mは比例定数である。式(A5)および(A6)の近似
式で得られる関数δ(ap)の近似値を図4(ロ)の特
性C1およびC2に示す。
【0018】(ii)ストレインに対するスリット関数S
(Δq)の変化 次に、図3(ロ)は、アパチュアを一定としストレイン
をを変化させた場合のスリット関数S(Δq)の特性の
変化を示している。図において曲線B1,B2およびB3
は、順次ストレインを大とした場合のスリット関数S
(Δq)の特性を示す。ストレインの大きな(緊張し
た)唇は息を吹き込んでも開口面積Sはあまり変化しな
い一方、ストレインの小さな(緩んだ)唇は、前者に比
較してスリット面積Sの変化が大きいことが解る。
【0019】図3(ロ)に示す曲線を近似すると、スリ
ット関数S(Δd)は下式(A7)で表現することができ
る。
【数3】
【0020】ここで、 γ=Δq/st+δ(ap) ……(A8) であり、変数stはストレインを示す。種々のストレイ
ンst1,st2およびst3(但しst1<st2<s
3)に対するスリット関数S(Δq)のグラフを図5
に示す。
【0021】スリット関数の周波数選択性 金管楽器の演奏者は、管の長さによって決まる基音のさ
まざまな倍音を唇によって選択して演奏する。これは、
唇がある種のフィルタとして動作し、唇の締め具合ある
いは張り具合によってフィルタ特性が変化することに基
づくものである。本発明者の解析によれば、唇の実効振
動質量m、減衰定数μ、バネ定数kおよび実効振動面積
Bによって、唇が成すフィルタの振幅上昇比Q、カット
オフ周波数fcおよびコンプライアンス(ゲイン)Cが
決定されることが判明した。その詳細を以下説明する。
なお、実効振動質量mおよび実効振動面積SBとは、唇
3(図2(イ)、(ロ)参照)のうち振動に供される部
分の質量および面積である。
【0022】まず、唇3の変位をxとすると、唇3の運
動方程式は下式(A9)によって与えられる。なお、変位
xの時間tによる微分をx’、時間tに対する2階微分
をx”と表記する。 mx”+μx’+kx=Δq・SB ……(A9) 式(A9)をラプラス変換し、伝達関数H(s)を求める
と、
【数4】 が得られる。さらに式(A10)を変形すると、
【0023】
【数5】 が得られる。また、一般にピークゲインが「1」(DC
ゲインがq)、カットオフ周波数がfc、振幅上昇比が
Qであるアナログフィルタの伝達関数は、a=2π
C、b=1/Qとしたとき、
【0024】
【数6】 であることが知られている。これを式(A10)の伝達関数
H(s)と比較すると、
【数7】 および
【0025】
【数8】 が成立するから、振幅上昇比Qおよびカットオフ周波数
C
【数9】 および
【0026】
【数10】 となる。ここで、伝達関数H(s)の分子がSR/m=
2b・Cとなったとすると、伝達関数H(s)のピー
クゲインはコンプライアンスCに等しくなることが判る
(なお、DCゲインはC・b=SR/kである)。ここ
で、このコンプライアンスCを求めると、
【0027】
【数11】 となる。
【0028】図2(イ)において、唇3を緊張させる
と、マウスピースに接する唇3の筋肉が薄くなり、減衰
定数μ、実効振動質量mおよび実効振動面積SBが小と
なる。したがって、式(A16)および式(A17)によれ
ば、振幅上昇比Qは小となり、カットオフ周波数fcは大
となるように見える。しかし、唇を緊張させることによ
って同時にバネ定数kが大となり、結局は振幅比Qとカ
ットオフ周波数fcとが共に大となる。この場合、バネ
定数kは、木管楽器のシングルリード等に比較してきわ
めて大きくなるから、振幅比Qも木管楽器に比較してき
わめて大きくなる。これにより、金管楽器においては、
唇の緊張度のみによって特定の発音モードを設定するこ
とができる。また、式(A18)によれば、唇3を緊張
させる際に、なるべく実効振動面積SBや実効振動質量
mが小さくなり過ぎないようにアパチュアを小さくし、
バネ定数kのみが大となるようにすれば、ピークゲイン
が大となり、所望の音が発音されやすくなることも判
る。
【0029】また、唇3をマウスピース21に押し付け
た場合には、外力によって唇3を緊張させたこととほぼ
等価であるから、唇3を緊張させた場合と類似の現象を
呈する。一方、唇3を弛緩させた場合あるいは唇3のマ
ウスピース21への押圧力を緩めた場合には、上述の現
象と逆の現象を呈する。
【0030】ストレインstの算出方法 上述のように、ストレインstは楽音の特性を決定する
ための重要なパラメータであるが、これは口の廻りの筋
肉(口輪筋)の緊張の度合いであるから、直接検出する
ことは困難である。しかし、唇を弛緩させて平板に軽く
押圧した状態を考えると、その押圧力が比較的小さい場
合においても平板における唇の接触面積が比較的大きい
のに対し、唇を緊張させた場合には接触面積が小さくな
ることが経験上明らかである。また、唇の緊張度を一定
に保ったまま唇の押圧力を大とすると、平板における唇
の接触面積も大となることも明らかである。
【0031】そこで、本実施例は、上述の原理に基づい
てマウスピースに接触面積センサと圧力センサとを設
け、これらの検出値に基づいてストレインstを算出す
ることとする。これらセンサの詳細については後述する
が、接触面積センサは平板状に形成され、その一面に唇
3が接触すると、その接触面積SLを検出して出力す
る。また、圧力センサは、上記接触面積センサの他面に
設けられ、唇3によって接触面積センサを介して押圧さ
れると、その押圧力PLを検出して出力する。ここで、
押圧力PLを一定値(PL1)としストレインstを変化
させた場合の接触面積SLは、図6(イ)に示すよう
な、飽和特性を有する単調減少関数となる。また、押圧
力PLを大きくして一定値(PL2)として同様に接触面
積SLを求めると、同図(ロ)に示すような特性が得ら
れる。そして、同図(ロ)の特性は、同図(イ)の特性
を上方向に所定のシフト量だけシフトしたものに略等し
くなることが判る。
【0032】さらに圧力PLを増加させると、このシフ
ト量がある値に飽和する。したがって、このシフト量を
関数F(PL)と表記すると、関数F(PL)は、同図
(ハ)に示すように飽和特性を有する関数となることが
判る。而して、同図(イ)、(ロ)に示された接触面積
Lの特性は、下式(A19)で近似される。
【数12】
【0033】また、同図(ハ)に示された関数F
(PL)は下式(A20)で近似される。
【数13】 なお、式(A19)および(A20)において、θ1,θ2,K1
よびK2は、各々正の定数である。次に、式(A19)および
(A20)をストレインstについて解けば、下式(A21)が
得られる。
【0034】
【数14】 従って、ストレインstは、接触面積SLおよび押圧力
Lが判明すれば、式(A21)によって求められる。
【0035】B.実施例の全体構成 次に、上記前提理論に基づく本実施例の全体構成を図1
を参照し説明する。図において1は電子金管楽器の本体
部、2はこれに差し込まれたマウスピースである。マウ
スピース2の内部において4は接触面積センサであり、
演奏者の唇3が押し当てられると、唇3の接触面積を検
出して出力する。次に、5は圧力センサであり、唇3が
接触面積センサ4に押し当てられる際の押圧力を検出す
るものである。次に、6はアパチュアセンサであり、唇
3の開口面積を検出するものである。また、7は本体部
1の内部に設けられた空気圧センサであり、演奏者によ
って吹き込まれた息圧を測定する。これらセンサ4〜7
の出力信号は、それぞれA/D変換器8〜11を介して
デジタル信号に変換される。すなわち、A/D変換器8
からは唇3の接触面積を示す信号SLが出力され、A/
D変換器9からは唇の押圧力を示す信号PLが出力さ
れ、A/D変換器10からは唇の開口面積を示す信号A
P1が出力され、A/D変換器11からは息圧を示す息圧
信号PBが出力される。
【0036】次に、12は演算回路であり、上記信号S
LおよびPLと、式(A21)とに基づいて、唇の緊張度を
示す信号stを出力する。また、13は演算回路であ
り、上記信号AP1に所定の補正を施し、信号AP2として
出力する。これは、後述するアパチュアセンサ6の特性
により信号AP1が唇3の開口面積に正確に比例しないた
め、開口面積に正確に比例する信号AP2に補正するもの
である。この補正は、図17に示すような単調増加関数
に基づいて行われる。なお、演算回路13は、図17に
示すような入出力特性を有するテーブルでもよいことは
勿論である。
【0037】次に、14はパラメータ変換回路であり、
唇3の状態に対応する上記各信号stおよびAP2を楽音
の特性に対応する各パラメータδ,C,fCおよびQに変
換して出力する。なお、パラメータδは式(A3)において
説明した通り、アパチュアapに対して一義的に決定さ
れるパラメータである。また、各パラメータC,fC
よびQは、式(A16)〜(A18)において説明した通り、それ
ぞれ楽音のピークゲイン、カットオフ周波数および振幅
上昇比を示すパラメータである。
【0038】次に、15は流量演算部であり、上記各パ
ラメータδ,C,fCおよびQと、減算器16から出力さ
れる圧力差信号Δq(詳細は後述する)とに基づいて、
励振信号SFを出力する。ここで、励振信号SFは、図2
(イ)のモデルにおいて、マウスピース21の入口にお
いて発生する空気の圧力変化(粗密波)に相当する信号
である。
【0039】励振信号SFは、ジャンクション17によ
り後退波圧力Rと加算され進行波Fとなって管体実現回
路18に供給入力される。管体実現回路18は、管体に
おける振動の伝搬遅延をシミュレートする遅延回路、管
体の損失をシミュレートするローパスフィルタ、および
終端部20eにおける振動の反射をシミュレートする反
転回路等を閉ループ接続して成るものであり、全体とし
て図2(イ)のモデルにおける本体部20をシミュレー
トするものである。すなわち、管体実現回路18内の閉
ループにあっては、図2における進行波Fに対応する進
行波信号SFが伝搬される。この進行波信号Fは、サウ
ンドシステム19を介して取り出され、楽音信号として
出力される。また、終端部をシミュレートする反転回路
においては進行波信号Fが反射されることによって反射
波信号Rが発生する。この反射波信号Rは、進行波信号
Fの伝搬方向の逆方向に伝搬され、ジャンクション17
で進行波信号Fに加算され、圧力SRとなって減算器1
6に供給される。
【0040】なお、このようなジャンクション17およ
び管体実現回路18については、木管楽器をシミュレー
トするために使用される周知のジャンクションおよび管
体実現回路と同様のものを使用すればよく、例えば、特
願平1−101308、特願平1−259735あるい
は特願平1−258229等において、本出願人によっ
て開示された種々の回路を使用すると好適である。減算
器16においては、反射波信号SBから息圧信号PBが減
算され、減算結果が圧力差信号Δqとして、上述したよ
うに励振回路15に供給される。以下、上述の全体構成
における各部の詳細を説明する。
【0041】C.センサ部の構成 まず、マウスピース2に設けられた各センサ4,5,6
の詳細を図7を参照し説明する。マウスピース2における各センサの配置 図において、マウスピース2は絶縁材料を略漏斗状に形
成して成るものであり、その広口部2aは、内周壁が軸
方向に沿って順次大径となる同心円の階段状に切り欠か
れ、そのうち最も大径である第1段目には雌ねじ部2b
が形成されている。また、30はリムカンターであり、
金属または樹脂が略円筒状に形成されて成るものであ
り、その一端30aから他端30bに向かって内径が小
となっている。また、他端30b付近は外周壁の全周が
軸方向に沿って切り欠かれ、雌ねじ部2bに螺合する雄
ねじ部30cが形成されている。
【0042】次に、階段状の切欠部の第2段目には、接
触面積センサ4と、圧力センサ5とが嵌めこまれてい
る。接触面積センサ4は、同心状の貫通孔4aが設けら
れるとともに、その外径が階段状の切欠部の第2段目に
等しい円盤状に形成されている。圧力センサ5は、その
外径が接触面積センサ4に等しく、かつ、貫通孔4aと
同径の同心状の貫通孔5aが設けられた円盤状に形成さ
れている。
【0043】次に、階段状の切欠部の第3段目には、独
立気泡型の弾性体31が設けられている。弾性体31
は、その外径が切欠部の第3段目に等しく、かつ、孔4
aと同径の同心状の貫通孔31aが設けられた円盤状に
形成されている。次に、アパチュアセンサ6は、その半
径が孔4aの半径よりもやや小さな円柱状に形成され、
貫通孔4a、5a、31aの中央部を挿通し、略漏斗状
の支持部材32によって固定されている。また、支持部
材32の側壁には空気抜き用の貫通孔32aが設けられ
ている。
【0044】次に、33〜37は電極であり、リード線
38を介して接触面積センサ4、圧力センサ5およびア
パチュアセンサ6に接続されている。また、本体部1に
は、それぞれが上記電極33〜37に接触する電極(図
示せず)が設けられている。また、マウスピース2には
軸方向にガイド用突条2cが設けられており、本体部1
にはこれに嵌合する凹部1aが形成されている。
【0045】接触面積センサ4の構成 次に、接触面積センサ4の構成を図8(イ)、(ロ)を
参照し説明する。同図(イ)において40は導体板であ
り、接触面積センサ4の上面を覆うような円環状に形成
されている。また、41は抵抗皮膜であり、導体板40
の下面に接合されている。また、44は導体板40と同
様に形成された導体板であり、所定の微少距離を隔てて
抵抗皮膜41に対向している。また、42および43は
リング状のスペーサであり、抵抗皮膜41と導体板44
との間の周縁部に挟まれている。
【0046】次に、同図(ロ)に、導体板40の上面に
唇3が押圧された場合の断面図を示す。図において、導
体板40における唇3が押圧されると、導体板40と抵
抗皮膜41とが撓み、抵抗皮膜41が導体板44に接触
する。そして、この接触面積は導体板40における唇3
の接触面積SLに略等しい。従って、導体板40と導体
板44との間の抵抗値の逆数は接触面積SLに比例する
ことになり、この抵抗値の逆数を測定すれば接触面積S
を検出することが可能である。
【0047】圧力センサ5の構成 次に、圧力センサ5の構成を図9(イ)、(ロ)を参照し
説明する。同図(イ)において圧力センサ5は、円環状
の絶縁板46と、絶縁板46の下面に形成された抵抗皮
膜47〜50とから構成されている。なお、絶縁板46
は、例えばポリエステルフィルムベースあるいはポリプ
ロピレンフィルムベースを使用すると好適である。ここ
で、抵抗皮膜47〜50の抵抗値は、絶縁板46が撓ん
でいない状態において同一値Rになるように形成されて
いる。また、接触面積センサ4と圧力センサ5とを重ね
合わせ、接触面積センサ4に唇3を押圧した状態の断面
図を同図(ロ)に示す。図示のように絶縁板46が撓む
ことにより、抵抗皮膜48、49は半径方向に広がるよ
うに変形するから、これら抵抗皮膜の抵抗値が大とな
る。一方、抵抗皮膜47、50は半径方向に縮むように
変形するから、これら抵抗皮膜の抵抗値が小となる。そ
して、唇3の押圧力が大となるほど抵抗皮膜47〜50
の抵抗値の変化分が大となるから、これら抵抗皮膜47
〜50の抵抗値に基づいて唇3の押圧力を測定すること
が可能である。その具体的回路構成を図10に示す。
【0048】図において各抵抗皮膜49,47,48,
50は順次環状に接続され、ブリッジを成している。そ
して、抵抗皮膜49,50の接続点と抵抗皮膜47,4
8の接続点との間には、定電圧源51を介して所定電圧
Bが印加される。ここで、圧力センサ5が撓んでいな
い状態においては、各抵抗皮膜47〜50の抵抗値は一
定値Rになるから、抵抗皮膜47,49の接続点と抵抗
皮膜48,50の接続点との間の電圧VCは「0」ボル
トになる。次に、図9(ロ)に示すように圧力センサ5
が撓むと、抵抗皮膜47〜50の抵抗値が変化するが、
ここで抵抗皮膜47,50の抵抗値がR−ΔR、抵抗皮
膜48,49の抵抗値がR+ΔRになったとすると、電
圧VCは次式(C1)に示す通りとなる。
【数15】
【0049】次に、52は差動増幅器であり、上記電圧
Cを増幅し電圧VOUTとして出力する。差動増幅器52
の増幅率は、その内部に設けられた抵抗器53〜56の
抵抗値によって決定される。すなわち、抵抗器55、5
6の抵抗値をr1とし、抵抗器53、54の抵抗値をr2
とすると、差動増幅器52の増幅率はr1/r2となる。
また、差動増幅器52には、オペアンプ58、抵抗器5
9,61および可変抵抗器60から成るゼロ電位調節回
路が設けられている。従って、差動増幅器52の出力電
圧VOUTは、次式(C2)に示す通りとなる。ここで、抵
抗の変位量ΔRが唇3の押圧力に比例するものとする
と、唇3の押圧力に比例した電圧VOUTが出力されるこ
とが判る。
【数16】
【0050】アパチュアセンサ6の構成 次に、アパチュアセンサ6の構成を図11を参照し説明
する。図においてアパチュアセンサ6の上面には、光6
5を放射する発光素子63と、光65が入射するとその
抵抗値が小となるcds等の受光素子64とが設けられ
ている。また、66は定電流源であり、受光素子64と
並列に接続されている。また、67は加算回路であり、
受光素子64の光量に応じて決定される抵抗を抵抗Rと
すると、定電流源66から出力された電流をIとしたと
き、受光素子64の両端にE=IRなる電圧Eが発生
し、これが加算回路67に印加される。従って、光65
が受光素子65に入射した場合には加算回路67に印加
される電圧が小となることが判る。
【0051】また、アパチュアセンサ6の上面には、発
光素子63と同様に構成された多数の発光素子と、受光
素子64と同様に構成された発光素子と同数の受光素子
とが設けられている。そして、各受光素子は、受光素子
64と同様に、対応する定電流源を介して加算回路67
に接続されている。そして、加算回路67は、各受光素
子の両端に現れた電圧を加算し、加算結果を出力する。
上記構成によれば、唇3が受光素子に近接して存在する
と、発光素子から放射された光が唇3に反射され、当該
受光素子に入射し、加算回路67に印加される電圧が小
となる。逆に、唇3が受光素子から近接して存在してい
ない場合には、加算回路67に印加される電圧が大とな
る。従って、開口面積S(図2(ロ)参照)が大となるほ
ど加算回路67の出力レベルが大となることが判る。
【0052】センサ部の変形例 上述した各センサ4,5,6は、例えば以下のように種
々の変形が可能である。 (i)変形例1 図9における圧力センサ5には、4素子の抵抗皮膜47
〜50が設けられているが、図12(イ)、(ロ)に示
すように、抵抗皮膜の数は2素子であってもよく、1素
子であってもよい。また、図9(ロ)においては、抵抗
皮膜47〜50の設けられる面を下面としているが、こ
れら抵抗皮膜を上面(接触面積センサ4に対向する面)
に設けても良い。
【0053】(ii)変形例2 各センサ4,5の配置は、図13(イ)に示すように変
形してもよい。図において弾性体31は、接触面積セン
サ4と圧力センサ5との間に介挿されている。
【0054】(iii)変形例3 各センサ4,5の配置は、図13(ロ)に示すように変
形してもよい。図において弾性体31は内側に向かって
テーパー状に形成されており、接触面積センサ4および
圧力センサ5もこれに反ってテーパー状になっている。
また、マウスピース2の内壁面には、抵抗皮膜50に当
接する弾性強化リング68が固着されている。上記構成
によれば、唇3(図示せず)が接触面積センサ4に押圧
された際、抵抗皮膜50が大きく曲がることにより、そ
の感度が高くなることが判る。また、弾性強化リング6
8を設ける代わりに、同図(ハ)に示すように、マウス
ピース2を内側に向かって厚く形成し、その内壁を抵抗
皮膜50に当接させることによっても同様の効果が得ら
れる。
【0055】(vi)変形例4 各センサ4,5,6の配置は、図14に示すように変形
してもよい。図において接触面積センサ4と圧力センサ
5とは所定距離隔てて設けられており、両者の間にはば
ね保持部材70、コイルばね71およびばね保持部材7
2が順次隔てて設けられている。ばね保持部材70は接
触面積センサ4に固着されるとともに、コイルばね71
の一端を保持している。同様に、ばね保持部材72は圧
力センサ5に固着されるとともに、コイルばね71の他
端を保持している。また、図において圧力センサ5の下
方には、弾性体73が充填されている。次に、74はア
パチュアセンサ6を支持する支持部材であり、円筒状に
形成されるとともにするとともに、その外壁から内壁に
貫通する貫通孔74aが設けられ、マウスピース2の内
壁面に固着されている。
【0056】上記構成によれば、唇3(図示せず)が接
触面積センサ4に押圧されると、コイルばね71を介し
て圧力センサ5が押圧され、その押圧力が検出される。
ここで、唇3の押圧力に微小なゆらぎがあった場合、こ
のゆらぎがコイルばね71で吸収され、圧力センサ5に
は伝達されない。したがって、コイルばね71はノイズ
吸収手段として機能することが判る。なお、ばね保持部
材70および72は、それぞれ接触面積センサ4および
圧力センサ5と一体成型してもよいことは言うまでもな
い。
【0057】(v)変形例5 圧力センサ5に使用される絶縁板46は平板でなくても
よく、例えば図15(イ)に示すように、抵抗皮膜47
〜50が接合される箇所の裏側に円環状の溝46a〜4
6dを形成してもよい。 上記構成によれば、唇3(図示せず)が接触面積センサ
4に押圧されると、絶縁板46において溝46a〜46
dの形成された箇所における曲率が大となるから、圧力
検出の感度が向上する。また、図示のように、マウスピ
ース2の内壁が抵抗皮膜50の中央付近に位置するよう
に形成すると、この効果が一層顕著になる。また、図1
5(イ)における絶縁板46は、同図(ロ)に示すよう
に構成してもよい。図において、絶縁板46には環状の
絶縁板75〜77が所定間隔隔てて固着されている。そ
して、これら絶縁板75〜77間における絶縁板46の
露出箇所が、抵抗皮膜47〜50の接合された箇所の裏
面になっている。
【0058】(vi)変形例6 アパチュアセンサ6は、図16に示すように構成しても
よい。図においてアパチュアセンサ6は、支持金具78
aに取り付けられたLED78と、このLED78から
放射された光を検出するcds等の受光素子79とから
構成されている。そして、演奏者の口腔内にLED78
を挿入すると、唇3(図示せず)の開口面積に応じて受
光素子79へ入射する光量が決定されるから、この光量
を検出することによってアパチュアを検出することがで
きる。
【0059】D.パラメータ変換回路の構成 次に、図1におけるパラメータ変換回路14の構成につ
いて説明する。パラメータ変換回路14は、図18に示
すように、演算回路80〜85から構成されている。 演算回路80は、アパチュアを示す信号AP2が供給され
ると、これを式(A3)(あるいは式(A5)または(A6))に基
づいてパラメータδに変換する。 また、演算回路(またはテーブル)81は、ストレイン
を示す信号stとアパチュアを示す信号AP2とが供給さ
れると、2変数関数(またはテーブル)に基づいて唇の
実効振動面積を示すパラメータSBを出力する。ここ
で、実際の金管楽器のマウスピースに唇を当接させて演
奏する場合を想定すると、アパチュアAP2が一定のと
き、唇を弛緩させた場合においては唇が厚く丸みを帯び
ており、唇を緊張させるほど唇が薄く平になりマウスピ
ースの内にあって振動する唇の表面積SRが小となるこ
とが明らかである。従って、アパチュアAP2を一定に保
つとき、パラメータSBは信号stに対する単調減少関
数になる。
【0060】一方、ストレインstを一定に保つとき、
アパチュアを小さくすると、マウスピースの中にあって
振動し得る唇の表面積SRは大きくなる。よってパラメ
ータSRはストレインstが一定のとき、アパチュアA
P2の単調減少関数である。また、演算回路(またはテー
ブル)82は、信号stを、唇の減衰定数を示すパラメ
ータμに変換する。ここで、実際の演奏者の唇に振動を
与えた場合を想定すると、唇を緊張させるほど唇が固く
なり、唇の振動が減衰しにくくなるから、減衰定数が小
となる。従って、パラメータμは、信号stに対する単
調減少関数になる。
【0061】また、演算回路(またはテーブル)83
は、信号stを、唇のバネ定数を示すパラメータkに変
換する。ここで、実際の演奏者の唇は、緊張させるほど
固くなり、バネ定数が大となるから、パラメータkは信
号stに対する単調増加関数になる。また、演算回路
(またはテーブル)84は、信号stと信号AP2とが供
給されると、2変数関数(またはテーブル)に基づいて
唇の実効振動質量を示すパラメータmを出力する。上述
したように、アパチュアAP2が一定である場合における
実際の演奏者の唇は、唇を緊張させるほど唇が薄く平に
なり、マウスピースの内において振動し得る唇の質量m
が小となる。従って、パラメータmは信号stに対する
単調減少関数になる。一方、ストレインstを一定に保
つとき、アパチュアを小さくするとマウスピースの内に
おいて振動し得る唇の質量mは大きくなる。従って、パ
ラメータmは、ストレインstが一定のときは、アパチ
ュアAP2の単調減少関数である。これら演算回路81〜
84によって得られた各パラメータSB,μ,kおよび
δは、演算回路85に供給される。演算回路85は、式
(A16)〜(A18)に基づいて、それぞれ楽音の振幅上昇比、
カットオフ周波数およびピークゲインを示すパラメータ
Q,fcおよびCを算出し、出力する。
【0062】E.励振回路15の構成 励振回路15の全体構成 次に、励振回路15の構成を図19を参照し説明する。
まず、減算器16(図1参照)から出力される圧力差信
号Δqは、フィルタ87を介してダイナミックスフィル
タ88およびグレアム関数テーブル92に供給される。
ここで、フィルタ87は、圧力差信号Δqから高調波成
分を除去することによって寄生発振を防止するものであ
る。また、92はグレアム関数テーブルであり、フィル
タ87を介して圧力差信号Δqが供給されると、これに
式(A1)の演算(グレアム関数)を施し、その結果を速度
信号vとして乗算器91に供給する。
【0063】一方、ダイナミックスフィルタ88は、圧
力差信号Δq、パラメータQ,fcおよびCに基づい
て、唇3の変位を示す変位信号xを出力する。なお、ダ
イナミックスフィルタ88の詳細は後述する。次に、変
位信号xは、加算器89においてパラメータδと加算さ
れ、パラメータδ1としてスリット関数テーブル90に
供給される。スリット関数テーブル90は、パラメータ
δ1
【数17】 なる変換を施し、変換結果たるパラメータSを乗算器9
1に供給する。ここで、式(E1)は式(A2)と同形であるか
ら、式(A3)の逆関数である。したがって、δ1=δとし
た場合、すなわちx=0である場合にはパラメータSは
アパチュアを示すパラメータAP2に等しくなる。しか
し、パラメータδ1は、パラメータδに変位信号xが加算
されたものであるから、変位信号xの増減に応じてパラ
メータSが増減される。これにより、パラメータSは、
図2(ロ)に示す実際の金管楽器の演奏における唇の開
口面積Sをシミュレートするものであることが判る。
【0064】次に、乗算器91は、速度信号vとパラメ
ータSとを乗算し、乗算結果を流量信号fとして出力す
る。流量信号fは乗算器93において定数zと乗算され
る。ここで、定数zは、図2(イ)の物理モデルにおい
てマウスピース21および共鳴管20の空気流に対する
抵抗、すなわち空気流量と空気圧との比例定数である。
したがって、乗算器3からは、空気圧変化を示す信号S
Fが出力される。そして、信号SFは、ジャンクション1
7で後退波Rと加算され、進行波信号Fとして管体実現
回路18を介して伝搬される。
【0065】ダイナミックスフィルタ88の構成 次に、ダイナミックスフィルタ88の構成についてさら
に詳細に説明するが、説明の都合上、まず、参考となる
アナログフィルタの構成を図20を参照し説明する。(i)参考用アナログフィルタの構成 図20に示すアナログフィルタ(ダイナミックスフィル
タ)は、式(A11)をアナログ回路で表現したものであ
り、図において110は減算器、111,112は積分
器、113〜115は、それぞれ入力された信号にパラ
メータμ/m,k/mおよびSB/mを乗算して出力す
る乗算器である。
【0066】(ii)ダイナミックスフィルタ88の前提理
ところで、図20のダイナミックスフィルタはパラメー
タSB,μ,kおよびmを直接入力することによって唇
3の変位を示す変位信号xを出力するように構成したも
のであるが、楽音そのものの特性たるパラメータQ,f
cおよびCに基づいて変位信号xを出力するようにダイ
ナミックスフィルタを構成すると、楽音の制御を一層容
易に行うことができる。そこで、パラメータQ,fc
よびCに基づく伝達関数を求める。まず、図20に示す
ダイナミックスフィルタの伝達関数H(s)を、
【数18】 とする。但し、式(E3)において、b=1/Q、a=2πfc
である。ここで、式(E3)の振幅特性たる|H(s)|を
プロットすると、図22のようになり、このダイナミッ
クスフィルタが2次のローパスフィルタの特性を示すこ
とが判る。
【0067】次に、アナログフィルタの伝達関数をデジ
タルフィルタで近似するための変換手法として整合z変
換が知られているが、一般的に
【数19】 なる形の伝達関数を整合z変換すると、
【数20】 なる形になることが知られている。従って、式(E5)にお
いてL=1として式(E3)を整合z変換すると、
【数21】 が得られる。さらに、式(E6)において,
【数22】 と近似すると、式(E6)の分母は以下の通りとなる。 分母≒1-2(1-aTb/2)(1-a2T2(1-b2/4)/2)z-1+(1-aTb/2)2 =1-2(1-aTb/2+a2T2(1-b2/4)/2+a3T3b(1-b2/4)/4)z-1+(-aTb+a2T2b2/4)z-2 ……(E
8)
【0068】ここで、aT<<1 として“ aT ”の3
次以降を無視すると、 分母≒1-2z-1+(aTb+a2T2(1-b2/4))z-1+z-2+(-aTb+a2T2b2/4)z-2 ……(E9) となる。従って、伝達関数H(z)は以下の通り近似さ
れる。
【数23】
【0069】図19におけるダイナミックスフィルタ8
8は、式(E10)に基づいて構成されたものである。図に
おいて95、98は乗算器であり、それぞれ通過する信
号に2πfc/FS(ただしFSは標本化周波数)を乗算
して出力する。また、96、101、102、104、
106および107は乗算器であり、それぞれ通過する
信号に”2”、”1/2”、”1/2”、1/2Qおよ
び1/2Qを乗算して出力する。次に、94、99、1
05および128は減算器、97、100および127
は加算器、108および109は標本化周期と同一の遅
延時間を有する遅延回路である。ダイナミックススフィ
ルタ88のうち、減算器94から加算器127に至る部
分が式(E10)に対応する部分である(式(E3)〜(E10)にお
いてはピークゲインは「1」である。)。そして、加算
器127の出力信号は乗算器103に供給され、ピーク
ゲインCと乗算され、変位信号xとして出力される。
【0070】変形例 上述の励振回路15は、例えば以下のように変形が可能
である。 (i)変形例1 ダイナミックスフィルタ88は、図20において説明し
たダイナミックスフィルタと同様の動作を行うデジタル
フィルタに置き換えてもよい。なお、この変形例が採用
される場合においては、図18における演算回路85を
省略することができることは勿論である。以下、図21
を参照しこのデジタルフィルタの詳細を説明する。図に
おいて116は減算器であり、信号Δqから乗算器12
1の出力信号を減算して出力する。
【0071】次に、117は加算器であり、124はデ
ジタル信号の供給されるサイクルタイムと同一の遅延時
間を有する遅延回路である。加算器117から出力され
た信号は、遅延回路124に入力され、1サイクルタイ
ムだけ遅延され、加算器117に供給される。そして、
加算器117においては減算器116の出力信号と遅延
回路124の出力信号とが加算され、加算結果が再び遅
延回路124に供給される。すなわち、加算器117と
遅延加算器124とは積分回路を構成し、加算器116
の出力の積分値が出力されることが判る。また、これと
同様に、加算器118と遅延回路125とによって積分
回路が構成され、加算器117の出力の積分値が出力さ
れる。加算器118の出力信号は、乗算器119を介し
て1/m倍され、さらに乗算器120を介してSB倍さ
れ、信号xとして出力される。
【0072】一方、加算器117の出力信号は、遅延回
路124を介して乗算器122に供給され、ここでμ倍
された後、加算器126に供給される。同様に、加算器
118の出力信号は、遅延回路125を介して乗算器1
23に供給され、ここでk倍された後、加算器126に
供給される。次に、乗算器122,123の出力信号が
加算器126を介して加算され、加算結果が乗算器12
1を介して1/m倍され、減算器116に供給される。
減算器116においては、圧力差信号Δqから乗算器1
21の出力信号が減算され、減算結果が加算器117に
供給される。すなわち、減算器116においてフィード
バック操作が行われ、その伝達関数H(z)=X(z)
/ΔQ(z)は式(A11)に示されるアナログの伝達関数
を近似的にデジタルに置き換えたものに等しいとみなさ
れる。
【0073】F.実施例の動作 次に、図1を参照し上記実施例の動作を説明する。ま
ず、接触面積センサ4に演奏者の唇3が押し当てられる
と、唇3の接触面積に対応する信号が接触面積センサ4
から出力される。この信号は、A/D変換器8を介し
て、デジタル信号SL’に変換され、演算回路22に供
給される。この演算回路22は、A/D変換器8の出力
レベルが接触面積に正確に比例しないことに鑑みて設け
られた演算回路であり、例えば、
【数24】 なる計算式に基づいて信号SLを算出し演算回路12に
供給する。また、これと同時に、唇3が接触面積センサ
4に押し当てられる際の押圧力を示す信号が圧力センサ
5から出力される。この信号は、A/D変換器9を介し
てデジタル信号PLに変換され、演算回路12に供給さ
れる。また、唇3の開口面積(アパチュア)を示す信号
がアパチュアセンサ6から出力され、A/D変換器10
を介してデジタル信号AP1に変換され、演算回路13に
供給される。さらに、演奏者によって吹き込まれた息の
息圧を示す信号が空気圧センサ7を介して出力され、A
/D変換器11を介してデジタル信号PBに変換され
る。
【0074】次に、演算回路12において、上記信号S
LおよびPLと、式(A21)とに基づいて、唇の緊張度を
示す信号stが出力される。また、演算回路13におい
ては、上記信号AP1が唇3の開口面積に正確に比例する
ように補正され、信号AP2として出力される。次に、上
記信号stおよびAP2がパラメータ変換回路に供給され
ると、ここで各パラメータδ,C,fCおよびQが算出さ
れ、励振回路15に供給される。また、息圧信号PB
減算器16に供給され、減算器16において反射波信号
Rから息圧信号PBが減算され、減算結果が圧力差信号
Δqとして励振回路15に供給される。なお、初期状態
においては、反射波信号Sのレベルは「0」であるか
ら、息圧信号PBの符号を反転したものが圧力差信号Δ
qとして励振回路15に供給される。
【0075】次に、励振回路15においては、フィルタ
87(図19参照)を介して圧力差信号Δqがダイナミ
クスフィルタ88およびグレアム関数テーブル92に供
給される。ダイナミクスフィルタ88においては、上記
各パラメータδ,C,fCおよびQと、圧力差信号Δqと
に基づいて、唇3の変位をシミュレートする変位信号x
が出力され、加算器89を介してパラメータδと加算さ
れる。この加算結果はパラメータδ1としてスリット関
数テーブル90に供給され、唇3の開口面積を示す信号
Sが出力される。
【0076】一方、グレアム関数テーブル92において
は、圧力差信号Δqに基づいて速度信号vが算出され、
この速度信号vが乗算器91に供給される。乗算器91
においては、速度信号vとパラメータSとが乗算され、
乗算結果が流量信号fとして出力される。そして、この
流量信号fは乗算器93において定数zと乗算され、進
行波信号SFとしてジャンクション17を介して管体実
現回路18に供給入力される。
【0077】管体実現回路18においては、その内部に
設けられた遅延回路およびローパスフィルタ等(図示せ
ず)を介して進行波信号SFが伝搬され、反転回路(図
示せず)において反射波信号SRが発生する。そして、
反射波信号SRは、上記遅延回路およびローパスフィル
タ等を介して逆方向に伝搬され、ジャンクション17を
介して減算器16に供給される。次に、減算器16にお
いて反射波信号SRから息圧信号PBが減算され、減算結
果が圧力差信号Δqとして励振回路15に供給される。
そして、この圧力差信号Δqに基づいて新たな進行波信
号SFが出力され、上述の動作と同様の動作が繰り返さ
れる。そして、進行波信号SFは、サウンドシステム1
9を介して出力され、金管楽器の楽音がシミュレートさ
れる。
【0078】
【発明の効果】以上説明した通り本発明の楽音合成装置
によれば、演奏者の唇の状態に基づいて励振手段の特性
が決定されるから、金管楽器の楽音を忠実にシミュレー
トすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例の電子金管楽器の全体構成のブロッ
ク図である。
【図2】 自然金管楽器の発音機構の物理モデルの説明
図である。
【図3】 唇3のスリット関数の特性図である。
【図4】 関数δおよび近似式の特性図である。
【図5】 ストレインに対するスリット関数の特性図で
ある。
【図6】 唇3のストレインstに対する接触面積S
の特性図である。
【図7】 マウスピース2の一部切欠斜視図である。
【図8】 接触面積センサ4の断面図である。
【図9】 圧力センサ5の平面図およびその動作説明図
である。
【図10】 圧力センサ5の付帯回路の回路図である。
【図11】 アパチュアセンサ6の動作説明図である。
【図12】 圧力センサ5の変形例の平面図である。
【図13】 マウスピース2の変形例の要部の断面図で
ある。
【図14】 マウスピース2の変形例の一部切欠斜視図
である。
【図15】 圧力センサ5の変形例の断面図である。
【図16】 アパチュアセンサ6の変形例の正面図であ
る。
【図17】 演算回路13の特性図である。
【図18】 パラメータ変換回路17のブロック図であ
る。
【図19】 励振回路15のブロック図である。
【図20】 励振回路15の変形例のブロック図であ
る。
【図21】 励振回路15の変形例のブロック図であ
る。
【図22】 励振回路15の周波数特性図である。
【符号の説明】
2 マウスピース 4 接触面積センサ 5 圧力センサ(押圧力測定手段) 6 アパチュアセンサ(開口面積測定手段) 15 励振回路(励振手段、圧力波信号制御手段、共振
周波数制御手段) 16 減算器(減算手段) 18 管体実現回路(管体線形部模擬手段) 80〜85 演算回路(励振特性制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10H 7/08 G10H 7/00 531

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏者の息圧を検出する息圧測定手段
    と、 前記息圧に対応した息圧信号と帰還信号とを演算し、演
    算結果を圧力信号として出力する演算手段と、 前記圧力信号を入力し励信信号を出力する励振手段と、 前記励振信号を入力として、少なくとも所定時間の遅延
    を施こして前記演算手段に前記帰還信号を与える信号伝
    送手段と、 演奏者の唇の開口面積を検出する開口面積測定手段とを
    有する楽音合成装置であって、前記励振手段は、前記検
    出された開口面積に応じて前記励振信号を制御すること
    を特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 演奏者の息圧を示す息圧を検出する息圧
    測定手段と、 前記息圧に対応した息圧信号と帰還信号とを演算し、演
    算結果を圧力信号として出力する演算手段と、 前記圧力信号を入力し励信信号を出力する励振手段と、 前記励振信号を入力として、少なくとも所定時間の遅延
    を施こして前記演算手段に前記帰還信号を与える信号伝
    送手段と、 演奏者の唇が押圧されるマウスピースと、 前記マウスピースに対する前記唇の各々独立した2つの
    状態を検出する第1および第2の検出手段と、 前記第1および第2の検出手段の検出結果を入力し、前
    記励振手段の励振特性を制御する信号を出力する励振特
    性制御手段とを有する楽音合成装置であって、前記励振
    手段は、前記検出された開口面積に応じて前記励振信号
    を制御することを特徴とする楽音合成装置。
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