JP2629124B2 - 海生物付着防止網 - Google Patents

海生物付着防止網

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JP2629124B2
JP2629124B2 JP5049573A JP4957393A JP2629124B2 JP 2629124 B2 JP2629124 B2 JP 2629124B2 JP 5049573 A JP5049573 A JP 5049573A JP 4957393 A JP4957393 A JP 4957393A JP 2629124 B2 JP2629124 B2 JP 2629124B2
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beryllium
copper
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俊二 井上
知紀 土本
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NGK Insulators Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、岸壁等に設けた冷却水
取水口よりくらげ等の海生物が侵入するのを防止する海
生物付着防止網に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海水に接触している海洋構造体は、常に
海生物の付着による汚損に曝されている。例えば火力発
電所、原子力発電所の海水を取り込む取水口において
は、岸壁に設けた取水口を囲むように海上から海底近く
まで前下がりに網を傾斜させて調節し、くらげ等の流入
を防止している。
【0003】従来より、海生物付着防止技術は種々研究
されているが、そのうち現在実用化されている海生物付
着防止技術の1つは、亜鉛酸化銅あるいは有機すずを含
有する塗料を高分子ポリエチレンからなる網の表面に塗
布したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなポリエチレンからなる網の表面に塗料を塗布したも
のにおいては、塗料が溶出し消耗するため、1年に約1
回網を引上げて塗料を塗り直すという保守修理作業が必
要となり、メンテナンスが煩雑であるという問題があ
る。
【0005】本発明者の長年の実験研究によると、ベリ
リウム銅合金により網を作成し、これを使用すると、極
めて優れた海生物付着防止効果ならびにくらげ侵入防止
の効果が得られることが判明した。この理由は、ベリリ
ウム銅合金中のベリリウム元素が銅元素と相乗的に作用
し、海生物に対して大きな忌避効果を発揮し、また海生
物の付着や繁殖を長期にわたり防止するためと推定され
る。
【0006】本発明の目的は、ふじつぼ、紫貝、藻類の
ような海生物のほか、くらげ等の海生物の侵入を確実に
防止し、耐久性に優れた保守点検作業を不要とする海生
物付着防止網を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の海生物付着防止網は、繊維状の高分子ポリエ
チレンと繊維状の銅合金からなる素材により網状に形成
される素材部と、この素材部に囲まれるとともに海水を
通過可能な空間部とから構成されることを特徴とする。
【0008】前記銅合金は、例えばベリリウム銅合金を
用い、ベリリウム銅合金を用いる場合ベリリウムの含有
率が0.2〜2.8重量%であることが望ましい。前記
銅合金は、Be−Co系銅合金、Be−Co−Si系銅
合金またはBe−Ni系銅合金からの群から選ばれるい
ずれか1種であることが望ましい。
【0009】前記銅合金中に選択的に含有されるベリリ
ウム、コバルト、ニッケル、シリコンの含有率は、それ
ぞれ次の範囲が望ましい。 ベリリウム(Be):0.2〜2.8重量% コバルト(Co) :0.2〜2.7重量% ニッケル(Ni) :1.4〜2.2重量% シリコン(Si) :0.2〜0.35重量% 前記各元素の添加目的、添加範囲の上限および下限の限
定理由は、次のとおりである。
【0010】 ベリリウム(Be):0.2〜2.8重量% Beを添加するのは、海水中に防汚構造体を浸漬した
とき、Beを溶出させて防汚効果を発揮させ、銅合金
の強度、耐食性等の特性を向上し、熱処理性、結晶粒
度調整等の製造性を向上し、また、成形加工性、およ
び鋳造性を向上するためである。Beが0.2重量%未
満では前記〜の効果が十分に発揮されない。Beが
2.8重量%を超えると、展伸加工性が低下し、経済的
にも高価になる。
【0011】コバルト(Co):0.2〜2.7重量% Coを添加するのは、微細なCoBe化合物を形成して
合金中に分散して機械的特性、および熱処理性、結晶粒
度調整等の製造性を向上するためである。Coが0.2
重量%未満であると、前記効果が十分に発揮されない。
Coが2.7重量%を超えると、湯流れ性が低下し、前
記特性はほとんど向上しないし、経済的に高価になるか
らである。
【0012】ニッケル(Ni):1.4〜2.2重量% Niを添加するのは、微細なNiBe化合物を形成して
合金中に分散して機械的特性、および熱処理性、結晶粒
度調整等の製造性を向上するためである。Niが1.4
重量%未満であると、前記効果が十分に発揮されない。
Niが2.2重量%を超えると湯流れ性が低下し、前記
特性はほとんど向上しないし、経済的に高価になるから
である。
【0013】 シリコン(Si):0.2〜0.35重量% Siを添加するのは、ベリリウム合金の湯流れ性を向上
するために添加する。Siが0.2重量%未満では、そ
の効果が十分に発揮されず、Siが0.35重量%を超
えると合金が脆くなり、靱性が低下する。前記防汚構造
体に使用する銅合金の組成は、例えば、Be:0.2
〜1.0重量%、Co:2.4〜2.7重量%、残部C
uおよび不可避不純物、Be:0.2〜1.0重量
%、Ni:1.4〜2.2重量%、残部Cuおよび不可
避不純物、Be:1.0〜2.0重量%、Co:0.
2〜0.6重量%、残部Cuおよび不可避不純物、B
e:1.6〜2.8重量%、Co:0.4〜1.0重量
%、Si:0.2〜0.35重量%、残部Cuおよび不
可避不純物等である。
【0014】
【作用】本発明の前記構成をもつ海生物付着防止網によ
ると、前記空間部より海水を自由に流通させるととも
に、前記銅合金からなる素材部から銅イオンが溶出する
ことで、素材部への海生物の付着を防止し、かつ網状に
形成される素材部によって網の一方側からくらげ等の海
生物が他方の側に侵入するのを防止する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。まず網の張り方について説明する。火力発電所あ
るいは原子力発電所の冷却水取水口を囲むように海上か
ら海底近傍まで前下がりに網を張設する。これを図1お
よび図2に基づいて説明する。図1および図2に示すよ
うに、桟橋11に設けた本体ブイ12と海底13に設け
た固定ブロック14との間に傾斜するように網20を張
設する。この網20は、岸壁15の取水口16の前方側
に張設されている。網20の張設角度は、例えば平均約
45°の角度に設定する。これは、網20の張設角度を
過度に小さくすると、多量のくらげが流入しようとした
場合網20が下方に変位し、その結果海底13との間の
網下開口部がほとんど塞がれて取水口16内への海水の
流入が妨げられてしまうからである。反対に張設角度を
大きくしすぎると、網の有効表面積が減少し、少量のく
らげが流入した場合でも、網がくらげにより閉塞しやす
くなるためである。
【0016】次に網20の第1実施例を図2〜図5に示
す。網20は、一定の大きさの矩形のものを1個のユニ
ット21とし、このユニット21を図2に示すように左
右方向に組み立てることにより形成する。ユニット21
は、図3に示すように、繊維部22、この繊維部22に
より囲まれるとともに海水を通過可能な空間部25で構
成される。第1実施例では、繊維部22を形成する銅合
金として、例えばベリリウム銅合金を用いる。繊維部2
2は格子状に交差し、無結節の製網法により交差部24
に結び目がない。図4に示すように、繊維部22は2本
の撚り糸22aで撚られ、前記無結節の製網法により、
撚り糸22aが互いに交差する相手の撚り糸の間を通る
ように撚られている。また、目開きの大きさはくらげの
侵入防止を考慮して40mm〜100mmに設定する。
撚り糸22aは、図5に示すように、ポリエチレン繊維
220aと銅ベリリウム基線221aの混織により形成
される。1本の撚り糸22aには、400デニ−ルの高
分子ポリエチレンからなるポリエチレン繊維220aが
30〜45本、ベリリウムの含有率が0.2〜2.8重
量%のベリリウム銅合金からなる直径0.3mmの銅ベ
リリウム基線221aが5本使用される。ここで1デニ
−ルは、450m/0.05gを表す単位である。
【0017】銅ベリリウム基線221aは、撚り糸22
aの表面に均等な間隔で露出するように撚られているこ
とが望ましい。これは、銅ベリリウム基線221aが偏
って撚られると、銅ベリリウム基線221a間の間隔の
広いところに海生物が付着可能になるからである。繊維
部22に付着した海生物は次々に付着し、空間部25を
覆うようになる。空間部25が覆われた網20は海水の
抵抗が大きくなり、遂には破損してしまうこともある。
【0018】以上述べた第1実施例では、1本の撚り糸
22aに直径0.3mmの銅ベリリウム基線221aを
5本撚り合わせたが、海生物の付着を防止できるのであ
れば、銅ベリリウム基線221aの直径、使用本数は変
更可能である。例えば、直径0.4mmの銅ベリリウム
基線を4本、または直径0.5mmの銅ベリリウム基線
を3本撚り合わせることとも可能である。
【0019】また、銅ベリリウム基線221aは5〜1
0年で海生物の付着防止効力を喪失するが、ポリエチレ
ン繊維220aの寿命が5年程度であるため、10年継
続して使用する場合は、ポリエチレン繊維220aを樹
脂コーティングしてから銅ベリリウム基線221aと撚
り合わせればよい。図6に本発明の第2実施例を示す。
繊維部32を縦横に織った以外の構成、作用は第1実施
例と同じである。
【0020】以上述べたように、前記実施例による海生
物付着防止網によると、ベリリウム銅合金からなる素材
を利用することによりベリリウムイオンが銅イオンと相
乗的に作用し海生物に対して大きな忌避効果を発揮し、
海生物の付着や繁殖を長期にわたり防止することができ
る。また、このベリリウム銅合金からなる素材部で網状
に形成していることから、比較的大きなくらげ等の侵入
を防止する。さらにはベリリウム銅合金で構成される網
は海生物の付着が防止でき耐久性が良好でメンテナンス
が不要となるので保守点検作業を不要にできるという顕
著な効果がある。
【0021】また、繊維部の各交差部に結び目がないた
め、結び目のあるものに較べて海水の抵抗が小さくな
り、さらに網に使用する高分子ポリエチレン、銅ベリリ
ウムの量が少なくなる。なお、前記実施例では、ベリリ
ウム銅合金を網の素材とした例について説明したが、本
発明では、銅合金の網であれば良い。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の海生物付
着防止網によると、銅合金からなる素材を利用すること
により銅イオンが海水中に溶出し海生物に対して大きな
忌避効果を発揮し、海生物の付着や繁殖を長期にわたり
防止することができる。さらには銅合金からなる素材部
で網状に形成していることから、比較的大きなくらげ等
の侵入を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した取水口入口に取付けた網の取
付構造を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す矢印II方向矢視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す模式図である。
【図4】図3のIV線部分の拡大図である。
【図5】図4のV−V線模式断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
20 網 21 ユニット 22 繊維部(素材部) 22a 撚り糸(素材部) 25 空間部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状の高分子ポリエチレンと繊維状の
    ベリリウム銅合金からなる素材により網状に形成される
    素材部と、 この素材部に囲まれるとともに海水を通過可能な空間部
    とから構成され 前記ベリリウム銅合金は、ベリリウムの含有率が0. 2
    〜2. 8重量%であり、 前記銅合金は、Be―Co系銅合金、Be―Co―Si系銅合金ま
    たはBe―Ni系銅合金からの群から選ばれるいずれか一種
    である ことを特徴とする海生物付着防止網。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ベリリウム銅合
    金中に、コバルト(Co ):0. 2〜2. 7重量%、ニ
    ッケル(Ni):1. 4〜2. 2重量%またはシリコン
    (Si):0. 2〜0. 35重量%のいずれか一種以上を
    含むことを特徴とする海生物付着防止網。
  3. 【請求項3】 前記網の目開きの最大間隔は、40〜1
    00mmに設定されたことを特徴とする請求項2記載の海
    生物付着防止網。
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