JP2628680B2 - ポンプの羽根車のねじ連結部をはずすための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般に、重設備の部品におけるねじジョイ
ントをはずすための動力装置に関する。より詳細には、
本発明は大型ポンプの羽根車のねじ連結部をはずすため
の液圧駆動式装置に関する。

〔従来技術および発明が解決しようとする課題〕

回転式重設備の或る部品は、設備を作動すると、締ま
る傾向があるねじ連結部を有している。例えば、地面掘
削設備におけるジョイントは作動中、締っていき、その
結果、分解し難くなる。同様に、大型タービンポンプの
羽根車はねじカップリングによて駆動シャフトの下端に
連結されており、このねじカップリングはポンプを作動
すると締まる。その結果、交換や修理のために羽根車を
取りはずすのが困難である。

かかる重設備におけるねじ連結部をはずすのを助ける
ために、種々の動力作動装置が開発されてきた。代表的
には、このような装置は、操作するには複雑であり、ま
た、高価である。例えば、米国特許第3,256,757号（発
明者：コキャバー）は地面掘削設備におけるねじジョイ
ントをはずすための動力レンチを開示している。この装
置は２つのパイプレンチを利用しており、一方のレンチ
はフレームに留められ、他方のレンチは液圧シリンダに
よって駆動される。このシリンダの作動により、レンチ
のうちの一方が、掘削管の一部を留められた部分と相対
回転する。この米国特許第3,256,757号に開示の装置
は、上述したように、２つのパイプレンチを利用してい
るためにタービンポンプの羽根車をはずすのに適してい
ない。同様に、1978年６月６日発行の米国特許第4,092,
881号（発明者：ジャーゲン等）は掘削ストリング間の
ねじ連結部をはずすための動力装置を開示している。こ
の装置は不動チャックおよび回転チャックを利用してお
り、これらのチャックの構造は全く複雑である。回転可
能なチャックの特定の構造は管体用に特別に設計されて
いるため、タービンポンプの羽根車をはずすのに適して
いない。1981年10月20日発行の米国特許第4,295,257号
（発明者：トローズ）は組立中または分離中、立形ター
ビンポンプの種々の構成要素を支持しかつ整合させるた
めの作業台を開示している。この装置によれば、クラン
プ用チェーン及びチェーン引き締め器を使用するクラン
プ組立体でポンプの他の部分が回転しないように固定し
ながら、チェーンレンチを駆動する液圧シリンダを使用
して、作業台に沿った任意の箇所でチェーンを動力で操
作することができる。

上述した動力装置は、そのいずれもが、管体の表面を
把持するために摩擦力を与え、この摩擦を介して管体の
表面に力を付与するようになっているため、特にポンプ
の羽根車をはずすのに適してはいない。詳細には、これ
らの装置のどれも種々の大きさの羽根車のねじ連結部お
よび右ねじ又は左ねじの連結部をはずすようになってい
ない。

〔課題を解決するための手段〕 本発明は、種々の大きさおよび形状のポンプの羽根車
のねじ連結部をはずすための動力装置を提供する。特
に、本発明は、様々な大きさの羽根車のねじ連結部およ
び右ねじ又は左ねじの連結部をはずすのに好適な動力装
置を提供する。本発明は羽根車のハウジングを受け入れ
るためのＶ字形クレードルと、羽根車から最も遠い方の
羽根車シャフトの端部を固着するために垂直方向に調整
できる直立万力組立体と、万力組立体とは反対のクレー
ドルの側部に位置決めされ、下端が装置の軸線に沿って
枢着され、羽根車翼にかかるようになっているチェーン
およびフックを上端に連結した液圧シリンダとを備えて
いる。液圧シリンダの作動によりトルクを羽根車の翼お
よびねじ連結部に加えてこれらをはずす。

〔実施例〕

第１図を参照して説明すると、この装置は、例えば1
0.16cm（４インチ）のみぞ形鋼で構成されるトロリービ
ーム１を有している。このトロリービーム１には、万力
／トロリー組立体２が設けられており、この組立体２は
トロリー組立体３、台車組立体５および万力組立体７よ
りなる。この万力／トロリー組立体２は、第４図に示す
台車ホイール６によってトロリービーム１の任意の位置
に転動することができる。トロリーストッパ11により台
車ホイール６がトロリービーム１から転がり出るのを防
いでおり、このストッパ11はトロリービーム１用の脚部
としても機能する。

トロリーストッパ11とは反対側のトロリービーム１の
端部には、作業台すなわちテーブル９が固定されてお
り、このテーブル９はハウジング10およびクレードル12
よりなる。ハウジング10は液圧ポンプを駆動する電気モ
ータおよび液圧流体の溜め部を包囲している。このポン
プは制御部14を使用して後述の液圧シリンダをすべて公
知の方法で作動させる。

第２図を参照して説明すると、液圧シリンダ16は主シ
リンダであり、ねじ連結をはずすのに使用される。この
液圧シリンダ16は、耳部を通って延びるこのシリンダの
クレビスを介してピンによって18の箇所でハウジング10
に枢着されており、耳部はハウジング10に取付けられ、
コッタピンによって固定されている。ストッパ20、22に
よりこのシリンダが回動することができる範囲を制限し
ている。ハウジング10のスロット24により、シリンダ16
への液圧連結部はシリンダの任意の角度でハウジング10
に入ることができる。このシリンダ16はそのピストンの
端部に取付けられた通常のロッド26を有している。ロッ
ド26の端部には、チェーン28が取付けられている。

第３図および第４図を参照して説明すると、万力／ト
ロリー組立体２は、４つの台車ホイール６を有する台車
５に設けられたトロリー組立体３を有する。万力組立体
７はトロリー組立体３内を垂直方向に摺動でき、万力の
高さを調整することができるようになっている。この高
さは、トロリー組立体３の基部に枢着され、ピストンロ
ッドを万力組立体７に取付けた液圧シリンダを使用して
動力で調整することができる。したがって、万力組立体
７の高さを制御部14によって自動的に制御することがで
きる。

トロリー組立体３はリング30を有しており、このリン
グ30にチェーン32が取り付けられている。トロリー組立
体３の反対側には、チェーン32を受け入れるフック34が
固定されている。

万力組立体７は羽根車のシャフトＳ（図６参照）を受
れるように成形されたＶ字形万力板35と、ポンプのシャ
フトＳを把持するための歯を有するＶ字形板36と、Ｖ字
形板38とよりなる（図３参照）。万力組立体７を支持す
るシャフト31の上端部と水平線との間にほぼ10度の角度
33が形成される。万力板35、歯36およびピボット板38よ
りなる万力組立体７の全体はトロリービーム１の長さ方
向に対して直角で水平ピボットピンに取付けられてお
り、これにより万力組立体７は水平線から10゜の角度、
回動して戻ることができる。これにより、ポンプ回転組
立体７が完全に水平でなくとも、万力組立体７がカップ
リングまたはシャフトに対する強い把持力を得ることが
できる。また、ねじをはずすときに、引張りフックと接
する羽根車の角度を小さくするために、ポンプ回転組立
体を羽根車から離れた端部が低くなるようにするのが好
ましいとわかった。

羽根車の翼42に引っ掛けるためにこの装置に使用され
るフック29を第５図に示してある。翼42を保護するため
には、弾性の木製またはゴム製のスロット付き挿入体37
を羽根車の翼42に引っ掛けるように使用すればよい。

作業の際、羽根車の翼42が第６図に示すようにクレー
ドル12の端部の上方で突出しかつポンプのシャフトＳの
他端が万力組立体７に載せるようにポンプ組立体40を設
置する。トロリー組立体３をトロリービーム１に沿って
転がせることによって作業台すなわちテーブル９から適
切な間隔を置いて位置決めする。万力／トロリー組立体
２の液圧シリンダを作動してポンプのシャフトＳがほぼ
水平になるまで万力組立体７を上昇させるかあるいは降
下させる。次いで、図７に示すように、保持チェーン32
をシャフトＳまたはカップリングの上方に導びいた後に
フック34に留める。次に、液圧シリンダを作動して万力
組立体７を上昇させると、シャフトＳまたはカップリン
グが万力組立体の歯36に締めつけられる。

羽根車46が右ねじ又は左ねじであるかに応じて、主シ
リンダ16をその移動範囲の一方の側または他方の側に回
動させる。次いで、図８に示すように、チェーン28を羽
根車の翼42の上に導びき、フック29を翼42の１つに引っ
掛ける。次に、シリンダ16を作動してチェーン28を引っ
張ってねじカップリングをはずす。

本発明は大きさおよび形状の異なる羽根車のねじ連結
をはずすのに適していることがわかるであろう。台車組
立体をトロリービームに沿って移動させ、万力組立体の
シャフトを上昇させるかあるいは降下させることによ
り、ポンプ組立体の種々の大きさに合わせて調整するこ
とができる。さらに、主シリンダ16の回動能力により、
この主シリンダを、種々の直径の羽根車だけでなく、右
方向または左方向のねじの羽根車にも合わせて調整する
ことができる。

当業者には明らかなように、本発明の精神から逸脱す
ることなしに上記構造の種々の変更例および改造例が可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は羽根車に適所に設けていない装置の側立面図；
第２図は第１図に示す装置の右端面図；第３図は第１図
に示す万力／トロリー組立体の左側面図；第４図は第３
図に示す万力／トロリー組立体の側面図；第５図は本発
明に使用するフックの斜視図；第６図は羽根車を適所に
設けた場合の第１図に示す装置の斜視図；第７図はポン
プ組立体のシャフトを万力組立体で把持するために、こ
のシャフトにチェーンを掛ける作業工程を示す作業説明
図；第８図は羽根車のひとつにフックを引っ掛ける工程
を示す作業説明図である。 １……トロリービーム、２……万力／トロリー組立体、
３……トロリー組立体、５……台車組立体、７……万力
組立体、９……作業台、10……ハウジング、16……液圧
シリンダ、28、32……チェーン、34……フック、40……
ポンプ組立体、42……羽根車の翼。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ポンプまたはタービンのシャフトと羽根車
   との間のねじジョイントをはずすための装置において、 （ａ） 羽根車に隣接した方のポンプと端部を支持する
   ための上面を有するハウジングと、 （ｂ） 上記ハウジングに固着された細長いビームと、 （ｃ） 上記ハウジングと整合して上記ビームに設けら
   れ、上記羽根車から遠い方のポンプの端部を固定するた
   めの手段を有する垂直に直立する支持体と、 （ｄ） 上記支持体から遠い方の上記ハウジングの側部
   に枢着された液圧シリンダと、 （ｅ） 上記液圧シリンダのロッドの一端に取り付けら
   れ、上記羽根車の翼に取付け可能なフック手段を有する
   可撓性手段と、 （ｆ） 上記可撓性手段を緊張させて、上記翼にトルク
   を与えるために上記液圧シリンダを作動するためのモー
   タ手段とを備えていることを特徴とする装置。
2. 【請求項２】上記支持体が上記細長いビームに沿って移
   動できることを特徴とする請求項（１）に記載の装置。
3. 【請求項３】上記支持体の高さが調整できることを特徴
   とする請求項（１）に記載の装置。
4. 【請求項４】上記ハウジングが更らに上記液圧シリンダ
   の回動範囲を制限するストッパ手段を備えていることを
   特徴とする請求項（１）に記載の装置。
5. 【請求項５】上記液圧シリンダは、上記回動の回転軸線
   が上記細長いビームの長さ方向に延びる中心線に沿って
   位置するようにして上記ハウジングの基部に取り付けら
   れていることを特徴とする請求項（１）に記載の装置。