JP2628015B2 - 熱可塑性セグメント化ポリウレタンチューブの製造方法 - Google Patents

熱可塑性セグメント化ポリウレタンチューブの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性セグメント化
ポリウレタンエラストマ(以下「TPU」ともいう。)
よりなるチューブの製造方法に関し、さらに詳しくは、
マンドレルを用いて、いわゆる加圧式により、TPUよ
りなるチューブを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カニューラ、カテーテルなどの医療用チ
ューブは、一般に血管(特に環状動脈)、気管、卵管、
尿管などや各種臓器内に挿入して、液体の注入、あるい
は通路の開存確保などを目的として使用される。これら
医療用チューブは、主にTPUから構成され、臓器など
への挿入を容易とするために、その先端部はテーパ状に
細く成形される。
【0003】このような医療用チューブをはじめとする
チューブの成形方法としては、ダイヘッドの出口側で押
出されたTPUをマンドレルに被覆する方法(以下「チ
ュービング式」という。)が例示される。このチュービ
ング式におけるダイヘッドの部分断面図を図3に示す。
チュービング式においては、図3に示すように、ダイヘ
ッド10の軸芯部10aを通過するマンドレル11を矢
符b方向へ送り込むとともに、図示しない押出機から押
出されたTPU12をダイヘッド10内へ供給し、ダイ
13とニップル14とによってTPU12を一定の肉厚
に規定して押出する。ダイヘッド10の出口側10bに
おけるTPU12の径は、被覆するマンドレル11の径
よりもニップル14の肉厚の分だけ大きいので、TPU
12は、引き落とされてマンドレル11を被覆する。
【0004】しかしながら、このチュービング式では、
TPU12が出口側10bから引き落とされて、押出樹
脂圧から大気圧へと解放された圧力下にてマンドレル1
1を被覆するので、押出成形されたTPU12の成形体
の表面に気泡が生じることがある。気泡の発生を解消す
るためには、TPU12の押出温度を低く抑える必要が
あるが、押出温度を低くするとTPU12の溶融が不十
分となり、チューブの表面に生ずる凹凸、いわゆるブツ
が発生することがある。したがって、チュービング式で
は、気泡またはブツの発生による外観不良を解消するこ
とは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記チ
ュービング式では、TPUの押出成形性が十分ではない
との見地から、他のチューブの成形方法として、ダイヘ
ッド内でマンドレルにTPUを押出被覆する方法(以下
「加圧式」という。)を検討した。この加圧式における
ダイヘッドの部分断面図を図2に示す。加圧式において
は、図2に示すように、ダイヘッド1の軸芯部1aを通
過するマンドレル2を矢符a方向へ送り込むとともに、
図示しない押出機から押出されたTPU3をダイヘッド
1内へ供給し、ニップル4の出口側4aにてマンドレル
2にTPU3を接触させる。マンドレル2をさらに矢符
a方向へ送り込むと、マンドレル2とダイ5とによって
TPUは一定の肉厚に規定されて、マンドレル2を被
覆して押出される。
【0006】加圧式では、上記のチュービング式と異な
り、TPU3を加圧下にてマンドレル2に被覆している
ので、気泡またはブツの発生は低減し、外観は良好であ
る。しかしながら、加圧式によって得られた成形体の先
端部を熱延伸によってテーパ状に細く成形するために、
ガラス転移温度(Tg)以上に成形体を加熱すると、微
小なクラックによる延伸部の白濁またはブツが発生し、
あるいは切断することがあり、熱延伸性が不良となる
向がある
【0007】以上の実情に鑑み、本発明の目的は、気
またはブツの発生による外観不良を解消するとともに、
良好な熱延伸性を具備するTPUのチューブの製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意研究し
た結果、下記の本発明によって上記目的が達成されるこ
とを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、TPUを予熱された
マンドレル周辺に加圧押出し、その後マンドレルを抜き
取り、得られたチューブ母材を熱延伸して所望外径のチ
ューブを製造する方法であって ューブ母材の熱延伸
可能領域表面気泡非発生領域とが重複する領域にお
ける予熱温度および樹脂圧力にて前記エラストマを押出
すことを特徴とするTPUチューブの製造方法である。
また、当該製造方法において、マンドレルの予熱温度と
TPUの押出圧力とをパラメータとして、チューブ母材
の熱延伸可能領域および表面気泡非発生領域を予め求め
ることを特徴とする。
【0010】本発明における「押出機」は、本発明の目
的を達成しえるものであれば特に制限はなく、例えばス
クリュ押出機(単軸または多軸押出機)、非スクリュ押
出機(エラスチックメルト押出機、ハイドロダイナミッ
ク押出機、ラム式連続押出機、ロール式押出機、ギヤ式
押出機など)が例示されるが、特に単軸押出機が好まし
い。なお、本発明において「押出機」とは、ダイを含む
ダイヘッドを除外した概念として用いられる。
【0011】本発明の製造法においては、マンドレルに
ダイヘッド内の軸芯部にてTPUが被覆される。ここに
「ダイヘッド」とは、押出機のバレル先端部に取り付け
られた口金をいい、クロスヘッド式(アングルヘッドを
含む)、スパイダ式が例示される。また、「ダイヘッド
の軸芯部」とは、TPUを被覆すべき芯線がダイヘッド
を貫通する部分をいう。マンドレルとしては、例えば軟
銅線、軟SUS線、ETFE線などが例示される。
【0012】ポリウレタン系熱可塑性エラストマ(TP
U)とは、ソフトセグメント(水素結合性のないゴム状
マトリックスの部分)を構成するポリオール、ハードセ
グメント(ウレタンおよびウレア結合を含む水素結合性
の部分)を構成する短鎖グリコールおよびジイソシアネ
ートを主成分として構成されるブロック共重合体であ
る。
【0013】ポリオールとしては、1分子中に少なくと
も2個以上の活性水素、特に水酸基を有するものが用い
られ、例えばジオールやトリオールなどの多価アルコー
ル、脂肪族アミン、芳香族アミンなどを開始剤とし、こ
れにアルキレンオキサイドを付加して製造されるポリオ
キシアルキレンポリオール、酸とアルコールの縮合によ
って製造されるポリエステルポリオール、あるいはポリ
テトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリ1,4−ブチレン
グリコールアジペート、ポリエチレングリコールアジペ
ート、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ビスフェノール−A+プロピレンオキサイ
ド、特に好ましいものとしてビスフェノール−A+プロ
ピレンオキサイドなどが使用される。ポリオールの好ま
しい重量平均分子量は200〜2000程度である。
【0014】短鎖グリコールとしては、エチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール
などのグリコール、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、トリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
などのアミン類、トリメチロールプロパンのTDI(ト
リレンジイソシアネート)アダクト、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、ビス(2−ハイドロキシエチ
ル)ハイドロキノン、ビスフェノール−A+エチレンオ
キサイド、ビスフェノール−A+プロピレンオキサイド
などのポリイソシアネートなどが挙げられるが、特に
1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0015】ジイソシアネートとしては、通常ポリウレ
タンに使用されるものであれば特に制限はなく、例えば
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、m−またはp−フェニレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが
例示され、これら単独または2種以上の組み合わせにて
使用されるが、特に4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネートが好ましい。
【0016】これらポリオール、短鎖グリコールおよび
ジイソシアネートのモル比は、1::0.5〜2:1.
5〜3、好ましくは1:0.8〜1.5:1.8〜2.
5、より好ましくは1:0.9〜1.2:1.9〜2.
2である。
【0017】また、必要に応じて反応を促進するために
触媒が使用される。触媒としてはトリエチルアミン、テ
トラメチルヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン
などの第3級アミン類またはスタナスオクチレート、ス
タナスオレエート、ジブチル錫ジラウレートの如き錫系
触媒に代表される金属触媒があり、これらはおのおの単
独あるいは混合して使用される。
【0018】上記ポリオール、短鎖グリコールおよびジ
イソシアネートおよび必要に応じて触媒を用いてウレタ
ンの合成をおこなう。その合成方法は、例えば特開昭6
1−293214号公報、特開昭63−244341号
公報などに開示されている方法を採用することができ、
ポリオール、短鎖グリコールおよびジイソシアネートの
各成分を適宜変化させることによって、TPUのガラス
転移温度(Tg)を任意に設定することができる。
【0019】TPUの水分含有率が高い場合、発泡によ
る気泡が発生し易くなるが、TPUは吸湿性であるの
で、TPUの含有水分量を低減させることが必要であ
る。そこで、TPUを押出機に投入するに際しては、T
PUを約80℃にて5時間以上乾燥させることが望まし
い。
【0020】本発明において「チューブ母材」とは、マ
ンドレルの周辺を被覆するTPUの押出成形体からマン
ドレルを除去した中空を有する成形体をいい、「チュー
ブ母材の熱延伸可能領域」とは、マンドレルの予熱温度
とTPUの押出圧力とをパラメータとする領域であっ
て、上記チューブ母材がそのガラス転移温度(Tg)以
上にて150%以上の延伸が可能である領域をいい、
「チューブ母材の表面気泡非発生領域」とは、マンドレ
ルの予熱温度とTPUの押出圧力とをパラメータとする
領域であって、上記チューブ母材の表面に目視可能な気
泡およびブツが実質的に発生していない領域をいう。
【0021】これらの熱延伸可能領域および表面気泡非
発生領域は、TPUの原料、その配合比、チューブ母材
の設定肉厚などによって変化し、特にTPUの疑似架橋
点(ハードセグメント)によって変化する。通常、これ
らの各領域は、用いるTPUの種類等に応じて、種々の
条件(マンドレルの予熱温度、TPUの押出圧力等)下
におけるTPUチューブを成形し、得られた各TPUチ
ューブについて、例えば熱延伸性、外観等を調べ、マン
ドレル予熱温度および押出圧力をパラメータとして、数
値化ないしグラフ化して予め求めることができる。「マ
ンドレルの予熱温度」とは、マンドレルがダイヘッド内
に導入される前のダイヘッドの入口付近の温度をいい、
「TPUの押出圧力」とは、ダイヘッドの入口部分(ダ
イヘッドへTPUを供給するシリンダーの出口部分)に
おけるTPUの圧力をいう。
【0022】本発明においては、上記両領域が重複する
領域内における予熱温度にてマンドレルを加熱し、TP
Uを押出することによって、マンドレルを被覆する良好
成形体が成形される。なお、押出された成形体は、冷
却槽などにて冷却されるが、押出から冷却までの時間が
長いと、TPU中の溶存空気が発泡して気泡が発生する
おそれがあるので、成形体の肉厚に影響を与えない範囲
内で、芯線の引取(巻取)速度を可能な限り上げること
が望ましい。かくしてチューブ母材が得られ、得られた
チューブ母材を熱延伸して所望外径のチューブとするこ
とにより、所望のTPUチューブとすることができる。
【0023】本発明のチューブは医療用チューブとして
使用されることが好ましい。ここに医療用チューブとは
検査、観測、診断、治療・予防あるいはその他の目的で
ヒトを含む動物体内に挿入して用いる全てのチューブ状
医療器(例えば、カテーテル、カニューレ、イルリガー
トル、ブジーなど)のことである。すなわち、該チュー
ブは、液注入・排出機能、体温測定機能、血圧・血液測
定機能、化学分析機能、内視機能、レーザファイバやバ
ルーンなどの機能を搭載したものなど、循環器系、呼吸
器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系などの適用領域や
使用目的・機能によって多種多様にわたり、人間をはじ
めとする哺乳動物(例えば、ウシ、ウサギ、ウマ、ヒツ
ジ、サル、イヌ、ネコなど)などに使用可能である。
【0024】医療用チューブとしては、具体的には静脈
留置カテーテル、心臓カテーテル、血管造影用カテーテ
ル、血管拡張用カテーテル、血栓除去用カテーテル、胆
管カテーテル、気管支チューブ、胃管カテーテル、硬膜
外カテーテル、食道ブジー、中心静脈カテーテル、排液
用チューブ、膵管チューブ、子宮頸管留置カテーテル、
内視鏡用カテーテル、導尿用カテーテル、経鼻酸素カテ
ーテル、吸引カテーテル、套管針カテーテル、EDカテ
ーテル、輸液用チューブなどが例示される。
【0025】
【作用】本発明にかかる押出成形方法によるチューブの
製造方法によれば、気泡またはブツの発生による外観不
良を解消するとともに、良好な熱延伸性を具備するチュ
ーブを得ることができる。
【0026】すなわち、マンドレルが予め特定領域内の
温度に加熱されているので、ダイヘッド内において溶融
されたTPUがマンドレルに接触することによって、T
PUのハードセグメントの固定化(疑似架橋点の形成)
が行われない。さらに、特定領域内の押出圧力にてTP
Uがダイヘッドから押出されるので、TPUが押出され
る時点では疑似架橋点が形成されずに、TPUは応力緩
和されつつ延伸され、徐々に疑似架橋点が形成される。
このようにして、応力緩和が完了した後に、疑似架橋点
およびアモルファス部がともに固定されるので、得られ
た成形体をガラス転移温度(Tg)以上に加熱した際
に、TPUのソフトセグメントは解放され、延伸が可能
となる。また、マンドレルの加熱またはTPUの押出圧
力の低下によって、TPU中の溶存空気が気泡として発
生するが、マンドレルの予熱温度とTPUの押出圧力と
を特定領域内に限定することによって、成形体の表面に
が発生するのを防止することができる。
【0027】一方、従来の加圧式においては、ダイヘッ
ド内において溶融されたTPUがマンドレルに接触する
ことによって、疑似架橋点が形成されて部分的に粘度が
上昇し、残留応力が大きくなる。したがって、マンドレ
ルの引取に伴い疑似架橋点を固定したまま延伸されるこ
とになり、応力の緩和は著しく阻害され、アモルファス
部は延伸された状態を保持するので、得られた成形体を
ガラス転移温度(Tg)以上に加熱した際に、TPUの
ソフトセグメントは解放されるが、既に延伸されている
ので伸びに余裕がない。反対に、疑似架橋点(ハードセ
グメント)は形状記憶性を発現して、疑似架橋点が形成
された時点(溶融されたTPUがマンドレルに接触した
時点)の状態に復元しようとするので、微小なクラック
による延伸部の白濁またはブツが発生し、あるいは切断
することがあり、熱延伸性が不良となる。また、チュー
ビング式では、上記の従来の技術の項にて詳述した理由
によって、気泡またはブツの発生による外観不良を解消
することは困難である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するため実施例お
よび比較例を挙げるが、本発明はこれら実施例によって
何ら限定されるものではない。
【0029】実施例1〜6および比較例1〜 ガラス転移温度(Tg)が約45℃のTPU〔商品名:
MM4510、三菱重工業社製〕を約80℃にて5時間
以上乾燥させた後、下記の押出条件にて軟銅線マンドレ
ルにTPUを被覆し押出した後、マンドレルを引き抜き
50種類の成形体であるTPUチューブを得た。
【0030】 ダイ口径 1.30mm ニップル口径 1.02mm 押出機(二軸押出機)の設定温度 130〜225℃ ダイヘッド(クロスヘッド)の設定温度 205〜215℃ ダイの設定温度 195〜210℃ マンドレルの予熱温度 室温〜120℃ (熱風機によってクロスヘッドの手前30cmの場所を
加熱し、クロスヘッドの入口直前の温度を接触型の温度
計にて測定し、管理した。) TPUの押出圧力 35〜234Kg/cm2 マンドレルの引取速度 1.6〜11.9m/min (マンドレルの引取速度は、TPUチューブの肉厚が約
0.35mmになるように適宜調節した。)
【0031】各TPUチューブについて熱延伸性および
外観を調べ、マンドレル予熱温度および押出圧力をパラ
メータとして、図1に示すグラフを作成した。なお、熱
延伸性は、温風加熱(85℃)を伴う引張り試験によっ
て判定し、外観は、4倍ループにて確認可能なブツおよ
び気泡の有無によって判定した。図1において、太線X
は熱延伸性の良好と不良とを区切る熱延伸可能領域の境
界線であり、太線Xよりも上方の領域は熱延伸性良好
を、太線Xよりも下方の領域は熱延伸性不良を示す。ま
た、細線Yは外観の良好と不良とを区切る表面気泡非発
生領域の境界線であり、細線Yよりも下方の領域は外観
良好を、細線Yよりも上方の領域は外観不良を示す。
【0032】図1に示すように、太線Xおよび細線Yに
よってA〜Dの4領域が形成された。すなわち、領域A
は熱延伸性は良好であるが、外観が不良である領域を、
領域Bは熱延伸性は不良であるが、外観が良好である領
域を、領域Cは熱延伸性および外観がともに良好である
領域を、領域Dは熱延伸性および外観がともに不良であ
る領域をそれぞれ示す。
【0033】次に、下記の表1に示す予熱温度(℃)お
よび押出圧力(Kg/cm2 )にて、TPUチューブを
それぞれ調製し、上記と同様に熱延伸性および外観を調
べ、同じく表1にその結果を示した。表1において、○
は良好、×は不良を示す。なお、予熱温度および押出圧
力以外の条件は、上記と同様とした。
【0034】
【表1】
【0035】以上の実施例および比較例から明らかなよ
うに、マンドレル予熱温度とTPUの押出圧力とをパラ
メータとすることによって、TPUチューブの熱延伸可
能領域(領域AおよびC)ならびに表面気泡非発生領域
(領域BおよびC)が求められ、両領域が重複する領域
(領域C)内における予熱温度および押出圧力にてTP
Uチューブを製造することによって、押出成形されたT
PUチューブの熱延伸性および外観がともに良好となる
ことが判る。
【0036】来の加圧式およびチュービング式では
PUチューブの熱延伸性または外観が不良となり、両
要求を満足するTPUチューブを得ることは困難であっ
た。しかしながら、上記の実施例においては、再現性は
良好であり、安定した品質の成形体を連続的に製造で
き、したがって成形体の歩留りが向上するという効果を
奏する。
【0037】
【発明の効果】本発明にかかる押出成形方法によるチュ
ーブの製造方法によれば、気泡またはブツの発生による
外観不良を解消するとともに、良好な熱延伸性を具備す
るTPUのチューブを得ることができ、またその再現性
は良好であり、すなわち安定した品質の成形体を連続的
に製造でき、したがって成形体の歩留りが向上するとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】マンドレルの予熱温度およびTPUの押出圧力
をパラメータとする、熱延伸可能領域(A,C)および
表面気泡非発生領域(B,C)を示すグラフである。
【図2】加圧式におけるダイヘッド1の部分断面図であ
る。
【図3】チュービング式におけるダイヘッド10の部分
断面図である。
【符号の説明】
1 ダイヘッド 1a 軸芯部 2 マンドレル 3 ポリウレタン系熱可塑性エラストマ(TPU) A,C 熱延伸可能領域 B,C 表面気泡非発生領域

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性セグメント化ポリウレタンエラ
    ストマを予熱されたマンドレル周辺に加圧押出し、その
    後マンドレルを抜き取り、得られたチューブ母材を熱延
    伸して所望外径のチューブを製造する方法であって ューブ母材の熱延伸可能領域表面気泡非発生領域
    重複する領域における予熱温度および樹脂圧力にて
    前記エラストマを押出すことを特徴とする熱可塑性セグ
    メント化ポリウレタンチューブの製造方法。
  2. 【請求項2】 マンドレルの予熱温度とエラストマの押
    出圧力とをパラメータとして、チューブ母材の熱延伸可
    能領域および表面気泡非発生領域を予め求めることを特
    徴とする請求項1記載の製造方法。
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