JP2627777B2 - インクカートリッジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインクジェット記録ヘッドにインクを供給す
るインクカートリッジに関し、時に、カートリッジ内の
インク残量を把握できるようにしたインクカートリッジ
に関する。

〔従来の技術〕

インクジェット記録装置においては、ユーザーの操作
性を考慮し、インク供給源として着脱自在のインクカー
トリッジが用いられる。

このインクカートリッジは、キャリッジへの搭載の都
合から小型、軽量が要求されるため、インクの収容量に
限度がある。このため、インク残量があるレベルになっ
た時点でユーザーに報知あるいは認識できるようにされ
ている。具体的には、次のような手段が採られている。

（ａ）インクカートリッジの重量変化を検知して判定す
る。

（ｂ）インクカートリッジ内の底部に電極を配設し、そ
の電気抵抗値の変化から判定する。

（ｃ）インクカートリッジにフォトセンサを設置し、あ
るレベル量にインクが低下したときに受光信号が得られ
ることをもって判定する。

この他、簡略な方法として、インクカートリッジを透
明な材料で形成してユーザーの目視により判定したり、
インクが無くなって印字不良になったことをもって判定
したりしていた。

第４図は従来のインクカートリッジの一例を示す断面
図である。

第４図において、31はカートリッジケース、32は記録
ヘッド、33はインクカートリッジと記録ヘッド32を連結
するインク供給チューブ、34はインク37が封入されたイ
ンク袋、35はカートリッジケース31の上部に設けられた
スイッチ、36は一端がスイッチ35の作動片に当接可能
で、かつ他端がインク袋34の上部に当接したシーソー運
動するレバーである。

以上の構成において、インク袋34にインク37が充分に
存在する状態では、インク袋34が膨らんでおり、レバー
36の他端を押し上げ、その一端が下がった状態にあるた
め、スイッチ35はオフになっている。

インクの消費が進んでインク袋34が縮むと、レバー36
はスプリングの付勢力とインク袋34の膨張力とが釣り合
う状態を保ちながら反時計方向へ回動し、ついにはスイ
ッチ35の作動片を押し上げ、スイッチ35をオンにする。

これによって、インク残量が規定量まで減ったことが
わかり、インクカートリッジの交換時期がきたことを知
ることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、このような従来のインクカートリッジにあっ
ては、電気的又は機械的にインク残量を検出するので、
構造が複雑になり、部品点数が増して信頼性の低下及び
コストアップを招いている。

インクカートリッジを透明にする構成では、キャリッ
ジ搭載型の場合、キャリッジの停止中にしか確認できな
いため、必要以上にインク残量が低下する他、視認を可
能にするために構造上の制約を受けるという不都合があ
る。

また、着脱をしない固定型カートリッジにおいては、
インク残量に余裕はあるものの、設置スペースに制約が
あり、さらに、視認を容易にするためには設置位置に制
約が生じる。

本発明はこのような従来技術に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、簡単な構成でインク残量を確実
に把握することができるインクカートリッジを提供する
ことである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するため、インクジェット
記録ヘッドに記録用インクを供給するパイプと、少なく
とも１種類の前記記録用インクに対し色相の異なるイン
クを封入した小容積の薄膜インク袋と、を有するインク
カートリッジにおいて、前記パイプはインクカートリッ
ジ内部に突出し、前記薄膜インク袋が前記記録用インク
が所定残量に達した時に前記パイプの先端に突き刺さる
ことにより破裂することを特徴とする。

〔作用〕

色相の異なる警告用インクは、記録用インクが十分に
消費されると、記録用インクに引き続いてヘッドのノズ
ルに供給され、記録紙上の印字色が記録の途中から変化
するので、記録用インクの残量がわずかになったことを
知ることができる。

色相のみが異なるインクを薄膜インク袋に収容し、こ
れを記録用インク袋内に密封することにより、記録用イ
ンクとの分離が図られ、２種のインクの混合が防止され
る。

さらに、記録用インクが所定残量以下になると、イン
ク供給用のパイプの先端で薄膜インク袋を破裂させるの
で、記録用インクに引き続いて色相の異なるインクが直
接的にヘッドのノズルに供給され、記録用インクによる
印字に引き続いて直ちに確実に異なる色の印字が開始さ
れる。

〔実施例〕

以下、第１図〜第３図を参照して本発明の実施例を説
明する。

第１図は本発明によるインクカートリッジの一実施例
を示す断面図であり、第２図は本発明のインクカートリ
ッジを用いるのに好適なインクジェット記録装置の主要
部の斜視図である。

第１図において、１はインクカートリッジであり、そ
のケース20の内部には記録用インク４が封入されたイン
ク袋21が収容され、このインク袋21の内部には、前記記
録用インク４の他に、小容積の薄膜インク袋22が収容さ
れている。

前記薄膜インク袋22の内部には、記録用インク４とは
異なる色相を有しかつ比重の軽い警告用のインク5Aが封
入されている。

インクカートリッジ１の底部にはジョイントゴム６が
嵌入され、記録ヘッド２とインクカートリッジ１を連結
するパイプ３の一端を圧接保持している。また、インク
カートリッジ１の上面には、ケース20の内部を大気と連
通させるための通気孔８が設けられている。

第２図において、10はインクカートリッジ１及び記録
ヘッド２を搭載して主走査方向へ往復移動するキャリッ
ジ、11はキャリッジ10を移動自在に案内支持するガイド
シャフト、12はガイドシャフト11の他に記録用紙搬送機
構などが取り付けられるシャーシ、13は記録用紙15を記
録ヘッド前面で支持するペーパーガイド、14は記録用紙
15を記録状況に応じて搬送するための駆動源となるモー
タ、16はヘッド２のノズル目詰まりを防止するための回
復系、17は回復系16を記録ヘッド２に対して前後進させ
るためのモータである。

第２図において、記録に際しては、ペーパーガイド13
に沿って記録用紙15をセットし、スタートボタン等の操
作により記録モードに入る。この操作により、キャリッ
ジ10が印字開始位置に移動し、記録ヘッド２のノズルに
設けられたエネルギー発生体が記録データに応じて駆動
され、ノズルから吐出されるインク滴が記録用紙15へ向
けて飛翔する。

飛翔したインク滴は記録用紙15の表面に付着し吸収さ
れて記録ドットになる。ドット列の印字が終了する毎に
キャリッジ２は所定ピッチで移動し、次の印字が行われ
る。こうして１行分の印字が終了するか、あるいはキャ
リッジ・リターン（CR）が入力されると、キャリッジ10
は印字開始位置へ戻される。

なお、定期的にあるいは必要に応じてキャリッジ10は
ホームポジションへ移動させられ、ノズルの回復動作が
実行される。回復動作は、モータ17の回転によって回復
系16をヘッド２へ向けて前進させ、キャップ18をヘッド
フェイス（ノズル配列面）に密着させて行われる。

記録ヘッド２に対するインクの供給は、インクカート
リッジ１からパイプ３（第１図）を通して行われる。

第１図はインクカートリッジ１のインク袋21内に記録
用インクが十分に残されている状態を示し、第３図は第
１図の状態から記録用インクが消費されて残量が減った
状態を示す断面図である。

インク袋21内に記録用インク４が充分に残されている
場合は、第１図に示すように、小容積の薄膜インク袋22
はインク袋21内で浮上し、天井部に位置している。ま
た、柔軟性のインク袋21はケース20の内面に密接するよ
うに膨張している。

記録動作の経過とともにインク４の消費が進むと、柔
軟性のインク袋21はインク４の残量に応じて形が潰れて
いく。このとき、記録用インク４と異なる色相の警告用
インク5Aが封入された小容積のインク袋22は、第３図に
示すようにインク袋21に包み込まれるようにして最上部
に位置している。

一方、記録用インク４が封入されたインク袋21内へ前
記ジョイントゴム６を通して突出した前記パイプ３の突
端には針状の先端3Aが形成されている。

そこで、第３図の状態からさらにインク４が消費され
るとインク袋21がさらに縮むように変形し、インク４の
残量が規定値以下に達すると、小容積の薄膜インク袋22
は、パイプ３の突端に形成された針状の前記先端3Aに突
き刺さることによって破裂する。

このインク袋22の破裂によって警告用インク5Aがパイ
プ３を通して記録ヘッド２へ送給され、記録用インク４
に代わって色相の異なる警告用インク5Aによる記録が行
われる。こうして、記録用紙15に記録される画像のイン
ク色が変わることによって、ユーザーは記録用インク４
の残量がわずか（規定量以下）になったことを知ること
ができる。

なお、以上の実施例では、警告用インク5Aを１種類の
み用いる場合を示したが、色相及び比重が相互に異なる
複数種類のインクを薄膜インク袋22に封入することによ
り、段階的に警告を行うようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、イ
ンクジェット記録ヘッドに記録用インクを供給するパイ
プと、少なくとも１種類の前記記録用インクに対し色相
の異なるインクを封入した小容積の薄膜インク袋と、を
有するインクカートリッジにおいて、前記パイプはイン
クカートリッジ内部に突出し、前記薄膜インク袋が前記
記録用インクが所定残量に達した時に前記パイプの先端
に突き刺さることにより破裂する構成としたので、記録
用インクが所定残量以下になった時、色相の異なるイン
クが直接的にパイプを通して記録ヘッドに供給されるこ
とから、印字の色を直ちに確実に変化させることがで
き、それによって、簡単な構成でインク残量の直ちに確
実に把握することができるインクカートリッジが提供さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるインクカートリッジの一実施例を
示す断面図、第２図は本発明のインクカートリッジを用
いるのに好適なインクジェット記録装置の主要部を示す
斜視図、第３図は第１図のインクカートリッジのインク
を消費した状態を示す断面図、第４図は従来のインクカ
ートリッジの一例を示す断面図である。 １……インクカートリッジ、２……記録ヘッド、３……
パイプ、3A……パイプの先端、４……記録用インク、5A
……警告用インク、６……ジョイントゴム、８……通気
孔、10……キャリッジ、15……記録用紙、16……回復
系、18……キャップ、20……ケース、21……インク袋
（記録用インク）、22……薄膜インク袋（警告用イン
ク）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インクジェット記録ヘッドに記録用インク
   を供給するパイプと、少なくとも１種類の前記記録用イ
   ンクに対し色相の異なるインクを封入した小容積の薄膜
   インク袋と、を有するインクカートリッジにおいて、 前記パイプはインクカートリッジ内部に突出し、 前記薄膜インク袋が前記記録用インクが所定残量に達し
   た時に前記パイプの先端に突き刺さることにより破裂す
   ることを特徴とするインクカートリッジ。