JP2627429B2 - 記録装置におけるペン昇降装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は記録装置におけるペン昇降装置、特にプロッ
タ装置におけるペン昇降装置に関するものである。

（従来装置） 従来よりCAD等に使用されるプロッタのような記録装
置において、ペン記録手段（以下ペンと称する）を保持
する保持部（以下ペンホルダと称する）の昇降機構に
は、使用するペンのペンチップが記録台（プラテン）上
にある記録媒体（記録用紙）に衝接する際に発生する騒
音の低減及びペンチップの寿命を延ばす目的から、ペン
ホルダの昇降動作を所定の速度で制御しペンチップが記
録媒体上に軟着陸する機能が要求される。一般にこの機
能を実現するためにはボイスコイルモータをアクチュエ
ータとするペン昇降機構が採用され、このアクチュエー
タに通電する電流を制御することにより軟着陸を実現し
ている。

第６図は従来のボイスコイルモータ方式のペン昇降機
能を示し、この例ではボイスコイルモータ１と位置検出
器２によりサーボ系を構成し、ペンホルダ３と一体化さ
れたコイルボビン４の動作位置と速度を制御している。
即ち、このペン昇降機構ではコイルボビン５に巻回され
たコイル６に通電する電流値と通電方向によってフレミ
ングの左手の法則に従う推力を発生し、所定方向の電流
を通電することによりペンホルダ３に保持されている記
録ペン７を下降する。この時、第６図に示すように位置
検出器２として発光素子８、受光素子９、インデックス
板10、スリット板11とを有する光学式エンコーダを用い
た場合はコイルボビン５の下降位置に応じた位置パルス
を発生するため、第７図に示すように制御回路に搭載し
ているマイクロプロセッサ12によりこの位置パルス数を
管理することによってコイルボビン５の下降位置、従っ
てこのコイルボビン５と一体化されたペンホルダ３に保
持された記録ペン７の下降位置を検知すると共に位置パ
ルスの時間間隔を計測処理することにより下降速度を検
知し、目的位置における記録ペン７の下降速度を制御す
るようにしている。所定の記録動作を終えた記録ペン７
は、コイルボビン５に通電していた電流を遮断すること
によって復帰バネ13の作用で所定の位置まで上昇され
る。尚、この上昇過程の速度を向上する目的で下降時に
通電していた方向と逆方向の電流をコイルボビン５に通
電する場合もある。

（発明が解決しようとする課題） このような従来例では多くの構成部品を必要とし、且
つ複雑な制御方式で記録ペンの軟着陸を実現しているた
め高価となる欠点がある。

本発明記録装置におけるペン昇降装置はこのような欠
点を除去するようにしたものである。

（課題を解決しようとするための手段） 本発明記録装置におけるペン昇降装置はキャリッジガ
イドシャフトによって回動自在に支持したペンキャリッ
ジと、このペンキャリッジの一端部に設けたペンホルダ
と、他端部に形成したアームと、このアームをカム面を
介して上下動せしめるアクチュエータとより成り、前記
カム面は前記アクチュエータが前記ペンキャリッジの一
端を下降するよう移動する際この移動速度を減速して前
記ペンキャリッジに伝達しペンを記録用紙に軟着陸せし
める形状ならしめたことを特徴とする。

（作 用） 本発明装置によればペンの下降速度がカム面の形状に
よって制御され、これによって記録用紙上に軟着陸せし
めることができる。

（実施例） 以下図面によって本発明の実施例を説明する。

第１図は本発明をプロッタ装置に適用した場合の説明
図であって14はプラテン、15は記録用紙、16はペンキャ
リッジ、17はその駆動ローラ、18はキャリッジガイドシ
ャフト、19はペンストッカを示す。

本発明においては第１図〜第３図に示すようにキャリ
ッジガイドシャフト18に対しペンキャリッジを回動自在
ならしめ、前記キャリッジガイドシャフト18を中心とし
て記録ペン保持位置と対向する位置で前記ペンキャリッ
ジ16にアーム20を設け、このアーム20をペン上下位置21
によって上下に駆動することにより前記ペンキャリッジ
16に固定した記録ペン７が記録媒体15に対して離接され
るようにする。

本発明装置におけるペン上下装置21は前記一端下面を
ペンキャリッジ16のアーム20の上面を当接せしめたレバ
ー22と、このレバー22を回動自在に支持するシャフト23
と、前記レバー22の他端下面を支持するカム面24をその
上面に有するプランジャ25と、このプランジャ25を上下
動せしめるアクチュエータとしての直動ソレノイド26
と、プランジャ復帰ばね27とにより構成する。

本発明におけるペン昇降装置は上記のような構成であ
るから直動ソレノイド26が附勢されていない場合には第
２図に示すように復帰ばね27によりプランジャ25が所定
位置迄押し上げられており、この状態ではレバー22の一
端を介してペンキャリッジ16のアーム20が押し下げられ
記録ペン７が記録用紙15から上方に離れている。

然しながら直動ソレノイド26が附勢された場合には復
帰ばね27に抗してプランジャ25が押し下げられレバー22
が第２図において時計方向に回動し、第３図に示すよう
に記録ペン７が記録用紙15に接する状態となる。

このようにレバー22が時計方向に回動して記録ペン７
が下降する場合、レバー22の他端下面とカム面24との接
触位置が次第に左方へ偏移し第２図から第３図の状態と
なる。従って記録ペン７の下降速度はプランジャ25の下
降速度とカム面24の形状変化に依存することになる。

第４図はプランジャ25の位置とレバー22の回転量の関
係を示し、実線はカム面24が平坦な場合、破線はカム面
24を左方に向かって次第に上昇している斜面とした場合
を示す。このような斜面とした場合にはプランジャ25の
下降が進んでいくとレバー22の回転量が次第に少なくな
る。

第５図はプランジャ25の移動位置に対する記録ペン７
の下降速度の関係を示す。

一般に直動ソレノイドを用いた場合、プランジャ25に
対する吸引力はプランジャ25がソレノイドの内部中心に
近づくにつれ大きくなり非線形な速度曲線となり、即ち
記録ペン７が記録用紙15に近づくほど下降速度が早くな
るという不具合があるが、前記カム面24を用いることに
より破線のように記録用紙に近づくにつれ下降速度を緩
やかにすることが可能となる。

カム面24の形状は斜面又は曲面と任意形状とすること
ができる運転伝達系の特性や慣性モーメント等を考慮し
て決めるのが好ましい。尚以上の実施例ではレバー22が
プランジャ25と接する構成としたが、機構上の配置空間
に余裕がなければレバー22やレバー支持シャフト23を廃
止し、カム面付きプランジャ25を直接アーム20に接する
ように構成することもできる。

尚上記実施例ではアクチュエータとして直動ソレノイ
ドを使用したが、これに代えて回転形ソレノイド或いは
回転形ステップモータと円盤状カムを使用しても同等の
効果を実現出来る。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように、本発明装置は安価な
数少ない部品で構成することができ、且つ単にアクチュ
エータのオン・オフ制御のみでペンの軟着陸を実現でき
る大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のペン記録装置をプロッタ装置に適用し
た場合の説明図、第２図，第３図は本発明ペン記録装置
の要部の説明図、第４図，第５図はその作動説明用線
図、第６図は従来のペン昇降機構の説明図、第７図はそ
の制御ブロック線図である。 １……ボイスコイルモータ、２……位置検出器、３……
ペンホルダ、4,5……コイルボビン、６……コイル、７
……記録ペン、８……発光素子、９……受光素子、10…
…インデックス板、11……スリット板、12……マイクロ
プロセッサ、13……復帰バネ、14……プラテン、15……
記録用紙、16……ペンキャリッジ、17……駆動ローラ、
18……キャリッジガイドシャフト、19……ペンストッ
カ、20……アーム、21……ペン上下装置、22……レバ
ー、23……シャフト、24……カム面、25……プランジ
ャ、26……直動ソレノイド、27……プランジャ復帰ば
ね。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】キャリッジガイドシャフトによって回動自
   在に支持したペンキャリッジと、このペンキャリッジの
   一端部に設けたペンホルダと、他端部に形成したアーム
   と、このアームをカム面を介して上下動せしめるアクチ
   ュエータとより成り、前記カム面は前記アクチュエータ
   が前記ペンキャリッジの一端を下降するよう移動する際
   この移動速度を減速して前記ペンキャリッジに伝達しペ
   ンを記録用紙に軟着陸せしめる形状ならしめたことを特
   徴とする記録装置におけるペン昇降装置。