JP2627022B2 - レーシングスーツおよびそのレーシングスーツを使用したドライバーの安全固定装置 - Google Patents

レーシングスーツおよびそのレーシングスーツを使用したドライバーの安全固定装置

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JP2627022B2
JP2627022B2 JP2340887A JP34088790A JP2627022B2 JP 2627022 B2 JP2627022 B2 JP 2627022B2 JP 2340887 A JP2340887 A JP 2340887A JP 34088790 A JP34088790 A JP 34088790A JP 2627022 B2 JP2627022 B2 JP 2627022B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レースドライバーが着用するレーシングス
ーツ、特に四輪車によるレースの際に使用されるレーシ
ングスーツと、そのレーシングスーツを着用したドライ
バーをレース用車両の座席に安全に固定する装置に関す
るものである。
〔従来の技術〕
四輪車によるレースにおいては、レーシングカーを操
縦するドライバーは、頻繁な加速度やコーナリング等に
よる大きな加速度、並びに限界ぎりぎりまでもの高速走
行などによって、きわめて苛酷であるとともに危険な状
況にさらされる。したがって、ドライバーの身体は、レ
ース中、レーシングカーの座席にシートベルトによって
固定されることが不可欠である。
従来、この固定は、座席に座ったドライバーの身体を
4点式、5点式などのシートベルトによって締め付ける
ことによって行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、このシートベルトによる固定は、柔らかい
レーシングスーツを着用したドライバーの身体を直接シ
ートベルトで締め付けているため、身体とベルトとの接
触面積が少なく、激しい加速度や振動を受けると次第に
ベルトが身体に食い込むような状態となり、ドライバー
にとってかなりつらいという問題点があった。
また、従来のシートベルトでは、固定されるのは肩や
腹部などの身体のごく一部であるため、加速度や振動な
どの激しい付加を身体の一部で負担しなければならず、
これは馬力の大きなレーシングカーでしかも長時間のレ
ースとなるとドライバーにとってはかなりの負担であっ
た。
加えて、そのような身体の一部を固定する方式では、
座席へのドライバーの固定が完全でなく、減速時に腰の
固定が悪くなったり、カーブ時に遠心力で身体の座席に
対する位置が変わるという不都合があり、それを防ぐた
めにドライバーは全身に力を入れて位置を保たなければ
ならず、その分、運転に集中できないという欠点があっ
た。
そこで本発明は、これら従来技術の問題点や欠点を解
決し上記不都合をなくすため、新しいレーシングスーツ
を提供することを目的とし、また、その新しいレーシン
グスーツとともに用いられる、レース車両の座席への安
全固定装置を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記従来技術の問題点を解決するため、本発明は、レ
ーシングスーツに内側に衝撃吸収材を備えた剛性部材を
配置し、シートベルトなどの固定手段をそのレーシング
スーツの剛性部分に当接させるようにした。その剛性部
材はレーシングスーツの全体に配置してドライバーの身
体をすっぽり覆うようにしてもよいし、また、シートベ
ルトなどの固定手段の締め付け力が作用する部分にだけ
配置してもよい。
〔作用〕
シートベルトなどの固定手段をレーシングスーツの剛
性部分に当接させるようにしたので、締め付け力はレー
シングスーツの剛性部分にかかり、ドライバーの身体に
は直接作用しない。そのため従来より大きな締め付け力
でドライバーを座席に固定することができ、また従来よ
りも堅い固定手段をもちいることができ、運転中ドライ
バーの身体の位置が安定する。しかも、そのように大き
な力で強く座席に締め付けてもドライバーの身体がみだ
りに圧迫されることもない。
〔実施例〕
次に図面を用いて本発明を説明する。
第1図は、本発明のレーシングスーツ、並びに安全固
定装置の1実施例を示す全体の側面図であって、第2図
はその要部の断面図である。図において、1はドライバ
ー、2はレーシングカーの座席、3はシートベルトを示
している。シートベルトはこの場合、2点式のものを示
し、シートベルトの端部は、座席または車体に固定され
ている。
座席2はドライバーの身体に合わせて発泡ウレタンな
どで成型したもので、ドライバー1はこの座席2にすっ
ぽりとはまりこむように乗車し、シートベルト3によっ
て固定される。レーシングスーツ4は、その断面を第2
図に示すように、耐熱、難燃性の素材でできたスーツ表
地5の下に剛性部材6を備えている。剛性部材6は、た
とえば難燃性のプラスチック、プラスチックを炭素繊維
やグラスファイバーなどで強化した繊維強化プラスチッ
クなどでつくることができ、座席2と同様にドライバー
1の身体に合わせて成型することも勿論可能であって、
この実施例においてはドライバーの身体を背中までぐる
りと包み込むように覆っている。この剛性部材6はある
程度の硬さを備えているのでプロテクターとしての機能
を有している。
この実施例においては、剛性部材6はドライバーの身
体を背中までぐるりと包み込むように覆っているが、後
述するように、剛性部材6はドライバーの身体を背中ま
で包み込むように覆う必要は必ずしもなく、ドライバー
の身体の前面だけを覆うように形成されても良い。な
お、本明細書において、剛性部材6が、“身体を覆うよ
うに形成されている”とは、剛性部材6が、ドライバー
の身体の形状にある程度沿った形状に形成されているこ
とを言う。
剛性部材6の外側および内側には、たとえばソルボセ
イン(商品名)、αゲル(商品名)などの衝撃吸収性の
あるシリコン樹脂などからなる衝撃吸収材7a、7bが接着
剤などによって張り付けられており、これによって衝撃
や振動が直接ドライバーに伝わることが防止される。こ
の衝撃吸収材はドライバー1の身体に当たる内側のみに
設けてもよい。
図には示していないが、腰の部分や脚の部分のレーシ
ングスーツの表地の下にも同様の剛性部材6と衝撃吸収
材7a、7bを必要に応じて設けることができ、腰の部分等
でドライバーの身体を座席2に固定することも可能であ
る。
第1図、第2図に示すように、シートベルト3は剛性
部材6に当接し、剛性部材6を締め付けることによって
ドライバーを座席に固定するので、従来のようにシート
ベルトがドライバーの身体の直接締め付け不必要に圧迫
したり、ドライバーの身体に食い込んで苦痛を与えたり
することがない。さらには、シートベルトの締め付け力
も従来より強くすることができ、ドライバーの固定がよ
り確実に行われる。
シートベルトとしては従来のものをそのまま用い、た
とえば5点式のシートベルトでドライバーを固定するこ
ともできるが、本発明のようにレーシングスーツに組み
込まれた剛性部材を締め付けることによってドライバー
を固定する方式のものでは、固定はきわめて堅固になさ
れるので、基本的にはこの第1図および第2図に示すよ
うな2点式で1箇所固定するもので十分である。またシ
ートベルトの素材としてもある程度硬いものを選ぶこと
が可能となり、従来のシートベルトの概念を越えた固定
手段の開発も可能となる。
第3図は剛性部材の実施例を示し、この図において
は、剛性部材は、レーシングスーツの装着や脱着のしや
すさを考慮して、例えば、上体部、腹部、腰部などの複
数部分6a、6b、6cに分割されている。分割された剛性部
材6a、6b、6cを伸縮性のある部材8で互いに連結すると
良い。これは歩行時の背中の伸縮を許し、歩行も容易に
するとともに、コクピットに入って運転姿勢をとること
を容易にする。
シートベルトの形は第4図に示すようにフルハーネス
とすることも可能で、肩から腹部に回されたシートベル
トにちょうど対応するように剛性部材を配置すればよ
い。この場合もシートベルトの端部は座席または車体に
固定されている。
なお9は通気のために剛性部材に設けられた小穴であ
って、必要に応じて設けることができ、必要ならば衝撃
吸収材にも設けることができる。
複数に分割された剛性部材は、着脱自在などとした連
結手段10を設けることによって一体的に連結し、特に横
方向にはずれないように一体化しても良い。これはシー
トベルト等の固定手段で分割された剛性部材のうちの幾
つかを締め付け固定した場合に、締め付け力が直接作用
しない分割部分が不安定になることを防止する効果があ
る。
なお以上述べた例においては、剛性部材はドライバー
の背面も覆う形で設けられていたが、場合によっては、
シートベルト等の固定手段が当接する前面だけでもよい
ことは勿論である。その場合にも固定手段の締め付け力
は剛性部材の広い面によって受けられ、直接ドライバー
の身体に締め付け力が及ぶことはない。
また固定手段はシートベルトに限らず、レーシングス
ーツの剛性部分と当接係合して、ドライバーを座席に固
定するものならばなんでもよい。
〔発明の効果〕
以上、述べたように本発明は、レーシングスーツのシ
ートベルト等の固定手段に対応する箇所に、少なくとも
そのシートベルトなどの固定手段の当接面積よりも広い
面積にわたり剛性部材を配置し、その固定手段によって
この剛性部材に締め付け力を作用させるようにしたので
あるから、シートベルト等の締め付け力が直接ドライバ
ーに作用することがなく、長時間運転していてもシート
ベルトがドライバーの身体にくい込んでドライバーに苦
痛を与えたりすることがなく、苦痛を軽減しようとドラ
イバーが運転中に身体を動かして運転に対する注意力が
そがれるということもない。
また、剛性部材を介して締め付けるので受圧面積が大
きく、かつ衝撃吸収材を備えているので従来のシートベ
ルトよりも大きな締め付け力を作用させることができ、
より強固な固定が可能となり加減速時やカーブ時にもド
ライバーの身体が位置ずれをおこすこともなく極めて安
全に固定される。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明の実施例を示し、第1図は全体の側面図、
第2図は要部の縦断側面図、第3図はスーツ剛性部分を
示す側面図、第4図はシートベルトの形状を示す正面図
である。 図中の符号を説明すれば、次の通りである。 (1)はドライバー、(2)はレーシングカーの座席、
(3)はシートベルト、(4)はレーシングスーツ、
(5)はスーツ表地、(6)はスーツ剛性部材、(7)
は衝撃吸収材、(8)は伸縮性部材、(9)は通気穴、
(10)は連結手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側に衝撃吸収材を備え身体を覆うように
    形成された剛性部材を、シートベルトなどの座席への固
    定手段に対応する箇所に、少なくともそのシートベルト
    などの固定手段の当接面積よりも広い面積にわたり配置
    していることを特徴とするレーシングスーツ。
  2. 【請求項2】身体を覆うように形成した剛性部分を有す
    るレーシングスーツと、車体に設けたレーシングスーツ
    装着者のスーツ剛性部分と当接するシートベルトなどの
    固定手段とからなることを特徴とするドライバーの座席
    への安全固定装置。
JP2340887A 1990-11-30 1990-11-30 レーシングスーツおよびそのレーシングスーツを使用したドライバーの安全固定装置 Expired - Lifetime JP2627022B2 (ja)

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JPH04209810A JPH04209810A (ja) 1992-07-31
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6056711U (ja) * 1983-09-24 1985-04-20 笠原 司好 保護具をつけた作業服
JPH01173120U (ja) * 1988-02-15 1989-12-08

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