JP2626807B2 - スチレンの分離方法 - Google Patents

スチレンの分離方法

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    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/30Processes for preparing, regenerating, or reactivating
    • B01J20/34Regenerating or reactivating
    • B01J20/3408Regenerating or reactivating of aluminosilicate molecular sieves

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明はスチレンを含む炭化水素混合物からそれに含
まれるスチレンを吸着分離する方法に関するものであ
る。
(従来技術及びその問題点) スチレンを製造するために、ナフサの如き炭化水素油
を高温熱分解する際に得られる分解残油を原料として用
いる方法は知られている。この分解残油は、ベンゼン、
トルエン、スチレン、エチルベンゼン及びキシレン党の
芳香族炭化水素及びパラフィン、ナフテン、オレフィン
等の脂肪族炭化水素を主体とするもので、その他に高度
の不飽和度を持つ化合物や微量の各種イオウ化合物が含
まれている。この分解残油からスチレンを製造するに
は、先ず、この分解残油を蒸留処理してC8芳香族炭化水
素を含む沸点範囲、例えば120〜160℃の留分を得る。次
に、この留分を水添処理してそれに含まれるスチレン、
オレフィン、ジオレフィン等の不飽和炭化水素を飽和炭
化水素に転換すると同時に、イオウ分を水添除去した
後、得られた水素化処理油を溶剤抽出処理して芳香族炭
化水素を分離回収する。次いで、このようにして得られ
たエチルベンゼンとキシレンからなるC8芳香族炭化水素
混合物を超精密蒸留処理して、エチルベンゼンを分離回
収する。そして得られたエチルベンゼンを高温脱水素し
てスチレンとエチルベンゼンからなる混合物を得る。こ
の混合物を精密蒸留してスチレンを得る。
この方法は、熱分解残油の有効利用の点では有利であ
るものの、熱分解油中に含まれているスチレンを一旦水
添してエチルベンゼンにし、そしてエチルベンゼンとし
て単離した後再度脱水素してスチレンにするという無駄
な反復が行われている。このため、スチレンを水添する
ための余分の水素が必要とされ、またその水添により得
られたエチルベンゼンを脱水素するための余分の熱エネ
ルギーが必要とされる。従って、この方法は経済的に有
利なスチレン製造方法とは言い難い。
熱分解残油を原料としてスチレンを製造する場合、そ
れに含まれるスチレンを直接分離すれば経済的に有利で
あることは明らかであり、そのための試みもいくつか知
られている。例えば、これまでに、銀塩にそる抽出分離
法、共沸蒸留法、極性有機溶媒による抽出蒸留法等が研
究され、公知となっているが、これらの方法はいずれも
コスト面から実用的な方法ではない。
また、石油類の蒸留処理により得られるエチルベンゼ
ンを含むキシレン留分を直接脱水素してスチレンを製造
する方法も知られている。しかし、この方法では、スチ
レン(沸点145.2℃)とo−キシレン(沸点144.5℃)の
沸点が近似しているため、脱水素生成物からスチレンを
蒸留分離するのは実質上不可能である。この脱水素生成
物からの分離について、前記熱分解残油からのスチレン
の分離に示したと同様の方法が種々検討されているが、
未だ工業化に至っていないのが現状である。
工業的に広く実施されているスチレンの製造法は、ベ
ンゼンとエチレンとの反応により得られた高純度エチル
ベンゼン又はキシレン留分を350段という高い段数を有
する精留塔により超精度蒸留処理して得られる高純度エ
チルベンゼンを原料として用い、これを脱水素し、得ら
れた脱水素生成物からスチレンを分離する方法である。
脱水素生成物にはスチレンが約50重量%含まれており、
この脱水素生成物からのスチレンの分離には、脱水素生
成物に重合防止剤を添加し、減圧下で高い還流比で精留
する方法が行われている。この場合、精留は、スチレン
の重合防止の点から蒸留塔内の許容温度は110℃以下、
好ましくは100℃以下とされているため、相当の減圧下
で行うことが必要である。しかも、エチルベンゼンとス
チレンの沸点がそれぞれ136℃及び145℃と非常に接近し
ているため、その分離には多くの段数(約70〜100段)
と多大な還流比が必要とされる。従って、蒸留法以外の
有利な分離法の開発が強く要望されている。
(発明の課題) 本発明は、スチレンとこれに近接した沸点を有するC8
芳香族炭化水素を含む混合物から、蒸留法によらずにス
チレンを工業的に有利に分離し得る方法を提供すること
をその課題とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、意外にも1価金属カチオンでイオン交換し
たホージャサイト型ゼオライト吸着剤を脱着剤の存在下
で用いて吸着分離することによりその課題を解決し得る
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、スチレンとエチルベンゼン及
びキシレンの中から選ばれる少なくとも1種のC8芳香族
炭化水素とを含む炭化水素混合物を、スチレンとの沸点
差が20℃以上ある芳香族系炭化水素からなる脱着剤の存
在下で、1価の金属カチオンでイオン交換したホージャ
サイト型ゼオライト吸着剤に接触させ、該吸着剤にスチ
レンを吸着分離させることを特徴とするスチレンの分離
方法が提供される。
本発明で用いる吸着剤は、1価金属カチオンでイオン
交換されたホージャサイト型ゼオライトである。
このホージャサイト型ゼオライトは、次の一般式で表
わされる結晶性アルミノシリケートである。
0.9±M2O:Al2O3:XSiO2:YH2O 前記式中、Mは1価金属カチオンであり、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、ベリリウム、銀等が挙げられ
る。ホージャサイト型ゼオライトはX型とY型とに分類
され、X型の場合、Xは2.5±0.5であり、Y型の場合、
Xは3〜6である。Yは水和の程度により異なるが、一
般には0〜9である。
本発明で用いるホージャサイト型ゼオライトは、その
構造の一部を変更してもよく、例えば、脱アルミ処理を
施してもよく、場合によっては他の金属を含有させても
よい。本発明においては、X型のものの使用が好まし
い。本発明において用いるホージャサイト型ゼオライト
は、1価金属カチオンで置換されていることが必要であ
る。カルシウムやマグネシウム等の2価金属イオン等の
多価金属イオンで置換されたものを用いると、吸着分離
に際し、スチレンの重合反応が生じて良好な結果を得る
ことができない。
本発明の方法は、スチレンを含む原料油を、吸着剤の
存在下で、前記の1価金属カチオン置換ホージャサイト
型ゼオライト吸着剤(以下、単に吸着剤とも言う)に接
触させ、その原料中に含まれているスチレンを、キシレ
ンやエチルベンゼンよりも選択性よく吸着させた後、そ
の吸着剤からスチレン脱着させ、スチレンを含むエキス
トラクトを得ることによって行われる。この吸脱着工程
の条件は、温度:30〜200℃、好ましくは60〜100℃、圧
力:常圧〜50kg/cm2G、好ましくは3〜30kg/cm2Gであ
る。
本発明の方法において、吸着剤に吸着したスチレンは
脱着剤によって脱着されるが、この場合、脱着剤として
は、吸着剤に吸着したスチレンを脱着し得る能力のある
物質を用いればよい。脱着剤の吸着力が弱い場合は、ス
チレンを脱着するための脱着剤の量が多量となり、エク
ストラクト中の脱着剤濃度が増加し、スチレンと脱着剤
とを分離するのに要するコストが増加する。これに対し
て脱着剤の吸着力が強すぎる場合はスチレンの吸着時に
脱着剤が吸着剤から十分に脱着されず、吸着剤中に残る
ためスチレンの吸着容量が低下すると共にエクストラク
ト中に出てくる脱着剤の量が増大し、やはりスチレンと
脱着剤と分離に要するコストが増加する。従って、脱着
剤としては適度の吸着力を有する物質を選定するのが重
要である。又、脱着剤の沸点は、スチレンとの分離及び
他のC8芳香族炭化水素からの分離を蒸留により行うこと
を考えた場合、一般には、スチレンとの沸点差が10℃以
上、好ましくは20℃以上であることが望ましい。このよ
うな脱着剤としては、鎖状又は環状脂肪族炭化水素、ベ
ンゼン系又はナフタレン系の芳香族炭化水素又はその水
素化物、アルコールやケトン等の極性化合物等が使用可
能である。
本発明に用いて好適な脱着剤は、ベンゼン、トルエ
ン、沸点160℃以上のモノ又はポリアルキルベンゼン、
ナフタレン又はモノ又はポリアルキルナフタレン等であ
る。
本発明において用いる特に好ましい脱着剤は、次の一
般式で表わされるナフタレン又はそのアルキル置換体で
ある。
式中、R1及びR2は、水素又は低級アルキル基である。
低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基又はイソプロピル基等が挙げられる。その具体例と
しては、例えば、ナフタレン、α−メチルナフタレン、
β−メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、イソプロ
ピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、メチルイ
ソプロピルナフタレン及びこれらの2種以上の混合物等
が挙げられる。
本発明者の研究によれば、ナフタレン又はそのアルキ
ル置換体のゼオライト吸着剤に対する吸着強度及び脱着
強度は、スチレンに比べ、それぞれ強すぎもせずかつ弱
すぎることもなく、しかも沸点はスチレンよりも高く、
脱着剤として非常にすぐれた特性を有することが見出さ
れた。従って、本発明において、ナフタレン又はそのア
ルキル置換体を脱着剤として用いる時には、その使用割
合は少なくてすみ、吸着分離工程から得られるエクスト
ラクト中の脱着剤濃度を低く抑えることができる。しか
も、脱着剤の沸点がスチレンの沸点よりも低く、エクス
トラクトの蒸留処理に際しては、スチレンよりも多量に
存在する脱着剤を蒸留物として分離する必要がないこと
から、蒸留塔の熱負荷が少なくてすむ。一般に、吸着分
離を工業的に有利に実施する場合、脱着剤の相対分離係
数は0.5〜3の範囲にあることが必要であるとされてい
るが、ナフタレン又はそのアルキル置換体の相対分離係
数β(ST/D)の値は、いずれもこの範囲にある。
本発明で用いる吸着分離工程は、クロマトグラフ法的
方法によって実施され、固定床、流動床、好ましくは擬
似移動床の方式が採用される。擬似移動床方式による吸
着分離は、既に確立された技術であり、キシレン異性体
混合物の吸着分離に適用されており、例えば、特公昭42
−15681号公報、特公昭50−10547号公報等に記載されて
いる。このような吸着分離技術においては、スチレンと
脱着剤とからなるエクストラクトが得られ、スチレン以
外のC8芳香族成分と脱着剤とからなるラフィネートが得
られる。これらのエクストラクト及びラフィネートは蒸
留処理に付されてそれぞれの成分に分離され、そして分
離された脱着剤は再び循環使用される。
次に、擬似移動床方式による吸着分離技術についてさ
らに詳述すると、この吸着分離技術は、基本的操作とし
て次に示す吸着操作、濃縮操作、脱着操作及び脱着剤回
収操作を連続的に循環して実施される。
(1)吸着剤操作:C8芳香族を含む原料が脱着剤の存在
下で吸着剤と接触し、強吸着成分としてスチレンが選択
的に吸着され、弱吸着成分である他の成分が、ラフィネ
ート流れとして脱着剤とともに回収される。
(2)濃縮操作:スチレンを選択的に吸着した吸着剤は
後で述べるエクストラクトの一部と接触させられ、吸着
剤上に残存している吸着成分が追い出されスチレンが濃
縮される。
(3)脱着操作:濃縮されたスチレンを含む吸着剤は、
脱着剤と接触させられ、スチレンが吸着剤から追い出さ
れ、脱着剤を伴なってエクストラクト流れとして回収さ
れる。
(4)脱着剤回収操作:実質的に脱着剤のみを吸着した
吸着剤は、ラフィネート流れの一部と接触し、吸着剤に
含まれる脱着剤の一部が脱着剤回収流れとして回収され
る。
図面に擬似移動床による吸着分離装置の模式図を示
す。この図において、1〜12は吸着剤の入った吸着室で
あり、相互に連結されている。13は脱着剤供給ライン、
14はエキストラクト抜出ライン、16はラフィネート抜出
ライン、17はリサイクルラインを示す。図面に示した吸
着室1〜12と各ライン13〜16の配置状態では、吸着室1
〜3で脱着操作、吸着室4〜6で濃縮操作、吸着室7〜
10で吸着操作、吸着室11〜12で脱着剤回収操作がそれぞ
れ行われている。
このような擬似移動床では、一定時間間隔ごとに、バ
ルブ操作により、各供給及び抜出ラインを液流れ方向に
吸着室1室分だけそれぞれ移動させる。従って、次の吸
着室の配置状態では、吸着室2〜4で脱着操作、吸着室
5〜7で濃縮操作、吸着室8〜11で吸着操作、吸着室12
〜1で脱着剤回収操作がそれぞれ行われるようになる。
このような操作を順次行うことによって、原料の擬似移
動床による吸着分離処理が達成される。なお、図面にお
いては、吸着室は12個に特定されているが、この吸着室
の数は限定されるものではないことを留意すべきであ
る。
本発明で用いる原料は、スチレンとエチルベンゼン及
びキシレンの中から選ばれる少なくとも1種のC8芳香族
炭化水素とを含む混合物である。このような混合物は各
種の方法で生成され、例えば、ナフサの熱分解において
得られる分解残油を蒸留処理して得られる沸点120〜160
℃、好ましくは135〜150℃のスチレン、キシレン及びエ
チルベンゼンを含む留分、各種石油の蒸留による得られ
るキシレンとエチルベンゼンを含むC8留分を脱水素して
得られるスチレンとエチルベンゼンとキシレンを含む留
分、エチルベンゼンを脱水素して得られるスチレンとエ
チルベンゼンを含む留分等が挙げられる。
(発明の効果) 本発明によれば、スチレンは、吸着分離によって他の
接近した沸点を有するエチルベンゼンやキシレンから分
離される。従って、従来のスチレンの蒸留分離に見られ
た各種の問題点は一挙に解決される。しかも、本発明に
よる時には、原料中にイオウ化合物が含まれていても、
このイオウ化合物はラフィネート中に移行し、エクスト
ラクトには混入されない。スチレンは重合によりポリス
チレン又はスチレンを含む共重合体とされるが、この場
合、イオウ化合物は重合に悪影響を与えることからその
完全除去が要求される。本発明の場合には、原料中にイ
オウ化合物が含まれていても、イオウ化合物は分離され
るスチレンには混入してこないので、その分離は不要に
なり、非常に有利である。
(実施例) 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、以下において吸着剤の吸着特性を表わす指標と
して用いたスチレンを基準とした相対分離係数β(ST/
i)及びβ(ST/D)は、それぞれ成分i及び脱着剤に対
するものを示し、以下の式で表わされる。
β(ST/i)=K(ST)/K(i) (I) β(ST/D)=K(ST)/K(D) (II) 前記式中K(ST)、K(i)及びK(D)は、それぞ
れ、スチレン、i成分及び脱着剤の固液平衡定数であ
り、次の式で定義される。
なお、前記i成分としては、具体的には、エチルベン
ゼン(EB)、p−キシレン(PX)、m−キシレン(MX)
及びo−キシレン(OX)が含まれる。
相対分離係数β(ST/i)が1より大きい値を示すほど
スチレンがその混合成分iよりも吸着剤に強く吸着する
ことを意味する。逆に、β(ST/i)が1に近いか又は1
より小さい値を示す混合成分iは、スチレンと同等又は
スチレンより強く吸着剤に吸着し、スチレンとの分離が
困難となり、その結果、高純度のスチレンを得ることが
できなくなる。脱,着剤の相対分離係数β(ST/D)の値
は、 0.5〜3の範囲にあることが実用上望ましい。
参考例(各種吸着剤の調製) Na−Xゼオライト吸着剤は、市販リンデ13X(1/16″
ペレット成形体)を粉砕し、40〜80メッシュに粒度をそ
ろえた細粒品を用いた。Na−Y型ゼオライト吸着剤は、
東ソー社製のNa−Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3=5.5)
の粉末に、バインダーとしてアルミナゾルを用いて成形
した直径0.1〜0.25mmの顆粒品を用いた。
それらの吸着剤のNaを他の金属カチオンで交換した吸
着剤は、それらの吸着剤を各種の金属硝酸塩水溶液でイ
オン交換処理して調製した。イオン交換処理は、固液比
10で、約90℃で2時間放置し、この操作を3回くり返し
て行った。イオン交換後の吸着剤は、100℃で乾燥後、4
50℃で3時間焼成した。
実施例1 参考例の方法で調製した吸着剤のスチレン、キシレ
ン、エチルベンゼン及び脱着剤(溶媒)の各相対分離係
数を測定するために、内容積30ccのオートクレーブ内
に、あらかじめ350℃で2時間脱水処理した吸着剤を4
g、及びn−ノナンで25重量%に希釈したC8芳香族炭化
水素混合物と脱着剤を所定の割合で混合したものを8g充
填し、60℃で2時間、ときどき撹拌しながら放置した。
この場合、脱着剤は、C8芳香族炭化水素混合物と脱着剤
の合計量に対する割合が60重量%となる割合で用いた。
また、原料として用いたC8芳香族炭化水素混合物の組成
は表−1の通りであった。なお、希釈剤として用いたn
−ノナンは前記吸着条件下では吸着剤の吸着特性に関し
実質上不活性な物質であるが、吸着平衡時の液相組成を
ガスクロマトグラフィーにより定量分析するための基準
物質として用いたものである。
前記のようにして吸着剤を接触させて吸着平衡に達し
た後の液相混合物の組成をガスクロマトグラフィーによ
り分析し、スチレンを基準としたキシレン、エチルベン
ゼン及び脱着剤の各相対分離係数を求めた。その結果を
表−2に示す。
なお、表−2中にNa−X、K−X、Li−Y等の符号で
示した吸着剤は、Na−置換X型ゼオライト、K−置換X
型ゼオライト、Li−置換Y型ゼオライト等を示す。ま
た、例えば0.5Ag−0.5K−Yで示した吸着剤は、Ag50当
量%及びK50当量%で置換されたY型ゼオライトを示
す。
本発明の吸着剤を用いることによって、スチレンをC8
芳香族留分から選択的に吸着分離回収できることが表−
2に示した結果からわかる。
比較例1 参考例で示した方法でNa−Y型ゼオライトをBa及びPb
の硝酸塩水溶液でイオン交換した吸着剤を調製した。こ
の吸着剤を用い、実施例1と同一条件で、脱着剤として
トルエンを用いC8芳香族留分に含まれる各成分の相対分
離係数を測定した。その結果、Ba及びPbでイオン交換し
たゼオライト吸着剤を用いると、その触媒作用によりス
チレンが化学反応(重合)を起こし、吸着剤として全く
使用できないことが判明した。
実施例3 原料C8芳香族留分にイオウ化合物が混在した場合にお
いて、これを吸着分離してスチレンを回収する際、イオ
ウ化合物が吸着してスチレン中に混入してこないか否か
を確認するため、実施例1で使用したC8芳香族留分に2
−メチル−チオフェンを若干量添加し、脱着剤としてβ
−メチルナフタレンを用い、それ以外の条件は実施例1
と同一にして相対分離係数を測定した。その結果を表−
3に示す。
なお、表−3中に示したβ(ST/MT)は2−メチル−
チオフェンの相対分離係数を示す。
表−3に示した結果から明らかなように、本発明の吸
着剤を使用すると、イオウ化合物はスチレンより吸着が
弱く、容易にスチレンのみを選択的に吸着分離できるこ
とがわかる。
【図面の簡単な説明】
図面は擬似移動床による吸着分離装置の模式図である。 1〜12……吸着室 13……脱着剤供給ライン 14……エキストラクト抜出ライン 15……原料混合物ライン 16……ラフィネート抜出ライン 17……リサイクルライン 18……ポンプ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレンとエチルベンゼン及びキシレンの
    中から選ばれる少なくとも1種のC8芳香族炭化水素とを
    含む炭化水素混合物を、スチレンとの沸点差が20℃以上
    ある芳香族系炭化水素からなる脱着剤の存在下で1価の
    金属カチオンでイオン交換したホージャサイト型ゼオラ
    イト吸着剤に接触させ、該吸着剤にスチレンを吸着分離
    させることを特徴とするスチレンの分離方法。
  2. 【請求項2】脱着剤として使用する芳香族系炭化水素
    が、次の一般式で表わされるナフタレン又はそのアルキ
    ル置換体である請求項1の方法。 (式中、R1及びR2は水素又は低級アルキル基である)
  3. 【請求項3】脱着剤として使用する芳香族系炭化水素
    が、ナフタレン、α−メチルナフタレン及びβ−メチル
    ナフタレンの中から選ばれる少なくとも1種である請求
    項1の方法。
  4. 【請求項4】脱着剤として使用する芳香族系炭化水素
    が、トルエン、ジエチルベンゼン及びp−シメンの中か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1の方法。
  5. 【請求項5】該吸着剤がナトリウム置換X型ゼオライト
    である請求項1〜4のいずれかの方法。
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