JP2626689B2 - 海苔養殖作業装置 - Google Patents

海苔養殖作業装置

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JP2626689B2
JP2626689B2 JP5247161A JP24716193A JP2626689B2 JP 2626689 B2 JP2626689 B2 JP 2626689B2 JP 5247161 A JP5247161 A JP 5247161A JP 24716193 A JP24716193 A JP 24716193A JP 2626689 B2 JP2626689 B2 JP 2626689B2
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strip
actuator
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秀 ▲えき▼田
久夫 亀山
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秀 ▲えき▼田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海苔の養殖を行うため
に作業船に搭載されて用いられ、養殖海域に施設された
海苔養殖網を巻き取ったり、引き出したりするための
業上の安全性に優れた海苔養殖作業装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、海苔の養殖は、海苔養殖
網を養殖海域に施設することによって行われる。この海
苔養殖網は、互いに平行をなすサイドロープ間に適宜間
隔あけて多数の竿材を取り付けた網筏と、この網筏に着
脱可能に取り付けられた網本体とからなり、海苔の種子
が植え付けられた網から海苔が収穫される。
【0003】この海苔養殖網の長手方向の両端には海中
に投入されたアンカーが連結され、このアンカーの引張
力により張られた状態で海苔養殖網が海面部分に施設さ
れる。牡蠣殻に植え付けられた海苔の種子は適当に熟し
たところで割れ、多数の胞子が海中に飛び出して浮遊し
ながら網本体に付着する。この網本体に付着した胞子が
海の養分を吸収して成長し、海苔になる。
【0004】このようにして養殖される海苔には、海水
の温度変化によって赤ぐされ等の病気が生じたり、海水
中の珪藻によって変色が生じたりするため、これを予防
するための処理が必要になる。また、海苔の品質を高め
るため、いわゆる青ごろしと言われる青海苔をとって黒
海苔のみにする処理等が必要になる。そのために、海苔
の成長の途中で、海苔養殖網ごと海苔を消毒液に浸漬さ
せて消毒している(通常、海苔の刈り取りまでに2〜3
回、刈り取り後には毎回行われる。)。
【0005】従来、この海苔養殖網の消毒作業は、海苔
養殖作業船に搭載された海苔養殖作業装置を用いて、例
えば、次のようにして行われていた。即ち、作業船に搭
載された養殖網消毒装置は、海苔養殖網を一端から巻取
可能な網巻取ドラムと、海苔養殖網の巻取始端から切り
離されたアンカー側部材に接続される条体が予め所定量
巻き取られた条体巻取ドラムと、これら網巻取ドラム及
び条体巻取ドラムを個別に駆動可能な駆動装置とを備え
ている。そして、網巻取ドラムで海苔養殖網を巻き取る
一方、この巻取量に対応した作業船の移動量だけ条体を
条体巻取ドラムから引き出すことにより、切り離された
アンカー側部材との接続を確保しつつ海苔養殖網の巻取
作業を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の海苔養殖作業装置においては、網巻取ドラム
と条体巻取ドラムとが駆動装置によって駆動され、網巻
取ドラムで海苔養殖網を巻き取った量だけ条体巻取ドラ
ムから条体を引き出したり、条体巻取ドラムでロープを
巻き取った量だけ網巻取ドラムから海苔養殖網を引き出
すようになっているが、両ドラムの駆動時には、駆動装
置から両ドラムを経て海苔養殖網まで達する動力伝達系
の全体が剛体的に連結される構造となっていた。このた
め、海苔養殖網の巻き取り又は引き出し作業中に作業船
に大きな波が付与されると、この波の頂上部分において
作業船を含む海苔養殖網及び動力伝達系の全体に大きな
緊張力が加えられ、この海苔養殖網及び条体の緊張力が
作業船を沈める方向に作用するようになり、この緊張力
によって作業船が沈められるおそれがあった。従って、
少しでも海が荒い日には作業船が沈没するおそれがある
ため、上述したような海苔養殖網の消毒作業等を行うこ
とができないという課題があった。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、養殖海域の波が少々荒くても海苔
養殖網の消毒作業を安全に行うことができる海苔養殖作
業装置を提供することを目的としている。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述したよう
な課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明の
海苔養殖作業装置は、例えば、図1〜図4に示すよう
に、海中に投入されたアンカー40により流れ止めされ
海面部分に施設された海苔養殖網30を巻取可能な網
巻取ドラム3と、海苔養殖網30の巻取始端から切り離
されるアンカー側部材38に接続され且つ海苔養殖網3
0の巻取量に応じて引き出される条体11が予め所定量
巻き取られた条体巻取ドラム10と、網巻取ドラム3及
び条体巻取ドラム10を個別に駆動可能な駆動装置と、
を備え、海苔養殖作業を行うための作業船25に搭載さ
れる海苔養殖作業装置において、駆動装置は、網巻取ド
ラム3を流体圧力によって回転駆動する網用アクチュエ
ータ8と、この網用アクチュエータ8の回転方向を制御
する網用制御弁14と、この網用アクチュエータ8を回
転自由とする網用開閉弁20と、条体巻取ドラム10を
流体圧力によって回転駆動する条用アクチュエータ13
と、この条用アクチュエータ13の回転方向を制御する
条用制御弁15と、この条用アクチュエータ13を回転
自由とする条用開閉弁21と、これら網用アクチュエー
タ8及び条用アクチュエータ13に流体圧力を供給する
流体圧源24とを有し、網巻取ドラム3で海苔養殖網3
0を巻き取る時は条体巻取ドラム10による条体11の
引き出しを自由状態とし、条体巻取ドラム10で条体1
1を巻き取る時は網巻取ドラム3による海苔養殖網30
の引き出しを自由状態とするようにしたことを特徴とし
ている。
【0015】
【0016】また、本発明の海苔養殖作業装置は、例え
ば、図1〜図4に示すように、網巻取ドラム3に巻き取
られる海苔養殖網30を浸漬させて消毒する消毒液が収
容される網消毒槽1を設け、駆動装置は、網巻取ドラム
3を流体圧力によって回転駆動する網用アクチュエータ
8と、この網用アクチュエータ8の回転方向を制御する
網用制御弁14と、この網用アクチュエータ8を回転自
由とする網用開閉弁20と、条体巻取ドラム10を流体
圧力によって回転駆動する条用アクチュエータ13と、
この条用アクチュエータ13の回転方向を制御する条用
制御弁15と、この条用アクチュエータ13を回転自由
とする条用開閉弁21と、これら網用アクチュエータ8
及び条用アクチュエータ13に流体圧力を供給する流体
圧源24とを有し、網巻取ドラム3で海苔養殖網30を
巻き取る時は条体巻取ドラム10による条体11の引き
出しを自由状態とし、条体巻取ドラム10で条体11を
巻き取る時は網巻取ドラム3による海苔養殖網30の引
き出しを自由状態とするようにしたことを特徴としてい
る。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】本発明は、上述の如く構成したことにより、網
用アクチュエータ8を介して網巻取ドラム3を回転駆動
して海苔養殖網30を巻き取ると、アンカー40からの
反力により条体巻取ドラム10に予め巻き取られている
条体11が引き出される。一方、条用アクチュエータ1
3を介して条体巻取ドラム10を回転駆動して条体11
を巻き取ると、アンカー40からの反力により網巻取ド
ラム3に巻き取られている海苔養殖網30が引き出され
る。この場合、網用制御弁14と網用開閉弁20と条用
制御弁15と条用開閉弁21とを調整して網巻取ドラム
3又は条体巻取ドラム10の引き出しを自由状態とする
ことにより、条体11又は海苔養殖網30に発生する張
力が作業船25に作用するのを防止することができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図4は本発明の一実施例を示すもので、海
苔養殖場に施設された海苔養殖網を消毒するための海苔
養殖作業装置を示すものである。
【0027】図1等において、1は網消毒槽であり、円
筒を軸方向に2分割したような蒲鉾を裏返したような形
をなしていて、この幅方向の曲面により、船の横揺れに
対して内部の液体が追従できるようにして幅方向両側か
らの液漏れを防止している。この網消毒槽1の軸方向両
側の側壁上の中央には、軸受2,2がそれぞれ固定され
ている。これらの軸受2には、網巻取ドラム3が回転自
在に両端支持されている。
【0028】この網巻取ドラム3は、軸受2によって両
端が支持された中心軸3aと、この中心軸3aの軸受2
より内側にそれぞれ固定された端面円板3b,3cと、
これら端面円板3b,3c間において中心軸3aと平行
をなし且つ当該中心軸3aを囲むように掛け渡して設け
られた多数の外周軸3dと、これらの外周軸3dに外周
縁が接触するように固定された多数の補強リング3eと
を有している。多数の外周軸3dは一方の端面円板3b
の外周縁に接触するよう配置されていて、他方の端面円
板3cは海苔養殖網4の幅方向の一端を揃えることがで
きるように端面円板3bよりも大きな直径で形成されて
いる。そして、中心軸3aの軸方向の中央部分には、ア
ンカー側部材から切り離された海苔養殖網4の巻取始端
4aを掛け止めるためのフック3fが固定されている。
【0029】このような構成を有する網巻取ドラム3の
中心軸3aの一端には、網消毒槽1の外側に位置するよ
うに従動スプロケット5が取り付けられている。この従
動スプロケット5には、チェーン6を介して駆動スプロ
ケット7が動力伝達可能に連結されている。この駆動ス
プロケット7は、網用アクチュエータの一具体例を示す
油圧モータ8の回転軸に取り付けられている。そして、
油圧モータ8は、網消毒槽1の一方の側壁の外面に取り
付けられた固定ブラケット9に固定されている。この網
消毒槽1の側壁の外側には、条体巻取ドラム10を取り
付けるためのドラムベース1aが設けられている。
【0030】この条体巻取ドラム10は、回動軸10a
と、この回動軸10aに適宜間隔離して固定された一対
の円板10b,10bとからなり、両円板10b間にお
いて回動軸10aには係止突起10cが設けられてい
る。この係止突起10cには、予め所定量が巻き取られ
る条体の一具体例を示すロープ11の一端が係止され
る。回動軸10aの両端は一対の円板10b,10bか
ら外側にそれぞれ突出しており、この回動軸10aを介
して条体巻取ドラム10が支持ブラケット12に回動自
在に軸支されている。そして、支持ブラケット12がド
ラムベース1a上に固定されている。
【0031】このような構成を有する条体巻取ドラム1
0の回動軸10aの一端には、図示しないカップリング
を介して、条用アクチュエータの一具体例を示す油圧モ
ータ13の回転軸が連結されている。そして、油圧モー
タ13は、支持ブラケット12に固定されている。これ
ら油圧モータ8,13には減速比を適当に設定した減速
機が内蔵されていて、各油圧モータ8,13には、これ
らの回転方向を制御するための制御弁14,15がそれ
ぞれ接続されている。この制御弁14,15としては、
例えば、オープン形4ポート3位置の方向切換弁を適用
することができる。尚、14a,15aは、制御弁1
4,15の操作レバーであり、14b,15bは、操作
レバー14a,15aのストッパである。
【0032】このように組をなす油圧モータ8と制御弁
14、及び油圧モータ13と制御弁15は、それぞれ圧
力路と戻り路との2本の油圧路16a,16b及び17
a,17bで接続されている。そして、両油圧路16
a,16b及び17a,17b間は、バイパス路18
a,18bによってそれぞれ連通されている。そして各
バイパス路18a,18bには、各油圧モータ8,13
の回転を自由とする開閉弁20,21が設けられてい
る。この開閉弁20,21としては、例えば、クローズ
ド形2ポート2位置の方向切換弁を適用することができ
る。
【0033】更に、2個の制御弁14,15は、連通路
22によって互いに接続されていると共に、圧力路と戻
り路との2本の油圧路23a,23bにより、流体圧と
しての油圧を供給する流体圧源の一具体例を示す油圧ユ
ニット24に接続されている。この油圧ユニット24
は、例えば、エンジンと減速機と油圧ポンプと流量調整
弁等を備え、ユニット化されて一体に構成されている。
【0034】このような構成を有する網消毒槽1及び油
圧ユニット24等は、図2に示すように、海苔の養殖作
業を行うための作業船25に搭載される。即ち、網巻取
ドラム3を作業船25の前後方向に向けて当該作業船2
5の中央部に網消毒槽1を設置する。そして、この作業
船25内の空いた部分、例えば、船首に油圧ユニット2
4を設置する。尚、図2において、26は、作業船25
の船外機である。また、27は、作業船25の一方の船
縁に設けた係止環である。この係止環27は巻取終端の
アンカー紐38と結び合わされ、消毒作業時に作業船2
5が潮で流されるのを防止する。
【0035】図3及び図4は、養殖場に施設されている
海苔養殖網30を網巻取ドラム3で巻き上げて消毒する
と共に海苔に栄養を与える(以下「消毒等」という。)
作業を説明するための図である。この海苔養殖網30
は、互いに平行をなす2本のサイドロープ31,31間
に竿材の一具体例を示す竹竿32が適宜間隔あけて多数
本取り付けられた梯子状の網筏33と、この網筏33に
着脱可能に取り付けられる網本体34とを有し、この網
本体34で海苔の生産が行われる。
【0036】網筏33を構成する2本のサイドロープ3
1,31の間にはセンタロープ35が平行に配置されて
いて、これら3本のロープ31,35が、これらに掛け
渡すように配置された竹竿33の両端部及び中央部にそ
れぞれ縛り付けられている。この竹竿33はロープ3
1,32が延在する方向に所定間隔あけて多数本設置さ
れており、網本体34を幅方向に広げると共に、海苔養
殖網30を海面部分に浮遊させておくための浮きの役目
を果している。
【0037】また、網本体34には、網筏33に取り付
けるための結び紐36が長手方向に所定間隔あけて多数
個設けられている。これらの結び紐36を網筏33のサ
イドロープ31に結び付けることにより、網本体34が
網筏33に一体的に固定され、これにより海苔養殖網3
0が構成されている。
【0038】この海苔養殖網30の長手方向の両端には
連結紐37,37がそれぞれ取り付けられていて、各連
結紐37には、アンカー側部材の一具体例を示すアンカ
ー紐38が結び合わされている。そして、各アンカー紐
38,38の先端には、海苔養殖網30が海流によって
も流されないようにするために海中に投入されるアンカ
ー40がそれぞれ取り付けられている。この両端のアン
カー40,40により、アンカー紐38及び連結紐37
を介して海苔養殖網30が海苔養殖場の海面部分に張ら
れた状態で施設される。
【0039】尚、図3に示す、41は浮き玉、42は、
浮き玉41の浮き紐である。この浮き玉41は、海苔養
殖網30から切り離されたアンカー紐38を海面部分に
浮き上がらせておくためのものであり、養殖時期が過ぎ
て海苔養殖網30を陸揚げする場合に、アンカー紐38
の端部と浮き紐42の端部を結び合わせておくようにす
る。
【0040】次に、図3及び図4を参照して、この海苔
養殖作業装置を用いて海苔養殖網30を消毒等するため
の作業を説明する。尚、作業船25上に設置されている
網消毒槽1には、作業前に所定量の消毒液と栄養液を入
れておく。この消毒の目的としては、赤ぐされの予防、
珪藻の除去、青海苔を取って黒海苔にする青ごろし等が
ある。そのため、消毒液としては、例えば、クエン酸等
が使用される。
【0041】この消毒等の作業に供する網巻取ドラム3
及び条体巻取ドラム10は、油圧ユニット24から出力
される油圧で回転駆動される2個の油圧モータ8,13
の作動により、例えば、次のようにして回転駆動され
る。
【0042】まず、図3において実線で示すように、海
苔養殖網30の長手方向一端の外側に作業船25を入
れ、連結紐37とアンカー紐38との結び目Xを解き、
一方のアンカー紐38は、作業船25上の条体巻取ドラ
ム10に予め所定量が巻き取られているロープ11と結
び合わせる。これと共に、他方の連結紐37は、作業船
25上の網巻取ドラム3のフック3fに掛け止める。こ
の作動前では、2個の制御弁14,15は共に中立位置
に設定し、各油圧モータ8,13に油圧が作用しないよ
うにして、これら油圧モータ8,13を停止状態にして
おく。そして、網用開閉弁20を閉じる一方、条用開閉
弁21は開いた状態にしておく。
【0043】この状態から、網用制御弁14を正回転方
向に開く。これにより、網用制御弁14の下流にある網
用開閉弁20が閉じているため、油圧ユニット24の油
圧は、網用制御弁14を介して網用油圧モータ8に作用
する。このため、供給された油圧によって油圧モータ8
が駆動し、その駆動力が駆動スプロケット7からチェー
ン6を介して従動スプロケット5に伝達される。これに
より、網巻取ドラム3が正転方向に回転駆動され、この
網巻取ドラム3に海苔養殖網30が巻き取られる。
【0044】この海苔養殖網30を巻取始端から巻き取
り始めると、巻取終端にはアンカー紐38を介してアン
カー40が接続されていて海苔養殖網30は移動し得な
いため、海苔養殖網30の巻取量に応じて作業船25が
巻取終端側のアンカー40側(図3において右側)に移
動する。この際、網用制御弁14に供給された油圧の一
部は連通路22から条用制御弁15に供給されるが、こ
の条用制御弁15の下流にある条用開閉弁21が開かれ
ているため、条用制御弁15に供給された油圧は、条用
開閉弁21を通って条用制御弁15に戻り、油圧ユニッ
ト24に帰還する。従って、油圧ユニット24からの油
圧によっては条用油圧モータ13は回転駆動されない。
【0045】一方、作業船25の条体巻取ドラム10に
巻き取られているロープ11には、巻取始端側のアンカ
ー40がアンカー紐38を介して接続されており、この
アンカー40も移動し得ないため、このアンカー40か
らの反力がロープ11を条体巻取ドラム10から引き出
す方向に作用する。この際、条用開閉弁21が開かれて
いて、この条用開閉弁21を介して条用油圧モータ13
の2つの油圧ポートが連通されているため、条用油圧モ
ータ13は適当な外力を作用させることにより、内部に
ある油の抵抗力に抗して回転駆動することができる。従
って、アンカー40からの上記反力によって条体巻取ド
ラム10が回転駆動され、これにより、作業船25の移
動量に応じた長さのロープ11が条体巻取ドラム10か
ら引き出される。
【0046】この結果、例えば、作業中に波がきて作業
船25が急に持ち上げられたような場合にも、ロープ1
1の張力が作業船25に作用することを防ぐことがで
き、作業船25の沈没を防止して、この種の作業を安全
に行うことができる。即ち、波が来て作業船25が持ち
上げられると、網巻取ドラム3が通常の網巻取動作を継
続する一方、持ち上げられた量に応じた大きな引張力が
ロープ11に作用し、この引張力によってロープ11が
自然に引き出される。このため、ロープ11に発生した
大きな張力が作業船25を沈めるように働くのを防止す
ることができ、作業船25のローリングを防いで危険を
回避することができる。
【0047】因みに、従来の装置では、作業時には網用
油圧モータと条用油圧モータを共に駆動し、一方の油圧
モータで海苔養殖網を巻き取りつつ他方の油圧モータで
ロープを引き出す構造となっており、両モータから海苔
養殖網及びロープに至るまでの動力伝達系の全体が剛体
的に連結され、海苔養殖網及びロープに発生した張力が
直接作業船に加えられるようになっていた。このため、
ロープの張力によって作業船にローリングが生じ、作業
が難しくなるばかりでなく、海苔養殖網等の緊張力が作
業船を沈めるように作用することになり、波が少しでも
荒いと作業が危険であった。
【0048】これに対して、本実施例によれば、波があ
っても、その波の高さに応じてロープ11が自動的に
き出されるため、ロープ11の異常な張力が作業船25
に作用することがなく、作業船25が波に乗って揺れ動
き、ローリングを生じることなく作業船25の水平状態
を維持することができると共に、海苔養殖網等の緊張力
が作業船を沈めるように作用するのを防止することがで
きる。このため、少々波が荒くても作業を行うことがで
き、作業船25の安全性を確保しつつ海苔養殖作業を容
易且つ迅速に行うことができる。
【0049】また、常に一定の力でロープ11が張られ
ているため、海苔養殖網30に弛みを生じることがな
く、ずれることなく海苔養殖網30をしっかりと巻き取
ることができる。しかも、網巻取ドラム3で海苔養殖網
30を巻くと、ロープ11が張った状態になり、ある程
度の大きさの抵抗がロープ11に作用したところで当該
ロープ11が引き出されるため、作業船25には常に元
の位置に戻ろうとする力が働く。従って、作業船25が
潮の流れによって流されるのを防止することができる。
【0050】このようにして、海苔養殖網30の全体が
網巻取ドラム3に巻き取られたところで、網用制御弁1
4を中立位置に戻し、網巻取ドラム3の回転を停止させ
る。この時、図3において二点鎖線で示すように、作業
船25は海苔養殖網30の巻取終端側に位置する。
【0051】この後、海苔養殖網30の巻取終端側の連
結紐37とアンカー紐38との結び目Yを解き、アンカ
ー紐38を作業船25に設けた係止環27に結び付け
る。これと共に、連結紐37を網巻取ドラム3又は海苔
養殖網30に結び付け、網巻取ドラム3を回転自由にす
る。この状態では、網巻取ドラム3に巻き付けられた海
苔養殖網30の下半分が網消毒槽1内の消毒液に浸漬さ
れる。
【0052】この状態から、網用制御弁14を逆回転方
向に開くことにより、網巻取ドラム3が海苔養殖網30
の巻取方向と反対方向に回転する。この結果、網巻取ド
ラム3に巻き取られた海苔養殖網30が、その回転の下
半分において消毒液内に浸漬され、これにより、海苔養
殖網30の全体が繰り返して消毒される。
【0053】この場合、網巻取ドラム3を海苔養殖網3
0の巻取方向と反対方向に回転させると、海苔養殖網3
0の巻き取りが弛められ、重ね合わされた網本体34間
に隙間が生じ、また、網本体34自体にも弛みができ
る。このため、網本体34等への消毒液の浸透が容易に
なり、且つ、海苔養殖網30の全体を満遍なく迅速に消
毒することができる。従って、海苔養殖網30の消毒時
間を短縮できると共に、消毒液による海苔の変色や変質
を防止することができる。しかも、珪藻は回転によって
も落ちるため、この点からも消毒時間の短縮を図ること
ができる。
【0054】このようにして消毒処理が終了したところ
で、網巻取ドラム3(又は海苔養殖網30)に固定され
ている巻取終端側の連結紐37を解くと共に、作業船2
5の係止環27に結ばれているアンカー紐38を解き、
これら連結紐37とアンカー紐38とを結び合わせる。
そして、網用開閉弁20を開く一方、条用開閉弁21を
閉じる。
【0055】この状態から、条用制御弁15を逆回転方
向に開く。これにより、条用制御弁15の下流にある条
用開閉弁21が閉じている一方、網用制御弁14は中立
位置にあるため、油圧ユニット24の油圧は、網用制御
弁14及び条用制御弁15を介して条用油圧モータ13
に作用する。これにより、供給された油圧によって油圧
モータ13が駆動し、その駆動力が条体巻取ドラム10
に作用する。これにより、条体巻取ドラム10が逆転方
向に回転駆動され、この条体巻取ドラム10にロープ1
1が巻き取られる。
【0056】このように、ロープ11が条体巻取ドラム
10に巻き取られ始めると、ロープ11の先端にはアン
カー紐38を介してアンカー40が接続されているた
め、ロープ11の巻取量に応じて作業船25が巻取始端
側(図3において左側)に移動する。この際、網用制御
弁14が中立位置にあると共に、網用開閉弁20が開か
れているため、油圧ユニット24からの油圧によっては
網用油圧モータ8が回転駆動されることはない。
【0057】一方、作業船25の網巻取ドラム3からは
海苔養殖網30が引き出されるが、この海苔養殖網30
には巻取終端側のアンカー40が接続されているため、
このアンカー40からの反力が海苔養殖網30を網巻取
ドラム3から引き出す方向に作用する。この際、網用開
閉弁20が開かれていて、この網用開閉弁20を介して
網用油圧モータ8の2つの油圧ポートが連通されている
ため、網用油圧モータ8は適当な外力を作用させること
により、内部にある油の抵抗力に抗して回転駆動するこ
とができる。従って、海苔養殖網30からの上記反力に
よって網巻取ドラム3が回転駆動され、これにより、作
業船25の移動量に応じた長さの海苔養殖網30が網巻
取ドラム3から引き出される。
【0058】この結果、上述した海苔養殖網30を巻き
取る場合と同様に、例えば、作業中に波がきて作業船2
5が急に持ち上げられたような場合にも、海苔養殖網3
0の張力が作業船25に作用することを防ぐことができ
る。即ち、消毒後に海苔養殖網30を海中に戻す場合
に、例えば、波が来て作業船25が持ち上げられると、
条体巻取ドラム10がロープ11の巻取動作を継続する
一方、持ち上げられた量に応じた大きな引張力が海苔養
殖網30に作用し、この引張力によって海苔養殖網30
が自然に引き出される。このため、海苔養殖網30に発
生した大きな張力が作業船25を沈めるように働くのを
防止することができ、作業船25のローリングを防いで
危険を回避することができる。
【0059】このようなロープ11の巻取作業を経て海
苔養殖網30の全体が引き出されると、作業船25が図
3の実線で示す位置に移動し、アンカー紐38とロープ
11との結び目が条体巻取ドラム10に近づく。そこ
で、ロープ11とアンカー紐38との結び目を解くと共
に、海苔養殖網30の巻取始端をフック3fから外し、
連結紐37とアンカー紐38を結び合わせる。この後、
作業船25を移動させて海苔養殖網30を海中へ戻すこ
とにより、この海苔養殖網30の消毒作業が完了する。
【0060】尚、上記実施例において、制御弁14,1
5及び開閉弁20,21として電磁切換弁を用いること
により、上記制御弁14,15及び開閉弁20,21を
自動的に動作させたり、遠隔操作により動作させること
ができる。
【0061】また、この実施例においては、油圧モータ
8の動力をチェーン伝動機構で伝達するようにしたが、
例えば、ベルト式伝動機構、ギア式伝動機構等のように
他の形式の機構を適用することができる。更に、アクチ
ュエータとして油圧モータを適用した例について説明し
たが、空気圧モータや他の液体或いは気体を用いた流体
アクチュエータを用いることができることは勿論であ
る。また、条体11としては、ワイヤのようなものを適
用することもできる。
【0062】図5及び図6は、養殖海苔の刈取作業を行
うための海苔養殖作業装置の一実施例を示すものであ
る。図5及び図6に示す、50は、海苔養殖網30を引
き上げる引上ドラムであり、60は、海苔養殖網30の
表面の海苔を刈り取る刈取刃である。
【0063】引上ドラム50は、海苔養殖網30の幅方
向中途部の弛みを防止する円筒状のドラム本体51と、
このドラム本体51の軸方向両端に設けられた2枚1組
の挟みローラ52とを有している。そして、ドラム本体
51の両端に突出した軸部が挟みローラ52をそれぞれ
貫通し、ボルト等の固定手段によって各挟みローラ52
がドラム本体51の両端にそれぞれ固定されている。ド
ラム本体51の一方の軸部は軸受53を介してフレーム
54に回転自在に支持されていると共に、他方の軸部に
はカップリングを介して、駆動装置の一具体例を示す油
圧モータ55の回転軸に連結されている。そして、フレ
ーム54は、引上ドラム50の両端を支持する互いに対
向した一対の立上げ部54aを有し、この立上げ部54
aの下部に設けたフランジ部54bを貫通するボルト5
6によって作業船25上に固定されている。更に、フレ
ーム54の一方の立上げ部54aに油圧モータ55が取
り付けられている。
【0064】また、各挟みローラ52は、海苔養殖網3
0のサイドロープ31を外周内面部分で挟むことができ
るように所定間隔あけて対向設置されていると共に、そ
の外周内面部分は円弧状に面取りされていて、サイドロ
ープ31の挟み込み及び解放が容易に行えるように形成
している。この一対の挟みローラ52,52は、海苔養
殖網30の両端のサイドロープ31に対向する位置にそ
れぞれ設定されている。
【0065】このような引上ドラム50の前方には、海
苔養殖網30の表面の海苔を刈り取る上記刈取刃60が
配設されている。この刈取刃60は、軸方向の両端及び
中途部に所定間隔あけて複数固定されたフランジ状の円
板61を有する中心軸62と、隣り合う円板61間に掛
け渡されたリボン状の回転刃63とを有している。この
回転刃63は、図6に示すように断面形状がL字形をな
していると共に全体が捩られていて、回転運動によって
海苔を切断し易い形状に形成されている。そして、隣り
合う円板61間には、複数条の回転刃63が等角度間隔
に設けられている。
【0066】この刈取刃60の中心軸62の両端には軸
部が突出しており、一方の軸部はフレーム54に固定さ
れた軸受64により回転自在に支持されている。刈取刃
60の他方の軸部はカップリングを介して、駆動装置の
一具体例を示す油圧モータ65の回転軸に連結されてい
る。そして、フレーム54の一方の立上げ部54aに油
圧モータ65が取り付けられている。
【0067】これら油圧モータ55,65には減速比を
適当に設定した減速機が内蔵されていて、各油圧モータ
55,65には、これらの回転を制御するための制御弁
57,66がそれぞれ接続されている。この制御弁5
7,66としては、例えば、タンデム形4ポート2位置
の方向切換弁を適用することができる。尚、57a,6
6aは、制御弁57,66の操作レバーであり、57
b,66bは、操作レバー57a,66aのストッパで
ある。
【0068】このように組をなす油圧モータ55と制御
弁57、及び油圧モータ65と制御弁66は、それぞれ
圧力路と戻り路との2本の油圧路で接続されている。そ
して、2個の制御弁57,66は、連通路58によって
互いに接続されていると共に、2本の油圧路59a,5
9bにより油圧ユニット24に接続されている。
【0069】また、刈取刃60の上方には、この刈取刃
60と上を通過する海苔養殖網30との間に所定の隙間
を設定するための網案内カバー67が設置されている。
この網案内カバー67は、刈取刃60と平行に配置され
た一対の端板67aと、この端板67a間に掛け渡され
た多数の案内バー67bとを有している。更に、刈取刃
60の下方には、刈り取った海苔を溜めるための海苔収
容槽が設置される。
【0070】図5及び図6に示す68は、引上ドラム5
0の後方に配設された押えローラである。この押えロー
ラ68は、押えブラケット69に取り付けられた枢軸6
8aに回転自在に支持されている。そして、左右の押え
ブラケット69,69が、フレーム54に取付位置を変
更可能にそれぞれ取り付けられている。69aは、押え
ブラケット69とフレーム54との間に掛け渡されたス
プリングであり、このスプリング69aのばね力で押え
ブラケット69が下方に引っ張られている。これによ
り、押えローラ68で海苔養殖網30のサイドロープ3
1部分を下方に押圧し、サイドロープ31と引上ドラム
50の挟み円板52との係合を強めるようにしている。
【0071】次に、上述したような構成を有する海苔刈
取用の海苔養殖作業装置による、海苔刈取作業を説明す
る。まず、作業船25の上に海苔養殖網30の長手方向
の一端を引き上げ、船体の横方向に海苔養殖網30を通
過させて、引上ドラム50と刈取刃60の上に海苔養殖
網30をセットする。この時、海苔養殖網30の両端の
サイドロープ31,31は、ドラム本体51の両端に設
けられた挟みローラ52,52にそれぞれ挟み込む。そ
して、海苔養殖網30の上方に一対の押えローラ68,
68を臨ませ、図5及び図6に示すように、各押えロー
ラ68でサイドロープ31を下方に押圧する。
【0072】この後、制御弁57の操作レバー57aを
操作し、油圧ユニット24の油圧を油圧モータ55に供
給して引上ドラム50を回転駆動する。これにより、挟
み円板52とサイドロープ31との間の摩擦力によって
海苔養殖網30が引き上げられ、刈取刃60の上方を海
苔養殖網30が通過する。これと共に、制御弁66の操
作レバー66aを操作し、油圧ユニット24の油圧を油
圧モータ65に供給して刈取刃60を回転駆動する。こ
れにより、中心軸62と一体の回転刃63が回転駆動さ
れ、網案内カバー67の案内バー67bの間から刃側に
差し込まれた海苔が刈り取られる。
【0073】このようにして、海苔養殖網30に付着し
ている海苔が刈取刃60で刈り取られ、刈り取られた海
苔が、下方に設置された海苔収容槽に集められる。
【0074】この場合、海苔養殖網30の引上力は、サ
イドロープ31と挟みローラ52との間に生じる摩擦力
によって行われるが、このサイドロープ31を押えロー
ラ68が挟みローラ52側に押圧し、両者間の摩擦力を
増大させているため、大きな力で海苔養殖網30を引き
上げることができる。しかも、押えローラ68がサイド
ロープ31を押さえることにより、挟みローラ52への
サイドロープ31の巻掛角度を大きく取ることができ、
サイドロープ31が挟みローラ52から外れるのを効果
的に予防することができる。
【0075】更に、スプリング69aで付勢された押え
ローラ68でサイドロープ31を押さえており、海苔養
殖網30の竹竿32が押えローラ68を通過するときに
は押えローラ68が変動するため、海苔養殖網30に竹
竿32のような障害物があっても、この海苔養殖網30
を確実に引き上げることができる。そして、竹竿32が
挟みローラ52を通過するときには、押えローラ68の
押圧力でサイドロープ31が挟みローラ52に強く押し
付けられ、挟みローラ52によるサイドロープ31の係
合が強められるため、サイドロープ31が挟みローラ5
2から外れることがない。従って、刈取作業時、従来の
ように人が海苔養殖網を引上ドラムに押さえ付ける作業
が不要となり、この海苔刈取作業における省力化を図る
ことができる。
【0076】尚、本実施例においては、押え部材として
押えローラ68を用いた例について説明したが、これに
限定されるものではなく、例えば、押えレバーのよう
に、それ自体が回転しない部材であってもよい。また、
刈取刃60には、他の形式の回転刃を適用することがで
きることは勿論である。
【0077】図7及び図8は、網筏33から網本体34
を取り外すための海苔養殖作業装置を示すものである。
この海苔養殖作業装置は、網引上機70と油圧ユニット
24とで構成されている。そして、網引上機70は、一
対のローラ支柱71と、これらローラ支柱71,71間
に掛け渡された回転軸72と、この回転軸72に固定さ
れた一対の挟みローラ73,73と、各挟みローラ73
に対向設置された一対の押えローラ74とを有してい
る。
【0078】各ローラ支柱71は、パイプ材によって形
成された支柱本体71aと、この支柱本体71aの高さ
方向の中途部に固定された横桟71bと、支柱本体71
aの下部に固定された固定枠71cとを有している。固
定枠71cは、断面形状がコ字状の型材からなり、作業
船25の船縁に固定できるように形成されている。75
は、固定枠71cに取り付けたボルトであり、このボル
ト75の締付力により固定枠71cを介してローラ支柱
71が船縁に固定される。76は、ローラ支柱71の下
端を補強的に作業船25に固定するための固定部材であ
る。
【0079】ローラ支柱71の横桟71bの両端には支
持軸77が固定されていて、各支持軸77には上記押え
ローラ74が回転自在に軸支されている。この押えロー
ラ74にはVプーリのようにV溝が形成されており、こ
のV溝内をサイドロープ31が通過するように構成され
ている。一対の押えローラ74,74は、支柱本体71
aを中心に略左右対称に配置されている。
【0080】また、一方の支柱本体71aの上端には軸
受ベース71dが固定されていて、この軸受ベース71
dには軸受78が固定されている。この軸受78に、上
記回転軸72の一端が回転自在に支持されている。一
方、他方の支柱本体71aの上端には軸受ブラケット7
1eが固定されていて、この軸受ブラケット71eに
は、駆動装置の一具体例を示す油圧モータ80が固定さ
れている。この油圧モータ80は、上記油圧モータ55
等と同様に、減速比を適当に設定した減速機が内蔵され
ていて、これの回転を制御するための制御弁81が油圧
ユニット24に設けられている。この制御弁81として
は、例えば、タンデム形4ポート2位置の方向切換弁を
適用することができる。
【0081】上記回転軸72には、前記実施例で述べた
挟み円板52と同様の一対の挟み円板73,73が所定
間隔はなして固定されている。この挟み円板73の間隔
は、海苔養殖網30のサイドロープ31の間隔と一致す
るように構成されている。そして、挟み円板73と押え
ローラ74とは、対向設置された挟み円板73の隙間と
押えローラ74のV溝とが同一直線上に一致するように
配設されている。
【0082】次に、上述したような構成を有する網張替
用の海苔養殖作業装置による、海苔養殖網30の張替作
業を説明する。まず、作業船25の上に海苔養殖網30
の長手方向の一端を引き上げ、船体の横方向に海苔養殖
網30を通過させて、網引上機70を作業船25の一側
の船縁に取り付け、海苔養殖網30をセットする。この
時、図7及び図8に示すように、海苔養殖網30の両端
のサイドロープ31,31は挟みローラ73の隙間内に
それぞれ挟み込み、その前後両側を一対の押えローラ7
4,74の下方に通過させる。
【0083】この状態において、船上にある海苔養殖網
30の網筏33と網本体34との結び目の全てを手作業
で解き、その部分を網筏33と網本体34とに分離す
る。次に、制御弁81を操作して油圧モータ80を少し
駆動する。これにより、回転軸72を介して一対の挟み
ローラ73,73が回転駆動され、この挟みローラ73
との間の摩擦力によってサイドロープ31が引き上げら
れて、海苔養殖網30の結び目90の次の一定領域を船
上に移動させる。
【0084】この場合、挟みローラ73の前後には一対
の押えローラ74,74が配置されており、これらの押
えローラ74がサイドロープ31を挟みローラ73に押
し付けるように作用する。このため、前記実施例と同様
に、挟みローラ73の摩擦力を増大させることができ、
従って、大きな力で海苔養殖網30を引き上げることが
できる。
【0085】しかも、挟みローラ73へのサイドロープ
31の巻掛角度を大きく取ることができ、海苔養殖網3
0の竹竿32のような障害物があっても、竹竿32が挟
みローラ73を通過するときには押えローラ74の押圧
力でサイドロープ31が挟みローラ73に強く押し付け
られるため、サイドロープ31が挟みドラム73から外
れるおそれをなくすことができる。更に、海苔養殖網3
0の引上動作を油圧モータ80で自動的に行うことがで
きるため、人による海苔養殖網の引上作業を無くすこと
ができ、この種の作業における工数を減少させ、人手の
省力化を図ることができる。
【0086】以上説明したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えば、制御弁14,15,5
7,66,81及び開閉弁20,21としては、他の形
式の切換弁を用いることができることは勿論である。こ
のように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更で
きるものである。
【0087】以上説明したように、本発明によれば、駆
動装置として網用アクチュエータと網用制御弁と網用開
閉弁と条用アクチュエータと条用制御弁と条用開閉弁と
流体圧源とを設け、網巻取ドラムで海苔養殖網を巻き取
る時は条体巻取ドラムによる条体の引き出しを自由状態
とし、条体巻取ドラムで条体を巻き取る時は網巻取ドラ
ムによる海苔養殖網の引き出しを自由状態とするように
したため、例えば、作業時に大きな波がきて作業船が急
に持ち上げられたような場合にも、巻取側と反対の引き
出し側から条体又は海苔養殖網が適当量だけ引き出さ
れ、海苔養殖網及び条体を介して作業船に大きな緊張力
が作用することを防止することができる。従って、海苔
養殖作業時に大きな波がきた場合にも、海苔養殖網及び
条体から作業船に大きな緊張力が加えられることがな
く、その緊張力によって作業船が沈められるおそれをな
くすことができる。このため、少々波が荒くても海苔養
作業を行うことができ、作業船の安全性を確保しつつ
海苔養殖網の巻き取りや引き出し、或いはその消毒作業
等を容易且つ迅速に行うことができる。
【0088】しかも、常に一定の力で条体が張られてい
るため、海苔養殖網に弛みを生じることがなく、ずれる
ことなく海苔養殖網をしっかりと巻き取ることができ
る。更に、網巻取ドラムで海苔養殖網を巻くと、条体が
張った状態になり、ある程度の大きさの抵抗が条体に作
用したところで当該条体が引き出されるため、作業船に
は常に元の位置に戻ろうとする力を働かせることができ
る。従って、ある程度の大きさの波がある日の海苔養殖
作業であっても、作業船が波に乗って揺れ動き、ローリ
ングを生じることなく作業船の水平状態を維持すること
ができると共に、作業船が潮の流れによって流されるの
を防止することができるという効果が得られる。
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の海苔養殖網を消毒するための海苔養殖
作業装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】図1の全体構成を示す外観斜視図である。
【図3】図1の海苔養殖網の巻取作業を説明するための
平面側からの説明図である。
【図4】同、巻取作業の縦断面側からの説明図である。
【図5】本発明の海苔養殖網から海苔を刈り取るための
海苔養殖作業装置の一実施例を示す説明図である。
【図6】同、海苔の刈取作業を説明するための断面図で
ある。
【図7】本発明の海苔養殖網を引き上げるための海苔養
殖作業装置の一実施例を示す外観斜視図である。
【図8】同、海苔養殖網の引上作業を説明するための断
面図である。
【図9】従来の海苔養殖作業装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 網消毒槽 3 網巻取ドラム 8 油圧モータ(網用アクチュエータ) 10 条体巻取ドラム 11 条体(ロープ) 13 油圧モータ(条用アクチュエータ) 14,15 制御弁 20,21 開閉弁 24 油圧ユニット(流体圧源) 25 作業船 30 海苔養殖網 31 サイドロープ 33 網筏 34 網本体 50 引上ドラム 52,73 挟みローラ 55,65,80 油圧モータ(駆動装置) 57,66,81 制御弁 60 刈取刃 68,74 押えローラ 70 網引上機

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海中に投入されたアンカーにより流れ止
    めされて海面部分に施設された海苔養殖網を巻取可能な
    網巻取ドラムと、 上記海苔養殖網の巻取始端から切り離されるアンカー側
    部材に接続され且つ海苔養殖網の巻取量に応じて引き出
    される条体が予め所定量巻き取られた条体巻取ドラム
    と、 上記網巻取ドラム及び条体巻取ドラムを個別に駆動可能
    な駆動装置と、を備え、海苔養殖作業を行うための作業
    船に搭載される海苔養殖作業装置において、 上記駆動装置は、上記網巻取ドラムを流体圧力によって
    回転駆動する網用アクチュエータと、この網用アクチュ
    エータの回転方向を制御する網用制御弁と、この網用ア
    クチュエータを回転自由とする網用開閉弁と、上記条体
    巻取ドラムを流体圧力によって回転駆動する条用アクチ
    ュエータと、この条用アクチュエータの回転方向を制御
    する条用制御弁と、この条用アクチュエータを回転自由
    とする条用開閉弁と、これら網用アクチュエータ及び条
    用アクチュエータに流体圧力を供給する流体圧源とを有
    し、網巻取ドラムで海苔養殖網を巻き取る時は条体巻取
    ドラムによる条体の引き出しを自由状態とし、条体巻取
    ドラムで条体を巻き取る時は網巻取ドラムによる海苔養
    殖網の引き出しを自由状態とするようにしたことを特徴
    とする海苔養殖作業装置。
  2. 【請求項2】 海中に投入されたアンカーにより流れ止
    めされて海面部分に施設された海苔養殖網を巻取可能な
    網巻取ドラムと、上記海苔養殖網の巻取始端から切り離されるアンカー側
    部材に接続され且つ海苔養殖網の巻取量に応じて引き出
    される条体が予め所定量巻き取られた条体巻取ドラム
    と、 上記 網巻取ドラム及び条体巻取ドラムを個別に駆動可能
    な駆動装置と、を備え、海苔養殖作業を行うための作業
    船に搭載される海苔養殖作業装置において、上記網巻取ドラムに巻き取られる上記海苔養殖網を浸漬
    させて消毒する消毒液が収容される網消毒槽を設け、 上記駆動装置は、上記網巻取ドラムを流体圧力によって
    回転駆動する網用アクチュエータと、この網用アクチュ
    エータの回転方向を制御する網用制御弁と、こ の網用ア
    クチュエータを回転自由とする網用制御弁と、上記条体
    巻取ドラムを流体圧力によって回転駆動する条用アクチ
    ュエータと、この条用アクチュエータの回転方向を制御
    する条用制御弁と、この条用アクチュエータを回転自由
    とする条用制御弁と、これら網用アクチュエータ及び条
    用アクチュエータに流体圧力を供給する流体圧源とを有
    し、網巻取ドラムで海苔養殖網を巻き取る時は条体巻取
    ドラムによる条体の引き出しを自由状態とし、条体巻取
    ドラムで条体を巻き取る時は網巻取ドラムによる海苔養
    殖網の引き出しを自由状態とするようにしたことを特徴
    とする海苔養殖作業装置。
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