JP2626669B2 - 二重床用床板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は二重床用床板、特に、側方に通ずる配線空
間を有するものに関する。

〔従来の技術〕

従来は、下方に開口したＣ形鋼を並列し、これを、櫛
状の切込みのある連結板をもって、組格子状に連結した
床板を用いてきた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この場合、床板の下に空間を設けることはできるが、
床板の横断方向はＣ形鋼のフランジがあり、縦断方向は
連結板があるため、床板の厚み分は空間を設けることが
できない。

多くの配線空間を要求される場合には、板厚分も空間
があることが望ましい。

この発明は、このような要求を満足させることを目的
としている。

〔問題点を解決する手段〕

この目的のために、この発明では、床板の長手方向の
強度の許す限りにおいて、並列して連結するＣ形鋼のフ
ランジを、切欠くものである。

フランジを切欠くと、床板の長手方向の強度は大幅に
低下するので、この方法を用いるのは、長い床板と、短
い床板とが併用されている場合、短い床板のみにこのよ
うな切欠きを設け、配線空間を作るのが有効な手段とな
る。

〔作用〕

同じ板厚の鋼板からなるＣ形鋼を長い床板と、短い床
板に用い、長手方向の両端部で支持して使用するとする
と、長い床板に充分の強度があるように設計すると、短
い床板の強度は過剰性能となる。

極めて大雑把に把握し、床板の強度をフランジだけが
効いていると仮定すると、床板を両端で支持すれば、そ
のたわみは長さの３乗に比例し、床板の厚さの３乗に反
比例する。従って、床板の長さを二分の一とすれば、床
板の厚さを二分の一とすることが可能となる。

従って、短い床板のたわみを、長い床板と同程度のた
わみで抑えられる範囲において、床板の側面を切欠き、
その部分を配線空間とすれば、強度の低下をすことな
く、配線空間を増やすことが可能となる。

〔実施例〕

以下、本出願の実施例を図面に基づき、詳細に説明す
る。

第１図に示すのは、短い床板用のＣ形鋼１であり、厚
さ2.3mmの亜鉛メッキ鋼板からなり、ウェブ11の巾は10c
m、長さは標準床板の半分の250mmである。側面フランジ
12の巾W1は40mm、フランジの両端部はフランジの半分の
深さ、即ち20mmのフランジの切込み13を付設する。両端
部を除いた中央部分には、アーチ状切欠き14を設ける。
この部分のフランジの巾W2は20mmである。

第２図に示すのは、厚さ3.2mmの鋼板をプレス抜きし
て形成した連結板２である。

連結板は、巾が30cmで、高さは上記Ｃ形鋼１の内法高
さに等しい略40mmである。Ｃ形鋼の幅と同じ10cm間隔
で、上縁に櫛状切込み21を設ける。櫛状切込みの深さ
は、Ｃ形鋼のフランジ12の巾の半分に等しい20mm、切込
みの幅はＣ形鋼の板厚二枚分約4.6mmである。

第３図・第４図・第５図・第６図は、上記Ｃ形鋼１
を、連結板２で連結して、床板３を形成したものであ
る。Ｃ形鋼１を３枚並列し、フランジの切込み13を一直
線に並べる。このフランジの切込みと、連結板の櫛状切
込み21とが直角に噛み合うように差込む。噛み合った個
所に接着材・熔接などで接合してもよいが、切込みの幅
を正確に形成すれば、噛み合わせを打ち込むことにより
確りと接合することが可能である。

この床板を用いるには、第７図に示すように、スラブ
４の上に束５を設置し、束５の上に、ハット形鋼からな
る根太６を平行に敷設し、根太の鍔61の上に床板を架設
し、床板の下を配線空間７として用いる。この場合、根
太の間隔を広い個所と狭い個所を設け、広い間隔の個所
においては、長い標準床板３′を用い、狭い間隔の個所
には、この発明のフランジにアーチ状切欠き14を付設し
た短い床板３を用いる。このように構成すると、アーチ
状切欠きの個所は横断方向の配線空間７として用いるこ
とが可能である。

〔効果〕

この発明はこのように構成されているので、短い床板
の場合には、強度の低下なしに、フランジにアーチ状切
欠きを設け、配線空間を増やすことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はＣ形鋼の実施例の側面図、 第２図は連結板の実施例の正面図、 第３図は床板の実施例の正面図、 第４図はその側面図、 第５図はその平面図、 第６図はその底面図、 第７図は床板の施工状況の一例を示す側面図である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下方に開口し、両側の側壁の下縁から、側
   壁のほぼ半ばまで達する上下方向の切込みを、複数個設
   けた半筒状体複数本を、並列し、 直線状に配置された上記切込みに、 上記側壁の幅の半分程度の深さの上下方向の切込みを、
   上縁から上下方向に設けた帯状の連結板を、 側壁の切込みと、連結板の切込みが互いに噛み合うよう
   に、差し込むことにより半筒状体を並列方向に連結して
   なる、 複合床板において、 側壁が長手方向の両端部以外の個所が、側壁の一部を残
   して切り取られていることを特徴とした二重床用床板。