JP2623506B2 - マルトオリゴ糖の製造法 - Google Patents

マルトオリゴ糖の製造法

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、マルトオリゴ糖の製造法に関する。
[従来の技術] サイクロデキストリナーゼ〔サイクロマルトデキスト
リナーゼ(cyclomaltodextrinase)E.C.3.2.1.54とも呼
称されている。〕についての報告は、極めて少なく、バ
チルス・マセランス(Bacillus macerans)が生産する
もの〔バイオケミストリー(Biochemistry),第7巻,
第121−124頁,1968〕、バチルス・コアギュランス(Bac
illus coagulans)が生産するもの〔アグリック・バイ
オル・ケム(Agric.Biol.Chem.),第47巻,第1441−14
47頁,1983]等が知られているに過ぎない。
従来、マルトオリゴ糖の製造法としては、例えば、グ
ルコースからマルトヘキサオースまでの特定のオリゴ糖
を生産するアミラーゼの作用により澱粉等から生産する
方法が知られている。〔アーク・バイオケム・バイオフ
ィズ(Arch.Biochem.Biophys.),第155巻,第290−298
頁,1973〕 また一方、サイクロデキストリンを原料として、酸加
水分解法によりサイクロデキストリンを開裂させること
によって、マルトヘキサオース以上のマルトオリゴ糖を
製造する方法(特開昭61−191690号公報)、あるいは、
バチルス・マセランス等の生産するサイクロデキストリ
ングルカノトランスフェラーゼ(E.C.2.4.1.19)を用い
て、サイクロデキストリン、単糖およびオリゴ糖のカッ
プリング反応を触媒することにより、マルトヘプタオー
ス以上のオリゴ糖を生産する方法が知られている。〔メ
ソズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy),第5巻,第148−155頁,1962〕 マルトオリゴ糖は、血清アミラーゼの測定用基質とし
て、その需要が増大しているのみならず、栄養剤、賦形
剤、増量剤等として広く薬品及び食品に応用できるもの
と期待されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、澱粉からマルトヘプタオース以上のマ
ルトオリゴ糖を特異的に生産するアミラーゼは、いまだ
知られておらず、澱粉を原料とした酵素法による効率的
な製造法はまだ確立されていないのが実情である。
更にまた、上記のサイクロデキストリンを原料とした
マルトヘキサオース以上のオリゴ糖の生産の場合、酸加
水分解による方法は、副産物の量が多く目的の分解物の
収量が著しく低下すること等の欠点があり、サイクロデ
キストリングルカノトランスフェラーゼを用いた酵素法
も、反応が進むにつれて、生産物自身の分解、あるい
は、生産物とサイクロデキストリンとのカップリング反
応により副産物の蓄積が増加するため、サイクロデキス
トリンに対する生産物の反応率を低く抑える必要があ
り、未反応のサイクロデキストリンが大量に反応液に残
存し、その後の精製が困難であること等の問題点があっ
た。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、迅速にかつ、効率的に高純度のマルト
オリゴ糖を取得することを目的として上記難点を解決す
べく鋭意検討を重ねた結果、新規サイクロデキストリナ
ーゼをサイクロデキストリンに接触作用させると、サイ
クロデキストリンのグルコース重合度に由来したマルト
オリゴ糖が高収率で蓄積すること等の知見を得、本発明
を完成させた。
すなわち本発明は、以下の理化学的性質を有する新規
なサイクロデキストリナーゼをサイクロデキストリンに
接触作用させることを特徴とするマルトオリゴ糖の製造
法。
作用: サイクロデキストリンを開裂し、サイクロデキストリ
ンのグルコース重合度に由来したオリゴ糖を生成させ
る。
基質特異性: サイクロデキストリンに対する水解速度又は親和性が
多糖類あるいはサイクロデキストリンと同じグルコース
重合度の直鎖オリゴ糖よりも大である。
至適pH及び安定pH範囲: 至適pHは、βサイクロデキストリンを基質とした場
合、8.0付近であり安定pH範囲は、5.5−9.5である。
作用適温の範囲: 40℃付近に作用適温を有する。
温度等による失活の条件: 50℃以上、15分間の処理によりほぼ失活する。
阻害及び活性化: Hg2+,Cu2+,Zn2+,Ni2+及びFe2+で90%以上阻害され、C
a2+及びMg2+により10−30%活性化される。
分子量: ゲル濾過法では144000であり、SDS PAGE法では72000
である。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、新規サイクロデキストリナーゼの理化学的性質
について述べる。
(1)作用: サイクロデキストリンに作用し、そのサイクロデキス
トリンのグルコース重合度に由来したマルトオリゴ糖を
生成させる。
(2)基質特異性: 基質特異性については、第1表にまとめて示した通り
である。また、サイクロデキストリン類及びマルトオリ
ゴ糖についての反応速度パラメーターについては、第2
表に示す通りである。
(3)至適pH及び安定pH範囲: 至適pHは、第1図に示す通りであり、1%βサイクロ
デキストリンを基質とした場合、pH8.0付近である。安
定pH範囲は、第2図に示す通りであり、各pHにて温度25
℃で24時間処理したのちの残存活性を測定して求めたも
のである。第2図から明らかなように、安定pH範囲は、
5.5−9.5である。
(4)力価測定法: 2%βサイクロデキストリン溶液500μ及び適当量
の本酵素を含んだ100mMリン酸緩衝液(pH7.5)500μ
を混和し、温度40℃で適当時間反応させたのち、10分間
煮沸することにより反応を停止し、高速液体クロマトグ
ラフ(以下HPLCと略称する)法により生じたマルトヘプ
タオースを定量した。また、酵素量が少量の場合にはグ
ルコースを標準としたソモギーネルソン法により還元力
を定量した。
本酵素の酵素単位は、1分間に1マイクロモルのマル
トヘプタオースを生成する酵素量を1単位と定義した。
(5)作用適温の範囲 第3図に示すように本酵素は、40℃付近に作用適温を
有する。
(6)温度による失活の条件 第4図に示すように、本酵素は、100mMリン酸緩衝液
(pH7.5)中、15分間処理で、45℃まで活性は安定であ
ったが、50℃以上では失活した。
(7)阻害及び活性化: 金属イオンによる本酵素活性への影響の検討結果を第
3表に示す。第3表から明らかなように、本酵素は、2
価の金属イオンであるHg2+,Cu2+,Zn2+,Ni2+及びFe2+
でほぼ100%阻害され、Ca2+及びMg2+により約10−30%
活性化された。
(8)精製方法: 実施例に記載の通りである。
(9)分子量: SDS PAGE法では、72000であり、ゲル濾過法では1440
00であることやら、本酵素は、分子量72000のサブユッ
トからなる2量体である。
本酵素と従来公知のサイクロデキストリナーゼとの理
化学的性質の相違点を第4表に示す。
以上詳述した如く、本酵素は、従来公知のサイクロデ
キストリナーゼとはその性質を異にし、特にサイクロデ
キストリンに対して最も良く作用するという点において
全く新しい酵素である。
本酵素を用いることによりサイクロデキストリンから
そのサイクロデキストリンのグルコース重合度に由来す
る鎖長のマルトオリゴ糖を効率よく工業的に製造するこ
とが可能である。
次に、本酵素の製造法について述べる。
本酵素を生産する微生物としては、バチルス属に属
し、本酵素を生産するものであれば如何なるものでもよ
く、例えば、バチルス・スフェリカス(Bacillus spha
ericus)E−244菌株がある。バチルス・スフェリカス
E−244菌株は、土壌中から取得した野生株である。以
下に、本菌株の菌学的性質を示す。
◎バチルス・スフェリカスE−244菌株の菌学的性質 (a)形態 細胞の形及び大きさ 0.6−0.8×1.6−4.0ミクロ
ンの棹菌である。
細胞の多形性の有無 認められない。
運動性の有無 周鞭毛を有し、運動性有
り。
胞子の有無 有り。
胞子嚢 膨出 大きさ 0.8−0.9×1.1−1.2ミクロ
ン 形 楕円形 位置 亜端立 グラム染色性 陽性 抗酸性 陰極 (b)各培地における生育状態 肉汁寒天平板培養 無色の拡散性集落を形成。
集落は平滑で周縁はなめらか。色素の生産は認められな
い。
肉汁寒天斜面培養 菌苔は平滑で周縁はなめら
か。色素の産生は認められない。
肉汁液体培養 培地全体に生育が認められ
るが、沈殿は認められない。
肉汁ゼラチン穿刺培養 培地上部にのみ生育し、液
化は認められない。
リトマス・ミルク 凝固は認められず、酸、ア
ルカリの産生も認められない。
(c)生理学的性質 硝酸塩の還元 還元しない。
脱窒反応 無し。
MRテスト 陰性 VPテスト 陰性 インドールの生成 生成しない。
硫化水素の生成 生成しない。
デンプンの加水分解 分解しない。
クエン酸の利用 利用せず。
無機窒素源の利用 利用せず。
色素の生成 生成しない。
ウレアーゼ 陰性 オキシダーゼ 陽性 カタラーゼ 陽性 生育の範囲 温度 13−38℃ pH 6−10.5 酸素に対する態度 好気性 O−Fテスト 陰性(酸の産生を認めず) 糖類に対する態度 L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコー
ス、D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクト
ース、麦芽糖、ショ糖、乳糖、トレハロース、D−ソル
ビット、D−マンニット、イノシット、グリセリン及び
デンプンからの酸生成及びガス生成は何れも認められな
い。
(d)フェニルアラニンの脱アミノ反応 陽性 バチルス・スフェリカスE−244菌株は、胞子を形成
するグラム陽性棹菌であることからバチルス属に属する
細菌であると同定した。更に、糖からの酸及びガスの生
成が認められないこと、VPブロスのpHが、7.0以上であ
ること及びフェニルアラニンの脱アミノ反応が認められ
ることからバージェイズ・マニュアル・オブ・システィ
マティック・バクテリオロジー、第2巻、1984年に基づ
き、バチルス属のスフェリカス種に属する細菌であると
同定した。
なお、バチルス・スフェリカスE−244は、工業技術
院 微生物工業技術研究所に微工研条寄第2458号(FERM
BP−2458)として寄託されている。
菌株の培養は、原則的には一般微生物の好気的培養で
採用される方法と同じであるが、通常は、液体培地によ
る振盪培養法又は、通気撹拌培養法等が用いられる。培
地としては、適当な窒素源、炭素源、ビタミン、ミネラ
ル等及び本酵素の誘導基質であるサイクロデキストリン
等を含んだものが用いられる。pHは、本菌が成育するpH
域ならばいずれでもよいが、通常は、6−8の範囲が好
ましい。
培養条件は、例えば、通常20−40℃で、16時間−4日
間振盪培養又は通気撹拌培養を行なう。
以上の如くして得た培養物を用いて例えば、以下に示
す酵素採取工程により本酵素の精製品を得る。上記培養
物から酵素を得るには遠心分離、または膜濃縮等により
集菌したのち、菌体を超音波処理、あるいは界面活性剤
処理等により破砕し、菌残渣を遠心分離等で除いて粗酵
素液を得る。該粗酵素液をイオン交換クロマトグラフィ
ー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過等のカラムクロ
マトグラフィーを適宜組合せて実施することにより本酵
素の精製品を得る。
次に、マルトオリゴ糖の製造法について述べる。
上述の新規なサイクロデキストリナーゼをサイクロデ
キストリンに接触作用させ、反応液からサイクロデキス
トリンのグルコース重合度に由来したマルトオリゴ糖、
例えば、αサイクロデキストリン、βサイクロデキスト
リン及びγサイクロデキストリンから夫々マルトヘキサ
オース、マルトヘプタオース及びマルトオクタオース等
を得るのである。
サイクロデキストリンとしては、サイクロデキストリ
ン骨格を有していれば分岐体、修飾体等の誘導体等、如
何なるものでもよく、例えば、βサイクロデキストリン
あるいは6−0−α−グルコシルサイクロマルトヘプタ
オース、6−0−α−マルトシルサイクロマルトヘプタ
オース、6−0−トシルサイクロマルトヘプタオース等
のβサイクロデキストリンの誘導体等が好適である。
サイクロデキストリンの基質濃度については、例え
ば、新規なサイクロデキストリナーゼの基質に対するKm
値以上の濃度が好ましい。
新規なサイクロデキストリナーゼを、サイクロデキス
トリンに作用させる反応条件としては、該サイクロデキ
ストリナーゼの作用pH及び温度範囲であれば、如何なる
条件でもよく、例えば、pH7.0−8.0で、温度35−45℃が
好ましい。
更に必要に応じて、反応物中への有機溶媒等の添加も
可能である。反応時間は、反応生成物の安定性により異
なるが、好ましくは30分−48時間程度である。酵素量
は、特に限定はしないが、反応時間内に生成物が最大に
なるように合わせ、適宜、必要量を添加すれば良い。反
応停止は、例えば生成物が最大になった際、酸又は熱処
理等により、停止するのが望ましい。
次に上述のようにして得られたマルトオリゴ糖含有反
応液から目的のマルトオリゴ糖を得るのであるが、通常
のオリゴ糖分離方法であれば如何なる方法でもよいが、
本製造法の場合、反応液から未反応のサイクロデキスト
リンを除くことにより、簡単に高純度のマルトオリゴ糖
液を得ることができる。反応液からの未反応サイクロデ
キストリンの除去方法としては、例えば冷却処理、有機
溶媒添加処理、サイクロデキストリン吸着カラム処理等
の公知方法で分離除去することができる。
[実施例] 以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。
実施例 1%βサイクロデキストリン、1%ペプトン、0.5%N
aCl及び0.1%イーストエキスからなる液体培地(水道水
使用、pH7.0)100mlを500ml容坂口フラスコに入れ、120
℃で20分間、殺菌処理を行なった。これに、バチルス・
スフェリカスE−244菌株(FERM BP−2458)の保存ス
ラントより1白金耳接種し、30℃で1日間振盪培養し
た。本培養液50mlを上記と同様の培地組成と殺菌条件に
より調製した2000mlの培地を含有する3000ml容ミニジャ
ーに接種し、30℃、1vvm、350r.p.m.の条件で2日間通
気撹拌培養を行ない、培養終了後、培養液から8000r.p.
m.、20分間の遠心分離処理により菌体を分離し、2%ト
リトンX100を含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.0)500ml
に菌体を懸濁して25℃で1日間撹拌した。該懸濁液から
12000r.p.m.で20分間の遠心分離処理により菌体残渣を
除去したのち、上清液を10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に
対して16時間透析した。透析物を12000r.p.m.で20分間
遠心分離処理して不溶物を除去し上清を粗酵素液(1)
とした。
次いで、この粗酵素液(1)約500ml(総括性200単
位、比活性0.1、pH7.0)を10mMリン酸緩衝液(pH7.0)
で平衡化したDEAEセファロース充填カラム(φ34×170m
m)に供し、本酵素を吸着させたのち、0−0.5M NaCl
のグラジエント勾配により溶出を行なった。このDEAEセ
ファロースカラムクロマトグラフィーの溶出パターンを
第5図に示す。活性フラクションを集めて粗酵素液
(2)105ml(総括性145単位、比活性0.58、収率72.5
%)を得た。
次いで、この粗酵素液(2)を1M硫酸ナトリウム含有
100mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したエーテル5PW
充填カラム(φ21.5×150mm)に供し、本酵素を吸着さ
せたのち、1M−0M硫酸ナトリウムのグラジエント勾配に
より溶出を行なった。この溶出パターンを第6図に示
す。活性フラクションを集めて粗酵素液(3)50ml(総
括性72単位、比活性2.93、収率36%)を得た。
次いで、この粗酵素液(3)をコロジオンバッグによ
り1.5mlにまで限外濃縮したのち、0.2mlをTSK gel G3
000SWを用いたゲル濾過に供し、0.2M NaCl含有100mMリ
ン酸緩衝液(pH7.0)により溶出した。この溶出パター
ンを第7図に示す。活性フラクションを集めて精製酵素
液1.4ml(総括性2.2単位、蛋白量0.24mg、比活性9.17、
収率1%)を得た。本酵素は、SDS PAGE的に単一であ
った(第8図)。
βサイクロデキストリン10gを、100mMリン酸緩衝液
(pH7.0)1000mlに溶解したのち、本酵素の粗酵素液を
約5単位添加して、40℃で30時間反応を行ない反応液を
得た。この反応液に塩酸を添加してpHを約2.0にするこ
とにより反応を停止し、更にNaOH溶液により中和したの
ち、ODS(オクタデシル化シリカゲル)カラムに通液し
て未反応βサイクロデキストリンを吸着させ、通液画分
を常法により凍結乾燥して粗マルトヘプタオース粉末を
約7g得た。本粉末をTSK gel Amide 80カラム(東ソ
ー社製、分配・吸着クロマトグラフィー用充填カラム)
を用いたHPLCにより分析した結果を第9図に示す。粗マ
ルトオリゴ糖中のマルトヘプタオースの比率は約80%で
あった。更に、本粉末から常法によりマルトヘプタオー
ス画分を分離精製し、凍結乾燥したマルトヘプタオース
画分粉末をIR分析した結果を第10図に示す。マルトヘプ
タオース画分の分析パターンは、標準のマルトヘプタオ
ースと同一であった。
[発明の効果] 本発明によれば、高純度のマルトオリゴ糖を極めて簡
単な操作で効率良く得ることができ、本発明は、産業上
極めて有意義である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本酵素の至適pHを示す図であり、第2図は、
本酵素の安定性pHを示す図であり、第3図は、本酵素の
作用温度を示す図であり、第4図は、本酵素の温度によ
る失活の条件を示す図であり、第5図は、DEAEセファロ
ースによる本酵素のカラムクロマトグラフィーの結果を
示す図であり、第6図は、本酵素のTSK gelエーテル5P
WによるHPLCの結果を示す図であり、第7図は、本酵素
のTSK gel G3000SWによるHPLCの結果を示す図であ
り、第8図は、本酵素のSDS PAGEの結果を示す図であ
り、第9図は、ODSカラム通過液の凍結乾燥物をTSK ge
l Amide 80を用いたHPLCで分析したチャートパターン
であり、また、第10図は、マルトヘプタオース画分凍結
乾燥物のIR分析パターンである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の理化学的性質を有する新規なサイク
    ロデキストリナーゼを、サイクロデキストリンに接触作
    用させることを特徴とするマルトオリゴ糖の製造法 作用: サイクロデキストリンを開裂し、サイクロデキストリン
    のグルコース重合度に由来したオリゴ糖を生成させる。 基質特異性: サイクロデキストリンに対する水解速度又は親和性が、
    多糖類あるいはサイクロデキストリンと同じグルコース
    重合度の直鎖オリゴ糖よりも大である。 至適pH及び安定pH範囲: 至適pHは、βサイクロデキストリンを基質とした場合、
    8.0付近であり、安定pH範囲は、5.5−9.5である。 作用適温の範囲: 40℃付近に作用適温を有する。 温度等による失活の条件: 50℃以上、15分間の処理によりほぼ失活する。 阻害および活性化: Hg2+,Cu2+,Zn2+,Ni2+及びFe2+等で90%以上阻害され、C
    a2+及びMg2+により10−30%活性化される。 分子量: ゲル濾過法では144000であり、SDS PAGE法では72000で
    ある。
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