JP2623362B2 - モノグリセリド、ジグリセリド及び/又はトリグリセリドの回収方法 - Google Patents

モノグリセリド、ジグリセリド及び/又はトリグリセリドの回収方法

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JP2623362B2
JP2623362B2 JP2238803A JP23880390A JP2623362B2 JP 2623362 B2 JP2623362 B2 JP 2623362B2 JP 2238803 A JP2238803 A JP 2238803A JP 23880390 A JP23880390 A JP 23880390A JP 2623362 B2 JP2623362 B2 JP 2623362B2
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ペーテル ジークフリート
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/48Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C67/58Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by liquid-liquid treatment

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、純粋なモノグリセリド、ジグリセリド及び
トリグリセリドの回収法に関する。
従来の技術 モノクリセリド及びジグリセリドは高級脂肪酸とグリ
セロールの部分エステルである。市販品のモノグリセリ
ドはトリエステルを少量含むモノエステルとジエステル
の混合物から成る。グリセロールのモノエステル及びジ
エステルは食用に適することから、それらは乳化剤、安
定化剤、可塑化剤及び濃化剤等としての性質のため食
品、医薬及び化粧品産業の種々の分野で使用されてい
る。種々の目的、特に技術的な目的のため、グリセリド
類の製造中に得られた平衡混合物は、未反応グリセロー
ルの分離の後にそのまま使用されるかもしれない。しか
し、他の分野で使用される場合には純度の高いモノグリ
セリド及びジグリセリドの製造が望ましい。分子蒸留に
より得られた、含有量が90%以上のモノグリセリドは主
として食品工業(めん類、ペストリー、菓子、ベーキン
グ(baking)補助剤、マーガリン、アイスクリーム)に
使用される。
モノグリセリド(5%以下のパルミチン酸/純度90%
のステアリン酸モノグリセリド、又は10%パルミチン酸
/ステアリン酸のモノ/ジグリセリド)の添加により、
ベーキング用のショートニング(スーパーグリセロレイ
ティッドショートニング(superglycerolated shorteni
ngs))の自己乳化特性を達成できる。
“ショートニング”という言葉の文字通りの意味は、
何かを“もろく”乃至“さくさく”させるということで
あり、これらの物質のベーキング特性に由来する。その
特別な構造のため、モノグリセリド類は微粒子として均
一に可塑化された物質の中へ入り込むことにより生地を
調製している間に澱粉やグルテンの可塑化効果を変える
ことができ、このようにしてそれらの構造を破壊し、生
地をより滑らかに、つまりよりもろくする。同時に、そ
れらは空気の混入を促進し、結果として体積が膨張し、
“もろさ”具合が改良されたベーカリー製品が得られ
る。
マーガリンの必須構成成分は食用の脂肪及び油、飲料
水並びに乳化剤である。乳化剤としてはレシチン、卵黄
及び/又は食用脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリ
ドが使用される。
マーガリンは味及び香りを改良する添加剤(フレーバ
ー)、例えば発酵したミルク(sour milk)、スキムミ
ルク、塩、スターチシロップ、クエン酸及び/又は他の
食用酸性物質、ビタミン類及び公に認可された食品用着
色剤(通常カロチン若しくはカロチン含有油)等をも含
む。乳化剤はW/O型エマルジョンを形成させ得るために
マーガリンを製造する際の必須添加物である。モノグリ
セリドと植物のレシチンはそれらが互いに乳化活性を促
進するため最もよく用いられる。各々40%及び90%のC
16/C18脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸及びオレ
イン酸の混和物)のモノグリセリドに対し、各々60%及
び10%のジグリセリドを添加して成る生成物が実際に使
用されている。脂肪相基準でのモノグリセリドの約0.2
%に相当する、0.5%及び0.25%までの添加が通常であ
る。低カロリーマーガリンの製造のため、より高い割合
での乳化剤の添加が一般に要求される。
モノグリセリドとジグリセリドは、グリセロールを脂
肪酸でエステル化することにより得られる。トリグリセ
リドとグリセロールのエステル交換又は触媒の存在下で
のグリセロールと脂肪酸との反応によりグリセロール、
モノ−、ジ−及びトリグリセリド、及び遊離脂肪酸から
成る混合物が得られる。最近導入された手法はトリグリ
セリドの酵素による分解である。上記方法は各々モノグ
リセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの混合物を
生成する。エステル化では、例えば、グリセロールの分
離後に60%のモノグリセリド、35%のジグリセリド及び
5%のトリグリセリドの平衡混合物が得られる。エステ
ル化のための最初の混合物は、生成した平衡混合物の主
生成物がモノグリセリドであるようなものが選択され
る。その混合物は通常分子蒸留によ分離される。高温下
フィルムエバポレータ中でわずかに不均化が起こり、モ
ノグリセリド留分及びジグリセリド留分は少量の他の2
つのエステル及び痕跡量の遊離脂肪酸を含む。その上、
1−モノグリセリドと2−モノグリセリドの比は2−モ
ノグリセリド側にシフトする。
フィルムエバポレータ中での温度で起る不均化反応の
ために、95%以上の純度のモノグリセリドを分子蒸留で
経済的に生産することはできない。しかしながら、99%
又はそれ以上の純度のモノグリセリドに対する広範な関
心が確かに存在する。
モノグリセリドは、モノ−、ジ−及びトリグリセリド
の混合物から濃厚な一酸化炭素を用いて分離させること
が知られている。しかし、上記方法では40℃で350気圧
以上の圧力が要求される。その上、ローティング(load
ing)はあまりに低く(0.5%以下)、高純度のモノグリ
セリドの経済的な回収は不可能である。
ドイツ特許公開第2340566号公報には共留剤(entrain
er)としてアセトンを使用することが提案されている。
ここでは、より容易に溶解する成分としてのモノグリセ
リドは向流抽出中に上端生成物中に入ることになる。し
かし、分離係数は比較的低いため純粋なモノグリセリド
の回収については経済的に興味のあるものはなく、特に
この方法で得られるローディングは0.5%〜1.5%と極め
て低い。その上、生成物からの共留剤としてのアセトン
の分離が必要でこれには時間がかかるものである。
二酸化炭素、亜酸化窒素(N2O)、フッ化イオウ、ト
リフルオロメタン又はテトラフルオロメタンのような超
臨界抽出剤のための共溶媒として、炭化水素を使用する
ことが西独特許出願P3825248号明細書で提案されてい
る。この方法は上記不利益を有しない。しかしながら、
共溶媒(共留剤)及び超臨界成分は一様に流体及び液体
相に分配されない。生成物の回収時において、共溶媒及
び超臨界成分の異なる量が、リサイクルされる抽出剤か
ら除去される。このため、抽出剤の組成を多少複雑な制
御及び分析装置を用いて常時調整する必要がある。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的は単純かつより経済的な方法で純粋なモ
ノグリセリド及び純粋なジグリセリドの回収方法を提供
することにある。
課題を解決するための手段 上記目的は驚くべきことに本発明の方法により達成さ
れる。
本発明は、循環抽出剤を用いて向流抽出によりグリセ
リドの混合物又はグリセロールを含むグリセリドの混合
物から、モノグリセリド及び任意的にジグリセリド及び
/又はトリグリセリド並びに必要に応じてグリセロール
を回収する方法を提供するものである。この方法は、分
離相を形成する抽出剤として180kg/m3を越える密度を有
する炭素数2〜5の炭化水素、及び/又は、180kg/m3
越える密度を有するトリフルオロメタンを分離相(a se
parate phase)を形成する能力がある抽出剤として使用
し、且つ 該抽出剤は二酸化炭素のような溶解性の低い超臨界成
分を実質的に含まず、純粋なモノグリセリド又はモノグ
リセリド及びジグリセリドが分離カラムの底部生成物と
して回収される点に特徴がある。
本発明の方法では、温度及び圧力は、グリセリド混合
物又はグリセロールを含有するグリセリド混合物と抽出
剤との系が、分離カラム (separating column)及び分別カラム (fractionating column)中で2相系で存在するように
選択される。このことは、炭素数2〜5の揮発性の高い
炭化水素の密度が180〜800kg/m3の範囲であるのがよい
ことを意味する。密度がより高い場合、グリセリド混合
物と炭化水素の系は一相系で存在し、分離は不可能とな
る。密度が低い場合抽出剤のローディングが経済的な操
作のためには低くなり過ぎる。
驚くべきことに、提案された上記密度範囲は、一方で
はグリセリド混合物と高度に揮発性の炭化水素との系が
二相系になるようにし、他方では充分な分離能を持つ抽
出剤のローディングが経済的な操作を可能にするもので
ある。本発明の方法では、CO2のような低い溶解性を有
する超臨界成分は二相系を形成するために加える必要は
ない。
本発明の方法によると、エタン、プロパン、ブタン、
ペンタン、エテン、プロペン、ブテンのような低分子量
炭化水素類、トリフルオロメタン又はそれらの混合物を
超臨界抽出剤として使用することにより、高度の分離能
とともに比較的高いローディングが実現される。超臨界
とみなされるにはいかなる物質も、その温度は各圧力下
における臨界温度より高いか、又は、その圧力は各々の
温度における臨界圧力より高い(第1図の斜線部分参
照)。
操作は好ましくはいわゆる“近臨界”(near−critic
al)状態で行われる。“近臨界”とは温度及び圧力が第
1図の斜線部の境界近くになるように選択された操作条
件であることを意味する。例えば、選択された圧力が臨
界圧力を超える場合には、温度が臨界温度以下の操作も
可能である。
本発明の製造方法における好ましい密度の範囲は、炭
化水素の場合200〜800kg/m3であり、トリフルオロメタ
ンの場合300〜1100kg/m3である。
上記密度範囲では、モノグリセリドとジグリセリドの
間の分離能又はジグリセリドとトリグリセリドの間の分
離能は非常に高いので、グリセリド混合物からのモノグ
リセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの分離は1
回の操作で行うことができる。又、この密度範囲ではグ
リセロールを含むグリセリド混合物からモノグリセリ
ド、ジグリセリド及びトリグリセリドを分離することも
可能である。
本発明による方法の他の本質的な利益は、生成物が低
い熱的ストレスしか受けないことである。例えば、C16
及びC18脂肪酸のグリセリドを分子蒸留により分離する
にはエバポレータで約200℃の温度が要求される。これ
に対して、近臨界流体抽出での温度はグリセリドの融点
付近である。例えば、ステアリン酸のグリセリドは70〜
80℃の間で融解する。このように、ステアリン酸のグリ
セリドの分解は90〜110℃で行われる。オレイン酸のグ
リセリドは30℃付近に融点を有し、それらの分離はそれ
ゆえ40〜60℃の間の温度で行われるのが好ましい。本発
明の方法で要求される低い温度は、分子蒸留では普通に
起こるグリセリドの不均化の危険性を著しく減少させ、
その結果モノグリセリド含量が99%〜99.5%の生成物が
得られる。
抽出剤として例えばエタンを使用した場合、グリセリ
ド混合物又はグリセロールを含むグリセリド混合物の分
離のための好適な操作条件は、温度が10〜120℃、好ま
しくは20〜80℃、圧力が50〜500バール、好ましくは100
〜350バールである。
例えば20℃、300気圧におけるエタンの密度は450kg/m
3である。59重量%のオレイン酸モノグリセリド、36重
量%のオレイン酸ジグリセリド、4.6重量%のオレイン
酸トリグリセリド及び0.4%の遊離脂肪酸から成るグリ
セリド混合物と平衡しているエタンのローディングは上
記条件下で1重量%である。温度を約100℃まで上げ、
圧力を約50気圧まで下げると、再生(regeneration)時
の抽出剤のローディングは0.02重量%以下の値まで減少
する。
プロパンを抽出剤として使用したときには、温度40〜
150℃、好ましくは60〜120℃、圧力は40〜350バール、
好ましくは70〜250バールが好条件となる。
例えば110℃、85バールの条件ではプロパンは360kg/m
3の密度を有する。この条件下では、61重量%のステア
リン酸モノグリセリド、35重量%のステアリン酸ジグリ
セリド、3.5重量%のステアリン酸トリグリセリド及び
0.5重量%の遊離脂肪酸から成る混合物と平衡している
プロパンのローディングは5.4重量%になる。温度を約1
20℃まで上げ、圧力を35バールまで下げると再生時の抽
出剤のローディングは0.04重量%以下の値まで減少す
る。
しかし、臨界温度以下の場合であっても、臨界温度は
プロパンの場合には80℃であるが、モノグリセリドはグ
リセリド混合物から分離される。80℃で圧力60バールの
条件ではプロパンは410kg/m3の密度を有する。61重量%
のステアリン酸モノグリセリド、35重量%のステアリン
酸ジグリセリド、3.5重量%のステアリン酸トリグリセ
リド及び0.5重量%の遊離脂肪酸の混合物と平衡してい
るプロパンのローディングは上記条件下では6重量%に
なる。温度を約110℃まで上げ、圧力を約30バールまで
下げるとローディングは0.02重量%以下の値まで減少す
る。この条件下ではプロパンの密度は57kg/m3である。
一般に、抽出剤の密度は再生のためもとの値の1/5〜1
/7まで減少されると言うことができる。
本発明の方法では、西独公開第2340566号公報に記載
の方法とは対照的に、モノグリセリドは向流カラムでの
上端生成物ではなく底部生成物となる。該向流カラムは
以下「分離カラム(separating column)」と記載す
る。抽出物として、カラムの上端部の抽出剤にはジグリ
セリド及びトリグリセリドが含まれ、それらは続いて分
別沈澱により抽出剤から分離される。分別沈澱のために
は2つの分別カラム(fractionating column)が使用さ
れる。ジグリセリドとトリグリセリドの分別分離を行わ
なくてもよい場合には単一の分別カラムで十分である。
分別カラムと同様に分離カラムでは2つの相が存在す
る。分離カラムの上端とリリーフバルブの間では循環抽
出物は単一の相を形成している。圧力を解除すると液体
相として溶解成分が沈澱する。その結果得られた液体相
は分別カラム中で分離する。その後は循環抽出剤は単一
の相として存在する。
本発明の方法による実施態様の一つでは、抽出剤は向
流カラムの底部から上端部へ流れ、分離されるべきグリ
セリド混合物はカラムの中央部又は上端部へと仕込ま
れ、液体相は向流中を下方に向けて流れる。下降してい
る間に後者からジグリセリド及びトリグリセリドが除去
され、その結果底部生成物はモノグリセリド含量が99%
以上のものになる。上端部から出された抽出剤は仕込み
抽料中のジグリセリド及びトリグリセリドを運ぶと共に
痕跡量のモノグリセリドをも移送する。例えば圧力の低
下及び/又は温度の上昇により密度を減少させた後、分
離カラムからの抽出剤は次のカラム(以下「分別カラム
(fractionating column)」という)の中央付近に送ら
れる。密度の減少のためジグリセリドは望ましくはその
分別カラム中で沈澱し、液体相として下方に流下する。
流下の途中で、沈澱した液体からはトリグリセリドが除
去され、結果として得られる底部生成物はジグリセリド
の含有率が高いものとなる。該分別カラムの底部生成物
の一部は分離カラムに再循環され、残りは高純度のジグ
リセリドを含有する生成物として回収される。
分別カラムの上端部から離れた抽出剤は抽料に含まれ
ていたトリグリセリドと少量のジグリセリドを含有す
る。その密度を減少させた後、分別カラムからの抽出剤
は、第三のカラム(以下「再生カラム」という)に供給
される。密度の減少のため、抽出剤に溶解していた難揮
発性物質は再生カラム中で実質上完全に沈澱し、液体相
として下方に移動する。再生カラム中に沈澱したグリセ
リドの一部は、分別カラムにリサイクルしてもよく、残
りは主としてトリグリセリドから成る生成物として回収
される。
循環ガス、つまり、再生カラム中で再生された抽出剤
の一部は、次に、圧力を高くすること及び/又は温度を
低くすることにより密度を適度に上昇させた後、分離カ
ラムの底部に送り込まれ、そこで抽出剤は底部から各カ
ラムの上端まで流れる。同様に、再生された抽出剤の他
の一部は、密度を適度に上昇させた後で分別カラムの底
部に送り込まれる。
このようにして、本発明の方法は一回の操作でモノグ
リセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドの混合物の
分離を可能にし、夫々、高純度のモノグリセリド、ジグ
リセリド又はトリグリセリドを含んだ3つの分画を製造
し、しかも抽出剤の組成を連続補正するための複雑な制
御装置及び分析機器の使用を要しない。
本発明の方法は第2図において概略が示された実施態
様によって例示される。第2図に示される装置は3つの
カラムから成る。その1つである分離カラム1は、グリ
セリド混合物からのモノグリセリドの分離に使用され
る。モノグリセリドは底部生成物として得られる。第2
のカラムは高純度のジグリセリドを分離するための分別
カラムである。第3のカラムは再生カラムであり、循環
ガスから残存する抽出成分の分離に用いられる。あらか
じめグリセロールを除去したグリセリドの混合物は分離
カラムの中央部に送られる。分離カラム中では、循環抽
出剤は好ましくはジグリセリド及びトリグリセリドを運
ぶ。同時にその抽出剤は下方に移動する液体相中に溶解
し、その液体相は徐々にモノグリセリドに富んだものと
なる。
より容易に溶解する成分、すなわちジグリセリド及び
トリグリセリドを含む抽出剤は分離カラム1の上端の拡
大部分(amplifying section)から出て行く。該抽出剤
は圧力リリーフバルブEV1中で膨張し、熱交換器WT1bを
通り抜けた後で分別カラム2の中央部に送られる。密度
を変えるために、分別カラム2の圧力及び温度は、好ま
しくはジグリセリド及び少量のモノグリセリドが分離さ
れるように調節されている。凝縮相(condensed phas
e)は分離カラムの塔底から回収され、生成物P2と再循
環流R1に分けられる。再循環流は熱交換器WT1aを通り、
分離カラム1の上端部に送られる。
分別カラム2からの主としてトリグリセリドを含む抽
出剤は圧力リリーフバルブEV2中で膨張し、熱交換器WT2
bを通って再生カラム3に流れ込む。圧力及び/又は温
度を変えることにより再生カラム3中での密度が減少
し、カラムから流出する抽出剤から難揮発性の成分が取
り除かれる。トリグリセリドの他に遊離脂肪酸と少量の
ジグリセリドを含む擬縮相が再生カラム3の底部から回
収され、生成物P3と再循環流R2に分けられる。再生カラ
ム3からの再循環流は熱交換器WT2aを通り分別カラム2
の上端部に送られる。
再生された抽出剤は再生カラム3の上端から流出し、
熱交換器WT3を通った後でコンプレッサKにより分離カ
ラム1にリサイクルされる。再生循環ガスの一部は圧力
リリーフバルブEV3中で膨張され、分別カラム2の底部
に送り込まれる。
分別カラム2からの底部生成物は高い割合でジグリセ
リドを含む一方、再生カラム3からの底部生成物はトリ
グリセリドに富んでいる。このようにして得られた3つ
の異なる底部生成物は連続的に回収され、膨張した状態
でコンテナに集められる。このように放出されたガス状
抽出剤はコンプレッサにより循環ガスの中へと送られ
る。
抽出剤に溶解した成分の分別が等温条件下で行われる
場合には、分別カラム2中の圧力は分離カラム1の圧力
と比較して約5〜60バール、好ましくは15〜40バール減
じられる。分別はまた等圧条件下で行うこともできる。
この場合、分別カラム2の温度は分離カラム1の温度よ
り10〜80℃、好ましくは20〜50℃上げられる。圧力の減
少と温度の上昇の組合せも可能である。抽出剤は膨張の
み又は膨張と温度上昇の組合せにより再生される。再生
時の圧力は40〜120℃の温度範囲内で、25〜80バールで
ある。
分離カラム1の拡大部分におけるモノグリセリド含量
の低下のために分離カラム中で単一相が形成されるのを
防ぐには、カラムの塔頂付近の温度を上げることが推奨
される。包含される脂肪酸についてのグリセリド混合物
の組成により、カラムの塔頂部と塔底部の間の温度差は
5〜30℃、好ましくは10〜20℃であるのが良い。また、
分別カラム2の塔頂部と塔底部の間でも温度勾配をつけ
ることが望ましい。その場合塔頂部と塔底部の温度差は
5〜40℃、好ましくは10〜30℃であるのが良い。
本発明による方法の他の実施態様は、第3図に図式的
に示されている。そこに示されている装置は、カスケー
ド状乃至連続結合状態の別個の閉鎖サイクルを有する2
つの向流カラムを備えている。
グリセロールを含むグリセリド混合物は第1カラム1
の中央部に送り込まれる。循環する抽出剤が好ましくは
ジグリセリド及びトリグリセリドを溶解するように操作
条件が設定される。同時に、抽出剤は、下方に移動する
液体に溶解し、該液体は、徐々にグリセロール及びモノ
グリセリドに富んだものとなる。底部生成物として得ら
れるものはグリセロールとモノグリセリドの混合物であ
る。グリセロールは水による洗浄又は減圧蒸留により除
去することもできる。
ジグリセリド及びトリグリセリドを含む抽出剤は圧力
リリーフバルブEV1中で膨張し、熱交換器WT1aにより加
熱される。溶解されたジグリセリド及びトリグリセリド
はこのようにして沈澱される。それらグリセリドはサイ
クロン分離器Z1により抽出剤から分離される。液滴が除
去された抽出剤は熱交換器WT1bを通り、循環ガス用コン
プレッサK1によりカラム1の底部に送り込まれる。サイ
クロン分離器Z1で分離された生成物の一部はカラム1の
上端部に再循環流として送られ、残りはカラム2へ送ら
れる。
カラム2の圧力と温度は、トリグリセリドが塔頂生成
物として分離できるように設定される。トリグリセリド
を溶解した抽出剤はカラム2の塔頂部から流出し、圧力
リリーフバルブEV2中で膨張し、熱交換器WT2aで加熱さ
れる。抽出剤に溶解したトリグリセリドはそれにより沈
澱する。サイクロン分離器Z2中において、沈殿した高純
度のトリグリセリドは抽出剤から分離される。再生され
た抽出剤は熱交換器WT2bを通り循環ガスコンプレッサK2
により再度カラム2の底部より上の位置にリサイクルさ
れる。サイクロン分離器により分離された液体はカラム
2用のリサイクル流と生成物P3とに分離される。リサイ
クル流はカラム2中に戻される。カラム2の底部生成物
は高純度で回収されたジグリセリドから成る。
本発明の更に別の実施態様は第4図に示される。ここ
では、その装置は分離カラム1、再生カラム2及びもう
一つの分離カラム3と再生カラム4とから成る。グリセ
リド混合物は、あらかじめ水洗又は蒸留によりグリセロ
ールを除去した状態でカラム1の中央部に送り込まれ
る。圧力と温度は、トリグリセリドがカラムの上端部か
ら抽出剤とともに回収されるべく設定される。トリグリ
セリドを溶解した抽出剤はカラム1の上端から流出し、
圧力リリーフバルブEV1中で膨張し熱交換器WT1bで加熱
される。抽出剤に溶解したトリグリセリドはこのように
して再生カラム2内で分離、沈澱する。トリグリセリド
は底部生成物P2として得られ回収される。トリグリセリ
ドの一部は再循環流R1として分けられ、熱交換器WT1aを
通過後、分離カラム1の上端部に供給される。循環ガス
は再生カラム2から流出され熱交換器WT2を通り、コン
プレッサK1により分離カラム1の底部に送り込まれる。
カラム1からの底部生成物P1は、モノグリセリドとジ
グリセリドとから構成され、コンプレッサにより抽料流
として分離カラム3に送り込まれる。分離カラム3の圧
力と温度は、ジグリセリドが好ましくは循環抽出剤中に
溶解するように設定される。同時に、抽出剤は下方に移
動する液体に溶解し、該液体は徐々にモノグリセリドに
富んだものになる。より容易に溶解するジグリセリドを
運ぶ抽出剤は向流カラム3の上端部の拡大部分から流出
する。そのジグリセリドを運ぶ抽出剤は圧力リリーフバ
ルブEV2中で膨張し、熱交換器WT3bで加熱され、溶解し
ているジグリセリドはこのようにして液滴の形態で沈澱
する。再生カラム4においては、擬縮相は抽出剤から分
離される。擬縮相の一部は熱交換器WT3aを通った後、再
循環流R2としてカラム3の上端部に送られ、残りは生成
物P4として回収される。再生された循環ガスは再生カラ
ムの上端から流出し、熱交換器WT4を通った後、循環ガ
ス用コンプレッサK2によりカラム3の底部に再度送り込
まれる。モノグリセリドはカラム3の底部生成物P3とし
て得られる。
このようにして得られた3つの異なる生成物P2、P3、
P4は連続的に回収され、大気圧まで膨張した状態でコン
テナに集められる。又、放出されたガス状の抽出剤はコ
ンプレッサにより循環ガスの流れに戻される。
等温条件下で操作が行われる場合には、カラム3の圧
力はカラム1の圧力に比べて約5〜60バール、好ましく
は15〜40バール高くする。等圧条件下で操作が行われる
場合にはカラム3の温度はカラム1の温度に比べて10〜
80℃、好ましくは20〜50℃下げられる。つまり、カラム
3中の抽出剤の密度はカラム1の密度よりも高くする。
同じ効果は、温度低下と圧力上昇の組合せによっても得
られる。
カラムの濃縮部分における難溶性成分含量の減少によ
る単一相の形成を防止するには、カラムの底部よりもカ
ラムの上部の温度を上げることが推奨される。包含され
る脂肪酸に関するグリセリド混合物の組成により、上端
部と底部の温度差は5〜40℃、好ましくは10〜30℃の範
囲が良い。
上述の実施態様により、グリセリド混合物及びグリセ
ロールを含むグリセリド混合物は、種々のカラムの中央
部へ送り込まれるのが好ましい。しかしながら、原則と
しては各カラムの上端部又はいくつかの実施態様では底
部と中央部との間の任意の位置に送り込むことも可能で
ある。
本発明の方法は脈動圧力(プレッシャーパルセーショ
ン)を用いて行ってもよい。脈動圧力負荷装置(パルセ
ーションデバイス)は分離カラムの底部よりも上方に配
置されるのが好ましい。その装置は直線運動をするクラ
ンクギアを備えたピストン装置である。カラム容量に対
する置換容量の比は1:40〜1:200の間であることが本発
明の方法にとって極めて望ましい。その脈動圧力負荷装
置は、可変ストローク調節手段だけでなく周期数(freq
uency)調節手段をも有しており、種々の条件に対し最
もよく適合するようになっている。パルス液圧負荷装置
(liguid−pulsator)により得られる体積変化はシヌソ
イド状(サインカーブ状、sinusoidal)である。
原則的には、液−液抽出や精留技術に通常使用される
充填物、例えばラーシッヒリング、荒目金網(wire net
ting)又は細目金網(wire gauze)の充填物、サドルズ
(Saddels)、ワイヤーコイル(Wire coil)等はいずれ
も本発明の方法に使用されるカラムに適している。ズル
ツァーCY(Sulzer CY)のような規則的に配列された荒
目金網の充填物により特に良い結果が得られる。カラム
には多孔板、特にフローオフ シャフト(flow off sha
ft)を有しない多孔板を装備してもよい。
又、向流抽出は回転ディスクカラムを用いて行っても
よい。
〔実施例1〕 59重量%のオレイン酸モノグリセリド、36重量%のオ
レイン酸ジグリセリド、4.6重量%のオレイン酸トリグ
リセリド及び0.4重量%の遊離脂肪酸の混合物を、向流
カラムの上端部に、温度20℃、圧力300バール(密度は4
50kg/m3となる)でポンプを用いて仕込み、抽出剤とし
て純粋なエタンを用いて抽出を行なった。カラムの高さ
は6mで、荒目金網<ズルツァーCY−パッキング(Sulzer
CY−packing)>が充填されていた。カラムの上端部か
ら流出する抽出剤は0.66重量%のローディングを示す。
分離カラムからの抽出剤の流れは、再生カラムの中央
部に送り込まれる。再生条件は54バール、102℃である
(この条件下でのエタンの密度は66kg/m3である。)。
圧力の減少と同時に生じた温度の上昇により、抽出剤の
ローディングは0.02重量%に減少する。再生された抽出
剤は20℃まで冷却される。循環コンプレッサにより前記
再生抽出剤は分離カラムの底部より上の位置へと再循環
される。
このようにして得られる底部生成物は91重量%のモノ
グリセリド、8.5重量%のジグリセリド及び0.5重量%の
遊離脂肪酸を含んでいた。トリグリセリドの濃度は検出
限界である0.1重量%未満であった。再生カラムからの
生成物は21.3重量%のモノグリセリド、68重量%のジグ
リセリド、10重量%のトリグリセリド及び0.7重量%の
遊離脂肪酸を含んでいた。
〔実施例2〕 61重量%のステアリン酸モノグリセリド、35重量%の
ステアリン酸ジグリセリド、3.5重量%のステアリン酸
トリグリセリド及び0.5重量%の遊離脂肪酸から成るグ
リセリド混合物を、温度110℃、圧力85バールで向流カ
ラムの上端部へポンプで送り込み、その中でプロパンを
抽出剤として抽出した。この条件下でのプロパンの密度
は366kg/m3であった。カラムの高さは6mで、荒目金網<
ズルツァーCY−パッキング(Sulzer CY−packing)>を
充填していた。カラムヘッドを離れるときの抽出剤のロ
ーディングは3.8重量%であった。カラムからの抽出剤
を再生カラム中央部に送り込み、その再生条件は35バー
ル、120℃であった。この条件下でプロパンの密度は66k
g/m3であった。圧力を下げると同時に温度を上げること
により、抽出剤のローディングは0.04重量%まで減少し
た。100℃に冷却後、再生された抽出剤はコンプレッサ
により抽出カラムの底部へと再循環された。
分離カラムの底部生成物は99重量%のモノグリセリ
ド、0.7重量%のジグリセリド、0.3重量%の遊離脂肪酸
を含んでいた。トリグリセリドの濃度は検出限界の0.1
%未満であった。再生カラムからの生成物は31.5重量%
のモノグリセリド、61.6重量%のジグリセリド、6.2重
量%のトリグリセリド、0.7重量%の遊離脂肪酸を含ん
でいた。
〔実施例3〕 50重量%のステアリン酸モノグリセリド、37.5重量%
のステアリン酸ジグリセリド、11重量%のステアリン酸
トリグリセリド及び1.5重量%の遊離脂肪酸から成るグ
リセリド混合物を、温度100℃、圧力140バールの条件下
で向流カラムの上端部にポンプで送り込み、エタン及び
プロパンの混合物で抽出した。上記条件下で60%のプロ
パンを含む上記抽出剤は超臨界状態、つまり一相になっ
た。そのときの密度は354kg/m3であった。カラムの高さ
は12mで、荒目金網<ズルツァーCY−充填物(Sulzer CY
−packing)>が装備されていた。カラム上端部からの
抽出剤は1.2重量%のローディングを示した。
分離カラムの上端部から流出した抽出剤を再生カラム
の中央部へと送り込み、40バールにて膨張させ、120℃
に加熱した。このとき、グリセリド及び遊離脂肪酸によ
る抽出剤のローディングは0.03重量%にまで減少した。
この条件下での抽出剤の密度は57kg/m3であった。
再生された抽出剤は100℃まで冷却された。循環用コ
ンプレッサにより、その抽出剤は向流カラムの底部より
上の位置へと送り込まれた。
抽出カラムの底部から回収された生成物は、85重量%
のモノグリセリド、12重量%のジグリセリド、2重量%
のトリグリセリド及び1重量%の遊離脂肪酸を含んでい
た。再生カラムからの生成物は、35重量%のモノグリセ
リド、48重量%のジグリセリド、15重量%のトリグリセ
リド及び2重量%の遊離脂肪酸を含んでいた。
〔実施例4〕 59重量%のオレイン酸モノグリセリドと、36重量%の
オレイン酸ジグリセリドと4.3重量%のオレイン酸トリ
グリセリドと0.7重量%遊離脂肪酸からなるグリセリド
混合物を、温度60℃、圧力80バールの条件下で向流カラ
ムのヘッドにポンプで送り込んだ。そして、上記混合物
はプロパンで抽出され、プロパンの密度は上記条件下で
465kg/m3であった。
カラムは6mの高さを有し、荒目金網<ズルツァーCY−
パッキング(Sulzer CY−packing)>が充填されてい
た。揮発性の低い成分を含む抽出剤のローディングは5.
7重量%であった。
カラムの上端からの抽出剤は再生カラムの中央部へ送
り込まれた。再生条件は35バール、100℃であり、この
条件下でのプロパンの密度は83kg/m3であった。圧力を
下げると同時に温度を上げることにより、抽出剤のロー
ディングは0.06重量%にまで減少した。再生された抽出
剤は、60℃まで冷却後、循環用コンプレッサにより抽出
カラムの底部より上の位置にリサイクルされた。
分離カラムからの底部生成物は、99.5重量%のモノグ
リセリド、0.3重量%のジグリセリド、0.2重量%の遊離
脂肪酸を含んでいた。トリグリセリドの濃度は検出限界
の0.1重量%未満であった。再生カラムからの生成物
は、9.5重量%のモノグリセリド、80.5重量%のジグリ
セリド、9重量%のトリグリセリド及び1重量%の遊離
脂肪酸を含んでいた。
〔実施例5〕 58重量%のステアリン酸モノグリセリド、38重量%の
ステアリン酸ジグリセリド、3.5重量%のステアリン酸
トリグリセリド及び0.5重量%遊離脂肪酸から成るグリ
セリドの混合物を、温度110℃、圧力85バールの条件下
で向流カラム底部から1mの高さの位置にポンプで送り込
み、そのカラム内で抽出を行なった。純粋なプロパンが
抽出剤として使用された。その抽出剤の密度は上記条件
下で370kg/m3であった。カラムの高さは6mで、荒目金網
<ズルツァーCY−パッキング(Sulzer CY−packing)>
が備えられていた。グリセリドによる抽出剤のローディ
ングは4重量%であった。
カラムの上端からの抽出剤は再生カラムへと送り込ま
れた。再生条件は34.5バール、120℃であった。この条
件下でのプロパンの密度は66kg/m3であった。圧力を下
げると同時に加熱を行うことにより抽出剤のローディン
グは 0.04重量%にまで減少した。
このようにして再生された抽出剤は100℃まで冷却さ
れ、循環用コンプレッサにより抽出カラムの底部へと再
循環された。再生カラムで得られた生成物の一部はポン
プで分離カラムの上端部へ戻された。再生カラムからの
生成物は、5重量%のモノグリセリド、51.5重量%のジ
グリセリド、42重量%のトリグリセリド及び1.5重量%
の遊離脂肪酸を含んでいた。
このようにして得られた底部生成物は、62.8重量%の
モノグリセリド、36.8重量%のジグリセリド、0.4重量
%の遊離脂肪酸を含んでいた。トリグリセリド濃度は、
最低検出限界の0.1重量%未満の近傍であった。
第2段階として、第1カラムの底部生成物を、温度11
0℃、圧力85バールの条件下で第2向流カラムの中央部
へポンプで送り込み、その中で抽出を行なった。抽出剤
としては、プロパンが使用された。カラムの高さは12m
で、荒目金網<ズルツァーCY−パッキング(Sulzer CY
−packing)>が備えられていた。グリセリドによる抽
出剤のローディングは3.4重量%であった。
第2分離カラムの上端からの抽出剤は、第2再生カラ
ムに流入された。再生条件は34.5バール、120℃であっ
た。圧力を下げると同時に加熱することにより抽出剤の
ローディングは0.04重量%にまで減少した。このように
して再生された抽出剤は、100℃に冷却された第2循環
用コンプレッサにより第2抽出カラムの底部に送られ
た。
第2再生カラムで得られた生成物の一部は、第2分離
カラムの上端部へ再循環された。
再生カラムからの生成物は7.4重量%のモノグリセリ
ド、90重量%のジグリセリド、0.6重量%の遊離脂肪酸
を含んでいた。トリグリセリドの濃度は2重量%であっ
た。
底部生成物は99重量%のモノグリセリド、0.7重量%
のジグリセリド、0.3重量%の遊離脂肪酸を含んでい
た。トリグリセリドの濃度は検出限界である0.1重量%
未満であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は各圧力、温度条件下における物質の状態を示
し、第2図〜第4図は本発明の実施態様を示す。 第2図において、1……分離カラム、2……分別カラ
ム、3……再生カラムを示す。 第3図において、1……第1カラム、2……カラムを示
す。 第4図において、1……分離カラム、2……再生カラ
ム、3……分離カラム、4……再生カラムを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウルリッヒ エンダー 西ドイツ国 8520 エアランゲン ザン クト ヨーハン 6 (72)発明者 エクハルト ヴァイトナー 西ドイツ国 8520 エアランゲン アム ドルフヴァイヘアー 9 (56)参考文献 特開 昭62−29550(JP,A) 特開 昭63−208549(JP,A) 特開 昭63−119489(JP,A) 米国特許4345976(US,A) Separation Scienc e and Technology,17 [1](1982),199−214 「化学装置」26[3](1984),59− 66

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】向流抽出によりグリセリドの混合物、及び
    グリセロールを含むグリセリドの混合物から、モノグリ
    セリド、ジグリセリド、トリグリセリド、グリセロール
    およびその混合物からなる群から選ばれるいずれか1種
    を回収する方法であって、グリセリドの混合物、及びグ
    リセロールを含むグリセリドの混合物を好適な温度およ
    び圧力条件下に分離相を形成する循環抽出剤を用いて抽
    出する工程を含み、該抽出剤が実質的に炭素数3以上の
    炭素原子鎖を有する炭化水素の1種または2種以上から
    なり、該抽出剤が180kg/m3を越える密度を有する方法。
  2. 【請求項2】向流抽出によりグリセリドの混合物、及び
    グリセロールを含むグリセリドの混合物から、モノグリ
    セリド、ジグリセリド、トリグリセリド、グリセロール
    およびその混合物からなる群から選ばれるいずれか1種
    を回収する方法であって、グリセリドの混合物、及びグ
    リセロールを含むグリセリドの混合物を好適な温度およ
    び圧力条件下に分離相を形成する、溶解性の低い超臨界
    成分を含まない循環抽出剤を用いて抽出する工程を含
    み、該抽出剤が炭素数3以上の炭素原子鎖を有する炭化
    水素の1種または2種以上を含み、該循環抽出剤が180k
    g/m3を越える密度を有する方法。
  3. 【請求項3】前記炭化水素の密度が200kg/m3〜800kg/m3
    である請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記炭化水素が、プロパン、ブタン、ペン
    タンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれるいず
    れかである請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】モノグリセリド及びジグリセリドが分離カ
    ラムの底部生成物として回収され、トリグリセリドを含
    有する抽出相が前記分離カラムの上端部から抜き出され
    る請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】ジグリセリド及びトリグリセリドが濃縮さ
    れた抽出相を、少なくとも1つのさらに続く分別カラム
    中の密度の段階的減少により各種グリセリドに分離する
    ことを含む請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】モノグリセリド及びジグリセリドを含む底
    部生成物をさらに分離カラムに供給することを含む請求
    項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】グリセロールを含むグリセリドの混合物か
    ら、グリセロールおよびモノグリセリドが第1向流カラ
    ムの底部生成物として得られ、抽出剤から沈殿後に上端
    部生成物から得られるジグリセリドおよびトリグリセリ
    ドがさらに精製するため閉じられた分離サイクルで第2
    向流カラムに送られ、そのカラムからジグリセリドが底
    部生成物として得られ、トリグリセリドが上端部生成物
    として得られる請求項2に記載の方法。
  9. 【請求項9】向流抽出を、脈動圧力下に充填カラム中で
    行う請求項2に記載の方法。
  10. 【請求項10】向流抽出を、フローオフシャフトを有し
    ない多孔板を備えたカラム中で行い、下方に流れる液体
    相を脈動圧力を用いて前記多孔板を通って輸送する請求
    項2に記載の方法。
  11. 【請求項11】向流抽出を、回転ディスクカラム中で行
    う請求項2に記載の方法。
  12. 【請求項12】操作条件下で液体の脂肪酸グリセリドの
    混合物、及びグリセロールと脂肪酸グリセリドの混合物
    を分離相を形成する循環抽出剤と向流分離カラム中で接
    触させることにより、該グリセリドの混合物、及びグリ
    セロールと該グリセリドの混合物を分離し、モノグリセ
    リド、ジグリセリド、トリグリセリド、グリセロールお
    よびその混合物からなる群から選ばれるいずれか1種を
    回収する方法であって、該抽出剤がエントレナーを含ま
    ず、実質的に炭素数3以上の炭素原子鎖を有する炭化水
    素およびその混合物からなり、抽出が10〜160℃の温度
    および該炭化水素抽出剤が180kg/m3〜800kg/m3の密度を
    有しモノグリセリドの濃縮された底部生成物およびジグ
    リセリドおよびトリグリセリドを含む抽出相を得るよう
    に選択された圧力で行われる方法。
  13. 【請求項13】操作条件下で液体の脂肪酸グリセリドの
    混合物を、分離相を形成する循環抽出剤と向流分離カラ
    ム中で接触させることにより、該グリセリド混合物を分
    離し、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド
    およびその混合物からなる群から選ばれるいずれか1種
    を回収する方法であって、該抽出剤がエントレナーを含
    まず、実質的に炭素数3以上の炭素原子鎖を有する炭化
    水素およびその混合物からなり、抽出が10〜160℃の温
    度および該炭化水素抽出剤が180kg/m3〜800kg/m3の密度
    を有しモノグリセリドの実質的に純粋な底部生成物およ
    びジグリセリドおよびトリグリセリドを含む抽出相を得
    るように選択された圧力で行われる方法。
  14. 【請求項14】操作条件下で液体の脂肪酸グリセリドの
    混合物、及びグリセロールとグリセリドの混合物を、分
    離相を形成する循環抽出剤と向流分離カラム中で接触さ
    せることにより、該グリセリド混合物及びグリセロール
    とグリセリドの混合物を分離し、モノグリセリド、ジグ
    リセリド、トリグリセリド、グリセロールおよびその混
    合物からなる群から選ばれるいずれか1種を回収する方
    法であって、該抽出剤がエントレナーを含まず、実質的
    にプロパン、ブタンおよびその混合物からなる群から選
    ばれるいずれか1種からなり、該抽出が10〜160℃の温
    度および該炭化水素抽出剤が180kg/m3〜800kg/m3の密度
    を有しモノグリセリドの濃縮された生成物およびジグリ
    セリドおよびトリグリセリドの濃縮された抽出相に分離
    するように選択された圧力で行われる方法。
  15. 【請求項15】操作条件下で液体の脂肪酸グリセリドの
    混合物、及びグリセロールとグリセリドの混合物を、分
    離相を形成する循環抽出剤と脈動圧力下の向流充填カラ
    ム中で接触させ、該グリセリド混合物、及びグリセロー
    ルとグリセリドの混合物を分離し、モノグリセリド、ジ
    グリセリド、トリグリセリド、グリセロールおよびその
    混合物からなる群から選ばれるいずれか1種を回収する
    方法であって、該抽出剤がエントレナーを含まず、実質
    的にプロパン、ブタン、ペンタンおよびその混合物から
    なるいずれか1種からなり、該抽出が10〜160℃の温度
    および該抽出剤が180kg/m3〜800kg/m3の密度を有するよ
    うな250バールまでの圧力で行なわれ、さらに、分離カ
    ラムのモノグリセリドの濃縮された底部生成物を分離
    し、分離カラムの上端部生成物として得られたジグリセ
    リド及びトリグリセリドの濃縮された残りの抽出物を引
    き続く分別カラムに供給し、抽出剤の密度を減少させた
    後ジグリセリドを底部生成物として前記分別カラムから
    分離し、トリグリセリドを含む前記第1分別カラムの上
    端部生成物を第二分別カラムに供給し、さらに密度を減
    少させた後前記第2分別カラムからトリグリセリドを分
    離し、分別カラムで形成された各底部生成物の一部を再
    循環流として先行するカラムの上端部に供給することを
    含む方法。
  16. 【請求項16】操作条件下で液体の、脂肪酸グリセリド
    の混合物、及びグリセロールと脂肪酸グリセリドの混合
    物を、下方に流れる液体相を脈動圧力を用いて前記多孔
    板を通って輸送する、フローオフシャフトを有しない多
    孔板を備えた向流カラム中で、分離相を形成する循環抽
    出剤と接触させて分離し、モノグリセリド、ジグリセリ
    ド、トリグリセリド、グリセロールおよびその混合物か
    らなる群から選ばれるいずれか1種を回収する方法であ
    って、該抽出剤が実質的にブタンからなり、抽出が10〜
    160℃の温度および該抽出剤が180kg/m3〜800kg/m3の密
    度を有するような250バールまでの圧力で行なわれ、さ
    らに、純粋なモノグリセリドが底部生成物として得られ
    る分離カラム中の底部生成物を分離し、該分離カラムの
    上端部からジグリセリド及びトリグリセリドを含む抽出
    物を抜き出し、該上端部生成物をモノグリセリドの分離
    後に引き続く分別カラムに供給し、該ジグリセリドを抽
    出剤の密度を減少させた後前記分別カラムから底部生成
    物として分離し、さらに密度を減少させ第2分別カラム
    中で前記第1分別カラムの上端部生成物からの該トリグ
    リセリドを分離し、分別カラム中に形成された各底部生
    成物を再循環流として先行するカラムの上端部に供給す
    る方法。
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