JP2621443B2 - 金属珪素の製造方法 - Google Patents
金属珪素の製造方法Info
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- JP2621443B2 JP2621443B2 JP31121788A JP31121788A JP2621443B2 JP 2621443 B2 JP2621443 B2 JP 2621443B2 JP 31121788 A JP31121788 A JP 31121788A JP 31121788 A JP31121788 A JP 31121788A JP 2621443 B2 JP2621443 B2 JP 2621443B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属珪素(以下、単に『金属Si』という。)
の製造方法に係り、詳しくは、純度99.999%以上の高純
度を要求される太陽電池用シリコンを粉状のSiO2等を用
いて経済的にしかも効率良く製造する方法に関する。
の製造方法に係り、詳しくは、純度99.999%以上の高純
度を要求される太陽電池用シリコンを粉状のSiO2等を用
いて経済的にしかも効率良く製造する方法に関する。
[従来の技術] 従来から、珪石(SiO2)及び炭素から金属Siを製造す
る際に、アーク炉を用いて金属Siあるいはフェロシリコ
ンを製造する方法が一般的な工業的製造法として利用さ
れている。
る際に、アーク炉を用いて金属Siあるいはフェロシリコ
ンを製造する方法が一般的な工業的製造法として利用さ
れている。
この方法では、炉内装入物層での通気の確保や、炉内
高温部でSiの生成反応を効率よく起こさせるために、塊
状の珪石(SiO2)の利用が不可欠である。ところで、近
年、高純度の金属Siが太陽電池等に利用され、その金属
Siには99.999%以上という高純度が要求されている。こ
のような高純度の金属Siを製造するための原料としては
それだけ純度の高いものが必要となり、天然の珪石(Si
O2)を精製したSiO2が使用されているのであるが、この
ような精製したSiO2は粉末状あるいは数mm以下という細
かい粒状原料となり、従来方法ではそのまま利用でき
ず、更に、塊成化などの工程を加えることが必要にな
り、経済的にも、不純物の混入の点からも不利である。
高温部でSiの生成反応を効率よく起こさせるために、塊
状の珪石(SiO2)の利用が不可欠である。ところで、近
年、高純度の金属Siが太陽電池等に利用され、その金属
Siには99.999%以上という高純度が要求されている。こ
のような高純度の金属Siを製造するための原料としては
それだけ純度の高いものが必要となり、天然の珪石(Si
O2)を精製したSiO2が使用されているのであるが、この
ような精製したSiO2は粉末状あるいは数mm以下という細
かい粒状原料となり、従来方法ではそのまま利用でき
ず、更に、塊成化などの工程を加えることが必要にな
り、経済的にも、不純物の混入の点からも不利である。
これを解決する手段として、特開昭57−11223号に示
される方法が提案されているが、この方法でも、炉に装
入するSiO2原料の一部は3〜12mmという塊状のSiO2であ
る必要があり、十分に満足し得る効果が得られない。
される方法が提案されているが、この方法でも、炉に装
入するSiO2原料の一部は3〜12mmという塊状のSiO2であ
る必要があり、十分に満足し得る効果が得られない。
粉状のSiO2を原料として利用できる改良方法として
は、特開昭61−117110号に開示される方法がある。この
方法は、炭素若しくは炭素含有物質またはこれらのうち
少なくとも一方とSiC若しくはSiO2のうちの少なくとも
一方との混合物(炭素系原料)が充填されたアーク炉内
で、その1800℃以上の高温領域、つまりSiO2の還元によ
る金属Siの生成反応が主に起る高温領域に、SiO2あるい
はSiOの細粒あるいは粉末を直接吹込み、このSiO2また
はSiOを炭素あるいはSiCと高温下で反応させて金属Siを
製造するものである。この方法によれば、従来の問題点
を解決し、高純度の金属Siの製造に、国産の低品位SiO2
を精製して純度を向上させた粉状のSiO2を原料として利
用できるため、従来のガス化法に依存せずに、太陽電池
用の高純度Siを安価かつ効率的に大量生産することがで
きる。
は、特開昭61−117110号に開示される方法がある。この
方法は、炭素若しくは炭素含有物質またはこれらのうち
少なくとも一方とSiC若しくはSiO2のうちの少なくとも
一方との混合物(炭素系原料)が充填されたアーク炉内
で、その1800℃以上の高温領域、つまりSiO2の還元によ
る金属Siの生成反応が主に起る高温領域に、SiO2あるい
はSiOの細粒あるいは粉末を直接吹込み、このSiO2また
はSiOを炭素あるいはSiCと高温下で反応させて金属Siを
製造するものである。この方法によれば、従来の問題点
を解決し、高純度の金属Siの製造に、国産の低品位SiO2
を精製して純度を向上させた粉状のSiO2を原料として利
用できるため、従来のガス化法に依存せずに、太陽電池
用の高純度Siを安価かつ効率的に大量生産することがで
きる。
即ち、アーク炉内で金属Siを製造する際に、総括的に
は次のの反応によって金属Siが製造されている。
は次のの反応によって金属Siが製造されている。
SiO2+2C→Si+2CO …… 実際には式の反応は、次の〜の各素反応に分解
され、これらの素反応が併行して起って、金属Siが生成
するものと考えられる。
され、これらの素反応が併行して起って、金属Siが生成
するものと考えられる。
SiO2+C→SiO+CO …… SiO+2C→SiC+CO …… SiO2+3C→SiC+2CO …… SiO+C→Si+CO …… SiC+SiO2→Si+SiO+CO …… Si+SiO2→2SiO …… SiO+SiC→2Si+CO …… SiC+2SiO2→3SiO+CO …… このような反応が起っているアーク炉において粉状の
SiO2を使用すると、このSiO2は塊状のSiO2(珪石)に比
較して反応性が良いことから、アーク火点域で式の反
応が起こり、これにより多量のSiOを発生する。このSiO
は蒸気圧が高く外部に飛散し易いことから、歩留り低下
を引きおこす。更に、残りのSiO2は式の反応によって
SiCとなって炉底に沈積固化して操業トラブルの原因と
なる。このため、従来においては、高純度に精製された
粉状のSiO2から高純度の金属Siを効率良く得ることは困
難であった。
SiO2を使用すると、このSiO2は塊状のSiO2(珪石)に比
較して反応性が良いことから、アーク火点域で式の反
応が起こり、これにより多量のSiOを発生する。このSiO
は蒸気圧が高く外部に飛散し易いことから、歩留り低下
を引きおこす。更に、残りのSiO2は式の反応によって
SiCとなって炉底に沈積固化して操業トラブルの原因と
なる。このため、従来においては、高純度に精製された
粉状のSiO2から高純度の金属Siを効率良く得ることは困
難であった。
特開昭61−117110号の方法の如く、アーク炉内にその
炉頂から炭素若しくはピッチあるいは有機化合物などの
炭素含有物あるいはこれらのうちの少なくとも一方とSi
C若しくはSiO2のうちの少なくとも一方との混合物を装
入し、しかも、炉内の最高温度を示すアーク火点に直接
SiO2粉末を吹込むと、式、式あるいは式の反応に
より金属Siの他にガス状のSiOがアーク火点付近で生成
する。このSiOは炉上部から装入されるC又はSiC(炉上
部よる装入されるSiO2と炭素の混合物は式の反応によ
り炉内ではSiCとなる。)と、式、式に示す反応を
起こし、SiC又は金属Siを生成し、ここで生成したSiCは
新たに火点に吹込まれたSiO2又はSiOと再び式又は
式の反応によって金属Siを生成するため、金属Si歩留り
が大幅に改善され、さらに、火点に吹き込むSiO2又はSi
Oの量を調整することで式又は式の反応により炉底
でのSiCの消費量を調整でき、炉底へのSiCの沈積固化に
よるトラブルの防止を図ることができる。このように上
記特開昭61−117110号の方法によれば、高純度金属Siの
製造を、ある程度工業的有利に行なうことができる。
炉頂から炭素若しくはピッチあるいは有機化合物などの
炭素含有物あるいはこれらのうちの少なくとも一方とSi
C若しくはSiO2のうちの少なくとも一方との混合物を装
入し、しかも、炉内の最高温度を示すアーク火点に直接
SiO2粉末を吹込むと、式、式あるいは式の反応に
より金属Siの他にガス状のSiOがアーク火点付近で生成
する。このSiOは炉上部から装入されるC又はSiC(炉上
部よる装入されるSiO2と炭素の混合物は式の反応によ
り炉内ではSiCとなる。)と、式、式に示す反応を
起こし、SiC又は金属Siを生成し、ここで生成したSiCは
新たに火点に吹込まれたSiO2又はSiOと再び式又は
式の反応によって金属Siを生成するため、金属Si歩留り
が大幅に改善され、さらに、火点に吹き込むSiO2又はSi
Oの量を調整することで式又は式の反応により炉底
でのSiCの消費量を調整でき、炉底へのSiCの沈積固化に
よるトラブルの防止を図ることができる。このように上
記特開昭61−117110号の方法によれば、高純度金属Siの
製造を、ある程度工業的有利に行なうことができる。
ところで、上記製造方法において、通常、炉頂から供
給されたカーボンペレットは主にアーク火点付近の反応
で発生したSiOと反応し、シャフト下部では一部Siと共
存したSiCペレットなっている。また、一部カーボンが
未反応で残っていることもある。これらの炉頂から供給
されたペレット及び反応したペレットは「原料装入物」
と称されることがある。
給されたカーボンペレットは主にアーク火点付近の反応
で発生したSiOと反応し、シャフト下部では一部Siと共
存したSiCペレットなっている。また、一部カーボンが
未反応で残っていることもある。これらの炉頂から供給
されたペレット及び反応したペレットは「原料装入物」
と称されることがある。
しかして、上記従来法において、長時間安定して連続
操業を行なうためには、シャフト内の原料装入物(炭素
系原料)がアーク炉に円滑に供給される必要がある。
操業を行なうためには、シャフト内の原料装入物(炭素
系原料)がアーク炉に円滑に供給される必要がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の方法では、原料装入物(炭
素系原料)のシャフト内及び炉内での下方移動が円滑に
行なわれない、即ち、荷下りし難いという欠点があっ
た。
素系原料)のシャフト内及び炉内での下方移動が円滑に
行なわれない、即ち、荷下りし難いという欠点があっ
た。
これは、次のような理由による。
従来の方法に従って操業を続けていると、アーク火点
付近の高温部で生成したSiC蒸気の凝縮と、前記式の
逆反応 2Si+CO→SiC+SiO により、ペレット間にSiCが析出し結果として各ペレッ
ト相互が固着する。この固着層は「棚」と呼ばれるが、
この棚が形成されると原料装入物の自然荷下りは阻害さ
れる。この棚の強度が低い内は炉頂からカーボン棒で突
き下げるポーキング作業により原料装入物を荷下りさせ
ることが可能であるが、更にペレット間の固着が進み、
強固な棚が形成されると、最早ポーキング作業でも荷下
りさせることはできず、結果として操業を中止せざるを
得なくなる。従来法においては、通常数十時間(20〜40
時間)でポーキング作業でも荷下りしない棚が形成さ
れ、その後通常10時間以内に操業中止に陥っていた。
(なお、生成したSiも各ペレットの相互固着の原因とは
なるが、強固な棚を形成するには至らない。) 本発明は上記従来の問題点を解決し、原料装入物の荷
下りを継続させ、長期にわたって安定した連続操業を可
能とする金属Siの製造方法を提供することを目的とす
る。
付近の高温部で生成したSiC蒸気の凝縮と、前記式の
逆反応 2Si+CO→SiC+SiO により、ペレット間にSiCが析出し結果として各ペレッ
ト相互が固着する。この固着層は「棚」と呼ばれるが、
この棚が形成されると原料装入物の自然荷下りは阻害さ
れる。この棚の強度が低い内は炉頂からカーボン棒で突
き下げるポーキング作業により原料装入物を荷下りさせ
ることが可能であるが、更にペレット間の固着が進み、
強固な棚が形成されると、最早ポーキング作業でも荷下
りさせることはできず、結果として操業を中止せざるを
得なくなる。従来法においては、通常数十時間(20〜40
時間)でポーキング作業でも荷下りしない棚が形成さ
れ、その後通常10時間以内に操業中止に陥っていた。
(なお、生成したSiも各ペレットの相互固着の原因とは
なるが、強固な棚を形成するには至らない。) 本発明は上記従来の問題点を解決し、原料装入物の荷
下りを継続させ、長期にわたって安定した連続操業を可
能とする金属Siの製造方法を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の金属Siの製造方法は、主原料としてのSiO2又
はSiOの吹込用ノズルを有するアーク炉の上側にシャフ
ト部が設けられ、このシャフト部には加熱装置が付設さ
れている装置を用い、該アーク炉内にこのシャフト部か
ら炭素系原料を供給すると共に、SiO2又はSiOを前記ノ
ズルからアーク火点域に供給して金属珪素を製造する方
法において、製造工程途中に、該シャフト部の炭素系原
料中の棚生成相当部に前記主原料とは別個にSiO2及び/
又はSiOを供給することを特徴とする。
はSiOの吹込用ノズルを有するアーク炉の上側にシャフ
ト部が設けられ、このシャフト部には加熱装置が付設さ
れている装置を用い、該アーク炉内にこのシャフト部か
ら炭素系原料を供給すると共に、SiO2又はSiOを前記ノ
ズルからアーク火点域に供給して金属珪素を製造する方
法において、製造工程途中に、該シャフト部の炭素系原
料中の棚生成相当部に前記主原料とは別個にSiO2及び/
又はSiOを供給することを特徴とする。
[作用] 前記従来の、シャフト部内に炭素及び/又は炭素含有
物質と、SiC及び/又はSiO2との混合物を充填し、シャ
フト部下方のアーク炉内にSiO2及び/又はSiOを吹込む
方法においては、シャフト部内で温度が低くかつSiO分
圧の低い部分が生じるためその部分にSiC蒸気の凝縮や 2Si+CO→SiC+SiO の反応によってSiCの析出が生じる。SiCの析出はシャフ
ト内原料(ペレット)の固着を生じ、次第に強固な塊と
なって棚を形成する。
物質と、SiC及び/又はSiO2との混合物を充填し、シャ
フト部下方のアーク炉内にSiO2及び/又はSiOを吹込む
方法においては、シャフト部内で温度が低くかつSiO分
圧の低い部分が生じるためその部分にSiC蒸気の凝縮や 2Si+CO→SiC+SiO の反応によってSiCの析出が生じる。SiCの析出はシャフ
ト内原料(ペレット)の固着を生じ、次第に強固な塊と
なって棚を形成する。
シャフト部内に原料(ペレット)としてSiO2及び/又
はSiOが含まれていても、棚生成相当部に到達する以前
に SiO2+3C→SiC+2CO SiO+2C→SiC+CO の反応によってその大部分が消費されてしまうため、棚
部にSiO2及び/又はSiOが供給されることは難しい。
はSiOが含まれていても、棚生成相当部に到達する以前
に SiO2+3C→SiC+2CO SiO+2C→SiC+CO の反応によってその大部分が消費されてしまうため、棚
部にSiO2及び/又はSiOが供給されることは難しい。
本発明の方法によれば、シャフト内の炭素系原料中の
棚生成相当部に、SiO2及び/又はSiOが供給されるた
め、 式:SiC+SiO2→Si+SiO+CO 式:Si+SiO2→2SiO 式:SiO+SiC→2Si+CO 式:SiC+2SiO2→3SiO+CO の反応に従って、各ペレット間のSiCがSiO2及び/又はS
iOと反応することにより減少する。このため、強化な棚
の形成が防止される。
棚生成相当部に、SiO2及び/又はSiOが供給されるた
め、 式:SiC+SiO2→Si+SiO+CO 式:Si+SiO2→2SiO 式:SiO+SiC→2Si+CO 式:SiC+2SiO2→3SiO+CO の反応に従って、各ペレット間のSiCがSiO2及び/又はS
iOと反応することにより減少する。このため、強化な棚
の形成が防止される。
従って、本発明によれば、原料装入物の荷下りが行な
われるようになり長期間安定して連続操業を行なうこと
が可能とされる。
われるようになり長期間安定して連続操業を行なうこと
が可能とされる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。
説明する。
第1図は本発明の実施に好適な横型電極式アーク炉を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
図中、符号1で示すアーク炉は黒鉛るつぼが内装され
るか又は黒鉛質耐火物で内張りされ、その内部には黒鉛
電極2及び3が挿入されている。符号5は、黒鉛電極
2、3で形成されるアーク火点4へ向けて主原料として
のSiO2又はSiOを供給するためのノズルである。アーク
炉1の上部側にはシャフト部6が立設され、その外部に
は、シャフト部6を任意の温度分布に加熱するための加
熱帯(例えばカーボン製ヒーター)7が設けられてい
る。加熱帯7は温度分布のコントロールを良くするた
め、通常は複数の加熱帯から成っている。そして、シャ
フト部6内の原料装入物(炭素系原料)8内の上部は、
操業途中に原料山に生成する棚を突くためのポーキング
棒及び棚の上部にSiO及び/又はSiO2を供給するパイプ
を原料中に挿入するための開閉可能な挿入部を設けた煙
突構造となっている。
るか又は黒鉛質耐火物で内張りされ、その内部には黒鉛
電極2及び3が挿入されている。符号5は、黒鉛電極
2、3で形成されるアーク火点4へ向けて主原料として
のSiO2又はSiOを供給するためのノズルである。アーク
炉1の上部側にはシャフト部6が立設され、その外部に
は、シャフト部6を任意の温度分布に加熱するための加
熱帯(例えばカーボン製ヒーター)7が設けられてい
る。加熱帯7は温度分布のコントロールを良くするた
め、通常は複数の加熱帯から成っている。そして、シャ
フト部6内の原料装入物(炭素系原料)8内の上部は、
操業途中に原料山に生成する棚を突くためのポーキング
棒及び棚の上部にSiO及び/又はSiO2を供給するパイプ
を原料中に挿入するための開閉可能な挿入部を設けた煙
突構造となっている。
かかる構成の装置において、シャフト部6内に上方よ
り炭素系原料を供給すると共に、ノズル5からSiO2又は
SiOをAr、H2等のキャリアーガスを用いて吹き込むと、
アーク炉1内では前記〜の反応によってSi、SiO等
が生じる。Siは炉底に溶融Siとして貯留され、必要に応
じてタッピング口(図示略)から抜き出される。SiOは
アーク炉1内の高温雰囲気下ではガス状であり、炉体内
を上昇し、シャフト部6内に流入する。シャフト部6内
では灯頂から供給された炭素系原料とSiOを反応させ、
式、即ちSiO+2C→SiC+COの反応を利用して炉外へ飛
散するSiO量を減少させることにより、Siの収率向上を
図っている。
り炭素系原料を供給すると共に、ノズル5からSiO2又は
SiOをAr、H2等のキャリアーガスを用いて吹き込むと、
アーク炉1内では前記〜の反応によってSi、SiO等
が生じる。Siは炉底に溶融Siとして貯留され、必要に応
じてタッピング口(図示略)から抜き出される。SiOは
アーク炉1内の高温雰囲気下ではガス状であり、炉体内
を上昇し、シャフト部6内に流入する。シャフト部6内
では灯頂から供給された炭素系原料とSiOを反応させ、
式、即ちSiO+2C→SiC+COの反応を利用して炉外へ飛
散するSiO量を減少させることにより、Siの収率向上を
図っている。
ところで、このような反応に従って、操業を続けてい
ると、前述した反応により棚10が形成され、シャフト部
6内の原料装入物(炭素系原料)8の荷下りが阻害され
る。この棚10は、初めのうちは、上部から原料内にカー
ボン棒を挿入し、該棒で棚を突くポーキング作業でくず
すことができるが、数十時間操業を続けると、該ポーキ
ング作業でも最早原料装入物8の荷下りが不可能とな
り、結果としてその後10時間以内に操業を中止せざるを
得なくなる。しかしながら、くずすことができない棚が
形成された後にでも本発明の方法によればパイプ9より
棚形成部近傍へSiO2及び/又はSiOを供給するので、強
固な棚形成の原因となる各ペレット間のSiCがこのSiO2
及び/又はSiOと、前記〜式の反応により反応す
る。このためSiCが減少し、この結果、強固な棚の形成
を解消させることができる。
ると、前述した反応により棚10が形成され、シャフト部
6内の原料装入物(炭素系原料)8の荷下りが阻害され
る。この棚10は、初めのうちは、上部から原料内にカー
ボン棒を挿入し、該棒で棚を突くポーキング作業でくず
すことができるが、数十時間操業を続けると、該ポーキ
ング作業でも最早原料装入物8の荷下りが不可能とな
り、結果としてその後10時間以内に操業を中止せざるを
得なくなる。しかしながら、くずすことができない棚が
形成された後にでも本発明の方法によればパイプ9より
棚形成部近傍へSiO2及び/又はSiOを供給するので、強
固な棚形成の原因となる各ペレット間のSiCがこのSiO2
及び/又はSiOと、前記〜式の反応により反応す
る。このためSiCが減少し、この結果、強固な棚の形成
を解消させることができる。
このパイプ9は耐熱安定性、反応に対する安定性等に
問題のないものであれば特にその材質には制限はない
が、通常はカーボン製パイプ又はSiC製パイプが用いら
れる。
問題のないものであれば特にその材質には制限はない
が、通常はカーボン製パイプ又はSiC製パイプが用いら
れる。
また、パイプ9は、シャフト部6内の原料装入物8中
の、近傍にその先端が位置するように装入され、目的の
棚部にSiO2及び/又はSiOを確実に供給するために使用
されるもので、パイプ形式とすることが好ましいが同等
の作用を持つ他の手段で換えることも可能である。
の、近傍にその先端が位置するように装入され、目的の
棚部にSiO2及び/又はSiOを確実に供給するために使用
されるもので、パイプ形式とすることが好ましいが同等
の作用を持つ他の手段で換えることも可能である。
パイプ9からSiO2及び/又はSiOを供給するには、パ
イプ9を通してSiO2粒、SiO粒あるいはこれらの混合物
を投入するか、SiO2及び/又はSiOの粉体をAr等の不活
性ガスで送給するなどの方法を採用することができる。
SiO2及び/又はSiOの供給は必要に応じて間欠的に行な
えば十分であるが連続的に供給してもかまわない。SiO2
及び/又はSiOの供給量、供給頻度等には特に制限はな
く、シャフト部6内の強固な棚の形成が解消されるよう
な条件であれば良い。従って、操業条件等に応じて適宜
決定される。
イプ9を通してSiO2粒、SiO粒あるいはこれらの混合物
を投入するか、SiO2及び/又はSiOの粉体をAr等の不活
性ガスで送給するなどの方法を採用することができる。
SiO2及び/又はSiOの供給は必要に応じて間欠的に行な
えば十分であるが連続的に供給してもかまわない。SiO2
及び/又はSiOの供給量、供給頻度等には特に制限はな
く、シャフト部6内の強固な棚の形成が解消されるよう
な条件であれば良い。従って、操業条件等に応じて適宜
決定される。
具体的な装置稼動例を次に説明する。
以下の条件にて装置を稼動させた。
ノズル5からのSiO2(本例ではシリカゲル)の吹込量:8
0g/min シリカ粉キャリアーガス:Ar(30/min) 炭素系原料:カーボンペレット(径13mm、空間占有率約
50%) 平均使用アークパワー:65KW シャフト部6の温度:1700℃〜2100℃ シャフト部6内の原料装入物8の荷下りのためのポーキ
ング作業頻度:3時間に1回以上 上記条件で操業を続けた所、約30時間で強固な棚10が
形成され、最早カーボン棒でのポーキング作業でも荷下
りさせることが困難となった。そこでポーキングした後
の穴にカーボン製パイプ9を差し込み、径0.5〜2mm程度
のSiO2粒を300g供給した。その後、パイプ9を引きぬき
生じた穴にカーボンペレットを500g供給し操業を再開し
た。2時間後再度ポーキング作業を行なった所、棚10の
強度は減少しており、原料装入物8の荷下りを起させる
ことができた。その結果、従来法では操業を中止せざる
を得ないところ、本操業例では継続して操業を続けるこ
とが可能となった。
0g/min シリカ粉キャリアーガス:Ar(30/min) 炭素系原料:カーボンペレット(径13mm、空間占有率約
50%) 平均使用アークパワー:65KW シャフト部6の温度:1700℃〜2100℃ シャフト部6内の原料装入物8の荷下りのためのポーキ
ング作業頻度:3時間に1回以上 上記条件で操業を続けた所、約30時間で強固な棚10が
形成され、最早カーボン棒でのポーキング作業でも荷下
りさせることが困難となった。そこでポーキングした後
の穴にカーボン製パイプ9を差し込み、径0.5〜2mm程度
のSiO2粒を300g供給した。その後、パイプ9を引きぬき
生じた穴にカーボンペレットを500g供給し操業を再開し
た。2時間後再度ポーキング作業を行なった所、棚10の
強度は減少しており、原料装入物8の荷下りを起させる
ことができた。その結果、従来法では操業を中止せざる
を得ないところ、本操業例では継続して操業を続けるこ
とが可能となった。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、従来、シャフト部内の
原料装入物の荷下りを阻害し、操業中止の原因となって
いたシャフト部の強固な棚が解消できるので、長時間安
定して連続操業を行なうことが可能とされ、生産効率が
大幅に向上される。
原料装入物の荷下りを阻害し、操業中止の原因となって
いたシャフト部の強固な棚が解消できるので、長時間安
定して連続操業を行なうことが可能とされ、生産効率が
大幅に向上される。
第1図は本発明の実施に好適な横型電極式アーク炉を示
す縦断面図である。 1……アーク炉、2、3……電極、 4……アーク火点、5……シリカ吹込ノズル、 6……シャフト部、7……加熱帯、 8……原料装入物、9……パイプ、 10……棚。
す縦断面図である。 1……アーク炉、2、3……電極、 4……アーク火点、5……シリカ吹込ノズル、 6……シャフト部、7……加熱帯、 8……原料装入物、9……パイプ、 10……棚。
フロントページの続き (72)発明者 樋口 徹 大阪府大阪市東区道修町4丁目8番地 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 河原 哲郎 大阪府大阪市東区道修町4丁目8番地 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 荒谷 復夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 阪口 泰彦 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内
Claims (1)
- 【請求項1】主原料としてのSiO2又はSiOの吹込用ノズ
ルを有するアーク炉の上側にシャフト部が設けられ、こ
のシャフト部には加熱装置が付設されている装置を用
い、該アーク炉内にこのシャフト部から炭素系原料を供
給すると共に、SiO2又はSiOを前記ノズルからアーク火
点域に供給して金属珪素を製造する方法において、 製造工程途中に、該シャフト部の炭素系原料中の棚生成
相当部に前記主原料とは別個にSiO2及び/又はSiOを供
給することを特徴とする金属珪素の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31121788A JP2621443B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 金属珪素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31121788A JP2621443B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 金属珪素の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH02157115A JPH02157115A (ja) | 1990-06-15 |
JP2621443B2 true JP2621443B2 (ja) | 1997-06-18 |
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ID=18014512
Family Applications (1)
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JP31121788A Expired - Fee Related JP2621443B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 金属珪素の製造方法 |
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JP (1) | JP2621443B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2546196A1 (en) * | 2010-03-11 | 2013-01-16 | Mitsubishi Chemical Corporation | Method and jig for producing silicon |
-
1988
- 1988-12-09 JP JP31121788A patent/JP2621443B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH02157115A (ja) | 1990-06-15 |
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