JP2620393B2 - モータファン - Google Patents

モータファン

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JP2620393B2
JP2620393B2 JP2130949A JP13094990A JP2620393B2 JP 2620393 B2 JP2620393 B2 JP 2620393B2 JP 2130949 A JP2130949 A JP 2130949A JP 13094990 A JP13094990 A JP 13094990A JP 2620393 B2 JP2620393 B2 JP 2620393B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はモータファンに関し、特にモータファンの軸
受の構造の改良に関するものである。
[従来の技術] 近年電子機器の小形化が進み、電子機器内部の装置の
強制冷却の目的で、小型のモータファンが広く用いられ
ている。電子機器の価格の中でモータファンの占める価
格の割り合いは大きく、モータファンの価格の低減化が
強く望まれるようになってきた。モータファンの構成部
品の内、比較的価格の高い部品としては軸受があり、従
来はボールベアリングが用いられていたが、モータファ
ンの価格の低減化のために軸受をボールベアリングか
ら、安価な焼結含油ラジアル軸受に代えることが一般的
になってきた。しかしながらボールベアリングと比べて
焼結含油ラジアル軸受の寿命は半分程度と短い。焼結含
油ラジアル軸受の寿命が短い原因は、焼結含油ラジアル
軸受に含浸された潤滑油が消耗されて無くなることにあ
る。そこで、実開昭64−12931号公報に示されるよう
に、焼結含油ラジアル軸受に接触させて潤滑油を補給す
る潤滑油含浸部材または潤滑油含浸帯を配置したモータ
ファンや、実開昭60−134896号公報に示されるように、
軸受に隣接して潤滑油を貯留する潤滑油貯留室を設けた
モータファンが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] 焼結含油ラジアル軸受に接触させて潤滑油含浸部材を
配置したり、潤滑油貯留室を設ければ、焼結含油ラジア
ル軸受で消費される潤滑油の絶対量を増加させることが
できるため、モータファンの寿命を延ばすことが可能で
ある。しかしながら潤滑油含浸部材を配置したり、潤滑
油貯留室を設けただけでは、焼結含油ラジアル軸受の寿
命をボールベアリングの寿命に匹敵する程度まで延ばす
ことはできなかった。
また焼結含油ラジアル軸受を用いた場合には、回転軸
を水平にした状態でモータファンを使用すれば、潤滑油
含浸部材からの潤滑油の補給を有効に行える。これに対
して、焼結含油ラジアル軸受の端部から突出する回転軸
の端部に固定された回転軸抜止め具ぐ上方に位置するよ
うに回転軸を垂直に向けた状態でモータファンを使用す
る場合には、回転軸抜止め具のスラストディスクワッシ
ャと焼結含油ラジアル軸受の端面とが強く接触するよう
になる。この様な状態では、重力の作用で潤滑油がスラ
ストディスクワッシャから離れる方向に移動するため、
潤滑油含浸部材を設けても回転軸抜止め具のスラストデ
ィスクワッシャと焼結含油ラジアル軸受の端面との間に
十分な量の潤滑油を供給することができず、モータファ
ンの寿命を延ばすことができない問題があった。
本発明の目的は、焼結含油ラジアル軸受を備えたモー
タファンの寿命を従来よりも大幅に延ばすことができる
モータファンを提供することにある。
本発明の他の目的は、回転軸を垂直に配置した状態で
使用してもモータファンの寿命を延ばすことができるモ
ータファンを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本願発明は、軸受箱内に固定された焼結含油ラジアル
軸受により回転軸が軸支され、焼結含油ラジアル軸受に
潤滑油を補給するように該焼結含油ラジアル軸受に接触
して潤滑油含浸部材が配置され、軸受箱内に潤滑油部材
に隣接して該潤滑油含浸部材に潤滑油を補給するように
潤滑油を貯留する潤滑油貯留室が設けられたモータファ
ンを対象とする。
請求項1の発明では、潤滑油貯留室を焼結含油ラジア
ル軸受の外周面と軸受箱との間に焼結含油ラジアル軸受
の軸線に沿うように形成した少なくとも1本の油道と、
焼結含油ラジアル軸受の端部から突出する回転軸の端部
及び該端部に固定された回転軸抜止め具が配置されて前
記油道と連動する軸端部収納空間とから構成する。
請求項2の発明では、軸受箱の軸端部収納空間に回転
軸の端部の端面を軸支する焼結含油スラスト軸受を収納
する。そして焼結含油スラスト軸受に接触するようにス
ラスト軸受用潤滑油含浸部材を配置し、軸端部収納空間
内に貯留された潤滑油をスラスト軸受用潤滑油含浸部材
に供給する。
請求項3の発明では、焼結含油スラスト軸受の軸受面
を、回転軸の端部の湾曲した端面の曲率よりも小さい曲
率で湾曲させる。
請求項4の発明では、回転軸抜止め具を回転軸の端部
に嵌合されて前記焼結含油ラジアル軸受の端面と接触す
る環状のスラストディスクワッシャと回転軸の端部に嵌
合された止め輪とから構成する。スラストディスクワッ
シャの焼結含油ラジアル軸受側の面には、プレス加工に
より接触突部が形成されている。この接触突部は、スラ
ストディスクワッシャと焼結含油ラジアル軸受との間に
ほぼ一定の間隔を形成するようにして焼結含油ラジアル
軸受に向かって突出して該焼結含油ラジアル軸受の端面
と接触する。
[作 用] 請求項1の発明のように潤滑油貯留室を構成すると、
回転軸が水平になるようにしてモータファンを配置する
場合及び回転軸抜止め具を上方に向けるように回転軸を
垂直にしてモータファンを配置する場合のいずれでも、
従来より寿命を大幅に延ばすことができる。回転軸を水
平にする場合には、焼結含油ラジアル軸受の外周面と軸
受箱との間に焼結含油ラジアル軸受の軸線に沿うように
形成した少なくとも1本の油道が、焼結含油ラジアル軸
受の軸線方向にほぼ均等に潤滑油を供給する作用を果た
すと同時に、この油道と軸端部収納空間とに貯留された
潤滑油が焼結含油ラジアル軸受に供給される潤滑油の絶
対量を増大させる。また回転軸抜止め具を上方に向ける
ようにしてモータファンが配置される場合には、焼結含
油ラジアル軸受の端部から突出する回転軸の端部及び該
端部に固定された回転軸抜止め具が配置される軸端部収
納空間内に潤滑油がある間は、この空間内の潤滑油が焼
結含油ラジアル軸受の端面と回転軸の端部に固定された
回転軸抜止め具との間に供給される。そしてこの空間内
の潤滑油が無くなった後は、ある程度の期間まで油道内
の潤滑油または潤滑油含浸部材に含浸された潤滑油が焼
結含油ラジアル軸受の回転軸抜止め具側の端部に供給さ
れて、焼結含油ラジアル軸受の寿命が延長される。
請求項2の発明においては、回転軸抜止め具が下側に
位置するようにして回転軸が垂直に配置される場合にお
いても、モータファンの寿命を従来より大幅に延ばすこ
とができる。この発明では、軸受箱の軸端部収納空間に
回転軸の端部の端面を軸支する焼結含油スラスト軸受を
収納しているため、回転軸に加わる負荷の大部分を焼結
含油スラスト軸受で受ける。そして焼結含油スラスト軸
受に接触するようにスラスト軸受用潤滑油含浸部材を配
置し、軸端部収納空間内に貯留された潤滑油をスラスト
軸受用潤滑油含浸部材に供給しているため、軸端部収納
空間内に貯留された潤滑油により焼結含油スラスト軸受
に供給される潤滑油の絶対量を増大させることができ
る。
請求項3の発明においては、焼結含油スラスト軸受の
軸受面を、回転軸の端部の湾曲した端面の曲率よりも小
さい曲率で湾曲させるので、平坦な軸受面とする場合に
比べて、焼結含油スラスト軸受の軸受面と回転軸の端部
の端面との間に良好な潤滑油層を形成することができる
上、軸受面に焼結含油スラスト軸受の寿命を速めるよう
な極端な局部的な磨耗を生じさせることがない。
請求項4の発明においては、接触突部をスラストディ
スクワッシャに形成しているので、スラストディスクワ
ッシャと焼結含油ラジアル軸受との接触面積を少なくす
ることができ、しかもスラストディスクワッシャと焼結
含油ラジアル軸受との間に潤滑油が溜る空間を形成する
ことができて、スラストディスクワッシャと焼結含油ラ
ジアル軸受との間の接触抵抗を小さくできる。特に本発
明においては、プレス加工により形成した接触突部を設
けているため、接触突部の突出寸法を高い精度で一定に
することができ、スラストディスクワッシャを焼結含油
ラジアル軸受の端面にほぼ平行な状態で配置することが
できる。
[実施例] 以下図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は4極構成のブラシレスDCモータを駆動源とし
て用いたモータファンに本発明を適用した実施例の断面
図である。この図において1は軸線方向の両側に開口す
るベンチュリケースまたはハウジングである。2はアル
ミダイキャスト等により成形してなるモータフレームで
あり、このモータフレーム2は固定子フレーム201と、
該固定子フレーム201からほぼ接線方向ないし放射方向
に延びる固定子フレーム支持部202…とを有して構成さ
れる。該支持部202の端部は、ハウジング1に固定され
ている。固定子フレーム201の低壁部203の中央部には、
ハウジング1と同心的に突出する円筒状のボス部204が
突設されている。また固定子フレーム201の低壁部203の
外周面にはボス部204を囲むように同心的に突出する円
筒状の周壁部205が突設されている。
ボス部204の内側には、軸受箱3が嵌合固定されてい
る。この軸受箱3は、ボス部204に直接嵌合される筒状
の軸受箱本体301と該軸受箱本体301の一端に嵌合されて
該一端を液密に密封するシールカバー302とから構成さ
れる。なお軸受箱3の構成及び軸受の構成については後
に詳しく説明する。
軸受箱本体301の上には、所定形状の鋼板を積層して
なる突極型の固定子鉄心4が嵌合されて固定されてい
る。固定子鉄心4は4つの突極部401…と鉄心環状部402
とから構成され、各突極部には隣接する突極部の磁極と
は異なる極性となるように巻線5が巻装されている。
固定子鉄心4の固定子フレーム201とは反対側の端部
には高熱抵抗で絶縁性を有するプラスチック材料で一体
成形してなる第1のプラスチック成形体6が嵌合されて
おり、また固定子鉄心4の固定子フレーム201側の端部
にも高熱抵抗で絶縁性を有するプラスチック材料で一体
成形してなる第2のプラスチック成形体7が嵌合されて
いる。第2のプラスチック成形体7は、軸受箱本体301
の外周に嵌合される内側筒状部701と、該内側筒状部か
ら鉄心4の突極部401に沿って放射状に延びるリブ702…
と該リブの外側端部に軸線方向に起立して延びる端子固
定部703…とを備えている。巻線5のリード端子が端子
固定部703に植設された端子8に巻き付けられて半田付
け固定される。端子8の先端部は、固定子フレーム201
内に収納固定された回路基板9に貫通孔に挿入され、回
路基板9の裏面に形成した図示しない回路パターンに半
田付けされる。プラスチック成形体7の内側筒状部701
の端部には、回路基板9に設けた軸受箱挿入孔内に嵌合
固定される。尚回路基板9には、巻線5への通電制御回
路が構成されている。
軸受箱3内には、焼結含油ラジアル軸受10を介して回
転軸11が回転自在に支持されている。回転軸11の一端
は、回転子磁極を構成する永久磁石12が固定されたほぼ
カップ状のフライホイール13の低壁部に嵌合されたボス
13aに挿入されて固定されている。フライホイール13の
周壁部13bの内周面に固定された永久磁石12は、4極の
回転子磁極を構成するように着磁されている。フライホ
イール13の外側には、ほぼカップ状のファンブレード固
定用ハブ14が嵌合固定され、ハブ14の周壁部14aの外周
面には複数枚のファンブレード15…が固定されている。
本実施例において、ファンブレード15…は、固定子フレ
ーム201側(矢印方向)に空気を送風するように向きが
定められている。
次に軸受箱3及び軸受箱3の内部の構成について説明
する。軸受箱3の軸受箱本体301は、第1の筒状部311
と、第2の筒状部312と第3の筒状部313とから構成され
る。第1の筒状部311は、固定子フレーム201のボス部20
4に嵌合され、第2図(A)に示した第1図のA−A線
に見られるように、円環状の断面形状を有している。そ
して第1の筒状部311の内側には、シールドカバー302が
液密に嵌合されている。シールドカバー302は低壁部302
aと筒状部302bとから構成される。第2図(A)に示さ
れるように、シールドカバー302の筒状部302bの低壁部3
02a側の内周面には、周方向に所定の間隔をあけて6本
の凹部302cが軸線方向に延びるように形成されている。
筒状部302b内には、円板状の潤滑油含浸部材16が低壁
部302aと接触するように配置されており、また筒状部30
2bにはスラスト軸受用潤滑油含浸部材16と接するように
して円板状の焼結含油スラスト軸受17が嵌合固定されて
いる。シールドカバー302の筒状部302bの内周面に形成
した凹部302cと焼結含油スラスト軸受17の外周面との間
に形成された空間が、スラスト軸受用潤滑油含浸部材16
に潤滑油を供給する油道を構成している。
スラスト軸受17の軸受面171には、湾曲面172が形成さ
れており、この湾曲面172の曲率は、回転軸11の端部の
端面111に形成された湾曲面の曲率よりも小さく設定さ
れている。また本実施例では回転軸11の端面111を鏡面
仕上げにしてあるため、スラスト軸受17の軸受面171と
回転軸11の端面111との摩擦が小さい。ラジアル軸受10
の小径部101から突出する回転軸11の端部には、ラジア
ル軸受10の一方の端面102と接触可能な環状のスラスト
ディスクワッシャ18と止め輪19とが嵌合されている。第
1図は回転軸が水平状態になるようにモータファンが配
置されているため、回転軸11には軸線方向に大きな力が
かかることがなく、図示のようにスラストディスクワッ
シャ18がラジアル軸受10の端面102と接触しない場合が
多い。スラストディスクワッシャ18には係止片181が設
けられており、係止片181が止め輪19に設けた図示しな
い係止溝に嵌合されて、スラストディスクワッシャ18と
止め輪19との間に摩擦が発生しないようになっている。
なおスラストディスクワッシャ18と止め輪19とにより回
転軸抜止め具が構成され、この回転軸抜止め具が配置さ
れた第1の筒状部311内の空間が、軸端部収納空間S1を
構成している。
軸受箱本体301の第1の筒状部311のラジアル軸受10側
の端部内周面とラジアル軸受10の小径部101の外周面と
の間には、リング状の布製の潤滑油含浸部材20が挾持さ
れている。第2図(B)は第1図のB−B線断面図を示
しており、この図に示すようにラジアル軸受10の小径部
101の外周面には、周方向に120度の間隔をあけて軸線方
向に延びるように形成された3本の溝103…が形成され
ている。これらの溝103…は、断面形状がU字状を呈し
ており、小径部101の先端部から小径部101の基部まで延
びている。これらの溝103…と潤滑油含浸部材20の内周
面との間に形成された3本の空間S2…が軸線方向に延び
る油道の一部を構成している。
ラジアル軸受10の小径部101と大径部105との間にはテ
ーパ部104が形成されており、このテーパ部104と潤滑油
含浸部材20との間には環状の空間S3が形成され、この空
間S3の一部も油道の一部を構成している。
軸受箱本体301の第2の筒状部312は、ラジアル軸受10
の大径部105の大部分に対応している。第2図(C)に
示した第1図のC−C線断面図に見られるように、第2
の筒状部312はその外周面及び内周面のそれぞれに周方
向に交合に軸線方向に延びる凹部と凸部が形成されるよ
うに加工されている。第2の筒状部312の内周面に形成
された凹部314…とラジアル軸受10の大径部105の外周面
との間に形成された6本の細長い空間S4…も油道の一部
を構成している。軸受箱本体301の第3の筒状部313は、
ラジアル軸受10の大径部105の外周面と液密に嵌合する
内径を有している。
なお本実施例において、軸線方向に延びる少なくとも
一本の油道は、1本の空間S2と、空間S3の一部と1本の
空間S4とから構成される。そしてこの油道と軸端部収納
空間S1とにより、潤滑油含浸部材20に隣接して該潤滑油
含浸部材に潤滑油を補給するように潤滑油を貯留する潤
滑油貯留室が構成されている。
第1図では回転軸11が水平状態になるようにモータフ
ァンが配置されているが、本実施例では回転子の永久磁
石12と固定子鉄心4の磁気的バランスが保たれた位置に
回転子が保持され且つファンブレードによる推力も考慮
して、回転軸11の軸線方向にスラスト力がかからない構
造になっている。軸受箱3内に構成された潤滑油貯留室
内の油は、重力により下方に溜っている。焼結含油ラジ
アル軸受10内に封入保持される油の封入率即ち軸受の容
積の内潤滑油が占める割合いは、18%程度であり、比較
的速く消耗することになり、消耗した分は潤滑油貯留室
内に貯留された潤滑油が毛細管現象によってよってラジ
アル軸受10に直接又は潤滑油含浸部材20を介して間接的
に供給される。
第3図(A)は、固定子フレーム201を上側に配置す
るように回転軸11を垂直状態にして、モータファンを取
付けたときの軸受箱3内の状態を示している。この状態
では、重力の作用で回転子が下方に移動し、ラジアル軸
受10の端面102にスラストディスクワッシャ18が当接し
ている。潤滑油21は、ラジアル軸受10の外側を延びる油
道(S2,S3,S4)の内部及び軸端部収納空間S1のラジアル
軸受10側の部分に溜まる。この状態では、回転子の重量
はスラストディスクワッシャ18とラジアル軸受10の端面
102との接触によって支持されている。したがってラジ
アル軸受10の端面102側への潤滑油21の供給が、ラジア
ル軸受10の寿命を決定する。軸端部収納空間S1内に潤滑
油21がある間は、この空間内の潤滑油がラジアル軸受10
の端面102と回転軸11と端部に固定されたスラストディ
スクワッシャ18との間に供給される。そしてこの空間内
の潤滑油が無くなった後は、ある程度の期間まで油道内
の潤滑油または潤滑油含浸部材20に含浸された潤滑油が
ラジアル軸受10の端部に供給される。
第3図(B)は、固定子フレーム2(回転軸抜止め
具)を下側に配置するように回転軸11を垂直状態にし
て、モータファンを取付けたときの軸受箱3内の状態を
示している。この状態では、重力の作用で回転軸11が下
方に移動し、回転軸11の端面111がスラスト軸受17の軸
受面171の当接する。潤滑油21は、ラジカル軸受10の外
側を延びる油道(S2,S3,S4)の内部から軸端部収納空間
S1に流入し、軸受端部収納空間S1のスラスト軸受17が配
置される側の部分に潤滑油21は溜まる。そのため回転子
を支持する回転軸11の端面111とスラスト軸受17の軸受
面17との間には十分な量の潤滑油を供給することができ
る。この状態では回転軸11とラジアル軸受10との間の摩
擦は殆どなく、スラスト軸受17に供給される潤滑油が無
くなるまで、潤滑油含浸部材20に含浸された潤滑油だけ
でラジアル軸受10の寿命を維持することができる。本実
施例では、スラスト軸受17の軸受面171に形成した湾曲
面172の曲率が回転軸11の端面111の湾曲面の曲率よりも
小さくしているため、スラスト軸受17の軸受面17と回転
軸11の端部の湾曲面との間に良好な潤滑油層を形成する
ことができる上、軸受面171にスラスト軸受17の寿命を
速めるような極端な局部的な磨耗を生じさせることがな
い。また本実施例では、スラスト軸受17とシールドカバ
ー302の低壁部との間にスラスト軸受用潤滑油含浸部材1
6を配置しており、しかし油道(302c)を介して軸端部
収納空間S1内の潤滑油を潤滑油含浸部材16に供給するよ
うにしているので、スラスト軸受17の寿命を大幅に延ば
すことができる。
上記実施例においては、スラストディスクワッシャ18
を平板状としているため、スラストディスクワッシャ18
とラジアル軸受10の端面102との接触面積が大きくな
る。また接触抵抗を小さくするために、スラストディス
クワッシャ18の接触面を平滑にするための十分な研磨加
工が必要になる。さらに加工精度を高くしなければ、ス
ラストディスクワッシャ18をラジアル軸受10の端面102
とほぼ平行に配置することができず、スラストディスク
ワッシャ18とラジアル軸受10の端面102との接触が不均
一になって、ラジアル軸受10の寿命が短くなるおそれが
ある。第4図(A)及び(B)のスラストディスクワッ
シャは、このような問題を解決することができるもので
ある。このスラストディスクワッシャ18′では、ラジア
ル軸受側の面18′aに、ラジアル軸受に向かって突出し
回転軸11と同心になるように少なくとも一つの円環状接
触突部18′bをプレス加工により形成してある。接触突
部の形状及び数並びに配置状態は、スラストディスクワ
ッシャをラジアル軸受の端面とほぼ平行な状態に配置す
ることができるものであれば任意である。
上記実施例は、本発明をロータ外転型のDCモータファ
ンに適用したものであるが、本発明をロータ内転型のDC
モータファンに適用できるのも勿論である。
[発明の効果] 請求項1の発明によれば、ラジアル軸受の軸線に沿う
ように形成した少なくとも1本の油道と、回転軸抜止め
具が配置される軸端部収納空間とから潤滑油貯留室を構
成したので、回転軸が水平になるようにしてモータファ
ンを配置する場合及び回転軸抜止め具を上方に向けるよ
うに回転軸を垂直にしてモータファンを配置する場合の
いずれでも、従来より寿命を大幅に延ばすことができ
る。
請求項2の発明によれば、軸受箱の軸端部収納空間に
回転軸の端面を軸支する焼結含油スラスト軸受を収納し
ており、焼結含油スラスト軸受に接触するようにスラス
ト軸受用潤滑油含浸部材を配置し、軸端部収納空間内に
貯留された潤滑油をスラスト軸受用潤滑油含浸部材に供
給するため、回転軸抜止め具が下側に位置するようにし
て回転軸が垂直に配置される場合においても、モータフ
ァンの寿命を従来より大幅に延ばすことができる。
請求項3の発明によれば、焼結含油スラスト軸受の軸
受面を、回転軸の端部の湾曲した端面の曲率よりも小さ
い曲率で湾曲させるので、平坦な軸受面とする場合に比
べて焼結含油スラスト軸受の軸受面と回転軸の端部の端
面との間に良好な潤滑油層を形成することができる上、
軸受面に焼結含油スラスト軸受の寿命を速めるような極
端な局部的な磨耗を生じさせることがない。
請求項4の発明によれば、接触突部をスラストディス
クワッシャに形成しているので、スラストディスクワッ
シャと焼結含油ラジアル軸受との接触面積を少なくする
ことができ、しかもスラストディスクワッシャと焼結含
油ラジアル軸受との間に潤滑油が溜る空間を形成するこ
とができて、スラストディスクワッシャと焼結含油ラジ
アル軸受との間の接触抵抗を小さくできる。特に本発明
においては、プレス加工により形成した接触突部を設け
ているため、接触突部の突出寸法を高い精度で一定にす
ることができ、スラストディスクワッシャを焼結含油ラ
ジアル軸受の端面にほぼ平行な状態で配置することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明をDCモータファンに適用した実施例の縦
断面図、第2図(A)は第1図のA−A線断面図、第2
図(B)は第1図のB−B線断面図、第2図(C)は第
1図のC−C線断面図、第3図(A)は回転軸抜止め具
を上側に配置するように回転軸を垂直状態にしてモータ
ファンを取付けたときの軸受箱内の状態を示す断面図、
第3図(B)は回転軸抜止め具を下側に配置するように
回転軸を垂直状態にしてモータファンを取付けたときの
軸受箱内の状態を示す図、第4図(A)はスラストディ
スクワッシャの変形例を説明するための説明図、第4図
(B)は第4図(A)のB−B線断面図である。 1……ハウジング、2……モータフレーム、3……軸受
箱、4……固定子鉄心、5……巻線、6,7……プラレス
チック成形体、8……端子、9……回路基板、10……焼
結含油ラジアル軸受、11……回転軸、12……永久磁石、
13……フライホイール、16……スラスト軸受用潤滑油含
浸部材、17……焼結含油スラスト軸受、18,18′……ス
ラストディスクワッシャ、19……止め輪、20……潤滑油
含浸部材、21……潤滑油。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸受箱内に固定された焼結含油ラジアル軸
    受により回転軸が軸支され、前記焼結含油ラジアル軸受
    に潤滑油を補給するように該焼結含油ラジアル軸受に接
    触して潤滑油含浸部材が配置され、前記軸受箱内に前記
    潤滑油含浸部材に隣接して該潤滑油含浸部材に潤滑油を
    補給するように潤滑油を貯留する潤滑油貯留室が設けら
    れてなるモータファンにおいて、 前記潤滑油貯留室は、前記焼結含油ラジアル軸受の外周
    面と前記軸受箱との間に前記焼結含油ラジアル軸受の軸
    線に沿うように形成された少なくとも1本の油道と、前
    記焼結含油ラジアル軸受の端部からなる突出する前記回
    転軸の端部及び該端部に固定された回転軸抜止め具が配
    置されて前記油道と連動する軸端部収納空間とからなる
    ことを特徴とするモータファン。
  2. 【請求項2】前記軸受箱の前記軸端部収納空間には前記
    回転軸の端部の端面を軸支する焼結含油スラスト軸受が
    収納され、 前記焼結含油スラスト軸受に接触するようにスラスト軸
    受用潤滑油含浸部材が配置されて前記軸端部収納空間内
    に貯留された潤滑油が前記スラスト軸受用潤滑油含浸部
    材に供給される請求項1に記載のモータファン。
  3. 【請求項3】前記焼結含油スラスト軸受の軸受面は、前
    記回転軸の端部の湾曲した端面の曲率よりも小さい曲率
    を持って湾曲している請求項2に記載のモータファン。
  4. 【請求項4】前記回転軸抜止め具は、前記回転軸の端部
    に嵌合されて前記焼結含油スリーブ軸受の端面と接触す
    る環状のスラストディスクワッシャと前記回転軸の端部
    に嵌合された止め輪とからなり、 前記スラストディスクワッシャの前記焼結含油ラジアル
    軸受側の面には、該スラストディスクワッシャと前記焼
    結含油ラジアル軸受との間にほぼ一定の間隔を形成する
    ようにして前記焼結含油ラジアル軸受に向かって突出し
    て前記焼結含油ラジアル軸受の端面と接触する接触突部
    がプレス加工により形成されている請求項1に記載のモ
    ータファン。
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