JP2619048B2 - 疑似平行微小径電子線ビ−ムを得る電子光学装置 - Google Patents

疑似平行微小径電子線ビ−ムを得る電子光学装置

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JP2619048B2
JP2619048B2 JP1037138A JP3713889A JP2619048B2 JP 2619048 B2 JP2619048 B2 JP 2619048B2 JP 1037138 A JP1037138 A JP 1037138A JP 3713889 A JP3713889 A JP 3713889A JP 2619048 B2 JP2619048 B2 JP 2619048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は反射電子回折装置等の電子線を用いた試料の
微小領域観察装置に用いられる微小径平行電子線ビーム
を得るための電子光学装置に関する。
(従来の技術) 電子線を用いる試料観察装置として走査型電子顕微鏡
とか電子回折装置が用いられている。走査型電子顕微鏡
は電子ビームをきわめて小さな径に絞るため、電子線束
の開き角がかなり大きなものである。このため走査型電
子顕微鏡の映像は高い分解能が得られるが、電子ビーム
の開きが大きいため、試料面に形成された微小径の深い
穴とか細い溝例えば半導体ウエハ上に形成された数ミク
ロン程度の溝の立体構造を観察したいような場合電子線
が穴とか溝の側面に当って、穴とか溝の底を観察できな
いと云う問題がある。また電子回折装置は通常mmオーダ
のビーム径の電子線を用い、試料面のmmオーダの径の領
域の平均的構造を分析するのに用いられており、試料面
のミクロンオーダの微小領域の結晶の大きさとか方位等
を測定するためにはビーム径をミクロン以下に絞り、か
つ平行に近い電子線束が必要となる。
(発明が解決しようとする課題) 走査型電子顕微鏡で試料面の微細でかつ深い凹凸の底
部まで明瞭に観察できるようにするには、開き角の小さ
な、かつ絞り径も小さな電子線プローブを形成する必要
があり、また電子線回折法でも、微小領域の構造解析を
行うためには開き角の充分小さな微小径電子ビームを得
る必要がある。しかしビーム径を小さく絞ると云うこと
と、平行に近い細い線束を得ると云うことは互いに相反
する要求であって、両者を同時に満足させ得る電子光学
系を得ることは甚だ困難である。困難の理由は、微小径
の平行に近い線束を得るためにはレンズから長い距離を
隔てた点を収束点として細い電子線束を収束させること
になるが、この場合、レンズ光軸から離れた電子線がレ
ンズ光軸と交わる点はレンズのわづかな収差によっても
所定のビーム収束点から大きくずれるため、電子線束を
レンズの近くに収束させる(収束角大)場合よりレンズ
収差の影響が強く現われるようになるからである。
このため収束レンズの収差を少なくして、平行にきわ
めて近く、しかも任意に微小な径の電子ビームが得られ
れば理想であるが、そのようなことはレンズの収差の影
響だけでなく、電子の波動としての性質からも限度のあ
る所で、高い位置分解能を得るため電子ビームを極力微
小径に絞る必要があるときは収束角は或る程度大きくし
なければならない。従って本発明の目的は、測定の目的
に応じて平行に近い微小径電子ビームと高位置分解能を
得るための極微小径ビームとが任意に可変選択できる電
子光学系を得ることである。
(課題を解決するための手段) フィラメントから放射される電子をコンデンサレンズ
で収束させ、この収束された電子ビームの径を絞りで制
限し、この制限された電子ビームを、磁場の強さの変化
が弱い側を上記コンデンサレンズ側に向け、磁場の強さ
の変化が弱い側を試料側に向けた非対称磁場を発生する
非対称対物レンズで試料面上に収束させると共に、この
レンズの光源側の電子線収束点から同レンズ中心までの
距離より、同レンズ中心から試料側の電子線収束点まで
の距離を長くするようにした。
更に、上記対物レンズとコンデンサレンズの間に第2
の対物レンズを配置し、コンデンサレンズで収束された
電子ビームを第2対物レンズと上記非対称レンズとの間
で一旦収束させるようにした。
(作用) 平行に近いビームを得る為には、対物レンズとして長
焦点レンズを使用しなければならない。その対物レンズ
を用いて拡大系とするとかなり平行性の良いビームが得
られる。しかし、長焦点レンズを通常の対称磁場レンズ
で作ると球面収差係数が極端に大きくなってしまう。そ
こで極度の非対称磁場レンズを用いると、比較的、球面
収差係数を小さくすることができる。従って微小径で平
行に近い電子ビームが得られる。
上述構成によると、電子ビームのビーム径,収束角は
固定したものとなる。上記非対称物レンズとコンデンサ
レンズとの間に第2の対物レンズを挿入することによ
り、非対称対物レンズの電子ビーム入射側の空間におけ
る電子ビームの収束点の位置を変えることができ、それ
によって試料面に収束する電子ビームのビーム径および
収束角を色々に変えることが可能となる。
(実施例) 第1図は対物レンズが一段である従来例を説明する図
である。1はフィラメント、2は絞りで、3は第1コン
デンサレンズ、4は第2コンデンサレンズで、フィラメ
ント1から放射され、絞り2で径が制限された電子ビー
ムを第1,第2のコンデンサレンズで2段に縮小して収束
させる。このようにして収束された電子ビームを絞り5
によって再びビーム径を制限して非対称対物レンズ6に
入射させ、非対称対物レンズ6により試料S上に収束さ
せる。第2コンデンサレンズの電子ビーム収束点と試料
S上の収束点とは対物レンズ6の共役点で、コンデンサ
レンズ4の収束点の方が試料よりも対物レンズ6に近
い。非対称対物レンズ6は磁場強度の変化の大きい側を
コンデンサレンズ4に向けている。この構成により、収
束角約1×10-3ラジアン、ビーム径0.1μmの電子ビー
ムが得られる。対物レンズ6と試料Sとの間に走査コイ
ル7が配置されて、電子ビームによる試料面の走査が可
能である。
第2図は本発明の一実施例を示す第1図の各部と対応
する部分には同じ符号を付し、一々の説明は省略する。
この発明の特徴は第2コンデンサレンズ4と非対称対物
レンズ6との間に第2の対物レンズ8を配置した点にあ
る。この電子光学系では非対称対物レンズ6と第2対物
レンズ8の収束力が夫々可変である。第2対物レンズ8
の収束力を強くしてビーム収束点を自身に近づけ、非対
称対物レンズ6の収束力を弱めてビームを試料S上に収
束させるようにすると、試料面でのビーム収束角は大に
なる。逆にするとビームは平行ビームに近くなる。ビー
ムを平行ビームに最も近づけたときの試料面での収束角
は約1×10-3ラジアンである。今概算的にビーム収束径
を求めてみると、電子線波長を1Åとして、1000Å幅の
スリットを通過した電子線束の広がり角が1×10-3ラジ
アンであるから、収束角が1×10-3ラジアンである電子
ビームの収束径も1000Å=0.1μm程度が限度である。
これより一桁収束径を小さくするにはビーム収束角は1
×10-2ラジアル以上とする必要がある。この発明によれ
ば電子ビームの収束角を最小値から或る範囲で大きい側
へ可変であり、それに伴って位置分解能を上げることが
できる。従って微小径の平行電子ビームを必要とする微
小領域の電子回折測定や、高分解能の試料表面形状映像
を得る走査型電子顕微鏡による試料観察が一つの電子光
学系で単なる切換え操作だけで可能になる。
(発明の効果) 微小径の電子線平行ビームを得る方法として対物レン
ズの入射側焦点位置に収束する電子ビームを対物レンズ
で平行にし、対物レンズの出射側に所定の微小径例えば
0.1μmのピンホールを置くと云う方法が考えられる
が、そのような微小径のピンホールは工作も困難な上、
得られるビームは甚だ暗いものとなり、回折によるビー
ムの広がりが無視できなくて、実際上平行線束は得られ
ない。本発明は非対称対物レンズを用い、対物レンズか
ら離れた所に電子ビームを収束させることでレンズの収
差を減らすことができたので、理論的限界に近い微小径
で収束角の小さな疑似平行微小径電子ビームを得ること
ができ、太い平行ビームからピンホールで微小径ビーム
を取出すような方法に比し、大へん明るい電子ビームを
得ることができる。また対物レンズを二段にし、相互の
収束力の大小を調節することで、ビームの収束角,ビー
ム径を可変とすることにより、微小径疑似平行ビームか
ら、やゝ収束角の大きい極微小収束径のビームまで任意
に選択可能となり、目的に応じて電子ビームの性質を適
当に選べるようになり、一つの電子光学系で多様な測定
方法が実施できることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は対物レンズが一段である従来例の側面図、第2
図は本発明の一実施例の側面図である。 1……フィラメント、2……絞り、3……第1コンデン
サレンズ、4……第2コンデンサレンズ、5……絞り、
6……非対称対物レンズ、7……走査コイル、8……第
2対物レンズ、S……試料。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンデンサレンズで収束された電子ビーム
    の径を絞りで制限し、その制限された電子ビームを第一
    の対物レンズで収束させ、収束された電子ビームを、磁
    場強度のレンズ光軸方向の変化率が上記第一の対物レン
    ズ側の方が試料側よりも小であるような光軸方向に非対
    称磁場分布を持った第二の対物レンズにより、試料側で
    上記第一の対物レンズによる電子ビーム収束点から上記
    第二の対物レンズ中心までの距離より遠い位置に収束さ
    せるようにし、上記第一、第二の二つの対物レンズの強
    度を調節可能としたことを特徴とする疑似平行微小径電
    子線ビームを得る電子光学装置。
JP1037138A 1989-02-16 1989-02-16 疑似平行微小径電子線ビ−ムを得る電子光学装置 Expired - Fee Related JP2619048B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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