JP2616495B2 - シート状物およびその製造方法 - Google Patents

シート状物およびその製造方法

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晃 鈴木
博恭 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシート状物に関す
る。さらに詳しくはアテロコラーゲン含有被覆層を有す
る新規なシート状物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維を主体とする基材の表面に高
分子重合体を主成分とする被覆層を有するシート状物に
関して例えば特公昭46−14352、特公昭59−4
2109など多くの提案がなされて来た。
【0003】しかし、かかるシート状物は、通気性、透
湿性、吸水性に劣り、染色性、外観、風合が悪く、また
手触りもゴム感やビニール感が強いなど多くの欠点を有
しており、特に衣料用素材として使用するには決して満
足のいくものではなかった。これらの欠点は、被覆層を
構成する物質が、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
アクリルなどの合成高分子からなるものであるためこれ
ら合成高分子の性質がそのまま欠点として現わされると
いう宿命的なものであった。
【0004】さらに、従来のこのようなシート状物は、
衣料や資材用途向けにもっぱら開発されてきたものであ
り、医療用分野に適用された例は知られていない。これ
は従来のシート状物の構成物質として生体適合性を持つ
ような物質が使用されたことがなかったことから当然と
もいえるものである。
【0005】一方、生体適合性や透析性などに優れた能
力を示すコラーゲンは、人工皮膚用の基材、透析膜など
に適した材料として知られているが、本発明のごとく
0.5デニール以下の極細合成繊維の絡合体から主とし
てなるシート状繊維質基材と一体化した構造物は知られ
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、しっとりと
しているがいやらしいねばつきがなく、すべすべした一
見矛盾する感触特性を同時に合わせ持ち、しかも透湿
性、吸水性、染色性に優れ、柔軟な風合を有するシート
状物を提供するものであり、さらには医療用材料として
も生体適合性や透析性に優れたコラーゲン含有被覆層を
有するシート状物を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的のために鋭意
検討を重ねた結果、ついに本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明のシート状物は、0.5
デニール以下の極細合成繊維の絡合体から主としてなる
基材の表面に被覆層を有するシート状物であって、該被
覆層を構成する物質が少なくともアテロコラーゲン分子
の少なくとも一部が架橋を形成したものからなることを
特徴とするシート状物である。
【0009】また、本発明のシート状物の製造方法は、
0.5デニール以下の極細合成繊維の絡合体から主とし
てなる基材の表面に少なくともアテロコラーゲンを含む
溶液を付与した後、アテロコラーゲン分子の少なくとも
一部で架橋を形成せしめることを特徴とするシート状物
の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいうアテロコラーゲンと
は、動物の皮膚、骨、腱、血管、角膜などの結合組織か
ら分離して得られたものであって、コラーゲン分子間で
架橋している短繊維状のいわゆる不溶性コラーゲンをペ
プシンなどのタンパク質分離酵素やアルカリなどで処理
して、コラーゲン分子の両末端に存在し架橋に関与して
いるテロペプチドを切断消化して得られたもののことを
いう。
【0011】また、本発明におけるシート状物を、人工
被覆など医療分野に利用する場合においては、アテロコ
ラーゲン分子の−COOH基、ε−NH2 基、アルギニ
ン、ヒスチジンなどの少なくとも一部がメチル化、サク
シニール化など化学修飾されたものは、化学修飾されて
いないアテロコラーゲンに比べて血液との相互作用に優
れ、生体細胞となじみやすい特徴を有するためより好ま
しく用いられる。
【0012】本発明においては、被覆層を構成する物質
として少なくともアテロコラーゲン分子の少なくとも一
部が架橋を形成したものを用いることが重要であり、そ
のことにより耐熱性、耐薬品性および高い引張強度を有
する被覆層が得られるのである。
【0013】さらに、アテロコラーゲンは可溶性である
ため、不溶性コラーゲンに比べ基材への塗布性に優れ、
被覆層の平滑性を向上させたり、薄膜化が可能となる利
点を有する。
【0014】本発明のシート状物においては、アテロコ
ラーゲン分子の少なくとも一部が架橋を形成するとは、
紫外線やγ線などの照射により、またはアルデヒド、イ
ソシアネート、フェノール系架橋剤、クロム、タンニン
酸などによってアテロコラーゲン分子間またはアテロコ
ラーゲン分子と他の物質との間で架橋が形成されること
をいう。
【0015】被覆層として、前記アテロコラーゲンと他
の高分子重合体、例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリア
ミノ酸などとの混合物も使用できる。これらは用途に応
じてその混合割合も自由に変えることができる。
【0016】一方、被覆層が、少なくともアテロコラー
ゲンからなる層が一層以上あり、さらにポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、ポリアクリル、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリアミノ酸などからなる高分子重合体の層との
二層以上の積層構造からなるものでは、基材と被覆層と
の接着性や被覆層の柔軟性、引張強度などの物性により
優れた特徴を有するものとなり好ましい。
【0017】また、被覆層は目的に応じて顔料、染料、
安定剤、帯電防止剤、平滑剤などを添加したものであっ
てもよい。
【0018】本発明でいう基材は、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維などの極細合成繊維
からなるものであって、ニードルパンチ、ウォータージ
ェットパンチなどして得られた不織布、編物、織物など
の繊維シート状物を主体として、必要に応じてポリウレ
タンやポリアクリルなど一般公知の各種高分子重合体を
付与したものである。
【0019】本発明において基材は、0.5デニール以
下の極細合成繊維の絡合体から主として構成されている
ことが重要であり、そのことにより基材の柔軟性が良
く、かつ表面の平滑性も良いので被覆層も薄くなる。こ
のため風合がきわめて柔軟なシート状物となる。さらに
極細合成繊維が0.3デニール以下の基材ではより好ま
しいものとなる。
【0020】さらに基材が、0.2デニール以下好まし
くは0.05デニール以下の極細合成繊維またはその束
あるいはそれらの混合物の絡合体から主としてなり、後
述する繊維交絡点間距離を200ミクロン以下のものと
することにより、基材表面が高度な緻密性を持ち、この
結果、被覆層の強度が優れたものとなり、揉みなどによ
る被覆層の亀裂が発生しにくいシート状物となる。さら
に繊維交絡点間距離が100ミクロン以下の基材ではよ
り好ましい効果が得られる。
【0021】ここで、繊維交絡点間距離とは、つぎの方
法で求めた値のことであり、繊維の交絡の緻密さを示す
一つの尺度として値が小さいほど交絡が緻密であること
を示すものである。第1図は基材の構成繊維を表面側か
ら観察したときの構成繊維の拡大模式図である。構成繊
維をf1 、f2 、f3 、……としそのうちの任意の2本
の繊維f1 、f2 が交絡する点をa1 としa1 で上にな
っている繊維f2 が他の繊維の下になる形で交差する点
までたどっていきその交差した点をa2 (f2とf3
交絡点)とする。同様にa3 、a4 、a5 、……とす
る。つぎにこうして求めた交絡点の間の直線水平距離a
1 a2 、a2 a3 、a3 a4 、a4 a5 、a5 a6 、a
6 a7 、a7 a3 、a3 a8 、a8 a7 、a7 a9 、a
9 a6 、……を測定し、これら多数の測定値の平均値を
求めこれを繊維交絡点間距離とする。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0023】[実施例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート20部、スチレン80部の共重合体(以下AS樹
脂)を結合成分として60部、極細繊維成分としてナイ
ロン6が40部からなる割合で1フィラメント中に16
本の島成分を有し、さらにその島成分中に極細繊維成分
が多数含まれる形態の特公昭47−37648に示され
たごとき高分子相互配列体繊維の4デニール、51mm
のステープルを用いてカード・クロスラッパーを通して
ウェブを形成し、しかる後ニードルパンチをして該高分
子相互配列体繊維を絡合させ、目付398g/m2 、見
掛密度0.17g/cm3 の不織布を得た。
【0024】この不織布の両面に、孔径0.25mmの
孔が孔の中心間距離0.6mmのピッチで一列に並んだ
ノズルから100kg/cm2 の圧力をかけた水を各1
回高速で噴射接触させた。
【0025】つぎにこの不織布に、ポリエチレンアジペ
ートとポリブチレンアジペートとの混合ジオールとP,
P′−ジフェニルメタンジイソシアネートのプレポリマ
ーをエチレングリコールで鎖伸長して得られたポリウレ
タンの10%溶液に顔料を添加した溶液をグラビアコー
タで付与し乾燥した。さらにこのウレタン層の上に不溶
性コラーゲン30部アテロコラーゲン70部からなる混
合物の0.5%希塩酸溶液(pH3.2)をグラビアコ
ータで付与し、乾燥後この被覆層に15wの殺菌灯を1
0cmの距離から30分間照射してコラーゲン分子を架
橋し、ついでトリクロルエチレン中につけて、浸漬、絞
液をくり返し、AS樹脂をほぼ完全に抽出し、乾燥を行
なって残留トリクロルエチレンを蒸発除去してから常圧
で液流染色機を用いて染色した。不織布を構成する極細
合成繊維成分(ナイロン6)1本は0.1デニールであ
った。
【0026】得られたシート状物は、手触りがしっとり
してかつすべすべしておりきわめて良好であった。しか
も、透湿性、吸水性にも優れていた。透湿カップ法によ
る測定では6500g/m2 ・24hrと高い透湿度を
示した。また、優美な外観を有し、柔軟で一体感のある
風合であった。
【0027】このものの引っかきに対する耐性も非常に
優れていた。
【0028】このシート状物の被覆層を溶剤で抽出除去
し、基材表面の繊維交絡点間距離を測定したところ、9
2ミクロンであった。
【0029】
【発明の効果】本発明のシート状物は、次に示すような
効果を発揮する。
【0030】(1)被覆層が、しっとりとしてしかもす
べすべしたきわめて良好な手触りを有している。
【0031】(2)透湿性に優れた被覆層を有するた
め、衣料用として使用する場合はむれることがない。
【0032】(3)又、吸水性にも優れた被覆層である
ため、吸汗性が良好である。
【0033】(4)艶のある優美な被覆層を有してい
る。
【0034】(5)染色性、染色堅牢度のきわめて良好
な被覆層を有している。
【0035】(6)さらに、生体適合性に優れたアテロ
コラーゲンが被覆層を構成する部分であるため人工皮膚
など医療用材料にも適合している。
【0036】(7)又、アテロコラーゲンからなる被覆
層の機能による止血性や傷口への接着性にも優れてい
る。
【0037】(8)細胞培養基材として応用が可能であ
る。
【0038】(9)アテロコラーゲンからなる被覆層と
繊維質基材で構成されているため、優れた透析性と強靱
さを有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維を主体とした基材を表面側から観察したと
きの構成繊維の拡大模式図である。
【符号の説明】
1 ……f6 :構成繊維 a1 ……a9 :交絡点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 9/02 C

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5デニール以下の極細合成繊維の絡合
    体から主としてなる基材の表面に被覆層を有するシート
    状物であって、該被覆層を構成する物質が少なくともア
    テロコラーゲン分子の少なくとも一部が架橋を形成した
    ものからなることを特徴とするシート状物。
  2. 【請求項2】被覆層を構成する物質が、主としてアテロ
    コラーゲン分子の少なくとも一部が架橋を形成したもの
    と他の高分子重合体との混合物からなる特許請求の範囲
    第(1)項記載のシート状物。
  3. 【請求項3】被覆層が、少なくともアテロコラーゲン分
    子の少なくとも一部が架橋を形成したものからなる層と
    他の高分子重合体を主体とする層との二層以上の積層構
    造からなる特許請求の範囲第(1)項記載のシート状
    物。
  4. 【請求項4】基材が、0.2デニール以下の極細合成繊
    維またはその束あるいはこれらの混合物の絡合体から主
    としてなり、該絡合体は200ミクロン以下の繊維絡合
    点間距離を有する特許請求の範囲第(1)項記載のシー
    ト状物。
  5. 【請求項5】0.5デニール以下の極細合成繊維の絡合
    体から主としてなる基材の表面に少なくともアテロコラ
    ーゲンを含む溶液を付与した後、アテロコラーゲン分子
    の少なくとも一部で架橋を形成せしめることを特徴とす
    るシート状物の製造方法。
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CN101956333B (zh) * 2010-08-25 2013-01-09 厦门泓信超细纤维材料有限公司 一种提高定岛超细纤维合成革卫生性能的方法
CN105908365B (zh) * 2016-04-21 2018-02-06 浙江中宇节能科技有限公司 一种多功能无纺布

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