JP2616253B2 - 包接化合物の製法 - Google Patents

包接化合物の製法

Info

Publication number
JP2616253B2
JP2616253B2 JP51191793A JP51191793A JP2616253B2 JP 2616253 B2 JP2616253 B2 JP 2616253B2 JP 51191793 A JP51191793 A JP 51191793A JP 51191793 A JP51191793 A JP 51191793A JP 2616253 B2 JP2616253 B2 JP 2616253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclodextrin
extruder
clathrate
barrel
nifedipine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP51191793A
Other languages
English (en)
Inventor
孝一 中道
正悟 泉
博 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shinyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shinyaku Co Ltd filed Critical Nippon Shinyaku Co Ltd
Priority to JP51191793A priority Critical patent/JP2616253B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2616253B2 publication Critical patent/JP2616253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、シクデキストリン包接化合物の製法に関す
る。
エクストルーダーは、主に食品分野で食品(穀類、タ
ンパク、畜肉、魚肉等)の加工等に広く使用されている
スクリュー式混練押出機である。
背景技術 シクロデキストリン包接化合物(以下、単に「包接化
合物」という)を製造する従来の方法としては、いわゆ
る飽和溶液法(例えば、Anal.Chem.Instr.,4,117(196
5))、共沈法(例えば、Chem.Pharm.Bull.,23,3062(1
975))、凍結乾燥法(例えば、Chem.Pharm.Bull.,23,3
062(1975))、混練法(例えば、薬学雑誌、101,360
(1981))、溶媒蒸発法(例えば、薬学雑誌、101,360
(1981))、混練粉砕法(例えば、Chem.Pharm.Bull.,2
6,3419(1978))等がある。
しかしながら、上記従来法は、いずれも包接化合物を
製造するのに長時間を要するという欠点がある。飽和溶
液法及び共沈法では、主に包接化合物が沈澱するのに時
間を要し、連結乾燥法及び溶媒蒸発法では、主に水や有
機溶媒等を除去するのに時間を要し、混練法及び混合粉
砕法では、均質な包接化合物を得るために充分に混練等
を行わなければならないからである。
また、上記従来法は、いずれもいわゆるバッチ式の方
法であるため、一度に大量に包接化合物を製造するため
には大掛かりな装置が必要である。そして、装置が大掛
かりになればなるほど製造条件の設定が難しくなり、製
造時間が長くなり、またバッチによって品質が異なって
くる等の問題が生じうる。特に、飽和溶液法、共沈法、
凍結乾燥法、及び溶媒蒸発法においては、水や有機溶媒
等にシクロデキストリン及び薬物を溶解させるため、製
造装置が大掛かりになりやすく、一度に大量に包接化合
物を製造することが困難である。混練法及び混合粉砕法
では、飽和溶液法等に比べれば大掛かりな装置は必要な
いが、均一に混練又は混合粉砕を行うことが難しく、質
の高いムラの少ない包接化合物を得ることが困難であ
る。
発明の開示 本発明の目的は、簡易迅速に、しかも一度に大量の質
の高い包接化合物を製造する方法を提供することにあ
る。
本発明者らは、連続して試料を処理することができる
エクストルーダーを利用することにより、上記目的を達
成しうることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨は、包接化合物を製造するにあたって、
多軸型エクストルーダーを使用したところにある。
以下、本発明を詳述する。
まず、エクストルーダーの主要部(試料を処理すると
ころ)の機構について説明する。エクストルーダーの主
要部は、バレルと呼ばれる筒、出口に相当するダイ、及
びスクリューから構成されている。バレルは通常複数で
あり、その中をスクリューが貫通している。スクリュー
には、台形スクリュー、台形カットスクリュー、台形リ
バースカット、ボールスクリュー、ニーディングパドル
等のタイプがあり、その組合せは任意に行うことができ
る。エクストルーダーに送られた試料は、スクリューに
よりバレル内を移動し、バレル内でスクリューにより剪
断、混合等の処理がなされ、ダイの細孔から目的物とな
って押し出される。通常、各バレル及びダイは独立して
温度調節ができるようになっている。
エクストルーダーには、1本のスクリューからなる1
軸型エクストルーダーと2本以上のスクリューからなる
多軸型のエクストルーダーがある。本発明では、多軸型
エクストルーダーを用いるのが好ましい。多軸型は、複
数のスクリュー互いに干渉にあうので、試料薬物がスク
リューと一緒に共回りせず、また、複数のスクリューの
絡み合いによって物理的に高いエネルギーを発生させる
ことができる。なお、本発明においては、多軸型の中、
2軸型エクストルーダーを使用すれば充分に上記目的を
達成することができる。
本発明においては、主に食品分野で使用されているエ
クストルーダーをそのまま使用することができる(特開
平3−262461号公報、特開平4−63567号公報等)。
本発明の一態様として、例えば、シクロデキストリン
と試料薬物との混合粉末を所定の温度に設定した多軸型
エクストルーダー(以下、単に「エクストルーダー」と
いう)に投入し、処理させることにより包接化合物を製
造する方法を挙げることができる。
シクロデキストリンと試料薬物とをエクストルーダー
で処理する前に混合する方法としては、ニーダーミキサ
ー、V型混合機、二重円錐型混合機、立方体型混合機、
リボン型混合機などの器械により行う方法を挙げること
ができる。混合したシクロデキストリンと試料薬物とを
エクストルーダーのバレル内へ投入するには、使用する
エクストルーダーに装備されている原料供給機によるこ
とができるが、一定速度で粉粒体が供給できる装置であ
れば特に制限はない。かかる装置として例えば、スクリ
ューフィーダー、テーブルフィーダー、ベルトコンベア
式定量供給機、電磁フィーダーなどを挙げることができ
る。
本発明方法においては、シクロデキストリンと試料薬
物とは、シクロデキストリンの種類、試料薬物の種類、
使用するエクストルーダーの種類や機種等によって異な
るが、1:0.5〜1:10(試料薬物:シクロデキストリン
(モル比))、好ましくは1:1〜1:4(試料薬物:シクロ
デキストリン(モル比))の比率で混合することができ
る。この範囲外でも本発明方法により包接化合物を製造
することができる場合があり、その場合も本発明に含ま
れる。しかし、試料薬物1に対し、シクロデキストリン
が0.5より少ないとシクロデキストリンに包接されない
試料薬物の量が増え、また試料薬物1に対し、シクロデ
キストリンが10より多いと包接されていないシクロデキ
ストリンの量が増え、いずれも好ましくない。
バレル内の内部温度(バレル及びダイの内部温度)
は、試料薬物及びシクロデキストリンが分解しない範囲
内で設定することができ、特に制限はない。具体的には
5℃から300℃の範囲内で設定することができる。通常1
5〜120℃で充分である。なお、各バレル及びダイの温度
はすべて同じに設定する必要は必ずしもない。
スクリューの回転数(処理速度)は、使用するエクス
トルーダーの許容範囲内で設定することができる。一般
にバレルの全長が長いエクストルーダーほど回転数を上
げることができる。
使用しうるスクリューの形状及び組合せは、特に制限
なく選択することができる。なお、混練作用及び剪断作
用の強いニーディングパドルという形状のパドルを1つ
以上使用することが好ましい。
排出ダイの細孔の形状は、円形、楕円形、四角形、六
角形等特に制限されることはない。細孔が円形の場合、
その口径は、適宜設定することができる。例えば、0.5
〜5mmφのものを挙げることができる。
本発明に使用しうるシクロデキストリンとしては、α
−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−
シクロデキストリンは勿論のこと、これらシクロデキス
トリンの誘導体(例えば、メチル化シクロデキストリン
(例えば、ジメチル−α−シクロデキストリン、ジメチ
ル−β−シクロデキストリン、ジメチル−γ−シクロデ
キストリン、トリメチル−α−シクロデキストリン、ト
リメチル−β−シクロデキストリン、トリメチル−γ−
シクロデキストリン等)、ヒドロキシアルキル化シクロ
デキストリン(例えば、ヒドロキシエチル−α−シクロ
デキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキスト
リン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ヒ
ドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、ヒドロキ
シプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドキシプロピ
ル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−
α−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−
シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−γ−シク
ロデキストリン等)、分岐シクロデキストリン(例え
ば、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル
−β−シクロデキストリン、グルコシル−γ−シクロデ
キストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マ
ルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−
シクロデキストリン等)、エチル化シクロデキストリン
(例えば、ジエチル−α−シクロデキストリン、ジエチ
ル−β−シクロデキストリンジエチル−γ−シクロデキ
ストリン、トリエチル−α−シクロデキストリン、トリ
エチル−β−シクロデキストリン、トリエチル−γ−シ
クロデキストリン、カルボキシメチルエチル−α−シク
ロデキストリン、カルボキシメチルエチル−β−シクロ
デキストリン、カルボキシメチルエチル−γ−シクロデ
キストリン等)など)、これらシクロデキストリンのポ
リマー(例えば、シクロデキストリンポリマーなど)、
シクロデキストリン誘導体のポリマー等を挙げることが
できる。これらシクロデキストリンは、単品で使用する
ことができるが、二以上を併用して使用することもでき
る。
本発明に使用しうる薬物としては、シクロデキストリ
ンで包接される薬物であれば特に制限はなく、例えば、
インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ビ
ルプロフェン、フルフェナミン酸、フェニルブタゾン、
アロプリノール、ビフェニル酢酸等の非ステロイド性抗
炎症剤、抗リュウマチ剤、プロゲステロン、テストステ
ロンデキサメタゾン、ベタメタゾン、プレドニゾロン、
ヒドロコーチゾン、コーチゾン、トリアムシノロン、フ
ルオシノロン、ベクロメタゾン、メドロキシプロゲステ
ロン酢酸等のステロイド類、コデイン、アリメマジン等
の咳止め剤、ジアゼパム、ニトラゼパム、テマゼパム、
オキサゼパム、トリミプランミン、クロルプロマジン等
のフェノチアジンの誘導体、ロラゼパン、メプロバメー
ト、ゾピクロン、メタゼパム等の向精神薬、バルビター
ル、アモバルビタール、フェノバルビタール、ペントバ
ルビタール等のバルビツール類、N−[2−(2(1H−
テトラゾール−5−イル)フェニルチオ)−フェニル]
−4−ヘキシルオキシベンズアミド等の抗アレルギー
剤、抗喘息剤、ビタミンA、E、D群、K等のビタミン
類、グリセオフルビン、テトラサイクリン、セファロス
ポリン、ペニシリン、半合成ペニシリン、メトロニダゾ
ール、クロラムフェニコール、6−フルオロ−1−メチ
ル−7−[4−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチル−1−ピペラジニル]−4
−オキソ−4H−[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−
3−カルボン酸やナリジクス酸等のキノロン類等の抗菌
剤、オメプラゾール等の鎮痙剤、抗分泌剤、ニフェジピ
ン、プロパノール、レセルピン、トリアムテレン、プロ
スタグランジンE1等の血管拡張剤、降圧剤、フェニトイ
ン等の抗てんかん薬、トルブタミド等の血糖降下剤、ニ
セルゴリン等の脳機能改善剤、ベンズアルデヒド、ケイ
ヒアルデヒド、p−アニスアルデヒド、1−メントー
ル、d−カンフル等の精油成分等を挙げることができ
る。
本発明方法においては、予め適量の水又は適量の有機
溶媒等をシクロデキストリンと試料薬物との混合物に加
えて湿らせた状態又は懸濁状態でエクストルーダー処理
を行うことができる他、適量の水又は適量の有機溶媒等
をエクストルーダーに一般に装備されている供給孔(シ
リンダの内部と連結している)から連続して供給しなが
らエクストルーダー処理を行うことができる。本発明に
おいては、このようにして処理を行う方が好ましく、後
者のように処理を行うのがより好ましい。水又は有機溶
媒等の供給は、スクリュー回転軸の負荷を軽減すること
によりエクストルーダー処理を円滑にし、また水等の供
給によって質の高い包接化合物を得ることができる。
上記水又は有機溶媒等は、シクロデキストリンの種
類、試料薬物の種類、加える水又は有機溶媒等の種類、
処理速度、エクストルーダーの種類や機種等によって異
なるが、混合粉末(シクロデキストリンと試料薬物)に
対して5〜300%(V/W)、好ましくは10〜200%(V/W)
の量を加えることができる。
上記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ジ
エチルエーテル、塩化メチレン、ベンゼン、n−ヘキサ
ン、アセトン、シクロヘキサン、クロロホルム、アセト
ニトリル等を挙げることができる。水は単なる水のほ
か、生理食塩水等の等張化水、中性若しくは酸性若しく
は塩基性緩衝液、アンモニア水等を用いることもでき
る。
本発明方法においては、エクストルーダーで処理され
た試料は、包接化合物となってダイの細孔から連続して
固体、固融体又は液体の状態で押し出されてくるが、こ
のダイの形状を適当に選択することにより、最終剤形に
成型しやすい形態の包接化合物を直接得ることができ
る。また、これを必要に応じて乾燥や粉砕を行い、顆粒
剤、カプセル剤、錠剤等に成型していくこともできる。
本発明方法によって製造された物が包接化合物である
かどうかの確認は、該磁気共鳴(NMR)スペクトル、赤
外(IR)吸収スペクトル、示差走査熱量測定(DSC)、
粉末X線回折等の機器分析による他、包接化合物の特徴
や効果を示す溶解度や溶出率の測定、バイオアベイラビ
リティー試験、光安定性試験等によっても行うことがで
きる。
発明の効果 本発明によれば、従来法に係る装置に比べ小さな装置
(エクストルーダー)で含量均一性に優れた質の高い包
接化合物を大量に、短時間に、しかも高い収率で製造す
ることができる。
本発明によれば、任意の形状の包接化合物を得ること
ができる。従って、従来法では困難であった小径円柱状
やフレーク状の包接化合物も製造することができる。
本発明によれば、比較的低い温度で包接化合物を製造
することができるため、本発明方法は熱により分解しや
すい薬物を包接化合物とする場合に特に有効な方法であ
る。
エクストルーダーはセルフクリーニング機構となって
いるためエクストルーダーのバレル内部は汚れにくく、
洗浄が従来法に係る装置に比べ簡単である。そのため、
塩素系等の洗浄溶媒の使用を必要とせず、或いは使用し
ても少量ですみ、排水処理等の問題を低減化させること
ができる。
以上から本発明方法は、工業的に利用する場合に有利
な方法であるということができる。
発明を実施するための最良の形態 以下に実施例、比較例、試験例を示して、本発明を更
に詳しく説明する。なお、以下のバレルに付いている番
号は、試料供給側(入口側)にあるバレルから昇順に付
けている。
実施例1 インドメタシン150gとβ−シクロデキストリン(以
下、「β−CyD」という560gの混合末を第1バレル温度2
5℃、第2、3、4、5バレル温度60℃、ダイ(口径5m
m、1穴)温度60℃、押し出し速度80rpmに設定した2軸
型エクストルーダー(栗本鉄工所製、KEXN−30S−20
型、以下同じ)のバレル内に40g/minの供給速度で連続
して投入しつつ、同時に当該エクストルーダーに装備さ
れている供給孔から水を10ml/minの供給速度で連続して
供給することにより成型処理を行い、包接化合物を得
た。
実施例2 水の供給速度を20ml/minとして実施例1と同様に処理
し包接化合物を得た。
実施例3 水の供給速度を30ml/minとして実施例1と同様に処理
し包接化合物を得た。
実施例4 ニフェジピン200gとβ−CyD660gの混合末を第1バレ
ル温度25℃、第2、3、4、5バレル温度60℃、ダイ
(口径3mm、1穴)温度60℃、押し出し速度80rpmに設定
した2軸型エクストルーダーのバレル内に45g/minの供
給速度で連続して投入しつつ、同時に当該エクストルー
ダーに装備されている供給孔から水を10ml/minの供給速
度で連続して供給することにより成型処理を行い、包接
化合物を得た。
実施例5 水の供給速度を20ml/minとして実施例4と同様に処理
し包接化合物を得た。
実施例6 水の供給速度を30ml/minとして実施例4と同様に処理
し包接化合物を得た。
実施例7 N−[2−(2(1H−テトラゾール−5−イル)フェ
ニルチオ)−フェニル]−4−ヘキシルオキシベンズア
ミド(以下、「化合物A」という)80gとα−シクロデ
キストリン(以下、「α−CyD」という)165gの混合末
を第1バレル温度25℃、第2バレル温度70℃、第3バレ
ル温度90℃、第4バレル温度100℃、第5バレル温度100
℃、ダイ(平形5mm×40mm)温度80℃、押し出し速度150
rpmに設定した2軸型エクストルーダーのバレル内に70g
/minの供給速度で連続して投入しつつ、同時に当該エク
ストルーダーに装備されている供給孔から水を70ml/min
の供給速度で連続して供給することにより成型処理を行
い、包接化合物を得た。
実施例8 化合物A80gとβ−CyD195gの混合末を実施例7と同様
に処理し包接化合物を得た。
実施例9 フェニトイン100gとβ−CyD450gの混合末を第1バレ
ル温度25℃、第2、3、4、5バレル温度40℃、ダイ
(口径1mm、5穴)温度35℃、押し出し速度100rpmに設
定した2軸型エクストルーダーのバレル内に10g/minの
供給速度で連続して投入しつつ、同時に当該エクストル
ーダーに装備されている供給孔から水を10ml/minの供給
速度で連続して供給することにより成型処理を行い、包
接化合物を得た。
実施例10 ベンズアルデヒド20gとα−CyD185gの混合末をすべて
バレル温度25℃、ダイ(口径1mm、5穴)温度25℃、押
し出し速度120rpmに設定した2軸型エクストルーダーの
バレル内に50g/minの供給速度で連続して投入しつつ、
同時に当該エクストルーダーに装備されている供給孔か
ら水を10ml/minの供給速度で連続して供給することによ
り成型処理を行い、包接化合物を得た。
実施例11 ベンズアルデヒド20gとβ−CyD215gの混合末を実施例
10と同様に処理し、包接化合物を得た。
実施例12 ベンズアルデヒド20gとγ−シクロデキストリン(以
下、「γ−CyD」という)245gの混合末を実施例10と同
様に処理し、包接化合物を得た。
比較例1 ニフェジピン50gとβ−CyD165gの混合末を水215mlと
共にらいかい機(石川式撹拌擂潰機、型式16)に投入し
混練した。そして、らいかい機を始動させてから10分、
30分、1時間後に混練液を取出し、60℃の乾燥機中で乾
燥させて得た混練物、及び3時間後にらいかい機を止
め、容器ごと同様に乾燥し、容器の底面と側面にある混
練物を溶解度測定用試料とした。
試験例1 実施例1で得た包接化合物を乳鉢で粉砕したもの、及
びインドメタシン原末を0.1Mのホウ酸ナトリウム緩衝液
(pH9.3、D20)に溶解したもののプロトン−NMRスペク
トル(装置:Varian社製XL−2000型、内部標準物質:テ
トラメチルシラン、12℃)を測定した。
表1に示すように、実施例1で得た包接化合物のイン
ドメタシンの1H−NMRは、原末のインドメタシンのもの
より低磁場側にシフトしていた。これにより本発明方法
でシクロデキストリン包接化合物が形成されていること
が確認できた。
試験例2 実施例1、2、3でそれぞれ得た包接化合物を乾燥
し、乳鉢を用いて粉砕した後、これらの溶解度を測定し
た。また、比較としてインドメタイン原末及び実施例
1、2、3で使用したインドメタシンとβ−CyDの混合
末(物理混合物)についても溶解度を測定した。溶解度
は、各試料を共栓付試験管に一定量入れた後、精製水を
加え、25℃の条件下で24時間振とうした後、0.45μmの
フィルターでろ過し、ろ液の320nmにおける吸光度を測
ることにより測定した。
表2に示すように、実施例1、2、3で得た包接化合
物の溶解度は、原末に比べ大きく、インドメタシンの包
接化合物が充分に形成されていることが確認できた。
試験例3 実施例1で得た包接化合物を乾燥し、これをロールグ
ラニュレーター(日本グラフレーター社製、GRN−1041
型、以下同じ)を用いて解砕し、30メッシュ(50μm)
〜42メッシュ(355μm)範囲にあるものの溶出試験を
行った。対照として、インドメタシン原末及び実施例1
で使用したインドメタシンとβ−CyDとの混合末につい
ても溶出試験を行った。溶出試験は、各試料からインド
メタシン20mg相当量を秤取し、これを精製水900mlに投
入し、パドル法(パドル回転数100rpm、測定波長320n
m、37℃)により行った。
図1に示すように、実施例1で得た包接化合物はイン
ドメタシン原末や物理混合物に比べ速やかな溶出性を示
した。従って、本発明方法によりインドメタシンのシク
ロデキストリン包接化合物が充分に形成されていること
が確認できた。
試験例4 実施例4、5、6及び比較例1でそれぞれ得た包接化
合物を乾燥し、乳鉢を用いて粉砕した後、これらの溶解
度を測定した。また、ニフェジピン原末及び実施例4、
5、6及び比較例1で使用したニフェジピンとβ−CyD
の混合末(物理混合物)についても溶解度を測定した。
溶解度の測定は、試験例2と同様に操作し237nmの吸光
度を測ることにより行った。
表3に示すように、実施例4、5、6で得た包接化合
物の溶解度は比較例1で得た包接化合物より大きく、優
れたニフェジピンの包接化合物が形成されていることが
確認できた。
試験例5 実施例4、5、6で得た包接化合物を流動層造粒乾燥
機(パウレック社製、ストレア1型、以下同じ)を用い
て吸気温度50℃で40分間乾燥し、これをフェザーミル
(細川ミクロン社製、FM−1型、以下同じ)を用いて解
砕し、30メッシュ(500μm)〜83メッシュ(180μm)
範囲にあるものの溶出試験を行った。対照として、ニフ
ェジピン原末及び実施例4、5、6で使用したニフェジ
ピンとβ−CyDとの混合末についても溶出試験を行っ
た。溶出試験は、各試料からニフェジピン9mg相当量を
秤取し、これを精製水900mlに投入し、パドル法(パド
ル回転数100rpm、測定波長237nm、37℃)により行っ
た。
図2に示すように、実施例4、5、6で得た包接化合
物はニフェジピン原末や物理混合物に比べ速やかな溶出
性を示した。従って、本発明方法によりニフェジピンの
シクロデキストリン包接化合物が充分に形成されている
ことが確認できた。
試験例6 実施例4で得た包接化合物を流動層造粒乾燥機を用い
て吸気温度50℃で40分間乾燥し、これをフェザーミルを
用いて解砕し、30メッシュ(500μm)〜83メシュ(180
μm)範囲にあるもの、及び実施例4で用いたニフェジ
ピンとβ−CyDとの混合末をゼラチン硬カプセル(サイ
ズ2号)に充填し、これらを体重10〜11kgの雄性ビーグ
ル犬に1頭あたりニフェジピン20mg相当になるように経
口投与し、血漿中のニフェジピン濃度を高速液体クロマ
トグラフィー法により測定した。
図3及び表4から明らかなように本発明方法で得た包
接化合物は、バイオアベイラビリティーを改善させたこ
とから、本発明方法によりニフェジピンのシクロデキス
トリン包接化合物が充分に形成されていることが確認で
きた。
試験例7 実施例7、8で得た包接化合物を乾燥し、乳鉢を用い
て粉砕した後、これらの溶解度を測定した。また、比較
として化合物A原末及び実施例7、8で使用した混合末
(物理混合物)についても溶解度を測定した。溶解度の
測定は、試験例2と同様に操作し、259nmの吸光度を測
ることにより行った。
表5に示すように、実施例7、8で得た包接化合物の
溶解度は、原末に比べ大きく、化合物Aの包接化合物が
充分に形成されていることが確認できた。
試験例8 実施例9で得た包接化合物を乾燥し、乳鉢を用いて粉
砕した後、この溶解度を測定した。また、比較としてフ
ェニトイン原末及び実施例9で使用した混合末(物理混
合物)についても溶解度を測定した。溶解度の測定は、
試験例2と同様に行ったが、吸光度測定前にpH11のリン
酸緩衝液で適宜希釈した後、230nmの吸光度を測った。
表6に示すように、実施例9で得た包接化合物の溶解
度は、原末に比べ大きく、フェニトインの包接化合物が
充分に形成されていることが確認できた。
試験例9 実施例10、11、12で得た包接化合物、及び実施例10、
11、12で使用したベンズアルデヒドと各シクロデキスト
リンとの物理混合物の光安定性を調べた。測定方法は、
各試料を酸素流通下、1000ルクスの蛍光灯を2時間照射
し、高速液体クロマトグラフィー法により残存している
ベンズアルデヒドを測ることにより行った。
表7に示すように、本発明方法により得られた包接化
合物は物理混合物に比べ光に対して安定であった。従っ
て、本発明方法によりベンズアルデヒドのシクロデキス
トリン包接化合物が充分に形成されていることが確認で
きた。
図面の簡単な説明 図1は溶出試験結果を表す。横軸は時間(分)を、縦
軸は溶出率(%)をそれぞれ表す。−□−は実施例1で
得た包接化合物の溶出曲線を、−●−はインドメタシン
20mgとβ−CyD75mgとを単に混合した物理混合物の溶出
曲線を、−*−はインドメタシン原末の溶出曲線をそれ
ぞれ表す。
図2は溶出試験結果を表す。横軸は時間(分)を、縦
軸は溶出率(%)をそれぞれ表す。−○−は実施例4で
得た包接化合物の溶出曲線を、−△−は実施例5で得た
包接化合物の溶出曲線を、−□−は実施例6で得た包接
化合物の溶出曲線を、−●−はニフェジピン9mgと、β
−CyD30mgとを単に混合した物理混合物の溶出曲線を、
−*−はニフェジピン原末の溶出曲線をそれぞれ表す。
図3はビーグル犬におけるニフェジピンの血漿中濃度
推移を表す。横軸は時間(時間)を、縦軸はニフェジピ
ンの血漿中濃度(ng/ml)をそれぞれ表す。−○−は実
施例4で得た包接化合物を経口投与した場合の血漿中ニ
フェジピン濃度を、−*−はニフェジピン9mgとβ−CyD
30mgとを単に混合した物理混合物を経口投与した場合の
血漿中ニフェジピン濃度をそれぞれ表す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多軸型エクストルーダーを使用することを
    特徴とするシクロデキストリン包接化合物の製法。
  2. 【請求項2】多軸型エクストルーダーが2軸型エクスト
    ルーダーである請求項1記載のシクロデキストリン包接
    化合物の製法。
JP51191793A 1992-11-10 1993-11-08 包接化合物の製法 Expired - Lifetime JP2616253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP51191793A JP2616253B2 (ja) 1992-11-10 1993-11-08 包接化合物の製法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32610292 1992-11-10
JP4-326102 1992-11-10
JP51191793A JP2616253B2 (ja) 1992-11-10 1993-11-08 包接化合物の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2616253B2 true JP2616253B2 (ja) 1997-06-04

Family

ID=26572076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51191793A Expired - Lifetime JP2616253B2 (ja) 1992-11-10 1993-11-08 包接化合物の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2616253B2 (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mendonsa et al. Manufacturing strategies to develop amorphous solid dispersions: An overview
Patil et al. Hot-melt extrusion: from theory to application in pharmaceutical formulation
JP3310299B2 (ja) 溶融−押し出しにより調製されるシクロデキストリンの固体混合物
Bikiaris Solid dispersions, part I: recent evolutions and future opportunities in manufacturing methods for dissolution rate enhancement of poorly water-soluble drugs
Shah et al. Melt extrusion with poorly soluble drugs
US8349366B2 (en) Immediate release pharmaceutical granule compositions and a continuous process for making them
CN108658817B (zh) 一种氟苯尼考纳米结晶的制备方法
JP5380440B2 (ja) メシル酸イマチニブの安定化非結晶形態
JP2001515029A (ja) 粒状分散形態の固形医薬剤形
WO2014161131A1 (en) PREPARING AMORPHOUS MELOXICAM-β-CYCLODEXTRIN INCLUSION COMPLEX VIA SPRAY DRYING PROCESS
JP5731723B2 (ja) セルロースエーテルを含む溶融押出し組成物
Shah et al. Melt extrusion in drug delivery: three decades of progress
FI102461B (fi) Menetelmä piroksikaami-syklodekstriinikompleksien valmistamiseksi
Shibata et al. The preparation of a solid dispersion powder of indomethacin with crospovidone using a twin-screw extruder or kneader
Xue et al. A combined utilization of Plasdone-S630 and HPMCAS-HF in ziprasidone hydrochloride solid dispersion by hot-melt extrusion to enhance the oral bioavailability and no food effect
Rajadhyax et al. Hot melt extrusion in engineering of drug cocrystals: a review
JP2616253B2 (ja) 包接化合物の製法
WO2020072008A1 (en) Novel solid dispersions of selinexor
WO1994011031A1 (en) Enclosure compound manufacturing method
CN113350290A (zh) 一种阿瑞匹坦固体分散组合物及其制备方法
EP2178506A1 (en) Preparation of compositions with essentially noncrystalline embedded macrolide antibiotics
US20160279246A1 (en) Methods and systems for continuous heterogeneous crystallization
CN111803448A (zh) 一种盐酸小檗碱固体分散体、制备工艺及应用
CN103275102B (zh) 一种头孢泊肟酯化合物、其制备方法及其药物组合物
WO2003063820A2 (en) Demixing-stable granulate