JP2615433B2 - 二酸化炭素からのメタン製造用触媒およびメタン製造方法 - Google Patents

二酸化炭素からのメタン製造用触媒およびメタン製造方法

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JP2615433B2
JP2615433B2 JP6292342A JP29234294A JP2615433B2 JP 2615433 B2 JP2615433 B2 JP 2615433B2 JP 6292342 A JP6292342 A JP 6292342A JP 29234294 A JP29234294 A JP 29234294A JP 2615433 B2 JP2615433 B2 JP 2615433B2
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carbon dioxide
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正浩 藤原
弘 宮村
秀明 田中
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二酸化炭素と水素とを
反応させてメタンを製造するための触媒およびメタンの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の温暖化が深刻な環境問題と
なっている。二酸化炭素は、地球の温暖化をもたらす主
要原因物質の一つであると指摘されており、特に大気中
二酸化炭素濃度の急激な上昇が、近年の地球の温暖化の
主要原因の一つであるとされている。従って、地球環境
のこれ以上の悪化を防止するためには、二酸化炭素の排
出量削減および固定化が急務となっている。
【0003】二酸化炭素の固定化方法としては、水素化
触媒を使用して二酸化炭素を接触水素化する方法があ
り、より具体的には、二酸化炭素を水素と反応させてメ
タンに変換する方法がある。例えば、主として鉄、コバ
ルト、ニッケルなどの遷移金属化合物を酸化物担体に担
持してなる水素化触媒を使用して、二酸化炭素を水素化
する方法が知られている(C.H.Barthoromew, Journal o
f Catalyst,87,352(1984))。
【0004】しかしながら、現在知られているこの様な
水素化触媒は、一般に高速反応条件下では、二酸化炭素
の反応率(転化率)が低く、また、長時間高活性を維持
することが困難であるという欠点を有しており、二酸化
炭素の固定化を工業的に実施する場合には、あまり有効
でない。
【0005】従って、接触水素化によって二酸化炭素を
大量に固定化するためには、高速反応条件下でも高い転
化率を示し、且つ長期間高い活性を維持できる触媒の開
発が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二酸化炭素
を効率よくメタンに変換できる方法を提供することによ
り、地球の温暖化緩和に寄与すると同時に、石油などの
炭化水素資源の節約をも達成しようとするものである。
【0007】より具体的には、本発明は、二酸化炭素と
水素とからメタンを高速かつ選択的に製造できる技術を
提供することを主な目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
課題を解決するために研究を進めた結果、(イ)希土類
金属が、二酸化炭素に対して高い親和性を示すこと、
(ロ)希土類金属自体は、水素に対する親和性が低いこ
と、(ハ)そのため、、希土類金属は、二酸化炭素の接
触水素化に対する活性が低いこと、(ニ)しかしなが
ら、希土類金属を水素に対して親和性が高いCoなどの
金属とを組み合わせた触媒が、二酸化炭素の接触水素化
において比較的温和な条件下でも高い活性を示し、高速
反応条件下でも高い転化率を示し、且つ高い活性を長時
間維持することなどを見出した。
【0009】本発明は、上記の様な新たな知見に基づい
て完成されたものであり、(1)希土類金属とCoとの
合金からなる触媒であって、二酸化炭素と水素とを原料
とするメタン合成触媒、および(2)希土類金属とCo
との合金からなる触媒の存在下に二酸化炭素と水素とを
反応させることを特徴とするメタンの製造方法を提供す
る。
【0010】本発明におけるメタンの生成反応は、次式
で示される。
【0011】CO2 +4H2 → CH4 +2H2O 本発明は、この反応を以下に詳細に示す特定の触媒を使
用することによって達成する。
【0012】本発明において使用する触媒は、希土類金
属とCoとの合金を活性成分とするものであり、より好
ましくはLaとCoとの合金からなるものである。すな
わち、本発明において使用する特に好ましい触媒は、二
酸化炭素が吸着・活性化されやすいLaと水素が吸着・
活性化されやすいCoとからなっている。
【0013】なお、La−Co系の合金は、水素吸蔵能
に優れていることが知られており、吸蔵された水素は、
活性化されて反応しやすい状態にあることが予想され
る。しかしながら、この様な希土類金属を含む合金触媒
を二酸化炭素の水素化(メタン化反応)に使用した例
は、知られていないし、また使用した場合にどの様な効
果が達成されるかは、全く予想し得ないところである。
【0014】本発明で用いるLa−Co合金触媒は、L
aとCoとを加熱溶融することにより、調製することが
できる。La−Co合金は、LaとCoとの組成比によ
り、LaCo5,LaCo13,La2Co7,La2
3,LaCo2,La2Co17,La4Co3,La3Co
など種々のものがある。本発明では、これらの合金を単
独で使用しても良く、或いは2種以上が存在する状態で
使用しても良い。また、これらの合金に第三成分として
アルミニウム、ケイ素、チタン、マグネシウムおよびジ
ルコニウムの少なくとも1種を添加した合金も、触媒と
して使用することができる。得られた合金を触媒として
使用するに際しては、40〜200メッシュの粒状また
は粉末状に粉砕しておくことが好ましい。
【0015】なお、La−Co系合金触媒の反応過程で
の挙動をX線回折により詳細に調べたところ、合金自身
は触媒前駆体であり、CO2+4H2の反応原料ガス中で
加熱下に活性化され、金属コバルトと水酸化ランタンな
どの化合物に変化していることが明らかになった。
【0016】
【0017】本発明においては、二酸化炭素と水素とを
気相で触媒に接触させることによってメタンを製造する
ことができる。この際の反応方式については、特に限定
はなく、例えば、触媒を充填した反応装置に原料ガス
(二酸化炭素および水素)を導入してメタンを製造する
固定床流通方式でもよい。また、反応条件についても、
特に限定はないが、一般に、反応温度を0〜600℃程
度、好ましくは100〜500℃程度、さらに好ましく
は150〜400℃程度とし、反応圧力を0.1〜10
MPa程度、好ましくは0.5〜8MPa程度、さらに
好ましくは1〜6MPa程度とするのがよい。なお、こ
れらの反応条件においては、反応温度を高くする程、ま
た、反応圧力を高くする程、メタンの収率が高くなる傾
向がある。ただし、工業的に実施することを考慮して、
従来の方法と比較した場合の本発明の利点として、反応
温度および反応圧力が比較的低い条件下でも、例えば反
応温度250〜350℃程度、反応圧力0.5〜5MP
a程度でも、実用的に十分に高い収率でメタンを製造で
きる点を挙げることができる。
【0018】また、固定床流通方式でメタンを製造する
場合の原料ガスの流通速度は、特に限定されないが、反
応装置への触媒の充填密度(g/ml)を考慮した空間
速度(SV)で1000〜100000ml/g−ca
t・hr程度、より好ましくは2000〜20000m
l/g−cat・hr程度とするのがよい。なお、一般
に、空間速度を高くし過ぎると、二酸化炭素の転化率が
低下する傾向があるので留意する必要がある。
【0019】原料として使用する二酸化炭素と水素との
使用割合は、特に限定されないが、二酸化炭素1モルに
対し、水素を通常2〜8モル程度、好ましくは3〜6モ
ル程度、特に好ましくは約4モル程度とするのがよい。
【0020】
【作用】本発明において二酸化炭素のメタン化(水素
化)に用いる触媒は、希土類金属とCoとからなる合
金、特にLaとCoとからなる合金である。La−Co
系合金は、高い水素吸蔵能を有することが知られている
が、二酸化炭素の水素化において高い活性を有すること
は、知られていない。
【0021】本発明において希土類金属とCoとの合金
が、二酸化炭素の水素化に際して比較的低温においても
高い活性を有するのは、二酸化炭素がランタンなどの希
土類金属に、また水素がコバルトなどの金属に、それぞ
れ吸着・活性化されやすい(高い親和性を有する)ため
であると考えられる。その結果、例えば、固定床流通方
式において、反応ガスの流速を上げた場合にも、二酸化
炭素の転化率が高い状態を維持し続けるものと考えられ
る。
【0022】本発明は、高活性触媒を用いて、二酸化炭
素と水素とから高速かつ選択的にメタンを製造する方法
であり、地球の温暖化問題の緩和に貢献するだけでな
く、メタンを利用する民生用燃料製造工場、化成品製造
工業、エネルギー変換工業などの各種の化学工業分野に
も、有用な技術を提供するものである。
【0023】
【発明の効果】本発明において触媒として使用するLa
−Co系合金からなる触媒は、二酸化炭素の水素化に対
して比較的穏和な条件で、高速反応条件下でも高い転化
率を示し、且つ長時間高い活性を維持できるので、本発
明によれば、二酸化炭素から効率よくメタンを製造する
ことができる。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明を一層具体的に説明
する。本発明がこれらの実施例にのみ限定されるもので
ないことは、いうまでもない。 実施例1および比較例1 本発明のLa−Co合金について、40〜200メッシ
ュのものを固定床流通装置に充填し、加圧・加熱下にC
とHの混合ガスを導入して、反応特性を比較し
た。
【0025】比較例としてCOのメタン化反応におい
て有効な水素添加触媒として一般に知られているニッケ
ル粉末触媒を用いた場合と、本発明のLaCo合金を
用いた場合との活性を対比して、表1に示す。
【0026】
【表1】 表1に示す結果から、Ni粉末からなる触媒に比して、
本発明のLa−Co合金触媒ではメタン収率が著しく向
上していることが明らかである。
【0027】実施例2 加熱溶解により調製したLaCo合金の粉末(60〜
200メッシュ)1gを内径1cmのステンレス鋼製反
応管に充填し、加圧固定床流通反応装置にセットした。
原料ガス(H/CO=4)を5MPa、SV=30
00ml/g・cat・hrで供給した場合のメタン化
反応収率を表2に示す。生成物の分析は、オンラインガ
スクロマトグラフにより行った。
【表2】 表2に示す結果から、本発明によるLaCo合金触媒
は、200℃という比較的穏和な反応条件においても、
触媒作用を示すことが明らかであり、また、反応温度の
上昇とともに、触媒活性が急速に高まることが明らかで
ある。
【0028】
【表2】 表2に示す結果から、本発明によるLaCo5合金触媒
は、200℃という比較的穏和な反応条件においても、
触媒作用を示すことが明らかであり、また、反応温度の
上昇とともに、触媒活性が急激に高まることが明らかで
ある。
【0029】
【0030】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮村 弘 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 田中 秀明 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 松村 安行 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−31804(JP,A) 特開 昭54−119385(JP,A) 英国特許出願公開2193506(GB,A) THERMOCHIMICA ACT A,VOL.197 NO.2 P.259− 264(1992) THERMOCHIMICA ACT A,VOL.165 NO.1 P.139− 145(1990)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類金属とCoとの合金からなる触媒で
    あって、二酸化炭素と水素とを原料とするメタン合成用
    触媒。
  2. 【請求項2】希土類金属とCoとの合金からなる触媒の
    存在下に二酸化炭素と水素とを反応させることを特徴と
    するメタンの製造方法。
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GB2193506A (en) 1986-08-08 1988-02-10 Ici Plc Methanation of carbon oxides

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