JP2612943B2 - レンジフード - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、調理器より発生する排ガス，油煙，臭気な
どを屋外に排出するレンジフードに関するものである。

従来の技術 近年、食生活やキッチンの変化にともない、家庭にお
いてもいろいろな料理が楽しめるようになり、調理器の
使用度も高く、調理器より発生する排ガス，油煙，臭気
などを効率良く排出するレンジフードの要望が高まって
きている。

従来よりこの種のレンジフードは、種々知られている
が、たとえば、第５図および第６図に示すような構成の
ものが提供されていた。図に示すように下面に吸込口21
を有するフード本体22の内部中央に、左右の側面に吸込
孔23を有し、両吸込ファン24を内蔵したファンケーシン
グ25を設け、前記両吸込ファン24を駆動する電動機26を
ファンケーシング25の外方位置において、前記吸込孔23
の一方の吸込孔23の近傍に設け、前記吸込口21にはフィ
ルター27を配設したレンジフードを調理器具の上方に位
置するように家屋の壁面に取り付け、前記ファンケーシ
ング25の吐出口に屋外に連通するダクト28を接続してい
た。（たとえば実開昭60−146243号公報） 上記構成において、レンジフードを運転すると、両吸
込ファン24が回転し、調理器から発生する排ガス等は吸
込口21に設けられたフィルター27を通過して吸引され、
フィルター27により浄化されてファンケーシング25の両
側面に設けた吸込孔23よりファンケーシング25内に吸込
まれ、ダクト28を介して屋外に排出されることになる。

発明が解決しようとする課題 このような従来のレンジフードでは、電動機26がファ
ンケーシング25に設けられた一方の吸込孔23近傍に設け
られているので、吸込に対して障害となり、左右両側の
吸込孔23からの吸込能力を同等にすることが困難で、調
理器に設けられた左右のコンロのうち左側のコンロで調
理した場合と、右側のコンロで調理した場合では、ファ
ンケーシング25内に吸気される排ガス等の吸気能力に差
が生じ、図示したように電動機26が右側に設けられてい
る場合においては、調理器の右側寄りのコンロを使用し
た場合には、排ガス等が室内に漏れて室内の汚染および
不快感をもたらすものであった。また、フィルター27で
完全に除去されなかった排気ガス等によって電動機26が
汚染されやすいものであった。

本発明は上記課題を解決するもので、第１の目的は調
理器の使用状態に関係なく排気ガス等を確実に捕集せし
めるレンジフードを提供することを目的とする。第２の
目的はフィルターの配置により排気ガス等の吸気効果を
高めるものである。

課題を解決するための手段 本発明の第１の手段は下面に吸込口を有し、一面に吐
出口を形成したフード本体と、箱状で一面に前記吐出口
に連通する通気口を有し、両側面に前記吸込口と空気流
路を介して連通する吸気孔を設け、前記通気口を含み内
部を仕切板により２分割して形成された一対のファン室
とを備え、前記フード本体の内部中央に設けられるファ
ンケーシングと、このファンケーシングの吸気孔に吸込
口側が対応し、前記ファン室内に設けられたファンと、
このファンを駆動する電動機と、前記ファンケーシング
の吸気孔に吸気される空気流路に設けられたフィルター
とを備え、前記電動機をファンの非吸込側となる前記仕
切板に設けるものである。

そして、第２の手段は上部をフード本体の内面側で、
下部をファンケーシングの最下部に設けられるフィルタ
受で支持せしめた２枚のフィルターを、ファンケーシン
グの吸気孔に対応し傾斜して備え、前記フィルタ受の中
央部を下方に向って突出するようにほぼ逆三角状に形成
し、このフィルタ受を介して前記フィルターをほぼＶ字
状に配設したものである。

作用 本発明は上記した第１の手段の構成により、レンジフ
ードを運転すると、ファンケーシングの左右に設けられ
た吸気孔よりほぼ均等に吸気されるので、調理器に設け
られたコンロ左側あるいは右側のコンロのいずれのコン
ロを使用した場合においてもコンロから発生する油煙を
含む排気ガスがフィルターを介して吸気され、電動機に
接触することなく屋外に排出されるものである。

また、第２の手段の構成により、コンロから発生する
排気ガスは逆三角形状のフィルター受により左右に分流
され、フィルター面に沿って上昇しながら順次フィルタ
ーを介して吸気孔に吸気され屋外に排出されるものであ
る。

実 施 例 本発明の第１実施例を第１図および第２図を参照しな
がら説明をする。

図に示すように下面に吸込口１を有し、上面に吐出口
２を形成したフード本体３の内部中央に、箱状で上面に
前記吐出口２に連通する通気口４を有し、両側面に前記
吸込口１と空気流路を介して連通する吸気孔５を設け、
前記通気口４を含み内部を仕切板６により２分割して一
対のファン室７を形成したファンケーシング８を設けて
いる。そして、前記一対のファン室７には吸気孔５に吸
込側が対応したファン９を設け、このファン９を駆動す
る電動機10を前記ファン９の非吸込側となる前記仕切板
６に設けている。また、前記ファンケーシング８の下部
には、ファンケーシングの左右に突出したところに受部
11を有したフィルター受12を設け、このフィルター受12
に下部が支持され、上部がフード本体３の内面に支持さ
れるフィルター13を、前記ファンケーシング８の吸気孔
５に対応させ傾斜して設けている。そして、このように
構成されたレンジフードを、複数のコンロ14を有した調
理器15の上方に位置するように家屋の壁面16に取り付
け、この壁面16を貫通するダクト17をチャンバー18を介
して、前記フード本体３の吐出口２に連通するように構
成している。

上記構成において、レンジフードを運転すると、電動
機10により一対のファン室７に設けられたファン９が回
転して、左右の吸気孔５より空気が吸気されるもので、
このときには左右の吸気孔５には同量の空気が吸気され
る。よって図に示すように調理器15の左側のコンロ14で
調理する場合には、調理時に発生する湿気，油煙等を含
む排気ガスは上昇するにしたがいフード本体３の吸込口
１に吸気され、主として左側のファン９によりフィルタ
ー13を介して吸気され、一部は右側のファン９によりフ
ィルター13を介して吸気され、浄化された排気ガスは、
ファン室７内に吸気されて電動機10に接触することな
く、ファンケーシング８の通気口４およびフード本体３
の吐出口２を通り、チャンバー18を経て、ダクト17によ
り屋外に排出されるのである。また、調理器15の右側の
コンロ14を使用した場合においては、排気ガス主として
右側のファン９により吸気され、一部は左側のファン９
に吸気され、前記した作用により排気ガスは屋外に排出
されることとなる。

このように本発明の第１実施例のレンジフードによれ
ば、ファンケーシング８に形成された一対のファン室７
内に吸気される空気量が左右均等となるので、調理器15
の左側および右側のいずれのコンロ14を使用した場合に
おいても、吸気量の差が無いので排気ガスがフード本体
３の外に漏れることがなくなる。また電動機10がファン
９の非吸込側に設けられるので、電動機10による吸気障
害もなく、電動機10の汚染も緩和されるものである。

次に本発明の第２実施例について、第３図および第４
図を参照しながら説明する。なお第２実施例は第１実施
例のフィルタ受と形状を変えたもので、第１実施例と同
一部分については同一番号を付けて説明を省略する。

図に示すように、中央部を下方に向けて突出した逆三
角形状にフィルター受19を形成し、両端に受部20を設
け、このフィルター受19を介してフィルター13をほぼＶ
字状に配設する。

上記構成においてレンジフードを運転すると、第１実
施例と同様に一対のファン室７に形成された吸気孔５に
は同量の空気量が吸気されるものである。そして調理器
15から調理時に発生する排気ガスが吸込口１に吸込まれ
るときにフィルター受19の逆三角形状の形状により左右
に分流され、フィルター13面に案内されて排気ガスはフ
ィルター13面に沿い上昇しながら順次フィルター13を通
過し、やや浄化された空気が吸気孔５に吸気され、第１
実施例と同様に屋外に排出されるものである。

また、２つのコンロ14を同時に使用した場合のように
排気ガスの量が中央部分に集中した場合においても、フ
ィルター受19の逆三角形状により分流されて吸気される
こととなる。

このように本発明の第２実施例のレンジフードによれ
ば、調理時に発生する湿気，油煙等を含む排気ガスは逆
三角形状に形成されたフィルター受19により左右に分流
されるとともに、このフィルター受19により排気ガスが
フィルター13面に案内されるので、フード本体３の吸込
口１近傍に排気ガスが溜まることなく速やかにフィルタ
ー13面に案内されることとなり排気ガスがフード本体３
外に漏れることがなくなるとともに、排気ガスがフィル
ター13面に案内されることにより、フィルター13面にお
ける浄化作用もスムースに行われ吸気効率が向上する。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、
一対のファン室を有し、両側面に吸気孔を設け、この吸
気孔に吸込口側が対応するファンをファン室内に設け、
ファンの非吸込側位置にファンを駆動する電動機を設け
て構成したファンケーシングをフード本体の内部中央に
設けているので、ファンケーシングの左右の吸気孔から
吸込量が均等化され、調理器の左勝手あるいは右勝手の
使用状況に関係なく調理器上から発生する湿気，油煙等
を含む排気ガスをフード本体内に確実に捕集して屋外に
排出するレンジフードを提供できる。

また、フィルター受を介してフィルターがほぼＶ字状
に配設されているので、フィルター受の分流作用および
案内作用により、調理器から上昇する排気ガスがレンジ
フードの吸込口近傍に溜まることなく、フィルター面に
案内されて吸気されることとなり吸気効率が向上するレ
ンジフードを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例のレンジフードの設置状態
を示すレンジフードの横断面図、第２図は同レンジフー
ドの縦断面図、第３図は本発明の第２実施例のレンジフ
ードの横断面図、第４図は同レンジフードの縦断面図、
第５図は従来の実施例のレンジフードの横断面図、第６
図は同レンジフードの縦断面図である。 １……吸込口、２……吐出口、３……フード本体、４…
…通気口、５……吸気孔、６……仕切板、７……ファン
室、８……ファンケーシング、９……ファン、10……電
動機、13……フィルター、19……フィルター受。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下面に吸込口を有し、一面に吐出口を形成
   したフード本体と、箱状で一面に前記吐出口に連通する
   通気口を有し、両側面に前記吸込口と空気流路を介して
   連通する吸気孔を設け、前記通気口を含み内部を仕切板
   により２分割して形成された一対のファン室とを備え、
   前記フード本体の内部中央に設けられるファンケーシン
   グと、このファンケーシングの吸気孔に吸込口側が対応
   し、前記ファン室内に設けられたファンと、このファン
   を駆動する電動機と、前記ファンケーシングの吸気孔に
   吸気される空気流路に設けられたフィルターとを備え、
   前記電動機をファンの非吸込側となる前記仕切板に設け
   たレンジフード。
2. 【請求項２】上部をフード本体の内側面側で、下部をフ
   ァンケーシングの最下部に設けられるフィルタ受で支持
   せしめたフィルターをファンケーシングの吸気孔に対応
   し傾斜して備え、前記フィルタ受の中央部を下方に向っ
   て突出してほぼ逆三角形状に形成し、このフィルタ受を
   介し前記フィルターをほぼＶ字状に配設した請求項１記
   載のレンジフード。