JP2612905B2 - 微少秤量装置 - Google Patents

微少秤量装置

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JP2612905B2 JP20249888A JP20249888A JP2612905B2 JP 2612905 B2 JP2612905 B2 JP 2612905B2 JP 20249888 A JP20249888 A JP 20249888A JP 20249888 A JP20249888 A JP 20249888A JP 2612905 B2 JP2612905 B2 JP 2612905B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、微少秤量装置に関し、詳しくは、医薬品等
の製造工程において、バイアルやアンプル等の容器に50
mg100mgなどの微少量の被充填物を充填する際に、電子
天秤を用いて高速、高精度な秤量を行い、充填量のバラ
ツキを少なくして充填量精度の向上を図るものである。
従来の技術 従来、この種の電子天秤を用いて微少量を秤量する場
合、許容幅内に一定個数のデータが入った安定出力モー
ドの時に、一定の平均化時間で平均化して秤量値を求め
る方法(天秤標準安定検出方法)と、所定の一定時間経
過後にサンプリングする方法等が提供されている。
発明が解決しようとする課題 上記した安定出力モードで秤量値を求める方法では、
一般に高精度を必要とする場合には秤量に時間がかかり
高速秤量が出来ない欠点があり、時間短縮のために許容
幅を広くすると精度が悪くなる欠点がある。また、一定
時間経過後にサンプリングを行う方法では、設定時間を
短くすると精度が悪くなり、また、精度向上を図るため
に設定時間を長くすると時間がかかり、かつ、ノイズや
振動などにより突発的な不良データを取り込む可能性が
ある。
さらに、精度1mg程度あるいは、それ以下の微少測定
を行う場合は、温度変化、制御機器から発生する磁力線
等が測定精度に悪影響を及ぼすと共に、被秤量物が誘電
体物質である場合に、摩擦等により発生する静電気も測
定精度に悪影響を及ぼす。特に、静電気による悪影響
は、従来用いられている風防箱の中に電子天秤を設置し
ても、排除することが出来ず、電子天秤による測定精度
を低下させる原因になっている。
課題を解決するための手段 本発明は上記した問題を解決せんとするもので、所定
の一定時間毎にデータの取り込みを行い、該データの最
大値と最小値の差が設定値以下になった時の値を秤量値
とすることにより、秤量値の精度向上および秤量速度を
高速化を図り、かつ、該電子天秤による秤量時に容器に
導電体のキャップを被せることにより静電気による影響
を排除して秤量精度を向上させることを特徴としてい
る。
即ち、本発明に係わる微少秤量装置は、読み取り限度
が約0.1mg以下で、約0.2秒以下(好ましくは0.05〜0.1
秒の範囲)毎に秤量データを出力する電子秤量と、 上記電子天秤によりバイアル、アンプル等の容器を秤
量する時に、該容器に被せる導電体よりなるキャップお
よび該キャップの昇降手段と、 上記容器を電子天秤上に移送すると共に、秤量後に搬
出する容器の移送手段と、 上記キャップ昇降手段および容器移送手段の駆動制御
を行うと共に、電子天秤から常時出力する秤量データを
サンプリングし、連続する所定数のサンプリングデー
タ、例えば、5〜30個のサンプリングデータの中での最
大値と最小値との差を前以て定めた安定検出判断幅と比
較し、上記差が安定検出判断巾以下となった時のデータ
を秤量値として出力する制御装置と を備えていることを特徴とする微少秤量装置を提供する
ものである。
作用 上記した制御装置を用いて電子天秤で秤量を行うこと
により、従来の天秤秤量安定検出方法等と比較して時間
の短縮化および精度の向上を図ることが出来、しかも、
従来では不可能であった静電気を帯びた非導電体の1mg
以下の精度の秤量も可能となるものである。
実施例 以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
第1図は、本発明に係わる秤量装置を示すもので、生
産ラインの一部分をなすスターホイール1の容器保持部
1aに保持された容器2を、容器移送手段を構成する真空
吸着ヘッド3によって吸着し、該ヘッド3をエアーシリ
ンダ4によって移動して電子天秤5の天秤皿6上に載置
するようにしている。ついで、天秤皿6の上方に配設し
ている導電体の金属キャップ7をエアーシリンダ8によ
り下降し、該金属キャップ7を電子天秤本体9に当接さ
せ、秤量時における静電気影響を排除するようにしてい
る。該状態で秤量し、秤量終了後にキャップ7を上昇さ
せ、真空吸着ヘッド3を移動して容器2をスターホイー
ルの容器保持部1aに戻している。
上記秤量される容器2として、本実施例では、医薬品
の粉末を充填するバイアル、アンプルなどが用いられて
いるが、その形状および材質は限定されず、特に、容器
がガラス製で誘導体の場合には静電気を発生しやすいた
め、特に、本秤量装置での静電気を排除した状態で秤量
する場合に適している。
上記金属キャップ7は容器2を適宜な間隔をあけて囲
繞出来ると共に、電子天秤本体9の下端面全体が当接
し、十分に容器2をシールド出来る大きさに設定してい
る。また、容器2を電子天秤に移送する手段は、上記真
空吸着ヘッド3とエアーシリンダ4との組み合わせに限
定されず、チャック方式の保持手段、ロボット等による
移動手段などを組み合わせて用いることも出来る。
上記電子天秤5による秤量動作は、第2図の→に
示す如く、容器2を天秤皿6上に載せた後、金属キャッ
プ7を下降し、その後に秤量を開始し、秤量終了後、金
属キャップ7を上昇し、容器2を天秤皿6より搬出して
いる。
上記電子天秤5は、読み取り限度が0.1mgのもので、
第3図に示す制御装置(コンピュータ)10と接続してお
り、被秤量物(容器2)が天秤皿6に載った時に同期信
号を出力する同期信号発生装置(図示せず)を備え、秤
量値を0.1秒毎にデジタル信号で出力している。
上記制御装置10は、プログラム制御部11、初期設定部
12、入力データ部13、記憶部14、安定検出判断部15、秤
量値算出部16、出力部17を備えている。
上記プログラム制御部11は、容器2を搬送するエアー
シリンダ4及び金属キャップ7を昇降するエアーシリン
ダ8の作動制御を行うと共に、金属キャップ下降後に秤
量開始信号を入力データ制御部13に出力するものであ
る。初期設定部12は、繰り返しカウンタ(I)、仮最大
値(Wmax)、仮最小値(Wmin)、サンプルデータ基準数
(n)、安定検出判断巾(ε)の設定を行い、これら初
期設定値を入力データ制御部13へ入力している。該入力
データ制御部13は、電子天秤5の出力秤量データの入力
と、Wmax、Wminの差(R)の算出を行う。記憶部14は、
上記入力データ制御部13から入力されるW(I)、Wma
x、Wmin、Rを記憶し、かつ、W(I)→W(I−
I)、W(I−I)→W(I−2)……W3→W2、W2→W1
へのデータシフトを行い、該記憶データを安定出力判断
部15と秤量値算出部16へ出力する。安定出力判断部15は
最大秤量値と最小秤量値の差Rと、安定検出判断巾εと
の比較を行い、R≧εの時に、秤量値算出部16へ秤量値
を算出するように出力する。該秤量値算出部16におい
て、ΣWi/nより秤量値Wを算出し、出力部17に該秤量値
Wを出力している。
上記制御部10は第4図のフローチャートのステップ#
1〜#10に示す順序で作動し、秤量値Wを算出してい
る。即ち、ステップ#1で初期設定を行い、ステップ#
2でカウントアップを判断し、ステップ#3でデータシ
フトし、ステップ#4でデータサンプリングを行い、ス
テップ#5で最大値と最小値の差(R)を算出し、ステ
ップ#6でカウントアップを判断し、ステップ#7で上
記差(R)と安定検出判断巾(ε)との比較を行い、ス
テップ#8で秤量値Wを算出している。ステップ#2で
I<nの時はステップ#2をとばして#4に進む。され
に、ステップ#6でI<nの時はステップ#9へ進み、
カウントを更新し、かつ、ステップ#7でR>εの時は
ステップ#10へ進む。
上記フローチャートにおいて、ステップ#10を省略
し、データシフトにより安定しだい出力する方法も採用
できる。この場合は秤量値Wを迅速に求めることが出
来、以下、このタイプを高速型と称する。また、サンプ
ルデータをnづつ分割して、ステップ#2とステップ#
3を省略する方法も採用でき、以下、このタイプをメモ
リ節約型と称する。上記高速型およびメモリ節約型は、
後述するように、メモリ節約型は高速型より時間的に若
干遅くなるが、精度上の効果はほぼ同様である。
《実験例》 約20g(真値=199980mg)の容器(バイアル)を電子
天秤5にのせ、金属キャップ7を被せて、その秤量デー
タをコンピュータで取り込みを行い、下記の表1に示す
各種データを求めた。表中の各項目は下記の如く設定し
ている。
☆時間[0.1秒]…秤量データが0から上昇開始直前か
らの経過時間 ☆秤量粗データ[0.1mg]…電子天秤から常時出力モー
ドでコンピュータへの送った秤量値の粗データ ☆真値からの差…容器の真値199980mgからの差 ☆本発明…上記した第3図に示す制御装置10を設けて、
本発明による方法で制御して秤量した場合 ・本発明の安定検出判断のためのR (|Wmax−Wmin|の値)…サンプルデータ基 準数をnを8個とした時のR ・安定検出値…Rが0.3mg、0.2mg、0.1mg、0.0mgとなっ
た時の8個の真値との差のデータの平均値 ☆天秤標準安定検出法…従来の安定検出方法により秤量
した場合で、天秤の安定検出のパラメータを適当値(積
分時間0.8秒、自動安定検出0.05mg)に設定している。
・平均値…0.8秒の積分時間での平均値 ・平均値の差…前の平均値との差 電子天秤の特性を示す、上記表1に記載した秤量粗デ
ータとの真値との差について、第5図および第6図の線
図に示す。
上記表1に示した本発明(前記した高速型による)に
おける安定検出判断巾Rを0.3mg、0.2mg、0.1mg、0.0mg
とした時の時間および真値との差、さらに、従来の天秤
標準安定検出法による時間、真値との差を次頁の表2に
記載する。
また、n=30の繰り返しのデータを整理すると、次頁
の表3に示すごとくになった。
上記した実験結果より明らかなようにし、本発明によ
れば、従来の天秤標準安定検出方法と比較して、(真値
との差で精度を定義した場合には)同精度においては約
1秒の短縮を図ることが出来、また、同一の安定時間と
した場合には秤量精度は約0.1mg精度が向上している。
発明の効果 以上の説明より明らかなように、本発明によれば、0.
1秒毎に秤量値をサンプリングし、連続する所定数のサ
ンプリングデータの最大秤量値と最小値との差(R)
を、例えば0.3mg〜0.1mgの範囲に設定した安定検出判断
巾(ε)と比較し、R≦ε以下になった時の値を秤量値
としていることにより、従来と比較して、同精度では時
間の短縮が出来、同一秤量時間では精度の向上を図るこ
とが出来る。特に、精度的に厳しい管理基準が設けられ
ている医薬品製造工程においては、上記精度の向上と、
また、従来は1サイクルが5秒の秤量時間を1秒の短縮
することは、約2割の時間短縮となり、高速化による生
産性向上への効果が非常に大きいものである。
さらに、本装置では秤量時に導電性の金属キャップを
被せて秤量するため、静電気による悪影響を排除するこ
とが出来、この点でも秤量精度の向上を図ることが出来
る。よって、従来の秤量装置では不可能であった静電気
を帯びた非導電体の1mg以下の精度の秤量が可能とな
り、従って、ガラス製のバイアルに微少量の粉末を1mg
以下の精度で充填することが要求される場合は、本秤量
装置を用いることにより可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の秤量装置を斜視図、第2図は秤量動作
を順次示す概略図、第3図は制御機構を示すブロック
図、第4図は制御装置10の動作を示すフローチャート、
第5図および第6図は電子天秤の秤量特性を示す線図で
ある。 2……容器、3……真空吸着ヘッド、 5……電子天秤、 4、8……エアーシリンダ、 7……金属キャップ、10……制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−93020(JP,A) 特開 平1−59128(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】読み取り限度が約0.1mg以下で、約0.2秒以
    下毎に秤量データを出力する電子天秤と、 上記電子天秤によりバイアル、アンプル等の容器を秤量
    する時に、該容器に被せる導電体よりなるキャップと、 上記容器を電子天秤上に移送すると共に、秤量後に搬出
    する容器の移送手段と、 上記キャップおよび容器移送手段の駆動制御を行うと共
    に、電子天秤から常時出力する秤量データをサンプリン
    グし、連続する所定数のサンプリングデータの最大値と
    最小値との差を前以て定めた安定検出判断幅と比較し、
    上記差が安定検出判断巾以下となった時のデータを秤量
    値として出力する制御装置と を備えていることを特徴とする微少秤量装置。
JP20249888A 1988-07-18 1988-08-12 微少秤量装置 Expired - Lifetime JP2612905B2 (ja)

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