JP2612724B2 - 絶縁抵抗測定方法 - Google Patents

絶縁抵抗測定方法

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JP2612724B2 JP62302982A JP30298287A JP2612724B2 JP 2612724 B2 JP2612724 B2 JP 2612724B2 JP 62302982 A JP62302982 A JP 62302982A JP 30298287 A JP30298287 A JP 30298287A JP 2612724 B2 JP2612724 B2 JP 2612724B2
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辰治 松野
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は活線状態で電路の絶縁抵抗を測定する方法に
関する。
(従来技術) 従来,漏電等の早期発見の為には第4図に示す如き絶
縁抵抗測定方法を用いるのが一般的であった。
即ち,Zなる負荷を有する受電変圧器Tの接地線LEを周
波数なる測定用低周波信号を発振する発振器OSCに
接続されたトランスOTのコアに貫通させ,電路L1,L2
測定用低周波電圧を印加し,前記接地線LEを貫通せしめ
た変流器ZCTによって電路(電路に接続された負荷機器
も含む)と大地間に存在する絶縁抵抗R0及び対地静電容
量C0を介して前記接地線に帰還する漏洩電流を検出し,
これを増幅器AMPで増幅した後,フィルタFILに加え周波
の成分のみを選択し,フィルタの出力を整流器DE
Tに加えて得られる出力を用いて電路の絶縁抵抗を一括
して測定するものであって,これは第3図に示す如き等
価回路で表示することができる。
即ち,第3図に於いて,R0は被測定電路ならびに負荷
機器と大地間の総合絶縁抵抗,C0は同じく対地静電容量
であって,rは接地線LEの接地抵抗である。
同図に於いて印加した測定用低周波電圧により接地
線に帰還する電流をとすれば =(A+jB) …… となり,ここで である。(ここでω=2πである) 一般にR0≫rであり (ω1C0r)≪1 …… となるようにωを選ぶことができれば前記式は 又式は B1C0 …… と表すことができるから,前記帰還電流の大きさ|1|
を実測することによって絶縁抵抗値R0を求めていた。
しかしながら,上述の如く従来の絶縁抵抗測定方法で
は,式から明らかな如く,対地静電容量C0が大きい
とき正確な絶縁抵抗が求められないばかりでなく,接地
抵抗rの影響を無視できなかった。また式の関係が成
立しない場合正確に絶縁抵抗が測定出来なかった。
(本発明の目的) 本発明は従来の問題を解決するもので,測定用低周波
電圧の周波数に高くても又対地静電容量が大きくても接
地抵抗の影響を受けずに,正確に絶縁抵抗の測定を可能
ならしめる方法を提供することを目的とする。
(発明の概要) この目的を達成するために、本発明に係る絶縁抵抗測
定方法の特許請求の範囲第1項記載の発明は、電路に周
波数f1及びf2なる測定用低周波信号を印加するトランス
のコアと漏洩電流を検出する変流器とを結合すると共
に、前記トランスのコアに印加された周波数f1及びf2の
前記測定用低周波信号の逆相の信号を前記変流器に印加
するために前記トランスのコアと変流器とを貫通する新
たな接続線を設け、かつ該接続線には可変コンデンサを
挿入し、前記変流器出力中の漏洩電流に含まれる前記周
波数f1の測定用低周波信号と同一周波数の成分の電流値
が最小となるように前記コンデンサの値を調整し、その
際の電流値i1及びコンデンサ値C1を得ると共に、前記変
流器出力中の漏洩電流に含まれる前記周波数f2の測定用
低周波信号と同一周波数の成分の電流値が最小となるよ
うに前記コンデンサの値を調整し、その際の電流値i2
びコンデンサ値C2を得、更に基準電圧Eとを用い、 により電路の絶縁抵抗を測定したことを特徴とする。
また、特許請求の範囲第2項記載の発明は、前記特許
請求の範囲第1項記載の絶縁抵抗測定方法において、周
波数f1及びf2の測定用低周波信号電圧が異なる場合に、
前記基準信号Eに代えて周波数f1の測定用低周波信号の
印加電圧値V1、周波数f2の測定用低周波信号の印加電圧
値V2とを用い、 により電路の絶縁抵抗を測定したことを特徴とする。
(実施例) 以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが,それに先立って本発明の方法の原理及び導出過
程について少しく詳細に説明する。
即ち,前記,式を得るためには,式の関係が必
要であり,式をみたすために対地静電容量C0が大きい
時又接地抵抗rが高い時等は,印加低周波電圧の周波数
を低くする必要があった。そこで式の関係を条件とし
なければ,式のA,Bは夫々,式から次式で与え
られる。即ち,R0≫rのとき ところで,第2図に示す如く,電路L1,L2を周波数
およびを夫々発振する発振器OSC1,OSC2の出力を
印加したトランスのコアOTに貫通せしめることにより,
電路に周波数1,の電圧(それぞれをVボルトとす
るが,必ずしも等しい必要はない)を印加し,かつ変流
器ZCTを電路に貫通させる。
更に,上記トランスのコアOTと変流器ZCTとを互に逆
相となる如く貫通せしめた接続線Lpを可変コンデンサCv
で終端すれば,変流器ZCTの出力を増幅器AMPで増幅後に
得られる周波数電流′は,,式から となる。ここで式の中で,−jω1Cvは接続線に流
れる電流となる。
電流′の大きさ,即ち|′|の値が最小とな
るように可変コンデンサCvを調整し,調整後のコンデン
サの値をC1とすれば,式から となり,|′|の最小値をi1とすれば,,式から となる。
又,増幅器AMP出力に得られる周波数の電流
′は,,と同様な関係により となる。電流′の大きさ,即ち|′|の値が最
小となるように可変コンデンサCvを調整し,調整後のコ
ンデンサの値をC2とすれば,式から となり,|′|の最小値をi2とすれば,,式より となる。
次に上記測定されたコンデンサの値C1,C2ならびに最
小電流値i1,i2から絶縁抵抗を算出する。
式から 又式から ,式の比をとることにより 即ち対地静電容量C0となる。
又,,式から となるから,これを夫々,,式に代入すれば, ,式より となる。式に式のC0を代入して整理すると となる。即ち測定されたコンデンサの値C1,C2の比C2/
C1,ならびに周波数1,の比の2乗即ち を求め,式の夫々に代入すれば電圧Vは一定なるから
V/R0を求めることにより絶縁抵抗を測定しうることにな
る。
また周波数の印加電圧がV1,周波数の印加電
圧がV2のときは,式のを1,式のをとする
ことにより となり,式の計算にくらべV1/V2の計算が追加され
る。
第1図は本発明に於いて使用する装置の一実施例を示
す構成図である。
同図において第2図ならびに第3図と同一の記号は同
一の意味をもつものとする。
電路へ周波数1,の互に等しい大きさの低周波電
圧を印加する為に,周波数1,を夫々発振する発振
器OSC1,OSC2をトランスOTのコアの巻線と接続する。前
記第3図ではトランスのコアOTに接地線LEを貫通してい
るが,電路L1,L2を貫通させても同様に電路に低周波電
圧の印加が可能である。更に,電路L1,L2を貫通する変
流器ZCTの出力を増幅器AMPで増幅後,周波数成分の
みを選択するフィルタFIL1,周波数成分のみを選択
するフィルタFIL2に入力し,各フィルタの出力は夫々整
流器DET1,DET2に入力する。トランスOTのコアならびに
変流器ZCTに接続線Lpを電路と逆相となるごとく貫通せ
しめ,接続線Lpを可変コンデンサCvで終端する。
この構成に於いて先ず整流器DET1の出力OUT1が最小と
なるように可変コンデンサCvを調整し,その時のコンデ
ンサCvの値C1を知る。またこのときの整流器の出力i1
コンデンサCMに記憶させるために,スイッチSWをオン←
オフすることによりコンデンサCMに出力i1の値が記憶さ
れる。次に整流器DET2の出力OUT2が最小となるように可
変コンデンサCvを調整し,その時のコンデンサCvの値C2
を知る。次にコンデンサの値C1,C2の比C2/C1を求め,こ
の比を係数回路CF1にセットすることにより係数回路CF1
の出力には に相当する出力が得られる。一方整流器DET2の出力i2の値を係数とする係数回路CF2に入力することにより係
数回路CF2の出力には に相当する出力が得られる。係数回路CF1,CF2の出力を
引算器SUB1のそれぞれの入力に印加すれば,引算器SUB1
の出力には に相当する出力が得られる。引算器SUB1の出力を割算器
DIVの一方の入力に加える。
ところで直流の基準電圧Eを係数回路CF1と同じ特性
を有する係数回路CF3に印加すれば,係数回路CF3の出力
となる。一方基準電圧Eを係数回路CF2と同じ特性を有
する係数回路CF4に印加すれば,係数回路CF4の出力は, となる。係数回路CF3,CF4の出力を引算器SUB2の夫々の
入力に印加すれば,引算器SUB2の出力は Eに相当する出力が得られ,これを割算器の他の一方の
入力に印加すれば割算器の出力は となり,これは前記式に比例しているから,割算器DI
Vの出力OUTにより絶縁抵抗R0の逆数を測定し、これから
絶縁抵抗R0を算出することができる。
尚、本発明の実施例においては説明を簡単にするため
単相2線式電路の場合を示したが,本発明は何等これに
限定されるものでなく一端接地形の単相3線式電路,3相
3線式電路等の場合においても有効であることは説明を
要しないであろう。
又,上記説明では接続線LpをトランスOTのコア,なら
びに変流器ZCTに単に電路とは逆相となる如く貫通させ
ているが,接続線を例えばトランスOTのコアにN回巻線
し,変流器ZCTには単に貫通,又これとは逆変流器にN
回巻線するよう構成すれば,可変コンデンサCvの値は1/
Nのものを用意すればよく,又両者にそれぞれN1,N2回巻
線すれば,可変コンデンサCvの値は で済むことも明らかである。
又,上記説明では印加電圧より90度位相の推移した漏
洩電流成分を打消すのに可変コンデンサCvに流れる電流
を用いたが,トランスOTのコアに巻線して得る電圧を90
度位相器に印加し,この出力電圧を抵抗等で終端した時
に得られる電流を変流器ZCTの1次電流として逆相で流
す如くし,移相器の出力電圧を可変にするか,終端した
抵抗値を可変にする等しても同等の打消電流を発生する
ことができる。
(発明の効果) 本発明の方法によれば対地静電容量や接地抵抗が大き
くても正確に絶縁抵抗の測定が可能であり,また印加電
圧の周波数を高くすることも可能であるから,印加トラ
ンスを小型化出来,可搬型の測定器を提供することもで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にて使用する装置の一実施例を示す図,
第2図は本発明の説明に用いる図,第3図は従来の測定
方法を示す図,第4図は被測定電路の等価回路を示す図
である。 T……受電トランス,OSC1,OSC2……発振器,OT……トラ
ンス,ZCT……変流器,AMP……増幅器,FIL1,FIL2……フィ
ルタ,DET1,DET2……整流器,CF1,CF2,CF3,CF4……係数回
路,SUB1,SUB2……引算器,DIV……割算器。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電路に周波数f1及びf2であり、且つ略同一
    電圧の測定用低周波信号を印加するトランスのコアと漏
    洩電流を検出する変流器とを結合すると共に、前記トラ
    ンスのコアに印加された周波数f1及びf2の前記測定用低
    周波信号の逆相の信号を前記変流器に印加するために前
    記トランスのコアと変流器とを貫通する新たな接続線を
    設け、かつ該接続線には可変コンデンサを挿入し、 前記変流器出力中の漏洩電流に含まれる前記周波数f1の
    測定用低周波信号と同一周波数の成分の電流値が最小と
    なるように前記コンデンサの値を調整し、その際の電流
    値i1及びコンデンサ値C1を得ると共に、前記変流器出力
    中の漏洩電流に含まれる前記周波数f2の測定用低周波信
    号と同一周波数の成分の電流値が最小となるように前記
    コンデンサの値を調整し、その際の電流値i2及びコンデ
    ンサ値C2を得、 更に基準電圧Eとを用い、 により電路の絶縁抵抗を測定したことを特徴とする絶縁
    抵抗測定方法。
  2. 【請求項2】周波数f1及びf2の測定用低周波信号電圧が
    異なる場合に、前記基準信号Eに代えて周波数f1の測定
    用低周波信号の印加電圧値V1、周波数f2の測定用低周波
    信号の印加電圧値V2とを用い、 により電路の絶縁抵抗を測定したことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の絶縁抵抗測定方法。
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