JP2611328B2 - 内燃機関のノッキング検出装置 - Google Patents

内燃機関のノッキング検出装置

Info

Publication number
JP2611328B2
JP2611328B2 JP11513388A JP11513388A JP2611328B2 JP 2611328 B2 JP2611328 B2 JP 2611328B2 JP 11513388 A JP11513388 A JP 11513388A JP 11513388 A JP11513388 A JP 11513388A JP 2611328 B2 JP2611328 B2 JP 2611328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
knocking
average value
knock
determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11513388A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01285643A (ja
Inventor
勇二 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP11513388A priority Critical patent/JP2611328B2/ja
Publication of JPH01285643A publication Critical patent/JPH01285643A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2611328B2 publication Critical patent/JP2611328B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、ノッキング判定値の決定に用いるノック信
号頻度平均値を補正し、有効にノッキングを検出する内
燃機関のノッキング検出装置に関する。
[従来の技術] 内燃機関の異常燃焼に伴って機関に発生する機械的振
動を検出素子により電気信号として検出し、電気信号の
振幅が比較基準値を上回ったときに、ノッキング発生を
検出するものが、従来より知られている。一般に、この
比較基準値は、ノッキング発生時、点火時および吸排気
弁開閉時の振動を含まない、正常燃焼時の電気信号(所
謂バックグラウンド信号)の振幅と係数との積に応じて
変化する。そこで、比較基準値を決定する正常燃焼時の
電気信号の振幅として、ノッキング発生の可能性が有る
と予想されるクランク角度範囲で、正常燃焼時に出力さ
れる電気信号の振幅の最大値を、複数の点火周期に亘っ
て、所謂なまし処理して得られる、重み付き平均値を使
用していた。
ところが、ノッキングが頻繁に発生すると、検出素子
から出力される電気信号の振幅も大きくなるため、重み
付き平均値が増加方向に更新される。従って、重み付き
平均値と係数との積で定まる比較基準値も増大するの
で、検出素子から出力される電気信号の振幅が比較的大
きくならないと、ノッキング発生を検出できない。この
ように、ノッキング発生に伴う比較基準値の上昇といっ
た悪循環により、ノッキング発生の検出が困難になると
いう不具合点があった。この不具合点を解決する対策と
しては、例えば、以下のような技術が提案されている。
すなわち、 (1) 内燃機関のノッキング要因を検出するノックセ
ンサの出力信号に応じてノッキング判定レベル発生回路
によりノック判定レベルを発生し、このノック判定レベ
ルとノックセンサの出力とをコンパレータにより比較し
てノッキングパルスを発生させると共に、クランプ回路
によりノック判定レベルが所定電圧以上にならないよう
に制限する「内燃機関用ノッキング検出装置」(実開昭
56−149927号公報)。
(2) 機関本体に装着した振動検出素子からの電気信
号に応じてノッキング発生の有無を検出する方法におい
て、あらかじめ定められた少なくとも1つの気筒の点火
後の所定クランク角度範囲における前記電子信号の振幅
値の複数の点火サイクルにおける平均値を算出し、該算
出した平均値と前記所定クランク角度範囲における前記
電子信号の振幅値との大小を比較することによりノッキ
ング発生の有無を検出する「内燃機関のノッキング検出
方法」(特開昭58−28645号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、従来技術には下記のような問題があり、未だ
充分ではなかった。すなわち、 (1) クランプ回路によりノック判定レベルが所定電
圧以上にならないように制限する構成では、エンジンの
運転状態が高速回転状態に移行すると、所謂バックグラ
ウンド信号の大きさとは無関係にノック判定レベルが所
定電圧未満に制限されてしまう。従って、所謂バックグ
ラウンド信号が本来は高くなる高速回転状態において
は、ノック判定レベルの低下に伴い、本来はノッキング
発生と判定されないものまでノッキグ発生であると誤判
定される場合もあり、ノッキング検出精度が低下すると
いう問題点があった。
(2) また、電気信号の振幅値の複数の点火サイクル
における平均値を算出し、該算出した平均値と前記所定
クランク角度範囲における前記電気信号の振幅値との大
小を比較することによりノッキング発生の有無を検出す
る構成では、平均値として、電気信号の振幅値を所謂な
まし処理して重み付けを行ない、面積平均値を算出して
いた。面積平均値は、電気信号の振幅値と反省頻度との
関係を示す分布曲線を、振幅値の面積平均値を通る直線
で2分割すると両側の面積が等しくなる振幅値である。
このため、電気信号の振幅値の大きい値が加算されるこ
とにより、ノッキング発生時の面積平均値は、ノッキン
グ非発生時の面積平均値より大きい側に移行する傾向が
ある。従って、面積平均値の増加に起因して、ノッキン
グ発生を判定する比較値も累積増加し、より大きな振幅
値の電気信号が入力されないとノッキングとは判定でき
なくなり、ノッキング検出精度が悪化するという問題も
あった。
(3) さらに、ノッキング発生時と非発生時との面積
平均値の差が比較的大きいため、ノッキング発生の比較
値も大きく変動するので、ノッキング検出の信頼性が低
下し、その検出結果に基づいて内燃機関のノッキング抑
制制御を実行しても、適切な効果を発揮しないという問
題点もあった。
(4) また、ノッキング発生を判定する比較値を、所
謂なまし処理により重み付けした面積平均値に基づいて
算出していたため、高速演算処理能力や大規模な記憶容
量が必要になるので、装置構成が複雑になるという問題
もあった。
本発明は、簡単な構成で、ノッキング発生を判定する
判定値を決定する平均値を、ノック信号と平均値との大
小関係により補正し、ノッキング現象の正確な検出を好
適に実現する内燃機関のノッキング検出装置の提供を目
的とする。
発明の構成 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するためになされた本発明は、第1図
に例示するように、 内燃機関M1の機関本体の機械的振動を検出してノック
信号を出力するノック信号検出手段M2と、 上記内燃機関M1の予め定められた少なくとも1つの気
筒の点火時期以後の所定クランク角度範囲内に上記ノッ
ク信号検出手段M2の出力したノック信号の最大値の複数
の点火周期にわたる頻度平均値に基づいて定まる判定値
を、上記所定クランク角度範囲内に上記ノック信号検出
手段M2の出力したノック信号の最大値が上回ったとき
は、ノッキング発生と判定する判定手段M3と、 該判定手段M3の判定に使用したノック信号の最大値と
頻度平均値とを比較して大小関係を判別する比較手段M4
と、 該比較手段M4により上記ノック信号の最大値が上記頻
度平均値を上回ると判別されたときは該頻度平均値を増
加補正し、一方、上記ノック信号の最大値が上記頻度平
均値を下回ると判別されたときは該頻度平均値を減少補
正する補正手段M5と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のノッキング検出装
置を要旨とするものである。
[作用] 本発明の内燃機関のノッキング検出装置は、第1図に
例示するように、ノック信号検出手段M2は、内燃機関M1
の機関本体の機械的振動を検出してノック信号を検出す
る。上記内燃機関M1の予め定められた少なくとも1つの
気筒の点火時期以後の所定クランク角度範囲内に上記ノ
ック信号検出手段M2の出力したノック信号の最大値の複
数の点火周期にわたる頻度平均値に基づいて定まる判定
値を、上記所定クランク角度範囲内に上記ノック信号検
出手段M2の出力したノック信号の最大値が上回ったとき
は、判定手段M3が、ノッキング発生と判定する。これに
際し、上記判定手段M3の判定に使用したノック信号の最
大値と頻度平均値とを、比較手段M4は比較して大小関係
を判別する。さらに、補正手段M5は、上記比較手段M4に
より上記ノック信号の最大値が上記頻度平均値を上回る
と判別されたときは該頻度平均値を増加補正し、一方、
上記ノック信号の最大値が上記頻度平均値を下回ると判
別されたときは該頻度平均値を減少補正するよう働く。
すなわち、ノッキング発生を判定する判定値を、ノッ
ク信号の最大値の複数の点火周期にわたる頻度平均値に
基づいて定めると共に、上記頻度平均値をノック信号の
最大値との比較により増減補正し、頻度平均値を上回る
ノック信号の最大値の発生頻度と下回る発生頻度とを等
しく保持し、上記判定値の過剰上昇を抑制するのであ
る。
従って、本発明の内燃機関のノッキング検出装置は、
ノッキング発生を判定する判定値の累積増加による、ノ
ッキング検出精度の低下を低減するよう働く。
以上のように本発明の各構成要素が作用することによ
り、本発明の技術的課題が解決される。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。本発明の第1実施例であるエンジンのノッキン
グ検出装置のシステム構成を第2図に示す。
同図に示すように、エンジンのノッキング検出装置1
は、4気筒のエンジン2およびこれを制御する電子制御
装置(以下、単にECUと呼ぶ。)3から構成されてい
る。
エンジン2は、第1気筒(#1)11、第2気筒(#
2)12、第3気筒(#3)13、第4気筒(#4)14を備
え、各気筒11,12,13,14には、点火プラグ15,16,17,18が
配設されている。これらの点火プラグ15,16,17,18に
は、イグニッションコイルを備えたイグナイタ19で発生
した点火に必要な高電圧が、図示しないクランク軸と連
動するカムシャフトを備えたディストリビュータ20を介
して、分配供給される。
エンジンのノッキング検出装置1は検出器として、エ
ンジン2のシリンダブロックに配設されて機械的振動を
電気的なノック信号として出力する共振型のノックセン
サ31、ディストリビュータ20に内蔵されてディストリビ
ュータ20のカムシャフトの1/4回転毎に、すなわち、ク
ランク角180[゜]毎に気筒判別信号(G信号)を発生
する気筒判別センサ32、ディストリビュータ20のカムシ
ャフトの1/24回転毎に、すなわち、クランク角30[゜]
毎に回転角信号(Ne信号)を発生する回転速度センサを
兼ねた回転角センサ33、吸気マニホールド内部の吸気管
圧力を計測する吸気管圧力センサ34、エンジン2の冷却
水温度から機関温度を測定する水温センサ35を備える。
これら各センサの検出信号は、ECU3に入力され、ECU3は
エンジン2を制御する。
ECU3は、MPU3a,ROM3b,RAM3c,バックアップRAM3d,タイ
マ3eを中心に論理演算回路として構成され、コモンバス
3fを介して入出力部3g,3hに接続されて外部との入出力
を行なう。
ノックセンサ31の出力するノック信号は、インピーダ
ンス変換作用を有し、ノッキング固有の周波数帯域(7
〜8[KHz])を通過帯域とするバンドパスフィルタ回
路3i、MPU3aの制御信号に従ってバンドパスフィルタ回
路3iを通過したノック信号の最大振幅のホールド動作を
行なうピークホールド回路3j、MPU3aの制御信号に従っ
てピークホールド回路3jの出力をA/D変換すると共にA/D
変換終了割込信号をMPU3aに出力するA/D変換器3k、入出
力ポート3gを介してMPU3aに入力される。気筒判別セン
サ32の検出した気筒判別信号(G信号)は、バッファ3
m、割込要求信号形成回路3nを、また、回転角センサ33
の検出した回転角信号(Ne信号)は、バッファ3p、割込
要求信号形成回路3nおよび速度信号形成回路3qを、各々
介して入出力ポート3hから割込信号および回転速度信号
としてMPU3aに入力される。さらに、吸気管圧力センサ3
4の検出信号はバッファ3rに、水温センサ35の検出信号
はバッファ3sに、各々入力し、MPU3aの制御信号に従っ
て作動するマルチプレクサ3t、A/D変換器3uを介して入
出力ポート3hからMPU3aに入力される。一方、MPU3aは、
入出力ポート3gを介して駆動回路3vに制御信号を出力
し、イグナイタ19を駆動して点火時期を制御する。
次に、ECU3が実行するノッキング検出開始時刻算出処
理を第3図に示すフローチャートに、ノッキング検出終
了時刻算出処理を第4図に示すフローチャートに、A/D
変換開始処理を第5図に示すフローチャートに、ノッキ
ング検出信号を第6図に示すフローチャートに、各々基
づいて説明する。
まず、ノッキング検出開始時刻算出処理を第3図に示
すフローチャートに基づいて説明する。本ノッキング検
出開始時刻算出処理は、予め定められた特定クランク角
度{本実施例では上死点(TDC)}毎に発生する割込信
号に伴って実行される。まず、ステップ100では、各種
のデータを読み込む処理が行われる。続くステップ110
では、ノッキング検出開始時刻t1を算出する所が行われ
る。ここで、ノッキング検出開始時刻t1は、予め定めら
れたノッキング検出期間の開始クロンク角度{本実施例
では、例えば、ATDC10〜20[゜CA]}、検出された現在
のクランク角度Cθ[゜CA]、タイマ3eの現在の計時値
TMに基づいて算出される。次にステップ120に進み、ス
テップ110で算出されたノッキング検出開始時刻t1をMPU
3a内部のレジスタにセットする処理を行った後、一旦、
本ノッキング検出開始時刻算出処理を終了する。以後、
本ノッキング検出開始時刻算出処理は、特定クランク角
度毎にステップ100〜120を繰り返して実行する。
次に、ノッキング検出終了時刻算出処理を第4図に示
すフローチャートに基づいて説明する。本ノッキング検
出終了時刻算出処理は、上述したノッキング検出開始時
刻算出処理で算出された時刻t1に発生する割込信号に伴
って実行される。まず、ステップ200では、ピークホー
ルド回路3jにハイレベル(“1")の制御信号を出力する
処理が行われる。本ステップ200の処理により、ピーク
ホールド回路3jは、ノック信号のピークホールド動作を
開始する。続くステップ210では、各種のデータを読み
込む処理が行われる。次にステップ220に進み、ノッキ
ング検出終了時刻t2を算出する処理が行われる。ここ
で、ノッキング検出終了時刻t2は、予め定められたノッ
キング検出期間の開始時期から終了時期に亘るクランク
角度{本実施例では、例えば、60〜90[゜CA]}、検出
された現在のクランク角度Cθ[゜CA]、タイマ3eの現
在の計時値TMに基づいて算出される。続くステップ230
に進み、ステップ220で算出されたノッキング検出終了
時刻t2をMPU3aの内部のレジスタにセッエトする処理を
行った後、一旦、本ノッキング検出終了時刻算出処理を
終了する。以後、本ノッキング検出終了時刻算出処理
は、割込信号発生毎にステップ200〜230を繰り返して実
行する。
次に、A/D変換開始処理を第5図のフローチャートに
基づいて説明する。A/D変換開始処理は、上述されたノ
ッキング検出終了時刻算出処理で算出された時刻t2に発
生する割込信号に伴って実行される。まず、ステップ30
0では、A/D変換回路3kにハイレベル(“1")の制御信号
を出力する処理が行われる。本ステップ300の処理によ
り、A/D変換回路3kは、ノック信号のA/D変換を開始す
る。本ステップ300の処理を行った後、一旦、本A/D変換
開始処理を終了する。以後、本A/D変換開始処理は、割
込信号発生毎にステップ300を繰り返して実行する。
次に、ノッキング検出処理を第6図のフローチャート
に基づいて説明する。本ノッキング検出処理は、A/D変
換器3kの出力するA/D変換終了割込信号{本実施例で
は、例えば、A/D変換開始後、10[msec]経過時に発
生}に伴って起動される。まず、ステップ400では、各
種のデータを読み込む処理が行われる。続くステップ40
5では、A/D変換値A/Dを、ノックセンサ出力信号振幅値
aに設定する処理が行われる。次にステップ410に進
み、ピークホールド回路3jにピークホールド終了制御信
号を出力する処理が行われる。すなわち、MPU3aは、ピ
ークホールド回路3jにロウレベル(“0")の制御信号を
出力する。続くステップ415では、ノッキングセンサ出
力信号振幅値aが、ノッキング発生を判定する判定値K
×M以下であるか否かを判定し、肯定判断されるとステ
ップ420に、一方、否定判断されるとステップ440に、各
々進む。ここで、値Kは係数(本実施例では、例えば、
K=2)、値Aはノックセンサ出力信号振幅値aの頻度
平均値であり初期値は値0であり、逐次更新される。ノ
ッキング現象が発生していないときに実行されるステッ
プ420では、ノッキング現状の無い状態の連続回数を計
数するカウンタnの計数値が値10以上か否かを判定し、
肯定判断されるとステップ430に、一方、否定判断され
るとステップ425に、各々進む。ノッキング現象の無い
状態が、未だ連続する点火周期10回未満の場合に実行さ
れるステップ425では、カウンタnの計数値に値1を加
算する処理を行った後、ステップ445に進む。一方、ノ
ッキング現状の無い状態が連続する点火周期10回以上の
場合に実行されるステップ430では、点火時期の進角補
正値θをクランク角度Yだけ進角する処理が行われる。
この進角補正値θは、所定クランク角度毎に実行される
周知の点火時期算出処理で使用される値である。すなわ
ち、点火時期算出処理では、エンジン2の吸気管圧力PM
および回転速度Neに基づき、予め定められてROM3bに記
憶されているマップに従い基本点火時期θ0を算出し、
この基本点火時期θ0を進角補正値θにより補正して目
標点火時期θを算出する。従って、ステップ430の処
理により目標点火時期θは、クランク角度Yだけ進角
される。続くステップ435では、カウンタnを値0にリ
セットする処理を行った後、ステップ445に進む。ま
た、ノッキング現象が発生したときに実行されるステッ
プ440では、点火時期の進角補正値θをクランク角度X
だけ遅角する処理が行われる。この処理により目標点火
時期θは、クランク角度Xだけ遅角され、ノッキング
現象が抑制される。その後、ステップ435を経由してス
テップ445に進む。ステップ445では、ノックセンサ出力
信号振幅値aが、頻度平均値A以下であるか否かを判定
し、肯定判断されるとステップ455に、一方、否定判断
されるとステップ450に、各々進む。ノックセンサ出力
信号振幅値aが、頻度平均値Aより大きい側にあるとき
に実行されるステップ450では、頻度平均値Aに値1を
加算して頻度平均値Aを増加補正する処理を行った後、
ステップ465に進む。一方、ノックセンサ出力信号振幅
値aが、頻度平均値Aより小さい側にあるときに実行さ
れるステップ460では、頻度平均値Aから値1を減算し
て頻度平均値Aを減少補正する処理を行った後、ステッ
プ465に進む。ステップ465では、算出、もしくは、更新
された各種のデータをRAM3c、あるいは、バックアップR
AM3dに記憶する処理を行った後、一旦、本ノッキング検
出処理を終了する。以後、本ノッキング検出処理はA/D
変換終了割込信号発生毎に、上記ステップ400〜465を繰
り返して実行する。
なお本第1実施例において、エンジン2が内燃機関M1
に、ノックセンサ31がノック信号検出手段M2に、各々該
当する。また、ECU3およびECU3の実行する処理のうちス
テップ(100〜120,200〜230,300,400〜415)が判定手段
M3として、ステップ(445,455)が比較手段M4として、
ステップ(450,460)が補正手段M5として各々機能す
る。
以上説明したように本第1実施例によれば、ノックセ
ンサ31の出力信号のピークホールド値をA/D変換して得
られるノックセンサ出力信号振幅値aが、頻度平均値A
を上回るときは頻度平均値Aに値1を加算して増加補正
し、一方、ノックセンサ出力信号振幅値aが、頻度平均
値Aを下回るときは頻度平均値Aから値1を減算して減
少補正している。このため、ノックセンサ出力信号振幅
値aが頻度平均値Aよりかなり大きな値であっても、頻
度平均値Aは1だけしか増加しない。従って、ノッキン
グ発生を判定する判定値K×Aも累積により過剰増加す
ることは無いので、広範囲の運転状態に亘って、ノッキ
ング発生を正確に検出できる。
すなわち、ノックセンサ出力信号振幅値a[V]とそ
の発生頻度[回]とを図示すると、第7図に示すような
分布形状を示す。ノッキング現象が無いときは正規分布
に近い形状をなす(同図に破線で示す。)。このときの
ように、所謂バックグラウンド信号を検出中には、頻度
平均値ABGはノックセンサ出力信号振幅値aの大きい側
の回数と小さい側の回数とを2等分する位置にある(同
図に一点鎖線で示す。)。従って、この場合の判定値K
×ABGは、同図に一点鎖線で示す位置の値になる。一
方、ノッキング現象が有るときは、振幅値の大きい側に
裾野が広がった分布形状をなす(同図に実線で示
す。)。このときにも、頻度平均値Aは、ノックセンサ
出力信号振幅値aの大きい側の回数と小さい側の回数と
を2等分する位置にあり(同図に実線で示す。)、面積
平均値AMのように、ノックセンサ出力信号振幅値a大き
い側へ大きく偏ることはない。従って、この場合の判定
値K×Aは、同図に実線で示すように、ノッキング現象
が無い場合の判定値K×ABGと比較的近い値をとり、ノ
ックセンサ出力信号振幅値aの大きさを正確に判定でき
る。ちなみに、従来技術では面積平均値AMに基づく判定
を行なっていた。このため、ノッキング現象が有るとき
には、面積平均値AMは、ノックセンサ出力信号振幅値a
の大きい側の面積と小さい側の面積とが等しくなる位置
にくる(同図に二点鎖線で示す。)。そこで、面積平均
値AMは、ノックセンサ出力信号振幅値aの大きい側への
過剰増加を生じた。従って、従来技術の場合の判定値K
×AMは、同図に二点鎖線で示すように、ノッキング現象
が無い場合の判定値K×ABGから大きく離れた値まで増
加し、より大きな値を有するノックセンサ出力信号振幅
値aが検出されないと、ノッキング現象の発生を判定で
きなかった。
また、第7図に示すように、ノッキング現象の有ると
きの頻度平均値Aとノッキング現象の無いときの頻度平
均値ABGとの差が比較的小さく制限され、ノッキング現
象の有るときの判定値K×Aも大きく変動しないので、
ノッキング現象の検出が容易になり、エンジンのノッキ
ング検出装置1の信頼性が高まる。
さらに、その検出結果に基づいて、ノッキング現象発
生時は点火時期の進角補正値θを値Xだけ遅角させ、一
方、ノッキング現象非発生状態が10回以上連続したとき
は点火時期の進角補正値θを値Yだけ進角させるノッキ
ング抑制制御を実行するため、ノッキング現象は迅速に
解消され、エンジン2はノッキング現象発生に伴う各種
の弊害を速やかに回避できるので、エンジン2の耐久性
も高まる。
また、ノッキング現象発生の判定値K×Aを、所謂な
まし処理により重み付けした面積平均値AMに基づいて算
出しないため、MPU3aは高速演算処理能力を必要とせ
ず、RAM3cも多量のデータを記憶可能な容量を必ずしも
要求されないので、装置構成を簡略化でき、装置の汎用
性および車両実装性を改善できる。
なお、本第1実施例では、ノックセンサ出力信号振幅
値aが、頻度平均値Aを上回るときは頻度平均値Aに値
1を加算して増加補正し、一方、ノックセンサ出力信号
振幅値aが、頻度平均値Aを下回るときは頻度平均値A
から値1を減算して減少補正している。しかし、増加補
正の値と減少補正の値とを等しくする必要はなく、頻度
平均値Aの過剰増加を抑制できれば良い。従って、例え
ば、頻度平均値Aの増加補正値ΔA1、減少補正値ΔA2
が、減少補正値ΔA2>増加補正値ΔA1を満たすよう構成
することもできる。
また、本第1実施例のノッキング検出処理のステップ
(445〜460)を、例えば、第8図のフローチャートに示
す、ステップ(445a〜460a)に置き換える構成としても
良い。すなわち、同図に示すように、ノックセンサ出力
信号振幅値aが頻度平均値Aに係数1.01を掛けた値以下
であるか否かを判定し(ステップ445a)、否定判断され
ると頻度平均値Aに値1を加算する増加補正を行ない
(ステップ450a)、一方、ノックセンサ出力信号振幅値
aが頻度平均値Aに係数1.01を掛けた値未満であるとき
は(ステップ445a,455a)、頻度平均値Aから値1を減
算する減少補正を行なう(ステップ460a)のである。こ
のように構成した場合は、予め印度平均値Aを1.0
[%]増加した値と、ノックセンサ出力信号振幅値aと
の大小関係を比較した結果に基づく補正を行なうので、
頻度平均値Aは減少補正される場合が多くなり、頻度平
均値Aの増加をより一層制限できる。
次に本発明第2実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。本第2実施例と第1実施例との相違点は、ノッキン
グ検出処理が異なることである。その他の装置構成は第
1実施例と同一であるため、同一部分は同一符号で表記
し、説明を省略する。
次に、本第2実施例で実行されるノッキング検出処理
を、第9図のフローチャートに基づいて説明する。本ノ
ッキング検出処理は、A/D変換器3kの出力するA/D変換終
了割込信号に伴って起動される。まず、各種のデータを
読み込み(ステップ500)、A/D変換値A/Dをノックセン
サ出力信号振幅値aに設定し(ステップ505)、ピーク
ホールド終了制御信号を出力し(ステップ510)、ノッ
クセンサ出力信号振幅値aが、ノッキング発生を判定す
る判定値K×A以下であるか否かを判定し(ステップ51
5)、肯定判断されるとステップ520に、一方、否定判断
されるとステップ540に、各々進む。ノッキング現象が
発生していないときは、カウンタnの計数値が値10以上
か否かを判定し(ステップ520)、肯定判断されるとス
テップ530に、一方、否定判断されるとステプ525に、各
々進む。ノッキング現象の無い状態が、未だ連続する点
火周期10回未満の場合には、カウンタnの計数値に値1
を加算し(ステップ525)、ステップ545に進む。一方、
ノッキング現象の無い状態が連続する点火周期10回以上
の場合には、点火時期の進角補正値θをクランク角度Y
だけ進角し(ステップ530)、カウンタnを値0にリセ
ットし(ステップ535)、ステップ545に進む。また、ノ
ッキング現象が発生したときは、点火時期の進角補正値
θをクランク角度Xだけ遅角し(ステップ540)、ステ
ップ535を経由してステップ545に進む。ステップ545で
は、エンジン2の回転速度Neが1000[r.p.m.]以上であ
るか否かを判定し、肯定判断されるとステップ550に、
一方、否定判断されるとステップ555に、各々進む。回
転速度Neが1000[r.p.m.]以上であるときに実行される
ステップ550では、パラメータxに回転速度Neを設定す
る処理を行った後、ステップ560に進む。一方、回転速
度Neが1000[r.p.m.]未満であるときに実行されるステ
ップ555では、パラメータxに値1000を設定する処理を
行った後、ステップ560に進む。ステップ560では、パラ
メータxの値を、パラメータxの設定値を値1000で除し
た値に更新する処理が行われる。続くステップ565で
は、パラメータxの値を、パラメータxの設定値と、エ
ンジン2の吸気管圧力PMを値50で除した値との加算値に
更新する処理が行われる。次にステップ570に進み、パ
ラメータxの値と値1との加算値の整数部分を、パラメ
ータx、すなわち、補正値xに設定する処理が行われ
る。続くステップ572では、ノックセンサ出力信号振幅
値aが、頻度平均値Aと等しいか否かを判定し、肯定判
断されるとステップ590に、一方、否定判断されるとス
テップ574に、各々進む。ノックセンサ出力信号振幅値
aが印度平均値Aと等しくないときに実行されるステッ
プ574では、ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度平均
値A未満であるか否かを判定し、肯定判断されるとステ
ップ585に、一方、否定判断されるとステップ576に、各
々進む。ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度平均値A
より大きい側にあるときに実行されるステップ576で
は、補正値xに値0.8を掛けて減少補正した値を補正値
xに設定する処理が行われる。続くステップ578では、
補正値xが値1以上か否かを判定し、肯定判断されると
ステップ582に進み、一方、否定判断されるとステップ5
80に進んで補正値xを下限値1に制限した後、ステップ
582に進む。ステップ582では、頻度平均値Aにステプ57
6〜ステップ580で減少補正した補正値xを加算して頻度
平均値Aを増加補正する処理を行った後、ステップ590
に進む。一方、ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度平
均値Aより小さい側にあるときに実行されるステップ58
5では、頻度平均値Aからステップ570で算出した補正値
xを減算して頻度平均値Aを減少補正する処理を行った
後、ステップ590に進む。ステップ590では、算出、もし
くは、更新された各種のデータをRAM3c、あるいは、バ
ックアップRAM3dに記憶する処理を行った後、一旦、本
ノッキング検出処理を終了する。以後、本ノッキング検
出処理はA/D変換終了割込信号発生毎に、上記ステップ5
00〜590を繰り返して実行する。
なお本第2実施例において、エンジン2が内燃機関M1
に、ノックセンサ31がノック信号検出手段M2に、各々該
当する。また、ECU3およびECU3の実行する処理のうちス
テップ(100〜120,200〜230,300,500〜515)が判定手段
M3として、ステップ(572,574)が比較手段M4として、
ステップ(576〜585)が補正手段M5として各々機能す
る。
以上説明したように本第2実施例によれば、上述した
第1実施例の各効果に加えて、次のような特有の効果を
奏する。すなわち、本第2実施例では、頻度平均値Aを
増減補正する補正値xを、エンジン2の回転速度Neおよ
び吸気管圧力PMに基づいて算出する構成を取った。従っ
て、頻度平均値Aのエンジン2の回転速度Neおよび吸気
管圧力PMの変動に対する応答性・追従性が向上する。一
般に、ノックセンサ出力信号振幅値aは、エンジン2の
高速回転応対、高負荷状態で大きな値をとり、低速回転
状態、軽負荷状態で小さな値をとる。このため、頻度平
均値Aを増減すると補正値xが全ての運転状態でほぼ同
一であるとすると、低速回転状態、軽負荷状態では、小
さい値である頻度平均値Aに対する補正値xの比率が大
きくなって、頻度平均値Aおよび判定値K×Aの値が大
きく変動し、ノッキング検出処理が不安定になる恐れが
ある。一方、高速回転状態、高負荷状態では、大きい値
である頻度平均値Aに対する補正値xの比率が小さくな
って、頻度平均値Aおよび判定値K×Aの値の更新に遅
れを生じ、回転速度上昇時や負荷急増加時等には、ノッ
キング検出処理の追従性が悪化する。従って、補正値x
を回転速度Neおよび吸気管圧力PMに基づいて算出する
と、頻度平均値Aが小さいときは補正値xも小さく、一
方、頻度平均値Aが大きいときは補正値xも大きくなる
ので、全ての運転状態において頻度平均値Aに対する補
正値xの比率を所定範囲内に制限でき、応答性・追従性
の悪化を補償できる。
また、頻度平均値Aの減少補正時には算出された補正
値xをそのまま使用し、増加補正時には下限値1以上の
範囲内で、算出された補正値xを80[%]に減少補正し
て使用するので、頻度平均値Aの増加側への移行速度を
緩慢に制限できる。
なお、本第2実施例では、回転速度Neの基準値を値10
00[r.p.m.]に、また、吸気管圧力PMの基準値を値50
[KPa]に、各々設定したが、これらの値を他を好適な
値に任意に選択しても良い。
また、本第2実施例では、回転速度Neおよび吸気管圧
力PMに基づいて補正値xを増減補正したが、例えば、水
温センサ35の検出した冷却水温度に基づいて機関温度を
推定し、補正値xを増減補正するよう構成することもで
きる。
次に本発明第3実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。本第3実施例と第1実施例との相違点は、ノッキン
グ検出処理が異なることである。その他の装置構成は第
1実施例と同一であるため、同一部分は同一符号で表記
し、説明を省略する。
次に、本第3実施例で実行されるノッキング検出処理
を、第10図のフローチャートに基づいて説明する。本ノ
ッキング検出処理は、A/D変換器3kの出力するA/D変換終
了割込信号に伴って起動される。まず、各種のデータを
読み込み(ステップ600)、A/D変換値A/Dをノックセン
サ出力信号振幅値aに設定し(ステップ602)、ピーク
ホールド終了制御信号を出力する(ステップ604)。次
のステップ606〜ステップ630では、予め定められてROM3
bに記憶されている第11図に示すマップに従い、回転速
度Neに応じた補正用パラメータbを算出する。なお、第
11図に示すマップは、ROM3b内部では、第12図に示すメ
モリマップのように記憶されている。まず、ステップ60
6では、アドレスバァファdに、第12図に示すようにマ
ップデータが記憶されているメモリアドレスの先頭メモ
リアドレスαを設定する処理が行われる。続くステップ
608では、パラメータバッファeに、回転速度Neからマ
ップの最小基準値1000を減算し、さらに、値10で除した
値を設定する処理が行われる。次にステップ610に進
み、マップデータ間隔バァファfに値100を設定する処
理が行われる。続くステップ700では、後述する補間演
算処理が実行される。次にステップ630に進み、ステッ
プ700の補間演算処理で算出されたパラメータeの値を
補正用パラメータbに設定する処理が行われる。次のス
テップ636〜ステップ660では、予め定められてROM3bに
記憶されている第13図に示すマップに従い、吸気管圧力
PMに応じた補正用パラメータbを算出する。なお、第13
図に示すマップは、ROM3b内部では、第14図に示すメモ
リマップのように記憶されている。まず、ステップ636
では、アドレスバッファdに、第14図に示すようにマッ
プデータが記憶されているメモリアドレスの先頭メモリ
アドレスβを設定する処理が行われる。続くステップ63
8では、パラメータバッファeに、吸気管圧力PMにマッ
プ基準点数4を掛けた値を設定する処理が行われる。次
にステップ640に進み、マップデータ間隔バッファfに
値100を設定する処理が行われる。続くステップ700で
は、後述する補間演算処理が実行される。次にステップ
660に進み、ステップ630で算出された補正用パラメータ
bの値に、ステップ700の補間演算処理で算出された補
正用パラメータeの値を加算してマップオフセット値b
を算出する処理が行われる。続くステップ662では、バ
ックグラウンド補正値Bとマップオフセット値bとを加
算して頻度平均値Aを算出する処理が行われる。次にス
テップ664に進み、ノックセンサ出力信号振幅値aが、
ノッキング発生を判定する判定値K×A以下であるか否
かを判定し、肯定判断されるとステップ666に、一方、
否定判断されるとステップ674に、各々進む。ノッキン
グ現象が発生していないときは、カウンタnの計数値が
値10以上か否かを判定し(ステップ666)、肯定判断さ
れるとステップ670に、一方、否定判断されるとステッ
プ668に、各々進む。ノッキング現象の無い状態が、未
だ連続する点火周期10回未満の場合には、カウンタnの
計数値に値1を加算し(ステップ668)、ステップ676に
進む。一方、ノッキング現象の無い状態が連続する点火
周期10回以上の場合には、点火時期の進角補正値θをク
ランク角度Yだけ進角し(ステップ670)、カウンタn
を値0にリセットし(ステップ672)、ステップ676に進
む。また、ノッキング現象が発生したときは、点火時期
の進角補正値θをクランク角度Xだけ遅角し(ステップ
674)、ステップ672を経由してステップ676に進む。ス
テップ676では、ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度
平均値A以下であるか否かを判定し、肯定判断されると
ステップ682に、一方、否定判断されるとステップ678
に、各々進む。ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度平
均値Aより大きい値にあるときに実行されるステップ67
8では、頻度平均値Aに値1を加算して増加補正する処
理が行われる。続くステップ680では、ステップ678で増
加補正された頻度平均値Aからマップオフセット値bを
減算してバックグラウンド補正値Bに更新する処理を行
った後、ステップ688に進む。一方、ノックセンサ出力
信号振幅値aが頻度平均値A以下であるときは、ノック
センサ出力信号振幅値aと頻度平均値Aとが等しいか否
かを判定し(ステップ682)、肯定判断されるとステッ
プ688に、一方、否定判断されるとステップ684に、各々
進む。ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度平均値Aよ
り小さい側にあるときに実行されるステップ684では、
頻度平均値Aから値1を減算して減少補正する処理が行
われる。続くステップ686では、ステップ684で減少補正
された頻度平均値Aからマップオフセット値bを減算し
てバックグラウンド補正値Bを更新する処理を行った
後、ステップ688に進む。ステップ688では、算出、もし
くは、更新された各種のデータをRAM3c、あるいは、バ
ックアップRAM3dに記憶する処理を行った後、一旦、本
ノッキング検出処理を終了する。以後、本ノッキング検
出処理はA/D変換終了割込信号発生毎に、上記ステップ6
00〜688を繰り返して実行する。
次に、ノッキング検出処理のステップ700で実行され
る補間演算処理を、第15図のフローチャートに従って説
明する。本補間演算処理は、第10図に示すノッキング検
出処理に伴って実行される。まず、ステップ710では、
ノッキング検出処理でパラメータバッファeに設定され
た値をマップデータ間隔バッファfに設定された値で除
して求めた商の整数部、すなわち、マップの先頭メモリ
アドレスからの偏差をマップデータバッファgに設定す
る処理が行われる。続くステップ720では、ノッキング
検出処理でアドレスバッファdに設定された値、すなわ
ち、メモリマップの先頭アドレスに、ステップ710でマ
ップデータバッファgに設定された値を加算して求まる
値、すなわち、今回処理時に使用するアドレスにより、
アドレスバッファdの設定値を更新する処理が行われ
る。次にステップ730に進み、ノッキング検出手段処理
でパラメータバッファeに設定された値から、ステップ
710でマップデータバッファgに設定された値とノッキ
ング検出処理でマップデータ間隔バッファfに設定され
た値との積を減算した値、すなわち、今回使用するメモ
リアドレスのマップデータと今回使用するパラメータと
の偏差を、パラメータバッファeに設定する処理が行わ
れる。続くステップ740では、アドレスバッファdに設
定されている今回処理時に使用するメモリアドレスのマ
ップデータを、第12図、もしくは、第14図の何れか一方
のメモリマップから読み込み、マップデータバッファg
に設定する処理が行われる。次にステップ750に進み、
アドレスバッファdに設定されている今回処理時に使用
するメモリアドレスに値1を加えたメモリアドレスのマ
ップデータを、第12図、もしくは、第14図の何れか一方
のメモリマップから読み込み、マップデータバッファh
に設定する処理が行われる。続くステップ760では、マ
ップデータバッファhに制定されているマッブデータか
ら、マップデータバッファgに設定されているマップデ
ータを減算した値に、ステップ730でパラメータバッフ
ァeに設定された値をノッキング検出処理でマップデー
タ間隔バッファfに設定された値で除した商を掛ける補
間計算により算出したマップデータのオフセット値を、
マップデータバッファhに設定する処理が行われる。次
にステップ770に進み、ステップ740でマップデータバッ
ファgに設定されたマップデータとステップ760でマッ
プデータバッファhに設定されたマップデータのオフセ
ット値とを加算して求まるマップオフセット値を、パラ
メータバッファeに設定する処理を行った後、一旦、本
補間演算処理を終了し、制御は上述したノッキング検出
処理に移行する。以後、本補間演算処理は、ノッキング
検出処理に伴って、ステップ710〜770を繰り返して実行
する。
なお本第3実施例において、エンジン2が内燃機関M1
に、ノックセッサ31がノック信号検出手段M2に、各々該
当する。また、ECU3およびECU3の実行する処理のうちス
テッブ(100〜120,200〜230,300,600〜664)が判定手段
M3として、ステップ(676,682)が比較手段M4として、
ステップ(678,680,684,686)が補正手段M5として各々
機能する。
以上説明したように本第3実施例によれば、頻度平均
値Aをバックグラウンド補正値Bとマップオフセット値
bとを加算して求めると共に、頻度平均値Aの増減補正
に際しても、バックグラウンド補正値Bとマップオフセ
ット値bとを用いる構成を取っている。このため、既述
した第1実施例の各効果に加えて、以下の効果を奏す
る。すなわち、頻度平均値Aをエンジン2の回転速度Ne
および吸気管圧力PMに応じて補正すると共に、ノックセ
ンサ出力信号振幅値aとの大小関係に応じて増減補正す
るに際して、バックグラウンド値Bの更新速度は緩慢で
あり、一方、マップオフセット値bの更新速度は迅速で
ある。従って、頻度平均値Aをエンジン2の回転速度Ne
および吸気管圧力PMに適合する最適値に設定する場合、
変化量の少ないバックグラウンド値Bによりノッキング
検出処理の安定性を補償すると共に、回転速度Neおよび
吸気管圧力PMに応じて速やかに設定されるマップオフセ
ット値bによりノッキング検出処理の応答性を向上させ
ることができる。
次に本発明第4実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。本第4実施例と第1実施例との相違点は、ノッキン
グ検出処理が異なることである。その他の装置構成は第
1実施例と同一であるため、同一部分は同一符号で表記
し、説明を省略する。
次に、本第4実施例で実行されるノッキング検出処理
を、第16図のフローチャートに基づいて説明する。本ノ
ッキング検出処理は、A/D変換器3kに出力するA/D変換終
了割込信号に伴って起動される。まず、各種のデータを
読み込み(ステップ800)、A/D変換値A/Dをノックセン
サ出力信号振幅値aに設定し(ステップ802)、ピーク
ホールド終了制御信号を出力する(ステップ804)。次
にステップ805に進み、第1気筒(#1)11〜第4気筒
(#4)14の各々に対して独立に記憶更新されているバ
ックグラウンド補正値(B/G補正値)Bを、MPU3aに内蔵
された4個のアキュームレータA1〜A4に読み込み、4個
のメモリアドレスBA,BA+1,BA+2,BA+3の範囲内で所
定順序に従って処理実行毎に1回づづローテーションす
る処理が行われる。次にステップ806〜ステップ830で
は、予め定められてROM3bに記憶されている第11図に示
すマップに従い、回転速度Neに応じた補正用パラメータ
bを算出する。まず、アドレスバッファdに、第12図に
示すようにマップデータが記憶されているメモリアドレ
スの先頭メモリアドレスαを設定し(ステップ806)、
パラメータバッファeに、回転速度Neからマップの最小
基準値1000を減算し、さらに、値10で除した値を設定し
(ステップ808)、マップデータ間隔バッファfに値100
を設定し(ステップ810)、補間演算処理を実行する
(ステップ700)。次に、ステップ700の補間演算処理で
算出されたパラメータeの値を補正用パラメータbに設
定する(ステップ830)。次のステップ836〜ステップ86
0では、予め定められてROM3bに記憶されている第13図に
示すマップに従い、吸気管圧力PMに応じた補正用パラメ
ータbを算出する。まず、アドレスバッファdに、第14
図に示すようにマップデータが記憶されているメモリア
ドレスの先頭メモリアドレスβを設定し(ステップ83
6)、パラメータバッファeに、吸気管圧力PMにマップ
基準点数4を掛けた値を設定し(ステップ838)、マッ
プデータ間隔バッファfに値100を設定し(ステップ84
0)、補間演算処理を実行する(ステップ700)。次にス
テップ830で算出した補正用パラメータbの値に、ステ
ップ700の補間演算処理で算出した補正用パラメータe
の値を加算してマップオフセット値bを算出し(ステッ
プ860)、今回処理時に点火される気筒に対応するバッ
クグラウンド補正値Bとマップオフセット値bとを加算
して頻度平均値Aを算出する(ステップ862)。次に、
ノックセンサ出力信号振幅値aがノッキング発生を判定
する判定値K×A以下であるか否かを判定し(ステップ
864)、肯定判断されるとステップ866に、一方、否定判
断されるとステップ874に、各々進む。ノッキング現象
が発生していないときは、カウンタnの計数値が値10以
上か否かを判定し(ステップ866)、肯定判断されると
ステップ870に、一方、否定判断されるとステップ868
に、各々進む。ノッキング現象の無い状態が、未だ連続
する点火周期10回未満の場合には、カウンタnの計数値
に値1を加算し(ステップ868)、ステップ876に進む。
一方、ノッキング現象の無い状態が連続する点火周期10
回以上の場合には、点火時期の進角補正値θをクランク
角度Yだけ進角し(ステップ870)、カウンタnを値0
にリセットし(ステップ872)、ステップ876に進む。ま
た、ノッキング現象が発生したときは、点火時期の進角
補正値θをクランク角度Xだけ遅角し(ステップ87
4)、ステップ872を経由してステップ876に進む。ステ
ップ876では、ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度平
均値A以下であるか否かを判定し、肯定判断されるとス
テップ882に、一方、否定判断されるとステップ880に、
各々進む。ノックセンサ出力信号振幅値aが頻度平均値
Aより大きい側にあるときに実行されるステップ880で
は、今回処理の対象と成る気筒のバックグラウンド補正
値Bに値1を加算して増加補正する処理を行った後、ス
テップ888に進む。一方、ノックセンサ出力信号振幅値
aが頻度平均値A以下であるときは、ノックセンサ出力
信号振幅値aと頻度平均値Aとが等しいか否かを判定
し、肯定判断されるとステップ888に、一方、否定判断
されるとステップ886に、各々進む。ノックセンサ出力
信号振幅値aが頻度平均値Aより小さい側にあるときに
実行されるステップ886では、今回処理の対象と成る気
筒のバックグラウンド補正値Bから値1を減算して減少
補正する処理を行った後、ステップ888に進む。ステッ
プ888では、算出、もしくは、更新された各種のデータ
をRAM3c、あるいは、バックアップRAM3dに記憶する処理
を行った後、一旦、本ノッキング検出処理を終了する。
以後、本ノッキング検出処理はA/D変換終了割込信号発
生毎に、上記ステップ800〜888を繰り返して実行する。
なお本第4実施例において、エンジン2が内燃機関M1
に、ノックセンサ31がノック信号検出手段M2に、各々該
当する。また、ECU3およびECU3の実行する処理のうちス
テップ(100〜120,200〜230,300,800〜864)が判定手段
M3として、ステップ(876,882)が比較手段M4として、
ステップ(886,880)が補正手段M5として各々機能す
る。
以上説明したように本第4実施例によれば、各々独立
したRAM3c、もしくは、バックグラウンドRAM3dのアドレ
スBA,BA+1,BA+2,BA+3に、第1気筒(#1)11〜第
4気筒(#4)14までの各バックグラウンド値Bを記憶
しており、MPU3aに内蔵されたアキュームレータA1〜A4
を使用したローテーション処理により、今回処理時に点
火時期を迎える気筒のバックグラウンド値Bとマップオ
フセット値bとの和から、上記気筒に対する頻度平均値
Aを算出する構成をなしている。このため、RAM3c、あ
るいは、バックグラウンドRAM3dの記憶容量の占有率を
最小限に削減しする効率的なローテーション処理によ
り、ECU3の負担軽減と、第1気筒(#1)11〜第4気筒
(#4)11までの各気筒独立に算出された頻度平均値A
に基づく精度の高いノッキング検出処理の実現とを、両
立できる。このことは、演算能力や記憶容量等、多大な
制限を受けるECU3の制御性能を充分発揮させられるの
で、車両搭載性の観点から、極めて有効である。
以上本発明のいくつかの実施例について説明したが、
本発明はこのような実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳記したように本発明の内燃機関のノッキング検
出装置は、ノッキング発生を判定する判定値を、ノック
信号の最大値の複数の点火周期にわたる頻度平均値に基
づいて定めると共に、上記頻度平均値をノック信号の最
大値との比較により増減補正し、頻度平均値を上回るノ
ック信号の最大値の発生頻度と下回る発生頻度とを等し
く保持し、上記判定値の過剰上昇を抑制するよう構成さ
れている。このため、大きな振幅を有するノック信号が
入力されても、ノッキング発生を判定する判定値は頻度
平均値に基づいて定まり、面積平均値のように累積増加
しないので、ノッキング検出精度が広範囲に亘って向上
するという優れた効果を奏する。
また、ノッキング発生時と非発生時との頻度平均値の
差が比較的小さく制限され、ノッキング発生の判定値も
大きく変動しないので、ノッキング検出装置の信頼性が
高まり、検出結果に基づいて有効にノッキング抑制制御
を実行すると、内燃機関の耐久性も高まる。
さらに、ノッキング発生の判定値を、所謂なまし処理
により重み付けした面積平均値に基づいて算出しないた
め、大規模な記憶容量や高速演算処理能力を必ずしも必
要としないので、比較的簡単な装置構成で実現でき、汎
用性および車両搭載性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内容を概念的に例示した基本的構成
図、第2図は本発明第1実施例のシステム構成図、第3
図、第4図、第5図、第6図は同じくその制御を示すフ
ローチャート、第7図は同じくそのノックセンサ出力信
号振幅値と発生頻度との関係を示すグラフ、第8図は同
じくその変形例である制御の一部を示すフローチャー
ト、第9図は本発明第2実施例の制御を示すフローチャ
ート、第10図は本発明第3実施例の制御を示すフローチ
ャート、第11図は同じくそのマップを示すグラフ、第12
図は同じくそのメモリマップを示す説明図、第13図は同
じくそのマップを示すグラフ、第14図は同じくそのメモ
リマップを示す説明図、第15図は同じくその制御を示す
フローチャート、第16図は本発明第4実施例の制御を示
すフローチャートである。 M1……内燃機関 M2……ノック信号検出手段 M3……判定手段、M4……比較手段 M5……補正手段 1……エンジンのノッキング検出装置 2……エンジン 3……電子制御装置(ECU) 3a……MPU、31……ノックセンサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の機関本体の機械的振動を検出し
    てノック信号を出力するノック信号検出手段と、 上記内燃機関の予め定められた少なくとも1つの気筒の
    点火時期以後の所定クランク角度範囲内に上記ノック信
    号検出手段の出力したノック信号の最大値の複数の点火
    周期にわたる頻度平均値に基づいて定まる判定値を、上
    記所定クランク角度範囲内に上記ノック信号検出手段の
    出力したノック信号の最大値が上回ったときは、ノッキ
    ング発生と判定する判定手段と、 該判定手段の判定に使用したノック信号の最大値と頻度
    平均値とを比較して大小関係を判別する比較手段と、 該比較手段により上記ノック信号の最大値が上記頻度平
    均値を上回ると判別されたときは該頻度平均値を増加補
    正し、一方、上記ノック信号の最大値が上記頻度平均値
    を下回ると判別されたときは該頻度平均値を減少補正す
    る補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のノッキング検出装
    置。
JP11513388A 1988-05-12 1988-05-12 内燃機関のノッキング検出装置 Expired - Lifetime JP2611328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11513388A JP2611328B2 (ja) 1988-05-12 1988-05-12 内燃機関のノッキング検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11513388A JP2611328B2 (ja) 1988-05-12 1988-05-12 内燃機関のノッキング検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01285643A JPH01285643A (ja) 1989-11-16
JP2611328B2 true JP2611328B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=14655097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11513388A Expired - Lifetime JP2611328B2 (ja) 1988-05-12 1988-05-12 内燃機関のノッキング検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2611328B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3668497B2 (ja) * 1992-09-30 2005-07-06 株式会社日立製作所 内燃機関のノッキング検出方法及び点火時期制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01285643A (ja) 1989-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5190011A (en) Knocking control method and apparatus for internal combustion engine
JPH0478836B2 (ja)
JP2715513B2 (ja) 内燃機関のノッキング検出装置
JP4799645B2 (ja) 内燃機関用制御装置
US4951628A (en) Ignition timing control device for an internal combustion engine
JP2611328B2 (ja) 内燃機関のノッキング検出装置
JPH0663482B2 (ja) 内燃機関のノッキング制御装置
WO2022264513A1 (ja) 内燃機関制御装置
CN114846231B (zh) 内燃机控制装置及内燃机控制方法
JPS6278480A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JPH05157034A (ja) 内燃エンジンの点火時期制御装置
JPH0610818A (ja) 内燃機関ノック制御装置
JPH0826838B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御方法
JPS60263830A (ja) 内燃機関のノツキング検出方法
JPS60230564A (ja) 多気筒エンジンの点火時期制御装置
JPS62150056A (ja) 内燃機関の燃焼制御装置
US5062402A (en) Knocking control apparatus of internal combustion engine
JPS6314766B2 (ja)
JPS6282273A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JPH0411742B2 (ja)
JPH0826839B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御方法
JPS59136575A (ja) 多気筒エンジンのノツキング制御方法
JPH037063B2 (ja)
JP2517332Y2 (ja) 内燃エンジンの点火時期制御装置
JPH0647984B2 (ja) エンジンの点火時期制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 12