JP2608460B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JP2608460B2 JP63138550A JP13855088A JP2608460B2 JP 2608460 B2 JP2608460 B2 JP 2608460B2 JP 63138550 A JP63138550 A JP 63138550A JP 13855088 A JP13855088 A JP 13855088A JP 2608460 B2 JP2608460 B2 JP 2608460B2
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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 グロー放電CVD法を用いた薄膜形成装置に関し、 微粉末を発生させずに高速で良質の感光層を形成でき
るようにすることを目的とし、 放電電極に対向してセットされた基体の表面に、グロ
ー放電CVD法により薄膜を形成する薄膜形成装置におい
て、前記放電電極に対して前記基板と反対側に接地電極
を設け、前記接地電極と前記放電電極とよりなる二重構
造電極内にグロー放電空間を形成するとともに、基体側
の前記放電電極に基体方向へのガス噴き出し口を設け、
さらに、前記ガス噴き出し口の部分にホロカソード放電
を生じさせるホロカソード放電部を設けた構成とする。
〔産業上の利用分野〕
本発明はグロー放電CVD法を用いた薄膜形成装置に関
する。
円筒基体上に感光層を形成してなる感光体の表面を一
様に帯電させ、この上に印字情報に基づいてレーザ光等
を選択的に照射し、感光層の帯電電位を選択的に減衰さ
せて潜像を形成した後、これを現像して形成されたトナ
ー像を記録紙に転写記録する電子写真装置は周知であ
る。
この感光体については、近年セレン系よりも、機械的
強度が大きく無公害な水素化アモルファスシリコン(a
−Si:H)を主成分とするものの開発が進められている。
〔従来の技術〕
第3図はこの種の感光体製造に使用される従来のグロ
ー放電CVD装置の構造の説明図で、図中、100は感光体の
円筒基体である。この基体100の表面へのa−Si:H膜の
形成は次のように行われる。
まず、図示のように真空容器1内に基体100をセット
し、真空容器1内をロータリーポンプ2と油拡散ポンプ
3とで10-6〜10-7torrの真空度に排気した後、メカニカ
ルブースタポンプ4とロータリーポンプ5に切り替え
る。排気開始と同時に、回転機構6により駆動されて基
体100は回転する。真空度が所定値に達すると、基体100
はその内側に位置する円筒7の外周に巻装されたヒータ
7aにより150〜350℃に加熱される。8は各ポンプ系に設
けられた真空バルブである。一方、真空容器1内には、
SiH4ボンベ9等によりシリコン原子を含有する反応性ガ
スがガス流量調整器10を経て導入される。そして、所定
の流量,圧力下で放電電極11と基体100の間に13.56MH2
の高周波電源12によってグロー放電を生じさせる。この
グロー放電により、反応性ガスは放電電極11と基体100
との間を動く電子(電子は高周波の周波数に従って放電
電極11と基体100との間を往復する)により分解されて
活性種となる。その結果、基体100上には、この活性種
の到来によって、水素化アモルファスシリコンを主体と
した薄膜(感光層)が堆積,形成される。13は反応性ガ
ス供給系に設けられたバルブである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のようなグロー放電CVD装置により成膜を行う場
合、数トル程度の高いガス圧の下で成膜が行われるた
め、成膜中にシリコンを含む微粉末が発生し、成膜後の
除去作業を必要としていた。
また、この場合の成膜速度は3〜5μm/hr程度であ
り、電子写真用感光体としては必要な膜層10〜50μmを
得るのに2〜十数時間を必要としていた。
微粉末の発生を迎えるには低いガス圧が必要で、成膜
速度を高めるには高いガス圧が必要とされ、現状では両
者を満足させることは困難である。なお、ガス圧を下げ
ると成膜速度が低下するのは、活性種が基体100に到来
する率が下がるためである。
本発明は、微粉末を発生させずに高速で良質の感光層
を形成することのできるグロー放電CVD装置を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕 上述の目的を達成するため、本発明では、放電電極に
対向してセットされた基体の表面に、グロー放電CVD法
により薄膜を形成する薄膜形成装置において、前記放電
電極に対して前記基板と反対側に接地電極を設け、前記
接地電極と前記放電電極とよりなる二重構造電極内にグ
ロー放電空間を形成するとともに、基体側の前記放電電
極に基体方向へのガス噴き出し口を設け、さらに、前記
ガス噴き出し口の部分にホロカソード放電を生じさせる
ホロカソード放電部を設けた構成とする。
〔作用〕
本発明では、従来基体と放電電極の間で起こしていた
グロー放電を、二重構造電極内の閉じた空間であるグロ
ー放電空間内で起こさせてプラズマを発生させる。そし
て、この空間で生じた活性種を基体側電極のガス噴き出
し口から基体に輸送して成膜が行われる。そのままだ
と、活性種の寿命が短く成膜速度が低下するが、本発明
ではこの低下した速度が次の2つの手段で逆に加速され
る。
第1に、ガス噴き出し口の部分に設けたホロカソード
放電部によってガスの分解効率を高める。第2に、プラ
ズマ発生部(グロー放電空間)と基体を分離できたの
で、プラズマダメージによる膜質の低下を恐れることな
く大きな高周波パワーでプラズマを作成でき、これによ
り、ガスの分解効率が高まる。
上述のホロカソード放電、グロー放電に関しては、基
体上の膜へのダメージの恐れがないため、条件設定は自
由に行えるものである。
〔実施例〕
以下、第1図及び第2図に関連して本発明の実施例を
説明する。
第1図に第1の実施例を示す。
第1図は本発明に係る薄膜形成装置の要部構造説明図
で、図中、21は放電電極、22はグロー放電空間、23は材
料ガス導入部、24は接地電極、25はシールド板、261
び262は絶縁体の箱である。材料ガス導入部23は接地電
極24に接続している。放電電極21は、基体100側に突出
するホロカソード放電部27を備え、基体100との間では
プラズマが発生しないようにシールド板25が配置されて
いる。ホロカソード放電部27は、幅10mm、深さ20mmの凹
状空間であり、円周を4等分する位置で放電電極21のほ
ぼ全長にわたり形成(第1図では便宜上1箇所のみを示
している)されている。このホロカソード放電部27の底
面にはガス噴き出し口28が形成され、該ガス噴き出し口
28と基体100の間隔は20mmである。基体100は、従来と同
様に、成膜時に加熱されかつ回転する。
本例の場合、従来基体と放電電極との間で起こしてい
たグロー放電を、放電電極21と接地電極24とよりなる二
重構造電極内のグロー放電空間22で起こす。そして、こ
のグロー放電空間22で生じた活性種をガス噴き出し口28
から基体100に輸送して成膜が行われるが、そのままだ
と活性種の寿命が短く成膜速度が低下する。その低下し
た速度は次の3つの手段で逆に加速される。
すなわち、第1に、ホロカソード放電部27の中でのホ
ロカソード放電によりガスの分解効率を高める。第2
に、プラズマ発生部(グロー放電空間22)と基体100と
を分離できたので、プラズマダメージによる膜質の低下
を恐れずに大きな高周波パワーでプラズマを作成でき、
ガスの分解効率が高まる。第3に、グロー放電空間22を
絶縁体の箱261,262でせまく限定して不要な部分への膜
堆積を少なくする。
この装置により成膜を行ったところ、グロー放電のみ
のとき4μm/hだった成膜速度が8〜12μm/hと高速成膜
が実現できた。また、明暗抵抗比も4〜5桁で膜質は良
好であった。
第2図に第2の実施例を示す。
本例は平板型基板101の成膜用のもので、図中、31は
放電電極、32は接地電極、33はグロー放電空間、34は基
体ホルダである。この場合は円筒状空間であるホロカソ
ード放電部351,352と凹状空間のホロカソード放電部353
とが放電電極31に設けられ、各ホロカソード放電部の底
部にガス噴き出し口28が設けられている。36は絶縁体、
37はシールド板である。
本例の場合も前例と同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、放電電極を二重
電極として該電極内にグロー放電空間を形成するととも
に、基体側放電電極のガス噴き出し口の部分にホロカソ
ード放電を生じさせるホロカソード放電部が設けられて
いるため、グロー放電空間内の従来より高い高周波パワ
ーと、ガス噴き出し口の部分のホロカソード放電によ
り、高いプラズマ密度を実現してガスの分解効率を高
め、微粉末の発生しない状態での良質の薄膜形成を高速
度で行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の薄膜形成装置の要部構
造説明図、第2図は本発明の第2の実施例の薄膜形成装
置の要部構造説明図、第3図は従来のグロー放電CVD装
置の構造説明図で、図中、21,31は放電電極、22,33はグ
ロー放電空間、23は材料ガス導入部、24,32は接地電
極、25,37はシールド板、27,351,352,353はホロカソー
ド放電部、28はガス噴き出し口、100,101は基体であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−18990(JP,A) 特開 昭64−31976(JP,A) 特開 昭64−62472(JP,A) 特開 昭62−177180(JP,A) 特開 昭62−174382(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電電極に対向してセットされた基体の表
    面に、グロー放電CVD法により薄膜を形成する薄膜形成
    装置において、 前記放電電極に対して前記基板と反対側に接地電極を設
    け、 前記接地電極と前記放電電極とよりなる二重構造電極内
    にグロー放電空間を形成するとともに、 基体側の前記放電電極に基体方向へのガス噴き出し口を
    設け、 さらに、前記ガス噴き出し口の部分にホロカソード放電
    を生じさせるホロカソード放電部を設けたことを特徴と
    する薄膜形成装置。
JP63138550A 1988-06-07 1988-06-07 薄膜形成装置 Expired - Lifetime JP2608460B2 (ja)

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JPH01309969A JPH01309969A (ja) 1989-12-14
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JPS6418990A (en) * 1987-07-10 1989-01-23 Hitachi Ltd Production of diamond coating film
JPS6431976A (en) * 1987-07-25 1989-02-02 Ishikawajima Harima Heavy Ind Plasma cvd device

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