JP2606522Y2 - トラクションコントロールの制御切り換え装置 - Google Patents

トラクションコントロールの制御切り換え装置

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JP2606522Y2
JP2606522Y2 JP1992033257U JP3325792U JP2606522Y2 JP 2606522 Y2 JP2606522 Y2 JP 2606522Y2 JP 1992033257 U JP1992033257 U JP 1992033257U JP 3325792 U JP3325792 U JP 3325792U JP 2606522 Y2 JP2606522 Y2 JP 2606522Y2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車両の運転情報に応じ
てエンジンの出力を制御する装置、特に、車両のスリッ
プ時に出力制御を行うトラクションコントロールの制御
切り換え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に搭載される内燃機関
(以後単にエンジンと記す)の機関出力(以後単に出力
と記す)は人為的操作部材であるアクセルペダルやスロ
ットルレバー等(以下アクセルペダルで代表させる)と
アクセルレータケーブルで連結されたスロットル装置に
よって機械的に制御される。ところが、アクセルペダル
とスロットル装置が1:1で作動する場合、運転者の技
量不足や不注意により過大な出力を発生させ、発進時に
スリップを生じたり、凍結路走行時等にスピン等を招い
たり、急加速時にタイヤのスリップを生じるようなこと
があった。特に、図10に示すように路面Rの一部が舗
装路面で反対側が雪道と成っているような場合、路面の
左右で摩擦係数μが異なり、このような場所で、加速が
成されると、低摩擦係数路(低μ路)側の駆動輪W1が
スリップし、車両のスピンAが生じ易いという問題が有
った。そこで、駆動輪のスリップを防止するために、過
度な出力の発生を規制する出力制御と駆動輪のスリップ
を規制する空転規制制御とを共に行うトラクションコン
トロール装置を採用した車両が採用されている。
【0003】このトラクションコントロール装置の出力
制御方式としては、通常、アクセルペダル等の踏み込み
量(負荷情報)や前後輪の回転状態のデータから、EC
U(エンジンコントロールユニット)を用いて副スロッ
トルバルブやスロットルバルブの最適開度(即ち要求機
関出力)を演算し、車輪の駆動トルクを空転しない範囲
に抑えるべく制御する(減少させる)ようにしている。
たとえば、スロットル装置内に主スロットルバルブと副
スロットルバルブを併設して、副スロットルバルブ側を
電子制御するデュアルスロットルバルブ方式や、アクセ
ルペダルとスロットルバルブとをアクセルレータケーブ
ルで連結せず、アクセルペダルの踏み込み量はポテンシ
ョメータ等のセンサで、検出し、スロットルバルブはス
テップモータ等で駆動する、いわゆるドライブバイワイ
ヤ方式を用いたもの、更には燃料カットを行なって休筒
制御するものや、空燃比のリーン化を行なったり、点火
時期を遅らせたり(リタード)する手段を用いたものが
採用されている。
【0004】他方、駆動輪のスリップを規制する空転規
制制御方式としては、ECUが発進時や走行時のスリッ
プを車輪速センサの出力に基づき算出し、スリップして
いる駆動輪の左右輪の回転差や前後輪の回転差に応じ
て、スリップしている車輪にブレーキ力を加える制動装
置を自動的に駆動させ、空転を規制する様にECUが制
御するといったものが採用されている。
【0005】処で、図9(a)に示すようにセミトレー
ラ車の場合、トラクタ1のカプラ2にトレーラ3の前部
荷重Wfを受けて走行する様に構成されている。この場
合、トラクタ1とトレーラ3が結合され、積車状態の場
合に対して空車時やトレーラ3を外してのトラクタ1の
単独走行時はトラクタ1の後輪(駆動輪)の負荷が大き
く低減し、スリップし易い状態と成り、トラクションコ
ントロール装置の必要性も高まる。更に、トラクタ1と
トレーラ3が結合されて空車状態で、登り坂走行する場
合、トレーラ3の前部が一時的に上向き力Fuを生じる
ことが有り、あるいは図9(b)に示すようにトラクタ
単独走行の場合には、共に後輪のスリップが生じ易くな
り、トラクションコントロール装置の必要性が更に高ま
る。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところで、従来のトラ
クションコントロール装置は一定車速、例えば30Km
/h以上に有る場合にのみ出力制御と駆動輪のスリップ
を規制する空転規制制御とを行い、車速が低下すると同
制御を中止している。これは、このトラクションコント
ロール装置の空転規制制御が車速を規制する制御に近
く、この空転規制制御を頻繁に行うと、これによって実
質的に車速が例えば30Km/h近傍の比較的低い車速
状態にずれ易い。このため比較的低速で空転規制制御を
頻繁に行ったとしても、ブレーキ系の耐久性には悪影響
が生じないことと成る。
【0007】処で、トレーラ車のような大型車両で登り
坂、特に低μ路を走行する場合、駆動輪のスリップが生
じると、トラクションコントロール装置が働き、出力低
減、空転車輪の制動処理が成され、車速が30Km/h
以下の低い値に落とされる。このため、せっかく低μ路
の登り坂を順調に走行していても、車速が落ち、車両の
惰性が落ち、登り切らなければならない登り坂を登り切
る前に車両の駆動輪の空転のみが多発してしまい、もた
ついた走行状態、あるいは走行不能に陥る場合が有り、
問題と成っている。
【0008】本考案の目的は、登り坂走行時に、トラク
ションコントロールの制御域の上限車速値を通常時より
高めて、登り坂走行の容易化を図ることのできるトラク
ションコントロールの制御切り換え装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本考案は、車両の駆動輪の車輪速度を検出する駆
動輪速度検出手段と、上記車両の非駆動輪の車輪速度を
検出する非駆動輪速度検出手段と、上記駆動輪速度と上
記非駆動輪速度とに応じてスリップを検出するスリップ
検出手段と、上記車両の駆動輪に制動力を加える制動手
段と、上記エンジンに燃料供給を行う燃料供給手段と、
上記車両が登り坂走行中であるとする登り坂走行情報を
出力する登り坂検出手段と、上記車両の車速が設定制動
車速以上にある場合に、上記スリップ情報に基づきスリ
ップ側駆動輪の制動装置を駆動させると共に上記燃料供
給手段の燃料供給量を規制する制御手段とを有し、上記
制御手段は登り坂走行情報を受けた際に上記設定制動車
速を所定量高めた車速に変更することを特徴とする。
【0010】
【0011】
【作用】本考案では、車両の車速が設定制動車速以上に
ある場合に、制御手段がスリップ検出手段により検出さ
れたスリップ情報に基づきスリップ側駆動輪の制動装置
を駆動させると共に燃料供給手段の燃料供給量を規制
し、しかも制御手段は登り坂検出手段よりの登り坂走行
情報を受けた際に設定制動車速を所定量高めた車速に変
更するので、登り坂走行時にスリップ規制処理をある程
度規制して駆動トルクを増して車速を高めることができ
る。
【0012】
【0013】
【実施例】図1のトラクションコントロールの制御切り
換え装置は図示しないトレーラ車のトラクタCに搭載さ
れている。このトラクタCは後輪駆動車であり、ディー
ゼルエンジン1の回転力は図示しない動力伝達系を介し
て各前輪WFR,WFL及び各後輪(駆動輪)WRR,WRL
出力される。ディーゼルエンジン1は燃料供給手段とし
ての燃料噴射ポンプ2、同ポンプの噴射燃料量を増減調
整するラック駆動用のラックレバー31、同レバーを所
定のレバー位置Hnに移動させるアクセルリンク系4と
で構成される。ここでアクセルリンク系4は図示しない
運転室のアクセルペダル5、同ペダルの踏み込み量に応
じて摺動する前部ケーブル6及び同ケーブル6にキャン
セルスプリング7を介して連結される後部ケーブル8、
後部ケーブル8に揺動されるレバー9、このレバー9と
ラックレバー31を連結するロッド10と、レバーを後
部ケーブル8と独立して並列的に揺動するサーボモータ
11とで構成されている。
【0014】なお、サーボモータ11はオン作動時にア
クセルペダル5の操作力に抗してラックレバー3を燃料
減側に操作するものであって、その際のアクセルペダル
5側とレバー9側とのずれはキャンセルスプリング7に
よって吸収される。
【0015】トラクタCの制動手段であるブレーキ系B
は一対のエアタンク12と、同エアタンクの高圧エアを
断続供給する2連の前後ブレーキバルブ13,14と、
前ブレーキバルブ13にパイプ15を介して連結される
前輪WFR,WFLのブレーキチャンバー16と、後ブレー
キバルブ14にパイプ17を介して連結される後輪
RR,WRLのブレーキチャンバー18と、各ブレーキチ
ャンバー16に対するエアの吸排を行う常開のコントロ
ールバルブ19と、各ブレーキチャンバー18に対する
エアの吸排を行う常開のコントロールバルブ20と、コ
ントロールバルブ20に出力端が接続される一対のダブ
ルチェックバルブ23と、高圧エアを適時に一対のダブ
ルチェックバルブ23に供給するスリップ制御バルブ2
2と、一対のダブルチェックバルブ23の各一方の入力
端に連結されるパイプ21と、後ブレーキバルブ14の
開度に相当する高圧エアを調圧してパイプ21側に卯す
る調圧用のリレーバルブ25とで構成される。
【0016】このようなブレーキ系Bはブレーキペダル
26の踏み込みによって両ブレーキバルブ13,14が
踏み込み量相当だけ開き、高圧エアが前輪WFR,WFL
ブレーキチャンバー16と後輪WRR,WRLのブレーキチ
ャンバー18とに供給される。ここでは、コントローラ
3の出力に応じて選択的に各コントロールバルブ19、
20が適時に切り換えられると、対応する各ブレーキチ
ャンバー16,18が制動解除作動し、制動力をゆるめ
て各輪のスリップを阻止するというアンチブレーキ制御
作動を行える。しかも、コントローラ3の出力に応じて
常閉のスリップ制御バルブ22が適時に切り換えられる
と、高圧エアを両ブレーキチャンバー18に供給出来、
この際に左右後輪に制動力を加えられる。更に、左右1
輪にブレーキ力を加える時には、このスリップ制御バル
ブ22と、非スリップ輪側のコントロールバルブ20を
閉じスリップ輪側のコントロールバルブ20のみを駆動
してブレーキ力を加えることが出来る。
【0017】前輪WFR,WFLおよび後輪WRR,WRLには
それぞれ各車輪速VFR,VFL,VRR,VRLを出力する車
輪速センサ27,27’が装着され、各検出信号はコン
トローラ3に供給される。更に、ディーゼルエンジン1
にはラック位置情報を出力するラック位置センサ28、
クランク角情報及びエンジン回転数情報を出力するクラ
ンク角センサ29が装着され、各センサの出力もコント
ローラ3に供給される。更に、コントローラ3には後述
のキャンセル指令を発するキャンセルスイッチ30が接
続される。このキャンセルスイッチ30はモーメンタリ
ースイッチであり、オン信号を一定時間継続して出力出
来、自動復帰する。コントローラ3はマイクロコンピュ
ータでその要部が構成され、図3,4に示すメインルー
チンや図5のラック制御ルーチン、図6の電磁弁制御ル
ーチンに沿って制御処理をおこなう。
【0018】なお、本考案の構成を図2(a)にブロッ
ク図として示した。ここで、駆動輪速度検出手段として
の車輪速センサ27等が車両の駆動輪の車輪速度を検出
し、非駆動輪速度検出手段27’が車両の非駆動輪の車
輪速度を検出する。スリップ検出手段50が駆動輪速度
と非駆動輪速度とに応じてスリップを検出する。制動手
段Bが車両の駆動輪に制動力を加え、燃料供給手段とし
ての燃料噴射ポンプ2等がエンジン1に燃料供給を行
う。制御手段としてのコントローラ3が車両の車速が設
定制動車速以上にある場合に、スリップ情報に基づきス
リップ側駆動輪の制動装置Bを駆動させると共に燃料供
給手段2の燃料供給量を規制し、特に、制御手段3はキ
ャンセル指令を受けた際に設定制動車速を所定量高めて
設定する。
【0019】以下、コントローラ3による制御処理を図
3乃至図6の各制御プログラムに沿って説明する。コン
トローラ3はメインルーチンを行うと共にその間の所定
の割込みタイミング(クランク角割込み)毎にラック制
御ルーチンを実行している。メインルーチンのステップ
a1に達すると、エンジンの各種運転情報を各センサの
出力に応じて読み取り、各エリアにセットする処理を行
なう。ステップa2では、最新の吸入空気量A/Nおよ
びエンジン回転数Neより運転域を算出し、同運転域が
燃料カットゾーンか否かを図示しない所定のマップより
判定し、燃料カット域ではステップa3側に進み、空燃
比フィードバックフラグFBFLGをクリアし、後述の
出力規制フラグPRFLGをクリアし、燃料カットフラ
グFCFLGを1としてリターンする。
【0020】他方、ステップa2で燃料カット域でない
としてステップa6に達し、燃料カットフラグFCFL
Gをクリアする。この後、ステップa7では吸入空気量
A/Nおよびエンジン回転数Neその他のエンジン運転
情報より目標エンジントルクを求め、同トルクを達成で
きる燃料供給量相当のラック位置Hnを所定のマップ等
で算出し、所定のラック位置記憶用のエリアにストアす
る。このラック位置Hn情報は図5のラック位置制御ル
ーチンで採用される。即ち、エンジンクランク角が18
0°毎に割り込み信号が入力され、図5のラック位置制
御ルーチンのステップb1,b2に達する。ここではク
ランクパルス周期から最新のエンジン回転数Neを算出
し、エンジン回転数記憶用のエリアにストアする。さら
にエンジン回転数Neと吸気量Q情報に基づき吸入空気
量A/Nを算出し、吸入空気量記憶用のエリアにストア
する。
【0021】ステップb3では燃料カットフラグFCF
LGが1ではリターンし、0ではステップb4に進む。
ここでは、出力規制フラグPRFLGが1か否か判断
し、出力規制中でないとステップb5に進み、ここでは
吸入空気量A/Nおよびエンジン回転数Ne情報より目
標エンジントルクを求め、同トルクを達成できる燃料供
給量相当のラック位置Hsを所定のマップ等で算出し、
ラック位置Hn用の記憶エリアにストアする。他方、ス
テップb4で出力規制フラグPRFLGが1と判断し、
出力規制中であるとステップb6に進み、ここでは吸入
空気量A/Nおよびエンジン回転数Ne情報より目標エ
ンジントルクを求め、同トルク値を設定比率だけ低減し
た規制ラック位置Hrを所定のマップ等で算出し、ラッ
ク位置Hn用の記憶エリアにストアする。
【0022】このような、ステップb5,bの後にス
テップb7に達するとラック位置Hn用の記憶エリアの
値を呼出し、ラック位置Hn相当の出力でラック駆動用
のアクチュエータであるサーボモータ11をオン作動さ
せ、アクセルペダル5の操作力に抗してラックレバー3
を燃料減側のラック位置Hn(=HsあるいはHr)
に操作し、メインルーチンにリターンする。メインルー
チンのステップa7よりa8に達すると、ここでは各車
輪速センサよりの各データVFR,VFL,VRR,VRLに基
づき、車体速度Vc(=(VFR+VFL)/2)、駆動輪
平均速度VR(=(VRR+VRL)/2)、後輪のスリッ
プΔV1(=VR−Vc)及び後輪の内の1輪のスリッ
プΔV2(=|VRR−VRL|)を順次算出し各値用の記
憶エリアにストアする。
【0023】ステップa9に進むと、ここでは後輪のス
リップΔV1(=VR−Vc)値がスリップ判定値α1
を上回っているか否か判断し、上回ってない間はステッ
プa10に進んで、出力規制フラグPRFRLG及び、
後述の駆動輪制動フラグBDFLGをクリアし、逆に上
回っていると、即ち両駆動輪のスリップが大きくスリッ
プ規制を要する場合にはステップa11に進んで、出力
規制フラグPRFLG及び駆動輪制動フラグBDFLG
をオンさせる。この後、ステップa12に達すると、車
体速度Vcが30Km/hを上回るか否か判断し、30
Km/h以下ではスリップ規制をせず、リターンし、上
回るとステップa13に進む。ここでは車体速度Vcが
50Km/hを上回るか否か判断し、50Km/h以上
ではステップa15に進み、以下、即ち30乃至50K
m/hに車速が有る場合にステップa14に進むと、こ
こではキャンセルスイッチ30がオンされているか否か
判断し、オンでは50Km/hを上回るまでスリップ規
制制御をキャンセルするようリターンする。
【0024】なお、このキャンセルスイッチ30は必要
時に運転者の操作によりオンされ、そのオン状態は同ス
イッチの固有の働きで設定時間だけ連続して続き、その
間は運転者は車両の速度を比較的高く、即ちここでは、
スリップ規制制御を頻繁に行っても50Km/h以上に
車速を保って走行することが出来ることとなる。
【0025】このように、キャンセルスイッチ30がオ
ン時には、スリップ規制制御時の車速を50Km/h以
上に保て、車速の低下を防げ、スリップを防止しつつ比
較的車速を落とさず、走行出来、特に登り坂走行時に運
転操作性が向上する。
【0026】他方ステップa14でキャンセルスイッチ
30がオンされていない限り、ステップa15に達す
る。ここでは、後輪の内の1輪のスリップΔV2(=V
RR−VRL を算出し、ΔV2がスリップ判定値α2を上
回るか否か判定し、上回るとステップa17に達し、こ
こで右後輪WRRの制動フラグBRFLGをオンし、リタ
ーンする。他方、ステップa15よりNo側のステップ
a16に達するとΔV2がスリップ判定値−α2を下回
るか否か判定し、下回るとステップa18に進み、ここ
では左後輪WRLの制動フラグBLFLGをオンし、Ye
s側のステップa19に達するとΔV2がスリップ判定
値−α2とα2の間にあり、スリップと見做さない場合
は、制動フラグBLFLG,BRFLGをクリアし、リ
ターンする。
【0027】このようなメインルーチンの途中で所定ク
ランクパルス180°の割り込みによって図6の電磁弁
駆動ルーチンを実行する。ここでのステップc1に達す
ると、駆動輪制動フラグBDFLGがオンではステップ
c2に進み、スリップ制御バルブ22をオンし、左右後
輪の両ブレーキチャンバー18を駆動し、後輪のスリッ
プを規制する。他方ステップc1よりNo側のc3に達
すると、ここでは制動フラグBLFLGがオンか否か判
断し、オンではステップc4に進んで、スリップ制御バ
ルブ22をオンし、非駆動輪である右後輪のコントロー
ルバルブ20をオンして右後輪の制動解除を図り、左後
輪のブレーキチャンバー18のみを制動作動させる。
【0028】ステップc3で制動フラグBLFLGがオ
フではステップc5に達し、ここでは制動フラグBRF
LGがオンか否か判断し、オンではステップc6に進ん
で、スリップ制御バルブ22をオンし、非駆動輪である
左後輪のコントロールバルブ20をオンして左後輪の制
動解除を図り、右後輪のブレーキチャンバー18のみを
制動作動させる。
【0029】ステップc5で制動フラグBRFLGがオ
フではステップ7に進み、各コントロールバルブ20
及びスリップ制御バルブ22をオフしメインにリターン
する。 このように図1のトラクションコントロールの
制御切り換え装置は、キャンセルスイッチ30がオンさ
れている場合にのみ、通常の設定制動車速である30K
m/h以上でのスリップ規制制御を設定制動車速を所定
量高めた車速である50Km/h以上で行うようにする
ので、この車速域ではスリップによるコーナリングフォ
ース(グリップ力)をある程度落としても駆動トルクを
増して、車速ダウンを防いで低μ路での走行が容易に成
され、特に、登坂路での駆動トルクを最大限に活かせ、
登り坂走行時にもたつくことなく走行出来、運転操作性
が向上する。しかも、このキャンセルスイッチ30のオ
ン状態は設定時間の経過と共に自動的に解除され、過度
に駆動輪のブレーキ操作を繰り返すことが無く、ブレー
キの耐久性の低下を招くことをも防止できる。
【0030】上述の処において、トラクションコントロ
ールの制御切り換えは、キャンセルスイッチ30がオン
されている場合にのみ成されたが、これに代えて、車体
速度Vc、ギア比、アクセル開度に基づき、車両が登り
坂走行中であるとする登り坂走行情報を登り坂検出手段
が算出し、その登り坂走行情報を上述のキャンセルスイ
ッチ30のオン入力と同等に扱い、登り坂走行時にのみ
通常の30Km/h以上でのスリップ規制制御を50K
m/h以上で行うようにする様に構成することもでき
る。
【0031】なお、本考案のたの実施例としてのトラク
ションコントロールの制御切り換え装置の構成を図2
(b)にブロック図として示した。
【0032】ここで、駆動輪速度検出手段としての車輪
速センサ27等が車両の駆動輪の車輪速度を検出し、非
駆動輪速度検出手段27’が車両の非駆動輪の車輪速度
を検出する。スリップ検出手段50が駆動輪速度と非駆
動輪速度とに応じてスリップを検出する。制動手段Bが
車両の駆動輪に制動力を加え、燃料供給手段としての燃
料噴射ポンプ2等がエンジン1に燃料供給を行う。登り
坂検出手段としてのコントローラ3は車両が登り坂走行
中であるとする登り坂走行情報(RIFLG)を出力す
る。制御手段としてのコントローラ3が車両の車速が設
定制動車速以上にある場合に、登り坂走行情報(RIF
LG)に基づきスリップ側駆動輪の制動装置Bを駆動さ
せると共に燃料供給手段2の燃料供給量を規制し、特
に、制御手段3はキャンセル指令を受けた際に設定制動
車速を所定量高めて設定する。
【0033】このような装置の具体的な構成は図1のト
ラクションコントロールの制御切り換え装置内のコント
ローラ3に代えて登り坂検出手段の機能を持たせたコン
トローラ3’を用いること以外は図1の装置と同様ので
あり、ここでは重複する手段の説明を略した。この場合
のメインルーチンは図1の装置のメインルーチンの内の
ステップa14に代えて、図7に示すように、登り坂フ
ラグ(RIFLG)が入力か否かをステップa14’で
判断し、RIFLG=1ではリターンし、RIFLG=
0ではステップa15に進む処理を実行すれば良い。し
かも登り坂フラグRIFLGは図8の登り坂判定ルーチ
ンでオンオフ処理される。この場合、所定の時間割り込
みによってステップd1に達すると、車体速度Vc、ギ
ア比Gr、アクセル開度θaが取り込まれ、ステップd
2でこれらの値に応じ登り坂か否かを図示しない登り坂
判定マップで判定し、登り坂ではステップd3でRIF
LG=1にし、そうでないとステップd4でRIFLG
=0に設定し、リターンする。
【0034】この装置もスリップを防止しつつ比較的車
速を落とさないので、低μ路での走行を容易に行うこと
ができ、特に、登り坂走行時にスイッチ操作をすること
無く、自動的にスリップ規制制御時の速度を引き上げる
ことができ、比較的高速で車両がもたつくことなく走行
出来、運転操作性を向上させることができる。
【0035】
【考案の効果】以上のように、この考案は車速が設定制
動車速以上にある場合に、制御手段がスリップ検出手段
により検出されたスリップ情報に基づきスリップ側駆動
輪の制動装置を駆動させると共に燃料供給手段の燃料供
給量を規制し、しかも制御手段は、登り坂検出手段より
の登り坂走行情報を受けた際に設定制動車速を所定量高
めた車速に変更するので、登り坂走行時にスリップによ
るコーナリングフォース(グリップ力)をある程度落と
しても駆動トルクを増して、車速ダウンを防いで、登坂
路での駆動トルクを最大限に活かせ、登り坂の走行の容
易化を図ることができる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としてのトラクションコント
ロールの制御切り換え装置の概略構成図である。
【図2】(a)は図1のトラクションコントロールの制
御切り換え装置のブロック図、(b)は本考案の他の実
施例としてのトラクションコントロールの制御切り換え
装置のブロック図である。
【図3】図1のトラクションコントロールの制御切り換
え装置のコントローラの行うメインルーチンの前部フロ
ーチャートである。
【図4】図1のトラクションコントロールの制御切り換
え装置のコントローラの行うメインルーチンの後部フロ
ーチャートである。
【図5】図1のトラクションコントロールの制御切り換
え装置のコントローラの行うラック位置制御ルーチンの
フローチャートである。
【図6】図1のトラクションコントロールの制御切り換
え装置のコントローラの行う電磁弁制御ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図7】図2(b)のトラクションコントロールの制御
切り換え装置のコントローラの行うメインルーチンの後
部フローチャートである。
【図8】図2(b)のトラクションコントロールの制御
切り換え装置のコントローラの行う登り坂判定ルーチン
のフローチャートである。
【図9】(a)はトラクタにトレーラを連結した状態で
登り坂走行を行うトレーラ車の概略構成図、(b)はト
ラクタ単独で登り坂走行を行うトレーラ車の概略構成図
である。
【図10】車両の各車輪の低μ路での挙動説明図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 燃料噴射ポンプ 3 コントローラ 5 アクセルペダル 11 サーボモータ 13 ブレーキバルブ 16 ブレーキチャンバー 18 ブレーキチャンバー 27 車輪速センサ 27’ 車輪速センサ 31 ラックレバー B ブレーキ系 VRR 車輪速度 VRL 車輪速度 VFR 車輪速度 VFL 車輪速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−155038(JP,A) 特開 平3−258932(JP,A) 特開 平2−258431(JP,A) 日産自動車株式会社編集発行、「新型 車解説書(FGY32−1)NISSAN シーマ FGY32型系」、1991年8月 発行、C86頁〜C103頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 28/16 B60K 41/00 - 41/28 B60T 7/12 - 7/22 B60T 8/32 - 8/96 F02D 29/00 - 29/06 F02D 41/00 - 41/40 F02D 43/00 - 45/00

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の駆動輪の車輸速度を検出する駆動輸
    速度検出手段と、上記車両の非駆動輪の車輪速度を検出
    する非駆動輪速度検出手段と、上記駆動輪速度と上記非
    駆動輪速度とに応じてスリップを検出するスリップ検出
    手段と、上記車両の駆動輪に制動力を加える制動手段
    と、上記エンジンに燃料供給を行う燃料供給手段と、上
    記車両が登り坂走行中であるとする登り坂走行情報を出
    力する登り坂検出手段と、上記車両の車速が設定制動車
    速以上にある場合に、上記スリップ情報に基づきスリッ
    プ側駆動輪の制動装置を駆動させると共に上記燃料供給
    手段の燃料供給量を規制する制御手段とを有し、上記制
    御手段は登り坂走行情報を受けた際に上記設定制動車速
    を所定量高めた車速に変更することを特徴とするトラク
    ションコントロールの制御切り換え装置。
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JP2923322B2 (ja) * 1990-03-07 1999-07-26 マツダ株式会社 スリップ制御装置

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