JP2606467B2 - トラッキング制御装置及びフォーカス制御装置 - Google Patents

トラッキング制御装置及びフォーカス制御装置

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JP2606467B2
JP2606467B2 JP5991791A JP5991791A JP2606467B2 JP 2606467 B2 JP2606467 B2 JP 2606467B2 JP 5991791 A JP5991791 A JP 5991791A JP 5991791 A JP5991791 A JP 5991791A JP 2606467 B2 JP2606467 B2 JP 2606467B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光源より発生した光ビー
ムを記録担体上に収束して照射させ、記録担体上に記録
されている信号を再生する、あるいは記録担体上に信号
を記録する光学式再生または記録装置に関するものであ
り、特に上記装置において、記録担体上に収束して照射
されている光ビームがトラックを追跡するように制御す
るトラッキング制御装置、並びに光ビームを記録担体上
に収束するように制御するフォーカス制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、所定の回転数で回転している
円盤状の記録担体上に半導体レーザ−等の光源より発生
した光ビームを収束して照射し、記録担体上に信号を記
録するあるいは記録担体上に記録されている信号を再生
する光学式記録または再生装置が知られている。
【0003】この記録担体上には幅0.6マイクロメー
タ、ピッチ1.6マイクロメータという微小なトラックが
スパイラル状または同心円状に設けられており、記録担
体上に信号を記録する場合あるいは記録担体上に記録さ
れている信号を再生する場合、光ビームが常にトラック
上に位置するようにトラッキング制御しながら行ってい
る。このトラッキング制御の誤差信号すなわち記録担体
上の光ビームとトラックの位置ずれを表すトラックずれ
信号は記録担体からの反射光または透過光を光検出器で
受光して得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】記録担体上に情報信号
を形成する手法は主として2つに大別することができ
る。その1つは、記録担体を作製した後に信号を記録す
る方法である。この場合、記録担体上のトラックは長手
方向に平坦な表面を持ち、その上に設けられている記録
材料層に信号を記録する。従って、信号が記録されてい
る記録担体と同じものを大量に複製することは困難であ
り、複製した場合に記録担体の価格が非常に高いものに
なるという欠点を有している。他の1つは、凹凸の形態
で信号が記録されている盤を用いて射出成形等の手法
で複製して記録担体を作製するものである。この手法は
記録担体の価格を安価にできるという利点を有してい
る。
【0005】情報には種々のものがあるが、例えばパー
ソナルコンピュータ等に使用される情報を分類すると大
きく2つに分けることができる。すなわち、1つは装置
に共通して用いられる情報であり、他の1つは装置を使
用する人が必要に応じて記録、保存する固有の情報であ
る。前者は同じものを大量に必要とするので、信号の形
態としては複製の容易な凹凸ピットとすることが適して
おり、後者は信号が記録できるように記録材料層を有す
ることが必要である。
【0006】しかし、記録担体上に記録されている信号
が凹凸の形態のトラックと凹凸の形態でない長手方向に
平坦なトラックとでは、記録担体上の光ビームとトラッ
クの位置ずれを表すトラックずれ信号の光学的検出感
度、すなわちディスクの反射率で規格化した時の単位ト
ラックずれに対するトラックずれ信号の大きさが異なる
ために、トラッキング制御が安定に動作しないという問
題点があった。
【0007】本発明の目的は上記従来の装置の欠点を除
去し、情報信号が凹凸ピットの形態で記録されているト
ラックであっても長手方向に平坦な形態のトラックであ
っても安定に動作し、また、反射率の異なる記録担体を
再生する際に制御ループのゲイン変動を一定に保つこと
のできる安価なトラッキング制御装置並びにフォーカス
制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源から発生
する光ビームを記録担体上に収束して照射するための収
束手段と、前記収束手段により記録担体上に収束されて
いる光ビームをトラックを横切るように移動する移動手
段と、記録担体上の光ビームとトラックの位置ずれを検
出するトラックずれ検出手段と、前記トラックずれ検出
手段の信号に応じて前記移動手段を駆動し、記録担体上
の光ビームがトラック上に位置するように制御するトラ
ッキング制御手段と、情報信号が凹凸ピットの形態で記
録されているトラックを有するディスクか、長手方向に
平坦な形態のトラックを有するディスクかを判別する判
別手段と、前記判別手段の信号に応じて前記トラッキン
グ制御手段の回路ゲインを切り換えるゲイン切換手段と
を有するトラッキング制御装置において、長手方向に平
坦な形態のトラックのディスク反射率に対する凹凸ピッ
トの形態で記録されているトラックのディスク反射率を
K、凹凸ピットの形態で記録されているトラックにトラ
ッキング制御を動作させる時の回路ゲインをG2a、長
手方向に平坦な形態のトラックにトラッキング制御を動
作させる時の回路ゲインをG2bとすると、前記ゲイン
切換手段による切り換え回路ゲインをG2b/G2a<
Kとなるように構成したことを特徴とするトラッキング
制御装置であり、また、光源から発生する光ビームを記
録担体上に収束して照射するための収束手段と、記録担
体上からの反射光量を検出する光量検出手段と、前記収
束手段により記録担体上に収束されている光ビームをト
ラックを横切るように移動する移動手段と、記録担体上
の光ビームとトラックの位置ずれを検出するトラックず
れ検出手段と、前記トラックずれ検出手段の信号に応じ
て前記移動手段を駆動し、記録担体上の光ビームがトラ
ック上に位置するように制御するトラッキング制御手段
と、情報信号が凹凸ピットの形態で記録されているトラ
ックを有するディスクか、長手方向に平坦な形態のトラ
ックを有するディスクかを判別する判別手段とを有する
トラッキング制御装置において、前記判別手段の信号に
応じて前記光量検出手段の回路ゲインと前記トラッキン
グ制御手段の回路ゲインを切り換えるゲイン切換手段
と、前記反射光量検出手段の回路ゲインが切り換えられ
た信号で前記トラッキング制御手段の制御信号を除算す
る割算手段とを併せ持つことを特徴とするトラッキング
制御装置であり、また、光源から発生する光ビームを記
録担体上に収束して照射するための収束手段と、記録担
体上からの反射光量を検出する光量検出手段と、前記収
束手段により収束されている光ビームを記録担体面と垂
直な方向に移動する移動手段と、記録担体上の光ビーム
のフォーカスのずれを検出するフォーカスずれ検出手段
と、前記フォーカスずれ検出手段の信号に応じて前記移
動手段を駆動し、光ビームを記録担体上に収束するよう
に制御するフォーカス制御手段と、情報信号が凹凸ピッ
トの形態で記録されているトラックを有するディスク
か、長手方向に平坦な形態のトラックを有するディスク
かを判別する判別手段とを有するフォーカス制御装置に
おいて、前記判別手段の信号に応じて前記光量検出手段
の回路ゲインと前記フォーカス制御手段の回路ゲインを
切り換えるゲイン切換手段と、前記光量検出手段の回路
ゲインが切り換えられた信号で前記フォーカス制御手段
の制御信号を除算する割算手段とを併せ持つことを特徴
とするフォーカス制御装置を提供するものである。
【0009】
【作用】本発明は上記構成によって、凹凸ピットの形態
で記録されているトラックにトラッキング制御する場合
の回路ゲインG2aを長手方向に平坦な形態のトラックに
トラッキング制御する場合の回路ゲインG2bの1/K倍
より大きくなるようにゲイン切換手段により切り換える
ので、凹凸ピットの形態で記録されているトラックであ
っても長手方向に平坦な形態のトラックであっても安定
にトラッキング制御が動作する。
【0010】
【実施例】以下図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。尚、図面の説明に用いる番号において、同じものに
ついては同一番号を用いる。
【0011】図1は本発明の一実施例である。同心円状
のトラックを有する円盤状の記録担体1はディスクモー
タ2の回転軸に取り付けられて所定の回転数で回転して
いる。記録担体1はジャケット3により被われており、
ゴミ,ホコリ等が付着しないように保護されている。
【0012】記録担体1を判別するための判別器4は発
光ダイオードと受光素子より構成されている。ジャケッ
ト3は記録担体1の種類に応じて異なった形状をしてお
り、記録担体1が入ったジャケット3を装填すると、判
別器4の発光ダイオードより発生した光ビームがジャケ
ット3により遮蔽されて受光素子に光ビームが照射され
なくなったり、あるいは発光ダイオードより発生した光
ビームが遮蔽されず受光素子に照射されたりする。処理
回路5には判別器4の受光素子の信号が入力されてお
り、処理回路5は記録担体1の種類に応じた信号を出力
する。
【0013】光学系について説明すると、半導体レーザ
等の光源6より発生した光ビーム7はカップリングレン
ズ8により略々平行光にされ、偏光ビームスプリッター
9,λ/4板10(λは光ビーム7の波長)を通過し、反
射鏡11により反射され、収束レンズ12により記録担体1
上に収束して照射されている。記録担体1により反射さ
れた光ビーム7の反射光13は、再び収束レンズ12を通過
し、反射鏡11により反射され、λ/4板10を通過し、偏
光ビームスプリッター9により反射され、凸レンズ14及
びシリンドリカルレンズ15を通過し、後に詳述するが4
分割構造の光検出器16上に照射されている。
【0014】収束レンズ12はゴム等によって支えられて
おり、フォーカス素子17に電流を流すと、電磁力によっ
て収束レンズ12は記録担体1の面と略々垂直な方向に移
動し、トラッキング素子18に電流を流すと収束レンズ12
は電磁力によって記録担体1上のトラック方向と略々垂
直な方向、すなわち記録担体1の半径方向に移動するよ
うに構成されている。
【0015】光源6,カップリングレンズ8,偏光ビーム
スプリッター9,λ/4板10,反射鏡11,フォーカス素子1
7,トラッキング素子18,凸レンズ14,シリンリカルレン
ズ15及び光検出器16は移送台19に取り付けられており、
リニアモータ20を駆動すれば一体となって記録担体1の
半径方向に移動するように構成されている。
【0016】制御信号の検出について説明する。光検出
器16のそれぞれの信号は、ライン21,22,23及び24を通じ
て出力されている。合成回路25,26,27,28及び29は入力
されている信号を加算する回路であり、合成回路25の入
力端にはライン21と22が、合成回路26の入力端にはライ
ン23と24が、合成回路27の入力端にはライン21と23が、
合成回路28の入力端にはライン22と24が、合成回路29の
入力端にはライン21,22,23及び24がそれぞれ接続されて
いる。差動回路30には合成回路27及び28の信号が入力さ
れており、差動回路30は合成回路27の信号と合成回路28
の信号の差信号を出力する。後に詳述するが、差動回路
30は記録担体1上の光ビーム7の収束状態を表わす信
号、すなわちフォーカス制御信号を出力する。差動増幅
器31には合成回路25及び26の信号が入力されており、差
動増幅器31は合成回路25の信号と合成回路26の信号の差
信号を出力する。差動増幅器31は後に詳述するが記録担
体1上に収束されている光ビーム7とトラックの位置ず
れを表わす信号、すなわちトラッキング制御信号を出力
する。
【0017】フォーカス制御について説明すると、差動
増幅器30の信号は割算器32、ゲイン切換回路33、フォー
カス制御系の位相を補償するための位相補償回路34、フ
ォーカス制御を不動作にするためのスイッチ35、電力増
幅するための駆動回路36を介してフォーカス素子17に加
えられており、フォーカス素子17は差動増幅器30の信号
に応じて収束レンズ12を記録担体1の面と略々垂直な方
向に移動させ、記録担体1上の光ビーム7が常に一定の
収束状態となるように制御する。
【0018】トラッキング制御について説明すると、差
動増幅器31の信号は割算器37、ゲイン切換回路38、トラ
ッキング制御系の位相を補償するための位相補償回路3
9、トラッキング制御を不動作にするためのスイッチ4
0、電力増幅するための駆動回路41を介してトラッキン
グ素子18に加えられており、トラッキング素子18は差動
増幅器31の信号に応じて収束レンズ12を記録担体1の半
径方向に移動させ、記録担体1上の光ビーム7が常にト
ラック上にあるように制御する。また駆動回路41の信号
はリニアモータ20を駆動するための駆動回路42に入力さ
れており、リニアモータ20は駆動回路41の出力が平均的
に零となるように、言い換えればトラッキング素子18に
よって移動される収束レンズ12が自然の状態を中心に移
動するように移送台19を移動させる。
【0019】フォーカス制御及びトラッキング制御が安
定に動作しなければ、品質のよい記録及び再生を行なう
ことは出来ない。フォーカス制御及びトラッキング制御
を安定に動作させるためには、制御系のループゲインが
変化しないようにすることが極めて重要である。割算器
32,37及びゲイン切換回路33,38はこのためのものであ
り、以下これらの動作について説明する。
【0020】合成回路29は前述したように、光検出器16
の4つの出力を加算した信号を出力し、この信号はゲイ
ン切換回路43を介して割算器32,37に入力されている。
割算器32は、差動増幅器30の出力をX1、ゲイン切換回
路43の出力をYとするとX1/Yの値に相当する信号を
出力し、割算器37も同様に差動増幅器31の出力をX2
するとX2/Yの値に相当する信号を出力する。処理回
路5の信号はゲイン切換回路33,38及び43にそれぞれ入
力されており、ゲイン切換回路33,38及び43は処理回路
5の信号に応じて増幅率を切り換える。例えば、第1の
記録担体が装填されている状態のゲイン切換回路33,38
及び43の増幅率をG1a,G2a,G3aとし、第2の記録担体
が装填されている状態のゲイン切換回路33,38及び43の
増幅率をG1b,G2b,G3bとすると、 G1b / G1a = G3b /G3a =K(Kは正の実数) が略々成り立ち、後に詳述するがG2b/G2a<Kのよう
に構成されている。
【0021】フォーカス制御のループゲイン変化を防止
する動作についてさらに説明する。第1の記録担体の反
射率をKR、第2の記録担体の反射率をKW、KR/KW
Kとすると、第1の記録担体を装填した場合の合成回路
29の出力は第2の記録担体を装填した場合のそれのK倍
になるが、ゲイン切換回路43の増幅率が1/K倍になる
ので、ゲイン切換回路43の出力は変化しない。一方、第
1の記録担体を装填した場合の単位フォーカスずれに対
する差動増幅器30の出力は、第2の記録担体を装填した
場合のそれのK倍になる。また第1の記録担体を装填し
た時のゲイン切換回路43の出力と第2の記録担体を装填
した時のそれは同じである。従って第1の記録担体を装
填した場合の単位フォーカスずれに対する割算器32の出
力は、第2の記録担体を装填した場合のそれのK倍にな
る。しかし第1の記録担体を装填した時のゲイン切換回
路33の増幅率は第2の記録担体を装填した時のそれの1
/Kになるので、単位フォーカスずれに対するゲイン切
換回路33の出力は変化しない。従って第1の記録担体と
第2の記録担体は反射率が異なるが、フォーカス制御の
ループゲインは変化しない。
【0022】以上説明したように第1の記録担体を装填
しても第2の記録担体を装填してもフォーカス制御のル
ープゲインが変化しないのは、ゲイン切換回路33の増幅
率が第1の記録担体を装填した場合と第2の記録担体を
装填した場合とで切り換えられるからである。
【0023】割算器32及びゲイン切換回路43の動作につ
いて説明する。フォーカス制御のループゲインを変化さ
せる要因としては種々のものがあり、例えば、同一種類
の記録担体1の反射率のバラツキ、光源6から発生して
いる光ビーム7の光量変化、光検出器16の温度特性ある
いはゴミ・ホコリ等による光ビーム7の伝達効率の低下
等である。これらの影響は全て合成回路29の出力変化と
して現われる。合成回路29の出力がK1倍になると、単
位フォーカスずれに対する差動増幅器30の出力もK1
になる。当然のことながら、ゲイン切換回路43の出力も
1倍になるので、単位フォーカスずれに対する割算器3
2の出力は常に一定となり、上述した要因によってフォ
ーカス制御のループゲインが変化することはない。
【0024】フォーカス制御のループゲインを一定に保
つのに本発明の実施例のように、第1の記録担体と第2
の記録担体とでゲインを切り換えず、例えばゲイン切換
回路43を省略し、合成回路29の信号を割算器32に入力す
るように構成してもよいが、このように構成すると割算
器32の割算範囲が広くなり、割算器32が高価になる。
【0025】このことについてさらに説明すると、例え
ば、同一種類の記録担体1の反射率のバラツキ、光源6
から発生している光ビーム7の光量変化、光検出器16の
温度変化あるいはゴミ・ホコリ等による光ビーム7の伝
達効率の低下等によって合成回路29の出力が変化する割
合、すなわち合成回路29の出力の最低値をVmin、最大
値をVmmとした時のVmm/Vminの値が4倍、前述した
Kの値を5倍とすると、割算範囲は20倍必要となるが、
本発明の実施例によれば割算範囲は4倍で済み、簡単な
割算器で構成することが出来る。
【0026】トラッキング制御のループゲイン変化を防
止する動作について以下説明する。第1の記録担体を装
填した場合の単位トラックずれに対する差動増幅器31の
出力をK1T、第2の記録担体を装填した場合のそれをK
2Tとすると、K1T/K2Tの値はKとはならない。これに
ついては後に詳述するが、フォーカス制御信号の検出感
度は、記録担体の種類に関係なく、記録担体の反射率に
比例するのに対して、第1の記録担体の反射率が第2の
記録担体の反射率のK倍であっても、トラッキング制御
信号の検出感度はK倍とならない。K1T/K2Tの値をK
c、第1の記録担体が装填されている状態のゲイン切換
回路38の増幅率をG2a、第2の記録担体が装填されてい
る状態のそれをG2bとすると、G2b/G2a=Kcが略々
成り立つように構成されている。
【0027】第1の記録担体を装填した時の単位トラッ
クずれに対する差動増幅器31の出力は、第2の記録担体
を装填した時のそれのKc倍になる。前述したようにゲ
イン切換回路43の出力は、第1の記録担体を装填した時
と第2の記録担体を装填した時とで変化しないから、第
1の記録担体を装填した時の単位トラックずれに対する
割算器32の出力は、第2の記録担体を装填した時のそれ
のKc倍になる。
【0028】しかし、第1の記録担体を装填した時のゲ
イン切換回路38の増幅率は第2の記録担体を装填した時
のそれの1/Kcとなるので、単位トラックずれに対す
るゲイン切換回路38の出力は変化しない。従って第1の
記録担体と第2の記録担体とではトラッキング制御信号
の検出感度が異なるが、トラッキング制御のループゲイ
ンは変化しない。
【0029】トラッキング制御のループゲインを変化さ
せる要因としては、前述したフォーカス制御のループゲ
インを変化させる要因が考えられる。これらの要因によ
って合成回路29の出力がK1倍になると、単位トラック
ずれに対する差動増幅器31の出力もK1倍になる。ゲイ
ン切換回路43の出力もK1倍になるから、単位トラック
ずれに対する割算器37の出力は常に一定となり、トラッ
キング制御のループゲインは一定に保たれる。尚、本発
明の実施例においてトラッキング制御に使用している割
算器37は前述したフォーカス制御に使用している割算器
32と同様に割算範囲を狭く出来ることは言うまでもな
い。
【0030】本発明の実施例は、記録材料層を有する第
2の記録担体を装填して信号を記録する場合に、割算器
32及び37の割算範囲が狭くなるように構成されている。
以下、このことについて説明する。フォーカス制御及び
トラッキング制御が動作している状態で、記録する信号
に応じて光源6から発生している光ビーム7の光量を強
弱に変調すると、強い光ビーム7が照射された記録担体
1の部分が光ビーム7の熱によって物理的に変化し信号
が記録される。記録時の光ビーム7の光量は記録担体1
の場所によって異なるが、再生時の光ビーム7の光量の
7から10倍程度である。
【0031】入力端44には記録期間信号すなわち記録担
体1上に信号を記録するために光ビーム7の光量が強弱
に変調されている期間を表わす信号が入力される。入力
端44の信号はゲイン切換回路33,38及び43にそれぞれ伝
達されており、記録期間信号が入力端44に入力される
と、ゲイン切換回路33,38及び43の増幅率は1/Nに低
下するように構成されている。Nは正の実数で、記録時
の光ビーム7の平均的な光量をPREC、再生時の光ビー
ム7の光量をPpBとするとN=PREC/PpB が略々成り
立つように設定されている。
【0032】PREC=N×PpBなる場合を例にとって説
明すると、記録時の合成回路29の出力は再生時のそれの
N倍となるが、記録時にゲイン切換回路43の増幅率が1
/Nになるので、ゲイン切換回路43の出力は記録時と再
生時で変化しない。記録時の単位フォーカスずれに対す
る差動増幅器30の出力は再生時のそれのN倍となる。ゲ
イン切換回路43の出力が記録時と再生時で変化しないか
ら、記録時の単位フォーカスずれに対する割算器32の出
力もN倍となるが、記録時にゲイン切換回路33の増幅率
が1/Nになるので、記録時の単位フォーカスずれに対
するゲイン切換回路33の出力は記録時と再生時とで変化
せずフォーカス制御のループゲインは一定に保たれる。
【0033】記録時の光ビーム7の光量は記録担体1の
場所によって異なり、一般に記録担体1の内周では弱
く、外周では強い。このような記録担体1の場所による
記録光量の変化によるフォーカス制御系のループゲイン
変化は、前述したように割算器32で吸収され一定に保た
れる。
【0034】以上記録時のフォーカス制御回路の動作に
ついて説明したが、トラッキング制御回路の動作につい
ては前述の説明で容易に理解出来るので省略する。
【0035】図2は記録材料層を有しない第1の記録担
体1の説明図である。図2Aにおいて、斜線部51は凹凸
の形態で信号が記録されている領域を示している。図2
Bは同図Aにおいて破線52で示した領域を拡大した図で
あり、53は凹凸形態のピット、54はピット53が並んだト
ラックである。図2Cは同図Bに示した一点鎖線55で切
断した断面図であり、56は基材、57はアルミニウム等の
金属層、58は保護層である。59はピット53の深さを示し
ており、ピット53の深さをd1とすると、d1=λ/(8
×n1)になっている。ただし、λは光ビーム7の波
長、n1は基材56の屈折率である。
【0036】図3は記録材料層を有する第2の記録担体
1の説明図である。図3Aにおいて、斜線部は凹凸の形
態で溝トラックが記録されている領域であり、追跡トラ
ック部61とアドレス部62より構成されている。
【0037】図3Bは同図Aにおいて破線63で示した領
域を拡大した図であり、トラック64は溝状の追跡トラッ
ク65と凹凸形態のピット66より構成されている。トラッ
ク64は同心円状に形成されており、ピット66は追跡トラ
ック65を識別する為のアドレス情報を含んでいる。当然
のことであるがアドレス情報の部分はトラック64のごく
一分にすぎない。図3Cは同図Bに示した一点鎖線67で
切断した断面図であり、68は基材、69は記録材料層、70
は保護層である。71はピット66及び追跡トラック65の深
さを示しており、深さをd2とすると、d2=λ/(8・
2)になっている。ただし、n2は基材68の屈折率であ
る。言うまでもないが、信号は追跡トラック65上に記録
される。
【0038】フォーカス制御信号及びトラッキング制御
信号の検出について、図4と共に説明する。図4は光検
出器16上の反射光13のビームスポット形状を示した図で
ある。光検出器16は、16a,16b,16c及び16dの4つの
受光領域を有し、受光領域16a,16b,16c及び16dの信
号は図1のライン21,22,23及び24を通じて出力される。
13a,13b及び13cは反射光13のビームスポット形状を
示したものであり、ビームスポット13aは記録担体1と
収束レンズ12の距離が正規になっていて、光ビーム7の
収束点が記録担体1上にある状態を示している。ビーム
スポット13bは記録担体1と収束レンズ12の距離が離れ
過ぎている状態の反射光13を示し、ビームスポット13c
は記録担体1と収束レンズ12の距離が近づき過ぎている
状態の反射光13を示している。差動増幅器30はこの反射
光13の形状変化に対応した信号、すなわち、受光領域16
a,16b,16c,16dの出力をS1,S2,S3,S4とすると、
{(S1+S3)−(S2+S4)}に対応した信号を出力する。
当然のことであるが、フォーカス制御が動作している状
態においては、反射光13はビームスポット13aのように
なっている。
【0039】方向81はトラック方向すなわちトラックの
長手方向を示している。差動増幅器31は{(S1+S2)−
(S3+S4)}に対応した信号を出力する。差動増幅器31
が記録担体1上に収束されている光ビーム7とトラック
の位置ずれを表わす信号を出力することは知であり、
詳述するのを避ける。
【0040】第1の記録担体の反射率が第2の記録担体
の反射率のK倍であっても、トラッキング制御信号の検
出感度がK倍とならないことを図5と共に説明する。
【0041】図5は第1の記録担体1を装填し、記録担
体1上の光ビーム7がトラックを1本横切った時のST
={(S1+S2)−(S3+S4)}を表わしたものである。
尚、x軸をトラックずれ量、y軸をSTにして表わして
いる。図2に示したピット53上を光ビーム7が走査して
いる時だけ、記録担体1上の光ビーム7とトラック54の
位置ずれに対応した信号(波形91)が出力され、ピット
とピットの間を光ビーム7が走査している時は出力され
ない。しかしピット53の長さ及びピットとピットの間の
長さは非常に短かいので、トラッキング制御を動作させ
た時、記録担体1上の光ビーム7がトラック54上を走査
できる。例えばトラッキング制御の応答性は10KHz程度
で記録担体1上に記録されている信号は数MHz程度であ
る。従って実際はトラッキング制御信号は波形91を低域
通過フィルターに介したような波形92となり、トラッキ
ング制御信号の検出感度は低下する。
【0042】第の記録担体はアドレス部を除いて連続
したトラックになっているので、検出感度は低下しな
い。
【0043】従って第1の記録担体を装填した場合の単
位トラックずれに対する差動増幅器31の出力をK1T、第
2の記録担体を装填した場合のそれをK2TとするとK1T
/K 2Tの値はKとはならず、K1T<K×K2Tとなる。
【0044】以上、本発明を詳細に説明したが、本発明
は上述した実施例により何ら限定されることはない。
【0045】例えば記録担体の判別は記録担体の反射率
の差を検出して行なってもよい。より具体的には、合成
回路29の出力の大きさでも判別することが出来る。
【0046】またフォーカス制御信号及びトラッキング
制御信号を検出するための光学系は種々のものが発表さ
れているが、本発明に関してはどのような光学系であっ
ても問題はない。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明は、トラッキング制
御手段の回路ゲインを切り換えるゲイン切換手段を設
け、長手方向に平坦な形態のトラックのディスク反射率
に対する凹凸ピットの形態で記録されているトラックの
ディスク反射率をK、凹凸ピットの形態で記録されてい
るトラックにトラッキング制御を動作させる時の回路ゲ
インをG2a、長手方向に平坦な形態のトラックにトラ
ッキング制御を動作させる時の回路ゲインをG2bとす
ると、ゲイン切換手段によりG2b/G2a<Kとなる
ように回路ゲインを切り換えているので、凹凸ピットの
形態で記録されているトラックであっても長手方向に平
坦な形態のトラックであっても安定にトラッキング制御
が動作する。また本発明は、記録担体上からの反射光量
を検出する光量検出手段の回路ゲインとトラッキング制
御手段あるいはフォーカス制御手段の回路ゲインを切り
換えるゲイン切換手段を設け、光量検出手段の回路ゲイ
ンが切り換えられた信号でトラッキング制御手段あるい
はフォーカス制御手段の制御信号を除算するように割算
手段を構成しているので、割算手段の割算範囲を非常に
狭くすることができ、安価でかつ高精度なトラッキング
制御あるいはフォーカス制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図
【図2】記録材料層を有しない第1の記録担体の説明図
【図3】記録材料層を有する第2の記録担体の説明図
【図4】光検出器上の反射光のビームスポット形状を示
した図
【図5】第1の記録担体を装填した時のトラッキング制
御信号を示した図
【符号の説明】
1 記録担体 3 ジャケット 4 判別器 5 処理回路 16 光検出器 18 トラッキング素子 25,26,29 合成回路 31 差動増幅器 37 割算器 38 ゲイン切換回路 39 位相補償回路 40 スイッチ 41 駆動回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から発生する光ビームを記録担体上
    に収束して照射するための収束手段と、前記収束手段に
    より記録担体上に収束されている光ビームをトラックを
    横切るように移動する移動手段と、記録担体上の光ビー
    ムとトラックの位置ずれを検出するトラックずれ検出手
    段と、前記トラックずれ検出手段の信号に応じて前記移
    動手段を駆動し、記録担体上の光ビームがトラック上に
    位置するように制御するトラッキング制御手段と、情報
    信号が凹凸ピットの形態で記録されているトラックを有
    するディスクか、長手方向に平坦な形態のトラックを有
    するディスクかを判別する判別手段と、前記判別手段の
    信号に応じて前記トラッキング制御手段の回路ゲインを
    切り換えるゲイン切換手段とを有するトラッキング制御
    装置において、長手方向に平坦な形態のトラックのディ
    スク反射率に対する凹凸ピットの形態で記録されている
    トラックのディスク反射率をK、凹凸ピットの形態で記
    録されているトラックにトラッキング制御を動作させる
    時の回路ゲインをG2a、長手方向に平坦な形態のトラ
    ックにトラッキング制御を動作させる時の回路ゲインを
    G2bとすると、前記ゲイン切換手段による切り換え回
    路ゲインをG2b/G2a<Kとなるように構成したこ
    とを特徴とするトラッキング制御装置。
  2. 【請求項2】 光源から発生する光ビームを記録担体上
    に収束して照射するための収束手段と、記録担体上から
    の反射光量を検出する光量検出手段と、前記収束手段に
    より記録担体上に収束されている光ビームをトラックを
    横切るように移動する移動手段と、記録担体上の光ビー
    ムとトラックの位置ずれを検出するトラックずれ検出手
    段と、前記トラックずれ検出手段の信号に応じて前記移
    動手段を駆動し、記録担体上の光ビームがトラック上に
    位置するように制御するトラッキング制御手段と、情報
    信号が凹凸ピットの形態で記録されているトラックを有
    するディスクか、長手方向に平坦な形態のトラックを有
    するディスクかを判別する判別手段とを有するトラッキ
    ング制御装置において、前記判別手段の信号に応じて
    記光量検出手段の回路ゲインと前記トラッキング制御手
    段の回路ゲインを切り換えるゲイン切換手段と、前記光
    量検出手段の回路ゲインが切り換えられた信号で前記ト
    ラッキング制御手段の制御信号を除算する割算手段とを
    併せ持つことを特徴とするトラッキング制御装置。
  3. 【請求項3】 光源から発生する光ビームを記録担体上
    に収束して照射するための収束手段と、記録担体上から
    の反射光量を検出する光量検出手段と、前記収束手段に
    より収束されている光ビームを記録担体面と垂直な方向
    移動する移動手段と、記録担体上の光ビームのフォー
    カスのずれを検出するフォーカスずれ検出手段と、前
    フォーカスずれ検出手段の信号に応じて前記移動手段
    駆動し、光ビームを記録担体上に収束するように制御す
    るフォーカス制御手段と、情報信号が凹凸ピットの形態
    で記録されているトラックを有するディスクか、長手方
    向に平坦な形態のトラックを有するディスクかを判別す
    る判別手段とを有するフォーカス制御装置において、前
    記判別手段の信号に応じて前記光量検出手段の回路ゲイ
    ンと前記フォーカス制御手段の回路ゲインを切り換える
    ゲイン切換手段と、前記光量検出手段の回路ゲインが切
    り換えられた信号で前記フォーカス制御手段の制御信号
    を除算する割算手段とを併せ持つことを特徴とするフォ
    ーカス制御装置。
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