JP2605846Y2 - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2605846Y2
JP2605846Y2 JP1993045423U JP4542393U JP2605846Y2 JP 2605846 Y2 JP2605846 Y2 JP 2605846Y2 JP 1993045423 U JP1993045423 U JP 1993045423U JP 4542393 U JP4542393 U JP 4542393U JP 2605846 Y2 JP2605846 Y2 JP 2605846Y2
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crankshaft
front cover
groove
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transmission device
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茂 竹下
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、動力伝達装置、特に、
トルクコンバータを含み、エンジン側のクランクシャフ
トからの動力を伝達する動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは、3種の羽根車(イ
ンペラ,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の流
体により動力を伝達する装置である。このトルクコンバ
ータとエンジン側クランクシャフトとを連結して動力を
伝達するために、本件出願人は既に実願平3−9752
9号に示すような連結機構を提案している。ここでは、
クランクシャフトとトルクコンバータのフロントカバー
とがダンパー機構によって所定角度範囲内で相対回転自
在に連結されている。エンジン側のトルクは、クランク
シャフトから連結機構に伝達され、連結機構のダンパー
機構により捩じり振動が吸収されつつフロントカバーに
伝達される。
【0003】ここで、フロントカバーのボスは、クラン
クシャフト後端の中心孔に回転自在に支持されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
クランクシャフト側からフロントカバー側へトルク変動
が伝達されると、ダンパー機構の作動によりクランクシ
ャフトとフロントカバーとの間で相対回転が生じる。そ
の結果、クランクシャフト中心孔とフロントカバーのボ
スとが摺動し、両者間に摩擦が発生する。そのため、摺
動部分が高温状態になり、また磨耗粉の発生により焼き
付きが起こる場合がある。
【0005】本考案の目的は、クランクシャフトとフロ
ントカバーのボスとの間で焼き付きを生じにくくするこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の動力伝
達装置は、エンジンとトランスミッションとの間におい
て、出力側の端部に中心孔が形成されたクランクシャフ
トからの動力を伝達する動力伝達装置であり、トルクコ
ンバータと、連結機構とを備えている。前記トルクコン
バータは、外周面に溝を有しクランクシャフト中心孔に
回転自在に支持されたフロントボスと、フロントボスに
内周端が固定されたフロントカバーとを含んでいる。前
記連結機構は、クランクシャフトとフロントカバーとを
所定角度範囲内で相対回転自在に連結している。溝は軸
方向に延び、溝のトランスミッション側はフロントボス
の外周側空間に開口している。 請求項2に記載の動力伝
達装置では、請求項1において、溝の底面はエンジン側
からトランスミッション側に向かって浅くなるように傾
斜している。
【0007】
【作用】請求項1に記載の動力伝達装置では、クランク
シャフトの回転力は、動力伝達装置の連結機構を介して
トルクコンバータのフロントカバーに伝達される。エン
ジン側にトルク変動が生じると、連結機構の作動によっ
てクランクシャフトとフロントカバーとの間で相対回転
が生じる。このとき、クランクシャフトの中心孔とフロ
ントボスとが摺動を繰り返し、摩擦が発生する。しか
し、フロントボスの外周面に溝が形成されているため
に、摺動面の冷却と摩耗粉の排出とが可能になる。その
結果、摺動面での焼き付きが防止される。具体的には、
溝内に入った摩耗粉は溝からフロントボスの外周側空間
に排出される。
【0008】
【実施例】図1は、本考案の一実施例としての動力伝達
装置を示している。ここでは、O−Oがトルクコンバー
タの回転中心線である。図1において、この動力伝達装
置は、トルクコンバータ1と、エンジン側クランクシャ
フト41からトルクコンバータ1にトルクを伝達するた
めの連結機構2とから構成されている。
【0009】トルクコンバータ1は、フロントカバー4
と、フロントカバー4の外周壁4aに固定されたインペ
ラシェル5とで作動油室を形成している。インペラシェ
ル5aは内周端部がインペラハブ31に固定されてい
る。フロントカバー4の半径方向中間部には、円周方向
にわたって軸方向前方(図1の左方)に押し出された複
数の押し出し部4bが形成されている。この押し出し部
4bに連結機構2が固定され、エンジン側からの駆動力
がフロントカバー2に入力されるようになっている。フ
ロントカバー4の半径方向外周側内壁には、平坦な摩擦
面4cが形成されている。
【0010】フロントカバー4の内周端には、エンジン
側(図1,2の左側)に突出するフロントボス42が固
定されている。フロントボス42は、エンジン側のクラ
ンクシャフト41の後端に形成された中心孔41aに相
対回転自在にかつ移動自在に支持されている。フロント
ボス42の外周面には、図2及び図3から明らかなよう
に、軸方向に延びる4本の溝42aが円周方向等間隔で
形成されている。図2に示すように、溝42aの底面
は、先端に向かって角度θで中心側に傾斜する傾斜面に
なっている。なお、クランクシャフト41に対してフロ
ントボス42が軸方向に移動可能であるように、両者間
には所定の軸方向隙間が確保されている。特に、フロン
トボス42の根元部分とクランクシャフト41の端面4
1bとの間の隙間43により、各溝42aが外部と連通
している。なお、フロントボス42の外周面には耐磨耗
剤がコーティングされている。
【0011】トルクコンバータ1内の作動油室は、主と
して、インペラ5と、タービン6と、ステータ7と、ロ
ックアップ装置8とから構成されている。インペラシェ
ル5aの内部には、複数のインペラブレード5bが固定
されている。インペラシェル5aとインペラブレード5
bとによりインペラ5が構成されている。インペラ5と
対向する位置には、タービン6が配置されている。ター
ビン6は、タービンシェル6aとタービンシェル6aに
固定された複数のタービンブレード6bとにより構成さ
れている。タービンシェル6aの内周端部は、タービン
ハブ9のフランジ部9aに複数のリベット10により固
定されている。タービンハブ9は、内周部に出力軸(図
示せず)と係合するスプライン孔11を有している。タ
ービンシェル6aの外周には、複数の折曲げ爪6cが固
定されている。この折曲げ爪6cがロックアップ装置8
と係合し、ロックアップ装置8からの回転力をタービン
6に伝達するようになっている。
【0012】インペラ5の内周部とタービン6の内周部
との間には、ステータ7が配置されている。ステータ7
は、タービン6からインペラ5へと戻される作動油の方
向を調整するものであり、円環状のステータキャリア7
aとステータキャリア7aの外周面に形成された複数の
ステータブレード7bとから構成されている。ステータ
7は、ワンウェイクラッチ機構を介してインナーレース
12に連結されている。
【0013】ロックアップ装置8は、フロントカバー4
とタービン6との間に配置されている。このロックアッ
プ装置8は、内周端がタービンハブ9の外周面に摺動自
在に支持された円板状のピストン13を有している。ピ
ストン13の外周端にはフロントカバー4の摩擦面4c
と対向する面に摩擦部材14が接着されている。ピスト
ン13は、外周側端部に軸方向後方(図1の右方)に延
びる筒状の端壁13aを有している。ピストン13の端
壁13aの内周側にはリテーニングプレート15が配置
され、リベット16によりピストン13に固定されてい
る。リテーニングプレート15は、円環状に延びる筒部
を有しており、筒部内に円周方向に延びる姿勢の複数の
トーションスプリング17を収容している。また、各ト
ーションスプリング17の円周方向端部は、リテーニン
グプレート15に形成された折曲げ爪に支持されてい
る。一方、トーションスプリング17の両端部にはター
ビンシェル6aの外周部に固定されたタービン爪6cが
係合している。これにより、ピストン13とタービン6
とは円周方向に弾性的に連結されていることになる。
【0014】次に、連結機構2について説明する。連結
機構2は、主に、フレキシブルプレート19とダンパー
機構20とから構成されている。フレキシブルプレート
19は、円板状の部材であり、軸方向に弾性変形可能で
ある。フレキシブルプレート19の内周端部は、エンジ
ン側のクランクシャフト41の端面41bにボルト44
により固定されている。
【0015】ダンパー機構20は、主に、円板状プレー
ト21と、トーションスプリング22と、第1サイドプ
レート23と、第2サイドプレート24とから構成され
ている。円板プレート21は、外周側に円周方向に延び
る複数の窓孔21aを有している。円板プレート21
は、内周端部にフロントカバー4の押し出し部4bに対
応する位置に孔21bを有しており、この孔21bに押
し出し部4bが挿入され、溶接により両者は固定されて
いる。窓孔21a内には円周方向に延びるトーションス
プリング22が配置されている。円板プレート21の両
側方には、第1サイドプレート23及び第2サイドプレ
ート24が配置されている。第1サイドプレート23及
び第2サイドプレート24は外周端でリベット25によ
り一体に固定されている。第1サイドプレート23のさ
らに半径方向外周側に延びる外周端はボルト26a及び
ナット26bにより、フレキシブルプレート19の外周
外周端に固定されている。第2サイドプレート24の内
周には、円環状の突出部21cが円板プレート21上に
形成されている。
【0016】第1サイドプレート23及び第2サイドプ
レート24は、円板プレート21の窓孔21aに対応す
る位置に切り起こし窓孔部を有しており、この切り起こ
し窓孔部がトーションスプリング22を保持している。
このトーションスプリング22により、第1サイドプレ
ート及び第2サイドプレート23,24が、フロントカ
バー4に固定された円板プレート21に円周方向に弾性
的に連結されていることになる。
【0017】第2サイドプレート24の内周端と円板プ
レート21との間には、第2サイドプレート24側から
円環状のコーンスプリング27,フリクションプレート
28,フリクションワッシャ29が配置されている。フ
リクションプレート28は第2サイドプレート24に係
合する突起を有している。コーンスプリング27は、フ
リクションワッシャ29を円板プレート21側に付勢し
ている。
【0018】次に、上述の実施例の動作について説明す
る。エンジン側のクランクシャフト41からのトルク
は、連結機構2のフレキシブルプレート19からダンパ
ー機構20を介して、トルクコンバータ1のフロントカ
バー4に伝達される。この伝達時に、エンジン側に発生
したトルク変動はダンパー機構22によって効果的に吸
収される。つまり、第1サイドプレート23及び第2サ
イドプレート24が円板プレート21に対して捩じれる
際に、トーションスプリング22が伸縮を繰り返し、か
つフリクションワッシャ29が滑り、所定のヒステリシ
ストルクが発生する。このようにして、連結機構2から
トルクコンバータ1側へと伝達される捩じり振動は低減
させられる。
【0019】以上の動作時に、クランクシャフト41と
フロントカバー4との間で相対回転が生じる。そのた
め、クランクシャフト41の中心孔41aとフロントボ
ス42とが摩擦摺動をする。フロントボス42の両摺動
面には耐磨耗剤がコーティングされているために発生す
る磨耗粉の量は少なくなっている。また、たとえ磨耗粉
が発生しても、磨耗粉は溝42a内に溜まり、摺動面に
存在する磨耗粉の量を著しく少なくすることができる。
このため、摺動面の磨耗を抑えることができるととも
に、焼き付きを生じにくくすることができる。また、溝
42a内に溜まった磨耗粉は、傾斜面に沿って隙間43
から外部へと排出される。さらに、溝42a内には、隙
間43から外部の空気が流入するために、両摺動面が充
分に冷却される。その結果、両摺動面の焼き付きがさら
に生じにくくなっている。
【0020】一方、動力伝達中には、クランクシャフト
41には上述の捩じり振動の他に曲げ振動が作用してい
る。クランクシャフト41に生じた曲げ振動は、まずク
ランクシャフト41に固定されたフレキシブルプレート
19に伝達される。そして、フレキシブルプレート19
の弾性変形によって曲げ振動が吸収される。このように
して、連結機構2からトルクコンバータ1へと伝達され
る曲げ振動が低減させられる。なお、以上の曲げ振動伝
達時に、クランクシャフト41に対してフロントボス4
2が軸方向に摺動する。このときも、やはり、捩じり振
動発生時と同様に、溝42aにより摺動面での焼き付き
が生じにくくなっている。
【0021】トルクコンバータ1のフロントカバー4が
回転すると、それとともにインペラ5が回転する。イン
ペラ5の回転は作動油を介してタービン6に連結され
る。タービン6からインペラ5へと戻る作動油の流れは
ステータ7により調整される。そして、タービン6の回
転はタービンハブ9を介して出力軸(図示せず)に伝わ
る。
【0022】
【考案の効果】本考案に係る動力伝達装置では、クラン
クシャフトとフロントカバーとの間で相対回転が生じる
が、フロントボスの外周面に形成された溝が摺動面の冷
却と磨耗粉の排出とを可能にしている。その結果、摺動
面での焼き付きが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としての動力伝達装置の縦断
面概略図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】図2のIII −III 断面図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 連結機構 4 フロントカバー 41 クランクシャフト 41a 中心孔 42 フロントボス 42a 溝

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンとトランスミッションとの間にお
    いて、出力側の端部に中心孔が形成されたクランクシャ
    フトからの動力を伝達する動力伝達装置であって、 外周面に溝を有し前記クランクシャフト中心孔に回転自
    在に支持されたフロントボスと、前記フロントボスに内
    周端が固定されたフロントカバーとを含むトルクコンバ
    ータと、 前記クランクシャフトと前記フロントカバーとを所定角
    度範囲内で相対回転自在に連結する連結機構とを備え、前記溝は軸方向に延び、前記溝の前記トランスミッショ
    ン側は前記フロントボスの外周側空間に開口している、 動力伝達装置。
  2. 【請求項2】前記溝の底面は前記エンジン側から前記ト
    ランスミッション側に向かって浅くなるように傾斜して
    いる、請求項1に記載の動力伝達装置。
JP1993045423U 1993-08-20 1993-08-20 動力伝達装置 Expired - Lifetime JP2605846Y2 (ja)

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JP5815479B2 (ja) * 2012-06-27 2015-11-17 アイシン精機株式会社 動力伝達装置
JP7231381B2 (ja) * 2018-11-05 2023-03-01 株式会社Subaru トルクコンバータ

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