JP2604831B2 - バルーン型眼内レンズ用注入材料 - Google Patents

バルーン型眼内レンズ用注入材料

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JP2604831B2 JP63263561A JP26356188A JP2604831B2 JP 2604831 B2 JP2604831 B2 JP 2604831B2 JP 63263561 A JP63263561 A JP 63263561A JP 26356188 A JP26356188 A JP 26356188A JP 2604831 B2 JP2604831 B2 JP 2604831B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、外側の薄膜状のバルーン本体とその内部に
注入される材料とからなる膨満性の眼内レンズにおい
て、そのバルーン本体内に注入されて、かかるバルーン
本体と共に眼内レンズの光学部を構成する材料に係り、
特にバルーン本体内に注入し易く、そして注入後はゲル
化して、高い屈折率を発揮する、バルーン型眼内レンズ
用注入材料に関するものである。
(背景技術) 従来より、眼内レンズの光学部の材料としては、PMMA
等の透明な固体樹脂材料が用いられているが、この材料
は硬質であるため、小切開口を通じて眼内に挿入するこ
とが困難であり、また眼内レンズの厚みの調節が出来
ず、従って遠近調節が出来ない等の問題点を有してい
た。
このため、米国特許第4585457号明細書においては、
外側の薄膜状のカプセル部(バルーン本体)とその内部
に注入される液体とからなる膨潤性のバルーン型眼内レ
ンズが、提案されている。
この眼内レンズは、先ず、そのカプセル部(バルーン
本体)だけの状態で折り畳んで眼内に挿入せしめた後、
このカプセル部の内部に所定の液体を外部から注入する
ことにより、目的とする眼内レンズとされるものである
ところから、小切開口を通じて眼内に挿入することが可
能であり、しかも、その後の液体の注入により膨潤し
て、弾性を有するようになる特徴がある。しかしなが
ら、この米国特許には、眼内レンズを構成するカプセル
部内に注入するための液体に関して、何等の具体的な開
示も為されてはいない。
さらに、米国特許第4713072号明細書にも、前記と同
様な構成のバルーン型眼内レンズが開示されているが、
そこでは、眼内レンズのバルーン本体内に注入される材
料として、ヒアルロン酸ナトリウムの使用が明らかにさ
れている。しかしながら、このヒアルロン酸ナトリウム
の水溶液は低屈折率であるために、水晶体嚢の形状の眼
内レンズでは必要とする屈折力が得られず、水晶体と同
様な屈折力を得るためには、眼内レンズの厚さをより厚
くしなければならない問題を内在している。
更にまた、特開昭63−216574号公報には、少なくとも
1個以上の不飽和脂肪族基を含むオルガノポリシロキサ
ンと、3個以上の水素化ケイ素単位を含むオルガノポリ
シロキサンとを含む眼内レンズ用組成物(注入材料)が
明らかにされている。
しかしながら、かかる公報においては、このような組
成物の重合後に、残存するヒドロシリル基(水素化ケイ
素基)が生体の水分と反応して組成物が劣化する等の不
都合を無くすために、不飽和脂肪族基とヒドロシリル基
との比率が同程度となるように、前記二種のオルガノポ
リシロキサンを配合せしめて、目的とする眼内レンズ用
組成物が調製されるものであるところから、常に一水準
の硬さを与える組成物しか調製し得ず、そのために組成
物の硬化後の硬さを変化させるには、その都度、異なる
分子構造や分子量を有する、特にヒドロシリル基量の異
なるオルガノポリシロキサンを選択して使用しなければ
ならない問題点があったのである。しかも、そのような
組成物中のヒドロシリル基が生体の水分と反応すること
によって、硬化物の硬さが変化し、硬さの再現性に乏し
い等の問題も内在しているのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景とし
て為されたものであり、その解決課題とするところは、
バルーン型眼内レンズのバルーン本体内への注入時には
低粘度のために注入し易く、そして注入後は体温にてゲ
ル状に重合して弾性を示し、且つ高い屈折率を発揮し、
しかも重合後の硬さの設定が容易な、また硬さの再現性
に優れたバルーン型眼内レンズ用注入材料を提供するこ
とにある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、水晶体
嚢内に挿入された中空のバルーン本体内に注入せしめら
れて、該バルーン本体を該水晶体嚢内に膨満させ、目的
とする眼内レンズを形成する光透過性の注入物にして、
両末端にビニル基を有するジメチルポリシロキサン若し
くはその誘導体からなる第一成分と、二つ以上のヒドロ
シリル基を有するジメチルポリシロキサンからなる第二
成分とから構成され、且つそれら第一成分及び第二成分
が、ビニル基とヒドロシリル基との比率(モル比)が1:
1.5〜1:10となるような割合において、配合されるよう
に、バルーン型眼内レンズ用注入材料を構成したもので
ある。
すなわち、このような本発明の構成において、第一成
分として用いられる、両末端にビニル基を有するジメチ
ルポリシロキサン若しくはその誘導体や、第二成分とし
て用いられる、二つ以上のヒドロシリル基を有するジメ
チルポリシロキサンは、それぞれ、それ自体は低粘度で
あるために、カテーテル等を通じて、それらを混合物と
してバルーン本体内に注入する操作を容易と為し得るの
であり、そしてバルーン本体内に注入した後は、体温下
において、それら各成分中のビニル基とヒドロシリル基
とが反応して、バルーン本体内で両者が重合し、ゲル化
することにより、弾性を有し且つ高屈折率を示すバルー
ン型眼内レンズを得ることが出来るのである。
ところで、かかる本発明において、前記第一成分た
る、両末端にビニル基を有するジメチルポリシロキサン
若しくはその誘導体としては、その規定に適合する化合
物が何れも採用可能であるが、特に好適には、下記一般
式(1)にて表わされる化合物の中から選択されること
となる。なお、以下に示される構造において、x,y,z
は、何れも、ジメチルシロキサン単位、メチルフェニル
シロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位の総数を意
味するものであって、それら各単位は、ブロック的に或
いはランダム的に導入されているものである。
(但し、Meはメチル基、Phはフェニル基であり、R1及び
R2は、それぞれ独立して、メチル基或いはフェニル基で
あり、x+y+z=0〜2000である。) なお、上式において、x+y+zの値が2000を越える
ようになると、その粘度が高くなって、第二成分との混
合物の脱泡に時間を要したり、またバルーン本体内への
注入時に、カテーテル等からの注入操作が困難になった
りする等、作業性が悪化して、好ましくない。中でも、
x+y+z=0〜1000であるものが、作業性の点でより
好ましく、更には、x≧y+zを満足するものが、より
好ましい。また、粘度に関しては、室温において、10万
センチポイズ(cps)以下であるものが、作業性の点で
より好ましいのである。
そして、前記第一成分として、フェニル基が導入され
た化合物、例えば、前記一般式(I)において、y+z
>0の化合物が用いられて、バルーン型眼内レンズ用注
入材料が構成されれば、より高い屈折率を有する注入材
料を得ることができるのである。
また、前記第二成分たる、二つ以上のヒドロシリル基
を有するジメチルポリシロキサンとしても、その規定に
適合する化合物が何れも採用可能であるが、特に好適に
は、下記一般式(II)〜(IV)にて表わされる化合物の
群から選択されることとなる。なお、以下に示される構
造において、p,r,tは何れもジメチルシロキサン単位、
またq,s,uは何れもモノメチルシロキサン単位の総数を
意味するものであって、前記一般式(I)にて表わされ
る化合物と同様に、それら各単位は、ブロック的に或い
はランダム的に導入されているものである。
(但し、Meはメチル基であり、p,q≧0、p+q≦2000
である。) (但し、Meはメチル基であり、s≧2、r+s=2〜20
00である。) (但し、Meはメチル基であり、u≧1、t+u=1〜20
00である。) なお、上式において、p+q、r+s、t+uの値
が、2000を越えるようになると、一般式(II)〜(IV)
にて表わされる化合物の群から選ばれる成分の粘度が高
くなって、前記第一成分との混合物の脱泡に時間を要し
たり、バルーン本体内への注入時に、カテーテル等から
の注入操作が困難になったりする等、作業性が悪化し
て、好ましくなく、またsが2未満、uが0となると、
第一成分との重合反応が進行せず、注入用材料がゲル化
しない。中でも、前記のp+q、r+s、t+uの値が
1000以下であるものが、作業性の点から、より好まし
く、また粘度に関しては、作業性の点から、室温におい
て10万cps以下であるものが好ましい。
要するに、眼内の環境において、前記の第一成分、例
えば一般式(I)にて表わされる化合物のみではゲル化
しないのであり、前記の第二成分、例えば一般式(II)
〜(IV)にて表わされる化合物の群から選ばれる1種以
上の化合物を配合することにより、初めて、第一成分が
有するビニル基と第二成分が有するヒドロシリル基とが
反応して重合することとなり、以て第一及び第二成分を
含むバルーン型眼内レンズ用注入材料をゲル化せしめる
ことが可能となるのである。
そして、本発明においては、上記のような、両末端に
ビニル基を有するジメチルポリシロキサン若しくはその
誘導体からなる第一成分と、二つ以上のヒドロシリル基
を有するジメチルポリシロキサンからなる第二成分と
が、それぞれの成分中に含まれるビニル基とヒドロシリ
ル基との比率(モル比)が1:1.5〜1:10となるような割
合で配合されて、バルーン型眼内レンズ用注入材料とし
て使用されるのである。
すなわち、この注入材料は、バルーン本体内に注入さ
れるものであるところから、注入材料の重合後における
残存ヒドロシリル基に起因する不都合、例えばヒドロシ
リル基の残存による注入材料の劣化や、生体内の水分と
ヒドロシリル基とが反応してしまうこと等がなく、それ
故、従来の如くヒドロシリル基が残存しないようにビニ
ル基とヒドロシリル基との比率を同程度にする必要性が
全くないのであり、またそのような比率の自由度を大き
く為し得て、前記第一成分と第二成分の配合割合、即ち
ビニル基とヒドロシリル基との比率を単に調節すること
で、注入材料の硬化後の硬さを所望の値に容易に設定す
ることが可能となるのであり、従って注入材料の硬化後
の硬さを設定するために、その都度、異なる分子構造や
分子量を有する注入材料を選択して使用しなければなら
ないという不都合は全く解消されるに至ったのである。
しかも、注入材料の重合反応は、バルーン本体内での
反応であるため、水晶体嚢等の生体に含まれる水分に起
因するヒドロシリル基の消費がないことから、反応率を
一定に為し得、以て注入材料の硬化後の硬さの再現性を
良好なものと成し得ることとなったのである。
なお、このビニル基とヒドロシリル基との比率が、大
き過ぎたり、或いは小さ過ぎたりすると、硬化(ゲル
化)がスムーズに行なわれなくなる恐れがあり、硬さの
再現性を良好と成すことが困難となるのである。そし
て、好適には、ビニル基とヒドロシリル基との比率が約
1:1.5〜1:8程度となるように、第一成分と第二成分とが
配合せしめられるようにされることとなる。
また、第一成分と第二成分との反応によるゲル化後の
注入用材料の硬さとしては、JIS−K−2808試験法によ
る針入度が約10以上であることが、眼内レンズの弾性と
眼内レンズとしての屈折力の調節(遠近調節)とを考慮
した場合に好ましく、更に本発明に従う注入材料のゲル
化スピードとしては、37℃(体温)程度の温度において
24時間以内でゲル化が完了するような速さであることが
好ましい。ゲル化スピードが、これ以上遅すぎると、手
術後において、眼内レンズから未硬化の注入用材料の流
出等が生じ易くなるからである。
そして、バルーン型眼内レンズ用注入材料の重合、ゲ
ル化反応に際して、前記第二成分の分子量やそのヒドロ
シリル基の数、更にはその配合割合等を適宜に選定する
ことによって、上記のゲル化のスピードや硬さの調節を
行なうことが出来るのである。
その他、本発明に従うバルーン型眼内レンズ用注入材
料には、前記第一成分や第二成分の他に、更に必要に応
じて、重合触媒、紫外線吸収剤、染料などが添加される
こととなる。
なお、本発明において、重合触媒としては、例えば塩
化白金酸等が用いられる。そして、この塩化白金酸を用
いる場合は、それが、予め、第一成分の側に混合される
こととなり、例えば、塩化白金酸をかかる第一成分に直
接接合したり、またジメチルシロキサンまたな環状ビニ
ルシロキサン等に混合して溶解した後、かかる第一成分
に混合するようにされる。また、このような重合触媒
は、バルーン型眼内レンズ用注入材料の第一成分及び第
二成分の合計量に対して、白金として0.01〜0.5重量%
程度、好ましくは0.02〜0.2重量%程度の割合で使用さ
れる。
また、紫外線吸収剤や、光線をカットしたり、レンズ
を着色したりするための染料は、一般に、第一成分及び
第二成分の合計量に対して、それぞれ、約1重量%以下
の割合で添加されることとなる。
そして、このような本発明に従うバルーン型眼内レン
ズ用注入材料を注入するためのバルーン型眼内レンズを
構成するバルーン本体の形状としては、前記の米国特許
第4585457号明細書に示されるような、カプセル状の本
体光学部に支持部を有するような形状であっても、米国
特許第4713072号明細書に示されるような、支持部を有
しないカプセル状の本体だけの形状であっても、何等差
支えなく、特に限定されるものではない。
また、バルーン本体の材質としては、眼内レンズに弾
性を持たせて、遠近調節機能を付与するべく、例えばシ
リコーンゴムやポリウレタン等のエラストマー等の一般
的な弾性材料が適宜に使用されることとなる。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例 1 先ず、第一成分として、前記一般式(I)において、
xは約400、y及びzがそれぞれ0であり、R1及びR2
共にメチル基である化合物(粘度:約1000cps)を用意
し、そしてこの化合物に、重合触媒としての塩化白金酸
を、白金として0.06重量%の割合で混合した。
一方、第二成分として、前記一般式(II)において、
pが約250、qは0である化合物(粘度:約800cps)を
用意し、これを、前記混合物に対して、重量比で1:1
(ビニル基とヒドロシリル基のモル比は1:1.6)の割合
となるように混合して、バルーン型眼内レンズ用注入材
料を得た。
次いで、この注入材料を、カテーテルを用いて、眼内
レンズ本体としてのバルーン本体内に注入し、37℃、24
時間で硬化させることにより、内部にゲル状物質が充填
された眼内レンズを得た。
上記で調製された注入材料は、その注入時においてカ
テーテルをスムーズに通過し、また得られた眼内レンズ
(硬化物)の屈折率も、1.41という高い屈折率を示し
た。なお、かかる眼内レンズの可視光線透過率は95%、
またJIS−K−2808による針入度は70であり、比重は1.0
0であった。
実施例 2 先ず、第一成分として、前記一般式(I)において、
xが約60、y及びzがそれぞれ0であり、R1及びR2が共
にメチル基である化合物(粘度:約70cps)を用意し、
そしてこの化合物に、重合触媒としての塩化白金酸を、
白金として0.3重量%の割合で混合した。
一方、第二成分として、前記一般式(III)におい
て、rが約250、sが約4である化合物(粘度:約60cp
s)を用意し、これを、前記混合物1に対して、重合比
で10(ビニル基とヒドロシリル基のモル比は1:5.5)の
割合となるように混合して、バルーン型眼内レンズ用注
入材料を得た。
次いで、この注入材料を、カテーテルを用いて、眼内
レンズ本体としてのバルーン本体内に注入し、37℃、24
時間で硬化させることにより、内部にゲル状物質が充填
された眼内レンズを得た。
上記で調製された注入材料は、その注入時においてカ
テーテルをスムーズに通過し、また得られた眼内レンズ
の屈折率も、1.41という高い屈折率を示した。なお、か
かる眼内レンズの可視光線透過率は95%、またJIS−K
−2808による針入度は80であり、比重は1.00であった。
実施例 3 先ず、第一成分として、前記一般式(I)において、
xが約60、y及びzがそれぞれ0であり、R1及びR2が共
にメチル基である化合物(粘度:約70cps)を用意し、
そしてこの化合物に、重合触媒としての塩化白金酸を、
白金として0.3重量%の割合で混合した。
一方、第二成分として、前記一般式(III)におい
て、rが約250、sが約4である化合物(粘度:約600cp
s)を用意し、これを、前記混合物1に対して、重量比
で9(ビニル基とヒドロシリル基のモル比は1:5)の割
合となるように混合して、バルーン型眼内レンズ用注入
材料を得た。
次いで、この注入材料を、カテーテルを用いて、眼内
レンズ本体としてのバルーン本体内に注入し、37℃、24
時間で硬化させることにより、内部にゲル状物質が充填
された眼内レンズを得た。
上記で調製された注入材料は、その注入時においてカ
テーテルをスムーズに通過し、また得られた眼内レンズ
の屈折率も、1.41という高い屈折率を示した。なお、か
かる眼内レンズの可視光線透過率は95%、またJIS−K
−2808による針入度は60であり、比重は1.00であった。
実施例 4 先ず、第一成分として、前記一般式(I)において、
yが0、x+zが約200、z/(x+z)が約0.05であ
り、R1及びR2が共にメチル基である化合物(粘度:約50
0cps)を用意し、そしてこの化合物に、重合触媒として
の塩化白金酸を、白金として0.05重量%の割合で混合し
た。
一方、第二成分として、前記一般式(II)に従う実施
例1と同様の化合物を用意し、これを、前記混合物に対
して、重量比で1:2(ビニル基とヒドロシリル基のモル
比は1:1.7)の割合となるように混合して、バルーン型
眼内レンズ用注入材料を得た。
次いで、この注入材料を、カテーテルを用いて、眼内
レンズ本体としてのバルーン本体内に注入し、37℃、24
時間で硬化させることにより、内部にゲル状物質が充填
された眼内レンズを得た。
上記で調製された注入材料は、その注入時においてカ
テーテルをスムーズに通過し、また得られた眼内レンズ
の屈折率も、1.42という高い屈折率を示した。なお、か
かる眼内レンズの可視光線透過率は95%、またJIS−K
−2808による針入度は60であり、比重は1.05であった。
比較例 従来からバルーン型眼内レンズ用注入材料として使用
されている、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液の物性値を
測定したところ、粘度:20万cps、屈折率:1.35、可視光
線透過率:95%以上であった。
このことから、かかるヒアルロン酸ナトリウム水溶液
は、カテーテルを通じて眼内レンズ内に注入することは
困難であり、しかも屈折率においても、本発明に従う注
入材料よりも小さいことが理解される。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従うバルー
ン型眼内レンズ用注入材料は、硬化させる前は低粘度で
あるため、カテーテル等を使用して眼内レンズのバルー
ン本体内に注入する際に、その注入操作が容易となり、
作業性が向上される一方、注入後は、バルーン本体内に
おいて体温でゲル状に硬化するものであるところから、
眼内レンズからの注入材料の漏出の危険性が少なくなる
特徴を有している。そして、かかる注入材料の硬化物は
弾性を有するため、屈折率の調節(遠近調節)を可能な
らしめ、また屈折率も1.40以上の高い値を示し、眼内レ
ンズ自体の厚みをより一層薄く為し得る利点がある。
しかも、本発明に従うバルーン型眼内レンズ用注入材
料は、バルーン本体内に注入されるものであるところか
ら、注入材料の重合後におけるヒドロシリル基の残存に
起因する不都合がなく、ビニル基とヒドロシリル基との
比率を同程度にする必要がないのであり、そのために、
この比率の自由度を大きく出来、以て第一成分と第二成
分の配合割合、即ちビニル基とヒドロシリル基との比率
を単に調節することで、注入材料の硬化後の硬さを所望
の値に容易に設定することが可能となるのである。
更に、本発明に従うバルーン型眼内レンズ用注入材料
の重合反応は、バルーン本体内で反応が進行するため、
水晶体嚢等の生体に含まれる水分に起因するヒドロシリ
ル基の消費がなく、反応率を一定に為し得、以て注入材
料の硬化後の硬さの再現性を良好なものと成し得るので
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水晶体嚢内に挿入された中空のバルーン本
    体内に注入せしめられて、該バルーン本体を該水晶体嚢
    内に膨満させ、目的とする眼内レンズを形成する光透過
    性の注入物にして、両末端にビニル基を有するジメチル
    ポリシロキサン若しくはその誘導体からなる第一成分
    と、二つ以上のヒドロシリル基を有するジメチルポリシ
    ロキサンからなる第二成分とから構成され、且つそれら
    第一成分及び第二成分が、ビニル基とヒドロシリル基と
    の比率(モル比)が1:1.5〜1:10となるような割合にお
    いて、配合されていることを特徴とするバルーン型眼内
    レンズ用注入材料。
  2. 【請求項2】前記第一成分が、下記一般式(I)にて表
    わされる化合物の中より選ばれ、また前記第二成分が、
    下記一般式(II)〜(IV)にて表わされる化合物の群か
    ら選ばれる請求項(1)記載のバルーン型眼内レンズ用
    注入材料。 (但し、Meはメチル基、Phはフェニル基であり、R1及び
    R2は、それぞれ独立して、メチル基或いはフェニル基で
    あり、x+y+z=0〜2000である。) (但し、Meはメチル基であり、p,q≧0、p+q≦2000
    である。) (但し、Meはメチル基であり、s≧2、r+s=2〜20
    00である。) (但し、Meはメチル基であり、u≧1、t+u=1〜20
    00である。)
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