JP2603809Y2 - エアゾール用噴射装置 - Google Patents

エアゾール用噴射装置

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JP2603809Y2
JP2603809Y2 JP1993051432U JP5143293U JP2603809Y2 JP 2603809 Y2 JP2603809 Y2 JP 2603809Y2 JP 1993051432 U JP1993051432 U JP 1993051432U JP 5143293 U JP5143293 U JP 5143293U JP 2603809 Y2 JP2603809 Y2 JP 2603809Y2
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axis
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aerosol container
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真樹 高須
秀樹 谷山
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エステー化学株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、所謂チルトバルブ方式
のエアゾール容器に適用される噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香剤等の散布に用いられている
エアゾールスプレーにおいては、プッシュダウンバルブ
方式、或いはチルトバルブ方式が採用されている。プッ
シュダウンバルブ方式にあっては、エアゾール容器の上
部に突設されているステムを、ばね力に抗して下動する
ことにより、開弁を行って内容液を噴射させるものであ
る。一方、チルトバルブ方式にあっては、起立状態のス
テムをばね力に抗して傾倒し、若しくは下動することに
より開弁させて、内容液を噴射させるものである。
【0003】すなわち、チルトバルブ方式にあっては、
ステムの下動のみならず傾倒によっても噴射が可能であ
り、ステムを下動させた場合には弁が付勢に抗して全体
的に開弁し、これにより内容液が噴射される。しかし、
ステムを傾倒させた場合には、該ステムと一体的に弁が
傾き、これにより弁が部分的に開いて内容液が噴射され
る。また、このようにステムを傾倒させた場合には、弁
を閉方向に付勢しているばねを全体的に収縮させる必要
がなく、該ばねを一側部において収縮させればよことと
なる。したがって、噴射に際してばねを収縮させるに要
する操作力が少なくすみ、その結果、チルトバルブ方
式にあっては、プッシュダウンバルブ方式より少ない操
作力で内容液の噴射が可能となる。
【0004】かかる、ステムの傾倒と下動との双方によ
り内容液の噴射が可能なチルトバルブ方式を用いた噴射
装置として、図20に示したものが提案されている(実
開昭59−7046号公報参照)。すなわち、エアゾー
ル容器100の上端中央部には、起立状態に付勢された
ステム101が突設されており、該ステム101にはこ
れと同軸上にアクチュエータ102が連設されている。
該アクチュエータ102は、筒状であって上端部には噴
孔103が設けられており、側面中程部には水平方向に
突出する係合突起104が設けられている。
【0005】一方、エアゾール容器100の巻締部10
5には、固定体106が嵌着されており、該固定体10
6には、押圧体107が上下方向へ摺動自在に内挿され
ている。該押圧体107の下面には、突片108が設け
られており、該突片108の下端部には前記係合突起1
04に摺接するテーパー面109が形成されている。な
お、固定体106間には、ばね110が介挿されてい
る。
【0006】以上の構成において、手指により押圧体を
上方から押圧すると、テーパー面109が係合突起10
4に圧接する。このため、アクチュエータ102が倒れ
方向に及び下方に押圧され、該アクチュエータ102を
介してステム101が同方向に押圧される。その結果、
ステム101の下端部に設けられている図示しない弁が
ばねに抗して開弁し、噴孔103から内容液が噴出す
る。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の噴射装置にあっては、アクチュエータ102
の側面に係合突起104を突設し、該係合突起104に
突片108のテーパー面109を圧接させることによ
り、アクチュエータ102を倒れ方向及び下方に押圧す
るように構成されている。このため、テーパー面109
が係合突起104に圧接した際には、図21に示すよう
に、倒れ方向への分力F1及び下方向(紙面垂直方向)
への分力F2と共に、アクチュエータ102の軸回りに
モーメントF3が生ずる。
【0008】そして、前記分力F1,F2にあっては、
前述のようにチルトバルブ方式において、開弁させる力
として有効に作用するが、モーメントF3にあっては開
弁に対し何ら作用することなく無用な力となる。しか
も、分力F1にあっても、直接的にアクチュエータ10
2の倒れ方向に作用することなく、係合突起104を介
して間接的に倒れ方向に作用する。
【0009】したがって、噴射に際して押圧体107を
操作しても、第1に前記無用な分力F3が生じて全ての
操作力を開弁に生かすことができず、第2に分力F1を
直接的にアクチュエータ102の傾倒に作用させること
ができない。よって、これら第1及び第2の要因によ
り、軽微な操作力で内容液の噴射を行うことが困難とな
るものであった。
【0010】本考案は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、より軽微な操作力にて内容液の噴
射を行うことを可能にしたエアゾール用噴射装置を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項1記載の考案にあっては、起立状態に付勢され
傾倒及び下動により内容液を噴射するステムを備えたエ
アゾール容器において、前記ステムの同一軸線上にアク
チュエータを立設し、該アクチュエータの前記軸線と交
差する方向の投影領域内に、上方からの圧接力を前記軸
線との交差方向と該軸線に沿った下方向との分力に変換
する変換面を形成する一方、前記エアゾール容器に固定
された固定部材に、上下方向に変位自在な操作部材を設
け、該操作部材には下動に伴って、前記変換面に圧接す
る圧接部を設け、さらに前記アクチュエータに略水平方
向へ突出するガイド板を設けるとともに、前記固定部材
には前記ガイド板を受容する位置決め用のスリットを設
けてある。また、請求項2記載の考案にあっては、起立
状態に付勢され傾倒及び下動により内容液を噴射するス
テムを備えたエアゾール容器において、前記ステムの同
一軸線上にアクチュエータを立設し、該アクチュエータ
の前記軸線と交差する方向の投影領域内に、上方からの
圧接力を前記軸線との交差方向と該軸線に沿った下方向
との分力に変換する変換面を形成する一方、前記エアゾ
ール容器に嵌着されたカバーキャップに、操作部材を上
下方向に摺動自在に保持し、該操作部材には、下動に伴
って前記変換面に圧接する圧接部を設けてある。また、
請求項3記載の考案にあっては、起立状態に付勢され傾
倒及び下動により内容液を噴射するステムを備えたエア
ゾール容器において、前記ステムの同一軸線上にアクチ
ュエータを立設し、該アクチュエータの前記軸線と交差
する方向の投影領域内に、上方からの圧接力を前記軸線
との交差方向と該軸線に沿った下方向との分力に変換す
る変換面を形成する一方、前記エアゾール容器に固定さ
れた固定部材に、上下方向に変位自在な操作部材を設
け、該操作部材には下動に伴って、前記変換面に圧接す
る圧接部を設け、さらに前記アクチュエータの上端部と
中程部とに各々前記内容液を噴出させる上部噴孔と下部
噴孔とを設け、該下部噴孔の前方に噴出した内容液を吸
収する吸水性シートを配置してある。さらに、請求項4
記載の考案にあっては、前記吸水性シートを、前記アク
チュエータの周囲の全周に亙って配置してある。
【0012】
【作用】前記請求項1記載の考案において、操作部材を
下動させると、該操作部材に設けられている圧接部が上
方から変換面に圧接する。すると、該変換面はこの上方
からの圧接力を、ステムとアクチュエータとの同一軸線
に交差する方向の第1の分力と、この軸線に沿った下方
向の第2の分力とに変換する。一方、ステムは傾倒及び
下動可能であって起立状態に付勢されていることから、
前記第1の分力により付勢に抗して傾倒し、また、第2
の分力により付勢に抗して下動し、その結果内容液が噴
射される。つまり、操作部材を下動させた際の操作力の
分力は、内容液を噴射させるに必要なステムの傾倒と下
動とのみに作用し、よって操作力の全てが噴射に必要な
ステムの動きに作用する。また、第1の分力は前記軸線
と交差する方向に発生することから、該分力は直接的に
ステムを傾倒させる方向に作用する。また、前記アクチ
ュエータに設けられた略水平方向へ突出するガイド板
が、前記固定部材に設けられた位置決め用のスリットに
受容されていることから、変換面と該変換面に圧接する
圧接部とが精度よく位置決めされ、操作力の全てが確実
に、噴射に必要なステムの動きに作用する。また、前記
請求項2記載の考案においては、前記エアゾール容器に
嵌着されたカバーキャップに、操作部材を上下方向に摺
動自在に保持していることから、従来この種エアゾール
容器に用いられているカバーキャップを有効利用して、
操作部材が配置される。また、請求項3記載の考案にお
いては、アクチュエータがステムとともに傾倒及び下動
すると、内容液は上部噴孔と下部噴孔との双方から各々
噴出する。そして、上部噴孔から噴出した内容液は大気
中に拡散し、下部噴孔から噴出した内容液は吸水性シー
トに吸収された後、徐々に蒸散する。さらに、請求項4
記載の考案においては、吸水性シートがアクチュエータ
の周囲の全周に亙って配置されていることから、吸水性
シートから周囲に内容液が蒸散する。
【0013】
【実施例】以下、本考案の一実施例について図にしたが
って説明する。すなわち、図2に示すように、エアゾー
ル容器の上端部に装着されるマウンテンキャップ1に
は、その中央部にボス部2が突設されている。該ボス部
2には、ステム3が挿通配置され、下面にはステムラバ
ー4が貼設されているとともに、ハウジング5が嵌着さ
れている。該ハウジング5の下端部にはパイプ6が連通
され、内部にはスプリング7が収容されている。該スプ
リング7は、前記ステム3の下端部に固着されたバルブ
8に圧接しており、これにより該バルブ8はその周部が
前記ステムラバー4に密接するように付勢されている。
【0014】つまり、この図示した構造は、チルトバル
ブ方式であって、バルブ8がステムラバー4に密接する
ことにより非噴射状態が形成され、ステム3が傾倒ある
いは下動すると、これと一体的にバルブ8が傾倒あるい
は下動する。これにより、バルブ8が部分的あるいは全
面的にステムラバー4から離間して、両者間に間隙が生
じ、この間隙を及びステム3を介してエアゾール容器内
の内容液が外部に噴出するように構成されている。
【0015】前記ステム3の上端部には、図1に示すよ
うに、これと同一軸線L上に延在するアクチュエータ9
が嵌着されている。該アクチュエータ9は筒状であっ
て、上端部には、図3に示すように噴孔10が形成され
ている。また、アクチュエータ9の周部には、その直径
よりやや薄肉状の作用板11が上下方向に設けられてお
り、よって、作用板11は前記アクチュエータ9の軸線
Lに交差する方向の投影領域内に存在している。前記作
用板11の上部端面には、変換面12が形成されてい
る。該変換面12はアクチュエータ9との結合基部から
直線状に下降する傾斜面からなり、よって、該変換面1
2も前記投影領域内に存在している。
【0016】他方、エアゾール容器41の巻締部42
(図16参照)に嵌着されるカバーキャップ13には、
図4に示したようにその上面中央に位置する円形穴14
と、該円形穴14の一端部に連設された矩形穴15、及
び円形穴14の他端部に連設された略T字形の組み付け
穴16が形成されている。該組み付け穴16には、操作
部材17が上下方向へ摺動自在に嵌挿されている。
【0017】該操作部材17は、図5に示すように、球
面状のボタン18を有し、該ボタン18の下面には基軸
19の上端部が結合されている。該基軸19の下端側面
には、略三角形状の中間ピース20が結合され、該中間
ピース20の斜辺部に圧接部21を有する押さえ板22
が結合されている。かかる操作部材17は、前記組み付
け穴16に基軸19を摺動自在に遊挿することにより、
カバーキャップ13に保持されており、図1に示すよう
に、この保持された状態において前記圧接部21は変換
面21の下端部に当接している。
【0018】以上の構成にかかる本実施例において、ス
プリング7はバルブ8をステムラバー4に圧接させた状
態に維持しており、これによりステム3及びアクチュエ
ータ9は傾倒及び下動可能であって起立状態に付勢され
ている。そして、エアゾール容器内の内容液を噴出させ
るべく、操作部材17のボタン18を押圧して下動させ
ると、斜状面からなる圧接部21が上方から変換面12
の下端縁に圧接する。
【0019】すると、図1に示すように、この上方から
の圧接力F0は、ステム3とアクチュエータ9との同一
軸線Lに交差する方向の第1の分力F1と、この軸線に
沿った下方向の第2の分力F2とに変換される。一方、
ステム3及びアクチュエータ9は、前述のように傾倒及
び下動可能であって起立状態に付勢されていることか
ら、前記第1の分力F1により付勢に抗して傾倒し、ま
た、第2の分力F2により付勢に抗して下動する。よっ
て、ステム3が傾倒及び下動することにより、バルブ8
がステムラバー4から離間し、その結果エアゾール容器
内の内容液が噴孔10から噴射する。
【0020】つまり、ボタン18を押圧して操作部材1
1を下動させた際の操作力(=F0)の分力F1,F2
は、内容液を噴射させるに必要なステム3の傾倒と下動
とのみに作用し、よって操作力の全てが噴射に必要なス
テム3の動きに作用する。しかも、前記分力F1は前記
軸線Lと交差する方向において、直接的にアクチュエー
タ9及びステム3に作用し、これにより、極めて軽微な
操作力により内容液の噴射を行うことが可能となる。
【0021】そして、内容液の噴出を停止させるべく、
ボタン18から手指を離すと、スプリング7によりバル
ブ8が押し上げられて、再びステムラバー4に密接す
る。したがって、ステム3及びアクチュエータ9は起立
状態に復帰し、これにより操作部材17は初期の位置に
押し上げられる。
【0022】図6は、本考案の第2実施例を示すもので
あり、変換面23の形状のみが前述した実施例とは異な
っている。すなわち、この第2実施例においては変換面
23が、湾曲状に成形されている。よって、変換面23
と操作部材17の圧接部21とが摺接した際に摩擦抵抗
が少なく、その結果一層軽微な操作力で内容液の噴射が
可能となる。
【0023】図7,8は、本考案の第3実施例を示すも
のであり、アクチュエータ9の作用板11には、上端部
に湾曲状の変換面23が形成されているとともに、下端
部に略水平方向に延在するガイド板24が形成されてい
る。一方、カバーキャップ13の内部には、周壁に沿っ
て下方に延びるスカート部25が一体的に形成されてお
り、該スカート部25には前記操作部材17の下方にス
リット26が設けられている。該スリット26は前記上
下方向に形成されており、その内部には前記ガイド板2
4が遊挿されている。
【0024】かかる第3実施例において、予め操作部材
17が組つけられたカバーキャップ13をエアゾール容
器の上端部に嵌着させる際には、スリット26内にガイ
ド板24を遊挿する。これにより、押さえ板22の圧接
部21が精度よく変換面23上に位置し、よって、圧接
部21と変換面23とを容易に精度よく位置決めするこ
とができる。
【0025】図9は、本考案の第4実施例を示すもので
あり、アクチュエータ9の上端部には円錐台形の作用体
27が形成されており、該作用体27周面に変換面28
が形成され、頂面に噴孔10が設けられている。したが
って、かかる第4実施例においては、カバーキャップ1
3を円周方向のいずれの位置にてエアゾール容器に嵌着
しても、押圧部21が作用体27の変換面28と摺接し
得る。よって、カバーキャップ13を、エアゾール容器
に嵌着する際の位置合わせが不要となり、カバーキャッ
プ13の嵌着作業が容易となる。
【0026】図10、11は、本考案の第5実施例を示
すものであり、アクチュエータ9には第3実施例と同様
の変換面23が形成されている。他方カバーキャップ1
3の上面には、アクチュエータ9の上端部を露出させる
開口部29が形成されているとともに、該開口部29の
周部にU字状の間隙30が設けられている。これによ
り、該間隙30の内側には、基端部31aにて上下方向
に撓み変形し得る舌片31が形成されている。該舌片3
1の下面側には凸部32が形成され、該凸部32の下端
には前記変換面23に当接する斜状の圧接部21が設け
られている。
【0027】かかる第5実施例においては、圧接部21
がカバーキャップ13に一体成形されていることから、
部品点数が少なくなり、成形工数及び組み付け工数を削
減することができる。なお、図12に示した第6実施例
ように、前記間隙30をカバーキャップ13の側面付近
まで形成する構造としてもよい。
【0028】図13〜15は、本考案の第7実施例を示
すものであり、アクチュエータ9には中程部に下部噴孔
10aが設けられ、上端部に上部噴孔10bが設けられ
ている。また、この両噴孔10a,10b間には、第4
実施例と同様に円錐台形であり周面に変換面28を有す
る作用体27が形成されている。一方、合成樹脂で成形
されたカバーキャップ13の上面には、前記上部噴孔1
0bを露出させる円形穴34が形成されているととも
に、該円形穴34の周部にU字状の間隙30が設けられ
ている。これにより、該間隙30の内側には、基端部3
3aにてカバーキャップ13に連設され上下方向に可撓
性を有する舌片33が形成されている。
【0029】該舌片33の先端上面には、ボタン部35
が設けられ、該ボタン部35の上面中央には手指を受容
するための曲面状凹部35aが形成されている。前記ボ
タン部35の下面側には、中空状の凸部36が形成さ
れ、該凸部36の下端には前記作用体27に当接する斜
状の圧接部21が設けられている。
【0030】他方、カバーキャップ13の内周部には、
インナーケース37が配置されている。該インナーケー
ス37は、円筒状であって周面に複数の矩形開口38を
有するとともに、下縁には折り返し部39が形成されて
いる。該折り返し部39の内側には、図14に示すよう
に前記下部噴孔10aの前方に、濾紙等で形成されイン
ナーケース37の全周に亙る吸液性シート40が挾持さ
れている。
【0031】かかる第7実施例において、ボタン部35
の操作に伴ってアクチュエータ9が傾倒及び下動する
と、下部噴孔10aと上部噴孔10bとの双方から内容
液が噴出する。そして、上部噴孔10bから噴出した内
容液は大気中に拡散し、下部噴孔10aから噴出した内
容液は吸液性シート40に吸収された後、徐々に蒸散す
る。したがって、この吸液性シート40から蒸散する内
容液の成分により、薬剤噴出後長時間に亙って所要の薬
剤効果を得ることができる。
【0032】また、前述した第4実施例と同様に、作用
体27は円錐台形であることから、カバーキャップ13
を円周方向のいずれの位置にてエアゾール容器に嵌着し
ても、作用体27の押圧部21と対向する部位が変換面
28に当接する。しかも、吸液性シート40は全周に亙
る形状であることから、カバーキャップ13を、エアゾ
ール容器に嵌着する際に位置合わせを行わずとも、下部
噴孔10aからの内容液を吸液性シート40に噴射する
ことができる。
【0033】なお、この実施例においては、図15に示
したようにボタン部35の下面側に中空状の凸部36を
一体的に成形するようにした。よって、ボタン部35に
おいて凸部36の結合基部が部分的に厚肉化して、イン
ジェクション成形を行った際に、当該部位にヒケが生じ
て品質感が低下する恐れが生ずる。そこで、凸部36の
結合基部であるP部を予め厚肉にしておけば、ヒケの発
生がP部の肉厚分により相殺され、これにより実質的に
ヒケの発生を防止することができる。
【0034】図16,17は、本考案の第8実施例を示
すものであり、アクチュエータ9の構成は前述した第3
実施例と同様である。一方、エアゾール容器41の巻締
部42には、固定部材としての内筒体43が固定されて
おり、該内筒体43の上部には、スライドキャップ44
が摺動自在に外嵌されている。該スライドキャップ44
の上面部には、開口45が設けられており、該開口45
を介してアクチュエータ9の噴孔10が外部に露出して
いる。
【0035】また、スライドキャップ44の下面側に
は、開口部45の周部に凸部32が形成され、該凸部3
2の下端部には変換面23に当接する斜状の圧接部21
が形成されている。前記凸部32の近傍には、スカート
部25が垂設されており、該スカート部25には、前述
した第3実施例と同様に、スリット26(図7参照)が
形成されており、該スリット26にはガイド板24が遊
挿されている。
【0036】かかる第8実施例においては、手指により
スライドキャップ44を上方から押圧すると、該スライ
ドキャップ44が内筒体43に沿って下動し、圧接部2
1が変換面23に圧接する。これにより、前述と同様に
してアクチュエータ9及びステム3が傾倒及び下降し
て、噴孔10から内容液が噴出する。
【0037】図18は、本考案の第9実施例を示すもの
であり、内筒体43及びスライドキャップ44を有する
構成は第8実施例と同様である。しかし、この実施例に
おいては、アクチュエータ9の上端部に、球面状であっ
て全周に変換面47を有する作用体46が形成され、該
作用体46の頂部に噴孔10が設けられている。また、
スライドキャップ44には、開口45の周縁部に凸部4
7が垂設され、該凸部47の下端面に斜状の圧接部21
が設けられている。したがって、この第9実施例におい
ても、スライドキャップ44の円周方向における位置決
めは不要であって、スライドキャップ44を単に内筒体
43に外嵌する容易な組み付け作業のみにより製品を完
成し得る。
【0038】図19は、本考案の第10実施例を示すも
のであり、アクチュエータ9の下端部に略水平方向に延
びる作用体48が形成され、該作用体48の上面に変換
面49が形成されている。また、カバーキャップ13の
上面部には、アクチュエータ9の上端部に設けられた噴
孔10を露出させるための開口50が形成され、該開口
50の近傍には操作部材51が摺動自在に嵌挿されてい
る。該操作部材51の上端部にはボタン52が固着され
ており、また、下端部には前記変換面49に当接する圧
接部21が設けられている。
【0039】かかる第10実施例において、操作部材5
1のボタン52を上方から押圧すると、圧接部21が変
換面49に圧接して、アクチュエータ9及びステム3が
下動するとともに、操作部材51に近接する方向に傾倒
して、噴孔10から内容液が噴出する。すなわち、他の
実施例がアクチュエータ9及びステム3が操作部材から
離間する方向に傾倒して噴出を行うのに対し、この第1
0実施例におい操作部材51に近接する方向に傾倒して
噴出を行うものである。
【0040】
【考案の効果】以上説明したように本考案は、ステムに
これと同一軸線上に延在するアクチュエータを立設し、
該アクチュエータに設けた変換面により、上方からの圧
接力を前記軸線と交差する方向の分力と、該軸線に沿っ
た下向きの分力とに変換するようにした。したがって、
前記圧接力を発生させる操作力の分力が、内容液を噴射
させるに必要なステムの傾倒と下動とのみに作用し、よ
って、第1に操作力の全てを噴射に必要なステムの動き
に作用させることができる。また、第2に分力を前記軸
線と交差する方向において、直接的にアクチュエータ及
びステムに作用させることができ、よって、これら第1
及び第2の作用により、軽微な操作力により内容液の噴
射を行うことが可能となる。さらに、アクチュエータに
略水平方向へ突出するガイド板を設け、かつ、固定部材
にはガイド板を受容する位置決め用のスリットを設ける
ようにしたことから、変換面と該変換面に圧接する圧接
部とを精度よく位置決めすることができる。よって、操
作力の全てを確実に、噴射に必要なステムの動きに作用
させることができ、極めて軽微な操作力により内容液の
噴射を行うことが可能となる。
【0041】また、エアゾール容器に嵌着されたカバー
キャップに、操作部材を上下方向に摺動自在に保持する
ようにしたことから、従来この種エアゾール容器に用い
られているカバーキャップを有効利用して、軽微な操作
力により内容液の噴射を行うことが可能となる。また、
アクチュエータの上端部と中程部とに各々内容液を噴出
させる上部噴孔と下部噴孔とを設け、該下部噴孔の前方
に噴出した内容液を吸収する吸水性シートを配置するよ
うにしたことから、下部噴孔から噴出した内容液を吸水
性シートに吸収させた後、徐々に蒸散させることができ
る。よって、軽微な操作力による内容液の噴射を可能に
しつつ、上部噴孔から噴出した内容液による即効的な薬
剤効果と、吸水性シートに吸収された後徐々に蒸散する
内容液による長時間に亙る薬剤効果とを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す垂直断面図である。
【図2】同実施例のエアゾール容器の上部内部構造を示
す垂直断面図である。
【図3】同実施例のアクチュエータを示す斜視図であ
る。
【図4】同実施例のカバーキャップを示す平面図であ
る。
【図5】同実施例の操作部材を示す斜視図である。
【図6】本考案の第2実施例を示す要部垂直断面図であ
る。
【図7】本考案の第3実施例を示す部分破断斜視図であ
る。
【図8】同実施例の垂直断面図である。
【図9】本考案の第4実施例を示す垂直断面図である。
【図10】本考案の第5実施例を示す垂直断面図であ
る。
【図11】同実施例の平面図である。
【図12】本考案の第6実施例を示す要部側面図であ
る。
【図13】本考案の第7実施例を示す分解斜視図であ
る。
【図14】同実施例の垂直断面図である。
【図15】同実施例の要部垂直断面図である。
【図16】本考案の第8実施例を示す垂直断面図であ
る。
【図17】同実施例の平面図である。
【図18】本考案の第9実施例を示す垂直断面図であ
る。
【図19】本考案の第10実施例示す垂直断面図であ
る。
【図20】従来構造を示す垂直断面図である。
【図21】同従来構造の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
3 ステム 9 アクチュエータ 11 作用板 12 変換面 17 操作部材 21 圧接部 23 変換面 26 スリット 28 変換面 31 舌片 41 エアゾール容器 43 内筒体 49 変換面 51 操作部材
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−63685(JP,U) 実開 平1−170469(JP,U) 実願 昭63−68234号(実開 平1− 170469号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 83/00 - 83/38 B05B 9/00 - 9/04

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起立状態に付勢され傾倒及び下動により
    内容液を噴射するステムを備えたエアゾール容器におい
    て、前記ステムの同一軸線上にアクチュエータを立設
    し、該アクチュエータの前記軸線と交差する方向の投影
    領域内に、上方からの圧接力を前記軸線との交差方向と
    該軸線に沿った下方向との分力に変換する変換面を形成
    する一方、前記エアゾール容器に固定された固定部材
    に、上下方向に変位自在な操作部材を設け、該操作部材
    には下動に伴って、前記変換面に圧接する圧接部を設
    、さらに前記アクチュエータに略水平方向へ突出する
    ガイド板を設けるとともに、前記固定部材には前記ガイ
    ド板を受容する位置決め用のスリットを設けたことを特
    徴とするエアゾール用噴射装置。
  2. 【請求項2】 起立状態に付勢され傾倒及び下動により
    内容液を噴射するステムを備えたエアゾール容器におい
    て、前記ステムの同一軸線上にアクチュエータを立設
    し、該アクチュエータの前記軸線と交差する方向の投影
    領域内に、上方からの圧接力を前記軸線との交差方向と
    該軸線に沿った下方向との分力に変換する変換面を形成
    する一方、前記エアゾール容器に嵌着されたカバーキャ
    ップに、操作部材を上下方向に摺動自在に保持し、該操
    作部材には、下動に伴って前記変換面に圧接する圧接部
    設けたことを特徴とするエアゾール用噴射装置。
  3. 【請求項3】 起立状態に付勢され傾倒及び下動により
    内容液を噴射するステムを備えたエアゾール容器におい
    て、前記ステムの同一軸線上にアクチュエータを立設
    し、該アクチュエータの前記軸線と交差する方向の投影
    領域内に、上方からの圧接力を前記軸線との交差方向と
    該軸線に沿った下方向との分力に変換する変換面を形成
    する一方、前記エアゾール容器に固定された固定部材
    に、上下方向に変位自在な操作部材を設け、該操作部材
    には下動に伴って、前記変換面に圧接する圧接部を設
    け、さらに前記アクチュエータの上端部と中程部とに各
    々前記内容液を噴出させる上部噴孔と下部噴孔とを設
    け、該下部噴孔の前方に噴出した内容液を吸収する吸水
    性シートを配置したことを特徴とするエアゾール用噴射
    装置。
  4. 【請求項4】 前記吸水性シートを、前記アクチュエー
    タの周囲の全周に亙って配置したことを特徴とする請求
    項3記載のエアゾール用噴射装置。
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