JP2602811B2 - トリメチルシクロペンテン誘導体、その製造法および芳香組成物 - Google Patents

トリメチルシクロペンテン誘導体、その製造法および芳香組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメ
チルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4
−エン−2−オールに関する。更に詳記すると、本発明
は式 により表わされる2種のジアステレオマーに関する。
更に具体的には、本発明は、以下の式Ia (式中、シクロペンテン環の1位の不斉炭素原子
(R*)又は(S*)配置を示す)を有する(2R*,3S*)−
(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
ペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−4−エン−2
−オール化合物に関する。
以下に示すように、式IAは炭素2および3位にアンチ
(anti)又は2R*,3S*相対配置を有するジアステレオ
マーを示す。即ち、Iaは(2R*,3S*)−(E)−3−
メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−
エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールを意
味する。Iaおよび実質的に純粋なIaは夫夫非常に強いク
リーミイ、ウツデイ、ムスク、ビヤクダンの香りを有す
る芳香剤であり、ムスクやビヤクダン様の芳香組成物に
使用する貴重な成分である。そのジアステレオマーの混
合物は従来報告されているカンフアー性アルデヒド誘導
体より一層強力である。
東インドビヤクダン油は「古代から現代まで最も高価
な芳香物質の1つであり、その人気が弱まる気ざしがな
い旨記述されている(E.Guenther,「The Eseential Oil
s」,Vol.V,第173頁,D.Van Nostrand社、ニユーヨーク、
1952)。この油は香水に広く使われており、その供給が
限られていることおよび価格が高いことを除いては、更
に広く使われよう。
多年、ビヤクダンの代用として又はエクステンダーと
して使用できる合成代用品に対するニーズがあつた。19
77年にNaipawerとEaster(米国特許請求第4,052,341
号)は化合物3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシ
クロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンタン−2−オ
ールを発表した。この化合物はビヤクダン油および天然
由来のサンタロールに似た持続性のあるフアインソフト
ウツデイな香りに特長があつた。この化合物は繊細なビ
ヤクダンの香りがあるだけでなく、β−およびα−サン
タロールの不安定なアリルアルコールよりはるかに安定
である。〔NaipawerとEasterは不飽和同族体3−メチル
−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−
1−イル)−ペンテ−3−エン−2−オールを公表しか
つ特許出願した〕。本発明の主な利点は、この化合物が
廉価な物質、即ちカンフアーアルデヒドと2−ブタノン
(メチルエチルケトン)から容易にかつ経済的に製造す
ることができることである。α−ピネンエポキシドから
容易に入手出来るカンフアーアルデヒドは比較的廉価な
出発物質である。
NaipawerとEasterの特許出願後に、この分野は多いに
活性化され、カンフアーアルデヒドを出発物質とするビ
ヤクダン−型芳香剤に関する多くの特許出願がなされ
た。多くの場合、これらの特許は、カンフアーアルデヒ
ドで縮合させた化合物、その縮合方法、あるいは縮合生
成物について行なつた化学工程の点で互いに異なつてい
た。
ビヤクダン油の分析方法およびその代用合成品の研究
は完全に再検討した(E.J.BrunkeとW.Rojahn,ドラゴコ
リポート(Eng.Frag.Ed.)、第5号、67(1980);E.J.B
runke,仝上、第8号、187(1981)、E.J.BrunkeとE.Kle
in,「Fragrance Chemistry−The Science of the Sense
of Smell」、E.T.Theimer、アルデミツク出版、ニユー
ヨーク、1982、397−431;K.H.ShankaranarayanaとK.Per
thasarathi,Perfumer and Flavorist、、17、(198
4);および他の文献参照)。
上記参照文献および特許明細書を読んで、先行技術は
カンフアーアルデヒドを出発物質として作つた一層有用
な芳香剤の全てをカバーしているように思える。しか
し、本発明者は今までに報告された最も強力で最も有用
なカンフアーアルデヒド誘導体を見出し、この分野で完
全に研究・検討されたすべての研究者による認識と特徴
化から免れた新たな誘導体である。
本発明はチヤート1に示す工程をみて一層明かに理解
できる。このチヤートはこれまで製造されたこの種の最
も強力な芳香剤、即ち式Iの化合物の最も経済的な製造
ルートを示す(星印*は非対称的中心を示す)。
化合物IIは、米国特許第4,052,341号明細書に記載の
ように製造できるα,β−不飽和ケトンである。これは
二重結合(E又はZ)において異性体を有し星印(*)
により表わされる1つの非対称中心を有する。この化合
物IIはエノラートを生成しそして反応速度論的に好まし
い生成物を生ずる条件下でプロトン化して、β−γ−不
飽和ケトンIIIに転換することができる。
化合物IIIにおける二重結合に関する配置は示したよ
うにトランス又はEである。IIをIIIに転換するのは2
つめの非対称中心を導入することである(*印で示し
た)。ケトンIIIについては、2つの可能なジアステレ
オマー、即ち2つのd,l対が期待される。このジアステ
レオマーは気液クロマトグラフイ(GLC)(ポリエチレ
ングリコール固定相、例えば、Carbowax 20Mキヤピラ
リイカラム)より分離しなかつたが、13C−NMRでは両方
のジアステレオマーが存在することを示した。
化合物IIIは、ケトンカルボニルを相当するアルコー
ルに還元することにより、化合物Iに転換することがで
きる。この方法は3つ目の非対称中心(*)を導入する
ものであり、4つのジアステレオマー(エナンシヨマー
の4対又はd,l対)が予期されることを意味する。この
場合、気液クロマトグラフイ(Carbowax 20Mキヤピラ
リイカラム)により生成物は2つのピークに分かれる。
これらの2成分もspinning band蒸留により分離され
る。Carbowax 20MキヤピラリイGLCカラムで最初溶離す
る低沸点の成分は以後成分Iaと呼ぶ。Carbowax 20Mキ
ヤピラリイGLCカラムで最後に溶離する高沸点成分はIb
と呼ぶ。これらの各成分はCarbowax 20Mキヤピラリイ
カラムでは純粋のように思えるが、エチレングリコール
サクシネートキヤピラリイカラム(LAC−4−R−886)
による気液クロマトグラフ分析ではこれらの各成分は2
つのピークに分離する。したがつて、4つの可能なジア
ステレオマー(d,l対)が存在する。13C−NMRと1H−NMR
(400MHz)により、4つのジアステレオマーの存在が確
認された。
ジアステレオマーの2つは炭素2と3位の隣接非対称
中心についてアンチ(又はスレオ)相対構造を有し、か
つ他の2つはこれらの2つの非対称中心についてシン
(又はエリスロ)相対構造を有することが考えられる。
成分IaとIbの400MHz1H−NMRスペクトルの試験によ
り、Iaの2つのジアステレオマーは隣接する2つの非対
称中心について類似の相対構造のものであると結論され
た。類似の結論はIbの2つのジアステレオマーについて
も得られた。Iaのスペクトルは側鎖のメチル基(即ち、
これらのメチル基に殆んど同じケミカルシフトを有す)
に対し一連の二重ピークを示すことからこの結論に達し
た。成分Ibのスペクトルは一連のこのようなダブレツト
を示すが、Ibの側鎖メチル基は、Iaの相当するケミカル
シフトとは全く異なるケミカルシフトを有する。側鎖メ
チル基のケミカルシフトの違いに基づいて、Iaの側鎖は
Ibの側鎖とは異なる相対構造を有する(即ち、1つはア
ンチであり、他はシンである)ことが結論できる。
成分IaとIbの結晶性エステルのX線回折結晶学分析法
は各成分の側鎖の相対構造および4つのジアステレオマ
ーの相対立体化学構造を測定するために使つた。
成分Iaの最初の溶離ジアステレオマー(LAC−4−R
−886に対するGLC)はX線回折結晶学的分析に適する結
晶性アロフアネート誘導体を生成した。回折パターンに
よれば、このジアステレオマーは炭素2と3位について
アンチ相対的配置を有することが分かつた。これらの炭
素原子における相対的立体化学配置は夫々R*とS*である
と測定されたからである。環炭素1における相対的立体
化学配置はS*であることもこのパターンは示した。し
たがつて、Iaの最初の成分は(2R*,3S*)−(E)−3
−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3
−エン−1S*−イル)−ペンテ−4−エン−2−オール
ジアステレオマー(d,l対)であつた。1H−NMRデータ
(上記)によれば、Iaに存在する両ジアステレオマーは
側鎖において類似の相対的配置のものであり、成分Iaの
第2のジアステレオマーは炭素2と3位についてアンチ
相対配置を示すから、(2R*,3S*)−(E)−3−メ
チル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エ
ン−1(R*)−イル)−ペンテ−4−エン−2−オー
ルジアステレオマー(d,l対)であることを示した。
成分Ibの最初の溶離ジアステレオマー(LAC−4−R
−886に対するGLC)はX線回折結晶学的分析に適した結
晶性カルバメート誘導体を生成した。回折パターンによ
れば、この対は夫々R*とR*の炭素2と3位において相対
的立体化学配置を有することを示した。したがつて、こ
のジアステレオマーはこれらの2つの炭素原子に関しシ
ン相対配置を有する。環炭素1における相対立体化学配
置はR*であることもこの回折パターンは示した。故に、
Ibの第1成分は(2R*,3R*)−(E)−3−メチル−
5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1
(R*)−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールジア
ステレオマー(d,l対)であつた。上記した1H−NMRデー
タにより、Ibに存在する両ジアステレオマーは側鎖にお
いて類似の相対配置のものであることを示し、成分Ibの
第2ジアステレオマーは炭素2と3位においてayn相対
配置を有するから、(2R*,3R*)−(E)−3−メチ
ル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン
−1(S*)−イル)−ペンテ−4−エン−2−オール
ジアステレオマー(d,l対)であると結論した。
したがつて、Iaは化合物Iのジアステレオマーを示
し、これは低沸点であり、Carbowax 20Mキヤピラリイ
カラムで最初溶離し、そして炭素2と3位においてアン
チ又はR*,S*相対配置を有し、即ち、(2R*,3S*)
−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシク
ロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−
2−オール異性体である。同様に、Ibは、高沸点でCarb
owax 20Mキヤピラリイカラムで最後に溶離しかつ炭素
2と3位においてsyn又はR*,R*相対配置を有する化
合物Iのジアステレオマーであり、即ち(2R*,3R*)
−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシク
ロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−
2−オール異性体である。
Iaと記述した成分は今まで報告された最強の香りを有
するカンフア−アルデヒド誘導体である。これは香り閾
値により測定して、天然のサンタロールの約400倍の香
り度を有し、成分Ibの約500倍の香りの強さを示す。香
り閾値は組成の物理的性質であり、「純粋の空気とはつ
きり区別出来る空気中の最低濃度である」と定義される
(J.E.Amoore,「Fragrance Chemistry−The Scfence of
the Sense of Smell」、E.T.Theimer編、アカデミツク
出版、ニユーヨーク、1982、34−41)。香り閾値は臭い
計量器で測定して空気容量当り芳香剤の重量で表わし、
測定技術は当業者に周知であり、Amooreにより記述され
ている。要するに、香り閾値は検知される空気の単位容
量中に存在する芳香剤の最少量(即ち空気自体とは区別
される)である。
本発明は、立体化学配置がこれらのアルコール類の香
り性に演ずる重要性を表わしている。ホモアリルアルコ
ール(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシ
クロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン
−2−オールにおける非対称中心(すなわち2位及び3
位)に関する相対的な配置が、この化合物の香りの強さ
にとって重要であることが本発明の本質である。上記し
た様に、ある成分(Ia)は、他の成分(Ib)の香り強度
の500倍を越える閾値により示される香り強さを有す
る。
したがつて、本発明は化合物(2R*,3S*)−(E)
−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ
−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オー
ルIaおよび上記の構造を有する実質的に純粋な成分Iaで
ある新規化合物、この新規化合物の製造法、この新規化
合物を含有する新規芳香組成物、並びに芳香組成物にこ
れらの新規化合物を使用する方法に関する。
本明細書でいう「実質的に純粋」とは、望ましくは少
なくとも90%純度の物質を指す。
米国特許第4,173,585号明細書(IFF)には最少成分と
して含有する化合物の混合物を開示しており、ある化合
物は本発明で請求している組成物に記述されている。
米国特許第4,173,585号明細書第25〜26欄に、アルド
ール縮合はα,β−不飽和メチルケトン、α,β−不飽
和エチルケトン、β,γ−不飽和メチルケトンおよび
β,γ−不飽和エチルケトンの混合物を生成することが
開示されている。8つの可能な異性体が指摘されている
が、4つの主なピークのみを第4図に示す。どのピーク
がどのスペクトル又はどの化合物に関連するかについて
示していないが、最小のピーク、ピークAは3−メチル
−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−
1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オン、即ち式III
のβ,γ−メチルケトンの異性体を含むことを示すのは
可能であつた。米国特第4,173,585号明細書に示される
ように、ピークAはβ,γ−メチルケトンのEとZ異性
体両方を含む。したがつて、3−メチル−5−(2,2,3
−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペ
ンテ−4−エン−2−オンのZ異性体との混合体のE異
性体は、カンフアーアルデヒドとメチルエチルケトンを
酢酸亜鉛触媒により縮合して製造する米国特許第4,173,
585号明細書の生成物に含まれる最少成分である。米国
特許第4,173,585号明細書の第4図によれば、ピークA
は全生成物、即ち4つのピークにより包含されるものの
約5%〜8%に相当する。
米国特許第4,173,585号明細書の例Icにて行なわれる
この生成物の還元により、Z異性体と共に、3−メチル
−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−
1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールのE異性体
を少量生成する。第29欄には、分取GLCにより、A、
B、C、D、EおよびFとして表わされる6つのピーク
を得ることが記載されているが、以下の点については全
く開示がない: a)どのピークがどの構造に属するか、6つのピークに
ついて8つの構造が示されている。
b)化合物のどれもが十分純粋な形で得られたかどう
か、又は気−液クロマトグラフ(第12図参照)の試料は
混合物であつたかどうか。
c)どのピークがどの香り性を有すか、あるいは d)粗混合物における各化合物の相対量。
この先行技術には、(2R*,3S*)−(E)−3−メ
チル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エ
ン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オール、(2R
*,3R*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメ
チルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4
−エン−2−オール、又はそれらの混合物、(E)−3
−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3
−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールの
単離、特性および香り性について教示はない。また本発
明の新規化合物および組成物を製造するのに適した形の
中間体(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
シクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エ
ン−2−オンの製造も教示していない。
チヤート1に示したように、(E)−3−メチル−5
−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−
イル)−ペンテ−4−エン−2−オール(I)の異性体
混合物はα,β−不飽和ケトンIIをβ,γ−不飽和ケト
ンIIIに転換し、即ち、IIIに異性化しうる、ついでIII
のカルボニル基をアルコールに転換して製造することが
できる。化合物IIはいろいろな方法で製造でき、その2
つは下記のチヤート2に示す(チヤート2および本明細
書で使う星印(*)は適当な非対称中心を示す)。
本発明の範囲と限界および望ましい態様はチヤート2
により最もよく理解される。Iaを含む新規組成物は特定
の方法から得られる他の異性体を含有してもよい。
チヤート2は化合物Iを含有する組成物、即ち(E)
−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ
−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オー
ルのジアステレオマーの混合物に対する2つの可能なル
ートを示す。カンフア−アルデヒド(VI)は経路AとB
の共通の出発物質であり、チヤート2に示すように、α
−ピネン(IV)からエポキシドVを経て製造される。こ
れは当業界において周知の方法である(例えば、米国特
許第4,052,341号、例1参照)。
経路Aは、各種化合物をカンフアーアルデヒドとのア
ルドール縮合に使用する点で、経路Bと異なる。前者は
プロパナールを使い、後者は2−ブタノンを使う。縮合
生成物Xをα,β−不飽和ケトンIIに転換でき、かつ同
時に少量のエチルケトンVIIを生成しない利点を経路A
は有する。しかし、経路Bは経路Aより実施上はるかに
経済的である。経路Bは高価な工程を必要としないから
である。これらの経済的利点により、若干のエチルケト
ンVIIがカンフアーアルデヒドと2−ブタノンの縮合中
生成するとしても、経路Bは望ましいルートである。
(エチルケトンVIIは下記に示すように、最終生成物の
香り性に及ぼす影響がないアルコールIXに結局転換され
る)。
経路Aにおいて、カンフアーアルデヒドとプロパナー
ルの縮合は米国特許第4,052,341号明細書の例IV−1に
記載のように行ない、目的の2−メチル−4−(2,2,3
−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ブ
テ−2−エナール(X)を得ることができる。ついでこ
のアルデヒドXはグリコロール型反応においてハロゲン
化メチルマグネシウム又はメチルリチウムを使いアルコ
ールXIに転換することができる。このアルコールXIはど
のエチルケトン異性体VIIを含まない純粋のケトンIIに
酸化することができる。このケトンをIIIに脱共役し、
順次望ましいルート、経路Bについて下記したアルコー
ルIに還元することができる。
経路Bにおいて、カンフアーアルデヒドと2−ブタノ
ン間のアルドール縮合はカルボニルに隣接するいずれか
の炭素原子でおきかつ生成物の混合体を生成しうる。ア
ルデヒドは反応性の低いメチルより一層反応性のメチレ
ン基と優先的に反応させるのが期待される。メチルケト
ン又はエチルケトンの相対生成量は反応温度、反応時間
および使用触媒等の因子により変る。
米国特許第4,052,341号明細書に記載の条件を使つ
て、化合物II対化合物VII比は約10対1である。ケトンV
IIを工程順序で行なうと、生成化合物即ち6−(2,2,3
−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ヘ
キセ−5−エン−3−オール(IX)はIaの香りよりはる
かに弱くかつそれと混合可能な香りを有することが分つ
た。したがつて、処理する前にIIとVIIの10対1混合物
を分別する必要はない。
経路Bに示される、カンフアーアルデヒドと2−ブタ
ノン間のアルドール縮合において、α,β−ヒドロキシ
ケトン中間体が得られ、これは脱水して、α,β−不飽
和ケトンII又はβ,γ−不飽和ケトンIIIのどちらかを
得ることができる。α,β−不飽和ケトンIIは通常主生
成物又は独占的生成物である。(生成し得るβ,γ−不
飽和ケトンの量は通常反応温度、反応時間、触媒および
縮合するアルデヒドおよび/又はケトンにある置換基等
の因子により変る。H.O.House,「Modern Synthetic Rea
ctions」、第2版、W.A.Benjamin社、1972、644〜645参
照)。
ケトンIIを経路A又は経路Bにより得ると、共役二重
結合を除くために、当業界で公知の方法によりβ,γ−
不飽和ケトンIIIに転換することができる〔H.J.Ringold
およびS.K.Malhotra,Tet.Letters,第15,669(1962);E.
D′/ncanおよびP.P.Viout,Tetrahedron40、3421(198
4)〕。すべてこれらの方法は、エノラートの初期生成
続いて熱力学的に恵まれている生成物以上に速度論的に
恵まれた生成物を供する条件下でそのエノラートをプロ
トン化するものである。
α,β−不飽和ケトンを相当するβ,γ−不飽和ケト
ンに転換する条件の殆んどは適切であるべきであるが、
ケトンの自己縮合および速度論的に恵まれたβ,γ−不
飽和生成物を熱力学的に恵まれたα,β−不飽和出発物
質に異性化するなどの望ましいくない副反応を最小にす
る条件を使うことが望ましい。
望ましい方法としては、適当な非プロトン溶媒中適当
な塩基(例えば、アルカリ金属t−アルコキシド)の溶
液に約10°〜30℃の温度でゆつくり加える。添加速度は
反応の規模、必要な生産性および許容できる自己縮合量
により当業者により決定されよう。実験室規模のバツチ
では、1時間の添加時間が適当である。
エノラート生成温度は重要でない。30℃以上の温度で
は縮合副生成物が生成し易くなり、10℃以下の温度では
更に冷却の必要性を正当化する十分の利点を与えない。
添加が完了すると、エノラートの生成が終るまで更に1
時間10゜〜30℃で反応を続ける。(エノラート生成の完
了は少量の試料を採り、気液クロマトグラフイにより生
成物を分析して決定することが出来る)。
異性化のために使う塩基として、カリウムt−ブトキ
シド、ナトリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属
t−アルコキシド、相当するt−アミレート等を使うの
が望ましい。容易に入手出来かつ経済的なカリウムt−
ブトキシドが望ましい。過剰の塩基(20〜80%)を使う
のがよく、特に約40〜60%が望ましい。
使用する溶媒は、t−アルコキシドと生成するエノラ
ートを溶媒和しうる非プロトン性、無水溶媒に限定され
る。この目的で通常使う代表的溶媒はエーテル、ポリエ
ーテル、N,N−ジアルキルアミド等である。望ましい溶
媒は市販されている1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、N,
N−ジメチルアセトアミド(DMAC)およびN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)であり、特にDMFが望ましい。
エノラートが生成されると、α,β−不飽和ケトンに
戻らずに、カイネチツク生成物(β,γ−不飽和ケト
ン)を生成させる適当なプロトン源により、β,γ−不
飽和ケトンにプロトン化することが出来る。多くのプロ
トン源が適しているが、優れた結果は反応混合物に水性
酢酸を加えるか、あるいは水性酢酸に反応混合物を加え
て得ることが出来る。β,γ−不飽和ケトンは75〜85%
の収率で得られ、原料のα,β−不飽和ケトンを5%未
満含む。(中和反応は発熱性であるから、冷水性酢酸を
使うのがよい)。望ましいβ,γ−不飽和ケトンは分別
蒸留により存在する少量の高沸点不飽和ケトンから分別
出来る。少量のα,β−不飽和ケトンIIが存在しても悪
影響はない。3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシ
クロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンタン−2−オ
ール(XII)および3−メチル−5−(2,2,3−トリメチ
ルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−3−
エン−2−オール(XI)の混合物に転換出来、両方共目
的生成物と混和しうる香りを有するからである。
α,β−不飽和ケトンIIIを経路Aにより製造した場
合、β,γ−不飽和ケトンIIIは化合物VIIIを含まず、
かつ非常に純粋な形で得ることが出来る。α,β−不飽
和ケトンIIを経路Bにより製造しかつエチルケトンVII
を含有する場合、存在するエチルケトンはβ,γ−不飽
和ケトンVIIIに異性化される。しかし、β,γ−不飽和
ケトンVIIIのエノラートは塩基性条件下β,γ−不飽和
ケトンIIIよりはるかに早く自己縮合生成物を形成する
ことが分つた。異性化をもう少し長く、あるいは幾分高
い温度、約40〜60℃で行うと、存在するβ,γ−不飽和
ケトンVIIIはそれ自身自己縮合により消費する。反応を
GLCで追うことにより、存在するβ,γ−不飽和ケトン
だけが化合物IIIであり、化合物VIIIは全く存在しなく
なるまで、反応を行うことが出来る。したがつて、経路
Bを使つても、純粋のIIIを製造することが出来る。
経路Aまたは経路Bにより得たβ,γ−不飽和ケトン
はカルボニル基をヒドロキシル基に還元して相当するホ
モアリルアルコールに転換出来る。還元には金属ハイド
ライド例えばリチウムアルミニウムハイドライド、ナト
リウムボロハイドライド、ナトリウムビス(2−メトキ
シエトキシ)アルミニウムハイドロライドを使つてうま
く行うことが出来る。経済性および取扱の容易性から、
ナトリウムボロハイドライドが望ましい。
既述した様に、還元により得た生成物は主に構造Iを
有するジアステレオマーの混合物である。化合物Iの3
つの非対称中心は4つのジアステレオマー、即ち4つの
d,l対を存在させる。
気液クロマトグラフ分析(Carbowax 20M、ヒユーズ
ドシリカキヤピラリイ)により、2つだけのピークが7
対5比で存在し、その各ピークは例えばスピニングバン
ド蒸留により純粋で単離することが出来る。これらの2
つの成分はIaとIbと命名した。エチレングリコールサク
シネート(LAC−4−R−886)キヤピラリイカラムによ
るGLC分析により、IaとIbはそれぞれ2つのピーク(大
体1対1の比)からなり、全て4つの可能なジアステレ
オマーが存在することを示している。13C−NMRおよび1H
−NMR(400MHz)により、全て4つの可能なジアステレ
オマーの存在を確認した。
上記したように、Iaで表した2つのジアステレオマー
は側鎖(炭素2と3)の2つの非対称中心においてアン
チまたはR*,S*相対配置を有し、Ibの2つのジアステ
レオマー対はこれらの炭素でシンまたはR*,R*相対配
置を有することがX線回折結晶学分析および1H−NMR(4
00MHz)から測定した。
したがつて、アルコールIaは、低沸点を有し、Carbow
ax 20MキヤピラリイGLCカラムで最初に溶離しそして側
鎖にアンチ又はR*,S*立体化学配置の2つのジアステ
レオマー、即ち(2R*,3S*)−(E)−3−メチル−
5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1
−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールを含む豊富な
成分を示す。アルコールIbは、高沸点を有し、Carbowax
20MキヤピラリイGLCカラムで2番目に溶離しそして側
鎖にシン又はR*,R*立体化学配置の2つのジアステレ
オマー、即ち(2R*,3R*)−(E)−3−メチル−5
−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−
イル)−ペンテ−4−エン−2−オールを含む少量成分
である。
アルコールIの香り性を評価する場合、成分Iaは特に
当業界で知られているビヤクダン様芳香剤と比較してま
た成分Ibととも比較して、予期せざる強さの香りを有す
ることが分つた。
アルコールIaとIbの相対香り閾値、および当業界で知
られる関連芳香剤は当業界で公知の標準的臭覚法により
測定した。これらの値は第1表に示す。値は1.0の値を
つけた飽和化合物XIIに対するものである。
上記の相対香り閾値はIaの予期せざる優位性を示す。
アルコールIaの香りは上記した様に、良好な安定性の強
いビヤクダン系芳香剤であるXIIの香りより約300倍もの
強さを有する。成分Iaの香りはα−サンタロールの約40
0倍でありかつ相当するα,β−不飽和アルコールXIの
約40倍もの強さを有する。Iaの香りはその関連ジアステ
レオマーアルコールIbの500倍以上であることは驚くべ
き予想せざることである。
純粋のIaはかつて発見された最強のビヤクダン系芳香
剤であるが、この成分をIbと分別することは経済的なこ
とではない。幸いにして、Ibは非常に弱い芳香性で、香
り閾値に関しては500倍の弱さであり、かつまたIaの香
り性を妨害しない。IaとIbの混合物において、Ibは本質
的に稀釈剤である。
Iaは最強の香りを有するために、第1表に示した他の
異性体のどれよりも数等倍強力であり、Ib、IX、XIIはX
IIを含むその混合物は分離する必要はない。例えば、空
気中で検出されるIbはIaより500倍以上の濃度は必要で
あるから、約60%Iaと約40%Ibの混合物は純粋のIaに酷
似する香りを有する。経路Bの使用による異性体の場合
でも事実である。例えば、2−ブタノンのメチル基に対
するアルドール縮合によるケトンVIIの存在に基づく化
合物IXである。化合物IXはIaより空気中で検出される濃
度は100倍以上であることを第1表は示しており、また
化合物IXが約10%で存在していたにせよ、混合物の香り
に悪影響は及ぼさないし、かつその香りは純粋のIaに酷
似している。
異性化工程後、β,γ−不飽和ケトンIIIと共に若干
のα,β−不飽和ケトンIIが存在していても、これは飽
和ペンタノールXIIおよびアリルアルコールXIに転換さ
れる。これらの両化合物は繊細で強い芳香剤であるが、
Iaの香りを識別出来る程には損なわない。
本発明の新規組成物はしたがつて全組成物の10%以上
Ia含量があることが望ましい。本発明の望ましい組成物
は25%以上のIaを含むことであり、40%以上のIa含量の
組成物が非常によい。特に望ましいのはIa含量が50%以
上のものである。
特に望ましい組成物は次のものから本質的に成るもの
である。
a)50〜100% Ia b) 0〜 45% Ib c) 0〜 12% 化合物IX d) 0〜 10% 化合物XI e) 0〜 10% 化合物XII 既述したように、IaとIbを分別することは経済的には
実用ではないから、商業上望ましい製品はこれらの2成
分の混合物である。この混合物は本質的には下記の成分
から成る。
a)40〜65% Ia b)25〜45% Ib c) 0〜12% 化合物IX d) 0〜 5% 化合物XI e) 0〜 5% 化合物XII これらの新規成分は香料的に非常に貴重な理由はその
非常に強くかつユニークな香り性による。アルコールIa
はビヤクダン様として特長があるだけでなく、それを一
層有用なものにする性質を有する。そのユニークな香り
は強力、クリーミイ、ウツデイ、ムスク、ジヤクダンの
香りとして特長付けられる。ムスク性を伴なうユニーク
な強さは、他の物質又はそのコンビネーシヨンにより表
われない価値をIaに与えており、かつウツデイ組成物、
ムスク様組成物、フローラルな組成物、シブレ調、シト
ラス調等の各種フラグランスタイプとして有用な芳香剤
にしている。アルコールIaは、更に高価な天然の油を使
う場合にのみ通常みられるナチユラルな性質をこれらの
フラグランスに与えるが、その単独でもユニークであ
り、任意の天然油又はそのコンビネーシヨンにより代替
出来ない。Iaは非常に強力であるから、Ia+Ibから成る
組成物又は多少のIXおよび/又はXIIおよび/又はXIを
も含むIa+Ibの組成物も純粋のIaと実際上同じ効果で使
用することができる。Iaの香りはこれらの組成物の優位
をなす。他の異性体(Ib、IX、XI、XII)は混合物の強
さを減ずる効果を有するだけであり、希釈剤として機能
するに過ぎない。
フラグランス組成物にIa含有の本発明の新規(化合物
又は)組成物を添加すると、多くのフラグランスにドラ
マテイツクな改善をもたらす。本発明の価値を示す多く
の例示は例6に示す。この例では、最終フラグランス混
合物に存在するIaの量は約0.15〜2.5%となるように本
発明の組成物を添加した。効果は劇的で、第1表に示す
同量のビヤクダン油又はその他の任意の芳香剤と代替し
ても達成出来なかつた。
ウツデイタイプ(高貴なウツデイ又はシダー様)のフ
ラグランス組成物において、明確で優位なノートを付与
するためには多量の又は丸味あるいは配合効果を供する
には少量のIaを含有する本発明の新規(化合物又は)組
成物を使用することが出来る。本発明の組成物はムスク
様組成物に多量同じ様に使用して、ユニークで非常に望
ましい特性を供することが出来る。
フローラルタイプの組成物において、本発明の組成物
を少量使うと、丸く、曖昧があり、かつすぐれた配合フ
ラグランスとなることが分つた。シトラス調では、少量
添加してこれらの調子に興味あるムスクノートを付与す
る。本発明の組成物はシプレ調のウツデイノートを助長
することも分つた。
Iaを含有する本発明の新規(化合物又は)組成物は各
種用途に使用することが出来る。使用量およびその使用
範囲は各調香師のイマジネーシヨンおよび個人的好みに
よる。
大概、本発明の新規(化合物又は)組成物はフラグラ
ンスの処方に使用出来、最終フラグランス混合物中のIa
の量は約0.005〜約5%の範囲であり、約0.15〜約2.5%
が望ましい。これは勿論フラグランス組成物のタイプに
よりいろへ変る。約5%以上の濃度、80%又は90%の高
濃度でも、特別の効果には有利に使用出来る。
本発明の新規(化合物又は)組成物は香水や調香師に
公知の方法による化粧水の調製、例えば通常の稀釈剤
(アルコール性や水性のもの)を加えて、フラグランス
ベースを作るのに使用出来る。大体15〜20重量%のベー
スが香水に使用されそして大体3〜5%が化粧水に使わ
れる。
同様に、ベース組成物は石ケン、洗剤、化粧品等の香
りづけに使用出来る。これらの場合、約0.1〜約2重量
%のベース濃度が使用出来る。
上記の新規組成物を使う代りに、(実質的に純粋の)
2R*,3S*−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメ
チルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4
−エン−2−オールが代用出来るのは当然の事である。
次の例は望ましい態様を示すものであつて、限定的な
ものではない。
赤外線スペクトル(1R)はPerkin−Elmer Model 681
分光光度計を使つてニート試料として記録し、吸収は逆
数センチメートル(cm-1)で記録した。
分子量はFinnigan Model 4000四極質量分光器を使つ
て、電子衝撃質量分光により測定した。
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは60MHzで働くVarian E
M−360、プロトン分光計(1H−NMR)、400MHzで動くBr
ker Model WH−400ヘテロヌクレアー分光器(1H−NM
R)およびVarian Model CFT−20ヘテロヌクレアー分光
器(13C−NMR)を使つて、クロロホルム−d1の溶液とし
て記録し、テトラメチルシラン(TMS)(0.08)に関し
8単位として記す。特に断わらない限り、1H−NMRスペ
クトルは60MHzで操作するVarian Model EM−360分光計
で記録した。
特に断わらない限り、気液クロマトグラフイ(GLC)
はCarbowax 20M(ユニオンカーバイド社のポリエチレ
ングリコールに対する登録商標)フューズドシリカキヤ
ピラリイカラム(0.25mm×30m)について行ない、Hewle
tt−packard Model 5880Aガスクロマトグラフ、フレー
ムイオン化検出器(FID)つきを使つた。ルーチンでな
いGLCはLAC−4−R−886(エチレングリコールサクシ
ネート)キヤピラリイカラム(0.30mm×39m)について
行なつた。
特に断わらない限り、重量はg、温度は℃、圧力はmm
Hgそして収率は理論量に基づく。
例1 (E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシク
ロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−
2−オン(III)の製造。
この例で出発物質として使つたα,β−不飽和ケトン
は米国特許第4,052,341号明細書の例II−1により得、
主として3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
ペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2
−オン(II)(82%)および6−(2,2,3−トリメチル
シクロペンテ−3−エン−1−イル)−ヘキセ−4−エ
ン−3−オン(VII)(6〜8%)、および少量の相当
するβ,γ−異性体III,(4%)とVIII(4%)から成
る。
カリウムt−ブトキシド(33.6g、0.30モル)を、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)150ml含有反応フラスコ
に加えた。混合物を攪拌し、15℃に冷却した。α,β−
不飽和ケトン(41.2g、0.2モル)を15〜25℃で1時かけ
てゆつくり加え、この範囲に温度を維持するために必要
に応じ冷却した。生成溶液を更に4.0時間周囲温度で攪
拌した。
混合物を0℃に冷却し、150mlの水性20%酢酸を急速
に加えた。混合物は15分間攪拌し、150mlの水を含むビ
ーカーに注ぎ、100mlのトルエンで3回抽出した。トル
エン抽出液を一緒にし、10%の重炭酸ナトリウム溶液10
0mlで2回洗い、ついで100mlの水で1回洗つた。
洗つたトルエン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
濾過しそして減圧蒸留(約100mmHg)によりトルエンを
除いた。残存油を減圧下蒸留(0.5mmHg)して、(E)
−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ
−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オン
(III)(86%)および異性体エチルケトンVIII(9
%):沸点73〜86℃(0.5mmHg)、分子量206(MS)、IR
1725cm-1(カルボニル)、805cm-1(トリ置換オレフイ
ン)34.8g(収率84.5%)を得た。
1H−NMR0.8δ(3H,s),1.0(3H,s),1.2(3H,d,J〜7.
5Hz)、1.6(3H,ブロードs,オレフイン性CH3)、2.2(3
H,s,アセチルCH3),1.9〜2.5(3H,ブロードコンプレツ
クス)、3.2(1H,ブロード多重線、J〜7.5)、5.2(1
H,ブロード多重線、オレフイン性H)、5.4〜5.9(2H,
コンプレツクス)。
13C−NMR121.5ppm(d)と147.8(s)は2つの環オ
レフイン炭素を示す;129.9(d)と134.2+134.5(2d)
は2オレフイン炭素を示す;209.3(s,カルボニル)。13
C−NMRは、14個の明確な炭素共鳴ピークを示し、そのう
ちの7個はタブレットであった。このことは、(E)−
3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−
3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オンの
2つのジアステレオマーの存在を示すものである。
上記の操作は本質的に経路B、チヤート2に示したも
のである。経路Aにより製造したケトンIIIは異性体エ
チルケトンVIIIを含まない。また出発物質ケトンIIを米
国特許第4,052,341号明細書に示したように、光学的に
純粋なR−又はS−カンフアーアルデヒドから製造した
場合、シクロペンチル環の一部である非対称中心はR又
はSとして示す。
例2 (E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシク
ロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−
2−オール(I)の製造。
エタノール(221g、280ml)、水(70g)および30%水
酸化ナトリウム溶液(1.0ml)を反応フラスコに加え
た。混合物を攪拌し、ナトリウムボロハイドライド粉末
(12.9g、0.34モル)を少しずつ加えた。混合物を0℃
に冷却し、(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメ
チルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4
−エン−2−オン(III)(87%)およびその異性体エ
チルケトンVIII(8%)を含有する例1に記載のように
製造した組成物116.2g(0.56モル)を0〜5℃で1.0時
間かけてゆつくり加えた。
生成混合物を0℃で1時間ついで周囲温度で3.0時間
攪拌した。その混合物を水400mlと30%水酸化ナトリウ
ム溶液を含むビーカーに注ぎ、十分攪拌した。水性混合
物をヘキサン125mlで3回抽出した。ヘキサン抽出液を
一緒にし、水150mlで3回洗い無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過しついで常圧下(760mm)ヘキサンを留去
して濃縮した。
残油を減圧下(0.9mm)で蒸留し、(E)−3−メチ
ル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン
−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オール(I)10
3.9g(94.5%収率)およびエチル異性体IXを得た。GLC
(Car bowox 20Mキヤピラリイカラム)ではIは夫々51
%と36%で2つのピークがあることを示し、IXは7%で
ある。GLC(エチレングリコールサクシネートキヤビラ
リイカラム)ではIに夫々27.5%、27.0%、19.5%およ
び19.5%で4つのピークおよびIXは6.5%で存在するこ
とを示している。沸点93〜102℃(0.9mm)、▲n20 DC▼
1.481、分子量208。
(MS):IR3360cm-1(ヒドロキシル)、3035(オレフ
イン性)、1650(オレフイン性)および790(トリ置換
オレフイン):香りは非常に強く、クリーミイ、ウツデ
イ、ムスク、ビヤクダンを呈した。
1H−NMR0.8δ(3H,s)、1.0(3H,s)、1.1(3H,d,J〜
7Hz)、1.2(3H,d,J〜7Hz)、1.6(3H,ブロードs,オレ
フイン性CH3)、1.9〜2.6(5H,ブロードコンプレツク
ス)、3.6(1H,ブロード化6重線)、5.2(1H,ブロード
多重線、環オレフインプロトン)、5.1〜5.8(2H,ブロ
ード多重線、2オレフイン性プロトン)。
13C−NMR12.7ppm(q)、16.0+16.7(2q)、20.1+2
0.3(2q)、20.5(q)、25.4+25.5(2q)、35.4
(t)、44.1+44.4(2d)、45.2(d)、48.0(s)、
54.1+54.3(2d)、70.1+71.0(2d)122.5(d)、13
2.6+132.7(2d)、133.7(d)および148.0(s)。13
C−NMRは、4個の明確な炭素共鳴ピークを示し、そのう
ちの7個はそれぞれの位置においてダブレットとして現
れており、このことは、ジアステレオマーの存在を示す
ものである。
例3 A)(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシ
クロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン
−2−オール(IaとIb)および異性体(E)−6−(2,
2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)
−ヘキセ−5−エン−3−オール(IX)の2つの分離可
能な成分の分離と精製。
例2により製造した生成物をスピニングバンド蒸留に
供し、3成分を純粋な形で単離しそしてスペクトル分析
により特長づけた。次の結果を得た。
(1)(2R*,3S*)−(E)−3−メチル−5−(2,
2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)
−ペンテ−4−エン−2−オール(Ia) GLC(エチレングリコールサクシネートキヤピラリイ
カラム)により、夫々2つのピークが48.4%と42.1%で
存在する。沸点86.5℃(0.95mmHg);IR3380cm-1(ヒド
ロキシル)、3040(オレフイン性)、1655(オレフイン
性)、800(トリ置換オレフイン):MS(m/e),208(M+,
1%)、164(66%),149(84%),121(100%)、109
(50%)、108(99%)、107(97%)、93(82%)、83
(50%)、55(93%)、45(84%)、43(63%)、41
(80%);香り閾値0.02ng/l:香り:強力なクリーミ
イ.ウツデイ.ムスク.ビヤクダン。
1H−NMR0.8δ(3H,s)、1.0(3H,s)、1.02(3H,d,J
〜6Hz)、1.2(3H,d,J〜6.5Hz)、1.6(3H,ブロードs,
オレフイン性CH3)、1.9〜2.6(5H,ブロードコンプレツ
クス)、3.6(1H,7重線、J〜6.5Hz)、5.3(1H,ブロー
ド多重線、環オレフイン性プロトン)、5.1〜5.9(2H,
ブロードコンプレツクス、2オレフイン性プロトン)。
1H−NMR(400MHz)スペクトルはアルコールIaの構造
と一致しかつジアステレオマーアルコールの1:1混合物
を示す。
13C−NMR12.7ppm(q)、16.6(q)、20.0(q)、2
0.6(q)、25.5(q)、35.5(t)、45.0(t)、45.
0(d)、48.0(s)、54.4(d)、71.0(d)、121.6
(d)、132.8(d)、133.3(d)、147.9(s)。
(2)(2R*,3R*)−(E)−3−メチル−5−(2,
2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)
−ペンテ−4−エン−2−オール(Ib) GLC(エチレングリコールサクシネートキヤピラリイ
カラム)では夫々2つのピークが43.3%と50.3%で存在
する。沸点93.5℃と(1.20mmHg):IR3350cm-1(ヒドロ
キシル)、3040(オレフイン性)、1655(オレフイン
性)および798(トリ置換オレフイン):MS(m/e),208
(M+,なし)、164(82%),149(86%)、121(100
%)、109(48%)、108(95%)、107(96%)、93(7
9%)、83(51%)、55(90%)、45(81%)、43(60
%)、41(75%):香り閾値9.0ng/l;香り:ウツデイ、
ビヤクダンで、フルーテイ、酢酸ベチバーのニユアンス
を伴なう。
1H−NMR0.8δ(3H,s)、1.0(3H,s)、1.1(3H,d,J〜
7Hz)、1.2(3H,d,J〜7Hz)、1.6(3H,ブロードs,)、
1.9〜2.5(4H,ブロードコンプレツクス)、2.7(1H,ブ
ロードs、D2Oと置換)、3.6(1H,多重線、J〜6Hz)、
5.3(1H,ブロード多重線、環オレフイン性プロトン)、
5.1〜5.8(2H,ブロードコンプレツクス、2オレフイン
性プロトン)。
1H−NMR(400MHz)スペクトルはアルコールIbの構造
と一致しかつジアステレオマーアルコールの1:1混合物
を示す。
13C−NMR12.6ppm(q)、16.2(q)、20.2(q)、2
0.5(q)、25.5(q)、35.5(t)、44.5(d)、48.
0(s)、54.4(d)、71.2(d)、121.6(d)、132.
2(d)、132.8(d)および147.9(s)。
(3)(E)−6−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ
−3−エン−1−イル)−ヘキセ−5−エン−3−オー
ル(IX) 沸点101.5℃(1.40mmHg);IR3345cm-1(ヒドロキシ
ル)、3040(オレフイン性)および800(トリ置換オレ
フイン);MS(m/e)208(M+,4%)、150(45%)、135
(100%)、108(48%)、107(83%)、93(48%)、5
9(50%)、41(36%):香り閾値47ng/l;香り:ウツデ
イ、ヨノンでフルーテイ、メープルのニユアンスを有
す。
1H−NMR0.8δ(3H,s)、0.95(3H,t,J〜7Hz)、1.0
(3H,s)、1.1−1.7(2H,多重線、J〜6Hz)、1.6(3H,
ブロードs,オレフイン性CH3)、1.9〜2.7(6H,ブロード
コンプレツクス)、3.6(1H,ブロード多重線)、J〜6H
z)、5.3(1H,ブロード多重線、環オレフイン性H)、
5.4〜5.9(2H,ブロードコンプレツクス、2オレフイン
性プロトン)。
1H−NMR(400MHz)スペクトルはアルコールIXの構造
に一致しておりかつジアステレオマーアルコールの1:1
混合物を示す。
13C−NMR9.9ppm(q)、12.7(q)、20.5(q)、2
5.5(q)、29.4(t)、35.5(t)、40.5(d)、47.
9(s)、54.3(t)、72.4(d)、121.5(d)、126.
9(d)、134.8(d)、147.9(s)、 (B)X線回折結晶学的分析により(E)−3−メチル
−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−
1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールのジアステ
レオマーの同定: 例2より製造した生成物(70g、0:34モル)を120°〜
130℃で60g(0.36モル)α−ナフチルイソシアネートと
反応させた。生成混合物を室温に冷却して、ヘキサン
(300ml)に溶解した。ヘキサン溶液を0℃に冷却し
て、結晶をおこさせた。結晶物質を濾取して、固形α−
ナフチルカルバメート(mp90°〜97℃)57gを得た。濾
液を濃縮して粘稠油70gを得た。
結晶カルバメートを繰り返えし再結し、最初t−ブチ
ルメチルエーテルから、ついでメタノールから最後にt
−ブチルメチルエーテルから再結し、非常に純粋な結晶
α−ナフチルアルバメート(mp117.7°−117.9℃)1.2g
を得、これをX線結晶分析に供した。
X線分析の結果、この結晶カルバメートは夫々R*と
R*のC−2およびC−3で相対的立体化学配置を有す
ることが分つた(J.RigandyとS.P.Klesney.「Nomenclat
ure of Organic Chemistry」1979版、パーガモン出版、
ニユーヨーク、482頁、相対的配置は知られているキラ
ル中心について)、したがつてこのジアステレオマーは
「syn」又は「erythro」ジアステレオマー、即ちsyn−
(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
ペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2
−オールジアステレオマーである。X線分析によつて、
第3のキラル中心、環炭素1のこの相対的立体化学配置
はR*であることが確認されたから、この結晶カルバメ
ートは(2R*,3R*)−(E)−3−メチル−5−(2,
2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1(R*)
−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールジアステレオ
マーであろう。
この結晶カルバメートを単離しかつ成分Ia又Ibに対し
correlateするために、純粋固体をエステル加水分解に
供し、中性区分を単離した。1H−NMRおよびエチレング
リコールサクシネートカラム(LAC−4R−886)のGLC分
析により、この中性区分はIの第3ピーク(99.5%純
度)、即ち成分Ibの第1ピークであることが分つた。
Ibに存在する2つのジアステレオマーはc−2とc−
3において類似の相対配置のものであることを示すIbの
400MHz 1H−NMRスペクトルから見て、Ibの第2成分(I
の第4成分)は他の可能なsynジアステレオマー、即ち
(2R*、3R*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−
トリメチルシクロペンテ−3−エン−1(S*)−イ
ル)ペンテ−4−エン−2−オールジアステレオマーで
あると推定出来る。
X線回折分析に適する成分Iaの結晶エステルを得るた
めに、α−ナフチルカルバメート(70g)の粘稠油を蒸
留して、残渣から揮発性物質を分別した。生成した揮発
性画分(56g)を加水分解しそして生成した中性部(23
g)、70%Ia、15%Ibおよび15%不純物の混合物を80℃/
1.0時間ピリジンの存在下3−ニトロフタル酸無水物と
反応させた。分別単離後、結晶3−ニトロフタル酸モノ
エステル31g(mp118°〜125℃)を得た。
このモノエステルは最初ヘキサン/t−ブチルメチルエ
ーテルの9:1混合物から、ついでメタノール/水の9:1混
合物からそして最後に四塩化炭素/ヘキサン混液から繰
り返えし再結して、非常に純粋の結晶性3−ニトロフタ
ル酸モノエステル(mp146.5℃)1.2gを得た。このモノ
エステルの結晶形はX線回折分析には不適であつた。
したがつて、このモノエステル(1.0g)を加水分解し
て、粗生成物を80℃(0.07mm)で蒸留し、油0.45gを得
た。これはGLC(LAC−4R−886)によりIの第1ピー
ク、即ちIaの第1成分と同定した。ついでこの油(0.2
g)をイソシアン酸(H2NCONHCOOH)の約5%溶液と反応
させ、結晶性のアロフォネート誘導体H2N−CO−NHCOOR
を形成した。(Helu.35,2380(1952);L.Fieser等、「R
eagents For Organic Synthesis」第1巻、John Wiley
and Sons社、ニユーヨーク、第170頁参照)。反応混合
物を開口フラスコ中で3日間室温に放置し、エーテルで
抽出し、10%水酸化カリウム溶液で洗つた。蒸発してア
ロフォネート誘導体結晶に0.2gを得、エタノールより再
結し、0.13gのアロフォネート誘導体結晶(m.p.154℃)
を得た。この結晶はX線回折の分析に適していた。
X線分析によれば、この結晶アロフォネート誘導体は
夫々R*とS*のC−2およびC−3において相対的立
体化学配置を有することが分つた。したがつて、このジ
アステレオマーは「anti」又は「threo」ジアステレオ
マー、即ちanti−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−
トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペン
テ−4−エン−2−オールジアステレオマーである。X
線分析により第3キラル中心、環炭素Iにおいて相対的
立体化学配置はS*であると測定したから、この結晶性
アロフオネートは(2R*,3S*)−(E)−3−メチル
−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−
1(S*)−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールジ
アステレオマーである。
Iaに存する2つのジアステレオマーはC−2とC−3
で類似の相対配置のものであることを示すIaの400MHz 1
H−NMRスペクトルから見て、Iaの第2成分(Iの第2成
分)は他の可能なantiジアステレオマー、即ち(2R*,3
S*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
−3−エン−(R*)−イル)−ペンテ−4−エン−2
−オールジアステレオマーであると推定出来る。
GLC(LAC−4R−886)から溶離する4つの異性体は次
の通りである。
1.(2R*,3S*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−
トリメチルシクロペンテ−3−エン−1(S*)−イ
ル)−ペンテ−4−エン−2−オール、 2.(2R*,3S*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−
トリメチルシクロペンテ−3−エン−1(R*)−イ
ル)−ペンテ−4−エン−2−オール、 3.(2R*,3R*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−
トリメチルシクロペンテ−3−エン−1(R*)−イ
ル)−ペンテ−4−エン−2−オール、および 4.(2R*,3R*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3−
トリメチルシクロペンテ−3−エン−1(S*)−イ
ル)−ペンテ−4−エン−2−オール。
Iaの2つのジアステレオマーの香り閾値の比較によれ
ば、(2R*,3S*)−(E)−3−メチル−5−(2,2,3
−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−(R*)−
イル)−ペンテ−4−エン−2−オールは約10のフアク
ターで強いことを示す。
例4と5 1(即ち、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチルシ
クロペンテ−3−エン−1−イル)−ブテ−3−エン−
1−オールおよび5−(2,2,3−トリメチルシクロペン
テ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オ
ールに構造的に関係する新規のホモアリルアルコールに
ついてこれらの例は説明するものであり、これらはIと
は非常に異質の性質を有することが分つた。
例4 2−メチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ
−3−エン−1−イル)−ブテ−3−エン−1−オール
の製造。
米国特許第4,052,341号、例IV−1に記載の方法を使
つて、アルデヒド、2−メチル−4−(2,2,3−トリメ
チルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ブテ−2−
エナ−ルは、α,β二重結合をβ,γ位に異性化するた
めに、例1に記載の方法に従つて反応させた。この場
合、ブテナール(19.2g、0.1モル)を15〜20℃で1,2−
ジメトキシエタン(DME、200ml)中カリウムt−ブトキ
シドと反応させ、ブタノール中30分に渡つて供給し、更
に15分攪拌しついで水性20%酢酸(75ml)と共に急冷す
る。
採取後、粗油を減圧蒸留し、14.6gの蒸留物:6p68−10
0℃(0.6mm)を得た。この蒸留物はGC/MS分析により測
定して次の組成を有する混合物であつた。
29%2−メチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペン
テ−3−エン−1−イル)−ブテ−3−エナール 57%2−メチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペン
テ−3−エン−1−イル)−ブテ−2−エナール(26%
Z−異性体、31%E−異性体) アルデヒドの上記混合物(17.0g、88.5ミリモル)を
無水エチルエーテル(25ml)に溶解し、そして無水エー
テル(25ml)中リチウムアルミニウムハイドライド(1.
7g、44.3ミリモル)の冷(0℃)サスペンジヨンを含む
フラスコにゆつくり注いだ。
生成混合物を0−5℃で30分間攪拌し、周囲温度で1.
0時間攪拌しついで2.0時間還流下攪拌した。この混合物
を0℃に冷却し、過剰のリチウムアルミニウムハイドラ
イドを硫酸ナトリウム飽和水溶液をゆつくり滴下して、
注意深く分解した。
生成したサスペンジヨンを濾過し、大気圧下蒸留して
エーテルを除去し、残存油を減圧下蒸留して、留液:bp8
9〜145℃(0.9mmHg)14.0gを得た。GC/MSにより次の成
分の混合物から成る: 22%2−メチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペン
テ−3−エン−1−イル)−ブテ−3−エン−1−オー
ル 71%2−メチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペン
テ−3−エン−1−イル)−ブテ−2−エン−1−オー
ル(27%Z−異性体、44%E−異性) この混合物を注意深くスピニングバンド蒸留して、下
記の化合物を得た: 2−メチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ
−3−エン−1−イル)−ブテ−3−エン−1−オー
ル:bp76.5(0.5mmHg);分子量194(MS);IR3340cm
-1(ヒドロキシル)、3040,1670および800(オレフイン
性):香り閾値6.0ng/l;香り:フルーテイ、ウツデイ、
アニス様。
1H−NMR0.8δ(3H,s)、1.0(3H,s)、1.2(3H,d,J〜
6Hz)、1.6(3H,ブロードs,オレフイン性CH3)、2.2お
よび2.4(5H,2ブロードコンプレツクス)、3.4(2H,d,J
〜7Hz)、5.2(1H,ブロード多重線)、5.0〜5.8(2H,ブ
ロードコンプレツクスオレフイン性プロトン)。
C13−NMR12.7ppm(q),16.8+17.0(2q,C−2メチル
基)、20.5(q)、25.4(q)、35.5(t)、39.7
(d)、47.9(s)、54.2(d)、67.5(t,C−1)、1
21.5(d)、132.3(d)、133.1+133.2(2d、C−
3)、147.9(s)。
C13−NMRは、13個の明確な炭素共鳴ピークを示し、そ
のうちの2個はそれぞれの位置においてダブレットとし
て現れており、このことは、ジアステレオマーの存在を
示すものである。この分子は2つの不斉炭素原子を含
む。即ち、側鎖のC−2とシクロペンテニル環のC−
1。
例5 5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−
1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オールの製造。
米国特許第4,052,341号、例II−2の方法を使つて製
造したケトン、5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ
−3−エン−1−イル)−ぺンテ−3−エン−2−オン
を、α,β二重結合をβ,γ位に異性化するために例1
に記載の方法にしたがつて反応させた。この場合、ケト
ン(28.8g、0.15モル)を1,2−ジメトキシエタン(DM
E)(125ml)中カリウムt−ブトキシド(25.8g、0.23
モル)と反応させた。水性20%酢酸(115ml)を添加し
て反応を止め、例1のように抽出しそして油を減圧蒸留
して、Z−(21%)およびE−(69%)異性体の混合物
として、19.0g(66%収率)の5−(2,2,3−トリメチル
シクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4−エ
ン−2−オンを得た、b.p.80−100℃(0.5mmHg);分子
量192(MS);IR3040cm-1(オレフイン)、1720(カルボ
ニル)、800(トリ置換オレフイン)。
1H−NMR0.8δ(3H,s)、1.0(3H,s)、1.6(3H,ブロ
ードs,オレフイン性CH3)、2.2(3H,s,アセチルCH3)、
1.9〜2.7(3H,ブロードコンプレツクス)、3.1(1H,d,J
〜6Hz)、3.2(1H,d,J〜6Hz)、5.2(1H,ブロード多重
線、環状オレフインCH3)、5.6(2H,ブロード多重線、
2オレフイン性H)。
C13−NMR12.6ppm(q),20.5(q)、25.4(q)、2
9.1(q)、35.3(t)、42.5(s)、48.2(d)、54.
1(t)、121.5(d)、122.8(d)、135.9(d)、14
7.8(s)、206.4(s,カルボニル)少量成分としてZ−
異性体の存在は20.3(q)、25.9(q),29.3(q)、3
6.0(t)、48.2、48.7、121.6(d)、121.9(d)、1
34.6(d)、205.9(s,カルボニル)において弱い炭素
共鳴により分つた。
2つのカルボニル炭素共鳴の比は72%/28%の混合物
を示し、GLC試験とよく一致している。
例2に記載した方法を使つて、5−(2,2,3−トリメ
チルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンテ−4
−エン−2−オン(14.4g、75ミリモル)をエタノール
(75ml)、水(15ml)および30%水酸化ナトリウム溶液
(0.25ml)の混液にてナトリウムボロハイドロライド粉
体(1.44g、38ミリモル)と反応させた。
混合物を急冷し、採取しそして蒸留して、5−(2,2,
3−トリメチルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−
ペンテ−4−エン−2−オール12.4g(理論収率85.2
%)、Z−異性体(23%)とE−異性体(69%)の混合
物;bp79〜81℃(0.5mmHg);▲n20 D▼1.4820;分子量194
(MS);IR3340cm-1(ヒドロキシル)、3040(オレフイ
ン性)、1655(オレフイン性)および800(トリ置換オ
レフイン)を得た。香り閾値720ng/l;香り:弱いビヤク
ダン、ウツデイ。
1H−NMR0.7δ(3H,s)、1.0(3H,s)、1.2(3H,d,J〜
6Hz)、1.6(3H,ブロードs,オレフイン性CH3)、2.2(5
H,ブロード多重線)、3.1(1H,ブロード、D2Oと置換、
ヒドロキシルH)、3.8(1H,ブロード六重線、J〜65H
z)、5.2(1H,ブロード多重線、環状オレフインH)、
5.5(2H,ブロードコンプレツクス、2オレフイン性プロ
トン)。
C13−NMR12.6ppm(q),20.5(q)、22.6(q)、2
5.5(q)、35.5(t)、42.8(s)、47.9(d)、54.
3(t)、67.4(d)、121.6(d)、127.0(d)、13
4.2(d)、147.7(s)。少量成分としてZ−異性体の
存在は次の炭素共鳴:25.9(q)、36.4、37.4、48.5、4
8.6、67.6(d)、126.6(d)、133.3(d)により分
つた。
例6 次の芳香組成物は、例2により製造した(E)−3−
メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−
エン−1−イル)−ペンテ−4−エン−2−オール
(I)の芳香剤の有用性を示す。各々の場合、Iにより
達成された効果はIのユニークな香り度によつて、同量
のビヤクダン油又は3−メチル−5−(2,2,3−トリメ
チルシクロペンテ−3−エン−1−イル)−ペンタン−
2−オール(XII)では得られなかつた。
A.シプレベース成分 重量部 ベルガモツト油(非感受性、フラノクマリンなし) 300 合成ローズベース(主としてフエニルエチルアルコー
ルシトロネロール、ゲラニオール) 400 アセチルセドリン 200 オークモス可溶性樹脂 60 ベチバーバーボン 20 ジプロピレングリコール(DPG) 15 合計 995 このシプレベースにI5部(0.5%)を添加すると、フ
ラグランスの強度および暖かいウツデイ性を改良する。
(類似の効果は成分Ia3部を使つて得ることが出来
る)。I又はIaを添加しない場合、その組成物はIおよ
びIaの暖かいムスク様−ビヤクダンノート特性を欠く。
同量のビヤクダン油はフラグランスには殆んど寄与しな
い。
B.ウツドベース成分 重量部 Sandela (ジボーダン)(イソカンフイルシクロヘ
キサノール)50%/ジエチルフタレート 300 アセチルシドレン 450 セドロールクリスタル 200 ガンマーノナラクトン 2 ジプロピレングリコール(DPG) 25 計 977 ウツドベースにI25部(2.5%)を加えると、シダーノ
ートとビヤクダンノートをブレンドし、フラグランスに
ボデイ味と暖かいムスク性を付与し、その強度を大いに
増大する。(類似の効果はIの代りにIa15部を使つて達
成することが出来る)。I又はIaを添加しないと、組成
物は十分でなくかつ強力でないそしてIとIaの特長であ
るムスクノートに欠ける。類似量のビヤクダン油では組
成物は余り強くなくかつムスク様でない。
C.ミユゲベース 成分 重量部 シトロネロール合成 200 フエニルエチルアルコール 100 Lilisl (ジボーダン)(α−メチル−p−t−ブチ
ル−フエニルプロピオンアルゲヒド) 200 テルピネオール合成 50 リナロール 100 ベンジルアセテート 100 ヘキシルシンナミンアルデヒド 150 インドール10%/ジプロピレングリコール(DPG) 10 シクラメンアルデヒド(α−メチル−p−イソプロピ
ルフエニルプロピオンアルデヒド) 10 スチラツクス(天然、非感受性) 30 ジプロピレングリコール 47 計 997 ミユゲベースにIを3部(0.3%)添加すると各フロ
ーラル成分をブレンドし、フラグランスにボデイ味、充
実性および暖か味を付与する。Iの代りにIa約2部を加
えると類似の効果を供する。I又はIaを添加しないと、
組成物は統一性および充実性に欠ける。ビヤクダン油又
は化合物XIIを添加しても同じ効果は達成出来ない。
D.ムスクフラグランス成分 重量部 クマリン 10 ヘリオトロピン 35 バニリン 2 ベンジルアセテート 10 メチルジヒドロジヤスモネート 10 ベルガモツト合成 40 Dimetol (ジボ−ダン)(2,6−ジメチル−ヘプタン
−2−オール) 5 ゲラニウム油 25 ローズベース(主にフエニルエチルアルコール、シト
ロネロール、ゲラニオール) 10 ラベンダー油 25 レモン油、カリホルニア 20 Lilial (ジボーダン)(α−メチル−p−t−ブチ
ルフエニルプロピオンアルデヒド) 10 オークモス可溶性レジン 5 Folenox (ジボーダン)(イソロンジフオレンエポ
キシド) 25 エチレンブラシレート 200 Fixolide (ジボーダン)(7−アセチル−1,1,3,4,
4,6−ヘキサメチルテトラリン) 200 アミルサルチレート 40 ジプロピレングリコール(DPG) 278 計 950 ムスクフラグランスにI50部(5.0%)を加えると、フ
ラグランスの強度を大いに増し、ムスクノートの強度と
性質を改善する。Ia30部を使つて類似の効果を得ること
が出来る。ビヤクダン油又は化合物XIIを使つて同一効
果は得られない。

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)以下の式Ia (式中、シクロペンテン環の1位の不斉炭素原子
    (R*)又は(S*)配置を示す)を有する(2R*,3S*)−
    (E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
    ペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−4−エン−2
    −オール化合物。
  2. 【請求項2】芳香付与成分として、以下の式Ia (式中、シクロペンテン環の1位の不斉炭素原子
    (R*)又は(S*)配置を示す)を有する(2R*,3S*)−
    (E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
    ペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−4−エン−2
    −オール化合物からなる芳香組成物。
  3. 【請求項3】活性成分として少なくとも10%の式Iaの化
    合物からなる特許請求の範囲第2項記載の芳香組成物。
  4. 【請求項4】活性成分として少なくとも25%の式Iaの化
    合物からなる特許請求の範囲第3項記載の芳香組成物。
  5. 【請求項5】活性成分として少なくとも40%の式Iaの化
    合物からなる特許請求の範囲第3項記載の芳香組成物。
  6. 【請求項6】活性成分として少なくとも50%の式Iaの化
    合物からなる特許請求の範囲第3項記載の芳香組成物。
  7. 【請求項7】活性成分として少なくとも90%の式Iaの化
    合物からなる特許請求の範囲第3項記載の芳香組成物。
  8. 【請求項8】ア)50〜100%の式Iaの化合物、 イ)0〜45%の以下の式Ib (式中、シクロペンテン環の1位の不斉炭素原子
    (R*)又は(S*)配置を示す)を有する(2R*,3R*)−
    (E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
    ペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−4−エン−2
    −オール化合物、 ウ)0〜12%の(E)−6−(2,2,3−トリメチルシク
    ロペンタ−3−エン−1−イル)−ヘキサ−5−エン−
    3−オール、 エ)0〜10%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−3−エ
    ン−2−オール、及び、 オ)0〜10%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタン−2−
    オール、から本質的になる特許請求の範囲第3項記載の
    芳香組成物。
  9. 【請求項9】ア)40〜65%の式Iaの化合物、 イ)25〜45%の式Ibの化合物、 ウ)0〜12%の(E)−6−(2,2,3−トリメチルシク
    ロペンタ−3−エン−1−イル)−ヘキサ−5−エン−
    3−オール、 エ)0〜5%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−3−エ
    ン−2−オール、及び、 オ)0〜5%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタン−2−
    オール、から本質的になる特許請求の範囲第3項記載の
    芳香組成物。
  10. 【請求項10】ア)式Iaの化合物が40〜60%の量で存在
    し、 イ)式Ibの化合物が30〜45%の量で存在し、 ウ)(E)−6−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−
    3−エン−1−イル)−ヘキサ−5−エン−3−オール
    が10%未満の量で存在する、特許請求の範囲第9項記載
    の芳香組成物。
  11. 【請求項11】式Iaの化合物の濃度が全芳香付与成分の
    0.05〜25%になる量が添加される、特許請求の範囲第2
    項記載の芳香組成物。
  12. 【請求項12】式Iaの化合物の濃度が全芳香付与成分の
    0.1〜10%になる量が添加される、特許請求の範囲第11
    項記載の芳香組成物。
  13. 【請求項13】(E)−3−メチル−5−(2,2,3−ト
    リメチルシクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ
    −4−エン−2−オンを還元することからなる、(E)
    −3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ
    −3−エン−1−イル)−ペンタ−4−エン−2−オー
    ルの製造方法。
  14. 【請求項14】以下の式Ia (式中、シクロペンテン環の1位の不斉炭素原子
    (R*)又は(S*)配置を示す)を有する(2R*,3S*)−
    (E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
    ペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−4−エン−2
    −オール化合物の着香有効量を添加することからなる、
    芳香化合物の改良方法。
  15. 【請求項15】実質的に純粋な式Iaの化合物の着香有効
    量を添加することからなる、特許請求の範囲第14項記載
    の芳香化合物の改良方法。
  16. 【請求項16】芳香付与成分として少なくとも10%の式
    Iaの化合物からなる芳香組成物の着香有効量を添加する
    ことからなる、特許請求の範囲第14項記載の芳香化合物
    の改良方法。
  17. 【請求項17】添加される物質は少なくとも40%の式Ia
    の化合物である、特許請求の範囲第14項記載の芳香化合
    物の改良方法。
  18. 【請求項18】添加される物質は少なくとも50%の式Ia
    の化合物である、特許請求の範囲第14項記載の芳香化合
    物の改良方法。
  19. 【請求項19】添加される物質は少なくとも90%の式Ia
    の化合物である、特許請求の範囲第14項記載の芳香化合
    物の改良方法。
  20. 【請求項20】添加される物質は、 ア)40〜100%の式Iaの化合物、 イ)0〜45%の以下の式Ib (式中、シクロペンテン環の1位の不斉炭素原子
    (R*)又は(S*)配置を示す)を有する(2R*,3R*)−
    (E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチルシクロ
    ペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−4−エン−2
    −オール化合物、 ウ)0〜12%の(E)−6−(2,2,3−トリメチルシク
    ロペンタ−3−エン−1−イル)−ヘキサ−5−エン−
    3−オール、 エ)0〜10%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−3−エ
    ン−2−オール、及び、 オ)0〜10%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタン−2−
    オール、から本質的になる、特許請求の範囲第14項記載
    の芳香化合物の改良方法。
  21. 【請求項21】添加される物質は、 ア)40〜65%の式Iaの化合物、 イ)25〜45%の式Ibの化合物、 ウ)0〜12%の(E)−6−(2,2,3−トリメチルシク
    ロペンタ−3−エン−1−イル)−ヘキサ−5−エン−
    3−オール、 エ)0〜5%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタ−3−エ
    ン−2−オール、及び、 オ)0〜5%の3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル
    シクロペンタ−3−エン−1−イル)−ペンタン−2−
    オール、から本質的になる、特許請求の範囲第20項記載
    の芳香化合物の改良方法。
  22. 【請求項22】ア)式Iaの化合物が45〜60%の量で存在
    し、 イ)式Ibの化合物が30〜45%の量で存在し、 ウ)(E)−6−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−
    3−エン−1−イル)−ヘキサ−5−エン−3−オール
    が10%未満の量で存在する、特許請求の範囲第20項記載
    の芳香化合物の改良方法。
  23. 【請求項23】式Iaの化合物の濃度が全芳香付与成分の
    0.05〜25%になる量が添加される、特許請求の範囲第14
    〜22項のいずれか1項に記載の芳香化合物の改良方法。
  24. 【請求項24】式Iaの化合物の濃度が全芳香付与成分の
    0.1〜10%になる量が添加される、特許請求の範囲第23
    項記載の芳香化合物の改良方法。
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