JP2602462B2 - 射出スリーブの断熱潤滑方法 - Google Patents

射出スリーブの断熱潤滑方法

Info

Publication number
JP2602462B2
JP2602462B2 JP4171932A JP17193292A JP2602462B2 JP 2602462 B2 JP2602462 B2 JP 2602462B2 JP 4171932 A JP4171932 A JP 4171932A JP 17193292 A JP17193292 A JP 17193292A JP 2602462 B2 JP2602462 B2 JP 2602462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection sleeve
lubricant
liquid lubricant
heat
sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4171932A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05337621A (ja
Inventor
一彦 渡辺
英人 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ryobi Ltd filed Critical Ryobi Ltd
Priority to JP4171932A priority Critical patent/JP2602462B2/ja
Publication of JPH05337621A publication Critical patent/JPH05337621A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2602462B2 publication Critical patent/JP2602462B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出スリーブの断熱潤滑
方法に関し、特に射出スリーブ内での溶湯の凝固を断熱
効果によって防止し、併せて該射出スリーブと該スリー
ブ内を摺動するプランジャとの摺動潤滑性を向上させる
ことが可能な射出スリーブの断熱潤滑方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳造装置における射出スリー
ブに対して、油、または油、ワックス、樹脂等を水に分
散させた液状潤滑剤を、スプレー、滴下等の技術により
塗布することが行われている。しかしながら、該従来方
法では油分が直接高温の溶湯に触れるために、スリーブ
内でガス化し溶湯に巻き込まれて、鋳造品の品質を低下
させるという欠点があった。また、該液状潤滑剤自体は
充分な断熱性を有していないため、射出スリーブ内で溶
湯の凝固が生じ、その結果鋳造品の強度の低下や品質の
ばらつき、内部欠陥等が多く発生していた。
【0003】このような従来の欠点を克服するため特開
平1−118353号公報や特開平3−204151号
公報では、スプレー、静電塗布等により、自己潤滑性を
有する粉体を粉体のまま直接射出スリーブの内周面(潤
滑面)に塗布する技術が記載されている。そして、粉体
自体に有する熱安定性、断熱性によって、上記欠点の克
服を図っている。また、特公平2−24622号公報で
は、射出スリーブにまず潤滑剤を塗布し、ついで潤滑剤
層の上にススをバーナで塗布し、潤滑剤の作用により射
出スリーブに対するプランジャチップの摺動を円滑に
し、ススの作用により湯温の低下を抑えて湯流れを良好
とすることを企図した断熱潤滑方法について記載してい
る。具体的にはススを塗布したことにより潤滑剤が溶湯
と直接接触せずガスの発生が防止できること、及びスス
は潤滑剤で保持されているので接着強度が大きく溶湯の
流動により流されることが少ないことに着目している。
なお潤滑剤としては黒鉛の粒子を特殊溶剤で溶かした黒
鉛系のものや酸化物系あるいは硝酸セリサイト系を、ス
スの生成のためにはアセチレンガスが用いられる。更に
特表平4−507218号公報では、ダイカスト方法に
関して、ハロゲン塩含有潤滑剤、例えばよう化カリウム
含有の潤滑剤を使用することによるアルミ溶湯のダイス
壁面への付着防止や、水基潤滑剤(乳濁液、水可溶註合
成物、分散液、又は懸濁液)使用によるスリーブ熱伝達
減少について記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし特開平1−11
8353号公報や特開平3−204151号公報記載の
発明では、粉体自体は液状潤滑剤に比較して潤滑性に乏
しく、そのため射出スリーブやプランジャの摺動面の摩
耗量が多くなるという欠点がある。また、粉体の射出ス
リーブに対する付着力が極めて弱く、ラドルからの注湯
時及び射出時に、溶湯や空気の流れによって粉体が射出
スリーブから遊離して断熱効果が得られなくなるという
欠点がある。更に、射出スリーブに付着可能な粉体の量
は当然に制約を受けるため、充分な粉体層が形成され
ず、その厚みが薄く、充分な断熱効果が得られない、と
いう不都合が生じる。加えて、ボロン、黒鉛、二硫化モ
リブデン等の自己潤滑性粉体は一般に高価であり、それ
らのスリーブからの離脱は鋳造コストのうえからも問題
である。また特公平2−24622号公報記載の発明で
は、アセチレンガスが生成するススの量は限られてお
り、ススの粒子間にはきわめて小容量の空気が存在する
だけであるので十分な断熱性を得ることができない。ま
た塗布した潤滑剤の上からバーナであぶると、潤滑剤が
燃えてなくなり、潤滑効果が得られなくなる。また潤滑
剤の燃焼を避けようとすると、ススの塗布量が更に小さ
いものとなる。加えて、ススが溶湯に接触すると気化ま
たは燃焼してガス化し、製品中に巻き込まれ、製品の品
質が低下する。更に特表平4−507218号公報記載
の発明では、水溶性潤滑剤を使用しているので、熱伝達
係数が高く断熱性が著しく劣る。
【0005】そこで本発明は、潤滑性と断熱性の両特性
を向上させると共に製品への油分解ガスの混入の生じ
ず、十分な量の断熱性粉体が供給でき、断熱性粉体層形
成過程で潤滑剤層の消失がない射出スリーブの断熱潤滑
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め本発明では(a)潤滑性を有する液状潤滑剤を射出ス
リーブの内周面に塗布して液状潤滑剤層を形成する工程
と、(b)該液状潤滑剤が乾燥する前に該液状潤滑剤層
上にタルク、雲母のうち何れか一種を含む断熱性粉体を
付着させ粉体層を形成する工程とを有した射出スリーブ
の断熱潤滑方法を提供している。
【0007】
【作用】射出スリーブ内周面に液状潤滑剤層をまず形成
し、その上に断熱性粉体層を形成する。よって断熱性粉
体層は該潤滑剤が有する粘性により大量に付着可能とな
る。そのためエアー、溶湯による断熱性粉体の射出スリ
ーブからの遊離を防止または低減でき、充分な断熱効果
を発揮することができる。また溶湯熱は断熱性粉体層の
存在により直接液状潤滑剤に伝達されず、液状潤滑剤の
主成分である油の熱によるガス化を防止でき、製品への
ガスの混入が著しく減少でき、製品の品質を維持向上す
ることができる。更に断熱性粉体層の存在により、溶湯
はスリーブと接しないので、スリーブの溶損が防止でき
る。
【0008】
【実施例】本発明による射出スリーブの断熱潤滑方法の
1実施例について、図1に基づき説明する。まず、射出
スリーブ1の内周面に液状潤滑剤をスプレーまたは滴下
により塗布し、液状潤滑剤層2を形成する。液状潤滑剤
としては、植物油、鉱物油等の油、又は水に油を分散さ
せたエマルジョンタイプの水溶性潤滑剤が用いられる。
液状潤滑剤は更に、油中に黒鉛等の個体潤滑剤を含むも
のであっても良い。
【0009】次に該液状潤滑剤層2が乾燥する前に断熱
性粉体を該液状潤滑剤層2上に塗布して、断熱性粉体層
3を形成する。断熱性粉体としては例えば安価なタルク
(滑石)が用いられる。その他雲母でもよい。
【0010】次に本発明の断熱潤滑方法の優越性を確認
するため以下のような実験を行った。検討項目として
は、断熱性、潤滑性、ガス量、プランジャチップ寿命、
引張り強度がある。断熱性は製品の外観検査に基づき湯
廻りの良否により判定した。潤滑性は射出スピードを計
測して判定した。ガス量は製品を加熱溶解させ内包され
るガス量を測定した。チップ寿命は1000回の射出後
のチップ摩耗状態を外観検査により判定した。引張り強
度はASTM引張り試験機により、鋳造品の引張り強度
を判定した。
【0011】試験条件は以下のとおりである。 射出成形機: 90トン(東芝機械製ダイカストマシ
ン) 合金: ADC10 湯温: 720℃ 鋳造圧力: 750kg/cm2 射出速度: 1.0m/秒 充填率: 30%
【0012】比較試料1〜3を用意した。試料1は粉体
潤滑剤のみであり、タルク(滑石)と樹脂の混合比を
9:1としたものをエアーで射出スリーブ内周面に供給
した。試料2は黒鉛混入の油状潤滑剤であり、滴下にて
供給した。試料3は水性縣濁コロイダル黒鉛でありスプ
レーにて供給した。本発明品として、試料4、5を用意
した。試料4はまず、油をスプレーにて噴霧し、次に断
熱性粉体であるタルクをエアーにより油膜上に供給し
た。試料5はエマルジョンタイプの水溶性潤滑剤をスプ
レーにより噴霧し、次に断熱性粉体であるタルクをエア
ーにて潤滑剤層上に形成した。
【0013】判定結果を
【表1】に示す。
【表1】において、二重丸◎は極めて良好な判定結果
を、丸○は良好な判定結果を、三角△は良否が混在する
判定結果を、バツ×は不良な判定結果を示す。
【0014】
【表1】 断熱性 潤滑性 ガス量 チップ寿命 引張り強度 試料1 ○ △ ◎ × ○ 試料2 × ◎ × ○ × 試料3 △ × ○ × △ 試料4 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 試料5 ◎ ○ ○ ○ ○
【0015】表1から明らかなように、本発明による試
料4、5は比較試料1乃至3に比較して断熱性、潤滑
性、ガス量、チップ寿命、引張り強度の全ての観点で良
好な判定結果を得ることができた。
【0016】次に、本発明に基づく試料6として、植物
油、鉱物油を主成分とする油性潤滑油を射出スリーブ内
周面にスプレーし、次にタルクをエアーにて油性潤滑油
上に供給した。試験条件は以下のとおりである。 射出成形機: 500トン(東芝機械製ダイカストマシ
ン) 合金: A390 湯温: 720℃ 鋳造圧力: 800kg/cm2 射出速度: 0.2m/秒 充填率: 60% かかる条件下でも、良好な湯廻り性を発揮し、湯温を7
00℃まで下げても湯廻りは依然良好であった。またチ
ップ寿命、ガス量も油性潤滑油をスプレーした場合に比
較して良好であり、引張り強度もそれより5%向上し
た。
【0017】
【0018】
【発明の効果】以上、本発明によるスリーブの断熱潤滑
方法によれば、以下のような効果を発揮することができ
る。 (1)液状潤滑剤を射出スリーブに塗布しているので、
プランジャチップとスリーブとの潤滑性が良好に保たれ
摩耗の問題が生じない。 (2)液状潤滑剤が射出スリーブにまず塗布されるの
で、その上に形成される断熱性粉体層は該潤滑剤が有す
る粘性により比較的強固にかつ大量に付着可能となる。
そのためエアー、溶湯による断熱性粉体の射出スリーブ
からの遊離を防止または低減でき、充分な断熱効果を発
揮することができる。 (3)断熱性粉体は常に液状潤滑剤層の上に形成されて
いるので、高温の溶湯熱が直接液状潤滑剤に伝達され
ず、液状潤滑剤の主成分である油の熱によるガス化を防
止でき、製品へのガスの混入が著しく減少でき、製品の
品質を維持向上することができる。ここで断熱製粉体層
は液状潤滑剤層上にタルク、雲母の粉体のうち何れか一
種を付着させて形成しているので、粉体自身に空気層が
層状に多量に存在し、且つ断熱性粉体の量もススの場合
より格段に多く塗布でき、高い断熱性を発揮することが
できる。また断熱性粉体層の形成の際の液状潤滑剤の燃
焼の問題も生じない。 (4)粉体自体に潤滑性や付着性を具備させる必要がな
く、従来のように高価な自己潤滑性粉体を用いる必要が
ない。よって、経済性の点で有利である。 (5)液状潤滑剤と断熱性粉体とを選択的に併用するこ
とで、断熱性、潤滑性、価格等の観点での選択の自由度
が増し、広範な使用範囲を提供可能となる。 (6)断熱性粉体層によりスリーブを溶湯が直接触れな
いため、溶湯によるスリーブの溶損が防止され、寿命を
のばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出スリーブの断熱潤滑状態を示
した概略断面図。
【符号の説明】
1:射出スリーブ 2:液状潤滑剤 3:断熱性粉体 4:溶湯

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑性を有する液状潤滑剤を射出スリー
    ブの内周面に塗布して液状潤滑剤層を形成する工程と、 該液状潤滑剤が乾燥する前に該液状潤滑剤層上にタル
    ク、雲母のうち何れか一種を含む断熱性粉体を付着させ
    粉体層を形成する工程とを有することを特徴とする射出
    スリーブの断熱潤滑方法。
JP4171932A 1992-06-05 1992-06-05 射出スリーブの断熱潤滑方法 Expired - Fee Related JP2602462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4171932A JP2602462B2 (ja) 1992-06-05 1992-06-05 射出スリーブの断熱潤滑方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4171932A JP2602462B2 (ja) 1992-06-05 1992-06-05 射出スリーブの断熱潤滑方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05337621A JPH05337621A (ja) 1993-12-21
JP2602462B2 true JP2602462B2 (ja) 1997-04-23

Family

ID=15932507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4171932A Expired - Fee Related JP2602462B2 (ja) 1992-06-05 1992-06-05 射出スリーブの断熱潤滑方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2602462B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5864362B2 (ja) * 2012-05-28 2016-02-17 スギムラ化学工業株式会社 ダイカスト用離型剤塗膜の検出方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5213989B2 (ja) * 1974-08-12 1977-04-18
JPS55133843A (en) * 1979-04-05 1980-10-18 Sintokogio Ltd Facing material
JPH0224622A (ja) * 1988-07-14 1990-01-26 Sony Corp カラーレーザー熱書込液晶プロジェクタ
JPH0489168A (ja) * 1990-07-31 1992-03-23 Ahresty Corp 射出スリーブ内面への粉状断熱剤の塗布装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05337621A (ja) 1993-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8574686B2 (en) Microwave brazing process for forming coatings
KR101274122B1 (ko) 알루미늄 납땜용 페이스트상 조성물, 그것이 도포된알루미늄 함유 부재 및 그것을 이용한 알루미늄 함유부재의 납땜 방법
US3986899A (en) Atomized copper brazing paste
CN101198712B (zh) 气缸衬套涂敷涂层的方法
JP2602462B2 (ja) 射出スリーブの断熱潤滑方法
JPS6149376B2 (ja)
US2594313A (en) Furnace brazing compositions
JP2002282997A (ja) 低速ダイカスト用離型剤
JPS6315987B2 (ja)
JPH0767636B2 (ja) ろうペースト用バインダー
US2751312A (en) Lubricant composition containing powdered lithium carbonate and method of its application to metal bodies
US2115127A (en) Heat resistive coating for metals
JPS6057411B2 (ja) Al合金鋳造金型用離型剤
JPH03243250A (ja) 平滑な表面性状をもつアルミニウム系金属薄帯の製造方法
US2805178A (en) Welding flux composition
JP2003025058A (ja) Al合金製鋳込み部材とこのAl合金製鋳込み部材の鋳込み方法
JPS6376792A (ja) 溶接スパッタ付着防止剤
JPH0710420B2 (ja) アルミニウム合金鋳造用金型離型剤
JP2577586B2 (ja) 鋳造装置における射出スリ−ブ用潤滑剤
US1898933A (en) Wim-ding rod
JPS63230797A (ja) 速硬化型耐熱潤滑剤
US1965949A (en) Mold for casting ferrous metals
JP2951521B2 (ja) 鋳造装置におけるプランジャーチップの潤滑方法
US2171306A (en) Welding rod
JPH0251592A (ja) 高温用潤滑剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees