JP2602167Y2 - ベーンポンプ - Google Patents

ベーンポンプ

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JP2602167Y2
JP2602167Y2 JP1993056485U JP5648593U JP2602167Y2 JP 2602167 Y2 JP2602167 Y2 JP 2602167Y2 JP 1993056485 U JP1993056485 U JP 1993056485U JP 5648593 U JP5648593 U JP 5648593U JP 2602167 Y2 JP2602167 Y2 JP 2602167Y2
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vane
rotor
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晋之 斉藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ベーンポンプの構造に
関し、特に、滑らかな内部圧力変動を得るための構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】ベーンポンプは周知のように、カムリン
グの内部でロータが回転し、ロータから放射状に複数の
ベーンが出没可能に設けられている。これらベーンが、
カムリングとロータの間を複数のベーン室に区切る。カ
ムリングの内周面が楕円曲面であることで、あるいは円
筒曲面のカムリングに対しロータがカムリングに対し偏
心して設けられることで、カムリングとロータとの間
は、回転に伴い広さが変化する。これにより各ベーン室
も回転に伴い容積が変化する。この容積変化によりベー
ン室には内部圧力変動が生じる。このようにして各ベー
ン室は回転に伴い、容積が小さくなって圧力が上昇する
昇圧遷移区間、高い圧力が維持される高圧区間、容積が
大きくなり圧力が下降する降圧遷移区間、および低い圧
力を維持する低圧区間の各区間を移動する。高圧区間に
は、高圧となった液体即ち油や水を吐出する吐出ポート
が設けられ、低圧区間には流体を吸込む吸込ポートが設
けられる。
【0003】また、カムリング、ロータ、およびベーン
の側面に接してサイドプレートが設けられる。このサイ
ドプレートには前記吐出ポートや前記吸込ポートが形成
される。また吐出された高圧の流体を導く背圧部が形成
される。この背圧部は、前記回転するロータに形成され
た背圧孔へ接する。よって、背圧孔の内部に送られた圧
力により、ベーンは突出方向に付勢される。この突出し
たベーンの先端は、カムリングの内周曲面に圧接する。
このようなベーンポンプの振動騒音発生原因の1つとし
て、急激な内部圧力変動が挙げられる。従来、内部圧力
変動を滑らかにするためには、カムリングの形状をうま
く調整し、カムリングとロータとベーンで構成されるベ
ーン室の大きさが回転に伴い急激に変化しないようにし
て昇圧遷移区間での予圧縮量を調整するか、あるいは吐
出ポートや吸込ポートにノッチと呼ばれる切欠を形成
し、ベーン室の移動に伴いこれらポートとベーン室の連
通が序々に行われる方法がとらえてきている。また、よ
り滑らかに圧力変動を得るために、特開昭54−647
08に記載された技術は、吐出流路の高圧の流体を昇圧
遷移区間に連通するため小孔部を設けている。この連通
により、昇降遷移区間を移動しつつあるベーン室へ高圧
の流体を導きベーン室の圧力を滑らかに昇圧させるもの
である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭54−64708の技術によれば、小孔部の精度の
確保が難しいものであった。即ち、小孔部を通過する流
体の流量Qは(数1)のように表せる。
【数1】 この式によると、流量Qを制御できるパラメータは、流
量係数cおよび開口面積Aの2つがある。cを制御する
には、小孔部の実際の形状を複雑にする必要があり、加
工上なかなか難しい。従って、流量Qはいわば小孔の開
口面積Aにより決まり、Aの値のみで滑らかな内部圧力
変動を得るための圧力カーブ(図4参照)を操作しなけ
ればならず、困難になる。例えば、複数の小径部を形成
する必要が生じ、加工上の問題が生じる。更に、流量の
みならず圧力差を制御することを考えると、上の式は次
の(数2)のように変形され、
【数2】 面積Aに対する感度が高くなってしまい、精度の確保の
面から困難が生じる。本考案は以上の問題点を解決する
ために成されたもので、加工が容易で精度が確保しやす
く、滑らかな内部圧力変動を得ることができるベーンポ
ンプを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本考案は、ロータに接する側のサイドプレートの
面に予圧縮溝を形成し、この予圧縮溝の一端は背圧部に
連通または近接しており、他端は昇圧遷移区間または降
圧遷移区間を移動するベーン室に近接していることを特
徴とする。
【0006】
【作用】サイドプレートの背圧部からロータの背圧孔へ
高圧な流体を送ることでベーンを突出方向に付勢するベ
ーンポンプにおいては、この流体がサイドプレートとロ
ータとの隙間からある程度漏れるものであった。本考案
は、この漏れる流体を利用する。即ち、この流体は予圧
縮溝を通り昇圧遷移区間または降圧遷移区間のベーン室
に導かれる。導かれる流量は、予圧縮溝からベーン室ま
での距離、サイドプレートとロータの間の隙間の寸法、
隙間の幅の寸法を変えることで制御できる。また圧力差
の制御も同様である。また、予圧縮溝のサイドプレート
上における平面形状を調整することで、ロータの回転角
度に対応してベーン室への流量を調整でき、圧力カーブ
のより精密な制御が行える。
【0007】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図1乃至図4にお
いて説明する。まず、図1および図2において本実施例
のベーンポンプの全体概略を説明する。カムリング1は
内周曲面が楕円形状をしている。このカムリング1の内
部の中心で、ロータ3がシャフト4と共に回転する。ロ
ータ3には放射状に複数の深いベーン溝5が形成されて
いる。このベーン溝5の中に、それぞれベーン7が出没
可能に設けられている。ベーン溝5の奥底は背圧孔9と
なっており、後述するように高圧の流体が導かれ、この
圧力によりベーン7が突出方向に付勢される。従って、
各ベーン7の先端はカムリング1の内周曲面に圧接され
つつ、ロータ3の回転が行われる。これら複数のベーン
7は、カムリング1とロータ3の間を複数のベーン室1
1に区切る。前記したようにカムリング1は内周曲面が
楕円形状であるため、カムリング1の内周面とロータ3
の間の広さは、回転方向において変化する。従って、ベ
ーン室11は、ロータ3の回転に伴い移動しつつ、容積
が変動する。このベーン室11の容積がロータ3の回転
に伴い小さくなっていく区間を吐出区間という。(図
4)。逆に容積が大きくなっていく区間を吸込区間とい
う。吸込区間から吐出区間に移る行程を昇圧遷移区間と
いう。高い圧力が維持される区間を高圧区間という。逆
に、吐出区間から吸込区間に移る行程を降圧遷移区間と
いう。これら4つの区間はロータ3の回転方向に連続し
て存在する。カムリング1、ロータ3、およびベーン7
の一方の側面に接してサイドプレート13が設けられ
る。他方の側面にはポンプボデイ15のカバー17が設
けられる。
【0008】このサイドプレート13には、前記高圧区
間に吐出ポート19が形成され、高圧になった流体をポ
ンプから吐出する。また低圧区間には吸込ポート21が
形成され、低圧となったベーン室11内に外部から流体
を吸込む。吐出ポート19にはノッチ22と呼ばれる切
欠を形成し、ベーン室11の移動に伴い吐出ポート19
とベーン室11の連通が序々に行われるようにしてあ
る。更に、前記ベーン溝5の背圧孔9がロータ3の回転
に伴って移動する円周上に、背圧部23が形成される。
この背圧部23は前記吐出ポート19と内部で連通して
おり、高圧の流体が満たされている。このように背圧部
23と背圧孔9が接することで、回転するロータ3の背
圧孔9に対しても高圧の流体を送ることができる。しか
し、サイドプレート13に対しロータ3は回転するもの
であり、この回転が許容されるためには両者13、3の
間にはある程度の隙間が存在しなければならない。この
隙間から前記高圧の流体がある程度は漏れ出てしまうも
のであった。さて、サイドプレート13には予圧縮溝2
5が形成されている。この予圧縮溝25の一端は背圧部
23に近接している。他端は、昇圧遷移区間を移動する
ベーン室11に近接している。これにより、背圧部23
から漏れた前記高圧の流体を予圧縮溝25を通して、ベ
ーン室11に導く(図3)。
【0009】本実施例において、予圧縮溝25からベー
ン室11へ導かれる流体の流量Qは次の(数3)で表さ
れる。
【数3】 この式において流量Qを制御するためのパラメータは、
圧力差ΔP、予圧縮溝からベーン室までの距離L、サイ
ドプレート13とロータ3の隙間寸法δ、隙間の幅寸法
Wがある。また、圧力差ΔPの制御を、予圧縮溝25の
調整により背圧部23からの圧力を変えて行うことがで
きる。更に、予圧縮溝25のサイドプレート13面上で
の形状を調整することで、ロータ3の回転角度に対する
前記L、W、δを変え、流体が昇圧遷移区間にあるベー
ン室11へ流入するタイミングを変化させることがで
き、これにより、滑らかな内部圧力変動を得るための昇
圧遷移区間の圧力カーブを操作する(図4の点線)こと
ができる。更に、予圧縮溝25の加工は、従来技術の小
孔部に比べても容易であり、生産上の問題も生じない。
このように、予圧縮溝25からベーン室11へ導かれ
る高圧流体の流量Qは、従来よりも数が多いパラメータ
で制御される。しかも、これらのパラメータは溝の平面
形状により、ロータの回転角度に応じて変化させること
ができる。このため、従来よりも複雑な制御を行うこと
が可能となる。よって、滑らかな内部圧縮変動を得るた
めの制御の精度を確保できる。
【0010】なお、以上の実施例においては、予圧縮溝
25の一端は背圧部23に近接しており他端はベーン室
11に近接しているものであった(図1)。他の実施例
においては図5に示すように予圧縮溝25の他端をへの
字状に曲げ、昇圧遷移区間の早い位置からベーン室11
に近接させることもできる。また、図6に示すように予
圧縮溝25を複数設けることもできる。あるいは図7に
示すように予圧縮溝25の平面形状をU字状にし、予圧
縮溝25の他端が昇圧遷移区間において、ロータ3の回
転に伴って序々にベーン室11に近接していくようにし
てもよい。更に図8に示すように、予圧縮溝25の平面
形状をV字形状とすることもできる。また、図9に示す
ように予圧縮溝25を降圧遷移区間においても設けるこ
とができる。これにより、降圧遷移区間においても滑ら
かな内部圧力変動を得ることができる。
【0011】
【考案の効果】以上説明したように本考案のベーンポン
プによれば、ロータに接するサイドプレートの面に予圧
縮溝を形成して、背圧部から漏れる高圧流体を、この予
圧縮溝により、昇圧遷移区間または降圧遷移区間を移動
するベーン室に導くことにより、滑らかな内部圧力変動
を得る。このときの流量や圧力差は、予圧縮溝からベー
ン室までの距離、サイドプレートとロータの隙間寸法、
隙間の幅寸法により制御でき、従来に比べ制御のための
加工が容易であり、制御の精度が確保しやすくなる。
また、予圧縮溝のサイドプレート上における平面形状を
変化させることで、ロータの回転角度に対応してベーン
室への流量を調整でき、圧力カーブをより精密に制御で
き、より滑らかな内部圧力変動を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すベーンポンプの全体横
断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1の作用を説明するための圧力カーブを示す
図である。
【図5】他の実施例におけるサイドプレートの図であ
る。
【図6】他の実施例におけるサイドプレートの図であ
る。
【図7】他の実施例におけるサイドプレートの図であ
る。
【図8】他の実施例におけるサイドプレートの図であ
る。
【図9】他の実施例におけるサイドプレートの図であ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 2/30 - 2/352 F04C 18/30 - 18/352

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】カムリングの内部でロータが回転し、ロー
    タから放射状に複数のベーンが出没可能に設けられ、こ
    れらベーンがカムリングとロータの間を複数のベーン室
    に区切り、前記カムリング、ロータ、およびベーンの側
    面に接してサイドプレートが設けられ、サイドプレート
    に形成された背圧部からロータに形成された背圧孔へ送
    られた圧力により前記ベーンが突出方向に付勢され、ベ
    ーンの先端がカムリングの内周曲面に圧接するベーンポ
    ンプにおいて、前記ロータに接する側の前記サイドプレ
    ートの面に予圧縮溝を形成し、この予圧縮溝の一端は前
    記背圧部に近接しており、他端は昇圧遷移区間または降
    圧遷移区間を移動する前記ベーン室に近接しているベー
    ンポンプ。
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