JP2601996Y2 - 水中翼船におけるウォータージェットポンプ用可変取水口 - Google Patents

水中翼船におけるウォータージェットポンプ用可変取水口

Info

Publication number
JP2601996Y2
JP2601996Y2 JP1993034277U JP3427793U JP2601996Y2 JP 2601996 Y2 JP2601996 Y2 JP 2601996Y2 JP 1993034277 U JP1993034277 U JP 1993034277U JP 3427793 U JP3427793 U JP 3427793U JP 2601996 Y2 JP2601996 Y2 JP 2601996Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
variable
intake
lip
hydrofoil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1993034277U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH076099U (ja
Inventor
満伸 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP1993034277U priority Critical patent/JP2601996Y2/ja
Publication of JPH076099U publication Critical patent/JPH076099U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2601996Y2 publication Critical patent/JP2601996Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はウオータージェットポン
プの取水口に関し、更に詳しくは、低速時にはウオータ
ージェットポンプが必要とする多くの取水が可能で、高
速航走時には船体抵抗を増加することがない可変取水口
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ウオータジェットポンプ(以下、
単にWJポンプという。)は高速船舶用の推進機として
多用されている。
【0003】このWJポンプを採用する船型としては、
例えば図9(a)の概略側面図と(b)のE−E矢視図に示す
ように、船体1と浮体となる没水体2とをストラット4
により連結し、この没水体2の両側面に水中翼3を設け
た水中翼船Jがある。
【0004】この水中翼船Jには、没水体2下部である
船底に取水口50が設けられており、この取水口50か
ら取水された水は取水管路6を通って、主機関7によっ
て駆動されるWJポンプ8により加圧されて船体後方へ
と噴出される。
【0005】このような水中翼船Jは、低速時には船体
1が多少水中に没する艇走状態で航走し、高速時には没
水体2の浮力と水中翼3の揚力により船体1が水面Wか
ら浮上した図示する状態の翼走となる。
【0006】この図9(a),(b) に示す取水口50はフラ
ッシュ型取水方式であり、没水体2下面には取水口50
の開口が船底から突出することなく設けられ、この取水
口50から取水した水をWJポンプ8により噴出して推
力を得るものである(従来例1)。
【0007】一方、図10(a) の概略側面図と(b) のF
−F矢視図に示す取水口51は、ポッド式取水方式を示
しており、没水体2の下部である船底から突出した取水
ポッド52が設けられており、この船底に突出した取水
ポッド52前面の取水口51から取水した水をWJポン
プ8により噴出して推力を得るものである(従来例
2)。
【0008】なお、この種の従来技術として、実開平1
−112199号公報があり、この公報記載の考案は、
導入ダクト(取水口)に設けた吸込口を、導入ダクトに
対して進退可能に構成したものである(従来例3)。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
1及び2に示す水中翼船Jのように、船体1が離水する
ような船舶の場合には水面WからWJポンプ8の位置ま
での揚程が高く、その吸込ヘッドに対応するための十分
な水圧がないとWJポンプ8を効率良く駆動することが
できない。
【0010】つまり上記従来例1は、船底から突出する
ものがないため、取水口50において船体抵抗を増加す
ることはないが、この従来例1では取水効率が悪いため
高速時は問題ないが低速時には吸込み圧力が低く、WJ
ポンプ8を駆動するに十分な圧力を得る取水が極めて難
しかった。このため、フラッシュ型は吸込抵抗が大きい
取水管路6を持った水中翼船等の船舶への適用は難し
い。
【0011】一方、上記従来例2では、船底から突出し
た取水ポッド52前面の取水口51から水が取水される
ため、低速時の取水効率は非常に良いが、反面高速時に
はこの取水ポッド52が船体抵抗上大きな邪魔になり、
船体抵抗の増加を余儀無くしている。
【0012】この船体抵抗の増加は、船体形状にもよる
が考案者の研究では図11に示すような関係となり、ポ
ッド型の船体抵抗はフラッシュ型の110%程度となる
ことが分かっている。つまり、同じ船速で船を走らせる
にはポッド型はフラッシュ型より主機関の出力を10%
大きくする必要があることになる。
【0013】ところで、ポンプ回転数を上げることによ
り発生スラストを増加させることができる。図13はこ
のポンプ回転数Nとポンプの発生スラストTHの関係を
示したグラフで、このグラフのように、発生スラストは
ポンプ回転数の2乗に比例する。また、図12に取水管
路の圧力とポンプ許容回転数の関係を示すが、このグラ
フのように、取水管路6の圧力が低い状態でポンプ許容
回転数を所定回転数以上に上げるとキャビテーション危
険域に入ってしまうので、所定圧力以下の場合にはポン
プ回転数を上げることができない。逆に取水管路の圧力
が高い程ポンプのキャビテーション上安全な領域とな
り、ポンプの許容回転を上げることができ発生スラスト
も大きくできる。
【0014】すなわち、図12と図13の関係から、取
水管路の圧力が高いほどポンプの回転数を上げることが
でき、この結果ポンプの発生スラストを大きくすること
が可能になることが判る。つまり、取水効率が高いほど
船体を短時間に高速航走できる加速性の優れた運行が可
能となる。
【0015】しかし、上述したように、従来例1にあっ
ては取水管路6の圧力を高くすることが難しく、取水管
路6の圧力を高くするために従来例2のごとく取水ポッ
ド52を設ける必要があるが、この場合には船体抵抗の
大幅な増加を余儀なくされてしまう。
【0016】なお、従来例3は、停止から発進する時に
は吸込口を格納した状態とし、高速航行時には進出させ
ることによって水を吸い込むものであり、この考案の場
合、船体の加速性能を改善する目的の船舶には適用する
ことができない。また、この考案は導入ダクトの傾斜角
度と同一方向にしか吸込口を進退させることができない
ため、突出させた場合、格納した時の開口面積よりも少
ない取水面積による吸込みとなり取水効率が悪い。
【0017】本考案は上記課題に鑑みて、船体抵抗の大
幅な増加を招くことなく、船速に応じて取水効率を最適
にすることができるウオータージェットポンプの可変取
水口を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案における第1のウオータージェットポンプ用
可変取水口は、低速時には船底が水中に没する艇走状態
で航走し、高速時には船体下部に設けた没水体の浮力と
水中翼の揚力で船体を水面から浮上させて翼走し、没水
体の底面に設けた取水口から吸い込んだ水を取水管路を
介して噴出する水中翼船におけるウオータージェットポ
ンプの取水口において、前記取水口の後部に回動軸を設
けると共に、該取水口の側部に膨出形成した格納室を設
け、該格納室に前記回動軸を回動させる駆動手段を取水
口と並列配置し、前記回動軸に可変リップを設けて該可
変リップを前記駆動手段で揺動自在に構成し、該可変リ
ップの両側部に、没水体底面の取水口前端部から緩やか
な傾斜で徐々に高さを増加させ、可変リップ格納時の
水管路側部における可変リップ先端部でほぼ最大高さと
なり、該最大高さ位置から緩やかな傾斜で徐々に高さを
減少させて可変リップの回動軸よりも後方位置で没水体
底面へと連続するサイドフェンスを設けたことを特徴と
するものである。
【0019】また本考案における第2のウオータージェ
ットポンプ用可変取水口は、低速時には船底が水中に没
する艇走状態で航走し、高速時には船体下部に設けた没
水体の浮力と水中翼の揚力で船体を水面から浮上させて
翼走し、没水体の底面に設けた取水口から吸い込んだ水
を取水管路を介して噴出する水中翼船におけるウオータ
ージェットポンプの取水口において、前記取水口の後部
に回動軸を設けると共に、該取水口の後方に該回動軸を
回動させる駆動手段を取水口と直列配置し、前記回動軸
に可変リップを設けて該可変リップを前記駆動手段で揺
動自在に構成し、該可変リップの両側部に、没水体底面
の取水口前端部から緩やかな傾斜で徐々に高さを増加さ
、可変リップ格納時の取水管路側部における可変リッ
プ先端部でほぼ最大高さとなり、該最大高さ位置から緩
やかな傾斜で徐々に高さを減少させて可変リップの回動
軸よりも後方位置で没水体底面へと連続するサイドフェ
ンスを設けたことを特徴とするものである。
【0020】更に本考案における第3のウオータージェ
ットポンプ用可変取水口は、上記取水管路のウオーター
ジェットポンプへ連なる後部壁面の下部曲り部に該取水
管路内の圧力を検出する圧力検出器を設け、該圧力検出
器で検出した吸込圧力に応じて最適な可変リップ揺動角
に調整すると共に、該可変リップの位置をフィードバッ
クさせてウオータージェットポンプを最適な取水効率で
運転することを特徴とするものである。
【0021】
【作用】上記第1の考案によれば、水中翼船の低速航行
時に取水口の後部に設けた回動軸を、取水口の側部に並
列配置した格納室内の駆動手段で回動させることにより
可変リップを揺動させて船底から突出させれば、水が可
変リップに沿って取水管路へ容易に吸い込まれる。ま
た、可変リップの両側部に設けたサイドフェンスによ
り、可変リップを作動させた時に取水した水が側部から
漏れるのを防ぐことができる。
【0022】また、第2の考案によれば、水中翼船の低
速航行時に取水口の後部に設けた回動軸を、取水口の後
方に直列配置した駆動手段で回動させることにより可変
リップを揺動させて船底から突出させれば、水が可変リ
ップに沿って取水管路へ容易に吸い込まれる。この場合
も、可変リップの両側部に設けたサイドフェンスによ
り、可変リップを作動させた時に取水した水が側部から
漏れるのを防ぐことができる。
【0023】更に、第3の考案によれば、上記第1又は
第2のウオータージェットポンプ用可変取水口における
作用と共に、圧力検出器で検出した吸込圧力に応じて最
適な可変リップ揺動角に調整し、この可変リップの位置
をフィードバックさせて、常にウオータージェットポン
プを最適な取水効率で運転することができる。
【0024】従って、いずれの考案においても低速時に
効率のよい取水が可能になる。また、高速航行時等の定
格出力時には、回動軸を駆動手段で回動させることによ
り可変リップを揺動させて船底に格納すれば、可変リッ
プが船体抵抗を増加させることはない。
【0025】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本考案の第1実施例に係る可変取水口Hを
示す縦断面図であり、図2は同可変取水口のA−A断面
図である。なお、以下の実施例では、上述した従来技術
の図9,図10と同じ水面Wからの揚程が大きい水中翼
船Jの取水口を例にし、上述した従来例と同一の構成に
は同一の符号を付して説明する。
【0026】図示するように、没水体2下部の船底に取
水口5が設けられており、この取水口5は、船首側から
船尾側へと流れる水を取り入れ易いように、没水体2の
底面から緩やかな曲面を描きながら垂直方向の取水管路
6へと連続するように形成されている。
【0027】この第1実施例では、駆動手段たる油圧シ
リンダ16を取水管路6と並列配置しており、取水口5
の両側部に没水体2と一体的に形成されたシリンダ格納
室10がサイドフェンス11をも形成するように膨出形
成されている。また、この取水口5後部には、両端部に
配設された軸受13Aにより支持軸12Aが没水体2側
に回動自在なよう軸支されており、この支持軸12Aに
はキー12aを介して回動軸14Aが一体的に設けら
れ、この回動軸14Aに可変リップ9が固着されてい
る。従って、支持軸12Aを回動させると回動軸14A
と共に可変リップ9が揺動可能なよう構成されている。
なお、この第1実施例では没水体2が1本であるため、
両側に対称形の格納室10,サイドフェンス11を形成
している。
【0028】この支持軸12Aの一端には作動レバー1
5Aが設けられ、作動レバー15Aの端部は駆動手段た
る油圧シリンダ16のピストンロッド17の端部と連結
されている。この油圧シリンダ16は船体側に支持され
ており、油圧配管19により圧油を供給するとピストン
ロッド17が進退して作動レバー15Aで可変リップ9
を揺動させるよう構成されている。また、支持軸12A
の他端には支持軸の回転角を検出するための角度検出器
18が設けられており、この角度検出器18からの信号
により可変リップ9の揺動角度が検出できるよう構成さ
れている。なお、軸受13Aの側部にシール部材26を
設けることにより水密構造を形成している。また、取水
管路6には圧力検出器20が設けられている。
【0029】次に、本考案の第2実施例を図3に示す第
2実施例の縦断面図と、図4に示す図3のB−B断面図
に基づいて説明する。なお、上述した第1実施例と同一
の構成には同一の符号を付して説明する。
【0030】この第2実施例は、上述した第1実施例に
おける駆動手段たる油圧シリンダ16の配置と、この油
圧シリンダ16による回動軸の駆動方法が異なってお
り、第2実施例では、油圧シリンダ16を取水管路6の
後方に直列配置している。また、没水体2の取水口5側
部にはサイドフェンス21が設けられており、このサイ
ドフェンス21の取水口5後部に支持軸12Bが一体的
に設けられ、この支持軸12Bに配設された軸受13B
により回動軸14Bが回動自在なよう支持されている。
この回動軸14Bには可変リップ9が固着されており、
回動軸14Bを回動させることにより可変リップ9が揺
動可能なよう構成されている。この第2実施例では、油
圧シリンダ16を取水口5と直列配置することにより可
変リップ9の回動機構をコンパクト化している。
【0031】この回動軸14Bの中央部には作動レバー
15Bが固着されており、この作動レバー15Bの端部
に駆動手段たる油圧シリンダ16のピストンロッド17
の端部が連結されている。この油圧シリンダ16は、没
水体2内に形成された格納室22内に配設されており船
体側に支持されている。この油圧シリンダ16は、油圧
配管19から圧油を供給するとピストンロッド17が進
退して作動レバー15Bを介して可変リップ9を揺動さ
せる。また、この油圧シリンダ16にはストローク検出
器23付を用いており、ピストンロッド17のストロー
クから可変リップ9の揺動角度を検出できるよう構成さ
れている。なお、取水管路6には圧力検出器20が設け
られている。
【0032】ところで、上記第2実施例では作動レバー
15Bを油圧シリンダ16の格納室22に挿入するた
め、この作動レバー15Bを挿入する挿入孔22aから
格納室22内に海水が侵入してしまう。しかし、油圧シ
リンダ16を海水中で使用することは技術的に可能であ
り問題はない。また、格納室22に海水が充満すると浮
体である没水体2の排水量が一部減少してしまうと共に
その海水重量が船の高速化に問題を生じる。そこで、こ
の格納室22に、例えば粒子状の発砲樹脂等を充填する
ことにより排水量の減少を最小限にすることも考えられ
る。この場合、図5に示す図4のC−C拡大断面図に示
すように、シール部材24を設けて挿入孔22aからの
充填材の漏れを防ぐ。なお、この充填材は比重が1以下
の物であれば液体等でもよい。
【0033】また、図6に示す図4の別なC−C拡大断
面図に示すように、例えば、回動軸14Bと連結した作
動レバー15Bの基部で、没水体2側との間にシール部
材25を配設することにより格納室22内への海水の侵
入を防止することも可能である。この場合、管路へ流入
する海水圧に耐え得るような耐圧型のシール部材25を
用いた構造にする必要があるが、油圧シリンダ16を海
水中で使用しなくなるので信頼性が向上する。
【0034】この第2実施例によれば、油圧シリンダ1
6を取水口5の後方に配置しているため、上述した第1
実施例におけるシリンダ格納室10を没水体2から膨出
形成する必要がなくなり、そのためこの格納室10によ
る船体抵抗の増加がなくなる。
【0035】ところで、上述した実施例ではいずれも駆
動手段に油圧シリンダ16を用いているが、図7に示す
第3実施例の縦断面図のように、電動機16Aを用いた
電動式の駆動手段であってもよい。この場合、油圧配管
19が電気配線となる。なお、この第3実施例における
他の構成は上述した第2実施例と同一であるため、同一
の構成には同一符号を付して説明は省略する。
【0036】以上のように構成した可変取水口Hを水中
翼船Jの取水口に適用した場合、図8(a) に示す水中翼
船の概略側面図と(b) に示すD−D矢視図のように、水
中翼船Jの没水体2の下部船底に設けられた取水口5か
ら取水される水は、可変リップ9を下方に揺動させるこ
とにより大幅に増加し、この取水口5から取水された水
は取水管路6を通って、主機関7により駆動されるWJ
ポンプ8で加圧されて船体後方へと噴出することにより
推力を発生して推進する。
【0037】この没水体2に設けた可変取水口Hの可変
リップ9作動状態を以下に説明する。なお、上述した第
1及び第2実施例における共通の構成、例えば、回動軸
14A,14Bは以下の説明では単に14と付して説明
する。
【0038】先ず、船速に応じて船体側に設けた油圧シ
リンダ16のピストンロッド17を進退させることによ
り作動レバー15を回動させると、この作動レバー15
の回動により、第1実施例では支持軸12を介して回動
軸14を、第2実施例では回動軸14を回動させ、回動
軸14と一体化した可変リップ9を揺動させる。
【0039】この可変リップ9の揺動は、取水管路6の
入口近傍に設けた圧力検出器20で測定した吸込圧力、
あるいはこの圧力検出器20と図示しない個所に設けた
圧力検出器で測定した吸込圧力とを演算し、その吸込圧
力に応じてWJポンプ8の性能特性から最適な可変リッ
プ9の揺動位置を調節する。このように取水管路6の壁
面に設けた圧力検出器20と角度検出器18又は油圧シ
リンダ16のストローク検出器23からの信号とを組合
せ可変リップ9を最適位置に揺動させる。
【0040】この調節は、船速の遅い時には吸込圧力が
低いので可変リップ9を突出するよう揺動させ、船速の
増加に従って吸込圧力が高くなると、この吸込圧力の増
加に伴って可変リップ9を除々に格納し、定格出力時に
は完全格納状態とする。このように、角度検出器18又
はストローク検出器23により検出した可変リップ9の
位置をフィードバックさせて、常にWJポンプ8に最適
な取水効率で運転することができる。なお、吸込圧力以
外にも海象状態等のデータをフィードバックさせるよう
にしておけば、より最適な取水効率にすることも可能で
ある。
【0041】また、本考案によれば可変リップ9を揺動
させる角度を任意に設定することができるため取水効率
の制御範囲も広い範囲で可能である。
【0042】更に、可変リップ9を突出するよう揺動さ
せた場合、取水管路6の断面積よりも取水口5の開口面
積を広くすることができ、広い面積の取水口5から狭い
面積の取水管路6へ水を入れることとなり、吸込圧力を
上げるのに極めて良好な形態となる。また、可変リップ
9の形状を取水管路6の曲面と近似するように形成して
いるため、可変リップ9を揺動させても取水される水の
抵抗が大幅に増加することなく滑らかに吸い込まれてい
く。なお、船底に設けたサイドフェンス11,21は、
可変リップ9を突出するよう作動させた時に取水した水
が可変リップ9の側部から漏れるのを防ぐ働きをする。
【0043】以上のように、本考案は基本的に船体抵抗
の小さいフラッシュ型の取水口を用い、船速の遅い領域
も取水口5に設けた可変リップ9を用いて取水効率を上
げ、これによってWJポンプ8の回転数を上げて発生ス
ラストを大きくさせることを可能とするものである。従
って、この可変取水口Hを採用することにより船体停止
から定格船速に至るまでの加速性が良くなり機敏な操船
が可能となる。
【0044】また、WJポンプ8の効率を落とすことな
く従来の取水ポッド52を不要とすることができるの
で、船体1の軽量化と共に船体抵抗の低減も可能であ
り、それによって高速化が可能となるだけではなく主機
関の燃費低減も可能となる。
【0045】なお、上述した実施例では船体1の下部に
没水体2を設けた水中翼船Jを例にしたが、没水体2を
有しない、例えば、従来例3の実開平1−112199
号のような船体形状の船舶であっても適用可能である。
【0046】また、上記実施例では、可変リップ9を揺
動させる駆動手段をアクチュエータである油圧シリンダ
16あるいは電動機16Aで構成しているが、空圧式等
の駆動手段であっても良く、特に限定されるものではな
い。更に、アクチュエータと回動軸14あるいは支持軸
12との連結も作動レバー15を用いたリンク機構に限
定されるものではない。
【0047】
【考案の効果】本考案によれば、低速時において、取水
口に設けた可変リップを突出するよう揺動させれば取水
効率を上げることが可能となるため、これによってウオ
ータージェットポンプの回転数を上げて発生スラストを
大きくすることができる。この可変リップの突出時に
は、可変リップの両側部に設けたサイドフェンスで取水
した水が可変リップ側部から漏れるのを防いで取水効率
を上げることができる
【0048】また、可変リップは船速の増加に伴って格
納することができるので、船体抵抗を増加することはな
い。
【0049】更に、可変リップの揺動角度を取水口圧力
や船速等と連動させれば常に最適な取水効率を得ること
が可能となり、これによってウオータージェットポンプ
の極めて効率的な運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る可変取水口の第1実施例を示す縦
断面図である。
【図2】図1に示す可変取水口のA−A断面図である。
【図3】本考案に係る可変取水口の第2実施例を示す縦
断面図である。
【図4】図3に示す可変取水口のB−B断面図である。
【図5】図4のC−C拡大断面図である。
【図6】図4の別なC−C拡大断面図である。
【図7】本考案に係る可変取水口の第3実施例を示す縦
断面図である。
【図8】本考案に係る可変取水口を設けた水中翼船を示
す図面で、(a) は概略側面図、(b) はD−D矢視図であ
る。
【図9】従来例1の取水口を設けた水中翼船を示す図面
で、(a) は概略側面図、(b) はE−E矢視図である。
【図10】従来例2の取水口を設けた水中翼船を示す図
面で、(a) は概略側面図で(b) はF−F矢視図である。
【図11】船速と船体抵抗との関係を示すグラフであ
る。
【図12】取水管路圧力とポンプ許容回転数との関係を
示すグラフである。
【図13】ポンプ回転数と発生スラストとの関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1…船体 2…没水体 3…水中翼 4…ストラット 5…取水口 6…取水管路 7…主機関 8…ウオータージェットポンプ 9…可変リップ 10…格納室 11…サイドフェンス 12A,12B…支持軸 13A,13B…軸受 14A,14B…回動軸 15A,15B…作動レバー 16…油圧シリンダ(駆動手段) 16A…電動機(駆動手段) 18…角度検出器 20…圧力検出器 21…サイドフェンス 22…格納室 23…ストローク検出器 H…可変取水口 J…水中翼船 W…水面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−213496(JP,A) 特開 昭51−60389(JP,A) 特開 昭49−32390(JP,A) 実開 平2−54698(JP,U) 実開 平2−82690(JP,U) 実開 昭60−92698(JP,U) 実開 昭64−33500(JP,U) 米国特許4373919(US,A) 英国公開4652244(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63H 11/103

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低速時には船底が水中に没する艇走状態
    で航走し、高速時には船体下部に設けた没水体の浮力と
    水中翼の揚力で船体を水面から浮上させて翼走し、没水
    体の底面に設けた取水口から吸い込んだ水を取水管路を
    介して噴出する水中翼船におけるウオータージェットポ
    ンプの取水口において、 前記取水口の後部に回動軸を設けると共に、該取水口の
    側部に膨出形成した格納室を設け、該格納室に前記回動
    軸を回動させる駆動手段を取水口と並列配置し、前記回
    動軸に可変リップを設けて該可変リップを前記駆動手段
    で揺動自在に構成し、該可変リップの両側部に、没水体
    底面の取水口前端部から緩やかな傾斜で徐々に高さを増
    加させ、可変リップ格納時の取水管路側部における可変
    リップ先端部でほぼ最大高さとなり、該最大高さ位置か
    ら緩やかな傾斜で徐々に高さを減少させて可変リップの
    回動軸よりも後方位置で没水体底面へと連続するサイド
    フェンスを設けたことを特徴とする水中翼船における
    オータージェットポンプ用可変取水口。
  2. 【請求項2】 低速時には船底が水中に没する艇走状態
    で航走し、高速時には船体下部に設けた没水体の浮力と
    水中翼の揚力で船体を水面から浮上させて翼走し、没水
    体の底面に設けた取水口から吸い込んだ水を取水管路を
    介して噴出する水中翼船におけるウオータージェットポ
    ンプの取水口において、 前記取水口の後部に回動軸を設けると共に、該取水口の
    後方に該回動軸を回動させる駆動手段を取水口と直列配
    置し、前記回動軸に可変リップを設けて該可変リップを
    前記駆動手段で揺動自在に構成し、該可変リップの両側
    部に、没水体底面の取水口前端部から緩やかな傾斜で徐
    々に高さを増加させ、可変リップ格納時の取水管路側部
    における可変リップ先端部でほぼ最大高さとなり、該最
    大高さ位置から緩やかな傾斜で徐々に高さを減少させて
    可変リップの回動軸よりも後方位置で没水体底面へと連
    続するサイドフェンスを設けたことを特徴とする水中翼
    船におけるウオータージェットポンプ用可変取水口。
  3. 【請求項3】 上記取水管路のウオータージェットポン
    プへ連なる後部壁面の下部曲り部に該取水管路内の圧力
    を検出する圧力検出器を設け、該圧力検出器で検出した
    吸込圧力に応じて最適な可変リップ揺動角に調整すると
    共に、該可変リップの位置をフィードバックさせてウオ
    ータージェットポンプを最適な取水効率で運転すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の水中翼船にお
    けるウオータージェットポンプ用可変取水口。
JP1993034277U 1993-06-24 1993-06-24 水中翼船におけるウォータージェットポンプ用可変取水口 Expired - Fee Related JP2601996Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993034277U JP2601996Y2 (ja) 1993-06-24 1993-06-24 水中翼船におけるウォータージェットポンプ用可変取水口

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993034277U JP2601996Y2 (ja) 1993-06-24 1993-06-24 水中翼船におけるウォータージェットポンプ用可変取水口

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH076099U JPH076099U (ja) 1995-01-27
JP2601996Y2 true JP2601996Y2 (ja) 1999-12-13

Family

ID=12409675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1993034277U Expired - Fee Related JP2601996Y2 (ja) 1993-06-24 1993-06-24 水中翼船におけるウォータージェットポンプ用可変取水口

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2601996Y2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4373919A (en) 1980-11-17 1983-02-15 Rockwell International Corporation Multi-passage variable diffuser inlet

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3942463A (en) * 1974-10-01 1976-03-09 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Movable ramp inlet for water jet propelled ships
JPH03213496A (ja) * 1990-01-16 1991-09-18 Toshiba Corp ウォータジェット推進機のインテークダクト装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4373919A (en) 1980-11-17 1983-02-15 Rockwell International Corporation Multi-passage variable diffuser inlet

Also Published As

Publication number Publication date
JPH076099U (ja) 1995-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4977845A (en) Boat propulsion and handling system
US6523489B2 (en) Personal watercraft and off-power steering system for a personal watercraft
US4437841A (en) Outboard jet drive steering mechanism
JP3660683B2 (ja) 水面航行器
US20030127035A1 (en) Watercraft control mechanism
CN2350310Y (zh) 设有通水管道的增速船舶
US6213824B1 (en) Method for reducing vessel draft
US5282763A (en) Steerable bow thruster for swath vessels
JP2007210537A (ja) ウォータージェット推進船
US8740660B2 (en) Pod drive installation and hull configuration for a marine vessel
JP2601996Y2 (ja) 水中翼船におけるウォータージェットポンプ用可変取水口
JP4668162B2 (ja) 格納式スラスター及びスラスター付き船舶
US6629866B2 (en) Marine vehicle propulsion system
JP2592729Y2 (ja) ウオータージェットポンプ用可変取水口
EP0518229A1 (en) Rudder for watercraft
JP2002087389A (ja) 船舶のサイドスラスター装置
US5317982A (en) Ship
JPH0513677Y2 (ja)
JP2965454B2 (ja) 高速艇の船尾装置
CN104812662B (zh)
US6491554B1 (en) Watercraft with steerable planing surface
WO1987002325A1 (en) Outboard boat propulsion installation
JP2552611B2 (ja) ウォータジェット推進船のデフレクタ装置
RU2712351C1 (ru) Система управления судном на сжатом пневмопотоке
US20220348300A1 (en) Integrated thruster apparatus for a marine vessel

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees